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posted:2016.1.13 from:東京都八王子市 genre:活性化と創生 / アート・デザイン・建築
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
「木のある暮らし Life with Wood」からのニュースです。
日本の木材を活用した新しい商品、ユニークな商品、ヘルシーな商品の情報や、
木に触れる、木の良さを知るイベントやプロジェクトのことなどをキャッチ!
writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
東京都八王子市にある工学院大学八王子キャンパス。
ここに昨年、125周年記念事業として作られた弓道場とボクシング場がいま話題です。
設計は、建築学部 建築デザイン学科の冨永祥子准教授によるもの。
“国産無垢材を使った木造無柱空間をローコストでつくる”
という条件に応え、日本の伝統的木造建築の美しさや
構造特性を現代の技術で再構成しました。
木材は和歌山県産。
日本の伝統建築を現代に美しく昇華したデザインが評価され、
2015年日本建築学会賞(作品)など、
多数の国際的な賞を受賞しています。
弓道場には細い束・貫による格子フレーム、
ボクシング場には大仏様の三手先を
内部空間に反転した天秤フレームが使われています。
共に斜材を使わない水平垂直の構成と、その膨大な接合部の集積により
外力を吸収する柔軟な構造が特徴です。
同大学の建築学部1年生によるコンクリート平板作りを実施し、
彼らの作品が弓道場の一部として組み込まれているというのもステキ。
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工学院大学で木造建物が作られるのは初めてのこと。
素材には、普段市場に出回らない国産の食害材や
小径材を積極的に活用したり、加工の一部を地元業者に
依頼することでコストを抑えています。
この素材を生かすため、構成は日本建築の伝統に現代の合理性を合わせたものに。
日本建築の持つ水平垂直の美を踏襲しつつ、荷重を分散させながら、
ビスやネジによるシンプルな接合部を実現しているのだそう。
今年には、IOC(国際オリンピック委員会)とIAKS(国際スポーツレジャー施設協会)が主催する、
世界の優れたスポーツ・レジャー施設などを表彰する国際的な建築賞
「IOC / IAKS Award 2015」で銅賞を受賞。
こうした国産材の建築が増えたらいいな、と思うニュースでした。
information
工学院大学 八王子キャンパス
住所:〒192-0015 八王子市中野町2665-1
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