福岡県八女市の伝統的な大型木造建築〈旧八女郡役所〉のリノベーション。
今回は内装と外壁づくり、外構のリノベ、完成後の運営について紹介していきます。
屋根瓦の葺き替えや土壁塗り、躯体工事が完了し、続いては内装工事です。
建物南側の物販店舗〈朝日屋酒店〉と、
西側のスペース〈kitorasu〉をつくっていきます。

旧八女郡役所、リノベ後の平面レイアウト(2019年6月現在)。
まず、南側店舗部分(朝日屋酒店)に着手しました。
もともとあった内装は解体して躯体だけの状態にします。
100年以上積み重ねられた埃と屋根から降りてきた瓦の残骸が1階に溜まっていて
苦しめられましたが、なんとか片づけが終わりました。

南側店舗部分の基礎コンクリート打設の準備。奥側は土掘りの途中です。
その後、自分たちでスコップと一輪車を使って、
基礎づくりのための穴掘りも行い、生コンを流入し、下地をつくりました。
床は地元産の木材として、天然乾燥の八女杉の床材(厚み3センチの荒材)を、
自分たちで張っていくことにしました。

〈朝日屋酒店〉の杉床張りの作業前の下地。この上に板を張っていきます。

朝日屋酒店の杉床張りの作業。ワークショップ形式で行いましたが、スムーズに張れるようになるまで時間がかかりました。
続いて、西側のスペース、kitorasuの内装改修に入りました。
ここには絵本カフェの〈絵本や・ありが10匹。〉が入居することになりました。
もともと古いまち並みの一角で〈絵本や・ありが10匹。〉を開いていた
伊藤寛美さんに、かつて幼稚園給食をつくっていた経験を生かして
絵本カフェとして移転オープンしていただきました。

元住宅部分を解体して店舗へ。

杉板の床張りが終わった〈kitorasu〉。
梁組を見せつつ、床や壁には杉板を張り、
部分的にボードなどの下地にペンキ塗りすることで予算を抑えました。
床を張るのに四苦八苦しましたが、張り終えたときの杉の香りと、
凛とした空間の雰囲気には感動しました。

朝日屋酒店がオープン! 店内の棚や什器は、地元の家具作家・関内潔さん作。

kitorasuには、居心地のよい関内潔さん作の杉の椅子やテーブルが。
こうして、朝日屋酒店と、〈絵本や・ありが10匹。〉の移転オープンを
無事に迎えることができました!

kitorasuの客室から厨房方向を見る。右手の棚には〈絵本や・ありが10匹。〉の店主によって厳選された絵本がずらり。

地域内外の親子連れが訪れる〈絵本や・ありが10匹。〉の看板メニュー「まかないカレー」。