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posted:2024.4.18 from:岩手県上閉伊郡大槌町 genre:ものづくり
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
2011年3月11日の東日本大震災で甚大な被害に遭った、
岩手県沿岸南部に位置する小さな港町、大槌町(おおつちちょう)。
その3か月後に、復興支援の一環として立ち上げられたのが、
地元のお母さんたちによる〈大槌刺し子(旧、大槌復興刺し子プロジェクト)〉です。
今年で13年目を迎える同プロジェクトは、
事業化に向けて現在クラウドファンディングを実施中。
ジーンズやスニーカー、ぬいぐるみのリメイクなど、
リターンには、一針一針丁寧に縫われた
味わい深い貴重なアイテムが登場しています!
申し込みは今月末まで。
震災当初、男性たちが朝から晩まで力仕事に勤しんでいるとは反対に、
女性たちは避難所で1日を終えることが少なくなかったといいます。
そこで、震災で職を失った女性たちの新たな仕事となったのが〈大槌刺し子〉。
針と糸、生地さえあれば限られたスペースでできる刺し子は、
おばあちゃんやお母さん、働き盛りの女性と、
地元の女性たちの精神的拠り所となりました。
プロジェクト発足時は全員が刺し子未経験。
しかし、飛騨高山の職人の技術をアレンジしてオリジナリティを追求。
無印良品や中川政七商店、オンワード樫山などとの協業や、
ファッションブランド〈KUON(クオン)〉のサンプル製作や
ショー衣装の制作も行い、着々と技術と実績を積み上げてきました。
2011〜2021年の10年間で209名の女性がプロジェクトに参加し、
3980万8500円の工賃が支払われたそうです。
今では“日本屈指の刺し子職人集団”と胸を張って言えるほど。
ただ、まちの過疎化、仕事の減少、転職者の続出、後継者不足など
現在あらゆる問題に直面しており、
「復興後の地元プロジェクトの事業化モデルケースの実証」
「刺し子の伝統継承」「大槌町ひいては日本の活性化」を目標に事業化し、
〈SASHIKO GALS(サシコギャルズ)〉のブランド化を図っていきたいそう。
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今回のリターンにラインナップしているのは、
サシコギャルズオリジナルの刺し子くるみ缶バッジやお守りセットをはじめ、
ぬいぐるみやスニーカー、洋服のカスタム、ワークショップなどさまざま。
枠が大きいものだと、会社のユニフォームへの刺し子とPRといったものもあります。
サポートを含めて、この価格で細やかな手仕事の技が凝らされたアイテムを
ゲットできたり、学べたりできるのはかなり破格なのでは?
クラファンは4月30日まで。お見逃しなく。
information
SASHIKO GALS クラウドファンディング
Web:震災復興から生まれた刺し子プロジェクトをブランドに! 15人のお母さんの挑戦!
Instagram:@sashiko_gals
*価格はすべて税込です。
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