織物の産地、愛知・一宮の〈小川染色〉 オリジナルのラグや小物をつくれる タフティング教室が人気

近年、日本でも注目されつつある「タフティング」。
電動工具を使って布に毛糸を打ちつけ、ラグや小物を制作するハンドメイドのこと。
カラフルな糸と好きなデザインで、オリジナルなラグを自由自在に
つくることができます。

尾州(びしゅう)織物の産地として有名な愛知県一宮市にある〈小川染色〉では、
カラーバリエーション豊富な自社染めの糸を使ったタフティング教室を開催。
工房の壁には124色もの糸が並び、カラーチャートを眺めているような
ワクワクした気分に包まれます。

タフティングは、親子や高齢者にも楽しめるものづくり

「工場敷地内の小屋を改修して工房をつくり、2022年からワークショップを開始しました。
色、かたち、デザイン、サイズが自由に選べ、世界にひとつだけのオリジナル作品が
老若男女関係なくつくれるのもタフティングの魅力だと思います。
これまでにも、小学生から80代までの幅広い年代の方が参加してくださいました。
体験希望者も増えているため、6月には、6名まで同時に体験できるスペースに
拡張予定です」と中村さん。

初心者でも、30センチのラグであれば3時間ほどでできあがる。

初心者でも、30センチのラグであれば3時間ほどでできあがる。

タフティングは、手作業の刺繍とは違い、一方向にタフティングガンを
打ち込んでいくことで、絵を描くようにデザインを仕上げていくことができます。
インターネットが中心の世の中となり、バーチャルが日常的になっている今、
素材にふれながら遊び感覚でできるタフティングは、豊かな感性を取り戻してくれそう。
「私自身もタフティングをやるようになってから、夢中でキャンバスに向かうので、
スマホを手放す、デトックス時間となっています(笑)」と中村さん。

ガンで糸を打ちつけていく感覚は、スピードもあり、ストレス発散にも。

ガンで糸を打ちつけていく感覚は、スピードもあり、ストレス発散にも。

参加1週間前までに公式ラインに希望のデザイン送り、当日、プロジェクターに反転させたイラストを布に投影させ、それをなぞって下書きをつくります。

参加1週間前までに公式ラインに希望のデザイン送り、当日、プロジェクターに反転させたイラストを布に投影させ、それをなぞって下書きをつくります。

父の日のギフトにいかが? 新潟愛が詰まった 〈ニイガタネクタイ -亀田縞編〉誕生

上質で気品のあるネクタイ

コシヒカリなどの米どころとして有名で、
冬にはウィンタースポーツを楽しむために訪れる人も多い新潟県。
実は、江戸時代から続く伝統的な織物〈亀田縞〉が生まれた土地でもあります。

その〈亀田縞〉を使った、新潟を愛する人のためのネクタイ
〈ニイガタネクタイ -亀田縞編〉が2024年4月に誕生しました。

〈ニイガタネクタイ -亀田縞編〉の商品写真

〈ニイガタネクタイ -亀田縞編〉を企画・プロデュースしたのは、
新潟を拠点にデザイン活動をしている
〈hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)〉。

新潟への誇りや愛着を日常的に表現してほしいという思いで、
「新潟の大人のためのネクタイ」を開発したそう。

第1弾となる亀田縞編。シックでステキ!

第1弾となる亀田縞編では、
新潟市亀田の機織メーカー〈中営織業(なかえきぎょう)〉が持つ
206種の縞の中から5つをセレクト。

新潟の新たなスタンダードとなるよう、
縞のレイアウトや配色・質感など細部にこだわり、
カジュアルな服装や古着、ビジネスシーンにもマッチする
ラインナップに仕上げています。

〈ワイドネイビー&ゴールド〉のネクタイ

〈ワイドネイビー&ゴールド〉

複数の太さのストライプで構成された、
遊び心のある〈ワイドネイビー&ゴールド〉。
ジーンズなどのブルーやブラウンのパンツとも相性抜群なので、
カジュアルな服装や、明るい印象を好む方にぴったりです。

〈ブラウン&グレー〉のネクタイ

〈ブラウン&グレー〉

大人っぽく落ち着いた雰囲気のある〈ブラウン&グレー〉は、
カラーシャツにも合わせやすい1本。
ブラウン系のジャケットやスーツとの相性もばっちりです。

〈ブラックグレー〉のネクタイ

〈ブラックグレー〉

あまり目立ちたくない、でも上質なものを身に着けたい。
そんな方にマッチするのが、この〈ブラックグレー〉。
素朴な印象のなかにも、綿の柔らかさを感じられます。

〈ダークレッド&ライトピンク〉のネクタイ

〈ダークレッド&ライトピンク〉

よく見るとピンクや水色の糸も混じっているこちらは、
〈ダークレッド&ライトピンク〉。
えんじ色による大人っぽくレトロな雰囲気は、
ヴィンテージのお洋服ともよく合いそうです。

〈ワイドブルー&グレー〉のネクタイ

〈ワイドブルー&グレー〉

伝統的な〈亀田縞〉らしい〈ワイドブルー&グレー〉。
幅広なストライプが明るい印象を演出します。
ポイントとなるライトブルーに合わせ、
ブルー系のパンツと組み合わせるのがおすすめです。

販売時は、新潟の紙器メーカーによる
手作業でつくられたオリジナルボックスに丁寧にセット。
タグには気品を感じるエレガントな刺繍を入れて、
「贈っても贈られても嬉しい」プロダクトを目指しています。

気品を感じるエレガントな刺繍をいれたタグ

この上品な色の組み合わせと素材感なら、
6月に控える父の日や就職・昇進祝いのギフト、
はたまた「ネクタイをしていないと落ち着かない」なんて方への退職祝いまで、
幅広い世代の方への贈り物として活躍しそうです。

東北の伝統工芸が 国内外のアーティストとコラボ! 〈Craft×Tech Tohoku Project 2024 Exhibition〉が 5月24日・25日に東京で開催

置賜紬(山形)×落合陽一

時代と国境を超えたコラボレーションが実現

東北の伝統工芸とデザイン・テクノロジーとのコラボレーション展となる
〈Craft×Tech Tohoku Project 2024 Exhibition〉が、5月24日(金)と25日(土)の
2日間開催されます。

会場は、東京千代田区の登録有形文化財として知られる
〈kudan house(九段ハウス)〉。

今会期の後は、スイスのバーゼルで6月に開催される
〈デザイン・マイアミ・イン・バーゼル〉、
イギリスのロンドンで9月に開催される
〈ロンドン・デザイン・フェスティバル〉に巡回予定となっています。

〈Craft×Tech〉は、日本の伝統工芸と国際的に活躍する
クリエイターとのコラボレーションによって、革新的な
プロダクトやアートピースを生み出していくイニシアティブを目指し、
デザイナーの吉本英樹氏によって立ち上げられたプロジェクトです。

デザインスタジオ〈Tangent〉の代表であり、東京大学先端科学技術センター特任准教授も務める吉本英樹氏。

デザインスタジオ〈Tangent〉の代表であり、東京大学先端科学技術センター特任准教授も務める吉本英樹氏。

立ち上げの背景について、吉本氏はこのように述べています。

「私はもともと、伝統工芸の収集家でもなければ、それに特別な思いを
寄せるわけでもありませんでしたが、ふとしたきっかけで訪れた
東北の漆塗り工房で、文字通りその職人技に大きな衝撃を受けました。

社会の教科書に載っている日本文化の象徴としての伝統工芸というよりも、
今まさに現場で生み出されている、極めてクオリティの高い、
純粋なものづくりとしての工芸の美しさ。

ひた向きに、伝統を受け継ぎ、当たり前のように更新し続けていく姿。

そういったことに胸を打たれて以来、さまざまな地域の工芸産地の
製作現場を訪れ、職人さんとの会話を重ねるなかで、何か自分の持てる力と、
日本の伝統工芸を重ね合わせるようなプロジェクトを立ち上げたいという
気持ちが、日に日に大きくなっていきました」

〈F-TRAD〉プロジェクト 工芸の未来を感じさせる 14アイテムが福井から誕生

越前和紙、越前漆器など、
7つもの伝統工芸品がつくられている福井県。

そんな福井県で、伝統工芸品を現代のライフスタイルに合わせて
アップデートするプロジェクト〈F-TRAD〉が行われています。

伝統工芸を現代仕様にアップデート

今回が2期目となる〈F-TRAD〉。
伝統工芸産地が誇る技術を生かしながら
現代の生活に調和するアイテムを開発・セレクトし、
その魅力を全国に発信しています。

プロジェクトの主体は福井県。
全体ディレクションやコーディネートを
同県鯖江市の企業である〈TSUGI llc.〉が支えます。

〈F-TRAD〉プロジェクトでは、
コンセプトに合う商品開発をする〈F-TRAD MADE〉と
コンセプトを体現する商品のセレクト・販売をする
〈F-TRAD FOUND〉というふたつの企画を通じて、
福井の伝統工芸の、未来に向けた再解釈を目指しているそう。

今回、福井県内の伝統工芸職人と
福井県外を拠点とするデザイナーの協働によって、
同プロジェクトから14アイテムが誕生しました。

伝統工芸の未来を感じさせる8つのプロダクト

〈F-TRAD MADE〉が目指したのは、
「現代の人々の生活に寄り添う商品」。

職人とデザイナーで構成される8つのチームが
工芸と産地のこれからに徹底的に向き合い、
「それぞれの工芸が見据える未来」を感じさせるプロダクトを生み出しました。

越前焼 吉田雄貴(豊彩窯)× 鈴木康洋・光井花
〈HARIMON MUG、HARIMON MIRROR〉

越前焼 吉田雄貴(豊彩窯)× 鈴木康洋・光井花〈HARIMON MUG、HARIMON MIRROR〉

ぽってりとした模様が特徴的なマグカップと鏡は、
越前焼の貼文甕(ちょうもんがめ)にインスピレーションを受け、
その技法を再現し〈HARIMON〉と名付けられた商品。

職人吉田さんが1点ずつ手づくりする粘土の模様は、
花、木、鳥、蝶、ハート、太陽の6種類です。

越前打刃物 戸谷祐次(Sharpening four)×
江口海里(KAIRI EGUCHI STUDIO)〈巴刃〉

越前打刃物 戸谷祐次(Sharpening four)×江口海里(KAIRI EGUCHI STUDIO)〈巴刃〉

こちらは、肉や野菜などの食材をしっかりと切れる小三徳包丁と、
果物の処理に適した小回りの効くペティナイフ、
両方のよさを併せ持つミニ包丁。

軽くてコンパクトでありながら力を入れやすいこの包丁なら、
料理をする楽しみをより味わえそうです。

越前漆器 関坂達弘(セキサカ)×
鈴木元(GEN SUZUKI STUDIO)〈BOX〉

越前漆器 関坂達弘(セキサカ)×鈴木元(GEN SUZUKI STUDIO)〈BOX〉

箱好きのふたりによって開発されたのは、
越前漆器の角物技術を生かしつつ、
角度の工夫により現代的なすっきりさを感じる形に仕上げられた多目的ボックス。

上から見ると平行四辺形というこの絶妙な形が、
主張しすぎないのに目にとまります。

越前漆器 服部寿彦(松屋漆器店)×
舩越勇毅(trema)〈トレー、重箱、弁当箱〉

越前漆器 服部寿彦(松屋漆器店)×舩越勇毅(trema)〈トレー、重箱、弁当箱〉

こちらも越前漆器の商品。

重箱やトレーなど、テーブルウェアが人気の老舗漆器店が
人気商品をアップデートしました。

カラーリングによって、モダンで華やかな印象が感じられます。

千葉の森で 「ガスなし&雨水」で豊かに暮らす 〈パーマカルチャーと平和道場〉 ソーヤー海さん・訪問レポート

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

先日、友人であり〈東京アーバンパーマカルチャー〉創始者・ソーヤー海くん、
〈NPOグリーンズ〉代表・鈴木菜央さん、
元研修生の中島美紗子さんが運営する
千葉県いすみ市の〈パーマカルチャーと平和道場〉に行ってきました! 

ここは、築150年の母屋と2700坪の森や畑を舞台にした、
持続可能な暮らしと社会をつくる人を育てる学校です。

道場が目指すのは、「消費者」から「文化の創造者」を増やすこと。
コンポストで生ゴミを堆肥化し、野菜をつくったり、
廃材を使って小屋づくりをしたり。
循環する暮らしを体験しながら
これからの時代を生き抜く技術を学ぶ場所でもあります。

エココミュニティ運営者のギャザリングの様子。大人や子どもがソーヤーさんを囲み、話をしている写真。

古民家改修のためのクラウドファンディングでは485人が支援する大プロジェクトとなり、これまでに1000人以上が訪れました。

今回の私たちが訪れた目的は、
道場で開催されたエココミュニティ運営者のギャザリング。

長く続けるのが難しいエココミュニティを、
数十年、数百年と続く場に育てるには何が必要なのか? 
メンバー同士でノウハウを交換したり、抱える課題を解決するべく話し合ったりと、
とても濃厚な学びの時間でした。

会場となった道場で実践されていることは
〈いとしまシェアハウス〉の理念と共通することもたくさんあり、
刺激を受けた部分もたくさんあったので、
今日はその一部をみなさんとシェアできたらと思います! 

雨のなか、森の中を歩いている写真。

駅から徒歩約10分とは思えないほどのジャングル感!

〈SASHIKO GALS〉 東日本大震災の復興から生まれた 刺し子プロジェクトがブランドに!

大槌刺し子が次のフェーズを迎え、ブランド化!

2011年3月11日の東日本大震災で甚大な被害に遭った、
岩手県沿岸南部に位置する小さな港町、大槌町(おおつちちょう)。

岩手県沿岸南部に位置する小さな港町、大槌町

岩手県沿岸南部に位置する小さな港町、大槌町

その3か月後に、復興支援の一環として立ち上げられたのが、
地元のお母さんたちによる〈大槌刺し子(旧、大槌復興刺し子プロジェクト)〉です。

今年で13年目を迎える同プロジェクトは、
事業化に向けて現在クラウドファンディングを実施中。
ジーンズやスニーカー、ぬいぐるみのリメイクなど、
リターンには、一針一針丁寧に縫われた
味わい深い貴重なアイテムが登場しています!
申し込みは今月末まで。

〈大槌刺し子(旧、大槌復興刺し子プロジェクト)〉

震災当初、男性たちが朝から晩まで力仕事に勤しんでいるとは反対に、
女性たちは避難所で1日を終えることが少なくなかったといいます。

そこで、震災で職を失った女性たちの新たな仕事となったのが〈大槌刺し子〉。
針と糸、生地さえあれば限られたスペースでできる刺し子は、
おばあちゃんやお母さん、働き盛りの女性と、
地元の女性たちの精神的拠り所となりました。

10年間で209名の女性がプロジェクトに参加

プロジェクト発足時は全員が刺し子未経験。
しかし、飛騨高山の職人の技術をアレンジしてオリジナリティを追求。
無印良品や中川政七商店、オンワード樫山などとの協業や、
ファッションブランド〈KUON(クオン)〉のサンプル製作や
ショー衣装の制作も行い、着々と技術と実績を積み上げてきました。

2011〜2021年の10年間で209名の女性がプロジェクトに参加し、
3980万8500円の工賃が支払われたそうです。
今では“日本屈指の刺し子職人集団”と胸を張って言えるほど。

ただ、まちの過疎化、仕事の減少、転職者の続出、後継者不足など
現在あらゆる問題に直面しており、
「復興後の地元プロジェクトの事業化モデルケースの実証」
「刺し子の伝統継承」「大槌町ひいては日本の活性化」を目標に事業化し、
〈SASHIKO GALS(サシコギャルズ)〉のブランド化を図っていきたいそう。

若手職人の育成から生まれた ヒット商品〈あかいりんご〉。 南部鉄器〈タヤマスタジオ〉の挑戦

南部鉄器では珍しい、つるんとした丸いフォルムが特徴的な〈あかいりんご〉。
今回は、この商品を生み出した岩手県盛岡市にある南部鉄器の工房〈タヤマスタジオ〉を、
三菱UFJ銀行仙台支店の久保誠一郎さん、真野和樹さん、
三菱UFJフィナンシャル・グループ経営企画部の松井恵梨さんが訪問。

業界では革新的な職人の育成方法を実践し、
現代のライフスタイルに馴染む鉄瓶のあり方を提案する、
代表の田山貴紘さんにお話をうかがいました。

“変える”ことは、現状を否定するプロセスでもある

岩手県を代表する伝統工芸品、南部鉄器。

「広い意味では、盛岡藩主の南部氏が盛岡城とともに城下町を建設する際、
生活の道具として職人に鋳物をつくらせたのが始まりといわれています。
諸説あるのですが1625年に始まり、来年で400年になります」

盛岡市で南部鉄器の工房〈タヤマスタジオ〉を営む田山貴紘さんは、
南部鉄器についてこう説明します。

〈タヤマスタジオ〉代表・田山貴紘さん。

〈タヤマスタジオ〉代表・田山貴紘さん。

狭義には、昭和49(1974)年にできた「伝産法」
(伝統的工芸品産業の振興に関する法律)によって、
材料などが詳細に定められているほか、
商標を持つ南部鉄器協同組合に加盟する事業者がつくったもの、とも。

400年もの歴史を有する伝統工芸品と聞くと、格式高そうな気がしてしまいますが、
盛岡市中央公園内にある工房はモダンな佇まい。
働いている職人も20代、30代がメインで、
一般的な伝統工芸のイメージとかけ離れています。

田山さんがこの道に入ったのは、30歳になる年。
それ以前は、関東で理系の大学院を卒業し、
健康食品メーカーの営業として全国を飛び回る日々を送っていました。

20代後半になって、自分が本当にやりたいことを考えるようになり、
東日本大震災が大きなきっかけとなってUターン。
そして南部鉄器の職人で、2018年には「現代の名工」として
厚生労働大臣から表彰を受けている、父の田山和康さんに師事します。

鉄を流し込むための鋳型をつくる工程。粗い砂から細かい砂へと何層も重ねていく。

鉄を流し込むための鋳型をつくる工程。粗い砂から細かい砂へと何層も重ねていく。

「2013年1月から修業を始めて、
その年の11月にタヤマスタジオ株式会社を設立したのですが、
修業中の身なので起業のことは黙っていたんです。
父親はのちのちメディアを通して知ることになるのですが、
『おまえ、何やってるんだ』と怒られました(笑)。

会社をつくったのは、いろんなチャレンジをしたかったからなのですが、
言い換えると“変える”ということなのかもしれません。
何かを変える行為には、現状を否定するプロセスがどうしても入ってきますが、
そのために職人をいちいち説得するのは、おそらく相当手間がかかる。
自分で責任を持ってやるほうが早いだろうと思ったので、
実績を出して納得してもらおうと考えての決断でした」

DJ松永がニットを着る。 世界からオファーが届く 新潟のニットとは?

DJ松永さんが学ぶ、新潟のニット

「Bling-Bang-Bang-Born」が世界的なヒットになっているCreepy NutsのDJ松永さん。
新潟県長岡市出身で、
新潟県のオウンドメディア『新潟のつかいかた』にてアンバサダーを務めています。
これまで新潟でのルーツを語ったり、師匠のDJ CO-MAさんと対談したり、
イベントや記事を通して新潟のアピールを続けてきました。

今回、『新潟のつかいかた』で
『DJ松永、初めて「新潟のニット」を纏う。新潟発、高品質ニットを知っていますか?』
という記事が公開されました。

実は新潟県には、世界からオファーが届くニットの工場がいくつもあります。
特に五泉市や見附市は戦後からニットの産地として有名で、
「五泉ニット」や「見附ニット」と呼ばれ、
国内外のラグジュアリーブランドから厚い支持を受けています。

近年は、オリジナルのニットブランドを立ち上げている工場が増えつつあります。
個々の強みを生かし、これまで培った技術力で質の高いアイテムを世界に向けて発信。
じわじわと人気を集めているのです。

「新潟のニットをもっと多くの人に知ってもらいたい」

そんな思いから実現したのが、DJ松永さんによる特別ファッション企画です。

“猫専用こたつ”と 和歌山県産みかんがセットに。 〈猫と、こたつと、思い出みかん〉 2024年度分の予約を受け付け中

売り上げの一部は被災地の復興支援と被災地の猫を救う活動に寄付

猫好きさんにはたまらない、猫専用こたつ付きみかん
〈猫と、こたつと、思い出みかん〉の2024年度分の予約が
今年もスタートしています。

手がけるのは、和歌山県で60年以上続く食肉卸売販売会社〈nakatx〉。

同社で運営するオンラインショップ〈チキンナカタ〉の店主が猫好きで、
日本の冬の風物詩である「猫」「こたつ」「みかん」を組み合わせてみては?
という発想から企画されました。

みかんについてくる猫専用こたつは段ボール製で、足を差し込むだけで簡単に完成。

みかんについてくる猫専用こたつは段ボール製で、足を差し込むだけで簡単に完成。

猫が人間のようにみかんの乗ったこたつでくつろぐ、かわいらしい姿は
SNSで話題を呼び、2018年の発売開始から累計で6000箱超を売り上げる
人気商品となっています。

お気に入りの布をこたつぶとんのように天板の間に挟むだけで、オリジナルの猫専用こたつに。

お気に入りの布をこたつぶとんのように天板の間に挟むだけで、オリジナルの猫専用こたつに。

猫専用こたつ付きみかん〈猫と、こたつと、思い出みかん〉

さらに、今年は先着100名限定で、専用こたつぶとんのプレゼントも。

大阪府泉南市の縫製工場〈FACTORY KURA〉のブランド〈はぎれっくす〉が
廃棄するしかなかった端切れを再活用してつくる、地球にも猫にも優しい
オリジナルこたつぶとんです。

写真はイメージです。端切れを使用するため、ふとんの柄は変わります。

写真はイメージです。端切れを使用するため、ふとんの柄は変わります。

桜、梅、スミレでつくる 「野の花のシロップ」ってどんな味? ピクニック・花見におすすめの カクテルレシピ3選も

※野生の花は毒を持つものもあるため、必ず毒性がないか調べてからつくりましょう。
※花を採取する際は、土地の持ち主さんに許可をとってからにしましょう。

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

長かった冬が終わり、
春が来たことを知らせてくれる野の花たち。
ピンク、青、紫とカラフルな花たちを見ていると、
「春の花のシロップ」をつくりたくて
うずうずしてしまいます。

パンケーキにかけたり、炭酸で割ったり、
いろいろな楽しみ方ができる花のシロップですが、
今年は、このシロップで「カクテル」をつくってみたくなりました。

春のピクニックに、お花見に。
気分が上がるお花のカクテルがあったら、
すごく楽しいと思いませんか?

桜の花のシロップをおたまですくい、瓶に入れている様子。

桜の花をシロップ漬けに。

花の味が生きるのは「煮出し型」それとも「漬け込み型」?

去年は、タンポポやレンゲを使った「煮出す」タイプのシロップをつくりました。

そのとき、ちょっと失敗してしまったのが桜の花のシロップ。
桜餅のような甘い香りを期待してつくりましたが、
香りが少なく、エグ味が出てしまい、
がっかりしたのを覚えています。

さまざまな花でシロップをつくるうちに、
「煮出し型」と「漬け込み型」があることを学びました。

満開の桜の風景写真。

美しい花を見ると、どんな味がするのかな? と思うようになりました(笑)。

「煮出し型」

花を煮出して香りを移してから花をとり出し、
残った液体をお砂糖で煮詰める方法。
タンポポやレンゲなど、香りの少ない野性味の強い花に向いています。
日持ちするのが特徴。

「漬け込み型」

砂糖を溶かしたお湯に、花やハーブを漬け込む方法。
煮込むと香りが飛んだり、エグ味が出てしまう、
桜、梅、スミレ、和ハッカなど、
香りが特徴の花やハーブが向いています。
あまり日持ちはしません。

去年は「煮出し型」のシロップをたくさんつくったので、
今年は香りや色を生かした
「漬け込み型」のシロップに挑戦してみたいと思います。

下田在住の絵本作家、鈴木まもるさんが 子どもたちに伝えたいこと

大人も子どもも、
自分らしさを見つめる特別授業

伊豆下田に移住して暮らす津留崎家。
お子さんが通う小学校で、
絵本作家であり、鳥の巣研究家である鈴木まもるさんによる
特別授業が行われました。

それに参加した津留崎徹花さんにとっても、
心に響く内容でした。
はたしてどのような授業が行われたのでしょうか。

東北生まれの「小久慈焼」が、 ふだん使いにちょうどいいワケ

日本の最北端の窯元

岩手県北東部、久慈市小久慈町でつくられている「小久慈焼」。
約200年の歴史をもち、伝統的な窯元としては日本の最北端に位置していることから、
「北限の民窯」といわれています。

窯元が小久慈町にあるから「小久慈焼」。廃藩置県や市町村合併で地名が変わるたび、「天田内焼」「久慈焼」などと呼ばれ方も変わってきた。

窯元が小久慈町にあるから「小久慈焼」。廃藩置県や市町村合併で地名が変わるたび、「天田内焼」「久慈焼」などと呼ばれ方も変わってきた。

小久慈焼の窯元はただひとつ。
現在は8代目の下嶽智美(しもだけ さとみ)さんが継いでいます。

下嶽智美さん。

下嶽智美さん。

「小久慈焼の歴史は詳しくわかっていませんが、
八戸城のあたりを掘ったときに当時の焼き物が出てきて、
この地域のものだといわれています。
おそらく八戸藩に焼き物を物納していたんだと思います。
いまのような流通のない時代、地元にある材料で生活道具をつくったのが、
小久慈焼きのはじまりだったはずです」

「ハレとケ」でいうと「ケ」の器。
日常で使う消耗品として、小久慈焼は使われてきたといいます。
記念品や贈呈品として贈られる風習もあったことから、
昔からこの地に住んでいる家庭には、いまもたいてい小久慈焼があるそうです。

工房と同じ敷地にある直売所。

工房と同じ敷地にある直売所。

小久慈焼の代表的なアイテムに、片口やすり鉢があります。
「たぶん、江戸時代からつくられてきたものだと思います。
片口は軽量カップのようにも使えるし、すり鉢も家の道具として必需品ですよね」

下嶽さんは、こうした昔ながらの実用的なアイテムを中心に、商品を展開しています。
先代までは、技巧を凝らした器をつくっていた時期もあったそうですが、
下嶽さんの代で原点に立ち返ることにしました。

「小久慈焼は、ずっと地元で使われてきたものですが、
地元が過疎化してきて、震災でさらに人口が減りました。
つまり、買う人が少なくなったということです。
販売先を全国に広げざるを得なくなって、
小久慈焼を知らない人に『これが小久慈焼です』といえるものをつくる方針にしました」

下嶽さんはさらに、現代の暮らしに合う器を研究し、
小久慈焼のデザインに取り入れています。
小久慈焼はずっと、日常生活ためにつくられてきたもの。
時代とともに生活様式が変われば、それに合わせて変化するのは、
小久慈焼らしいといえるでしょう。

神奈川の木工を世界に。 個性豊かなつくり手の 技術を発信する〈手神〉

ブランド価値を上げ、つくり手に還元したい

木工製品の産地として知られる神奈川県西部。
指物(さしもの)・挽物(ひきもの)・寄木(よせぎ)・木象嵌(もくぞうがん)
といったさまざまな木の加工技術を持ったつくり手の姿や想いを世界に伝え、
神奈川の木工の価値を上げたいと
2022年に立ち上がったブランドが〈手神〉です。

〈手神〉を手がける〈株式会社ジーンワークス〉は、
足柄上郡山北町に拠点を置く木工商品のプロデュース会社。
代表の池谷賢(いけやまさる)さんは、
製品企画の過程で出会ったつくり手たち自身の魅力に感動したといいます。

「なかには、国内で同じ加工技術を持つ人がいない、
まさに日本の宝のような方もいます。
しかしその魅力は伝わっておらず、適正な価格で取引されない場合や、
後継者不足で年々工房が減っている現状があります。

はじめは5人の作品を仕入れて販売していましたが、
それぞれのつくり手を知れば知るほど
その人自身の技術と魅力を作品と一緒に伝えたいと思うと同時に、
つくり手のおかげで得られた利益をどうにか
つくり手や神奈川の木工に還元したいと考えました。」

こうして作品だけでなくつくり手のストーリーも
“手紙を書くように心を込めて”紹介し、
“つくり手・伝え手、全ての手が神奈川の手であることから”
〈手神〉と名づけられたブランドが誕生しました。

〈手神〉がお披露目された2022年の表参道の展示会「ててて商談会」にて。

〈手神〉がお披露目された2022年の表参道の展示会「ててて商談会」にて。

5人のつくり手とデザイナーとの共同作業

〈手神〉の作品は、池谷さんと
デザイナーの山田佳一朗さん、山内美歩さんが
何度もつくり手たちの工房に足を運び、
技術をどう表現するか、どんな表現をしたいかを話し合いながら、
何度もデザインと試作を繰り返して完成させていきました。

寄木と傾斜のある難易度の高い指物細工を得意とする
松本育さんの〈69.1°〉は、全ての辺が69.1度で交わる器。
直線だけで構成されていますが、実は木を真っ直ぐに切るのは難しく、
デザインの段階ではつくることは難しいと松本さんは思っていました。
しかし、樹種選びやパーツの合わせ方に手をかけることで、
松本さんだからこそつくれる作品ができあがりました。

松本育さんは2021年に小田原市江之浦でまつもと木工所を開業。

松本育さんは2021年に小田原市江之浦でまつもと木工所を開業。

「大切なものを入れてほしい」という松本育さんの〈69.1°〉。

「大切なものを入れてほしい」という松本育さんの〈69.1°〉。

春の香りを閉じ込めたい……! 「梅の花」と「柚子の種」でつくる アロマウォーター&化粧水

春が近づいてきましたね。
庭に出ると、ふわりと梅の香りが漂う季節になりました。

よい香りに出合うと
「この香りをいつでも楽しめるように、閉じ込めておけないだろうか……」
とよくばってしまう私が、
ついにガラス製の蒸留器を手に入れました。

ガラスのビーカーやさまざまな器具が合わさった、ガラスの蒸留器の写真。

ちょっと高価なので、買うのに数年迷いました(笑)。使い勝手がよくて気軽にできるので買ってよかった!

今まで10リットル以上の大型蒸留器や
手づくり蒸留器を使ってきたのですが、
子どもが生まれてから圧倒的に時間が足りなくなったこと、
準備やあと片づけが大変なこともあり、
なかなか蒸留ができなくなっていました。

そこで、ついに手軽に蒸留できるガラス製蒸留器を購入! 
これから野山にあるいろんな素材を蒸留してご紹介していきたいと思うので
楽しみにしていてください。

“くだものの里”に根付くシードル文化。 醸造所〈VinVie〉がつなぐ ユニークなりんご農家のコミュニティ

地域や農家ごとの特徴が表れたシードル

全国屈指のりんごの産地として知られ、国内2位の生産量を誇る長野県。
高い育種技術でさまざまなオリジナル品種も数多く生み出しているほか、
近年は、りんご果汁の醸造酒・シードルが盛り上がりを見せている。
県内で新進気鋭の醸造所が続々と開業し、生産者数は80を超えるとも。
酒蔵やワイナリーが多い土地柄もあって、
地域や品種の個性を生かした多彩な味わいのシードルが生まれている。

銘柄数は日本一ともいわれる長野県のシードル。

銘柄数は日本一ともいわれる長野県のシードル。

なかでも注目を集めるのが、県南部にあたる南信州地域。
とりわけ「くだものの里」として知られる松川町は
シードルづくりに意欲的に取り組むりんご農家が多く、
それぞれが独自のブランドを立ち上げて製造・販売する
ユニークなシードル文化が根づいている。

その一翼を担うのが、2018年に創業した株式会社〈VinVie(ヴァンヴィ)〉。
自社畑で育てたりんごとブドウを使ったシードルやワインの製造・販売、
そしてりんご農家からの委託醸造も引き受けている。

3000メートル級の南アルプスを正面に臨む高台に位置する〈VinVie〉。

3000メートル級の南アルプスを正面に臨む高台に位置する〈VinVie〉。

社名でありブランド名でもある〈VinVie〉は、フランス語でワインを意味する「Vin」と、
生命や人生、生活などを意味する「Vie」を合わせた造語だ。
普段の生活や地域に根ざし、
飲む人すべてを幸せにするやさしいワインとシードルづくりを通じて、
地域の発展や活性化も目指したいとの思いが込められている。

〈VinVie〉の発起人であり代表の竹村暢子さん(左)と醸造責任者の竹村剛さん(右)。名字は同じ「竹村」でも親族関係ではない。

〈VinVie〉の発起人であり代表の竹村暢子さん(左)と醸造責任者の竹村剛さん(右)。名字は同じ「竹村」でも親族関係ではない。

開拓者精神が息づく意欲的な生産者の営み

そもそも松川町で本格的に果樹栽培がはじまったのは、約100年前の大正4(1915)年。
町の中央を流れる天竜川の河岸段丘と扇状地に開けた自然豊かな地で、
水はけのよい土壌と、
日照時間が長く昼夜の寒暖差が大きいという果樹栽培に適した環境を生かし、
りんごやナシの集団生産地として農業が発展した。

〈VinVie〉のある増野(ましの)地区を中心に農地の開墾も進み、
現在の数多くの果樹園の下地に。
今ではブドウやさくらんぼ、ブルーベリーなど、さまざまな種類の果樹が栽培されている。

至るところに果樹園がある町内。春のさくらんぼから冬のりんごまで季節ごとに多彩な風景が広がる。取材時は農閑期で、12月に収穫を終えた松川町の〈VInVie〉のりんごは落葉し、剪定の時期に突入していた。

至るところに果樹園がある町内。春のさくらんぼから冬のりんごまで季節ごとに多彩な風景が広がる。取材時は農閑期で、12月に収穫を終えた松川町の〈VInVie〉のりんごは落葉し、剪定の時期に突入していた。

くだもの狩りができる観光農園も多く、
直売所運営、自社製品の開発や独自の販売ルートの開拓など
意欲的な農家が多いのもこのまちの特徴だ。

「観光農園は自分たちで価格を決められますし、
固定客がつくなど収入が安定しやすいので、若い世代も事業承継しやすいんです。
特に、1975年に町内に高速道路のICが開かれたことで、
それぞれの農園ごとにオリジナリティを出す農家が多かったことが
背景にあると思います」と〈VinVie〉代表の竹村暢子さんは言う。

パンダの主食である 竹がテーブルウェアに? 和歌山〈アドベンチャーワールド〉が 商品化

パンダの食べる竹から生まれた環境にやさしい商品

パンダが食べる⽵から機能的なテーブルウェアが誕生しました。
ブランド名は、その名も〈PANDAYS(パンデイズ)〉。

和歌山県白浜町にあるテーマパーク〈アドベンチャーワールド〉から
生まれたブランドです。

アドベンチャーワールドが取り組む〈パンダバンブープロジェクト〉の一環としてスタート。photo:アドベンチャーワールド

アドベンチャーワールドが取り組む〈パンダバンブープロジェクト〉の一環としてスタート。写真提供:アドベンチャーワールド

パンダたちのために調達した竹のうち、幹のようなパンダが食べない部分や
食べ残しなど、使用されない量は年間100トン(※)にも上ると言います。
※ジャイアントパンダを7頭飼育していた2022年当時の竹幹・枝葉の廃棄量。

そんな本来廃棄されてしまうはずの竹を集成材へと加⼯し、アップサイクル。

バターケースやボウル、マグカップ、丸プレートなど
普段の生活に取り入れやすい11アイテムへと生まれ変わりました。

⽇常⽣活のなかで資源循環に対する気付きが芽⽣えることを願って製作されています。photo:アドベンチャーワールド

⽇常⽣活のなかで資源循環に対する気付きが芽⽣えることを願って製作されています。写真提供:アドベンチャーワールド

岡山・西粟倉村の間伐材を活用した 家具ブランド〈KIMIKI〉

森と人を架橋する家具

岡山県の北部に位置し、村面積の約9割が森林である西粟倉村。
その森の約8割が針葉樹林で、2008年から村では「百年の森林構想」を掲げ、
村民が一丸となって森の環境整備を行っています。

西粟倉村の針葉樹林

西粟倉村の針葉樹林

資源循環で森の価値を提供する製材メーカー〈西粟倉森の学校〉では、
この取り組みで発生した間伐材を活用した家具ブランド〈KIMIKI(キミキ)〉を、
2023年11月25日にスタートさせました。

間伐材を活用した家具ブランド〈KIMIKI(キミキ)〉

同ブランドが掲げるテーマは「木を感じ、森を嗜む」。
森と人の架け橋としての家具を目指し、使いづらい木材の節や耳の部分を、
「生命力を感じる」魅力ある素材と再定義し、メイン素材として活用しています。

「KIMIKI」という名前は、「幹」という単位で木を生かすという
「生幹≒KIMIKI」という造語から命名。

木の製材例

一般的な製材は、節が少ない部分を良質な木材として活用され、
外周の丸い形状が角材としては使われにくく、
耳(皮)部分は切り落とされて破棄されやすい材料に。
KIMIKIは、これらの材を価値として製品に生かし、
木に対する認識を再定義することを目指しました。

材料の活用部分で家具の印象が変わるよう、
耳(MIMI)、芯(SHIN)、辺(HEN)の3種類の、
それぞれの素材の印象を反映した家具を展開。

耳(MIMI)、芯(SHIN)、辺(HEN)の3種類の、それぞれの素材の印象を反映した家具を展開。

MIMIシリーズ(ひのきの耳付き材)では、
テーブル天板に厚み40ミリの木を採用し、
木の魅力を厚みや存在感で感じられる家具を展開。
木の色味は素地色で、表面はすべてオイル仕上げを採用。
経年変化が楽しめる仕上がりになっています。

また、シンプルながらに主張あるスチール脚は、
細く繊細でまっすぐと垂直に伸びる形状で統一しており、
森で育つ針葉樹からインスピレーションを得たフォルムが魅力です。

木のノート〈Shiki Bun〉 に どんな言葉を綴りますか? 伊那の森と暮らしをつなぐ 〈やまとわ〉の活動

「変化することが美しい」

「経木」の実物を見たことのある人は、そう多くないかもしれない。
木を薄く平らに削ってつくる経木は、
その名の通り、かつてはお経を書き記す媒体だったという。
以降は特に食の場面で使われた。おにぎりを包んだり、落し蓋にしたり、
揚げ物の下に敷いたり、まな板代わりにして肉や魚を切ったり……。

「経木は、ビニール製品ができる50年くらい前までは、
食べ物を包んだりするメジャーな包装資材でした。ただ、現代は食生活が違う。
だから時代にあった使い方を提案しているんです」と語るのは、
長野県伊那市に事務所を構える〈株式会社やまとわ〉の代表取締役・中村博さん。
同社は伊那のアカマツを素材にした現代版の経木〈信州経木Shiki〉を製造販売している。

〈株式会社やまとわ〉の代表取締役・中村博さん。

〈株式会社やまとわ〉の代表取締役・中村博さん。

〈信州経木Shiki〉の乾燥工程。生木を伐ってから3週間以内に削り、1日〜1日半かけて乾燥させる。

〈信州経木Shiki〉の乾燥工程。生木を伐ってから3週間以内に削り、1日〜1日半かけて乾燥させる。

〈信州経木Shiki〉。右から2番目の Lサイズは長さ48センチと大きいが、これは素材となるアカマツの節から節の長さに応じてつくられた結果だ。

〈信州経木Shiki〉。右から2番目の Lサイズは長さ48センチと大きいが、これは素材となるアカマツの節から節の長さに応じてつくられた結果だ。

「例えば経木でパンを包むと、アカマツの調湿作用で焼き立てのパンの汗を吸収したり、
冷凍保存してもカピカピにならなかったり。
県内外のパン屋さんのユーザーが増えています」

そのほかにも納豆の包装、スーパーの調理用生魚のドリップの吸収シート、
さらに照明やビールのラベルの資材など、用途は多彩だ。

極めつけは〈信州経木Shiki〉をもとにつくられた木のノート〈Shiki Bun〉だろう。
同じ伊那市にある美篶堂が手製本で綴じ、
表紙と1ページ目には同県松本市の藤原印刷が印刷を施した。
添加物などを一切使用していないため日焼けや反りなど経年変化していくが、
「むしろ変化するのが美しい」という嗜好のユーザーに爆発的に受け、
制作中に予約で完売することも多いという。

〈信州経木Shiki〉でつくられた木のノート〈Shiki bun〉。美篶堂の手製本で綴じられている。

〈信州経木Shiki〉でつくられた木のノート〈Shiki bun〉。美篶堂の手製本で綴じられている。

「親子の交換日記とか、大切な人に言葉を書いて贈る人が多い。使われ方が美しいんですよ」と中村さんは笑う。

「親子の交換日記とか、大切な人に言葉を書いて贈る人が多い。使われ方が美しいんですよ」と中村さんは笑う。

「僕らも手作業で削るし、美篶堂さんも手製本だから、
大量生産して流通に乗せるような商品ではないかもしれない。
でもこれらの商品、特に〈信州経木Shiki〉は、僕らの考える、
もっとも本質的な意味をユーザーさんの食卓にまで届けてくれるんです」

豆まき後の鬼たちを描く “鬼のまち”福知山が舞台の オリジナル絵本

節分の掛け声は「鬼は内、福は外」。鬼にゆかりの深い京都府福知山市

2月3日の節分といえば「鬼は外、福は内」の掛け声と共に、
豆まきをする習わしがありますが、一風変わった掛け声の地域があります。
鬼とゆかりの深い京都府福知山市の、
三和地域にある「大原神社」の節分祭のかけ声は「鬼は内、福は外」です。
巷にある悪いものを神社で清めたうえで(=鬼は内)、
村に福をお返しする(=福は外)一風変わった節分祭になっています。
鬼がお多福に変わる演出は地元の有志により演じられ、
いまもなお地元のひとたちに愛されている恒例行事です。

福知山市にある大江山

また、福知山市にある大江山には、平安時代中期の武将・源頼光が、
「頼光四天王」と呼ばれる屈強な家臣らを従え丹波国⼤江⼭へ向かい、
酒吞童子(しゅてんどうじ)率いる鬼の一味を討伐(鬼退治)する
という伝説が伝わっています。
大江山は2007年に「丹後天橋立大江山国定公園」に指定されました。
毎秋、酒呑童子伝説と大江山をテーマとした「大江山酒呑童子祭り」も
開催(2023年は台風災害のため中止)されています。

さらに丹後天橋立大江山国立公園の中にある「元伊勢内宮皇大神社」の節分祭では、
豆まきを行い、人に災いをもたらす三鬼(病鬼・陰鬼・貧鬼)を神前に追い込み、
お祓いをして病鬼を元気に、陰鬼を陽気に、貧鬼を富貴のお多福に変身させます。

大江山の鬼伝説

一方福知山市北部の大江地域では昭和以降、
大江山の鬼伝説がまちおこしに使われるようになりました。
大江駅前には72枚の鬼瓦があり、大江山までの道中には13体の鬼像が佇むなど、
さまざまな場所に自然と鬼が共存しています。

令和になったいまも、福知山市は鬼伝説をモチーフにしたPR動画やポスター、
鬼ラッピングのタクシーなどさまざまな鬼コンテンツを企画し、
「鬼のまちづくり」をすすめています。

コロナ禍では2月2日の「鬼鬼の日」に、市役所大江支所職員や地域で働く人々が
“鬼のまち”をポップに楽しくアピールしようと、すすんで鬼マスクや角を装着し、
そのシュールな姿が一部で話題になりました。

女子高校生が開発! 富山名物「ます寿司」そっくりな 折り紙が新発売

考案のヒントとなったのは「数学の授業」

2020年のコロナ禍、富山県の高校生4人が考案した、ある折り紙が誕生しました。

その折り紙とは、富山名物のます寿司を模した「ますずし折り紙」。
〈海と日本プロジェクト〉による、海を感じながらおうち時間を楽しく過ごす
「stay home with the sea」という企画をきっかけに話題となりました。

それから3年の時を経て、ジャポニカ学習帳で知られる
〈ショウワノート〉の協力のもと、この折り紙が商品化。

「おりマス。」という商品名で、12月22日から富山駅や
〈ますのすしミュージアム〉など、富山市内を中心に発売されています。

「ますずし折り紙」

折り上がったかたちが笹の葉にのったます寿司そっくりというユニークさだけでなく、
一般的な折り紙に比べて折り方が難しいことも特徴です。

その理由は考案者である、富山中部高校探求科学科3年生(当時)の
館盛陽香さん、藤山瞳さん、山口天音さんが数学の授業で研究していた、
折り方が難しいことで知られる「正n角形のねじり折り総数」が開発のヒントとなったため。

研究の過程で作成した折り紙がます寿司の笹の葉を広げたかたちに似ている点に
気づいたことから開発をはじめ、美術部に所属していた同級生の杉本結さんに
デザインの協力を得て、「ますずし折り紙」が完成したのです。

10周年を迎えた 〈HASAMI PORCELAIN〉から 個性光る〈ART MUG〉3種が発売中

波佐見焼×アートのコラボマグカップ

陶磁器の町、長崎県波佐見町にルーツをもつ〈東京西海株式会社〉は、
自社のブランド〈HASAMI PORCELAIN(ハサミポーセリン)〉から
第3弾となる新しいアイテムを発売しました。

2021年に発足したアーティストらと協業する
〈ART MUG〉プロジェクトは、
これまで内田洋一朗さんと平野太呂さんが参加。
今回は、神山隆二さん、カワイハルナさん、
横山裕一さんの3名のマグカップを提案します。

波佐見町の風景。山にかかる登窯の跡地が景色に溶け込んでいる。 撮影:平野太呂

波佐見町の風景。山にかかる登窯の跡地が景色に溶け込んでいる。 撮影:平野太呂

HASAMI PORCELAINは、2013年に国内展開がスタート。
今年が10周年のアニバーサリーとしてART MUG3種を
12月11日よりオンラインで発売を開始しました。

プロダクトの製造は東京西海の親会社である
〈西海陶器〉の創業した波佐見町で、
原料の天草陶石に土を混ぜた「半陶器」のマグやプレート、
ボウル、ティーポットなどが生産されています。

約400年前の江戸時代につくられはじめた磁器は、
当時から日本各地に、長崎港を経てヨーロッパへも出荷されました。
量産型の日用の食器として安価で使いやすい波佐見焼の伝統は、
現代まで脈々と受け継がれています。

工場内には製造途中の器が所狭しと並べられる。 撮影:平野太呂

工場内には製造途中の器が所狭しと並べられる。 撮影:平野太呂

販売前のテスト用サンプルを焼成後、裁断検査を行う。 撮影:平野太呂

販売前のテスト用サンプルを焼成後、裁断検査を行う。 撮影:平野太呂

2011年、HASAMI PORCELAINは波佐見焼のテーブルウェアとして、
日本よりも先にアメリカからスタートしました。
ロサンゼルス在住で〈tortoise general store〉を経営する
篠本拓宏さんのディレクションのもとに生まれ、
現在も米国、ヨーロッパ、アジア・オセアニアと世界中で愛用されています。

丹波焼の郷で 陶工の営みに触れる「陶泊」が 2024年春にスタート

日本六古窯の一つで、850年以上の歴史を受け継ぐ丹波焼の郷

瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本六古窯のひとつに数えられ、
その発祥は平安時代末期から鎌倉時代のはじめといわれる丹波焼。
850年以上受け継がれる産地では、時代の要請に応じて、つくる物やつくり方の変化を
繰り返しながら、昭和53(1978)年には国の伝統的工芸品指定を受けました。

850年以上の歴史を受け継ぐ丹波焼の郷

今日も50以上の窯元が、技法も造形も用途も多様なものづくりを手仕事で行っており、
日常使いできる、暮らしに寄り添う、美しく多様な作品は、
世代を超えて愛され続けています。

丹波焼職人の工房に泊まり、暮らしを旅する「陶泊」

丹波焼職人の工房に泊まり、暮らしを旅する「陶泊」

そんな丹波焼の郷も、時代の変化に伴い、窯元数や職人の減少がみられ、
持続的な産地のあり方を模索しています。
美意識を磨くために何度も訪れることができる郷になることを目指して、
2024年の春に兵庫県丹波篠山市今田町エリアでスタートするのが〈陶泊〉です。

個別の客室やシャワー等の宿泊設備もあり安心して滞在することが可能

陶泊とは、陶芸体験などから一歩踏み込み、陶工の自宅などに宿泊して
生活を共にすることで、職人の手仕事や里の空気、文化なども味わう滞在型旅行です。
陶泊で宿泊できるのは、職人の工房など、実際の暮らしの現場。
職人の日常に触れ、日本のものづくりの現場を間近で見て体感することができます。
もちろん、個別の客室やシャワー等の宿泊設備もあり安心して滞在することが可能です。

一関市の老舗〈京屋染物店〉が “地域の価値の創造”に挑む 複合ショップ〈縁日〉

染め物屋の枠を超えて

岩手県一関市の里山に、
築およそ200年の古民家を改装した複合ショップ〈縁日〉がオープンした。

店内には衣・食・住の暮らしの道具を販売するショップスペースとカフェがあり、
敷地内にはワークショップができるスペースやギャラリーも有している。

縁日の母屋の外観。

縁日の母屋の外観。

縁日のショップスペース。

縁日のショップスペース。

企画や運営を担うのは大正7(1918)年に創業した〈京屋染物店〉。
城下町だった一関で着物の友禅染めから商を始め、
現在は半纏や手ぬぐいなど、おもに郷土芸能や祭の衣装を手がけている。
代表は4代目の蜂谷悠介さん。100年以上続く老舗だが、若い担い手が多く、
柔軟な発想で新しい取り組みに次々と挑戦している。

手の力で染料を布に押し込む手捺染(てなっせん)で半纏の生地を染める様子。

手の力で染料を布に押し込む手捺染(てなっせん)で半纏の生地を染める様子。

染め終えた布は張り上げて乾燥させる。デザインから染め、縫製までを一貫して行っているのも同社の強みだ。

染め終えた布は張り上げて乾燥させる。デザインから染め、縫製までを一貫して行っているのも同社の強みだ。

2018年には自社ブランド〈en・nichi〉を立ち上げ、
東北地方の伝統的な野良着「猿袴(さっぱかま)」から着想した〈SAPPAKAMA〉、
山仕事に用いられていた「山シャツ」から着想した〈YAMA SHIRT〉など、
東北ならではのエッセンスを盛り込んだ商品を開発してきた。
ほとんどの製品が永久修繕に対応。
東北に根づく刺し子の手法を生かしたお直しも受けつけている。

SAPPAKAMAは2019年度「グッドデザイン賞」を受賞。

SAPPAKAMAは2019年度「グッドデザイン賞」を受賞。

縁日では、こうした自社製品に加え、同社がセレクトした品も数多く並ぶ。
北日本のつくり手を中心に、心地良い循環が生まれている商品など、
製品づくりにおける思想に共感したことがセレクトの基準だ。

ものを買う場所としてだけではなく、食や祭り、ワークショップなどを通じて、
体験する機会も提供している同店。
こうした場をつくったのは、染め物屋という枠に留まらず、
土地ならではの伝統や手仕事の技術を後世に伝えていきたいという想いがあるからだ。

店頭にはさまざまな製品が並ぶ。写真は五穀豊穣を祈願してつくられてきた民芸品 ”馬っこ” をリデザインした〈ノ馬 - nouma -〉(1430円〜)と、奥州市の休耕田で育てたお米から蒸留したエタノールを使用した〈遠野が香るアロマスプレー〉(2400円〜)。

店頭にはさまざまな製品が並ぶ。写真は五穀豊穣を祈願してつくられてきた民芸品 ”馬っこ” をリデザインした〈ノ馬 - nouma -〉(1430円〜)と、奥州市の休耕田で育てたお米から蒸留したエタノールを使用した〈遠野が香るアロマスプレー〉(2400円〜)。

〈THE FASCINATED〉と 『GOOD ERROR MAGAZINE』 横江亮介さんが静岡から発信する 唯一無二のサボテンとWEBマガジン

“突然変異”のサボテンを携え、全国をめぐる

全国各地でサボテンの巡回展を行うプロジェクト〈THE FASCINATED〉を主宰する
横江亮介さんに、その取り組みに求めるものを尋ねるとこう返ってきた。

「サボテンを『人と出会うためのツール』にしているんだよ」

静岡市街から車で20分ほど。青々とした山々に囲まれ、
すぐ近くには清流として名高い安倍川が流れている自然豊かな地域にある畑の一角に
小さなビニールハウスが設けられている。
そこで横江さんはサボテンを育てていた。
もともとは横江さんの奥さんの父親が借りていた畑を、
サボテンを育てる場所として使わせてもらっているとのことだ。

「ロケーションも最高だからね、ここは」

サボテンを育てるハウス

ビニールハウスの中には、不思議な形をしたサボテンがたくさん並んでいる。
あらゆる方向に曲がりくねったものや扇が波打つように広がった形のもの、
小さなサボテンの集合体のようなものもある。
これらの形はサボテンの成長の途中で突然変異が生じたことで成るもの。
横江さんによると、サボテンの突然変異には大きく分けて2種類あるらしい。

「綴化(てっか)とモンストローサ。
綴化というのは、普通サボテンのてっぺんにひとつある成長点が側面にできてしまって
帯状に成長していくこと。
モンストローサはあらゆるところに成長点ができることで、予想ができない。
意外と原形をとどめながら成長していくのもあるし、
本当にグチャグチャになってしまうものもある。
今あるもので自分的に形やバランスも良くて、かっこいいと思うのがこれかな」

横江さんがお気に入りのサボテンとして挙げてくれた「菊水モンストローサ」。

横江さんがお気に入りのサボテンとして挙げてくれた「菊水モンストローサ」。

横江さんにとって「良いサボテン」とは何なのか尋ねると、
イケてるサボテンのいくつかの基準を教えてくれた。

「このサボテンにはまだらに色が入っているでしょ、これを『斑入り』と呼ぶ。
サボテンの名前に『〜錦』と書いてあったら、
それはこんなふうに色が入っているということ。
きれいな色がまだらに入っているほど価値が上がる。
これくらい、迷彩っぽく色が入るといいんだよね。
あとはトゲが太いほどいい。基本はその2点が注目するポイントだけど、
トゲの密集度とか“肌”の感じとか、人によって大切にしているところはそれぞれだね」

色の入り方、トゲの太さもいいと横江さんが語るサボテン「綾波錦」。

色の入り方、トゲの太さもいいと横江さんが語るサボテン「綾波錦」。

横江さんのビニールハウスではこうした“奇形”に育った
さまざまなサボテンを管理しているほか、自分たちでもサボテンを育てている。
種から育てる実生もあれば、接木で増やすものもある。
しかし、突然変異は人為的にコントロールできるものではないため、
根気強く一個一個の可能性を確認していく。

そうして、立派に育て上げたサボテンを全国のショップやギャラリーに持ち込み、
展示を行う。その活動を〈THE FASCINATED〉と名づけた。
でも、冒頭の言葉通り、
それはサボテンを売り歩くためのものではない。
“人と出会うため”のものなのだ。