中島宏典 vol.4
福岡県八女市は、お茶、農業、手工業と並び、林業も盛んな地域です。
今回は、八女市の林業にスポットを当て、長年の課題と背景、
そして林業関連の方々と一緒に取り組むプロジェクトについて、ご紹介していきます。
なぜ、林業の取り組みに関わることになったのか?
自分自身、学生時代から疑問に思っていることがありました。
八女福島のまち並みの修理・修景現場では、
柱や梁の交換、屋根材、床・壁材など多くの木材を利用します。
しかし、その木たちが、どこで育ち、いつ伐採され、
どういうルートで製材・加工・乾燥されて現場に搬入されているのか、
現場の人たちもわからないというのです。
とにかく、八女は一帯に山々が広がり、奥八女に向かう道中には杉の森ばかり。
川沿いにはまだ多くの製材所が稼働しているのに、
なぜ地元産材として認識されたうえで、建築の現場で使われていないのか。
ひと昔前までは、当たり前のように使われていたはずの地域材が、
いつから使われなくなってしまったのか……。

茶畑の奥に杉が植林されている奥八女の典型的な里山風景。
奥八女の森林を起点に流れる矢部川・星野川流域の環境を維持・保全するには、
伐採と植林が欠かせません。
そのためには八女杉を利用する必要があることは何となく理解していました。
とはいえ、木材流通の現状についてはまったく理解できておらず、
まち並みの視察や見学に訪れる方から、
「この柱は八女の木ですか?」という質問が飛ぶたびに、
きちんと答えられない状況でした。

有明海からの俯瞰図をみても、奥八女には緑の山々ばかり!(矢部川流域景観計画より/作成:九州大学出口研究室(当時))




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