スイートルームもあります! 〈任天堂〉旧本社社屋が ホテル〈丸福樓〉に

〈任天堂〉旧本社社屋が、ホテルに

1889(明治22)年、花札の製造から始まった〈任天堂〉。
その創業地にあたる京都・鍵屋町に残る旧本社社屋が、
2022年4月、ホテル〈丸福樓(まるふくろう)〉として生まれ変わります。

プロデュースを手掛けたのは、東京の〈THE AOYAMA GRAND HOTEL〉、
京都の〈THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO〉ほか、
数々のホテル、レストランを運営してきた〈Plan・Do・See〉。

「日本のおもてなしを、世界中の人々へ」をスローガンに、
毎回、これまでにないスタイルの空間・サービスを求め、
ゲストを感動させてきた同社。
7つのスイートを含む、全18室を用意した新ホテルでは、
どんな時間を提供してくれるのでしょうか。

建物と同じだけ、歴史を紡いできた看板もそのまま。

建物と同じだけ、歴史を紡いできた看板もそのまま。

〈丸福樓〉の名前は、〈任天堂〉の前身である〈山内任天堂〉が、1947年に設立した〈丸福株式会社〉から。

丸福樓の名前は、任天堂の前身である〈山内任天堂〉が、1947年に設立した〈丸福株式会社〉から。

安藤忠雄氏が設計・監修に参加

丸福樓の魅力を語るに欠かせないのが、
1933(昭和8)年に竣工したアール・デコ調の建物。
任天堂の創業者である山内家の居宅としても利用されたもので、
当時の趣を残しつつ、リノベーションが施されます。

また今回は建築家・安藤忠雄氏がプロジェクトに加わり、
既存棟にスタイリッシュな新棟を融合させながら、全体を設計・監修。
各棟に配されたゲストルームは、それぞれの棟のムードに合わせたものとなり、
調度品も全室で異なるなど、訪れるたびに新鮮な気持ちが芽生えそう。

安藤忠雄氏による〈丸福樓〉の外観スケッチ。

安藤忠雄氏による丸福樓の外観スケッチ。

既存棟は当時の意匠を残しつつ、リノベーションされる。

既存棟は当時の意匠を残しつつ、リノベーションされる。

昭和初期のディテールに包まれて。

昭和初期のディテールに包まれて。

〈UNWIND HOTEL&BAR 札幌〉 クラフトジンを使った オリジナルカクテル誕生

写真左「ジントニック」 1400円(税込)、写真右「ギムレット」1600円(税込)

北海道・積丹町生まれのクラフトジンを使って

2022年1月18日より、
北海道・札幌市内にある〈UNWIND HOTEL&BAR 札幌〉10階のバー〈BAR IGNIS〉で、
ホテルオリジナルのジンを使った2種類のカクテルが誕生しました。

このカクテルに使われているのは、バーと同名のクラフトジン〈GIN IGNIS〉。
かねてからカクテルの考案やクラフトジンの取り扱いを増やすなど、
バー独自の世界観を表現するための取り組みを進めてきたBAR IGNISが、
北海道積丹町にある蒸留所〈積丹スピリット〉とともに生みだした独自のジンです。

積丹半島のボタニカルを使ったジンづくりを行う蒸留所「積丹スピリット」。

積丹半島のボタニカルを使ったジンづくりを行う蒸留所〈積丹スピリット〉。

積丹スピリットは自然豊かな積丹半島で生まれた素材を使い、
“人々の魂に火を灯し勇気と希望を与える「火の酒」をつくる”という信念のもと、
ジンづくりを行っている蒸留所。
北海道に数ある蒸留所のなかから今回のタッグが生まれた理由を
BAR IGNISの新泉さんは
「バーの店名である『Ignis』はラテン語で『炎』を意味する言葉だったこともあり、
積丹スピリットさんの掲げるコンセプトと非常にご縁を感じました」
と話してくれました。

〈BAR IGNIS〉のルーフトップテラスには焚き火、室内には暖炉が設置され、
「炎」はバーの世界観を表現するには欠かせない要素のひとつです。

北海道の恵まれた自然で育った19種類のボタニカルな原料がたっぷり使うことで、
この焚き火の煙を連想させるスパイシーな味わいや
木のぬくもりが感じられるようなボタニカルの豊かな甘味など
バーの世界観にマッチする個性的な味わいをつくりだすことができました。

高知・ひろめ市場の
極厚ねっとりな「塩カツオ」
あなたのまちの商店街へ。
焼酎ハイボールのアテ探し旅

全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う
最高のアテを探すべく、全国の商店街を巡ります。
今回は、高知県高知市のひろめ市場です。

岩瀬さん

〈ひろめ市場〉で好きなものを好きなだけ選ぶ楽しみ

商店街を歩く。
焼酎ハイボールのアテを求めて。
美味だけではない出会いがそこにはある。

酒飲みなら一度は体感したい場所が高知には存在する。
「まずはここ」、「もう1回ここ」、「やっぱりここ」となってしまう場所。
それが高知市の〈ひろめ市場〉だ。

高知市の中心街、帯屋町アーケードから高知城のほうに抜けたところにあるひろめ市場。活気ある楽しい場所という雰囲気が伝わってくる。

高知市の中心街、帯屋町アーケードから高知城のほうに抜けたところにあるひろめ市場。活気ある楽しい場所という雰囲気が伝わってくる。

赤ちょうちん感とフードコート感。居心地のよさと開放感の両立。購入したものを飲食できる広々スペースが2か所あり、それを路地裏のような狭いスペースがつなぐ。

赤ちょうちん感とフードコート感。居心地のよさと開放感の両立。購入したものを飲食できる広々スペースが2か所あり、それを路地裏のような狭いスペースがつなぐ。

高知の酒とアテのショーケースでもあり、
ガイドブックにも特集されているぐらい観光的でもあるのだけれど、
ネクタイをゆるめる人、明るい笑い声の女性グループと、地元感も溢れる。

酒とは関係なく、修学旅行の中学生たちがカツオのタタキを頬張り、
高知名物であるビスケットのお土産を買う姿も微笑ましい。
テーマパークとフードコートと赤提灯がぐっと身近に感じられる。
混沌というかあけっぴろげというか、
屋内施設ではあるけれど、誰に対しても飾らないし、放っておいてくれるし、
でも、いつでもいらっしゃいという温かさがある。

観光客、地元、常連、どれも関係ない。
そうだ、商店街の良さってこれじゃないか。
長く続く道ではなく、ひとつ屋根の下にあるけれど、
ここも間違いなく、商店街なのだ。

今回も目的はもちろん焼酎ハイボールとともに楽しむアテ探し。
高知らしさは当然の条件。まずはカツオのタタキ。当然の選択だ。
もちろんひろめ市場の中でもいろいろな店がその味を競っている。
〈やいろ亭〉もそのひとつ。

こだわりの生カツオを贅沢に厚切りで

生まれ育ちが昭和の関東で、親も、その親も関東の僕は、
タタキといえばしょうゆかポン酢、添えるのはショウガというイメージで育ったので、
本場の高知に来ていろいろ驚いた。
高知の王道は、塩。
添えるのはたっぷりのスライスしたニンニク。しかも厚切り。
カツオもボリュームたっぷりの厚切り。
自分が食べていたのはなんだったんだろうと、
驚きとともに答えの出ない疑問を浮かべる。

最近は高知でもいろいろなバリエーションもあるようだし、
全国で高知スタイルのカツオのタタキが食べられるようにもなった。
だからこそ、あらためて高知で王道を味わいたい。
やいろ亭は、生のカツオにこだわる。
「カツオを10キロ仕入れて気に入らないものを5キロ返品することもあります」
というのは女将の島崎恭子さん。

板長がこだわって仕入れた魚を、板長自ら火を入れる。素材の良さとこの技術が揃ってこそ高知のタタキ。

板長がこだわって仕入れた魚を、板長自ら火を入れる。素材の良さとこの技術が揃ってこそ高知のタタキ。

カツオのタタキとニンニクはワンセット。食べてみればこの意味がよくわかる。

カツオのタタキとニンニクはワンセット。食べてみればこの意味がよくわかる。「塩タタキ」1300円。

「もとのカツオがよくなければ、塩では食べられませんから」
ひろめ市場がオープンした時から出店したが、もともとは地元の著名ホテルの和食の店。
「ホテルの店もひろめの店も、こだわりは何も変えません」
女将と板長はその覚悟でひろめ市場にやってきた。
「観光だけのところで働きたかったわよ。それなら料理はそれなりでいいし、
気楽じゃないですか」と笑う島崎さん。すぐにキリっとした表情で続ける。
「でも、ひろめ市場は違うんです」

どういうことか?
「もともと帯屋町、地元の活性化のために生まれた場所なんです。
だから地元の良いモノをもっと“ひろめ”よう。それが目的ですから」

はりまや橋のあたりからひろめ市場までを結ぶ帯屋町のアーケード。
高知の中心街ではあるが、どのまちにもあるように、
昔のような賑わいではなく、次第にどのまちにもある店が増えていく。
便利さはもちろん大切なことだけれど、
そのまちらしさ、その商店街らしさを失わずに両立し、
時代に合った楽しさ、喜びがある商店街であってほしい。

思いは利用者側だけではなく、商店街で生きていく人たちも同じなのだろう。
思いを「ひろめる」。
生のカツオにこだわり、仕事にもこだわる。
訪れる人に味を通して喜んでいただくことと同時に
自分たちがその「ひろめる」という目的を果たすためにも。
ボリュームたっぷりのカツオのタタキに思いが詰まる。
もちろんテイクアウト決定。後ほどゆっくり噛みしめよう。

やいろ亭の名物はタタキだけにあらず。「お客さんに喜んでいただきたい」という気持ちが生んだ豊富なアテもうれしい。

やいろ亭の名物はタタキだけにあらず。「お客さんに喜んでいただきたい」という気持ちが生んだ豊富なアテもうれしい。

やいろ亭の女将、島崎恭子さん。ざっくばらんな雰囲気ときっちりした料理の両方を提供したいと言う。

やいろ亭の女将、島崎恭子さん。ざっくばらんな雰囲気ときっちりした料理の両方を提供したいと言う。

〈Nazuna 飫肥 城下町温泉 小鹿倉邸〉
日南市の築140年の屋敷を、
城下町を旅する古民家宿へ

PAAK DESIGN vol.6

宮崎県日南市で建築デザイン、宿泊や物販など、幅広い手法で地域に関わる、
〈PAAK DESIGN株式会社〉鬼束準三さんの連載です。

今回は、日南市の観光地、飫肥(おび)城下町にある
〈Nazuna 飫肥 城下町温泉 小鹿倉邸(こがくらてい)〉の
リノベーションがテーマです。まちを周遊するための施策とともに、
古民家宿がどのようにできあがったのか、振り返っていきます。

プロジェクトの始まり

2017年4月頃。
まだ、〈PAAK DESIGN〉の会社設立の準備をしている頃の話です。
日南市の「まちなみ再生コーディネーター」(当時)を務める
徳永煌季(こうき)さんから、
「旧小鹿倉邸」という大きな武家屋敷を活用するために、
一度建物を見てほしいと相談を受けました。

ちなみに、まちなみ再生コーディネーターとは、
日南市が飫肥城下町の歴史的風景を保存しながら、魅力を向上させ活力を高めるために、
タウンマネージャー(コーディネーター)となる人材を全国公募して、
コーディネーターが移住し、まちの中に住みながらまちづくりを推進する事業です。

空き家の状態だった小鹿倉邸の玄関付近。

空き家の状態だった小鹿倉邸の玄関付近。

2015年に市に寄贈されたときの様子。家財道具がそのまま残り、当時の生活感がうかがえる。雨漏りもなく、保存状態も極めて良好だった。

2015年に市に寄贈されたときの様子。家財道具がそのまま残り、当時の生活感がうかがえる。雨漏りもなく、保存状態も極めて良好だった。

飫肥城下町について

2015年にまちなみ再生コーディネーター事業が始まって以降、
飫肥城下町では新しい取り組みが続いています。
2017年4月に徳永さんらが中心となり、
一棟貸しの古民家宿〈季楽 飫肥 勝目邸(かつめてい)〉
〈季楽 飫肥 合屋邸(おうやてい)〉の2棟をオープンさせました。

続いて、2018年4月には、以前ご紹介したお食事処の〈武家屋敷伊東邸〉が開店し、
2020年3月に今回の物件である〈Nazuna 飫肥 城下町温泉 小鹿倉邸〉が
オープンすることになり、段階的に新しいまちづくりが行われています。

ハレの日もケの日も
願い事をこめて
「わたしのまちの開運祈願」

今月のテーマ 「わたしのまちの開運祈願」

初詣や特別な日、普段の日に訪れて
神仏へ願掛けを行う人も多いはず。
全国にはさまざまなお寺や神社があり、
多種多様な参拝、祈願方法が行われています。

今回は全国にお住まいのみなさんに
近所にあるお寺・神社の祈願方法について教えてもらいました。

そのまちに住む人や参拝者を見守っているわたしたちの身近なスポット。
その数は、全国のコンビニよりも多く、
お寺は約7万、神社は約8万社もあるのだそうです。
地域のお寺や神社へ今年の開運を願いに訪れてみてはいかがでしょうか。

【岩手県奥州市】
海外からも見物人が訪れる日本3大裸祭が行われる〈妙見山黒石寺〉

〈妙見山黒石寺〉は岩手県奥州市の山間に位置し、
静寂で厳かな雰囲気に包まれた天台宗の寺院です。
ご本尊である薬師如来坐像は日本最古の在銘木彫仏として
国の重要文化財に指定され、厄除けパワースポットとも言われています。

初夏の黒石寺本堂。

初夏の黒石寺本堂。

このお寺では毎年旧正月7日夜から翌日早朝にかけて、
五穀豊穣と厄払いを祈願する「黒石寺蘇民祭」というお祭りが開催されています。

当日の行事内容。

当日の行事内容。

この「黒石寺蘇民祭」は1000年以上の歴史を誇っているお祭りで
東北中心に全国各地にある「蘇民祭」のなかでも
日本3大裸祭りのひとつに数えられる有名なもの。

「裸の男と炎の祭り」という異名の通り、雪が降りしきる極寒のなか、
ふんどし姿の男性陣が氷点下の川の水を浴びて体を清め、
交互に組まれた木の上で立ち込める火と煙のなかでお祓いをしてから行われます。
勝ち取った人に福をもたらす「蘇民袋争奪戦」など、
なんともワイルドでエネルギッシュな行事が
夜通し繰り広げられるんです。

見ているだけでも凍えてしまいそう……!

見ているだけでも凍えてしまいそう……!

参加者はそれぞれの願いを書いた角灯を手に。「ジャッソー!ジャッソー!」「ジョヤサ!ジョヤサ!」という呪文のような掛け声が飛び交います。

参加者はそれぞれの願いを書いた角灯を手に。「ジャッソー!ジャッソー!」「ジョヤサ!ジョヤサ!」という呪文のような掛け声が飛び交います。

黒石寺蘇民祭

その奇祭っぷりに地元の人に混じって都心や海外から
わざわざ参加しにくるお祭りマニアも少なくないそうです。

この夜限定の〈蘇民食堂〉という藁づくりの休憩所を兼ねた食堂の雰囲気もたまりません。

この夜限定の〈蘇民食堂〉という藁づくりの休憩所を兼ねた食堂の雰囲気もたまりません。

蘇民食堂の中

蘇民食堂の中。おでんや地元のどぶろく「とらまづ」など体を温めてくれるメニューが楽しめます。

蘇民食堂の中。おでんや地元のどぶろく「とらまづ」など体を温めてくれるメニューが楽しめます。

昨年に引き続き今年も感染防止のため、中止が決定。
来年こそは世界中の災厄消除が叶って
無事開催できることを心より願っています。

information

map

天台宗 妙見山黒石寺

住所:岩手県奥州市水沢黒石町字山内17

Web:妙見山黒石

photo & text

小川ちひろ おがわ・ちひろ

遊軍スタイルフリーコーディネーター。東京出身。オーストラリアや台湾での海外生活も経験する放浪人間。異なる文化や感覚を持つ「人」に興味を抱く。 転職を機に〈地域おこし協力隊〉の制度を活用して岩手へ移住。現在は遊軍スタイルのフリーコーディネーターとして、旅するように東北の暮らしを堪能中。フットワークの軽さとコミュニティの広さをいかして、人をつなげてケミカルな反応が起こる「場」や「間」を創り出すことを楽しんでいる。

朝市にシメパフェ、ローカルフード。
函館から札幌、最北の地・稚内へ、
温泉とグルメを堪能する旅

今回の旅は、函館から札幌、そして稚内へ

さまざまな北海道の魅力を満喫する周遊旅。
今回はまず、函館空港から車で5分というアクセス抜群の湯の川温泉へ。
湯の川温泉から市電に揺られ、函館朝市では、海鮮グルメを堪能。

函館駅から特急で約4時間で札幌へ。
札幌を代表するグルメ、ジンギスカンを味わったら、
ここ数年、新たな定番となっている“シメパフェ”を食べ比べ。
札幌の奥座敷と言われる定山渓温泉、さらに豊平峡温泉まで足を延ばして、
知る人ぞ知るグルメに出合う。

そして新千歳空港から1時間のフライトで稚内空港へ。
最北端の温泉でゆっくり体を癒したら、日本最北端の地を訪れ、
最後は稚内のソウルフード「チャーメン」の名店へ。

各地の特徴ある温泉とグルメを堪能する旅へ、ご案内します!

日常と非日常が交差する、湯の川温泉で

約10分ごとに1本程度の間隔で行き来する市電。湯の川温泉から、五稜郭や函館朝市方面まで行くことができる。

約10分ごとに1本程度の間隔で行き来する市電。湯の川温泉から、五稜郭や函館朝市方面まで行くことができる。

函館空港から車で5分。
全国でも珍しい、空港に近い温泉街として知られるのが〈函館湯の川温泉〉だ。
飛行機を降りてタクシーに乗り込めば、あっという間に到着する。
短い移動距離で、疲れた体を熱い湯に浸すことができるのはうれしい。

湯の川の語源は、アイヌ語のユ(湯)と、ベツ(川)からきているとされる。
1868年の箱館戦争時には旧幕軍の総裁である榎本武揚が傷病兵を療養させたほか、
自身もたびたび入浴に訪れたという歴史を持つ。
1886年に湯治場が開かれてからは、料理店や宿、土産物屋などが立ち並び、
温泉街として栄え始めた。

いわゆる街場の温泉地で、中心地は市電の路面電車が行き来する。
観光客と地元の人たちの日常が交差する、湯の川温泉らしい風景だ。

足湯の利用可能時間は9時~21時。利用者は足拭き用のタオルを持参。目の前にはバス停があるため、バス待ちの間に入る人も多そう。

足湯の利用可能時間は9時~21時。利用者は足拭き用のタオルを持参。目の前にはバス停があるため、バス待ちの間に入る人も多そう。

市電の「湯の川温泉」停留所からほど近い場所にあるのが、無料開放されている足湯。
こんな中心部に足湯が? と最初は面食らうが、
入れ替わり立ち替わり人が入る姿を見て、
足湯が暮らしの一部になっていることを実感する。
談笑したり読書をしたりと、思い思いに楽しむ人たち。
冬場は少し滞在時間が長くなりそうだ。

そして温泉に入るのは、人間だけではなかった。足湯から歩くこと約10分。
温室の中に約300種類もの南国の珍しい花や木が育つ〈函館市熱帯植物園〉では、
なんと源泉に浸かるニホンザルたちが見られる。

現在は大小合わせて60頭ほどのサルがいる。本来水に入ることを嫌うサルも、温泉ならウェルカム。

現在は大小合わせて60頭ほどのサルがいる。本来水に入ることを嫌うサルも、温泉ならウェルカム。

1970年に開園し、「植物園に訪れる人を楽しませたい」と、翌年にサル山が誕生。
かつてこの周辺にたくさん湧いていた源泉をサル山に引いて以来、
約50年もの間、湯の川温泉はニホンザルの体を温め、それを見る人々を和ませてきた。
毎年12月1日から5月の連休最終日までは、
ニホンザルの入浴シーンにお目にかかることができる。

一方、空港だけでなく、海も近いのが湯の川温泉の特徴。
北海道と本州の玄関口である津軽海峡を、
最上階の露天風呂から遮るものなく眺められるのが、
2021年7月にオープンした〈函館湯の川温泉 海と灯〉だ。

〈函館湯の川温泉 海と灯〉のインフィニティ露天風呂は絶景のオーシャンビュー。

〈函館湯の川温泉 海と灯〉のインフィニティ露天風呂は絶景のオーシャンビュー。

特に7月から秋にかけては、真っ暗な海の上にぽつん、ぽつんと
蛍のように光るイカ釣り漁船の漁火が美しい。
冬は雪見風呂、天気が良ければ満月。四季折々の楽しみ方ができる。

地元〈箱館醸蔵〉の地酒を、風呂に浸かりながら升で味わえるサービスも(有料)。(写真提供:海と灯)

地元〈箱館醸蔵〉の地酒を、風呂に浸かりながら升で味わえるサービスも(有料)。(写真提供:海と灯)

そして、温泉といえばおいしい食事。
館内のブッフェレストラン〈月舟〉には、函館周辺の漁港で
その日の朝にとれた新鮮な魚介を中心に、夜は150種類、朝は140種類もの品目が並ぶ。
ブッフェ形式で好きなものを好きなだけ盛れるほか、
焼きたて、つくりたて、握りたてを心ゆくまで堪能できる。

まち歩きもしたいけど、ずっとここにいたい……。
そんな気持ちにさせてくれる宿だ。

information

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函館市熱帯植物園

住所:北海道函館市湯川町3-1-15

TEL:0138-57-7833

アクセス:函館空港から車で約5分、バス15分

営業時間:4月~10月 9:30~18:00、11月~3月 9:30~16:30

休園日:12月29日~1月1日

料金:300円(小中学生100円)団体割引有

Web:函館市熱帯植物園

information

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函館湯の川温泉 海と灯 
ヒューイットリゾート

住所:北海道函館市湯川町3-9-20

TEL:0138-57-5390

アクセス:函館空港から車で約5分、バス15分(熱帯植物園前下車徒歩1分)

宿泊料金:1泊2食付1室26000円~

日帰り入浴料金:大人1100円、4~12歳550円、3歳以下無料

日帰り入浴時間:14:00~18:00

Web:函館湯の川温泉 海と灯

絶景を眺めながら仕事が捗る! 〈休暇村南伊豆〉で贅沢ワーケーション

海を一望できるテラスには足湯やハンモックも

ここ数年、外出自粛の影響からテレワークが推進され、
場所にとらわれない働き方が定着しつつあります。
なかでも今注目を浴びているのが、ワーケーションです。

ワーケーションとは、「仕事(Work)」と「休暇(Vacation)」を合わせた造語。
オフィスではない場所で働きつつ、休暇も楽しむ新しいライフスタイルのひとつです。

最近、このワーケーションに対応した宿泊施設やリゾート地がどんどん増えてきています。
せっかくワーケーションをするなら、その土地ならではの楽しみ方も満喫したいですよね。

そこで注目したいのが、
富士箱根伊豆国立公園に位置するリゾートホテル〈休暇村南伊豆〉です。

ホテル屋上にある「潮騒テラス」からの景色。真正面に弓ヶ浜が眺められ、右側には南伊豆の町並みが広がります。

ホテル屋上にある〈潮騒テラス〉からの景色。真正面に弓ヶ浜が眺められ、右側には南伊豆のまち並みが広がります。

同ホテルは目の前に日本の渚百選に選ばれた「弓ヶ浜」が広がり、
ビーチにも徒歩約1分でアクセスできる好立地。

2022年1月8日に新たに〈リゾワテラス〉と呼ばれるワークスペースが完備され、
絶景を楽しみながら仕事ができる環境が整いました。

「潮騒テラス」で足湯を満喫しながらの贅沢ワーケーション。

〈潮騒テラス〉で足湯を満喫しながらの贅沢ワーケーション。

屋外のワークスペースは全部でふたつ。
ホテル屋上にある〈潮騒テラス〉には足湯やハンモックが用意され、
思い思いの方法で仕事のスタイルが決められます。
適度にリラックスできる環境で、自然と仕事も捗りそうです。

ロビーから見た「庭園テラス」。

ロビーから見た〈庭園テラス〉。

1階には豊かな自然が感じられる〈庭園テラス〉があります。
小鳥のさえずりや、弓ヶ浜から聞こえる波の音に癒されながら
ワークタイムを過ごすことができます。

もちろんモバイル電源が無料でレンタルできるので
Wi-Fi環境の心配はいりません。

〈東京都離島区大島プロジェクト〉
波浮を舞台に巻き起こる
さまざまなイノベーション

東京都離島区大島プロジェクト vol.02

大島、ひいては東京諸島全体を盛り上げるために東京都のバックアップのもと、
“あなたらしい大島の物語”をつくっていくことを目指し、
さまざまな活動を行っていく「東京都離島区大島プロジェクト」。
この企画では3回に分けて、プロジェクトの6人のキーパーソンを紹介していく。
2回目となる今回登場してもらうのは
〈島京梵天(とうきょうぼんてん)〉の河村智之さんと〈青とサイダー〉の吉本浩二さん。
ふたりが拠点にしているのは、昭和感漂う波浮(はぶ)というエリア。
元町に比べると、観光客が訪れることも少なく、空き家も目立ち始めていたこのエリアが、
数年前から一大イノベーションを起こし、各方面で注目され始めている。

東京の島を生んだ「恵比寿様」が梵天たい焼き誕生のきっかけ

島京梵天の河村智之さんはエネルギー&フレンドリーの塊のような人だ。
この取材でも着くなり「たい焼き食べるでしょ! いっぱい種類あるよ、なにがいい?」と
明るく声をかけてくれた。
彼が都心から大島へやってきたのはいまから16年前。
しかも、移住したのは賑わっている元町ではなく、波浮。

波浮港を高台の展望台から望む。港の上に見えるのが波浮の集落。

波浮港を高台の展望台から望む。港の上に見えるのが波浮の集落。

かつて波浮港は遠洋漁業の中継港として、数多くの船が立ち寄る場所だった。
最盛期には旅館や飲み屋さんが軒を連ね、
映画館と公衆浴場がそれぞれ2軒ずつあったという。
現在では、当時の面影を残す閑静な場所として人気が高まりつつある。
そんななか、ここ数年で新規に事業を起こす人が増え始め、
いま再び波浮に活気が戻ってきている。
河村さんは間違いなくその起爆剤となった人物だ。

最初に大島を訪れたのは2003年。ふらっと行ってみたら「ドハマリした」という。
それから週末になるごとに島に何度も通った。

「ここにもうひとつの東京があると思ったんです。なんというかワープ感がありますよね。
都会感のある竹芝から、一気に離島の風景へ。そのギャップがとても新鮮でした」

2006年に移住してすぐに波浮で、カフェと古民家を改装したゲストハウスを始めた。

「最初に始めたカフェは玄米菜食のランチとかをやっていました。
でも当時は玄米菜食なんて知っている人も少なかったし、ぜんぜんダメ。
まだまだ波浮にくる観光客も少なかったのでゲストハウスもなかなか厳しい。
そんなときに、たまたまイベントに屋台を出店する機会があって、
それがすごく楽しかったんですよね」

屋台のような形態でなにか売れないかなと考えたときに、思いついたのがたい焼きだった。

「実はこれにもちょっとしたエピソードがあって。
この古民家をリノベーションしているときに、
裏手から恵比寿さんの像がくっついた溶岩が出てきた。
それでいろいろ調べてみたら、東京の島々を生んだ神様だということがわかって。
じゃあ、恵比寿さんが背負っている鯛を焼こうじゃないかと」

築130年の古民家をリノベーションした一棟貸しの宿。もともとは波浮港の網元が暮らした場所。

築130年の古民家をリノベーションした一棟貸しの宿。もともとは波浮港の網元が暮らした場所。

最初はオークションサイトで買った焼き板を使って試行錯誤。
そもそもたい焼きなんて焼いたことすらなかった。
そうやって見切り発車でスタートしたこのたい焼きが当たった。

「島には気軽にテイクアウトできるようなものがあまりなかったのも、
大きかったと思います」

物珍しさも手伝って、2010年のオープンから間もなく、
メディアの取材が次々に舞い込んできた。
その影響もあり、島京梵天を目指してわざわざ波浮を訪れる観光客も増えた。
テレビ出演をきっかけに島の人からも広く認知されるようになり、
放送翌日には合計300匹焼き続けたという。

「1日でそれだけ焼いたのはいまだに最多記録かもしれません。
かれこれ11年で30万匹は焼いていますね」

島京梵天の名物であるたい焼きは、羽根つきが特徴。5〜10月はかき氷も提供。

島京梵天の名物であるたい焼きは、羽根つきが特徴。5〜10月はかき氷も提供。

たい焼きのバリエーションも豊富だ。王道のつぶあんはもちろん、
食事にもなる「ハムチーズマヨ」、さらに冷したい焼きもあって、
大島名産の明日葉を使ったものが人気。

「周囲にお店も少なかったので、甘い物だけじゃなく、
いろんなバリエーションをここでカバーできればいいなという気持ちもありました」

こぢんまりとした波浮の集落。遠くに見える竜王埼灯台は、日の出、日の入りを同じ場所から見ることができる場所。

こぢんまりとした波浮の集落。遠くに見える竜王埼灯台は、日の出、日の入りを同じ場所から見ることができる場所。

〈ホテル椿山荘東京〉 庭園に椿咲くインスタレーション・ アート “つばきの日”2月8日から開催

椿の楽園へようこそ

2022年に開業70周年を迎える〈ホテル椿山荘東京〉。

広大な庭園を有し四季折々の美しい景観を堪能できる、
まさに都会のオアシスといえるこちらで、
期間限定で〈椿絵巻~東京椿インスタレーション・アート〜〉が開催されます。

美しくデザインされた苔庭と椿の演出。

美しくデザインされた苔庭と椿の演出。

自然と現代技術を掛け合わせた演出を行う
ホテル椿山荘東京の「庭園プロジェクト」。
1年を通して「7つの季節7つの絶景」が繰り広げられます。

桜や雲海、新緑などその季節ごとにテーマと演出が異なり、
訪れるひとを癒し、楽しませてくれます。

季節の花々や雲海などさまざまなテーマで庭園が彩られる。

季節の花々や雲海などさまざまなテーマで庭園が彩られる。

1年のスタートを飾るのは、
2月8日から5週間に渡って開催される、
〈椿絵巻~東京椿インスタレーション・アート〜〉です。

椿をテーマに、庭園の細部まで丁寧につくり込まれた空間演出を
ぜひご覧ください。

凛とした佇まいを感じさせる竹穂垣。

凛とした佇まいを感じさせる竹穂垣。

大島と五島から植樹した樹齢約40年のヤブツバキも生い茂る。

大島と五島から植樹した樹齢約40年のヤブツバキも生い茂る。

特別に製作された萩ガラスの石燈ろう。

特別に製作された萩ガラスの石燈ろう。

竹穂垣、苔、ヤブツバキの大樹、
萩の石が配置された道を進むと群生椿の世界が広がります。

昨年、新たに約500本が植えられたという〈玉有明〉は
1枚の花弁が紅白に染まる八重咲きの品種。

華やかでめでたい椿に迎えられる〈椿花小路〉は必見です。

期間中、庭園には約2300本、100種以上もの椿が咲き誇ります。
訪れる頃に、どんな品種の椿が咲いているのか楽しみですね。

東京椿鑑賞MAP

東京椿鑑賞MAP

またホテル椿山荘東京に宿泊できるチャンスも。
現在、WEB限定で開業70周年を記念した
70組様ご宿泊ご招待キャンペーンを実施中とのこと。

詳しくは、こちらの応募要項をご覧ください。
※応募期間:2022年1月11日(火)12:00~1月27日(木)17:00

ペンギンの個性や関係性がひと目で判明 「ペンギン相関図2022」公開! 〈すみだ水族館〉のユニークな取り組み

すみだペンギン相関図2022。特設サイトで、拡大しながらじっくり楽しめる。

話題の「ペンギン相関図2022」。その内容は……?

東京墨田区のスカイツリー内にある水族館〈すみだ水族館〉では、
ペンギンの個性や関係性をまとめた「ペンギン相関図2022」を、
特設サイトと館内パネルにて公開中!

ペンギン相関図は、それぞれ個性を持つペンギンと、
その個性により年々変わるペンギン同士や飼育スタッフたちとの多様な関係性を、
多くの人に知ってもらいたいとの想いから2018年からスタート。
今回で3回目のアップデートを迎える人気コンテンツです。

すみだ水族館で暮らす49羽のマゼランペンギンの行動を飼育スタッフが日々観察し、
それぞれの個性や関係の変化などの最新情報がまとめられています。

「3分くらいでなんとなくわかって、1時間くらい見ていられる!」
というキャッチフレーズの通り、じっくり読み込むほどおもしろい!

相関図では、親子や兄弟のつながりといった家系図だけではなく、
友人関係やカップルの恋愛模様のほか、
飼育スタッフも加わったペンギンたちの関係がわかりやすく表現されているのがユニークです。

飼育スタッフとペンギンたち。

飼育スタッフとペンギンたち。

ペンギンたちは、見た目や鳴き声の違いだけではなく、
人間と同じように性格や好みのご飯まで個性豊か。
その個性までもが細かく記載されていて、
普段からペンギンたちの暮らしを見守る飼育スタッフの深い愛情を感じることができます。

相関図には「あずま」とずっともどかしい関係性が続いているという「あんこ」。

相関図には「あずま」とずっともどかしい関係性が続いているという「あんこ」。

3回目のアップデート! 今年の見どころは?

今年の見どころのひとつは、新人飼育スタッフである佐藤さんが
ペンギンの信頼を勝ち取ろうと奮闘していることだそう。
相関図を見てみると、残念ながら今のところは多くの信頼は得ていない様子。

「ペンギン相関図2022」今年の見どころのひとつは、新人飼育スタッフ佐藤さんがペンギンの信頼を勝ち取ろうしていることだそう。

また、今年生まれたばかりの「ぼんぼり」にも注目。
過保護に育てられた彼は、体も態度も大きく成長しているのだとか。
“0歳にして誰よりも大きい”という彼をぜひこの目で見てみたい!

「ペンギン相関図2022」では今年生まれたばかりの「ぼんぼり」にも注目。

〈サイプレスリゾート久米島〉が全室リニューアル! 伝統工芸品「久米島紬」に 触れ合える空間へ

重要無形文化財の久米島紬を贅沢に

沖縄・久米島にある〈サイプレスリゾート久米島〉は、
すべてのゲストルームを島の伝統工芸品である
「久米島紬(くめじまつむぎ)」のデザインをあしらった内装に一新しました。

ベッドボードには、久米島紬の代表的な文様をもちいたアクリルパネルを配置。2層を重ねることで、織りの構造がわかるようになっている。さらに見る角度によって表情が変わる、遊び心のあふれるデザインも素敵。

ベッドボードには、久米島紬の代表的な文様をもちいたアクリルパネルを配置。2層を重ねることで、織りの構造がわかるようになっている。さらに見る角度によって表情が変わる、遊び心のあふれるデザインも素敵。

「久米島Tsumugi」ルームと名づけられたこの客室では、
ベッドスローから照明、クッション、タペストリーまで
至るところに「久米島紬」の文様がちりばめられています。

さらに壁には琉球王朝時代に描かれた「御絵図(みえず)」の復刻版が飾られ、
その歴史も存分に感じられる部屋になっています。

本物の「久米島紬」をもちいた照明スイッチ。

本物の久米島紬を用いた照明スイッチ。

照明スイッチやクローゼットの引き手には本物の久米島紬を使用。
実際に手で触れ、繊細な織りの美しさやその手触りを堪能できます。

手作業でつくられる久米島紬はひとつとして同じものがなく、
どんな文様に出会えるかは客室についてからのお楽しみです。

「久米島Tsumugi」オリジナルグッズ、久米島紬柄クッションカバー2色。

「久米島Tsumugi」オリジナルグッズ、久米島紬柄クッションカバー2色。

同館では期間限定のオリジナルグッズも販売開始。
クッションカバーや蒔絵シールなどを旅の思い出に持ち帰ることができますよ。

〈ならやま凮土譚〉 西会津・楢山集落で 2泊3日のアートツーリズム! 異郷の地で唯一無二の体験を

季節ごとに開かれる、桃源郷の旅へ

2022年1月21日〜23日に、
福島県西会津の奥地にてアートツーリズム
〈ならやま凮土譚(ふうどたん)〉が開催されます。

「譚(たん)」とは、物語を語ること。

物語の舞台となるのは、
西会津町奥川郷で360年以上続く、
地元でも秘境といわれている楢山集落です。

雪深く、眼下に雲海を望むこともあるという楢山集落。

雪深く、眼下に雲海を望むこともあるという楢山集落。

楢山集落は1660年の開拓以降、稲作を中心に炭焼きや養蚕、
林業など百姓の暮らしが棲み継がれてきたといいます。

そして2019年より立ち上げられたのが、
〈楢山プラネタリーヴィレッジプロジェクト〉。

〈NIPPONIA 楢山集落〉という
“集落に暮らすように泊まれる”古民家ホテルを運営しながら、
持続可能な集落づくりが進められています。

NIPPONIA楢山集落。

NIPPONIA楢山集落。

今回のならやま凮土譚とは、参加者自身が
民話や伝承に登場するような異郷へ迷い込む「旅人」になり、
ともに物語を共創するという、
2泊3日の新たな宿泊体感型アートツーリズム。

土着の文化(年中行事や民俗文化)が、
さまざまな媒体を使ったアートパフォーマンスとして表現され、
見る者に新たな価値を気づかせてくれることでしょう。

写真家・若木信吾
浜松で本屋を営んで11年。
次世代の文化をつくる

BOOKS AND PRINTSが浜松に残したもの

大手書店とは異なるこだわりのセレクトで、店主の個性が垣間見える。
そんなブックストアが、東京や都心部のみならず、全国に増えてきた。
その先駆けとなったのは、静岡県浜松市にある〈BOOKS AND PRINTS〉だろう。
数々の雑誌の表紙撮影や写真集なども発売している写真家・若木信吾さんが、
生まれ故郷である浜松市で始めた本屋だ。
しかし当時、本人には“先駆け”なんてつもりもないし、“地域貢献”のつもりでもなかった。

ビルの前には大きな立て看板。

ビルの前には大きな立て看板。

若木さんは浜松で生まれ育ち、高校生までを過ごした。
自宅から高校まで、自転車で毎日まちなかを通り抜けて通っていたという。

「写真部でしたけど、実質は帰宅部のようなもの。
学校が終わったら、すぐに帰って、映画を観たり、本屋さんに立ち寄ったり。
今はひとつしかないけど、映画館はもう少しありましたね。
当時は浜松に写真集なんて売ってなかったから、写真に触れ合うといえば雑誌がメイン。
『POPEYE』や『BRUTUS』などをよく読んでいました」

写真自体は小学生から興味を持ち、撮影もしていたという。

「海外の写真家に興味を持ったのは、ポストカードから。近くに額装屋さんがあって、
そこでアンリ・カルティエ=ブレッソンとかのポストカードを売っていたんです」

店内に入ると、左手一面に本棚が。

店内に入ると、左手一面に本棚が。

高校卒業後、写真家を目指す若木さんが選んだのは、東京ではなくニューヨークの大学。
当時は、海外旅行のハードルも低くなり、同時に海外留学する人も多かった。
地方の人が東京に憧れるのと並列に、
海外という選択肢も選べる時代になりつつあったのだ。

大学を卒業後は日本、ニューヨーク、サンフランシスコを行き来しながら
仕事をする生活が10年ほど続いた。
そして徐々に日本での仕事が増えてきて、東京に腰を据えたのが1999年のこと。
このとき、選択肢は浜松ではなかった。

「雑誌が好きで写真を始めたけど、浜松には雑誌がないですもんね。
いまほど、物理的にも精神的にも、東京と浜松が近くは感じなかったです」

〈東京都離島区大島プロジェクト〉
大島の未来を見据える島の今を
伝えるメディア『東京都離島区』

東京都離島区大島プロジェクト vol.01

大島、ひいては東京諸島全体を盛り上げるために東京都のバックアップのもと、
“あなたらしい大島の物語”をつくっていくことを目指し、
さまざまな活動を行っていく「東京都離島区大島プロジェクト」。
この企画では3回に分けて、プロジェクトの6人のキーパーソンを紹介していく。
第1回となる今回は、『東京都離島区』という東京諸島特化型のウェブメディアを、
いままさに立ち上げようとしている〈アットアイランド〉の伊藤奨さんと
〈トウオンデザイン〉の千葉努さん。
ふたりがメディアを通じて伝えたいこと、そしてそこにつながる未来のビジョン。
大島を中心に、東京諸島の動きが活性化してきている。

〈裏砂漠〉など、大島には雄大な自然が残る。

〈裏砂漠〉など、大島には雄大な自然が残る。

若者たちが島に戻って来たくなる土壌づくり

幼稚園は伊豆大島、小学校は小笠原の父島、小学校6年生から高校卒業までが八丈島。
東京諸島でさまざまな活動をしている一般社団法人アットアイランド代表の伊藤奨さんは、
まさに東京諸島の申し子とでもいうような人物だ。

高校卒業後は教師になることを目的に本土の大学に通っていたが、
やはり自分を育ててくれた東京諸島へ、なにか恩返しがしたいと常々思っていたという。
きっかけは高校3年生のとき。八丈島の高校の生徒会長をやっていたときに、
大島の高校から伊豆諸島をつなぐ高校生のイベントをやろうと誘われたこと。

アットアイランド代表の伊藤奨さん。島のさまざまなプロジェクトに関わりつつ、島で新規開業する人へのサポートも積極的に行っている。

アットアイランド代表の伊藤奨さん。島のさまざまなプロジェクトに関わりつつ、島で新規開業する人へのサポートも積極的に行っている。

「高校生たちが主体になって、資金も集めて、
大島にさまざまな島の高校生が集まるドリームプロジェクトというイベントを
開催しました。それがあって、僕らの世代の伊豆諸島の高校生たちに、
これまでなかった建設的な会話ができるつながりができたんです」

それまでは各島の高校生同士は部活の試合くらいしか交流がなかった。
だからどちらかというとライバルという意識で育つ。それがこのイベントを機に変わった。

「都心に出てきた大学生時代にも、島ごちゃまぜで集まっていました。
意外にもその関係が心の支えとなっていました。
それが大学卒業とともになくなってしまうんじゃないか、
ということにもったいなさを感じて、
このつながりを残したいという思いから有志でアットアイランドを立ち上げました」

目的は、島同士を連携させて、より豊かな東京諸島の在り方を目指すというもの。

「それから1年間、社会人の傍ら、さまざまな島を巡って、
一体なにが課題なのかをヒアリングしてきたんですが、
外部にいたらぼんやりとしか見えてこないんです。
それもそうで、島に住んでいた頃は呑気な高校生でしたし、
島を出てからもう6年も経っていたんです。だったら当事者に戻ろうということで、
あえて自分がこれまで住んだことのなかった三宅島へ移住して起業しました。
三宅島を選んだ理由は語れば長くなるのでまた別の機会に」

伊藤さんと神田さんが大島にオープンしたシェアハウス〈大島クエストハウス〉の共有スペース。

伊藤さんと神田さんが大島にオープンしたシェアハウス〈大島クエストハウス〉の共有スペース。

まず最初に取り組んだのは教育関連。
島の子どもたちを集めてキャンプイベントを主催するなど、
自分で興味をもったことにチャレンジしてみるきっかけをつくるような活動が中心だった。
でも「やりたいこと」と「現実的な収益性」にはかなりギャップがある。
そんななか、ご縁からいい空き家との出合いがあり、
三宅島では初となるゲストハウスを始めた。コンセプトは「五感を拓く、暮らし旅」。

「三宅島はダイビング、イルカ、火山、野鳥というようなコンテンツ自体は強いんですが、
そこだけを目指してくる人がやはり多くて、
ふらっとまちを歩いてくれるような人はあまりいませんでした。
そこで、暮らしというものを体感できるような滞在ができる場所として機能するような
ゲストハウスをつくりたかったんです。例えば、魚に興味があるゲストさんが来たら、
島の漁師さんに来てもらって一緒に鍋をしてみる。
そのお客さんの興味に合わせていろんなつながりも提供できる宿です」

〈新熱海土産物店ニューアタミ〉開店! ディープな魅力の新しい発信地に

ときどき、旅先でちょっとレトロなお土産を見かけることはありませんか?
そんな懐かしさと愛おしさを感じる昔ながらのお土産と、
若手クリエーターのアイディアを反映した新しい土産物店
〈新熱海土産物店ニューアタミ〉が、静岡県熱海市に誕生しました。

新熱海土産物店ニューアタミを手がけるのは、
熱海を拠点に活動する〈ハツヒ株式会社〉。

ハツヒは、熱海に縁のあるプロデューサーやデザイナーなどが所属し、
「大好きな熱海の光景を守りたい」という想いから2019年に活動スタート。
熱海にあるホテルや喫茶店、レストランなど、
熱海の街と歴史をつくってきた数々の老舗にフィーチャーしたお土産を制作し、
幅広く発信することを目的に活動しています。

そんなハツヒが、熱海に新しい観光名所をつくり、
ここを起点に新しい潮流を生み出したいと新たにスタートしたのがお土産屋さん。
お店では、今までハツヒが制作してきた老舗のお土産や熱海土産のデッドストック品ほか、
ショップオリジナルグッズを販売しています。

ニューアタミのオリジナルグッズの数々。

ニューアタミのオリジナルグッズの数々。

新旧の文化が楽しく融合する 熱海銀座商店街のすぐそばに

さて、ニューアタミがあるのは、老舗の干物屋さんからおしゃれカフェまで、
個性豊かなお店が軒を連ねる熱海銀座商店街のすぐそば。
熱海銀座商店街は、サンビーチからもほど近く、
いつもたくさんの観光客で賑わっている観光スポットです。

商店街から1本路地に入っていくと、
2010年に休館してしまった映画館〈ロマンス座〉の1階にお店を見つけました。
お隣には、鍵をもらって中に入るプライペートな古書店〈ひみつの本屋〉や、
老舗の純喫茶〈ボンネット〉もあります。

お店はこの看板が目印です。

ニューアタミロゴを用いた看板。

ニューアタミロゴを用いた看板。

ニューアタミ外観。

ニューアタミ外観。

2名ほどしか入れない小さな店内は、どこか秘密基地感があって、
ワクワクする空間になっています。

ニューアタミ内観。

ニューアタミ内観。

看板やカウンターの什器は、クリエイティブユニットSUEKKO LIONSが手がけているそう。

ロゴやピクトグラムを用いた看板もかっこいい。

ロゴやピクトグラムを用いた看板もかっこいい。

ミュージシャン・DJみそしると
MCごはんの旅コラム
「富山のハレとケ、
さらに異国情緒たっぷりのグルメ旅」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第23回は、ミュージシャンの「DJみそしるとMCごはん」さんです。
名前のとおりくいしんぼうな彼女による富山の旅。
食文化の3つの側面を発見し、その虜になったようです。
見事な「食レポ」は、読むだけでお腹が減ってきます。

富山の海の幸から、庶民の味まで

富山で「A面」「B面」「隠しトラック」とも呼べるような料理に出合った、
想定外のグルメ旅。わたしは富山の虜になった。

2021年12月初め。夫が仕事で北陸に行くと聞き、仕事とはいえうらやましい!
私も未開の地でいい思いがしたい! と、
持ち前の“隣の芝が青く見えすぎる症候群”が発動し、
仕事の翌日、富山で合流して旅行することになった。

旅行が決まったものの、2日前になってもノープランだった。
原田マハさんの『フーテンのマハ』という旅エッセイを読んでから、
行き当たりばったり旅に憧れていたのだ。
しかし、夫に「旅の食べ物は任せたよ」と言われハッとする。
マハさんと違って自分は旅慣れていない。ぼんやりしたまま旅が終わるのが想像できた。

冬の富山といえば、氷見の寒ブリ。食べるなら今が絶好のチャンス!
それに気づいた途端、急に富山に呼ばれている気がした。
インスタで「#氷見」を見まくると、
ブリ尽くしのコース料理が食べられる〈ひみ浜〉という店を発見。
その日の店の投稿を見ると、ブリの仕入れがあり、
我々が富山にいる日に新規予約を受け付けるという。その場で電話すると予約が取れた。
いいブリがなければ、予約していてもキャンセルになる貴重な席だ。

目的がひとつ明確になると、宿や新幹線の時間もすぐに決まった。
氷見の寒ブリがわたしを突き動かす。

馬と水族館とハッカ。
帯広から北見へ、
北の大地を感じる旅

今回の旅は、帯広から北見へ

さまざまな北海道の魅力を満喫する周遊旅。
今回はまず、とかち帯広空港から車で約20分、
馬と触れ合いながら乗馬体験ができる〈ヒロユキ モチダ ホースマンシップ〉へ。
帯広のまちではばん馬が馬車を引く〈馬車BAR〉を体験。

さらに帯広市から車で北上し、北見市の〈北の大地の水族館〉までは約2時間半。
そしてかつて世界に誇る一大産業だった北見のハッカについて知ることができる
〈北見ハッカ記念館〉〈薄荷蒸溜館〉を訪れ、
そこから車で約40分、女満別空港が旅の終着地。

帯広では馬に触れるアクティビティを体験し、
北見では北海道ならではの魚たちの生態や産業遺産に出合います。
北の大地に生きる動植物、そして人々の知恵に触れる旅へ。

馬の気持ちになって考える。
ホースマンシップが教えてくれること

十勝平野の西側、南北に約150キロ連なる日高山脈に守られて、とくに冬は晴天率が高く「十勝晴れ」になる。

十勝平野の西側、南北に約150キロ連なる日高山脈に守られて、とくに冬は晴天率が高く「十勝晴れ」になる。

とかち帯広空港から向かったのは、雄大な日高山脈を望む場所にある、
〈ヒロユキ モチダ ホースマンシップ〉。
7頭の馬と、お揃いのスウェットを着たスタッフ4名が出迎えてくれた。
胸には“Think like a horse”のメッセージ。
ここは、「ナチュラルホースマンシップ」を学ぶことができる研修施設でもある。

ナチュラルホースマンシップとは、馬の習性や自然界における行動の原理を利用して、
馬と関わっていく方法。
たとえば人間の両目は並んでいて焦点が合わせやすいが、
草食動物である馬は両脇に目がついている。

「広い視野を持ったばかりに視力は弱くて、距離感も掴みにくい。
だから馬が私たちに興味を持ったときにどうするかというと、
少し離れて両目で見える位置に動こうとする。
近づいて片方の目だけを見せているのは、興味がない証拠。
実はすぐに逃げる準備をしているんです」と教えてくれるのは、代表の持田裕之さん。

持田裕之さんは、約25年前に帯広に移住した。現在は全国各地を巡りながら、調教師をはじめ馬に関わる仕事をする人たちに、ナチュラルホースマンシップの考え方を伝えている。

持田裕之さんは、約25年前に帯広に移住した。現在は全国各地を巡りながら、調教師をはじめ馬に関わる仕事をする人たちに、ナチュラルホースマンシップの考え方を伝えている。

異なるのは目だけにあらず。

「『馬が好きなものは何ですか?』と質問すると多くの人は、
『ニンジン』や『牧草』と答えるのですが、それは捕食者の考えなんです。
馬は被食者なので、優先すべきは“安全”や“快適”なんですよ。
だから環境が整っていなければ、どんな餌であっても食べない。
馬と関わるには、人間本位ではなく、馬の気持ちになって考えて
コミュニケーションを深めるべきなのです」

インストラクターは、川島伶未さんを含む女性3名。馬たちと息を合わせて行うホースショーは、YouTubeでも配信されている。

インストラクターは、川島伶未さんを含む女性3名。馬たちと息を合わせて行うホースショーは、YouTubeでも配信されている。

ナチュラルホースマンシップに基づいたプログラムは、
初心者向けから1週間研修まで、ニーズに合わせて多彩に用意されている。
今回体験させてもらうのは、初心者向けの体験40分コース。
相手は、10歳のクォーターフォース種、マディソン君。
開口一番、インストラクターの川島伶未さんが教えてくれたのは、
「快適と不快。このふたつの感情を使い分けます」ということ。

マディソンに挨拶をしたあと、まずはお掃除。毛並みに合わせてブラッシングすることは、馬にとっては“快適”なのだ。

マディソンに挨拶をしたあと、まずはお掃除。毛並みに合わせてブラッシングすることは、馬にとっては“快適”なのだ。

最初は馬のお掃除から。体の部位の説明を受けたあと、
胴体の毛をブラッシングしながら汚れを落とす。
作業を終えるたびに馬と向き合って、額を撫でながら反応を見る。
続いて「裏掘り」。足先を掴んで、蹄に詰まった土を落とすのだ。
ひとつの足が終わるとマディソンの表情を確認して、次の足に。
こうしてお掃除が済んだら、鞍を装着して、いざ馬場へ!

乗る前に、引き馬体験。人差し指を立てて左右に振ったら、マディソンは後ずさりする。目障りな指の動きは“不快”だ。

乗る前に、引き馬体験。人差し指を立てて左右に振ったら、マディソンは後ずさりする。目障りな指の動きは“不快”だ。

続いて行うのは、グランドワーク。
馬には乗らず、手綱を引きながら馬場を歩くことでコミュニケーションをとっていく。

「馬の目の前で指先を左右に動かすことは、不快。
手綱を緩めることは、快適。このふたつの動作で、後退と前進を促します」

左手で手綱を握り、後ろに馬を従えて、一定の距離を保ちながら歩いてみる。
近づきすぎたら指を振って後退させ、定位置に戻ったら手綱を緩める。
マディソン君、なんと思いどおりに動いてくれた。
動物と意志の疎通ができるなんて、なんだか感動する。

手綱と足の動きで意思を伝える。川島さんに誘導してもらいながらではあったものの、細い通路もなんとかクリア。

手綱と足の動きで意思を伝える。川島さんに誘導してもらいながらではあったものの、細い通路もなんとかクリア。

最後は乗馬体験。足でポンとお腹を叩いて発進、「ドォ~」と声を発すると停止。
こうした合図をいくつか教わりながら、マディソンの背中で揺られて馬場を周る。
広い空の下、十勝の風景を眺めつつ爽快な気分。

慣れてきたら、障害物を避けながら進んだり、
少しスピードを上げた速歩にチャレンジしたり。
もちろんその間も常に馬の反応を見ながら、
コミュニケーションがとれたときには首を撫でて感謝を伝える。
こうしてあっという間に40分が過ぎた。

「口をもぐもぐしたら、受け入れている証拠ですよ」と川島さん。口や耳の動きからも馬の状況が読み取れる。額をなでて、感謝の気持ちを伝えた。

「口をもぐもぐしたら、受け入れている証拠ですよ」と川島さん。口や耳の動きからも馬の状況が読み取れる。額をなでて、感謝の気持ちを伝えた。

大切なのは、相手の気持ちになって考えること。

「馬の反応は正直でシンプル。馬との関わり方を学んでいくと、
人間関係の問題解決につながることもあるんです」
という持田さんの言葉が印象的だった。

十勝の大地で馬と触れ合う体験には、アクティビティのおもしろさだけに留まらない、
たくさんの魅力が詰まっている。

information

map

ヒロユキ モチダ ホースマンシップ

住所:北海道帯広市富士町西6線58-13

TEL:0155-63-7676

アクセス:帯広空港から車で約20分、帯広駅から車で約30分

営業時間:8:00~16:30(夏季)、8:00~16:00(冬季)

主なメニュー:体験コース(20分)3500円、40分コース7000円、4回コース(40分×4回)24000円

Web:ヒロユキ モチダ ホースマンシップ

三笠市の山奥で、温泉旅館と
障がい者福祉施設を運営する
プロレスラー

プロレスラーからボディーガードへ。行き場のない人たちに出会って

杉浦一生さんに初めて会ったのは1年前。雪がしんしんと降る日だった。
場所は三笠市の桂沢湖にほど近い山あいの宿〈湯の元温泉旅館〉。
廃業を考えていたこの旅館を2019年に杉浦さんは継業し、新たなスタートを切った。

雪の降りしきるなか、車を停めると、玄関がガラガラと開いて、
Tシャツ、サンダル姿の杉浦さんが現れた。
身長193センチメートル。雪の中で仁王立ちする姿に息を呑んだ。

このときの取材では杉浦さんのこれまでの歩みと、
なぜ赤字だった温泉旅館を継業したのかを中心に話を聞いた。

岩見沢市出身で高校時代にレスリングに出合い、
22歳になって全日本学生選手権で優勝。その後プロレスラーとしてデビューし、
一時はアメリカやカナダで対戦を行ったことも。
しかし、ケガに悩まされ引退。
今度は東京でボディーガードを専門に行う警備会社に入った。

ボディーガードと聞くと要人警護が主な仕事のように思えるが、
その会社で中心になっていたのは、精神疾患者や薬物依存者の医療機関への移送だった。
杉浦さんによると、精神的に追い詰められ、孤独のなかにある人たちは、
ときに自分の身を守りたいと過剰に武装をしていることがあるという。
そうした人たちの気持ちをときほぐしながら病院へとつき添っていくなかで、
「行き場のない人たちがこんなにも多いのか」と強く感じたという。

三笠市の山あいにある〈湯の元温泉旅館〉。

三笠市の山あいにある〈湯の元温泉旅館〉。

やがて杉浦さんは、関東各地に障がい者のグループホームをつくった。
ひとつまたひとつとホームを増やして入所者は100名にもなった。
このとき複数の施設の経営が重くのしかかり、
現場にいる時間が思うようにとれなくなってしまったという。

またスタッフたちとの意思疎通の難しさも感じていたことから代表を辞任。
故郷へ戻り、もう一度、“行き場のない人たち”と
自らが真剣に向き合う場をつくりたいと、湯の元温泉旅館を継業した。

旅館は設備が整っていたことからグループホームもすぐにスタートできたという。
新館部分を入所者が利用するスペースとしつつ、
これまでどおり宿泊や飲食、日帰り入浴のサービスも継続することとした。

Art, Art, Art NARA
漫画家・マキヒロチさんが
奈良の魅力を再発見。

長い歴史と豊かな自然で知られる奈良に、
今、続々と新しいスポットが誕生している。
自身の作品で〈奈良ホテル〉の茶がゆ朝食を取り上げるなど、
奈良とゆかりのある漫画家のマキヒロチさんが、
これまで知らなかった魅力を発見するため、
4つのキーワードをもとに奈良を巡った。

Architecture|建築
〈奈良国立博物館〉で近代の名建築に触れる

神社仏閣に負けず劣らず、見応えある建築が多い奈良県。
なかでも、明治27(1894)年に〈帝国奈良博物館〉として建てられた
〈奈良国立博物館 なら仏像館〉は代表的だ。

〈奈良国立博物館 なら仏像館〉の西側はかつての正面玄関。

現在は使用されていない西側が〈奈良国立博物館 なら仏像館〉のかつての正面玄関。

石づくりの柱とクリーム色の外壁のコントラストが華麗な洋館は、
明治を代表する建築家・片山東熊(かたやまとうくま)が設計を手がけたもの。
ネオルネッサンス様式の外観が、園内でゆったり過ごす鹿の姿と相まって、
奈良の歴史を感じさせる景色のひとつでもある。

マキさんの手からせんべいを食べる仔鹿。

鹿せんべいを手にすると勢いよく集まってくる鹿たち。仔鹿にはマキさんもキュンと。

〈奈良国立博物館 なら仏像館〉を訪れたのは初めてだというマキさん。

「華麗な博物館の外観と人懐っこい鹿の組み合わせで、
すでにテンションはマックス」と笑う。
館内へと足を運べば、国宝や重要文化財も含めた
100体近い仏像が常設で展示されており、そのボリュームは日本有数。

『金峯山寺仁王門 金剛力士立像』の高さは、約5メートル。

マキさんと比べると大きさがわかる『金峯山寺仁王門 金剛力士立像(きんぷせんじにおうもん こんごうりきしりゅうぞう)』は、高さ5メートルもの巨像。

とりわけ2021年2月から特別公開されている
『金峯山寺仁王門 金剛力士立像』の存在感は圧倒的だ。

マキさんのお気に入りは中国伝来の『如来三尊像』。

「仏さまの上に彫られている葉っぱがハートみたいでかわいい」と中国伝来の『如来三尊像』に見入る。

「これまであまり仏像を意識したことがなかったのですが、
ゆっくり一体ずつ見てみると、
それぞれにストーリーもあるし、芸術的な技法もおもしろい。
昔の人もこうやって表現していたんだと思うと、
時代を超えてつながる気がします。
『金峯山寺仁王門 金剛力士立像』も迫力がすごかったですね。
この『金剛力士立像』については写真を撮らせてもらえるから
見てきたよって言えるのもいい。
奈良を旅したら奈良博が楽しいって、みんなに勧めたくなりました」

奈良国立博物館が所蔵する『如来三尊像』のイラスト"

重要文化財『如来三尊像』(奈良国立博物館蔵)

information

map

奈良国立博物館

住所:奈良県奈良市登大路町50

TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル))

開館時間:原則9:30〜17:00(入館〜16:30)

休館日:月曜(祝日の場合は翌日)

観覧料:一般700円、大学生350円(特別展は別途)

Web:奈良国立博物館

冊子を見る → 01 Architecture

福井丹南エリアで味わい、 楽しみ尽くす! 冬アクティビティのススメ

日本最大級の冒険の森〈ツリーピクニックアドベンチャーいけだ〉。

2024年春の北陸新幹線延伸で注目される福井丹南エリア

そろそろ旅行にも行きたい気分。旅先では冬には冬の楽しみ方が待っています。
今回は、2024年春の北陸新幹線延伸で注目される、冬の福井丹南エリアをご紹介。

丹南エリアは、福井県の中央部に位置する
鯖江市・越前市・池田町・南越前町・越前町の5市町で構成され、
5つの国指定伝統的工芸品
(越前和紙・越前焼・越前打刃物・越前漆器・越前箪笥)が近接し、
国内屈指の伝統工芸の産地と言われています。

鯖江市・越前市・池田町・南越前町・越前町マップ

そんな丹南エリアでは、ここでしかできないさまざまなモノづくり体験のほか、
冬の季節しか食べられないグルメまで、
海・山・川がすべて揃った自然豊かなエリアならではの
アクティビティが盛りだくさんです。

宮崎・ニシタチのスナック文化を伝える 〈スナック入り口〉& 〈スナックアドバイザー〉 2021年度グッドデザイン賞を受賞!

オンライン・オフライン双方から魅力を発信

大人の遊び場、スナック。
人情あふれる日本独自のカルチャーで、
古今多くの大人のホットスポットとして、なくてはならない存在です。

そんなスナックが一番多い県をご存知ですか?
実は九州は宮崎県なのだそう。
同県は、2010(平成22)年のNTTタウンページ集計で、
電話帳に登録されている人口10万人当たりのスナック店数日本一を記録。
その中でも、多くのスナックが軒を連ねる宮崎市内の繁華街ニシタチは、
“日本一のスナック街”として県内外の人から親しまれています。

ニシタチの“入り口”となるスナック

宮崎市内の繁華街ニシタチから生まれたユニークなサービス〈スナック入り口〉。

今秋、そんなニシタチで生まれたユニークなサービスが、
グッドデザイン賞を受賞しました。

「商業のための建築・環境」カテゴリーで受賞を果たしたのが、
〈スナック入り口〉というスナック。
多彩なスナックがひしめくニシタチを誰もが目一杯楽しめるよう、
訪れた人に合わせておすすめのスナックを紹介する、その名の通り
ニシタチの“入り口”となることを目指したお店です。

料金体系は1時間2000円の飲み放題制、プレミアム焼酎+300円〜。

スナック看板を集めたような楽しげなファサードや、中の様子を見ることができるガラス張りの路面店というスナックらしからぬ外観で、誰もが入りやすい雰囲気を醸し出しています。

スナック看板を集めたような楽しげなファサードや、中の様子を見ることができるガラス張りの路面店というスナックらしからぬ外観で、誰もが入りやすい雰囲気を醸し出しています。

〈スナック入り口〉誕生によって、スナック同士の横のつながりが生まれたり、
スナックをニシタチのカルチャーとしてより印象づけることにつながったそう。
また、イベントやラジオ、ライブ配信なども実施し、
オープンなスナック文化の情報発信地にもなっています。

グッドデザイン賞審査員からは、以下のようなコメントが。

「高齢化し減少しつつあるスナック文化をオフライン、オンラインの両側面から
訴求させるこの新たなマッチングの仕組みにはどこか温かみを感じる。
明快なネーミングとキャッチーなファサードデザインは実に広告的であり
視覚効果として秀逸なデザインといえるだろう。
コロナ禍により窮地に立たされている業界をエンパワメントするという趣旨や、
地域文化を継承するという点においても、
世代を超えクロスオーバーする社会を目指す上での好例と言えるだろう」

千葉・南房総の海を間近に感じられる 高級リゾート〈amane(あまね)〉がオープン

贅を尽くした、まったく新しいスタイルの宿

2021年11月12日、千葉県鋸南町に
新たな高級リゾート施設〈amane(あまね)〉が誕生しました。

千葉県鋸南町に新たな高級リゾート施設〈amane(あまね)〉が誕生。

コンセプトは「海の“美”と“癒し”を優雅に楽しむ」。
浜辺にもアクセスしやすい立地で、
美しい海とともに富士山や伊豆大島の絶景が眺められます。

高級リゾート施設〈amane(あまね)〉からは美しい海や富士山や伊豆大島の絶景が眺められる。

客室のタイプは大きく分けて2種類。
ひとつは海との一体感がより楽しめるフラットルームです。

フラットルームの専用テラスと庭。海の音や香りで安らぐ、癒しの時間。

フラットルームの専用テラスと庭。海の音や香りで安らぐ、癒しの時間。

吹き抜けのダイニングや天然石タイルを使用したプライベートテラスなど、
施設と海辺をダイレクトにつなぐ設計で非日常の空間を演出。
お酒やドリンクを味わいながら、移ろいゆく海の景色を眺める時間は格別です。

プレミアムフラットルーム専用のバレルサウナ。

プレミアムフラットルーム専用のバレルサウナ。

さらにプレミアムフラットルームには屋外にバレルサウナを完備。
自然に囲まれた空間で心も体もリラックスできそうです。

もうひとつの部屋タイプは愛犬と一緒にくつろげるメゾネットルーム。
犬専用の猫足バスタブやベッドが用意され、
プライベートテラスには30平方メートルの芝生ドッグランもついています。

メゾネットルーム2階のベランダ。海を見ながら愛犬とゆったり楽しめる。

メゾネットルーム2階のベランダ。海を見ながら愛犬とゆったり楽しめる。

ベランダで愛犬と絶景を眺めながら休んだり、
波打ち際をのんびり散歩したりなど、楽しみ方もさまざま。
一緒に遊べるルーフテラスやハンモックなどのアイテムも充実しています。

高級調理家具でシェフ特製の料理を仕上げて食べるスタイル。

高級調理家具でシェフ特製の料理を仕上げて食べるスタイル。

もっとも特徴的なのは自由に楽しめる食事スタイル。
いずれの客室も高級調理器具が揃ったプライベートキッチン付きで
シェフ自慢の料理を好きなタイミングで仕上げ、出来立てを味わえます。

地元産の魚介類をふんだんに使った料理やバーベキュー用の豪華食材など、
贅沢なラインナップでお腹も心もいっぱいに満たされそうです。

落語家が山形と福島の魅力を 落語にして披露する〈ご当地落語〉 がおもしろい!

地域の魅力を引き出す落語チャレンジ

住んでいると自分のまちの魅力に気づきにくいことも少なくありません。
子どものときに遊んだ神社、お年寄りから聞いた昔話、脈々と続く伝統のお祭りなど、
そのまちを訪れた人には新鮮に映る風景もたくさんあります。

その地域にしかない風景や様子を組み合わせ、
ひとつの落語を完成させるというユニークなプロジェクト
〈ご当地落語〉が現在開催されています。

寄席の様子

ご当地落語の注目すべき点は、落語家が寄席が行われる5つの温泉地を散策し、
地元の人と触れ合いながら落語のネタを探していくところ。
創作期間はわずか3日間。
4日後には寄席が開催され、
会場となる温泉宿とオンライン配信されるという試みです。

〈ご当地落語〉の創作期間はわずか3日間。4日後には寄席が開催され、会場となる温泉宿とオンライン配信されるという試み。

今、奈良井宿が楽しい! 古民家ホテルや酒蔵が入った 注目の複合施設が誕生

〈BYAKU Narai〉

奈良井の魅力を五感で体感

400年の歴史を誇る長野県は中山道の宿場町、奈良井宿。

ここに2021年8月、約200年前の伝統的建造物である〈旧杉の森酒造〉と
〈旧豊飯豊衣民宿〉を改修し、宿泊施設やレストラン、
酒蔵などの6業態が入居する小規模複合施設がオープンしました。

そのどれもが魅力的で、一部をダイジェストでご紹介。

まず注目したいのが、奈良井に宿る百の物語が味わえる宿〈BYAKU Narai〉。
訪れたゲストが奈良井宿のまちをまるごと楽しめるよう、
今なお色濃く残る江⼾期のまちの景色に溶け込んだ分散型ホテルです。

客室 百四

客室〈百四〉。

客室は、かつて酒蔵であった〈歳吉屋(トシヨシヤ)〉と
曲物職⼈が暮らしていた〈上原屋(ウエハラヤ)〉の特徴を生かした全12部屋。
すべて間取りが異なり、宿泊者を古⺠家ならではのユニークな宿泊体験へと誘います。

四方を山々に囲まれ、独特の歴史や文化を形づくってきた奈良井宿。
非日常の時間が流れるこのまちのさまざまな物語を、ここを起点に堪能できるでしょう。

〈嵓 kura〉

〈嵓 kura〉。

歳吉屋内のレストラン〈嵓 kura〉は、
〈William Reed Business Media社〉が公表している「世界のベストレストラン50」で
第11位に選出された〈傳〉の⻑谷川在佑氏が監修を行う新郷土料理。

歳吉屋内のレストラン〈嵓 kura〉では〈傳〉の長谷川在佑氏が監修を行う新郷土料理が味わえる。

レストラン〈嵓 kura〉のメニューは、地域に受け継がれる郷土料理や調理法といった食文化をアレンジしたもので構成。

メニューは、地域の生産者が手がける旬の食材や地域ならではの食材を活用し、
地域に受け継がれる郷土料理や調理法といった食文化をアレンジしたもので構成。
ここでしか味わえない、至高の品々をぜひともお試しあれ。