仏生山まちぐるみ旅館 vol.4
ぼくは、香川県高松市の仏生山町というところで暮らしています。
建築設計事務所と、仏生山温泉を運営しながら、
まち全体を旅館に見立てる、
〈仏生山まちぐるみ旅館〉
という取り組みを進めています。
今回ご紹介する、
〈TOYTOYTOY(トイトイトイ)〉は雑貨店です。
場所は仏生山温泉から徒歩2分、西へ100メートルぐらいのところにあります。
店主の高柳敦史さんは、
2015年に家族で東京から移住、開業しました。
奥さんと、お子さんふたりの一家4人。
移住の大きなきっかけのひとつは震災でした。
そして高柳さんが仏生山を選んだのは、子育てがしやすい環境というのもあるし、
雑貨店を始めるにあたって、
まちぐるみ旅館という取り組みがとてもすてきだと思ってくれたことでした。
ぼくにとって、すごくうれしいことです。

左が店主の高柳敦史さん。右はダンボール作家の、しまづふゆき(カルトン)さん。ギャラリーでワークショップの準備中。
TOYTOYTOYは
デッキをはさんで雑貨店部分とギャラリー部分に分かれています。
雑貨店部分は、店内いっぱいに、めずらしい文具や衣類があります。
からくり人形や肉タオル、人工シャボン玉?(レインボースティック)もある。
店内をまわると、にやにやできる。
ぼくは、誰かに紹介するとき、
“変態雑貨を上品に売る店”と伝えたりしています(笑)。
ギャラリー部分では、アートやクラフト、プロダクトの展示を不定期に行っています。
大きい窓のある箱のような空間で、とても明るい。
2階に作家が滞在できる場所があって、そういうのがとてもいい。

変態雑貨が上品に販売されています。
TOYTOYTOYには、
大きな特徴がふたつあると感じています。
ひとつめは、
いわゆる雑貨店に行くと、
どこかで見たことがある、というものがたくさんあるんだけど、
ここでは、そういうことがほとんどないのです。
すべての商品は、店主の高柳敦史さんが自分の目で選んで
ほんとうに好きだと思ったものばかり。
雑誌に出ているようないわゆる「売れ線」商品は皆無なのです。
このことは、とても仏生山的で、
売れるからという理由が先にはならないというところ。
いいもの、いいこと、居心地がいい場所、
そういうものが先にあって、「結果」として、売れていくこと。
TOYTOYTOYをはじめ、仏生山ではそういう感じが空気として共有されています。
ふたつめは、販売の方法がユニークなのです。
名前をつけるとしたら、「好きだトーク販売」。
店主のトークがとてもおもしろいのです。
その内容は商品自体の説明でもあるのだけれど、
自分がどれだけ好きか、みたいな感じなのです(笑)。
そのうえ説明に、まったく圧力がなく何よりも楽しいし、心地よい。
受け取り方によって、トークショーを聞いているようでもあるし、
バックミュージックを聞いているようでもある。
お客さんはものを買うけれど、そういう楽しい体験もして帰ることができるのです。
これは高柳さんの人柄によるところがとても大きい。

リノベーションを行う前。手前が1棟1戸、奥が1棟2戸の木造賃貸住宅。
リノベーションを行う前は、築50年になる2棟3戸の木造賃貸アパートでした。
その3戸分を全部借りて、ひとつの店舗併用住宅としました。
おおまかには1階が店舗、2階が住居という分け方です。

住居部分の施工前。






































































