写真家・若木信吾
浜松で本屋を営んで11年。
次世代の文化をつくる

BOOKS AND PRINTSが浜松に残したもの

大手書店とは異なるこだわりのセレクトで、店主の個性が垣間見える。
そんなブックストアが、東京や都心部のみならず、全国に増えてきた。
その先駆けとなったのは、静岡県浜松市にある〈BOOKS AND PRINTS〉だろう。
数々の雑誌の表紙撮影や写真集なども発売している写真家・若木信吾さんが、
生まれ故郷である浜松市で始めた本屋だ。
しかし当時、本人には“先駆け”なんてつもりもないし、“地域貢献”のつもりでもなかった。

ビルの前には大きな立て看板。

ビルの前には大きな立て看板。

若木さんは浜松で生まれ育ち、高校生までを過ごした。
自宅から高校まで、自転車で毎日まちなかを通り抜けて通っていたという。

「写真部でしたけど、実質は帰宅部のようなもの。
学校が終わったら、すぐに帰って、映画を観たり、本屋さんに立ち寄ったり。
今はひとつしかないけど、映画館はもう少しありましたね。
当時は浜松に写真集なんて売ってなかったから、写真に触れ合うといえば雑誌がメイン。
『POPEYE』や『BRUTUS』などをよく読んでいました」

写真自体は小学生から興味を持ち、撮影もしていたという。

「海外の写真家に興味を持ったのは、ポストカードから。近くに額装屋さんがあって、
そこでアンリ・カルティエ=ブレッソンとかのポストカードを売っていたんです」

店内に入ると、左手一面に本棚が。

店内に入ると、左手一面に本棚が。

高校卒業後、写真家を目指す若木さんが選んだのは、東京ではなくニューヨークの大学。
当時は、海外旅行のハードルも低くなり、同時に海外留学する人も多かった。
地方の人が東京に憧れるのと並列に、
海外という選択肢も選べる時代になりつつあったのだ。

大学を卒業後は日本、ニューヨーク、サンフランシスコを行き来しながら
仕事をする生活が10年ほど続いた。
そして徐々に日本での仕事が増えてきて、東京に腰を据えたのが1999年のこと。
このとき、選択肢は浜松ではなかった。

「雑誌が好きで写真を始めたけど、浜松には雑誌がないですもんね。
いまほど、物理的にも精神的にも、東京と浜松が近くは感じなかったです」

〈東京都離島区大島プロジェクト〉
大島の未来を見据える島の今を
伝えるメディア『東京都離島区』

東京都離島区大島プロジェクト vol.01

大島、ひいては東京諸島全体を盛り上げるために東京都のバックアップのもと、
“あなたらしい大島の物語”をつくっていくことを目指し、
さまざまな活動を行っていく「東京都離島区大島プロジェクト」。
この企画では3回に分けて、プロジェクトの6人のキーパーソンを紹介していく。
第1回となる今回は、『東京都離島区』という東京諸島特化型のウェブメディアを、
いままさに立ち上げようとしている〈アットアイランド〉の伊藤奨さんと
〈トウオンデザイン〉の千葉努さん。
ふたりがメディアを通じて伝えたいこと、そしてそこにつながる未来のビジョン。
大島を中心に、東京諸島の動きが活性化してきている。

〈裏砂漠〉など、大島には雄大な自然が残る。

〈裏砂漠〉など、大島には雄大な自然が残る。

若者たちが島に戻って来たくなる土壌づくり

幼稚園は伊豆大島、小学校は小笠原の父島、小学校6年生から高校卒業までが八丈島。
東京諸島でさまざまな活動をしている一般社団法人アットアイランド代表の伊藤奨さんは、
まさに東京諸島の申し子とでもいうような人物だ。

高校卒業後は教師になることを目的に本土の大学に通っていたが、
やはり自分を育ててくれた東京諸島へ、なにか恩返しがしたいと常々思っていたという。
きっかけは高校3年生のとき。八丈島の高校の生徒会長をやっていたときに、
大島の高校から伊豆諸島をつなぐ高校生のイベントをやろうと誘われたこと。

アットアイランド代表の伊藤奨さん。島のさまざまなプロジェクトに関わりつつ、島で新規開業する人へのサポートも積極的に行っている。

アットアイランド代表の伊藤奨さん。島のさまざまなプロジェクトに関わりつつ、島で新規開業する人へのサポートも積極的に行っている。

「高校生たちが主体になって、資金も集めて、
大島にさまざまな島の高校生が集まるドリームプロジェクトというイベントを
開催しました。それがあって、僕らの世代の伊豆諸島の高校生たちに、
これまでなかった建設的な会話ができるつながりができたんです」

それまでは各島の高校生同士は部活の試合くらいしか交流がなかった。
だからどちらかというとライバルという意識で育つ。それがこのイベントを機に変わった。

「都心に出てきた大学生時代にも、島ごちゃまぜで集まっていました。
意外にもその関係が心の支えとなっていました。
それが大学卒業とともになくなってしまうんじゃないか、
ということにもったいなさを感じて、
このつながりを残したいという思いから有志でアットアイランドを立ち上げました」

目的は、島同士を連携させて、より豊かな東京諸島の在り方を目指すというもの。

「それから1年間、社会人の傍ら、さまざまな島を巡って、
一体なにが課題なのかをヒアリングしてきたんですが、
外部にいたらぼんやりとしか見えてこないんです。
それもそうで、島に住んでいた頃は呑気な高校生でしたし、
島を出てからもう6年も経っていたんです。だったら当事者に戻ろうということで、
あえて自分がこれまで住んだことのなかった三宅島へ移住して起業しました。
三宅島を選んだ理由は語れば長くなるのでまた別の機会に」

伊藤さんと神田さんが大島にオープンしたシェアハウス〈大島クエストハウス〉の共有スペース。

伊藤さんと神田さんが大島にオープンしたシェアハウス〈大島クエストハウス〉の共有スペース。

まず最初に取り組んだのは教育関連。
島の子どもたちを集めてキャンプイベントを主催するなど、
自分で興味をもったことにチャレンジしてみるきっかけをつくるような活動が中心だった。
でも「やりたいこと」と「現実的な収益性」にはかなりギャップがある。
そんななか、ご縁からいい空き家との出合いがあり、
三宅島では初となるゲストハウスを始めた。コンセプトは「五感を拓く、暮らし旅」。

「三宅島はダイビング、イルカ、火山、野鳥というようなコンテンツ自体は強いんですが、
そこだけを目指してくる人がやはり多くて、
ふらっとまちを歩いてくれるような人はあまりいませんでした。
そこで、暮らしというものを体感できるような滞在ができる場所として機能するような
ゲストハウスをつくりたかったんです。例えば、魚に興味があるゲストさんが来たら、
島の漁師さんに来てもらって一緒に鍋をしてみる。
そのお客さんの興味に合わせていろんなつながりも提供できる宿です」

〈新熱海土産物店ニューアタミ〉開店! ディープな魅力の新しい発信地に

ときどき、旅先でちょっとレトロなお土産を見かけることはありませんか?
そんな懐かしさと愛おしさを感じる昔ながらのお土産と、
若手クリエーターのアイディアを反映した新しい土産物店
〈新熱海土産物店ニューアタミ〉が、静岡県熱海市に誕生しました。

新熱海土産物店ニューアタミを手がけるのは、
熱海を拠点に活動する〈ハツヒ株式会社〉。

ハツヒは、熱海に縁のあるプロデューサーやデザイナーなどが所属し、
「大好きな熱海の光景を守りたい」という想いから2019年に活動スタート。
熱海にあるホテルや喫茶店、レストランなど、
熱海の街と歴史をつくってきた数々の老舗にフィーチャーしたお土産を制作し、
幅広く発信することを目的に活動しています。

そんなハツヒが、熱海に新しい観光名所をつくり、
ここを起点に新しい潮流を生み出したいと新たにスタートしたのがお土産屋さん。
お店では、今までハツヒが制作してきた老舗のお土産や熱海土産のデッドストック品ほか、
ショップオリジナルグッズを販売しています。

ニューアタミのオリジナルグッズの数々。

ニューアタミのオリジナルグッズの数々。

新旧の文化が楽しく融合する 熱海銀座商店街のすぐそばに

さて、ニューアタミがあるのは、老舗の干物屋さんからおしゃれカフェまで、
個性豊かなお店が軒を連ねる熱海銀座商店街のすぐそば。
熱海銀座商店街は、サンビーチからもほど近く、
いつもたくさんの観光客で賑わっている観光スポットです。

商店街から1本路地に入っていくと、
2010年に休館してしまった映画館〈ロマンス座〉の1階にお店を見つけました。
お隣には、鍵をもらって中に入るプライペートな古書店〈ひみつの本屋〉や、
老舗の純喫茶〈ボンネット〉もあります。

お店はこの看板が目印です。

ニューアタミロゴを用いた看板。

ニューアタミロゴを用いた看板。

ニューアタミ外観。

ニューアタミ外観。

2名ほどしか入れない小さな店内は、どこか秘密基地感があって、
ワクワクする空間になっています。

ニューアタミ内観。

ニューアタミ内観。

看板やカウンターの什器は、クリエイティブユニットSUEKKO LIONSが手がけているそう。

ロゴやピクトグラムを用いた看板もかっこいい。

ロゴやピクトグラムを用いた看板もかっこいい。

ミュージシャン・DJみそしると
MCごはんの旅コラム
「富山のハレとケ、
さらに異国情緒たっぷりのグルメ旅」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第23回は、ミュージシャンの「DJみそしるとMCごはん」さんです。
名前のとおりくいしんぼうな彼女による富山の旅。
食文化の3つの側面を発見し、その虜になったようです。
見事な「食レポ」は、読むだけでお腹が減ってきます。

富山の海の幸から、庶民の味まで

富山で「A面」「B面」「隠しトラック」とも呼べるような料理に出合った、
想定外のグルメ旅。わたしは富山の虜になった。

2021年12月初め。夫が仕事で北陸に行くと聞き、仕事とはいえうらやましい!
私も未開の地でいい思いがしたい! と、
持ち前の“隣の芝が青く見えすぎる症候群”が発動し、
仕事の翌日、富山で合流して旅行することになった。

旅行が決まったものの、2日前になってもノープランだった。
原田マハさんの『フーテンのマハ』という旅エッセイを読んでから、
行き当たりばったり旅に憧れていたのだ。
しかし、夫に「旅の食べ物は任せたよ」と言われハッとする。
マハさんと違って自分は旅慣れていない。ぼんやりしたまま旅が終わるのが想像できた。

冬の富山といえば、氷見の寒ブリ。食べるなら今が絶好のチャンス!
それに気づいた途端、急に富山に呼ばれている気がした。
インスタで「#氷見」を見まくると、
ブリ尽くしのコース料理が食べられる〈ひみ浜〉という店を発見。
その日の店の投稿を見ると、ブリの仕入れがあり、
我々が富山にいる日に新規予約を受け付けるという。その場で電話すると予約が取れた。
いいブリがなければ、予約していてもキャンセルになる貴重な席だ。

目的がひとつ明確になると、宿や新幹線の時間もすぐに決まった。
氷見の寒ブリがわたしを突き動かす。

馬と水族館とハッカ。
帯広から北見へ、
北の大地を感じる旅

今回の旅は、帯広から北見へ

さまざまな北海道の魅力を満喫する周遊旅。
今回はまず、とかち帯広空港から車で約20分、
馬と触れ合いながら乗馬体験ができる〈ヒロユキ モチダ ホースマンシップ〉へ。
帯広のまちではばん馬が馬車を引く〈馬車BAR〉を体験。

さらに帯広市から車で北上し、北見市の〈北の大地の水族館〉までは約2時間半。
そしてかつて世界に誇る一大産業だった北見のハッカについて知ることができる
〈北見ハッカ記念館〉〈薄荷蒸溜館〉を訪れ、
そこから車で約40分、女満別空港が旅の終着地。

帯広では馬に触れるアクティビティを体験し、
北見では北海道ならではの魚たちの生態や産業遺産に出合います。
北の大地に生きる動植物、そして人々の知恵に触れる旅へ。

馬の気持ちになって考える。
ホースマンシップが教えてくれること

十勝平野の西側、南北に約150キロ連なる日高山脈に守られて、とくに冬は晴天率が高く「十勝晴れ」になる。

十勝平野の西側、南北に約150キロ連なる日高山脈に守られて、とくに冬は晴天率が高く「十勝晴れ」になる。

とかち帯広空港から向かったのは、雄大な日高山脈を望む場所にある、
〈ヒロユキ モチダ ホースマンシップ〉。
7頭の馬と、お揃いのスウェットを着たスタッフ4名が出迎えてくれた。
胸には“Think like a horse”のメッセージ。
ここは、「ナチュラルホースマンシップ」を学ぶことができる研修施設でもある。

ナチュラルホースマンシップとは、馬の習性や自然界における行動の原理を利用して、
馬と関わっていく方法。
たとえば人間の両目は並んでいて焦点が合わせやすいが、
草食動物である馬は両脇に目がついている。

「広い視野を持ったばかりに視力は弱くて、距離感も掴みにくい。
だから馬が私たちに興味を持ったときにどうするかというと、
少し離れて両目で見える位置に動こうとする。
近づいて片方の目だけを見せているのは、興味がない証拠。
実はすぐに逃げる準備をしているんです」と教えてくれるのは、代表の持田裕之さん。

持田裕之さんは、約25年前に帯広に移住した。現在は全国各地を巡りながら、調教師をはじめ馬に関わる仕事をする人たちに、ナチュラルホースマンシップの考え方を伝えている。

持田裕之さんは、約25年前に帯広に移住した。現在は全国各地を巡りながら、調教師をはじめ馬に関わる仕事をする人たちに、ナチュラルホースマンシップの考え方を伝えている。

異なるのは目だけにあらず。

「『馬が好きなものは何ですか?』と質問すると多くの人は、
『ニンジン』や『牧草』と答えるのですが、それは捕食者の考えなんです。
馬は被食者なので、優先すべきは“安全”や“快適”なんですよ。
だから環境が整っていなければ、どんな餌であっても食べない。
馬と関わるには、人間本位ではなく、馬の気持ちになって考えて
コミュニケーションを深めるべきなのです」

インストラクターは、川島伶未さんを含む女性3名。馬たちと息を合わせて行うホースショーは、YouTubeでも配信されている。

インストラクターは、川島伶未さんを含む女性3名。馬たちと息を合わせて行うホースショーは、YouTubeでも配信されている。

ナチュラルホースマンシップに基づいたプログラムは、
初心者向けから1週間研修まで、ニーズに合わせて多彩に用意されている。
今回体験させてもらうのは、初心者向けの体験40分コース。
相手は、10歳のクォーターフォース種、マディソン君。
開口一番、インストラクターの川島伶未さんが教えてくれたのは、
「快適と不快。このふたつの感情を使い分けます」ということ。

マディソンに挨拶をしたあと、まずはお掃除。毛並みに合わせてブラッシングすることは、馬にとっては“快適”なのだ。

マディソンに挨拶をしたあと、まずはお掃除。毛並みに合わせてブラッシングすることは、馬にとっては“快適”なのだ。

最初は馬のお掃除から。体の部位の説明を受けたあと、
胴体の毛をブラッシングしながら汚れを落とす。
作業を終えるたびに馬と向き合って、額を撫でながら反応を見る。
続いて「裏掘り」。足先を掴んで、蹄に詰まった土を落とすのだ。
ひとつの足が終わるとマディソンの表情を確認して、次の足に。
こうしてお掃除が済んだら、鞍を装着して、いざ馬場へ!

乗る前に、引き馬体験。人差し指を立てて左右に振ったら、マディソンは後ずさりする。目障りな指の動きは“不快”だ。

乗る前に、引き馬体験。人差し指を立てて左右に振ったら、マディソンは後ずさりする。目障りな指の動きは“不快”だ。

続いて行うのは、グランドワーク。
馬には乗らず、手綱を引きながら馬場を歩くことでコミュニケーションをとっていく。

「馬の目の前で指先を左右に動かすことは、不快。
手綱を緩めることは、快適。このふたつの動作で、後退と前進を促します」

左手で手綱を握り、後ろに馬を従えて、一定の距離を保ちながら歩いてみる。
近づきすぎたら指を振って後退させ、定位置に戻ったら手綱を緩める。
マディソン君、なんと思いどおりに動いてくれた。
動物と意志の疎通ができるなんて、なんだか感動する。

手綱と足の動きで意思を伝える。川島さんに誘導してもらいながらではあったものの、細い通路もなんとかクリア。

手綱と足の動きで意思を伝える。川島さんに誘導してもらいながらではあったものの、細い通路もなんとかクリア。

最後は乗馬体験。足でポンとお腹を叩いて発進、「ドォ~」と声を発すると停止。
こうした合図をいくつか教わりながら、マディソンの背中で揺られて馬場を周る。
広い空の下、十勝の風景を眺めつつ爽快な気分。

慣れてきたら、障害物を避けながら進んだり、
少しスピードを上げた速歩にチャレンジしたり。
もちろんその間も常に馬の反応を見ながら、
コミュニケーションがとれたときには首を撫でて感謝を伝える。
こうしてあっという間に40分が過ぎた。

「口をもぐもぐしたら、受け入れている証拠ですよ」と川島さん。口や耳の動きからも馬の状況が読み取れる。額をなでて、感謝の気持ちを伝えた。

「口をもぐもぐしたら、受け入れている証拠ですよ」と川島さん。口や耳の動きからも馬の状況が読み取れる。額をなでて、感謝の気持ちを伝えた。

大切なのは、相手の気持ちになって考えること。

「馬の反応は正直でシンプル。馬との関わり方を学んでいくと、
人間関係の問題解決につながることもあるんです」
という持田さんの言葉が印象的だった。

十勝の大地で馬と触れ合う体験には、アクティビティのおもしろさだけに留まらない、
たくさんの魅力が詰まっている。

information

map

ヒロユキ モチダ ホースマンシップ

住所:北海道帯広市富士町西6線58-13

TEL:0155-63-7676

アクセス:帯広空港から車で約20分、帯広駅から車で約30分

営業時間:8:00~16:30(夏季)、8:00~16:00(冬季)

主なメニュー:体験コース(20分)3500円、40分コース7000円、4回コース(40分×4回)24000円

Web:ヒロユキ モチダ ホースマンシップ

三笠市の山奥で、温泉旅館と
障がい者福祉施設を運営する
プロレスラー

プロレスラーからボディーガードへ。行き場のない人たちに出会って

杉浦一生さんに初めて会ったのは1年前。雪がしんしんと降る日だった。
場所は三笠市の桂沢湖にほど近い山あいの宿〈湯の元温泉旅館〉。
廃業を考えていたこの旅館を2019年に杉浦さんは継業し、新たなスタートを切った。

雪の降りしきるなか、車を停めると、玄関がガラガラと開いて、
Tシャツ、サンダル姿の杉浦さんが現れた。
身長193センチメートル。雪の中で仁王立ちする姿に息を呑んだ。

このときの取材では杉浦さんのこれまでの歩みと、
なぜ赤字だった温泉旅館を継業したのかを中心に話を聞いた。

岩見沢市出身で高校時代にレスリングに出合い、
22歳になって全日本学生選手権で優勝。その後プロレスラーとしてデビューし、
一時はアメリカやカナダで対戦を行ったことも。
しかし、ケガに悩まされ引退。
今度は東京でボディーガードを専門に行う警備会社に入った。

ボディーガードと聞くと要人警護が主な仕事のように思えるが、
その会社で中心になっていたのは、精神疾患者や薬物依存者の医療機関への移送だった。
杉浦さんによると、精神的に追い詰められ、孤独のなかにある人たちは、
ときに自分の身を守りたいと過剰に武装をしていることがあるという。
そうした人たちの気持ちをときほぐしながら病院へとつき添っていくなかで、
「行き場のない人たちがこんなにも多いのか」と強く感じたという。

三笠市の山あいにある〈湯の元温泉旅館〉。

三笠市の山あいにある〈湯の元温泉旅館〉。

やがて杉浦さんは、関東各地に障がい者のグループホームをつくった。
ひとつまたひとつとホームを増やして入所者は100名にもなった。
このとき複数の施設の経営が重くのしかかり、
現場にいる時間が思うようにとれなくなってしまったという。

またスタッフたちとの意思疎通の難しさも感じていたことから代表を辞任。
故郷へ戻り、もう一度、“行き場のない人たち”と
自らが真剣に向き合う場をつくりたいと、湯の元温泉旅館を継業した。

旅館は設備が整っていたことからグループホームもすぐにスタートできたという。
新館部分を入所者が利用するスペースとしつつ、
これまでどおり宿泊や飲食、日帰り入浴のサービスも継続することとした。

Art, Art, Art NARA
漫画家・マキヒロチさんが
奈良の魅力を再発見。

長い歴史と豊かな自然で知られる奈良に、
今、続々と新しいスポットが誕生している。
自身の作品で〈奈良ホテル〉の茶がゆ朝食を取り上げるなど、
奈良とゆかりのある漫画家のマキヒロチさんが、
これまで知らなかった魅力を発見するため、
4つのキーワードをもとに奈良を巡った。

Architecture|建築
〈奈良国立博物館〉で近代の名建築に触れる

神社仏閣に負けず劣らず、見応えある建築が多い奈良県。
なかでも、明治27(1894)年に〈帝国奈良博物館〉として建てられた
〈奈良国立博物館 なら仏像館〉は代表的だ。

〈奈良国立博物館 なら仏像館〉の西側はかつての正面玄関。

現在は使用されていない西側が〈奈良国立博物館 なら仏像館〉のかつての正面玄関。

石づくりの柱とクリーム色の外壁のコントラストが華麗な洋館は、
明治を代表する建築家・片山東熊(かたやまとうくま)が設計を手がけたもの。
ネオルネッサンス様式の外観が、園内でゆったり過ごす鹿の姿と相まって、
奈良の歴史を感じさせる景色のひとつでもある。

マキさんの手からせんべいを食べる仔鹿。

鹿せんべいを手にすると勢いよく集まってくる鹿たち。仔鹿にはマキさんもキュンと。

〈奈良国立博物館 なら仏像館〉を訪れたのは初めてだというマキさん。

「華麗な博物館の外観と人懐っこい鹿の組み合わせで、
すでにテンションはマックス」と笑う。
館内へと足を運べば、国宝や重要文化財も含めた
100体近い仏像が常設で展示されており、そのボリュームは日本有数。

『金峯山寺仁王門 金剛力士立像』の高さは、約5メートル。

マキさんと比べると大きさがわかる『金峯山寺仁王門 金剛力士立像(きんぷせんじにおうもん こんごうりきしりゅうぞう)』は、高さ5メートルもの巨像。

とりわけ2021年2月から特別公開されている
『金峯山寺仁王門 金剛力士立像』の存在感は圧倒的だ。

マキさんのお気に入りは中国伝来の『如来三尊像』。

「仏さまの上に彫られている葉っぱがハートみたいでかわいい」と中国伝来の『如来三尊像』に見入る。

「これまであまり仏像を意識したことがなかったのですが、
ゆっくり一体ずつ見てみると、
それぞれにストーリーもあるし、芸術的な技法もおもしろい。
昔の人もこうやって表現していたんだと思うと、
時代を超えてつながる気がします。
『金峯山寺仁王門 金剛力士立像』も迫力がすごかったですね。
この『金剛力士立像』については写真を撮らせてもらえるから
見てきたよって言えるのもいい。
奈良を旅したら奈良博が楽しいって、みんなに勧めたくなりました」

奈良国立博物館が所蔵する『如来三尊像』のイラスト"

重要文化財『如来三尊像』(奈良国立博物館蔵)

information

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奈良国立博物館

住所:奈良県奈良市登大路町50

TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル))

開館時間:原則9:30〜17:00(入館〜16:30)

休館日:月曜(祝日の場合は翌日)

観覧料:一般700円、大学生350円(特別展は別途)

Web:奈良国立博物館

冊子を見る → 01 Architecture

福井丹南エリアで味わい、 楽しみ尽くす! 冬アクティビティのススメ

日本最大級の冒険の森〈ツリーピクニックアドベンチャーいけだ〉。

2024年春の北陸新幹線延伸で注目される福井丹南エリア

そろそろ旅行にも行きたい気分。旅先では冬には冬の楽しみ方が待っています。
今回は、2024年春の北陸新幹線延伸で注目される、冬の福井丹南エリアをご紹介。

丹南エリアは、福井県の中央部に位置する
鯖江市・越前市・池田町・南越前町・越前町の5市町で構成され、
5つの国指定伝統的工芸品
(越前和紙・越前焼・越前打刃物・越前漆器・越前箪笥)が近接し、
国内屈指の伝統工芸の産地と言われています。

鯖江市・越前市・池田町・南越前町・越前町マップ

そんな丹南エリアでは、ここでしかできないさまざまなモノづくり体験のほか、
冬の季節しか食べられないグルメまで、
海・山・川がすべて揃った自然豊かなエリアならではの
アクティビティが盛りだくさんです。

宮崎・ニシタチのスナック文化を伝える 〈スナック入り口〉& 〈スナックアドバイザー〉 2021年度グッドデザイン賞を受賞!

オンライン・オフライン双方から魅力を発信

大人の遊び場、スナック。
人情あふれる日本独自のカルチャーで、
古今多くの大人のホットスポットとして、なくてはならない存在です。

そんなスナックが一番多い県をご存知ですか?
実は九州は宮崎県なのだそう。
同県は、2010(平成22)年のNTTタウンページ集計で、
電話帳に登録されている人口10万人当たりのスナック店数日本一を記録。
その中でも、多くのスナックが軒を連ねる宮崎市内の繁華街ニシタチは、
“日本一のスナック街”として県内外の人から親しまれています。

ニシタチの“入り口”となるスナック

宮崎市内の繁華街ニシタチから生まれたユニークなサービス〈スナック入り口〉。

今秋、そんなニシタチで生まれたユニークなサービスが、
グッドデザイン賞を受賞しました。

「商業のための建築・環境」カテゴリーで受賞を果たしたのが、
〈スナック入り口〉というスナック。
多彩なスナックがひしめくニシタチを誰もが目一杯楽しめるよう、
訪れた人に合わせておすすめのスナックを紹介する、その名の通り
ニシタチの“入り口”となることを目指したお店です。

料金体系は1時間2000円の飲み放題制、プレミアム焼酎+300円〜。

スナック看板を集めたような楽しげなファサードや、中の様子を見ることができるガラス張りの路面店というスナックらしからぬ外観で、誰もが入りやすい雰囲気を醸し出しています。

スナック看板を集めたような楽しげなファサードや、中の様子を見ることができるガラス張りの路面店というスナックらしからぬ外観で、誰もが入りやすい雰囲気を醸し出しています。

〈スナック入り口〉誕生によって、スナック同士の横のつながりが生まれたり、
スナックをニシタチのカルチャーとしてより印象づけることにつながったそう。
また、イベントやラジオ、ライブ配信なども実施し、
オープンなスナック文化の情報発信地にもなっています。

グッドデザイン賞審査員からは、以下のようなコメントが。

「高齢化し減少しつつあるスナック文化をオフライン、オンラインの両側面から
訴求させるこの新たなマッチングの仕組みにはどこか温かみを感じる。
明快なネーミングとキャッチーなファサードデザインは実に広告的であり
視覚効果として秀逸なデザインといえるだろう。
コロナ禍により窮地に立たされている業界をエンパワメントするという趣旨や、
地域文化を継承するという点においても、
世代を超えクロスオーバーする社会を目指す上での好例と言えるだろう」

千葉・南房総の海を間近に感じられる 高級リゾート〈amane(あまね)〉がオープン

贅を尽くした、まったく新しいスタイルの宿

2021年11月12日、千葉県鋸南町に
新たな高級リゾート施設〈amane(あまね)〉が誕生しました。

千葉県鋸南町に新たな高級リゾート施設〈amane(あまね)〉が誕生。

コンセプトは「海の“美”と“癒し”を優雅に楽しむ」。
浜辺にもアクセスしやすい立地で、
美しい海とともに富士山や伊豆大島の絶景が眺められます。

高級リゾート施設〈amane(あまね)〉からは美しい海や富士山や伊豆大島の絶景が眺められる。

客室のタイプは大きく分けて2種類。
ひとつは海との一体感がより楽しめるフラットルームです。

フラットルームの専用テラスと庭。海の音や香りで安らぐ、癒しの時間。

フラットルームの専用テラスと庭。海の音や香りで安らぐ、癒しの時間。

吹き抜けのダイニングや天然石タイルを使用したプライベートテラスなど、
施設と海辺をダイレクトにつなぐ設計で非日常の空間を演出。
お酒やドリンクを味わいながら、移ろいゆく海の景色を眺める時間は格別です。

プレミアムフラットルーム専用のバレルサウナ。

プレミアムフラットルーム専用のバレルサウナ。

さらにプレミアムフラットルームには屋外にバレルサウナを完備。
自然に囲まれた空間で心も体もリラックスできそうです。

もうひとつの部屋タイプは愛犬と一緒にくつろげるメゾネットルーム。
犬専用の猫足バスタブやベッドが用意され、
プライベートテラスには30平方メートルの芝生ドッグランもついています。

メゾネットルーム2階のベランダ。海を見ながら愛犬とゆったり楽しめる。

メゾネットルーム2階のベランダ。海を見ながら愛犬とゆったり楽しめる。

ベランダで愛犬と絶景を眺めながら休んだり、
波打ち際をのんびり散歩したりなど、楽しみ方もさまざま。
一緒に遊べるルーフテラスやハンモックなどのアイテムも充実しています。

高級調理家具でシェフ特製の料理を仕上げて食べるスタイル。

高級調理家具でシェフ特製の料理を仕上げて食べるスタイル。

もっとも特徴的なのは自由に楽しめる食事スタイル。
いずれの客室も高級調理器具が揃ったプライベートキッチン付きで
シェフ自慢の料理を好きなタイミングで仕上げ、出来立てを味わえます。

地元産の魚介類をふんだんに使った料理やバーベキュー用の豪華食材など、
贅沢なラインナップでお腹も心もいっぱいに満たされそうです。

落語家が山形と福島の魅力を 落語にして披露する〈ご当地落語〉 がおもしろい!

地域の魅力を引き出す落語チャレンジ

住んでいると自分のまちの魅力に気づきにくいことも少なくありません。
子どものときに遊んだ神社、お年寄りから聞いた昔話、脈々と続く伝統のお祭りなど、
そのまちを訪れた人には新鮮に映る風景もたくさんあります。

その地域にしかない風景や様子を組み合わせ、
ひとつの落語を完成させるというユニークなプロジェクト
〈ご当地落語〉が現在開催されています。

寄席の様子

ご当地落語の注目すべき点は、落語家が寄席が行われる5つの温泉地を散策し、
地元の人と触れ合いながら落語のネタを探していくところ。
創作期間はわずか3日間。
4日後には寄席が開催され、
会場となる温泉宿とオンライン配信されるという試みです。

〈ご当地落語〉の創作期間はわずか3日間。4日後には寄席が開催され、会場となる温泉宿とオンライン配信されるという試み。

今、奈良井宿が楽しい! 古民家ホテルや酒蔵が入った 注目の複合施設が誕生

〈BYAKU Narai〉

奈良井の魅力を五感で体感

400年の歴史を誇る長野県は中山道の宿場町、奈良井宿。

ここに2021年8月、約200年前の伝統的建造物である〈旧杉の森酒造〉と
〈旧豊飯豊衣民宿〉を改修し、宿泊施設やレストラン、
酒蔵などの6業態が入居する小規模複合施設がオープンしました。

そのどれもが魅力的で、一部をダイジェストでご紹介。

まず注目したいのが、奈良井に宿る百の物語が味わえる宿〈BYAKU Narai〉。
訪れたゲストが奈良井宿のまちをまるごと楽しめるよう、
今なお色濃く残る江⼾期のまちの景色に溶け込んだ分散型ホテルです。

客室 百四

客室〈百四〉。

客室は、かつて酒蔵であった〈歳吉屋(トシヨシヤ)〉と
曲物職⼈が暮らしていた〈上原屋(ウエハラヤ)〉の特徴を生かした全12部屋。
すべて間取りが異なり、宿泊者を古⺠家ならではのユニークな宿泊体験へと誘います。

四方を山々に囲まれ、独特の歴史や文化を形づくってきた奈良井宿。
非日常の時間が流れるこのまちのさまざまな物語を、ここを起点に堪能できるでしょう。

〈嵓 kura〉

〈嵓 kura〉。

歳吉屋内のレストラン〈嵓 kura〉は、
〈William Reed Business Media社〉が公表している「世界のベストレストラン50」で
第11位に選出された〈傳〉の⻑谷川在佑氏が監修を行う新郷土料理。

歳吉屋内のレストラン〈嵓 kura〉では〈傳〉の長谷川在佑氏が監修を行う新郷土料理が味わえる。

レストラン〈嵓 kura〉のメニューは、地域に受け継がれる郷土料理や調理法といった食文化をアレンジしたもので構成。

メニューは、地域の生産者が手がける旬の食材や地域ならではの食材を活用し、
地域に受け継がれる郷土料理や調理法といった食文化をアレンジしたもので構成。
ここでしか味わえない、至高の品々をぜひともお試しあれ。

家具職人・鰤岡力也の旅コラム
「岩手・遠野、初夏の渓流で
イワナを釣り上げる」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第22回は、〈MOBLEY WORKS〉として家具や内装を手がけている鰤岡力也さん。
ある人の影響ではまったという渓流釣り。
家具販売の仕事と相まって、
遠野や盛岡への旅が、鰤岡さんのなかで毎年の定番化していったようです。

渓流でのフライフィッシングにはまる

90年代アメカジブームの真っ只中を過ごしてきた40代の僕は、
旅行といえばアメリカでしょという思考の持ち主だ。
30代の頃は毎年2、3週間くらい休みをとって
ニューヨークやらポートランドに通っていた。
ポートランドに友人が住んでいたこともあり、家族全員で友人の家に転がり込み、
特に何もせず公園に行ったりDIYセンターに行ってみたり。
平屋の家に広い芝生、何気ないアメリカの風景に心踊らせていたものだ。

僕は家具屋を営んでいて、手伝ってくれているスタッフが何人かいる。
6、7年前にひとりのおじさん(通称ジョーさん)が手伝ってくれることになった。
バーに勤めていたり、キッチンカーでコーヒーを売っていたり、
本職はエアコン屋さんだったり、とにかく器用。
その人の趣味がフライフィッシングだった。

アメリカで車と地図を購入してトラウトを釣る話など聞いているうちに、
僕も一式揃えて近くに釣りに行くことになった。
父親が釣り好きなこともあり、
小中学生の頃は学校から帰ると毎日川に遊びに行っていたし、
大学生の頃は上州屋(釣具店)でバイトしていたこともあり素地はできている。

完全にはまりました。完全にはまりました。2回、言います。

それを機にイワナやヤマメが住んでいるいわゆる渓流という川を調べまくることになる。

イワナやヤマメを狙う渓流。

イワナやヤマメを狙う渓流。

〈八戸市美術館〉が リニューアルオープン! アートを介した人々の活動が動き出す

撮影:阿野太一

“アートファーマー”が活躍する新しいかたちの美術館

いま世界の美術館では、文化遺産を収集・保存・展示するだけでなく、
対話のための空間が求められています。
そんな世界の変化にいち早く応える美術館が、青森県八戸市に誕生しました。

「種を蒔き、人を育み、100年後の八戸を創造する美術館 
出会いと学びのアートファーム」をテーマとし、
2021年11月3日にリニューアルオープンした〈八戸市美術館〉。
「もの」としての美術品展示を中心とした従来の美術館とは異なり、
アートを介した人の活動に焦点を当て、
「もの」や「こと」を生み出す新しいかたちの美術館です。

前身である旧八戸市美術館は1986年から約30年間活動し、
元税務署を改修した建物の老朽化や展示・収蔵機能の不足から、
2016年に新美術館建設推進室が設置されました。

八戸市では、すでに2011年から活動している〈八戸ポータルミュージアム はっち〉や
〈南郷アートプロジェクト〉など「アートのまちづくり」が進められてきました。

そのような流れのなか、同館建設アドバイザー兼運営検討委員会委員を務めた
建築家・佐藤慎也さんが、新しい八戸市美術館の館長に就任。
多様な人々が活動し、新たな文化を創造する美術館として、
八戸市全体の活性化にもつながる第一歩を踏み出しました。

11月2日に開催された内覧会。手前が佐藤慎也館長。その隣が、開館記念『ギフト、ギフト、』のディレクター、吉川由美さん。

11月2日に開催された内覧会。手前が佐藤慎也館長。その隣が、開館記念『ギフト、ギフト、』のディレクター、吉川由美さん。

美術館では、江戸末期〜明治の絵師・橋本雪蕉、
現代美術家・豊島弘尚などの八戸ゆかりの作品を中心に、
棟方志功、舟越保武といった著名作家の作品など、
約3000点のコレクションを収蔵しています。

全面建て替えとなった建築は、
西澤徹夫建築事務所・タカバンスタジオ設計共同体が手がけました。

八戸の文化資源を糧として拾い上げ、調査研究することで実らせ、
新しく価値づけすることで育て、そして誰でもアクセスできるかたちに
収穫=展示・収蔵する。市民や美術館スタッフ、アーティストが
互いに学び合うために、大きく2種類の空間がつくられました。

そのひとつは、同館を象徴する「ジャイアントルーム」。
エントランスに入ってすぐに3層吹き抜けの巨大空間が広がり、
進行中のプロジェクトのプロセスなどが見られます。
9メートルのカーテンによる間仕切りや家具で自在に空間をつくることもでき、
複数のグループが話し合ったり、イベントを行ったりと、
同時多発的にさまざまな活動を行えます。

面積約834平方メートル、天井高約17メートルの「ジャイアントルーム」。床にレールがあり、用途に応じて自由に区切って使える。(撮影:阿野太一)

面積約834平方メートル、天井高約17メートルの「ジャイアントルーム」。床にレールがあり、用途に応じて自由に区切って使える。(撮影:阿野太一)

もうひとつは、展示や制作などの機能を備えた「個室群」。
展覧会を行う「ホワイトキューブ」、
コレクションを展示する「コレクションラボ」、
映像展示に適した「ブラックキューブ」、
パフォーミングアーツや展示、講演を行う「スタジオ」などが、
ジャイアントルームに面しています。
これらの部屋を自由に組み合わせて使うこともできます。

また、アーティストとの制作活動に取り組むなど、
美術館活動に主体的に関わる人を「アートファーマー」と呼び、
美術館とともに企画をつくり、地域の新しい価値観を生み出す
市民や団体、教育機関、企業などを「共創パートナー」と呼びます。
美術館広場からも、ガラス越しに活動の様子が眺められます。

完全オーダーメイド型ツアー付き! 北海道下川町の森で体験する 新しい旅のかたち

豊かな大自然をひとりじめ!

SDGs未来都市に選ばれた北海道下川町。
東京23区と同等の広さを持ち、まちの約9割が森林で覆われているそうです。

そんな下川町の魅力を体験できる〈A-frame cabin iwor〉が完成しました。
1日1組限定でテント型のキャビンを1棟貸し出し、
まち自慢の自然のなかで贅沢なひとときを過ごせます。

建物内部の様子。

建物内部の様子。

制作期間約180日! セルフビルドしたキャビン

三角形のキャビンはオーナーの〈ぐるっとしもかわ〉代表・大石陽介さん自身が、
まちの人たちの力を借りて設計・制作。
地元の材木をはじめ、町内で採れたものや加工したものなどを使い、
制作期間約180日、100名以上の協力関係者に力を借りて建設したのだそうです。

規格に合わないような地域材を活用したり、炭焼き時の副産物である木酢液に木材を漬け込み、防腐・防虫効果のある外壁材へと仕上げたりと、SDGs未来都市・下川町ならではの工夫が随所に施されています。

また、施設内には下川町で活躍する作家や事業所などで
丁寧につくられたアメニティ類も多数設置。
無農薬ハーブを原料にしたスキンケア商品が人気の
〈SORRY KOUBOU〉の化粧品キットや、
まちの喫茶店〈アポロ〉の自家焙煎コーヒーなど、
キャビンにいながらまるでまちの店を回ったかのようなひとときを過ごせます。

〈A-frame cabin iwor〉では喫茶店〈アポロ〉の自家焙煎コーヒーなどキャビンいながらにして、まちにいるかのようなひと時が楽しめる。

キャビンで過ごすだけでもまちの魅力を体感できますが、
A-frame cabin iwor最大の特徴は
完全オーダーメイドで行われるローカルツアーが実施されているところ。
宿泊者の希望に合わせた自由気ままな旅が可能なんです。

話題の〈白井屋ホテル〉が さらにおもしろい! パン屋新店オープンに、 〈土田酒造〉の食事会も開催

©Shinya Kigure

〈BEAVER BREAD〉割田健一氏プロデュースの〈白井屋 ザ・ベーカリー〉がオープン

「いいまちには、おいしいパン屋がある」そんなシンプルな想いをかたちにすべく、
先日ご紹介した群馬県前橋市〈白井屋ホテル〉の敷地内に、
2021年11月3日(祝・水)〈白井屋ザ・ベーカリー〉がオープンしました。

割田健一 BEAVER BREAD 代表 / 埼玉県出身、群馬県育ち。高校卒業後「ビゴ の店(プランタン銀座)」にて修行後、2006年より同店シェフを務める。2007年、パンの世界大会第1回「モンディアル・デュ・パン」の日本代表に選抜。 2011年「銀座レカン」グループのブーランジェリーシェフに就任し、2014年12月「ブーランジェリーレカン」開店。2017年11月に「BEAVER BREAD」をオープン。 著書『「ビーバーブレッド」割田健一のベーカリー・レッスン』(世界文化 社)

割田健一〈BEAVER BREAD〉代表/埼玉県出身、群馬県育ち。高校卒業後〈ビゴの店〉(プランタン銀座)にて修業後、2006年より同店シェフを務める。2007年、パンの世界大会第1回「モンディアル・デュ・パン」の日本代表に選抜。 2011年〈銀座レカン〉グループのブーランジェリーシェフに就任し、2014年12月〈ブーランジェリーレカン〉開店。2017年11月に〈BEAVER BREAD〉をオープン。 著書『「ビーバーブレッド」割田健一のベーカリー・レッスン』(世界文化 社)

プロデュースは群馬県出身、東京・東日本橋で、
まちのパン屋として大人気の〈BEAVER BREAD〉を手がける割田健一氏。
群馬で育った割田氏が、前橋の地域創生を掲げる白井屋ホテルの想いに
共感したことから、プロジェクトはスタート。
白井屋ザ・ベーカリーは割田氏初の全面プロデュースとなりました。

貴重な北海道産の小麦粉〈ザ・キタノカオリ〉を使用した
小麦粉の香りや風味が豊かでやわらかくもちっとした「食パン」、
ハルユタカを使ったふわっと丸い「白井屋の白パン」、
映画『かもめ食堂』の舞台となったお店のレシピをアレンジした「シナモンロール」など、
味と思いにあふれた約50種類のパンがラインナップ。
これらの焼き立てパンは、白井屋ホテルのメインダイニング〈ザ・レストラン〉、
オールデイダイニング〈ザ・ラウンジ〉でも提供されます。

柳原照弘 TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO.CO LTD. / 1976年生まれ。デザイナー。2002年に自身のスタジオを設立。大阪の他、2020年にフランス・アルルにスタジオとショールームを構える。現在はフランス、日本、オランダ、デンマーク、台湾を拠点に、ブランドのクリエイティブディレクション、アートディレクション、プロダクトデザイン、インテリアデザインなど国やジャンルの境界を越えたプロジェクトを手がける。2022年、神戸に新たな創出の場として「Vague」というショールームを運営予定。

柳原照弘〈TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO.CO LTD.〉/1976年生まれ。デザイナー。2002年に自身のスタジオを設立。大阪のほか、2020年にフランス・アルルにスタジオとショールームを構える。現在はフランス、日本、オランダ、デンマーク、台湾を拠点に、ブランドのクリエイティブディレクション、アートディレクション、プロダクトデザイン、インテリアデザインなど国やジャンルの境界を越えたプロジェクトを手がける。2022年、神戸に新たな創出の場として〈Vague〉というショールームを運営予定。

お店のアートディレクションと空間デザインは、
大阪やフランスを拠点に多岐にわたって活動する柳原照弘氏が担当。
職人たちが厨房でパンを焼いている姿が見える空間設計で、
キッチンには、パン職人が絶大な信頼を寄せる〈ツジ・キカイ〉の
オリジナル石窯〈クラシカ・ポンペイCDP-4T〉を導入。
この石窯が、輻射熱で素材の旨み、香りを逃さず、
外はカリッと、中はしっとりという理想のパンを焼き上げます。

これで、前橋市の中心街に面した馬場川通り沿いには、
〈白井屋ザ・パティスリー〉、〈ブルーボトルコーヒー 白井屋カフェ〉、
〈白井屋 ザ・ベーカリー〉の3店舗が軒を連ねることに。

白井屋ザ・パティスリー、ブルーボトルコーヒー 白井屋カフェ、白井屋 ザ・ベーカリーの3店舗が軒を連ねる白井屋ホテル。

白井屋ホテルは、この3店舗が人々の日常のさまざまなシーンを彩り、
集い、憩う場となり、前橋のまちなかの活性化に貢献していきたいとのこと。

世界自然遺産の沖縄・やんばるで 〈OKINAWA CACAO〉が国産カカオとチョコレートで挑む 持続可能な地域づくり

2021年、奄美大島、徳之島、沖縄本島北部、そして西表島が
世界自然遺産に登録されました。
その中でも那覇から車で2時間ほど、沖縄本島の北部
やんばると呼ばれる地域は、
貴重な動植物が生息する自然が残り、一方で過疎化も進む地域です。
そのやんばるの地、大宜見村と国頭村でカカオの栽培に
チャレンジしながら地元の食材を組み合わせたチョコレートを
つくっているのが〈OKINAWA CACAO〉です。

沖縄の亜熱帯気候を生かしたチョコレートづくり

代表の川合径さんと店長の駒井美咲さん

代表の川合径さんと店長の駒井美咲さん。

「メインの事業はカカオ栽培というよりも、
地域の特産品とチョコレートをかけ合わせたものづくりなんですよ」と
OKINAWA CACAOの川合 径さんは話し始めました。
2016年に起業したときは、縁のあった大宜見村で
国産カカオの栽培を始めましたが、
程なくして海外産のカカオとやんばるの特産品を
かけ合わせたチョコレートづくりも始めました。
いわゆるBean to Barのショコラトリーです。

川合さんが沖縄との縁を深めたのは2011年3月の東日本大震災の後。
幼い子どものことを考え、妻子が沖縄に移住していました。

その頃、出会ったのが沖縄でコーヒー栽培をしている人たち。
コーヒーができるなら同じ熱帯で栽培されるカカオも育つのでは?
そう思ったのは、妻からバレンタインのチョコレートを受け取ったとき。
2012年のことでした。

そもそも川合さんはショコラティエでもなければ、
農業の専門家でもないのだそう。
東京出身で大学では農学部で学んだものの、
起業家をサポートする企業に勤めるサラリーマンでした。
日本各地に出向くたびに、
この地域だったらどんな支援ができるだろうかと
考えることが癖になっていたそう。

沖縄の亜熱帯気候を生かしたチョコレート作りを行う〈OKINAWA CACAO〉。

その一方で東京から地域を応援すること以上に、
地域のなかで根を張って働く人の存在が重要だと思うように。
そしていつしか自身が地域に入り込んで、
仕事をつくる役割を担いたいという希望が湧いてきたのだといいます。

そんなとき改めて心に浮かんだのは、
ずっと興味が消えなかった沖縄でのカカオ栽培のこと。
沖縄の知り合いに話してみたところ、
大宜見村で土地を貸してくれる人が現れたのです。
そして起業したのが2016年。タネからカカオの栽培を始めました。

カカオが芽を出して、実をつけるようになるまでは
4年以上かかるのが一般的。
まして、沖縄はカカオの栽培適地かというと、そうでもないのです。

まずは、沖縄らしいチョコレートのブランドづくりをしよう。
そう考えて、沖縄ややんばるの特産品を
海外産のカカオと合わせたチョコレートをつくり始めることに。

最初は知り合いのチョコレート屋さんに製造を委託。
砂糖も沖縄と奄美で取れるさとうきび糖を使用して、
シークヮーサーと沖縄のシナモン・カラキと
2種類のフレーバーの板チョコレートから販売を始めました。

〈OKINAWA CACAO〉チョコレートのフレーバーには、シークヮーサー、沖縄のシナモン、カラキ、月桃、泡盛がある。

大宜見村は「シークヮーサーの里」と村が謳うほど
シークヮーサー栽培が盛ん。
カラキは樹皮をおやつにするほか、
やんばるでは葉を使ったお茶がよく飲まれる地域に根ざした産物です。

その後、チョコレートは自社製造に切り替えて、
たったひとりでカカオの焙煎からチョコレート製造、販売までを行いました。
そのころ加わったフレーバーが月桃と泡盛です。

月桃は葉っぱが沖縄の蒸し餅、ムーチーを包むのに使われます。
どこにでも生えているのでOKINAWA CACAOでも
自社の畑に自生しているものを刈り取って使っているそう。

泡盛は、同じ集落のやんばる酒造の泡盛「まるた」を使用。
焙煎する前のカカオ豆を泡盛に漬け込んだあと、
焙煎で熱を加えるのでアルコール分は飛んでしまうのだとか。
カカオに移った「まるた」の風味はチョコレートに残るので
泡盛のおいしさも伝えることができます。

板チョコレートの商品は薄いカレが4〜5枚入っている。

板チョコレートの商品は薄いカレが4〜5枚入っている。

ちなみにシークヮーサーは、
以前は生産者が収穫したものを農家から仕入れていましたが、
近頃は重労働の収穫作業をスタッフと一緒に手伝うように。
地域の手助けをするのも重要な役割なのです。

日南市・飫肥〈武家屋敷 伊東邸〉
城下町の古民家再生リノベーション

PAAK DESIGN vol.3

宮崎県日南市で建築デザイン、宿泊や物販など、幅広い手法で地域に関わる、
〈PAAK DESIGN株式会社〉鬼束準三さんの連載です。

今回は、日南市飫肥(おび)城下町にある古い屋敷を復元改修した
お食事処〈武家屋敷 伊東邸〉がテーマです。

プロジェクトの始まり

始まりは、日南市役所に呼ばれたところからでした。

打ち合わせ場所にいたのは、日南市のすべての文化財を管理する
文化財担当課の方々とクライアントさん。
「古民家再生の設計をお願いしたい」とのことでした。

既存の外観。内部にあった不要な家財道具を撤去している様子。

既存の外観。内部にあった不要な家財道具を撤去している様子。

対象物件があるのは、飫肥地区の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されたエリア。
この文化的景観を守るため、市の条例や、文化庁の指導のもとに
改修を行わないといけないエリアです。その代わり、ルールに基づいた改修を行えば、
文化庁から改修費の一部に補助がもらえるというもので、
打ち合わせでは、条例や手続きなどについてお話をうかがいました。

クライアントさんは本田清大さんといい、実は中学の同級生。
彼は、私より少し早くUターンで日南に戻り、
家業である鰻屋さんと観光バスの運営をする会社を継ぐために働いていましたが、
このプロジェクトは「家業だけでなく、自分でも新しくリスクを背負って
歴史的な風景を守り、まちづくりに寄与していきたい」という想いで始めたそうです。

既存の内部の状態。さまざまな時代の家財道具が混在していた。

既存の内部の状態。さまざまな時代の家財道具が混在していた。

飫肥城下町の魅力

物件があるのは、歴史的な景観が残る飫肥城下町。
江戸時代から約300年間、飫肥藩伊東家5万1千石の城下町として栄えたまちです。
飫肥城跡を中心に建ち並ぶ武家屋敷と風格ある武家門、
飫肥石でつくられた石垣などで形成される美しいまち並みが保存されていて、
1977年には九州初の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。

地域の住民と行政が一体となり保存活動が進められ、先人たちの活動のおかげで、
全国でも有数の武家屋敷群が、非常に美しい状態で保存されています。

桜の季節の飫肥城大手門の前の通り。

桜の季節の飫肥城大手門の前の通り。

最近では宿泊客が減り、日帰り観光客が増え、ひとり当たりの地域消費額は2000円弱。
ランチをして、資料館など施設の入館料を払うか、お土産を買って帰るかという内容。
観光客自体も年々減っている状況でした。

そんな状況を少しでも改善させるため、
2015年に行政が飫肥のまち専属のまち並み再生コーディネーター事業を行い、
タウンマネージャーのような役目をひとりの民間人に託しました。

さらには日帰り観光が多い現状を変えつつ、
少しでも多くの消費を促し、よりいまの観光ニーズに合わせるため、
武家屋敷を改修した一棟貸しスタイルのふたつの宿泊施設〈季楽〉 がオープンし、
滞在型の観光となることを目指しました。

その宿泊施設がオープンし、新しくまちが変わっていく気運のなか、
私が初めて取り組むことになる古民家再生リノベーション、
〈武家屋敷 伊東邸〉の設計が始まりました。

新しい飫肥のまちづくりの起点となった古民家宿〈季楽 飫肥 勝目邸〉。まち並みになじむ風景を保存し、古民家を利活用した宿。

新しい飫肥のまちづくりの起点となった古民家宿〈季楽 飫肥 勝目邸〉。まち並みになじむ風景を保存し、古民家を利活用した宿。

DJ・Licaxxxの旅コラム
「予測不能な京都ひとり旅。
あるおばあちゃんとの出会い」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第21回は、DJやビートメイカーとして活躍するリカックスさん。
ひとり旅を旅の醍醐味と考えて旅した京都のナイトライフ。
カウンター酒場で世代を超えた出会いがあった、刹那な思い出です。

「旅っぽさ」を堪能する

私は旅の楽しみ方というものがわかっていないタイプの人間だ。
国内外問わず、仕事で遠征に行くことが多いのだが、
DJの仕事は週末に集中しているので、そのまま次の現場に移動せねばならず、
なかなか延泊してその土地を楽しむということができない。
DJ前に泥酔するわけにもいかないし、
せいぜいごはんを食べて、美術館や展示に滑り込むのが精一杯だ。

さて、じゃあわざわざ予定を立てて仕事と別で旅行に行こうか?
いや、海や山を堪能するには体力がないし、
そもそも誰かを誘って予定を組むのもなかなかに億劫になってしまう。
そんな腰の重い私だって、本当は旅とやらがしてみたい!
何か理由をつけて旅を探しに行くぞ! と思ったのは、
友だちのDJやライブに合わせて行くというタイミングだった。
これなら仕事もないから酔っ払えるし、
ひとりに飽きても最終的にはみんなのいるところに合流できる。

これは2018年の出来事。
さて、ついたのは京都である。

夜には〈地点〉という劇団の稽古場兼アトリエである
〈アンダースロー〉に公演を見に行く。
さらに夜中は四条河原町にあるクラブ〈West Harlem〉で友人たちがDJをしている。
このふたつの項目を軸に、私はひとりで行動する時間を
“旅っぽさを堪能する時間”とした。果たして成功するのか。

17時ぐらいに京都に到着し、早速ひとり呑みと腹ごしらえをスタート。
やっぱりひとりでしっぽりやるといえば、蕎麦。
呑みすぎると公演中に眠くなるので1杯だけウーロンハイ。
オープン直後のせいか誰もいない。
蕎麦は基本的に無言で黙々と食べきるのがおいしいのでひとりに向いていると思う。
ここではちゃんと写真を撮っている。

そこから散歩しつつアンダースローに到着、無事に公演を観る。

ふたつの日本一を一度に体感! 〈苗場ドラゴンドラ〉と 〈田代ロープウェー〉で 「紅葉の絨毯」を満喫

日本最長&日本一の瞬間地上高で味わう紅葉

今年も新潟県湯沢町にある〈苗場スキー場〉と〈かぐらスキー場〉で
紅葉の絶景が楽しめる季節となりました。

2021年10月9日(土)から11月7日(日)にかけて
〈苗場ドラゴンドラ〉と〈田代ロープウェー〉で
秋限定の紅葉観光営業が始まります。
※田代ロープウェーは11月3日(水・祝)までの運行

まるで紅葉の絨毯。鮮やかなエメラルドグリーンの二居湖(ふたいこ)も美しい。

まるで紅葉の絨毯。鮮やかなエメラルドグリーンの二居湖(ふたいこ)も美しい。

苗場ドラゴンドラは、日本一の長さを誇るゴンドラです。
全長5481メートルもの長い道のりを
アップダウンを繰り返しながら進んでいきます。

眼下に広がるのは、苗場高原や田代高原を彩る紅葉の絨毯。
エメラルドグリーンに輝く二居湖(ふたいこ)も神秘的な美しさです。
息を飲むほどの絶景を眺めながら
片道約25分間の空中散歩が楽しめます。

瞬間地上高230メートルを通る、かぐらスキー場の田代ロープウェー。日本一の高さから見下ろす景色は格別。

瞬間地上高230メートルを通る、かぐらスキー場の田代ロープウェー。日本一の高さから見下ろす景色は格別。

一方、田代ロープウェーで特徴的なのはその高さです。
地上からの瞬間地上高はなんと230メートル。
ロープウェーとして日本一の高さを誇ります。

床面には2か所にガラスの「シースルー小窓」を設置。
最高地点で小窓をのぞけば迫力満点の景色を体感できます。
さらに標高1413メートルの山頂駅付近からは
雄大な山々が見渡せて、その美しさに感動することでしょう。

苗場ドラゴンドラ・田代ロープウェーの概要マップ

苗場ドラゴンドラ・田代ロープウェーの概要マップ

今年はコロナ禍での密な状態を避けるため、
田代ロープウェーの上り乗車は予約団体専用に。
一般の利用は苗場ドラゴンドラに乗って山頂に向かい、
〈らくらくリフト〉を経由して田代ロープウェーから下るルートがおすすめです。
混雑を避けながらふたつの日本一を一度に味わうことができます。

田代高原から田代ロープウェー山頂駅までを結ぶ「らくらくリフト」。田代湖や雄大な山々を見渡せる。

田代高原から田代ロープウェー山頂駅までを結ぶ「らくらくリフト」。田代湖や雄大な山々を見渡せる。

さらに田代ロープウェーの山麓駅から苗場シュネーバスターミナルまで
無料の連絡バスも運行されています。
気軽に周遊できる点も魅力です。

さらに標高1474メートルの高さまで上れる「パノラマリフト」も人気。4人乗りリフトで乗車時間は約5分ほど。

さらに標高1474メートルの高さまで上れる「パノラマリフト」も人気。4人乗りリフトで乗車時間は約5分ほど。

波佐見焼メーカー〈マルヒロ〉が 私設公園〈HIROPPA〉をオープン! アート遊具やカフェも併設

波佐見にユニークな公園が誕生

長崎県東彼杵郡波佐見町は、400年もの歴史がある焼き物のまち。
長らく有田焼や伊万里焼として生産された時代を経て、
2000年代からは「波佐見焼」として全国に広がりました。

そんな波佐見焼の産地メーカーである〈マルヒロ〉が、
私設公園〈HIROPPA〉をオープンします。

2021年9月25日から波佐見町民限定でプレオープン、
10月1日にグランドオープンを迎えます。

HIROPPAのWEBサイト

HIROPPAのWEBサイト

1957年、露天商に始まったマルヒロは、
2010年にリリースした〈HASAMI〉のマグカップが大ヒット。
以降〈BARBAR〉〈ものはら〉などのブランドを次々と展開し、
波佐見焼の人気を押し上げた産地メーカーとなりました。

そんなマルヒロがつくるHIROPPAはどんな場所なのでしょう?

エントランス。サインは浅葉球・飯高健人・石井伶の3人のグラフィックデザイナーで活動するデザインユニット〈GOO CHOKI PAR〉が制作した。

エントランス。サインは浅葉球・飯高健人・石井伶の3人のグラフィックデザイナーで活動するデザインユニット〈GOO CHOKI PAR〉が制作した。

一足先にHIROPPAを見学させてもらいました。
エントランスを抜けて園内に入ると、
広々とした敷地に明るい芝生が目に飛び込んできます。

HIROPPAのエントランスを抜けて園内に入ると、広々とした敷地に明るい芝生が目に飛び込んでくる。

HIROPPAのデザインを手掛けたのは、
〈DDAA/DDAA LAB〉の元木大輔さん。
約1200坪の敷地は、高低を描く稜線や
幾何学的なラインが見えるように設計されており、
風景の中に緩やかな動きが感じられます。

車椅子で一周できるバリアフリーの公園で、
アーティストの遊具で遊べるほか、
マルヒロの直営店やキオスク、カフェも併設されています。

Boris Tellegenの作品であり遊具。座ってコーヒーとサンドイッチのランチなんて最高。

Boris Tellegenの作品であり遊具。座ってコーヒーとサンドイッチのランチなんて最高。

そしてひときわ目立つのは、こちらのオブジェ。

国内外のアーティストと積極的にコラボを行うマルヒロが、
以前から縁のあるオランダのアーティストBoris Tellegen
オーダーしたという遊具で、上から見ると「HIROPPA」と読むことができます。

Borisさんはオランダ・アムステルダムで1980年~2000年代初め
ヨーロッパグラフィティの代表格として知られる〈DELTA〉として活動、
現在は本名のBoris Tellegenとして世に作品を送り出しています。

「まちの子どもたちにアートを身近に感じてほしい」という依頼に、
Borisさんは快く応じてくれたのだそう。

秋の小豆島〈四方指展望台〉で
楽しむ山コーヒー

アウトドアで景色とコーヒーを楽しむ

9月も下旬となり、日に日に秋の気配が強くなってきました。
ミーンミーンと鳴いていたセミはすっかり静かになり、
スズムシがリーンリーンとよく鳴いています。
入道雲は姿を消し、空は高くなり、鳥の羽のようなすじ雲が美しい夕焼け。
絵に描いたような秋の景色を、10月~12月頃の小豆島では楽しむことができます。

毎年9月下旬に咲く「彼岸花」。秋を知らせてくれる花です。

毎年9月下旬に咲く「彼岸花」。秋を知らせてくれる花です。

秋の夕空。夕陽に照らされて少しピンクがかった雲が美しい。

秋の夕空。夕陽に照らされて少しピンクがかった雲が美しい。

秋といえば栗! 宝探しみたいでいつも楽しい。

秋といえば栗! 宝探しみたいでいつも楽しい。

気候が穏やかになると、外に繰り出したくなりますね。
そろそろ山でコーヒーを飲むのがおいしい季節かなと、
久しぶりに「四方指(しほうざし)」へ。

その名のとおり、360度ぐるりと四方を眺められる標高777メートルの高台。
ちなみに小豆島で有名な観光地「寒霞渓(かんかけい)」のロープウェイ山頂駅は
標高612メートルなので、そこよりも高い位置にあります。
四方指はレストランやお土産屋さんがあるような観光施設ではなくて、
ただただ四方に広がる景色を楽しむ展望スポット。
ドライブの途中にちょっと立ち寄ってみようかなくらいで訪れてみるといいと思います。

標高777メートルの高台にある「四方指園地」の展望スポット。

標高777メートルの高台にある「四方指園地」の展望スポット。

四方指展望台と大観望というふたつの展望台があります。

四方指展望台と大観望というふたつの展望台があります。

大観望と呼ばれる台の上からの眺め。小豆島内海湾とまち並みを見渡せます。

大観望と呼ばれる台の上からの眺め。小豆島内海湾とまち並みを見渡せます。

雲モチーフのスイーツが映える! 〈星野リゾート トマム〉に 標高1088メートルのカフェが誕生

北海道最大級の滞在型リゾート〈星野リゾート トマム〉は、
滞在中の見どころのひとつである〈雲海テラス〉を8月にリニューアルオープン。
従来よりも前面にせり出し、
ダイナミックな雲海をさらに間近で鑑賞できるようになりました。

さらに、今回のリニューアルでガラス張りの屋内カフェ〈雲Cafe〉が新たに誕生。
標高1088メートルに位置しています。

カフェの店内。大きな窓から、壮大な景色が広がります。

カフェの店内。大きな窓から、壮大な景色が広がります。

雲Cafeの注目ポイントは、ふわふわな雲を表現したスイーツやドリンクたち。
空に浮かぶカフェとして、
オリジナリティ溢れるかわいいメニューが勢揃いしました。

雲のふわふわを表現した「雲ソフト」や、
綿あめがのった「雲海ソーダ」、雲形のマシュマロを添えた「雲海コーヒー」。
絶景をバックに写真を撮りたくなりますね。

(左から)雲海ソーダ、雲ソフト、雲海コーヒー

(左から)雲海ソーダ、雲ソフト、雲海コーヒー 各600円(税込)

さらに、白い雲形のマカロン「雲マカロン」もかわいい!
テイストは、バニラとレモンを用意。

カフェメニュー集合。写真左がマカロン。

カフェメニュー集合。写真左がマカロン 700円(税込)。

ほかにも「雲海ココア」や「雲海オレ」、
雲型のパンがついたクラムチャウダーなども。
ホットドリンクやクラムチャウダーは、
冷えがちな朝方の体を温めてくれること間違いなし。

この素敵なドリンクやスイーツを堪能しながら、
窓越しに景色を眺めたり、屋内のソファでくつろいだり、
雲海をのんびり待つ時間も楽しく過ごすことができます。

大分を楽しむWebマガジン 『edit Oita』編集部から、 おうちカフェが捗るギフトをプレゼント!

大分県が運営、マガジンハウスが制作を手がける
大分を楽しむWebマガジン『edit Oita』で現在、
自宅で大分気分を味わえるプレゼントキャンペーンを実施中です。

キャンペーン

edit Oitaは、日本一の源泉数・湧出量を誇る大分の温泉の紹介はもちろん、
四季折々の絶景スポットやレトロなまち並み、
集めたくなる工芸品、食欲をそそるソウルフード、
まちのキーマンなど、温泉以外の魅力もたくさん発信しています。

edit Oitaのトップページ

edit Oitaを通して大分に興味を持った人が、
自粛期間中でも大分を堪能してもらえたらという思いから、
今回のプレゼントキャンペーン〈#おうちカフェ de 大分気分〉を企画。
おうちカフェが捗るような大分県産の素敵なギフトを用意しました。

内容は、大分のセレクトショップ「Oita Made」の商品から「edit Oita編集部」が厳選した
“おうちカフェが捗るギフトの詰め合わせ”全3種類。

臼杵焼

ひとつ目は、優雅な気分を味わえる〈エレガントコース〉(1万円相当、5名様)。
江戸時代後期からわずか数年だけ生産された
“幻の焼き物”〈臼杵焼〉のうつわがメイン商品。

臼杵焼使用例

使い勝手の良いサイズ感とカラーリングは、
ケーキやクッキーなどカフェタイムを格上げしてくれるほか、
アクセサリー置きやインテリアとしてもぴったり。

いちごビネガー

ふたつ目は、疲れを吹き飛ばす癒やしの〈リフレッシュコース〉(5000円相当、5名様)。
大分県産オリジナルのいちご〈ベリーツ〉を、
ビネガーにじっくり漬け込んだ〈いちごビネガー〉がメイン商品。

いちごビネガー盛り付け例

水やソーダ、ミルクや豆乳、シャンパンや白ワインまで、
お好きな割り方でヘルシーに楽しめます。