佐賀県〈ピアノの駅プロジェクト〉。 デビッド・マシューズら 世界的ピアニストがライブを開催!

ジャズ好きにはたまらない、豪華ゲストを招いたライブイベントが
12月21日(金)、22日(土)に佐賀県で開催されます!

デビッド・マシューズ氏。

デビッド・マシューズ氏。

カイル・シェパード氏。

カイル・シェパード氏。

注目のゲストは、世界的ジャズピアニストのデビッド・マシューズ。
〈サイモン&ガーファンクル〉の音楽監督として
グラミー賞やプラチナディスクを数多く受賞し、
ジャズバンド〈マンハッタン・ジャズ・クインテット〉のリーダーも務めています。
さらには、南アフリカが生んだ“アフリカン・ピアノの継承者”
カイル・シェパードを迎える贅沢さです。

21日(金)は佐賀市〈アバンセ円形ホール〉で2本だてのコンサートを、
22日(土)は小城市のJR小城駅で“音楽寺子屋”と題した
コンサートとトークショーを行います。
22日のイベントは入場無料だというのが信じられません……。

過去にJR小城駅で行われたコンサートの様子

過去にJR小城駅で行われたコンサートの様子。

悩める城下町、 飫肥(おび)が立ち上がる! 地域資産を活用する祭典 〈DENKEN WEEK〉

歴史的建造物が空き家に…。地域資源はどう活かす?

宮崎県日南市にある城下町、飫肥(おび)地区。
重要伝統的建造物群保存地区にも指定される美しいまちなみですが、
昨今は歴史的建造物の空き家問題や、地域資源を活かしきれずに
外部への発信が不足している課題に悩んでいます。

そんな悩める城下町が、飫肥城下町全体をフィールドにした、
食、音楽、芸術の祭典〈DENKEN WEEK〉を、
2018年10月13日(土)~21日(日)にわたって開催しました。
イベント名にも含まれる「DENKEN」とは、伝統的建造物群保存地区の略。
城下町に点在する有形文化財を活用して、地域の歴史や文化を魅せる祭典です。
今年で2度目の開催、今年の来場者数はなんと1万人を超えました。

〈武家屋敷 伊東邸〉で行われた〈DENKEN gastronomie〉

小川智寛シェフが腕をふるったコース料理

小川智寛シェフが腕をふるったコース料理

DENKEN ガストロノミー

DENKEN ガストロノミー

〈DENKEN WEEK〉で行われたコンテンツのひとつが、
廃屋だった古民家を再生させてレストランにした
〈武家屋敷 伊東邸〉で行われた〈DENKEN gastronomie〉。

小川智寛シェフが腕をふるったコースは25000円と高額ですが、2日間とも完売。
飫肥らしさを再考した日南の食とシェフの技術の融合が披露されました。

無印良品のお年玉!〈福缶 2019〉 日本各地の手づくり縁起物・ 48種類のどれかが缶の中に

無印良品から新年のお年玉! 2019年1月1日(火)より、
福島の赤べこや、香川の高松張子ウリ坊など、
日本各地の縁起物を缶に詰め込んだ〈福缶〉が販売されます。

福島の赤べこ

福島の赤べこ

日本の地域性の面白さを知ってもらうことを目的にした
〈福缶〉は、2012年正月にスタート。
きっかけは、震災復興の東北を応援したいという想いを込めて、
東北4県(青森、岩手、宮城、福島)の縁起物、14種類を缶詰にしたことでした。
2019年の〈福缶〉には、48種類の郷土玩具が用意され、
その中のどれか1種類が入っています。

各地の縁起物には全てに意味があり、さまざまな願いが込められています。
その土地ならではの生活や信仰から生まれ、
土地柄に根ざした特有の面白さと美しさを兼ね備えています。

1冊の交換日記から新しい恋を! 全く新しい婚活キャンペーン 〈結日記〉スタート

長野県茅野市は、八ヶ岳連峰、蓼科湖、白樺湖などの
雄大な自然が広がる、人口約5万5千人の街。

このたび、そんな茅野市が、
全く新しい婚活キャンペーン〈結日記(ゆいにっき)〉をスタート! 
恋をしたい、結婚をしたいと考えている市内在住者と首都圏在住者が、
オリジナルの交換日記で交流を深めていく企画です。

結日記オリジナル日記帳の表紙

結日記

結日記

この〈結日記〉は、交換日記を使った出会いから始まる婚活キャンペーン。
恋愛対象や希望に応じてカップリングされた10組が、
オリジナルの交換日記で交流を深めていきます。

結日記で公開されるのは、ニックネームとプロフィールだけ。
実際に相手を特定できるような、本名、写真、SNSは
開示されないルールになっています。
なんと実際に相手に会えるのは、来年の3月(予定)!

結日記の仕組みイメージ図

この企画のために、オリジナル日記帳が制作されました。
聞きづらい質問や相手の価値観を知ることができる仕掛けが用意されています。
お互いのことを知り合う道標となるようなテーマページや、
自由に記載できるページなどで構成されており、
ふたりは郵送で日記を交換して交流を深めることになります。
(日記の送り合いは茅野市が間に入ります)

交換日記が始まるのは2018年12月中旬から。
文字だけで交流を深め、「会ってみよう」と思ったふたりは、
茅野市の名所、御射鹿池(みしゃかいけ)にて出会うことができるというわけです。

成功の鍵は“生態系”!?
「醸造するまち」遠野の仕掛け人たち

遠野市とキリン。長い時間をかけて“丁寧な”関係を築いてきた。

ビールの原料として使われるホップ。
名前くらいは聞いたことがあるかもしれないが、
実際に見たことのある人はどのくらいいるだろうか。
今、ホップの一大生産地である岩手県遠野市に全国から多くの人が集まっている。
また、世界108都市で展開しているシティガイド『タイムアウト』にも
遠野が取り上げられるなど、海外からも注目され始めている。
目的は「ビアツーリズム」だ。
夏には5メートルにも及ぶホップ畑のグリーンカーテンを見学し、
ホップ自体を手に取ることもできる。

ビールというと工業製品のように思われているかもしれないが、
遠野に来ると、れっきとした農業から生まれていることがわかる。
ホップ畑からホップの1次加工場、
ビールづくりをしている〈上閉伊(かみへい)酒造(ZUMONAビール)〉や〈遠野醸造〉まで、
完成までの一連の流れを見ることが可能だ。

とれたてのホップ!(写真提供:キリン株式会社)

とれたてのホップ!(写真提供:キリン株式会社)

グリーンカーテンは高さ5メートルにも及ぶ。(写真提供:キリン株式会社)

グリーンカーテンは高さ5メートルにも及ぶ。(写真提供:キリン株式会社)

こうしたプロジェクトやイベントに至るには、歴史がある。
遠野市は55年前から飲料メーカーの〈キリン〉と関係性を構築してきた。
特に転機となったのは、2004年に発売されたビールだ。

「『一番搾り とれたてホップ』に遠野産ホップがふんだんに使われることになって、
お互いに商品に対する思い入れが高まり、
遠野が“ホップの里”だとアピールしていこうというのがきっかけだと思います」
と説明してくれたのは、遠野市産業部六次産業室の菅原 康さん。
遠野市や遠野ホップ農協、キリンなどで組まれている
〈TKプロジェクト〉において、遠野市の窓口担当だ。

遠野市産業部六次産業室の菅原 康さん。

遠野市産業部六次産業室の菅原 康さん。

一方、キリンのCSV戦略部絆づくり推進室の浅井隆平さんは、
2013年から、復興支援の一環として遠野に通い始め、
今年(2018年)、新農業法人〈BEER EXPERIENCE株式会社〉の設立にともない
4月に移住してきた。
遠野に通い始めた当初、菅原さんをはじめ、市役所の関係者などと話しているうちに、
「遠野産ホップが本当に市民の誇りになっているのか!?」
と疑問に感じたという。

「そこで、もう一度、市民の誇りを醸成するために、こんなことができる、
というようなアイデアを菅原さんにぶつけていたんです。
すると良い反応をいただいて。
初年度の〈遠野ホップ収穫祭〉なんて準備期間3か月程度でやり切りました。
それがこのプロジェクトがブレイクスルーした瞬間かもしれません」(浅井さん)

キリンCSV戦略部絆づくり推進室の浅井隆平さん。

キリンCSV戦略部絆づくり推進室の浅井隆平さん。

キリンの浅井さんと遠野市の菅原さんは、
ほぼ毎日のように電話やメールなどでやりとりをしていたという。
市側でも農業や観光関係部署も巻き込み、単なる商品PRを超え、
持続可能なまちづくりへと変化していった。

「キリンとしても単にホップを絶やさないという目的だけではなく、
ホップやクラフトビールを通じて日本のビアカルチャーの未来をつくっていきたい。
だから新農業法人に出資だけして“遠野のみなさんがんばってください”ではなく、
日本産ホップの生産維持やブランド化=ビールの里構想の具現化を
遠野市民と一緒に推進していくために、本格的に人を派遣したということです。
それがないと、地域と持続的に関わることはできません」

こうして2015年に遠野市の行政や市民、ホップ生産者、キリンで
“ホップの里からビールの里へ”というキャッチフレーズのもと、
TONO BEER EXPERIENCE事業を発表し、さまざまな活動を繰り広げている。

浅井さんが着ていたTシャツロゴから遠野ホップ愛が伝わってくる。

浅井さんが着ていたTシャツロゴから遠野ホップ愛が伝わってくる。

〈魚で地域おこし会議 in 鎌倉〉 既存の枠組みを飛び出す、 魚業に関わるプレイヤーたち がトーク!

写真:細原裕香

2018年11月23日(金・祝)、鎌倉の〈まちの社員食堂〉にて、
さまざまな形で漁業に関わるプレイヤーたちをゲストに招き、
魚の生業の未来について語らうイベント
〈魚で地域おこし会議 in 鎌倉〉が開催されます。

〈魚で地域おこし会議 in 鎌倉〉ロゴ

本イベントを企画したのは、コロカルの連載「鎌倉ローカルラボ」でも
おなじみの編集者/ライター、原田優輝さんが関わる〈阿久根と鎌倉〉プロジェクト。

鎌倉で行われたイベントの様子

2017年、鎌倉で行われたイベントより

「鹿児島県阿久根市に唯一残る鮮魚店に後継者がいない」という課題を起点に、
全国的な課題となっている魚を生業とする人材の育成、
魚食の普及に取り組んでいるこのプロジェクト。

阿久根で漁業・水産業について実践で学び、鎌倉で鮮魚の販売をする、という
2拠点居住型の新しいワークスタイルを通じて、
これからの魚業を盛り上げる人材を育成することを目標にしています。
今回の〈魚で地域おこし会議〉は、この〈阿久根と鎌倉〉プロジェクトの
一環として行われるものになります。

下園正博さん(下薗薩男商店常務)

下園正博さん(下薗薩男商店常務)

長谷川琢也さん(一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン 事務局長)

長谷川琢也さん(一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン 事務局長)

堀田幸作さん(株式会社tasobi 代表)

堀田幸作さん(株式会社tasobi 代表)

今回イベントのゲストに招かれたのは、
既存の枠組みにとらわれずさまざまな形で魚業に関わるプレイヤーたち。

当日は〈阿久根と鎌倉鮮魚店〉プロジェクト紹介のほか、
阿久根にてショップ、カフェ、工場、宿泊施設を融合した
〈イワシビル〉をオープンした下園正博さん、
地域や職種を超えた漁師集団〈フィッシャーマン・ジャパン〉を
石巻で立ち上げた長谷川琢也さん、
〈ものすごい鯖〉の仕掛け人で、鎌倉在住の堀田幸作さんら
がそれぞれの取り組みを紹介。

イベント終了後は、希望者のみ同会場にて交流会を予定しています。
お申込みは申し込みページより。

脱サラ同級生でスタート!
岩手県一関ブランドの
“切りもち”づくり

一ノ関駅から西に20分ほど車を走らせると、
「厳美渓」という国の名勝天然記念物に指定されている名勝が。
滝・奇岩・甌穴(おうけつ)と変化にとんだ景色が広がり、
訪れる人を魅了する観光スポット。
「空飛ぶだんご」という、対岸からロープ伝いにだんごが運ばれてくる
名物茶屋で知る人も多いのでは?

厳美渓の美しさもさることながら、この一帯は
夏は緑、秋は黄金の海となる、広大な田んぼが続く美しい稲作地帯。
田んぼの多くは〈こがねもち〉という品種の“もち米”が栽培されている。

こがねもちの田んぼ。

こがねもちの田んぼ。

特に厳美渓近くにある道の駅の裏手の田んぼは、
ほぼすべてがこがねもちの作付け地。
約47ヘクタール、おおよそ東京ドーム10個分にもなる
もち米の田んぼを管理するのは〈一関もちの里生産組合〉。
今年で組合創立4年目を迎えるこちらは、
地元の同級生である佐藤好基さん、阿部和利さんを中心に7名でスタートした組合だ。

「〈アイリスオーヤマ〉さんがもち事業を始めたいという話があって、
もち米の生産者を募集していたんです。
僕が4年前に脱サラして一関に戻ってきたときにその話をうけて、
じゃあ何人かでもち米つくるか! って同級生仲間に声をかけて
スタートさせたのが、ことの発端ですね。
佐藤も建設会社勤めだったんですが、家庭の事情が重なって退職して、
今は農業メインでやっているんです」(阿部さん)

小・中・高の同級生だったという阿部和利さん(左)、佐藤好基さん(右)。

小・中・高の同級生だったという阿部和利さん(左)、佐藤好基さん(右)。

この一帯は“もち米団地”と呼ばれており、
組合がスタートする前から、もち米の作付けエリアだった。
それまでは農家がそれぞれに生産し、出荷していたが、
その作業を集約し共同出荷をしようと、組合を発足し、舵をとることになった。

一関産のもち米をアイリスフーズに卸し、実際に切りもちがつくられるようになったが、
気になったのは、商品の原材料名に
「水稲もち米(国内産)」としか表記されないこと。

大企業にもなれば、安定的製造とリスク分散のため、
もち米はひとつの地域からだけでなく、日本各地から仕入れる。
また、もち米には〈こがねもち〉〈ひめのもち〉〈もち美人〉といったさまざまな種類があり、
それらをブレンドすれば「国内産」という表記になってしまうのだ。

「せっかく“もちの里・一関”といわれるエリアでつくった米なのに、
“一関”の名前が出ないんです。
市でも、厳美渓の道の駅の看板でも、“もちの里”ってPRしていて、
そのすぐそばで我々がもち米をつくっているのに、
それがどこにもわからない状態だったんです」(佐藤さん)

一関の農家がつくったもち米であるということが
目に見えてわかる商品にすることで、一関が“もちの里”であることのPRになり、
この先、もちをフックとした新たなアクションにも発展するのでは……
そう考えた佐藤さんと阿部さんは、ある行動に出た。

「“純一関産”の切りもちをつくれないかと、アイリスさんに交渉したんです。
いろいろな検討事項や、クリアしなければならない諸問題を協議した結果、
なんとか一関産米だけを用いた切りもちをつくってもらうことになりました」(佐藤さん)

〈STARTUP KINGDOM WOMAN @岡山〉地方で起業しよう! 女性の起業応援イベントに行ってみた。

いま、地方でスタートアップできるまちとして岡山がアツい!

そのなかでも2018年3月にはじまった起業コミュニティ
〈STARTUP KINGDOM(以下、スタキン)〉が話題です。

スタキンとは、先輩起業家の講演や、「チャレンジピッチ」と題して、
地元で産声をあげたばかりの起業家による事業プレゼンテーションが行われる場なのです。

既に起業していて、これからもっと伸びていきたいという人はもちろん、
興味はあるが起業する勇気はないという人や、起業家を応援したい人など、
さまざまな立場の人が集まります。

〈STARTUP KINGDOM〉のロゴが入ったTシャツ

運営の〈STARTUP KINGDOM〉は岡山県を中心に広島などでも開催中。

さて、今回は女性向けのイベント
〈STARTUP KINGDOM WOMAN(以下、スタキンウーマン)〉へ行ってみることに。

〈おでかけドットコム〉広報、ライターを務める竹内さん。

2児の母であり、岡山のママと子どものお出かけサイト〈おでかけドットコム〉広報、ライターを務める竹内さん。

こちらは、〈スタキン〉の運営メンバーである、笑顔が素敵な竹内真紀さん。
社会課題を解決するビジネスのスタートアップに魅力を感じており、
そうした挑戦を行う人の背中を押す〈スタキン〉の世界観に深く共感したとのこと。

こうして〈スタキン〉の運営を手伝うなかで、
「女性にとっても『起業』が当たり前になればいいな」と、
女性版スタキンを開催することに。

当日の参加者

当日は、のべ40人ほどの人が集まった。

イベント当日、前半はロールモデルとなる女性2名がゲスト講演を行い、
後半では岡山の女性起業家6名がチャレンジピッチを行いました。

竹並望美さんによるイベント前のライブアクト

講演を行った〈SynergyCreate〉の竹並望美さん。イベント前のライブアクトでも会場を盛りあげて下さいました。

〈株式会社フォルスタイル〉の平井幸奈さんの起業ストーリー講演の模様

〈ブリュレフレンチトースト〉発祥のお店〈forucafe〉も運営する〈株式会社フォルスタイル〉の平井幸奈さんの起業ストーリー。自分のできる範囲からコツコツと。

“ポップごと売る本屋さん” 八戸市〈木村書店〉が描く 地方書店の未来。

「本のまち」として活性化を目指す、青森県八戸市。
2016年に開業した市営書店〈八戸ブックセンター〉を皮切りに、
本をテーマにした店が続々オープンし、盛り上がりを見せています。

なかでも、SNSを中心に今話題となっているのが、
“ポップごと売っている本屋さん”〈木村書店〉。市内にある老舗書店ですが、
Twitter上でほぼ毎日更新している「ポップ担当日記」が人気となり、
開始から約1年で1万8000フォロワーを突破。

出版不況が叫ばれる昨今において、地方の書店が注目されているのは本当にすごいことです。
もしかしたら、地方で小さな商店が生き残るためのヒントがあるのでは……?

八戸出身の筆者が、ポップ担当さんに取材してきました。

創業90年、港町にある小さな書店。

看板は「K・I・M・U・R・A」というアルファベット表記。

看板は「K・I・M・U・R・A」というアルファベット表記。

〈木村書店〉があるのは、八戸市小中野地区。
町から港へ向かう道路沿いにある、創業90年の小さな書店です。

〈木村書店〉がある八戸市小中野地区

日中もあまり人通りはない。

明治期には遊郭の集まる花街として栄えたエリア。
十数年前までは、近所に映画館やスーパーもありましたが、
今では、商店や銀行がパラパラとあるくらいです。

そんな、決して恵まれた立地とはいえない場所にある〈木村書店〉が
今あらためて注目されているのは、“ポップごと本を売る”という、
これまでにありそうでなかったサービスを行っているから。

ポップ付き本コーナー

ポップ付き本コーナー。

店内に入ってすぐの左手側には、ポップ付きの本が並んでいるコーナーが。
これらは、〈木村書店〉の“ポップ担当”こと及川晴香さんが
独自にセレクトした本について、イラスト付きで紹介しているものです。

入社8年目の中堅書店員である及川さんが、
ポップごと本を売っている理由とは? お話を伺いました。

鎌倉〈かたつむり〉復活劇の舞台裏。
材木座で8年ぶりに再オープンした
まちに愛される老舗お好み焼き屋

鎌倉から考えるローカルの未来

長い歴史と独自の文化を持ち、豊かな自然にも恵まれた日本を代表する観光地・鎌倉。

年間2000万人を超える観光客から、鎌倉生まれ鎌倉育ちの地元民、
そして、この土地や人の魅力に惹かれ、移り住んできた人たちが
交差するこのまちにじっくり目を向けてみると、
ほかのどこにもないユニークなコミュニティや暮らしのカタチが見えてくる。

東京と鎌倉を行き来しながら働き、暮らす人、
移動販売からスタートし、自らのお店を構えるに至った飲食店のオーナー、
都市生活から田舎暮らしへの中継地点として、この地に居を移す人etc……。

その暮らし方、働き方は千差万別でも、彼らに共通するのは、
いまある暮らしや仕事をより豊かなものにするために、
あるいは、持続可能なライフスタイルやコミュニティを実現するために、
自分たちなりの模索を続ける、貪欲でありマイペースな姿勢だ。

そんな鎌倉の人たちのしなやかなライフスタイル、ワークスタイルにフォーカスし、
これからの地域との関わり方を考えるためのヒントを探していく。

8年前に閉店した老舗お好み焼き屋〈かたつむり〉跡地から望む材木座の海辺の風景。

8年前に閉店した老舗お好み焼き屋〈かたつむり〉跡地から望む材木座の海辺の風景。

8年ぶりに復活したお好み焼き屋

夏になると海水浴客で溢れかえる鎌倉には、3つの海水浴場がある。
今回のストーリーの舞台となる材木座は、そのうちのひとつ、
材木座海水浴場を擁する、穏やかな海辺のまちだ。

かつて、この材木座海水浴場を望む国道134号線沿いに、
家族経営のお好み焼き屋があった。
〈かたつむり〉という店名を持つこの広島風お好み焼き屋は、
30年近くにわたって地元の人たちの憩いの場として、
また、マリンスポーツを親しむ人たちのランドマークとして、
まちに愛され続けてきた場所だった。

材木座のまちで27年間にわたって営業し、8年前に閉店したかたつむり。かつての常連客が新店オープン後に持ってきてくれたというこの写真は、現店舗に飾られている。

材木座のまちで27年間にわたって営業し、8年前に閉店したかたつむり。かつての常連客が新店オープン後に持ってきてくれたというこの写真は、現店舗に飾られている。

惜しまれながらも2010年に閉店したかたつむりだったが、
なんと今年の春、同じ材木座の地に8年ぶりの復活オープンを果たした。
長年この地に暮らす人たちにとって喜ばしいこのニュースの立役者となったのは、
当時のかたつむりで学生時代にアルバイトとして働き、
その後も閉店までお店をサポートしてきた鎌倉育ちの椿山 尚さんだ。

彼女がかたつむりの元オーナーから看板を受け継ぐかたちで、
海辺から少し離れた材木座の住宅街に、新生〈かたつむり〉をオープンさせたのだ。

8年間温め続けた思いをかたちにした椿山さんにとって、
そして、鎌倉のまちにとって、かたつむりとはどんなお店だったのか。
復活開店に至るまでには、どんな経緯があったのか。
店内のターコイズブルーが鮮やかな新店かたつむりにうかがった。

海から少し離れた材木座の住宅街にオープンした新生かたつむり。

海から少し離れた材木座の住宅街にオープンした新生かたつむり。

〈渋谷東しぜんの国こども園〉 理事長は音楽家! まちに開かれた こども園が渋谷にオープン

2018年10月、東京都渋谷区に保育所型認定こども園
〈渋谷東しぜんの国こども園 small alley(スモール・アレー)〉がオープンしました。

こちらは、以前コロカルでもご紹介した
東京都町田市にあるしぜんの国保育園のふたつめとなる保育施設。

まちに開かれた場所にしたいという思いから、
内装のデザインはかつて子どもたちの遊び場でもあり、
生活の共有地でもあった「small alley=小さな路地裏」をイメージ。
全長約65mの湾曲した建物のなかに、できるだけ仕切りをなくした
開放的な空間が広がっています。

オープニングデーに行われたトークイベントの様子

オープニングデーに行われたトークイベントの様子。左から〈しぜんの国保育園〉理事長の齋藤絋良さん、〈まちの保育園・こども園〉代表の松本理寿輝さん、〈しぜんの国保育園〉の青山誠さん。松本さんは都内5箇所にて認可保育所、認定こども園を運営しています。

理事長の齋藤紘良さんは「渋谷東しぜんの国こども園は、
積極的にまちとの関わりを心がけたい。路地のような豊かな場を大切にしながら、
保育を組み立ててゆきたい」と語っています。

まちに開かれたこども園とは?

入園者以外の方も利用できる〈small alley cafe〉

入園者以外の方も利用できる〈small alley cafe〉。コーヒー豆は〈OBSCURA COFFEE ROASTERS〉のものを使用。2019年3月までは営業日を限定したプレオープン。その後グランドオープンを予定。

渋谷東しぜんの国こども園は、渋谷と代官山の間にある
複合型施設〈渋谷ブリッジ〉の3フロアで展開しています。

園と併設して、1階にはカフェ〈small alley cafe(スモール・アレー・カフェ)〉や
情報発信・子育て支援スペース〈BUTTER(バター)〉を備え、
地域の子育て世代の支援を行うとともに、
さまざまな人が子育てを身近に感じられる場を設けることで、
地域に新たな魅力とにぎわいを創出することを目指しているのだとか。
こちらが園内の様子です。こんな空間なら子どもたちものびのびと過ごせそう!

内装設計は〈フィールド・デザイン・アーキテクツ〉、インテリアデザインは〈ima〉

内装設計は〈フィールド・デザイン・アーキテクツ〉、インテリアデザインは〈ima〉によるもの。家具には暖かみのあるラワン材などを使用しています。

情報発信・子育て支援スペース〈BUTTER〉

情報発信・子育て支援スペース〈BUTTER〉。ベビーマッサージのレクチャーやヨガなどの子育て支援プログラム、ライブや映画、ギャラリーなど多目的な利用が可能。バターという名前は色々な気持ちや文化が溶け合うことをイメージして命名されたそう。

写真:神ノ川智早

横浜駅前に現代人のための 「コワーキングサウナ」誕生! 〈スカイスパYOKOHAMA〉

“サウナワーカーによる、サウナワーカーのための”、「コワーキングサウナ」とは!? 
横浜駅直結の絶景のスパ&サウナ、カプセルホテル〈スカイスパYOKOHAMA〉が
2018年11月9日(金)、コワーキングサウナとしてリニューアル。

コワーキングサウナのコンセプトは「air(リラックス)& cave(ストレス)」。
手がけるのは、KOKUYO(コクヨ)のサウナ部。
内部には、ホワイトボードやプロジェクターも完備し、会社のMTGも実施が可能な
〈ぐるぐるブース(昇:SPIRAL UP)〉のセンターテーブルには、
サウナワーカー垂涎の“アレ”が使用されています。

ぐるぐるブース(昇:SPIRAL UP)

ぐるぐるブース(昇:SPIRAL UP) センターテーブルにはサウナストーブが!

飲食ワークスペース(土:TSUCHI)

飲食ワークスペース(土:TSUCHI)

なぜサウナとコワーキングスペースが合体したのか!? 
それは、ストレスをかけた後に、リラックスすることが、
人間が集中状態に入るためのルーティンであるから。
サウナワーカーはサウナと水風呂を繰り返し、この状態を「ととのう」と表現しますが、
この「ととのう」を実現するのがコワーキングサウナの目的です。

没:BOTSUブース

没:BOTSUブース

この〈没:BOTSUブース〉では、
敢えて、暗く狭い空間でストレスを与えることで、
その他の開放感のあるブースでのリラックス状態により、
集中ルーティンの再現を目指しています。
オフィスのほか、もちろんサウナ室やジャクジーなども利用可能です。

〈スカイスパYOKOHAMA〉の利用客

ととのった人たち

和歌山の〈みかん援農者〉募集中!
流浪しながら、農作業をする!?
新しい“援農”という働き方

さすらうように、全国の農家を転々と回り、農作業に携わる。
そんな、枠にとらわれない自由な働き方があるのをご存じですか?

“援農”と呼ばれるこの仕事は、農家の繁忙期を手伝う“季節労働”のこと。
ずっとそこに居続ける“就農”ではなく、
人手が必要な時期だけ滞在し、農業を手伝うという働き方です。

北海道で鮭からイクラをとり出す「シャケバイ」、
長野での「レタス収穫」、京都や静岡での「茶摘み」、
小豆島での「オリーブ収穫」、鹿児島や沖縄での「キビ刈り」。
援農には、ありとあらゆるジャンルのお仕事が!

援農者は好きなエリアや仕事を選択し、対価をもらいながら、
人手の足りない農家を支援します。
手伝い期間が終了すれば、また別の地域へ。
“流浪の働き人”というと、ちょっとカッコよすぎでしょうか?

和歌山のみかん農家と、収穫に携わった援農者1。

和歌山のみかん農家と、収穫に携わった援農者2。

和歌山のみかん農家と、収穫に携わった援農者。

援農のおもしろさやメリットは、
さまざまなジャンルの農作業を体験することで、
食や農、自然環境への関心、ローカルビジネス、
それぞれの土地についての知見が広がること。
全国から集まる援農者とのコミュニティが生まれ、情報交換ができること。
日本のみならず、世界中で好きなときに、好きな場所で、好きな仕事を選べること。

ほかでは得がたい、貴重な経験が積めるとあって、
新しい価値観や働き方を求める若い層を中心に、じわじわと広まっているようです。

〈Fermentators Week〉 発酵人による発酵人のための 発酵イベント、開催!

2018年11月3日〜11日に、「発酵醸造」をテーマにした
酒、食、カンファレンス、音楽、さらには各地域での共催イベント等、
多くのコンテンツが詰まった9日間のイベント
〈Fermentators Week(ファーメンテーターズ・ウィーク/略称:FW)〉が
開催されます。

発酵醸造がテーマといっても、単にお酒や味噌醤油、漬物だけでなく、
地域にある様々な資源を「発酵」させ、その価値を再創造し、
広く発信&体験していただける場とすることを目的としています。
そして、本イベントに関わった多くのFermentators(個性を醸す人)とともに、
「発酵」を核とした地域発展のあり方を模索していきます。

イベントのプログラムは以下の4部構成。

1. World Fermentators Summit /世界発酵人会議

東北選りすぐりの発酵人と
共に発酵の未来とクリエイティブ産業としての可能性を探究するカンファレンス。
海外からもゲストを誘致し、発酵分野の最先端の実験と実践に迫ります。

2. Fermentators Dinner/発酵人晩餐会

2. Fermentators Dinner/発酵人晩餐会

「発酵×日本酒×セリ」

「発酵×いぶりがっこ×イタリアン」

湯沢市内各地や近隣地域を巡り
各地域ならではの観光資源や食文化に触れながら美酒美食を楽しみます。
「発酵×日本酒×セリ」「発酵×クラフトビール×チーズ」
「発酵×川連漆器×稲庭うどん」「発酵×いぶりがっこ×イタリアン」
など興味深い組み合わせが続々と!

3. Fermentators Reception/発酵人レセプションパーティー Fermentators Music Night/発酵人ミュージックナイト

Fermentators Reception/発酵人レセプションパーティー Fermentators Music Night/発酵人ミュージックナイト

メイン会場のお披露目となるレセプションパーティーののち、
「発酵×音楽」を題材に東北各地の鼓動に浸るナイトイベントが開催されます。

4. Fermentators Festival/発酵人感謝祭

Fermentators Festival/発酵人感謝祭

11月10日〜11日に開催。
発酵を食べて、呑んで、体験するお祭りのような2日間です。
お酒は、5年目を迎える〈JOZOまにあくす〉がセレクトする
秋田・東北の流通限定日本酒やこだわりの国産ワイン、地元羽後麦酒の樽生ビール、
日本酒や甘酒を使ったオリジナルカクテル・ノンアルコールカクテルなど、
100種を超える「マニア」なお酒をご用意。

さらに、本場のマルシェのように新鮮な食材や発酵調味料を買うことができ、
ダイニングでその食材や調味料を使用した料理を食べることができる
発酵フードホール、発酵ワークショップイベント、
味噌醤油やいぶりがっこをはじめとする発酵グッズ等のお店も勢ぞろいします。

多様性のまち鎌倉で
〈ルートカルチャー〉が行う文化の祭典
〈海のアカデミア&海のカーニバル〉

鎌倉から考えるローカルの未来

長い歴史と独自の文化を持ち、豊かな自然にも恵まれた日本を代表する観光地・鎌倉。

年間2000万人を超える観光客から、鎌倉生まれ鎌倉育ちの地元民、
そして、この土地や人の魅力に惹かれ、移り住んできた人たちが
交差するこのまちにじっくり目を向けてみると、
ほかのどこにもないユニークなコミュニティや暮らしのカタチが見えてくる。

東京と鎌倉を行き来しながら働き、暮らす人、
移動販売からスタートし、自らのお店を構えるに至った飲食店のオーナー、
都市生活から田舎暮らしへの中継地点として、この地に居を移す人etc……。

その暮らし方、働き方は千差万別でも、彼らに共通するのは、
いまある暮らしや仕事をより豊かなものにするために、
あるいは、持続可能なライフスタイルやコミュニティを実現するために、
自分たちなりの模索を続ける、貪欲でありマイペースな姿勢だ。

そんな鎌倉の人たちのしなやかなライフスタイル、ワークスタイルにフォーカスし、
これからの地域との関わり方を考えるためのヒントを探していく。

2018年の〈鎌倉 海のアカデミア〉のメイン会場となる鎌倉・材木座の光明寺。浄土宗大本山の名にふさわしく、鎌倉でも屈指の規模を誇る大寺院だ。

2018年の〈鎌倉 海のアカデミア〉のメイン会場となる鎌倉・材木座の光明寺。浄土宗大本山の名にふさわしく、鎌倉でも屈指の規模を誇る大寺院だ。

鎌倉文化の“いま”を発信する団体

鎌倉在住の画家や演劇家らが敗戦直後に立ち上げた鎌倉文化会が母体となり、
戦争で心身ともに疲弊した若者たちに向けた私立学校として、
材木座・光明寺を仮校舎にスタートした「鎌倉アカデミア」。
戦後の学界や文化界を牽引した面々が教鞭をとった鎌倉アカデミアは、
作家の山口瞳、映画監督の鈴木清順をはじめとする
さまざまな人材を輩出した伝説的な学び舎として知られている。

一方、鎌倉在住の小説家・久米正雄らが音頭をとり、
戦争を挟んでおよそ30年にわたって開催された「鎌倉カーニバル」。
漫画家の横山隆一、小説家の大佛次郎ら鎌倉文士たちが盛り上げ、
最盛期には1週間以上にもわたる期間中に、
音楽祭から柔道大会まで多種多様なプログラムが組まれ、
「海の世界3大行事」とさえ言われるほどの夏の一大行事だった。

2016年の「鎌倉市民カーニバル」に、〈ルートカルチャー〉として参加したときの様子。(写真提供:ROOT CULTURE)

2016年の「鎌倉市民カーニバル」に、〈ルートカルチャー〉として参加したときの様子。(写真提供:ROOT CULTURE)

この地に集う多様な人々によって築かれてきたこれらの文化的遺産に目を向け、
現在の鎌倉のまちで活動を続ける団体がある。
代表理事の瀬藤康嗣さんらによって2006年に立ち上げられた
クリエイティブ・チーム〈ルートカルチャー〉だ。

鎌倉内外のさまざまなクリエイターらを巻き込みながら、
寺社仏閣をはじめとした鎌倉の歴史的建築物を舞台にしたフェスティバルや
公演を行うなど、「文化的交流」の場づくりに取り組んできた。

鎌倉の歴史、文化、風土を引き継ぎながら、
鎌倉の現在を発信するルートカルチャーとはどんな団体なのか? 
今年11月に、光明寺と材木座海岸で行われる
〈鎌倉 海のアカデミア〉の開催を控える瀬藤さんに話を聞いた。

2015年に鎌倉海浜公園で開催された「鎌倉[海と文芸]カーニバル」。(写真提供:ROOT CULTURE)

2015年に鎌倉海浜公園で開催された「鎌倉[海と文芸]カーニバル」。(写真提供:ROOT CULTURE)

スマホゲーム 〈シムシティ ビルドイット〉で 小林市の地元高校生がまちづくり?!

人口4万6千人あまりの宮崎県小林市が、
移住・定住政策などの一環として、新たな試みを始めました!
プレーヤーが市長となり、自分の理想のまちを作り上げていく
スマホゲーム〈シムシティ ビルドイット〉とのコラボプロジェクトです。

〈シムシティ〉といえば、ゲームファンにはお馴染みのタイトル。
今回のプロジェクトは、小林市に「シムシティ課」を設置。
ゲーム内に、小林市の街を再現しました。
それを箱庭に理想の未来像を議論する、市長公認の新しい課です。

宮崎県立小林秀峰高校の生徒

宮崎県立小林秀峰高校の生徒

「シムシティ課」は、宮崎県立小林秀峰高校の生徒に〈シムシティ ビルドイット〉で、
まちづくりのシミュレーションを体験してもらい、
若い世代に、まちづくりを親しみやすい形式で考えてもらおうとするバーチャル組織。
〈シムシティ ビルドイット〉を教材に活用した正規の学習プログラムとして、
総合学習の時間を活用して行われ、高校生と市役所職員らによって運営されます。

宮崎県立小林秀峰高校の生徒が〈シムシティ ビルドイット〉で、まちづくりのシミュレーション体験

「シムシティ課」の期間は約3ヶ月。生徒が理想とするまちの創造と、
それに伴い発生してくるであろう課題の検証や解決方法の模索を通して、
まちづくりに参加することに面白さや意義を学んでいく、
ワークショップ形式の授業です。

シムシティ ビルドイット

〈シムシティ ビルドイット〉

テレビの中の人だけが
ヒーローではない!
世界遺産を守る人、
水車を楽器にしてしまった人、
私のまちのヒーローたち

今月のテーマ 「このまちのヒーロー」

ヒーローといえば! 正義の味方? 旅の勇者? はたまた、大活躍した野球選手?
いえいえ、日本各地にだって、いろんなヒーローがいるものです。

たとえ名は知られていなくとも、そのまちにとって、なくてはならない人物。
彼らはどこか魅力的で、多くの人が一目置く、かっこいい存在。
そんな地域のヒーローを、日本各地に暮らすみなさんから紹介してもらいました。

【岐阜県白川村】 世界遺産を守るヒーロー、茅葺き職人

屋根の葺き替えをする職人たち

“合掌づくり”と呼ばれる茅葺きの家が建ち並ぶ、岐阜県白川村。
これらを維持するには修復や屋根の葺き替えが必要不可欠で、
30~40年に一度、大がかりな工事が行われます。

その葺き替えを担い、
白川村の風景や文化を守っているのが「茅葺き職人」です。

白川村で活動している6名の職人

現在、白川村で活動している職人は6名。
彼らの仕事は、幅広い知識や技術が必要で、
ときには屋根の結束の材料となるマンサクの木を採りに山へ入ることもあります。

重労働な作業から、繊細な作業までこなし、
白川村の人々の暮らしを守る職人は、まさにスーパーヒーロー。

マンサクの枝を運ぶ職人。

マンサクの枝を運ぶ職人。

集落では「結(ゆい)」と呼ばれる、同量程度の労働力をお互いに返しあう文化があり、
古くより、村民同士の助け合いによって集落は守られてきました。
現在は、結の精神や葺き替え技術を伝承するため、
年に一度、合掌づくり家屋を所有している村民が集まり、葺き替えを行っています。

合掌づくりの家には、自然の恵みを巧みに利用した先人の知恵が詰まっていて、
その智恵や技術は、茅葺き職人によって現在も守り続けられています。

村民の結による屋根葺き風景。

村民の結による屋根葺き風景。

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長坂風子 ながさか・ふうこ

愛知県生まれ。大学卒業後、映像制作会社に勤務。地域の“今”を残したいと思い、岐阜県白川村に移住。好きなことは、映画を観ること、おいしいものを食べること。

【岩手県花巻市】 ワインにいい嫁を! ヒーローたるチーズ職人

花巻市大迫町で、唯一のチーズマイスターである伊藤行雄さんは72歳。
小さな工場でチーズをつくるその後ろ姿には、ただならぬものを感じます。

行雄さんのチーズづくりは昭和49年からスタート。
このまちでワインづくりが盛り上がってきた約50年前から、
チーズとワインのマリアージュを提唱していました。
「ワインにいい嫁はんを見つけてあげなきゃいけなかった」と、行雄さん。

できたてのナチュラルチーズ。

できたてのナチュラルチーズ。

特製チーズの握り!

特製チーズの握り!

「チーズを通していろんな人と出会えることが楽しい」と話す行雄さん。
僕もそんなすてきな行雄さんに出会えたことに、とても感謝しています。
チーズ文化だけでなく、人と人をつなげる、まちのヒーロー。

花巻市のチーズマイスター、伊藤行雄さん

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鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2018年7月末、3年間の地域おこし協力隊の任期を終え、本格始動中。

【島根県隠岐の島町】 人生の哲学を教えてくれる、私のヒーロー

私にとって、やさしさや学びを与えてくれる地域の方たちは、みんながヒーロー。
なかでも地域唯一の個人商店〈たけのや〉を営んでいる、“としちゃん”こと武田年弘さんは、
木々を愛する山の達人でもあり、山にまつわるさまざまなことを教えてくれます。

地域唯一の個人商店〈たけのや〉を営むとしちゃん

この日は、としちゃんがつくった丸木小屋を見せてもらいました。
山でちょうどいい木を探して伐り出すところから始めて、
奥さんとたったふたりでつくりあげたのだそう。

としちゃんがつくった丸木小屋

「ひとりでできんことも、ふたりならできる。
ふたりになれば、その力はふたり分じゃなくて3人分になる。
でも、7人いても5人分にしかならん、ということもある。
多すぎると、見てるだけの人もおるけんね〜」

人はひとりでは生きていけないけれど、多ければいいというわけでもない。
何ごとも適度に。
こんなふうに、としちゃん流の人生哲学が飛び出すのも、魅力のひとつです。

たけのやの外観

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

【岩手県一関市】 夢は叶えるもの! 水車を楽器にしたヒーロー

水車で音楽を奏でる。
こんなことを思いつく人がいるでしょうか?
学生時代の岡淳さんは、水力で米をつき、粉を挽く水車小屋を見て、
これで音楽を奏でられないかと思ったといいます。

サックス奏者の岡淳さん

それから約30年、現在はサックス奏者として活躍する岡さん。
音楽水車をつくりたいという話は、たびたび飲みの席で語ることはあっても、実現には至らず。
あるとき、“夢を語るだけのおじさん”になっている自分に恥ずかしくなった岡さんは、
縁あって訪れた奥玉という地で音楽水車をつくることに。

音楽水車プロジェクトの風景1

毎年9月の第1日曜日、音楽水車はやってきます。
不思議なカラクリで奏でられる音楽を楽しみに、全国から数100人が集うイベントに!

音楽水車プロジェクトの風景2

いくつになっても夢を忘れない。
その遊び心が、今年もまちのヒーローを動かすのです。

音楽水車プロジェクト3

information

音楽水車プロジェクト

WEB:www.musicmill.jp

Facebook:www.facebook.com/MusicSuisha/

MAIL:info@musicmill.jp

TEL:080-3577-4268(代表:岡淳)

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櫻井陽 さくらい・よう

岩手県一関市出身。2016年よりUターンで一関市の地域おこし協力隊に着任し、農業分野の地域団体の活動支援を行う。好きな食べ物はカレー。趣味の硬式テニスをやらないと病にかかる体質。2017年より一関で楽しく暮らしたい20代のための地域団体「一関を面白く企む会」を発足し、各々がまちを楽しむためのさまざまな企画を実施する。

歩いて楽しむ温泉街を取り戻すために、
旅館の若旦那が覚悟したこととは?

1両編成のローカル線で訪ねる温泉地

山口県を南北に走るJR美祢(みね)線は、
山陽新幹線が停車する厚狭(あさ)駅と長門市駅を結ぶローカル線だ。
車窓には田園風景が続き、
時折、赤い石州瓦の家並みがアクセントのように色を添える。
めざす長門湯本駅へは厚狭駅から1時間ほど。
ロングシートの1両編成に揺れらながら、ゆっくりとした旅時間である。

音信川に面して敷地が広がる大谷山荘

音信川に面して敷地が広がる大谷山荘

長門湯本駅を間近にして、まず見える大きな旅館が〈大谷山荘〉だ。
明治14(1881)年創業の老舗で、客室数は107室。
敷地内には全18室が露天風呂付きのラグジュアリー旅館〈別邸音信(おとずれ)〉もある。
近年は安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が
「日露首脳会談」を行った宿として話題になった。

2006年に誕生した別邸音信(https://otozure.jp)。アプローチやラウンジをはじめ、ゆったりとした空間使いが魅力。

2006年に誕生した別邸音信。アプローチやラウンジをはじめ、ゆったりとした空間使いが魅力。

ゆくゆくは大谷山荘の5代目を継ぐ大谷和弘・専務取締役は、
〈長門湯本温泉〉再生プロジェクトの主役と言える人物だ。
1979年、長門湯本生まれ。海外留学と県外での旅館修業を経て20代後半で家業に入った。

作務衣を着こなす大谷和弘さん。一見すると僧侶のような風貌。

作務衣を着こなす大谷和弘さん。一見すると僧侶のような風貌。

大谷さんは映画と読書とお酒が好きで、地元の萩焼を愛し、
茶の湯のこころを大切にする趣味人だ。
「好きなことすべてが、今の仕事につながっているから驚きます」と、
大谷さんは笑う。そうかと思うと、真剣な表情でまちを語り始める。
この、人なつこくも情熱あふれる大谷さんに惹かれて、
長門をリピートする人は多いと思う。もちろん宿のよさがあってのうえだ。

大谷山荘は、旅行新聞社が主催する〈プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選〉で
名を連ねる人気旅館だ。長門湯本温泉のことはあまり知らなくても、
大谷山荘や別邸音信の名を知る人は多い。

いま瀬羽町が盛り上がりつつある?
富山県滑川市のカフェが火をつけた
小さなまちのにぎわい

富山湾に面したまち滑川(なめりかわ)。江戸時代には宿場町としてにぎわい、
戦後まで活気があったものの、現在はさびれ、空き家も多い。

その滑川、特に「滑川銀座」と呼ばれた瀬羽町(せわまち)に、いま変化の兆しがある。
県内外から若者を中心とした旅行者が、あとを絶たずに押し寄せ始めているのだ。
聞けば沖縄から北海道まで、わざわざこの土地をめがけて
足を運ぶ人も少なくないという。
今回はその富山県滑川市にある瀬羽町のにぎわいを紹介したい。

平日の瀬羽町。週末や休日になると若者が通りに目立ち始める。

平日の瀬羽町。週末や休日になると若者が通りに目立ち始める。

まちに人の流れをつくった1軒のカフェ

かつての滑川宿の一帯は漁港としての機能も果たし、
その活気は明治、大正を経て昭和の戦後まで続いた。
土地の年長者に聞くと、特に瀬羽町は、
各種の商店から映画館、中央卸売市場、役場まで存在し、
「まちにないものは火葬場だけ」というほどだったという。

しかし高度成長期に入ると、ほかの地方都市と同じく郊外化が進み、
人口の流出が続いた。

「瀬羽町がいま盛り上がっている」と言うのにはまだ時期尚早かもしれない。
確かにさびれた街道に似つかわしくない、流行に敏感そうな若者の姿を、
曜日や時間帯を限って言えば多く見かける現状がある。

しかしまだ瀬羽町、あるいは滑川自体に魅力を感じて訪れるのではなく、
ある「点」を目がけて全国から人が集まっている状態とも言える。
その意味では「瀬羽町がいま盛り上がりを見せつつある」状態なのだが、
その「点」に訪れた人が、周囲のレトロで歴史ある雰囲気を気に入り、
ほかの有形文化財や店を歩いてまわるという好循環が生まれつつある。
その輝かしい「点」となる存在が、〈hammock cafe Amaca〉だ。

店名からもわかるように、ハンモックが店内にぶら下がるユニークなカフェで、
石川県の七尾に生まれたオーナーが、
滑川に移住して2017年に誕生させた。

ハンモックに揺られながらリラックスできる〈hammock cafe Amaca〉。

ハンモックに揺られながらリラックスできる〈hammock cafe Amaca〉。

聞けばユニークな経歴の持ち主で、石川県内の企業の実業団で
テニス選手として社会人生活をスタートしている。
退社後は東京、金沢に居住した経験もあり、東京では芸能関係の仕事を務め、
金沢では知人の出張美容サービスを手伝った。

一見すると飲食業には無縁のように思えるが、
東京在住時には徹底して趣味のカフェ巡りを行い、
肉フェスなどのイベント出店、秋葉原でのバーテンダー業務、
神奈川の江の島にある海の家での勤務など、異色の経歴を持つ。 

「下積みや修業の経験はないのですが、あえて言えば
その頃の飲食経験が僕の修業時代だったのだと思います」とオーナーは語る。

「江の島は都心から1時間30分ほどかかる立地にあります。
わざわざ江の島を目がけて遊びに来るお客さんが中心で、
そういった方をおもてなしする楽しさとやりがいを、海の家の仕事で知りました。
この店を出すにあたっても、そのときの経験が生きていて、
ふらっと来店できる場所でなく、わざわざこの店を目がけて
来ていただくような場所に出店したいと思っていました」

瀬羽町を散歩しているときに、故郷と似た旧北陸街道の雰囲気が気に入った。
さらには、あえて繁華街から離れて出店し、自分たちを目がけて
足を運んでくれるような客をもてなしたいという思いも実現できる立地から、
瀬羽町に出店を決めたという。

その新店が、強烈な輝きを放った。
集客はほとんど行わず、告知もオープン前日にSNSで発信しただけだというが、
評判が評判を呼び、全国から人が集まって、
いまでは週末になると行列が当たり前の人気店になった。

筆者が取材で訪れた日も、「売り切れ」の看板が下がっていた。
目玉商品のひとつはパフェだ。

「季節を食べる」をコンセプトに、旬の食材がふんだんに盛り込まれた
「インスタ映え」するパフェをハンモックに揺られながら食べるという体験が、
若者の五感を大いに喜ばせた。
若者だけでなくいまでは30代、40代、さらには80代の「女子」まで
「冥土の土産になった」と喜んでくれるという。

左からイチゴ、ブルーベリー、チョコレートオランジュ。(写真提供:Amaca)

左からイチゴ、ブルーベリー、チョコレートオランジュ。(写真提供:Amaca)

この集客力が、周辺の瀬羽町に好循環を生み出しつつあるのだ。
とはいえ、まちづくりへの貢献について聞くと
「僕はもともとよそ者ですから、まちをつくってきたわけでもありません」
と、言葉を選びながら言明を避ける。

「ですが、若い人たちがうちの店をきっかけに瀬羽町に来てくれて、
いいまちだと思ってくれたとすれば、自分が店をやっている意義はあります。
田舎はかっこいいです。このまちは歴史がありますし、歴史はお金では買えません。
その良さをわかってもらえるきっかけになれればと思っています」

事実、東京や大阪など都会から来た若者が、
瀬羽町を訪れて喜んでいるという。
「楽しいごはん」を提供したいと語る「おもてなし力」も手伝って、
着実に滑川の魅力はいままでにないかたちで発信され始めている。
まさにhammock cafe Amacaが、海浜の港町に建つ灯台のように、
瀬羽町から全国に確かな光を放ち続けているのだ。

青森県のアートプロジェクト 〈なんごう小さな芸術祭〉が 10月20日からスタート。

青森県八戸市南郷地域を舞台とした、
アートプロジェクト〈なんごう小さな芸術祭〉が、10月20日に始動。
展示や公演、ワークショップ、ツアーなど、さまざまなアートプログラムを通じて、
地域の魅力を再発見する、秋の小さな芸術祭です。

八戸市南郷地域とは?

八戸市南郷地域の田んぼ

里山の自然が残る南郷地域。
かつて「南郷村」だったそのエリアは、2005年に八戸市と合併しました。
八戸市の南側にあり、市のおよそ3分の1を占める広さがあります。
海に面しているため漁業が盛んな八戸市ですが、
それとは対照的に、丘陵地帯にある南郷では、農業が主要産業です。

「ジャズとそばの郷」とも呼ばれ、
来年30周年を迎える〈南郷サマージャズフェスティバル〉や、
そばの名産地として知られています。

東日本大震災の年にスタートしたプロジェクト。

地面に落ちたどんぐり

南郷アートプロジェクトは、2011年にスタート。
ちょうど、東日本大震災があった年の秋に行われました。

八戸市役所のまちづくり文化推進室の大澤苑美さんは、
立ち上げに携わった一人です。

「南郷の地域資源でアートプロジェクトを立ち上げる、ということが
前年度のうちに決まっていたとはいえ、被災した地域を目の当たりにして、
新たなプロジェクトをスタートすることに、
まったく躊躇がなかったわけではありません」

自粛ムードの漂う世相のなか、プロジェクトの実行に
踏み切ったのには、こんな思いがありました。

「1990年から始まった〈南郷サマージャズフェスティバル〉は、
旧南郷村が主体となり運営してきたイベントです。
そこには、『何もないけど、音出して元気にすっぺ』という
南郷の人々のマインドがありました」

山側に位置する南郷では、震災による津波の被害は及ばなかった場所。
そこで、一刻でも早く“創造的な復興”を目指そうと考えたといいます。

「何もないけど、アートで元気にすっぺ」と。

こうしてスタートした南郷アートプロジェクトも、
今年で8年目を迎えます。

“摘み草料理”で地域おこし!
もち食文化のまち・岩手県一関の
〈京津畑 やまあい工房〉

一ノ関駅から北東に車を走らせること約1時間。
「京津畑(きょうつはた)」という、どことなく響きの美しい地名の場所が。
聞けばこの場所、源平合戦で敗れた京出身の平家落人が、
逃げのびて住みつき、開墾したことから、このような地名になったという俗説が。

この京津畑、一関の中でも特に山深いといわれる場所にもかかわらず、
近年じわじわとその名を広げつつある。

京津畑の風景。

その認知拡大の一因となっているのが、
毎年11月に開催されるフードイベント〈食の文化祭〉。
京津畑の全住人による手づくり料理やおやつを、
レシピや、語り継がれた伝統と一緒に展示し、
最終的には訪れた人に無料(!)でふるまうという、太っ腹すぎるイベントなのだ。

開催日には、120~130人といわれる集落人口の7~8倍にもなる京津畑ファンが
県内外から訪れ、展示された250種もの郷土食の作品が
祭り最後の大試食会には、あっという間になくなってしまうのだとか。

また、郷土食の発信や、一関に住む高齢者、出歩くのが難しいエリアに住む人へ
食の支援を行う〈農事組合法人 京津畑 やまあい工房〉も、
この地の名を知らしめる大きな要因となっている。

小学校の廃校を利用した〈京津畑交流館 山がっこ〉。ここに拠点を置くやまあい工房は、食にまつわる業務を担当。施設は宿舎としても活用されている。

小学校の廃校を利用した〈京津畑交流館 山がっこ〉。ここに拠点を置くやまあい工房は、食にまつわる業務を担当。施設は宿舎としても活用されている。

やまあい工房は、食の文化祭をきっかけに、集落の女性によってスタート。
平成14年の設立以来、地元産の食材を使用したお弁当や惣菜の配達、
移動販売、道の駅への卸しなどを行っている。

そのパワフルな活動は年々厚く支持され、
〈全国ご当地もちサミットin一関〉に出品した「やまあいのお雑煮」はグランプリを獲得、
農林水産省の〈食と地域の『絆』づくり〉(全国19都道県24団体)でも
岩手で唯一選定されるほど。
近年は一関市主催のプロジェクトにも関わっており、
首都圏に住む、食に関心の高い人々を工房に招いたりしているそうだ。

話をうかがったのは、やまあい工房事務局の伊東幸子さん。

話をうかがったのは、やまあい工房事務局の伊東幸子さん。

「ここには腕自慢のお母さんたちがいっぱいいるんです。
この地域ならではの郷土食で、地域おこしできればなあって。
最初は地元食材を使った漬け物の販売から始めたんです」(伊東さん)

保存料、着色料、化学調味料を使わず、放射線検査を受けた安全な食材のみを用いてつくられる加工品。素朴な味わいが人気を得て、夏と冬に販売するギフトパックも好評なのだとか。

保存料、着色料、化学調味料を使わず、放射線検査を受けた安全な食材のみを用いてつくられる加工品。素朴な味わいが人気を得て、夏と冬に販売するギフトパックも好評なのだとか。

ここで、お母さんたちのつくる料理の一例をご紹介。

煮魚、焼魚、鱈のフライ、ヒジキ煮、ポテトサラダ、フキの佃煮、
ウドのきんぴら、ハコベの卵焼き、キクイモの葉の天ぷら、
イタドリとミズの実の酢の物、スベリヒユとキュウリの辛子和え、
京津畑の“むかしおやつ”のがんづき、げんべた――

なんだか、耳慣れない食材や料理もちらほら。
京津畑で採れる山菜や野草を多用しているのも、やまあい工房のメニューの特徴。
これには、江戸時代に生きた一関生まれの医者、建部清庵(たてべせいあん)に関係が。

建部清庵ってどんな人物?

たびたびの冷害に見舞われた江戸期の東北地方。
飢饉による死者や、食べるものがなく野草を口にして中毒をおこす人を減らすため、
植物の育成と知識を広めるための『民間備荒録』を発行した人物だ。
工房では、この清庵の書籍にある野草を取り入れたメニューを積極的に提供している。

スベリヒユとキュウリの辛子和え。酸味のあるスベリヒユを入れることによって、酢の物のような味わいに。

スベリヒユとキュウリの辛子和え。酸味のあるスベリヒユを入れることによって、酢の物のような味わいに。

「私たちのつくる料理自体は単純なものなんですけど、
野草の薬効なんかがおもしろいんですよね。
一関出身の清庵が江戸期にそんなことをやっていたとあれば、なおさらやらなきゃって。
一関だからこそできる地域おこしだと思っています」(伊東さん)

オメガ3脂肪酸が多く含まれるスベリヒユ。トルコ、ギリシャなどでもよく食べられる野草なのだとか。

オメガ3脂肪酸が多く含まれるスベリヒユ。トルコ、ギリシャなどでもよく食べられる野草なのだとか。

ふっこう周遊割で被災地に行こう! 呉に来てクレ~!

2018年(平成30年)6月28日から7月8日頃にかけて、
西日本では集中豪雨が続き、大きな被害を受けました。
被害は甚大でしたが、あまり被害の影響を受けていない地域でも風評被害により、
多数の宿泊キャンセルや観光客の減少で、経済的にも大きなダメージを受けています。

土石流が美しい田畑や家を飲み込んだ呉市安浦町

土石流が美しい田畑や家を飲み込んだ呉市安浦町。まだ災害の爪痕は深い。

こうした状況の回復と被災地への復興を支援するため、
政府により「11府県ふっこう周遊割」という宿泊割引制度がスタートしました。

被害が大きかった岡山県、広島県、愛媛県は、1人1泊あたり6,000円が割引。
その他8府県は、1人1泊あたり4,000円が割引なります。

筆者の住む広島県呉市も、天応町、吉浦町、安浦町、音戸町など、
あちこちでひどい土砂災害や浸水被害にあいました。
しかし、呉市内の商業や観光の中心部には大きな被害はなく、
飲食店や観光施設は通常営業をしているにもかかわらず、
利用客や観光客が大幅に減少しています。

自衛隊の基地、造船所、B級グルメや屋台、海と山のある景色は、
アニメ映画「この世界の片隅に」の舞台や「孤狼の血」などのロケ地になるなど、
注目を集めています。

しかし、「大きな宴会がキャンセルになった」「まちを歩く人が少なくなった」
「店を開けてもほとんど人が来ない」
まちの人は寂しい言葉を口にしています。

そんな声が少なくなるよう、
本日は呉市の観光やボランティアの拠点としてオススメの「大和温泉物語」を紹介します。

大和温泉物語の入り口には、呉市のゆるきゃら「呉氏」くんと一緒に撮影できる顔はめパネルを設置。

大和温泉物語の入り口には、呉市のゆるきゃら「呉氏」くんと一緒に撮影できる顔はめパネルを設置。

JR呉駅の近くにある「大和温泉物語」は、20種以上の豊富なお風呂やサウナや岩盤浴、
休憩所や家族風呂などを備えています。
呉駅からのアクセスも良く、人気の観光施設「大和ミュージアム」への移動も徒歩5分。

明るくて清潔なお風呂。温泉水を使った主浴槽、エステバス、電気風呂、水風呂などが楽しめます。

明るくて清潔なお風呂。温泉水を使った主浴槽、エステバス、電気風呂、水風呂などが楽しめます。

お風呂上がりは、テレビがついた電動リクライニングシートのある広々としたレストルームで寛いで。

お風呂上がりは、テレビがついた電動リクライニングシートのある広々としたレストルームで寛いで。

観光の合間にお風呂でリラックスしたり、レストルームで体を休めることもできます。
特に、屋上にある露天風呂からは、目の前に広がる海と造船所、
沖合に浮かぶ大型タンカーや船など、呉らしい独特の風景を楽しむことができ、
本当におすすめなんですよ! 
心も体も解放して、呉を満喫することができます。

また、ジャグジーやチタン風呂、炭酸泉など、5つの家族風呂では、宿泊することも可能です。

休憩や宿泊もできる家族風呂スペースは5つ(要追加料金)。家族や友達と気兼ねなく過ごすことができます。

休憩や宿泊もできる家族風呂スペースは5つ(要追加料金)。家族や友達と気兼ねなく過ごすことができます。

〈こもガク×大日本市菰野博覧会〉 三重県菰野町と中川政七商店がおくる “工芸、温泉、こもの旅”

2018年10月12日(金)〜14日(日)、三重県三重郡菰野町(こものちょう)にて
〈こもガク×大日本市菰野博覧会〉が開催されます。

これは菰野町のイベント〈こもガク〉と
「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、
工芸業界初のSPA業態を確立する〈中川政七商店〉主催の
〈大日本市博覧会〉の協業により開催される、初めての試み。

名古屋から1時間でいける工芸と温泉のまち、菰野町のあちこちで
工場見学や温泉、里山を体験できます。

工芸に欠かせない道具たち

三重県三重郡菰野町の風景

トークイベント〈工芸産地の未来〉に登壇する〈山口陶器〉の山口典宏さん。

トークイベント〈工芸産地の未来〉に登壇する〈山口陶器〉の山口典宏さん。

菰野町は人口4万人の小さなまち。そこには、300年の歴史をもつ〈萬古焼〉や
今年開湯1300年を迎える〈湯の山温泉〉、名山「御在所岳」など、さまざまな魅力があります。

ところが近年は、
「温泉しかないまち」「出ていった若者が戻らないまち」
といったイメージが先行し、まち本来の魅力が知られる機会が限られていたのだそう。

そこで本イベントでは、まちのみなさんが一致団結して
地元工芸の工場見学やワークショップなどを開催。
温泉街で1泊し、里山体験やまちの人との触れあいなど、
寝ても覚めても菰野町の魅力を体験できる3日間を提供します。

工房/ギャラリー〈而今禾(Jikonka)〉

工房/ギャラリー〈而今禾(Jikonka)〉

〈山口陶器〉

〈山口陶器〉

「中川政七商店」の期間限定ストア〈大日本市菰野博覧会〉

三重県初進出となる「中川政七商店」の期間限定ストア〈大日本市菰野博覧会〉。全国の工芸産地と一緒につくったアイテムや、東海より選りすぐりのメーカーを集めた出店エリアも。

体験の数は、およそ95。
工場が10社、ショップが7店、トークイベントが2件、里山体験2カ所、
「こもガク塾」と呼ばれるワークショップが60件、温泉街が14カ所と、
かなりの充実ぶり。次のページでは、おすすめのイベントをご紹介します。

富山〈think. DIY CAFE〉
セルフリノベーションで
開業したい人をサポートするカフェ

「DIY」という言葉が社会に浸透してきたいま、
家や店舗のセルフリノベーションに憧れている人も少なくないはずだ。
しかし、本棚やテーブルづくりなどとは違い、
家や部屋そのもののセルフリノベーションとなると、ハードルが途端に高くなる。
チャレンジしてみたものの、素人では手に負えない問題に直面して、
途方に暮れてしまうオーナーの事例も耳にする。

そのような理想と現実のはざまで立ち往生している施主を救い、
道筋をつけてあげる「駆け込み寺」のような場所が、富山市の中心部にある。
〈think. DIY CAFE〉だ。

富山市旭町、花水木通りに面したthink. DIY cafe。

富山市旭町、花水木通りに面したthink. DIY CAFE。

富山県にはここ数年、小規模ながら個性豊かな
セルフリノベーションのショップが誕生し続けている。
その裏側にはthink. DIY CAFEが関係しているといった事例が少なくない。
そこで今回はthink. DIY CAFEのオーナーにして建築士の金木由美子さんに、
金木さん流の店舗づくり、ひいてはまちのにぎわいづくりについて聞いた。

セルフリノベーションを考える人の「ショールーム」

think. DIY CAFEは、名前からもわかるように、
まずカフェとして近隣の人たちに親しまれている。
1階の店舗には限られたスペースながらテーブル席が2セット、
畳敷きの6畳間に座卓が3セット、広縁にはローテーブルとソファが置かれている。

築50年以上の一戸建てをリノベーションした事務所兼店舗。

築50年以上の一戸建てをリノベーションした事務所兼店舗。

メニューも各種ドリンクからケーキ、夏季限定でアイスクリームと
飲食店としての機能を立派に果たしているが、
その一方で築50年の一軒家をリノベーションした店舗そのものが、
古民家や昭和レトロな古い家をセルフリノベーションして店舗を開きたい人に向けた
「ショールーム」にもなっている。

実際に店舗づくりの相談を兼ねて来店する新規開業予定者も少なくないそうで、
その出会いがかたちとなり、この数年、富山に個性的なショップがいくつも誕生した。

think. DIY CAFEのオープンは2014年。
金木さんはもともとハウスメーカーの設計社員として新築住宅づくりに携わっていた。
しかし、子どもの大病を機にフルタイムで働く会社勤めに限界を感じ、
比較的自分で時間の都合をつけられる仕事として、
設計事務所の立ち上げを考えたという。

ただ、最初から現在のようなスタイルを計画していたわけではなく、
始まりは現在の物件との出会いがすべてだったと語る。

「事務所に使う物件を探すために不動産屋さんに行くと、
ちょうどこの物件が空いたところでした。
もともとは一戸建て賃貸の物件で、いろいろな人が普通に住んでいた場所ですが、
何気なく“ここだったらカフェができる”と口にすると、
案内をしてくれた不動産のスタッフさんもおもしろがってくれて、
カフェ経営が可能か大家さんに聞いてみるとおっしゃってくれました。

本当に思いつきで口にしただけで、実際は何も考えていなかったのですが、
勢い余ってお金の工面に走り始めた感じです(笑)」

オーナーにして建築士の金木由美子さん。

オーナーにして建築士の金木由美子さん。

「そこで商工会に足を運び、古い家をローコストでリノベーションして、
まちなかで小さく商売をする人が増えたら富山もおもしろくなるのでは
という思いを伝えました。
すると商工会の課長さんがおもしろがってくれて、
国の創業者補助金の話を教えてくれました。

商工会に相談に行った時期が2014年の6月の第1週、補助金の締め切りが6月末。
6月30日に書類を提出し、7月1日に会社には辞表を出して、結果を待ちました。
あとには引けない状況でしたが、ありがたく採択され、
国から200万円の補助金を受けてスタートしたんです」

最初は事務所を借りる予定で訪れたレトロな古い家に魅力を感じ、
「勢い余って」事務所でカフェを開業するかたちになった。
しかし、この経験自体が、古民家や古い家をセルフリノベーションして
ローコストで小さく商売を始めたいと考える開業予定者たちの道しるべになり、
後のthink. DIY CAFE流の店舗設計業務につながっていく。

補助金について聞きたい、空き家を改修して商売を始めるコストについて聞きたいなど
相談内容はバラバラだというが、相談者が増え、結果として
古い建物をリノベーションした店舗設計の仕事が舞い込み始めた。
相談者にとってはthink. DIY CAFEそのものが、手に取り触れて歩き回れる、
何よりも雄弁な実物見本になってくれたのだ。