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下田在住の絵本作家、鈴木まもるさんが
子どもたちに伝えたいこと|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.148

Page 2

下田の小学校で6年間を過ごした娘の、
これからの人生に想いを馳せる

田では満開だった河津桜が散り始め、
いよいよ春の訪れを感じるようになりました。
小学6年生の娘は、今年の4月からいよいよ中学校へ進学します。
小学校入学のおよそ1年前に移住し、
暮らしに少し慣れてきた頃に入学。
6年間を下田の小学校で過ごしました。

卒業という大きな節目を目前にし、
これまでを振り返って
しみじみとした気持ちを抱きかかえております。
子どもが成長するにつれ無事に育ってくれたうれしさとともに、
えも言われぬ淋しさが込み上げてくる。
そして、娘はこれからどんな人生を送るのだろうかと
想いを巡らせるのです。

南伊豆で咲いた河津桜

下田の隣まち、南伊豆に、娘とふたりで早咲きの河津桜を見にでかけました。こんなふうに母とゆっくり過ごしてくれるのも、もうあと何年かな〜と、またしみじみとしてしまうのです。

そんな娘が最近没頭しているのが、絵を描くことです。
週に1度、地元の絵画教室に通っているのですが、
その時間は脇目も振らず一心に絵を描いています。
集中して筆を動かす娘の姿はとても美しく、
私はそれをこっそり眺めているのが好きです。

娘が描く絵もまた、とても魅力的だと感じています。
教室の先生は、ひとりひとりをしっかりと観察し、
それぞれの個性をどう伸ばしていけるか
丁寧に向き合ってくださっています。

娘も週に1度のお教室が待ち遠しい様子で、
難しい題材のときには
「難しかったけど、色をつくるのが楽しかった」と。
うまく書けたと自身が思えたときには
「けっこうね、うまく描けたと思うんだよね」と、
うれしそうに頬を膨らませます。
好きなことを純粋に楽しみ、
そして自分のなかに自信が芽生えている娘の姿が、
私もとてもうれしいのです。

娘さんが描いたイカの絵

『キミ子方式』という三原色と白だけで色をつくる描き方を教えていただいてから、娘の絵の幅が広がりました。『烏賊』を描いた作品。

絵を描くことが好きな娘。
その娘が通う小学校で先日、絵本作家の鈴木まもるさんによる
「鳥の巣が教えてくれること」という特別授業が行われました。

当日は鈴木さんと学校側のご好意で、
保護者の参加も認められていたので、夫と私も聴講させていただきました。
その特別授業の内容がとても胸に響くものだったので、
ぜひみなさんにもお伝えしたいと思い今回書かせていただきます。

特別授業で話をする鈴木まもるさん

絵本作家であり、鳥の巣研究家でもある鈴木まもるさん。子どもたちに語りかける姿はとても熱を帯びていて、子どもたちもぐいぐいと引き込まれていました。

鳥の巣をまじまじと観察する子どもたち 

鈴木さんが持参してくれた鳥の巣。初めて見る、触る巣に芽を輝かせる子どもたちの姿に、改めて子どもの好奇心の素晴らしさを感じました。

津留崎さん一家が鈴木さんのアトリエを訪問している様子

以前、鈴木さんのご自宅にうかがわせていただいたことがあります。山小屋のなかには世界中で集めた鳥の巣が大切に保管されています。