八戸の街に〈マチニワ〉が誕生。 “樹”をモチーフにした 巨大な水飲み場兼、 噴水が完成しました

青森県八戸市の中心街に、市民のための
コミュニティ広場〈八戸まちなか広場 マチニワ〉がオープン。

光・風・緑をタイトルした3つの広場と
ステージで区画分けされ、それぞれまたは全体を、
3時間からの時間区分で貸し出します。

小さなお店を出したり、ステージでパフォーマンスを発表したり、
ワークショップを開催したりと、市民のアイデア次第で、活用方法は広がりそう。

東日本大震災からの復興へ向けて

広場の中央部にあるのは、シンボルオブジェ「水の樹」。

シンボルオブジェ「水の樹」。パイプと受け皿で樹に見立てた。

シンボルオブジェ「水の樹」。パイプと受け皿で樹に見立てた。

これは、松任谷由実やMr.Childrenのアートワークをはじめ、
数々のデザイン、ディレクションなどを手がけてきた
アートディレクターの森本千絵さんが監修したものです。

森本さんは青森県三沢市出身。
2011年、〈八戸ポータルミュージアム はっち〉の
オープニングプロジェクトをきっかけに、八戸とのご縁ができました。

〈八戸ポータルミュージアム はっち〉は、〈マチニワ〉の向かいにある。

〈八戸ポータルミュージアム はっち〉は、〈マチニワ〉の向かいにある。

〈はっち〉とは、八戸中心街の活性化を願って創られた地域観光交流施設。
このオープニングプロジェクトでは、八戸出身の作家・木村友祐さんと
クリエイティブディレクター・佐藤尚之さん指導のもと、
市民によって市民を取材した文章と、
写真家の梅 佳代さん、浅田政志さん、津藤秀雄さんが、
八戸の人々を撮影した写真を展示する企画展が開催されました。

このトークイベントに、森本さんがプライベートで足を運んだことをきっかけに
〈はっち〉との繋がりができたといいます。

企画展の期間は、2011年2月26日〜3月16日。
東日本大震災のあった3月11日は、まさに写真展の真っ只中だったのです。
そこで、この企画展を記録に残そうと、写真集『八戸レビュウ』を制作。
森本さんに、冊子制作の装丁を依頼することとなりました。

八戸では、震災によって全壊した建物は218棟。
その多くは、魚市場や食品加工場など、沿岸部にあった漁業関連の施設でした。

シンボルオブジェ「水の樹」のモチーフは八戸の古い地図

〈マチニワ〉のロゴも森本千絵さんがデザイン。

〈マチニワ〉のロゴも森本千絵さんがデザイン。

青森県南部にある八戸市は、太平洋に面した地の利を生かし、
漁業や工業によって支えられ、発展した街。

かつて、八戸青年会議所の「街の魅力発信委員会」は
「海の樹」という地図を提唱していました。

海からの滋養をもらい、成長する八戸を象徴する絵。

海からの滋養をもらい、成長する八戸を象徴する絵。

八戸の道路を塗りつぶし、海側を下に向けると、
海に根を張り、栄養を得て育つ、一本の樹のように見えます。
これが、今回の「水の樹」のモチーフとなりました。

震災によって、八戸は津波の被害を受けましたが、
海からの恩恵への感謝は忘れない。
八戸の人たちのそんな気持ちが、「水の樹」には現れているようでした。

みんなのヒミツキチ〈コダテル〉。
愛媛県八幡浜に誕生した
学び場&コワーキングスペース

「地元が好き」。その思いこそが、すべての原動力

「地元はこんなにすてきな場所なのに、高校を卒業したらみんな市外に出てしまう。
どうすれば、若い人にとって魅力的な地元になるのか」

愛媛県八幡浜市向灘で、古民家を改装し、
地元の人はもちろん、市外、県外、海外から八幡浜に訪れる人たちが
思い思いの“企て”ができる場、〈コダテル〉を
2018年1月にオープンした濵田規史さん。

その活動の出発点となったのは、地元のことを大好きな人を増やしたい、
というひとつの思いだった。

有数のみかん産地である八幡浜。みかんの山から八幡浜港を一望。

有数のみかん産地である八幡浜。みかんの山から八幡浜港を一望。

「自分の地元のことを自慢できるような場所をつくりたい。
大学進学などで一度は市外に出たとしても、
絶対いつかは帰ってくる、と思えるような場所にしたい。
そうするためには、どんなアクションをしたらいいのか。
コダテルのプロジェクトを立ち上げるきっかけは、
私の地元への思いでした」と話す濵田さん。

コダテルの“企て人”である濵田規史さん。

コダテルの“企て人”である濵田規史さん。

濵田さん自身、地元の高校卒業後は県外の大学に進学し、
就職を機に「どうしても八幡浜に帰りたい」と考え、地元の金融機関に就職。
行員として、地域発展のため地元の人とともにまちづくりに関わってきた。

その一方で、NPO法人〈八幡浜元気プロジェクト〉を立ち上げ、
まちづくりに関わるイベントを企画するなど活動していた。

地元をワクワクするような場所にしたい。
簡単なように思えるけれど、そう簡単なことではない。
どうしたら、ワクワクするような場所にできるだろうか、
と考えを深める過程のなかで、ふと思い出したことがあった。
濵田さん自身の小学校、中学校、高校時代のことだった。

小さい頃から人を楽しませること、何かを企画することが大好きで、
近所の人たちを巻き込んで運動会を企画したり、
自ら取材、編集をして、新聞をつくってみたり、
地域のドラマ制作に挑戦したり、高校生のお店を開店してみたり。
とにかく、自分がワクワクするようなことを考え、行動し、
周りの人を巻き込んでいろいろな“企て”をした経験だった。

市外県外から訪れる人にとって、八幡浜の活動拠点として利用してもらいたいと濵田さんは考えている。

市外県外から訪れる人にとって、八幡浜の活動拠点として利用してもらいたいと濵田さんは考えている。

「自分自身が県外の大学に進学したものの、
卒業したら絶対帰ってくる、という思いがありました。
自分のような人間が、もっと増えたらいいんだ、という考えに行き着いたのです。
なぜ、帰ってきたいと思ったのか、なぜ地元が大好きだったのか、
答えは自分自身の中にありました」

濵田さんが自分自身の中で見つけた答え。
それは、小さい頃から地域の人を巻き込みながら
「ワクワク」するようなことを企てて、実際に行動してきたこと。

地元愛の原点から導き出した答えは、濵田さんと同じような
ワクワクするような企てを、地元の子どもたちに経験してもらいたい。
その企てができる、ヒミツキチのような場所を提供したい。
そんなシンプルなものだった。

秋田で一番小さな村が 〈かみこあにプロジェクト2018〉 を開催。村全体が美術館に!

秋田県で一番小さな村「上小阿仁(かみこあに)村」

秋田県内でも最も高齢化と人口減少のすすむ上小阿仁村。
この秋田で一番小さな村が毎年夏に大胆な試みをします。
それが〈かみこあにプロジェクト〉。
今年で7年目を迎えます。

上小阿仁村の八木沢集落の田園。

上小阿仁村の八木沢集落の田園。

かみこあにプロジェクトとは

地域そのものが里山美術空間であるというコンセプトを基に、
村人が中心となり秋田公立美術大学の学生が協力し開催される手づくりの芸術祭です。
多様な人々との交流を図りながら、高齢化、人口減少に立ち向かい、
地域の魅力発信とにぎわい創出を目指します。

2012年に「大地の芸術祭 越後妻有アート トリエンナーレ2012」の
飛び地開催としてスタートし、
7回目を迎える今年は、八木沢会場、沖田面会場、小沢田会場の村内の3つのエリアにおいて
番楽や獅子踊りなどの伝統芸能競演や棚田を舞台にした野外音楽イベント、
廃校した小学校の音楽室でのライブパフォーマンスのほか、
県内外のアーティスト24組による現代アート作品の展示やワークショップが行われます。

木村剛士『alias sculpture』(2017年作品)。

木村剛士『alias sculpture』(2017年作品)。

ワークショップ風景。

ワークショップ風景。

廃校になった小学校がアートの舞台に!

2017年のかみこあにプロジェクトでは10年前に廃校になった旧沖田面小学校で
15組のアーティストのアート作品が展示されました。
小学校の使われなくなった机を利用した作品や
教室に展示された作品たちが廃校となった小学校に光を差しました。

長門あゆみ『ほころびの部屋』(2017年作品)。

長門あゆみ『ほころびの部屋』(2017年作品)。

草彅裕『太陽の種』(2017年作品)。

草彅裕『太陽の種』(2017年作品)。

洋風建築と土蔵をリノベーション。
高岡〈山町ヴァレー〉と
〈町衆高岡〉がめざすまちづくり

自分の暮らすまちにごみが落ちていたら、率先して拾うだろうか。
自宅の目の前は別として、自宅とは無関係の場所に落ちていたら、
見て見ぬふりをする人も少なくないはずだ。

2017年4月に一部オープン、11月にグランドオープンした
〈山町ヴァレー〉という観光拠点は、富山県西部の高岡市にある。
高岡駅から山町ヴァレーに向かって歩くと、15分程度の移動時間だが、
そのわずかな間にごみを拾う住人をふたりも見かけた。
取材で話を聞いた山町ヴァレーの建築家も、取材後に近所を一緒に歩いていると、
不意に身をかがめ、小さなごみを拾った。住民のまちに対する愛着を感じる瞬間だ。

その高岡の新たな拠点として、
地域住人から期待を背負って誕生した観光拠点が、山町ヴァレーだ。
木造3階建ての洋風建築と土蔵群を抱える
元文具商の「旧谷道家」をリノベーションした施設で、
2017年4月の一部オープン以来、来場者は累計で2万1000人を達成している。

新たな拠点の誕生で、周辺の通行人も目に見えるかたちで増えたという。
今回はその山町ヴァレー誕生に深く関わるメンバーに話を聞いた。

「近所」の有志が立ち上げた、町衆文化の発信拠点

山町ヴァレーは、高岡の山町筋という通り沿いにある。
一帯は重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、
メインストリート沿いには土蔵造りの町屋、レンガ造りの洋風建築など、
戦災を免れた明治、大正、昭和初期の建築物が多く残る。

1914年に建てられた大正時代の洋風建築。清水組の田辺淳吉が設計し、辰野金吾が監修。現在は富山銀行本店として使われている。

1914年に建てられた大正時代の洋風建築。清水組の田辺淳吉が設計し、辰野金吾が監修。現在は富山銀行本店として使われている。

山町ヴァレーから目と鼻の距離には、国の重要文化財である〈菅野家〉、
築100年を超す土蔵造りの建築が見事な〈塩崎商衡(しょうこう)〉の本社があり、
観光客の目を大いに楽しませるが、まさにその菅野家に暮らす菅野克志さん、
塩崎商衡の代表取締役社長・塩崎吉康さんが、山町ヴァレー創設の中心メンバーだ。

菅野克志さんは、地元の〈高岡ガス〉の社長でありながら、
高岡市の中心市街地活性化、まちづくりを行う
〈末広開発〉の4代目社長に就任する地元の名士。
一方、塩崎吉康さんは、「秤なら塩崎」と
地元で名声を博す老舗企業の社長を務めながら、
〈町衆高岡〉という会社を地元の有志と立ち上げ、山町ヴァレーの運営にあたる。

山町筋には、土蔵造りの町屋など古い建物が建ち並ぶ。

山町筋には、土蔵造りの町屋など古い建物が建ち並ぶ。

まずは菅野さんに、山町ヴァレー立ち上げの経緯を聞いてみた。

「山町ヴァレーのプロジェクトが立ち上がったのは、2014年12月。
2012年か2013年くらいから、この建物は空き家になっていました。
私も塩崎さんも近所に住んでいますから、
『何とかしなければ』と気になっていたんです。
当時、まちづくりに関係する人や行政の人との間で意見交換会を行っていたのですが、
そのなかで高岡らしい町衆文化の発信をしていく拠点として
この建物を活用しようという話になりました」

〈末広開発〉の社長・菅野克志さん。

〈末広開発〉の社長・菅野克志さん。

高岡らしい町衆文化とは、明治、大正、昭和にかけて、
高岡の商人が最も商人スピリットを発揮していた頃の町文化。
往時の活力や文化を取り戻したいと願いを込め、
山町ヴァレープロジェクトが立ち上がった。

具体的な役割分担としては、土地を借り上げ、建物の部分を購入した末広開発が、
2016年から2018年にかけて3年計画で建物を改修、その後の管理・運営も行い、
一方の町衆高岡は、末広開発からの委託というかたちで、
山町ヴァレー内で開催されるイベントの企画、立案、実行を通じて
にぎわいをつくる役割を担ってきた。

富山市岩瀬〈桝田酒造店〉
桝田隆一郎さんの考える
「まちづくり」とは

「最近、岩瀬のまち並みがとてもすてきになった」という声を聞く。
富山県富山市の北部にある岩瀬は、
海運で江戸時代の末期から明治の初期に絶頂を迎えた港町である。
時代の変化とともに海運業が衰え、一時期工場の誘致が盛んになるものの、
人口減は進み、まちの活気は失われていったと「東岩瀬郷土史会」の会報にある。

その岩瀬に美しいまち並みをつくろうと立ち回る、地元の名士がいる。
桝田隆一郎さんだ。桝田という苗字は岩瀬の土地で大いに鳴り響く。
まちの人に声をかけるたび、「桝田の社長さん」の評判を耳にした。

その桝田家の現当主にして、〈桝田酒造店〉の5代目社長、
〈岩瀬まちづくり会社〉社長も務める桝田隆一郎さんに、
岩瀬の「まちづくり」について聞いた。

行き当たりばったりの行動が、まちづくりにつながる

桝田隆一郎さんは1966年、岩瀬に生まれる。
地元の学校を卒業後、大学進学や留学、就職でまちを離れ、
自らの父親が社長を務める〈桝田酒造店〉に入社した。

その後、岩瀬にある元材木店を購入し、改修をして、
そば屋のオープンにつなげたところから、
いわゆる「まちづくり」のような活動が始まっていくのだが、
足跡を年度順に追って確かめようとすると、
何年に何をしたとは正確に覚えていないという。

それでも過去の情報、あるいは桝田さんの記憶を参考に考えると、
桝田さんの「まちづくり」は、恐らく1998年頃からスタートしている。

先ほど触れたそば屋のオープン後も、岩瀬で売りに出た、
あるいは取り壊される予定だった土蔵群や家屋を購入し、
改修しては陶芸家や木彫刻家の拠点をつくり、酒商をつくり、レストランを誕生させた。

その過程で〈岩瀬まちづくり会社〉が発足し、リノベーションされた物件が増え、
市によるメイン通りの無電柱化も行なわれ、まち並みの美しさは高まっていく。

無電柱化もされた岩瀬のメインストリート。

無電柱化もされた岩瀬のメインストリート。

振り返れば「まちづくりプロジェクト」にも見えるが、
桝田さんによれば、当初は計画的に構想を描いて何かを進めたのではなく、
「行き当たりばったり」に物件を購入しては、改修を進めていったのだという。

「計画的に構想を描いていたのではなくて、物件を1軒買うことによって、
家を売りたい人が助かって、大工さんに仕事ができて、
作品を売る場所がないと言っていた陶芸家の作品の展示場所ができて、
桝田酒造のテイスティング場所ができると思いました」

海運業で栄えた岩瀬の名家・森家の回船問屋。国指定重要文化財。

海運業で栄えた岩瀬の名家・森家の回船問屋。国指定重要文化財。

その結果、岩瀬のまちが姿を変えていく。
ビジョンなきスタートだった「まちづくり」も、改修された物件が増え、
まち並みが変わってくると、「後づけビジョン」も生まれてきた。
現在も工事の進む物件が存在し、割烹と日本酒の立ち飲み屋、イタリアン、
クラフトビールの工場とクラフト作品の発表の場がオープンに向けて動いている。

こちらも海運業で栄えた名家・馬場家。馬場はるさんは富山の教育に圧倒的な貢献を果たした。

こちらも海運業で栄えた名家・馬場家。馬場はるさんは富山の教育に圧倒的な貢献を果たした。

これらの取り組みによって桝田さんは、
「ちょっと、まち並みが整うかなと思います」と、
ご自身のビジョンとの距離感を教えてくれた。

桝田隆一郎さんの言うまち並みとは、ヨーロッパが基準となっている。
「あまりにも美しさが違い過ぎるから、まち並みでは勝てない」とし、
埋めがたい圧倒的な差を前提としているため、「ちょっと」という表現になる。
しかし、冒頭でも述べた通り、岩瀬のまち並みが「とても」すてきになったという声は、
富山市民や県民から盛んに聞こえるようになった。

地方創生を背負って、
霞ヶ関から長門市へ

誰と組み、どう進めるか……。
まちづくりを左右するチーム編成の行方は?

例年、雨に泣かされる「湯本温泉まつり」だが、2018年4月1日は天気に恵まれた。
子どもみこしが温泉街を練り歩き、桜風吹が音信川(おとずれがわ)に舞う、
そんな美しい風景の1日だった。

子どもみこしを迎える桜の〈きらきら橋〉。

子どもみこしを迎える桜の〈きらきら橋〉。

日が暮れ始めた河原ではバーベキューの準備が行われていた。
送別会だという。
手際よく食材を用意するのは、
長門市役所・成長戦略推進課の中原美可子さん。
同じ課の松岡裕史さんと管田央信(かんだひさのぶ)さんは
プロジェクターを設置している。

温泉街の〈荒川食品〉店主で
湯本まちづくり協議会の会長を務める荒川武美さんや旅館関係者、
プロジェクトメンバーなど20人ほどが、
楽しそうに会話をしながら主役を待っていた。

ほどなく現れたのは、
長門市役所・経済観光部長の木村隼斗(よしと)さんだ。
3年間の勤務を終えて、明日東京へ戻るという。
石段を降りながら、
「仕事でお世話になった方の結婚式に出ていました。
ちゃっかり温泉に入って、着替えてきました」
と照れくさそうにしている。

送別会は足湯がある思い出の河原で行われた。

送別会は足湯がある思い出の河原で行われた。

木村さんは2007年から東京・霞ヶ関の経済産業省で働く官僚だ。
長門市へは2015年4月、国が行う〈地方創生人材支援制度〉でやってきた。
この制度は、第2次安倍改造内閣が2014年9月に設置した
「まち・ひと・しごと創生本部(通称、地方創生本部)」が窓口になっている。

ホームページに、こう説明がある。
「地方創生に積極的に取り組む市町村(原則人口5万人以下)に対し、
意欲と能力のある国家公務員・大学研究者・民間人材を
市町村長の補佐役として派遣しています(原則2年)」

初年度は、中央省庁の官僚らを中心に派遣された。
例えば福井県鯖江市へは財務省から、
群馬県みなかみ町へは大学研究者が、静岡県伊豆市へは内閣府から、
島根県海士(あま)町へは文部科学省から派遣されている。
赴任先はマッチングで決まる。

木村さんは説明する。
「地方創生を語ると長くなりますが、ひとことで言うと、
人口減少へのチャレンジなんです。
人口減少を迎えている市町村に私たちも入り込んで、
その解決法を一緒に悩み、見つけていきましょう、
それが〈地方創生人材支援制度〉の目的だと理解しています」

観光地域づくりに挑戦する メンバー募集中! 岩手県の平泉・一関DMO 地域課題を解決するプロジェクト

きらびやかで絢爛たる世界遺産「中尊寺金色堂」や、
ビアフェスの先駆ともいうべき「全国地ビールフェスティバルin一関」、
全国的にも珍しい、多彩な「もち」の食文化、
清々しい緑と渓流の「猊鼻渓(げいびけい)」などで知られる
岩手県南部に広がる一関市。

豊かな自然と文化が根づく一関ですが、
人口は都市部に流れ、駅前や商店街の活気は減速ぎみ。
日本の地域がかかえる問題が、一関でもおこっています。

そんな状況を打破するべく、地元の30~40代の若手社長や、
都市部にいながらも一関にゆかりのあるメンバーが一念発起。
2018年4月に〈一般社団法人世界遺産平泉・一関DMO〉を立ち上げました。

農林水産省が推進する「食と農の景勝地」に認定された一関市。美しい田園風景が広がります。

農林水産省が推進する「食と農の景勝地」に認定された一関市。美しい田園風景が広がります。

日本版DMO(Destination Management Organization)の候補法人として
行政・企業・団体と連携し、一関平泉エリアを東北有数の観光地として確立させ、
“持続可能な地域経営”にすることを使命とし活動する、平泉・一関DMO。
民間主導で事業が展開するという点も、全国的にみてもユニークではないでしょうか。

この平泉・一関DMOに所属し、一緒に新しいツーリズムを創造する
「ディレクター(地域おこし協力隊)」の募集がスタートしました!

ふるさと納税でも募金可能! 〈平成30年7月豪雨災害〉 ネットで出来る支援

このたびの西日本を中心とした記録的な大雨災害により、
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
ネットで出来る支援も数多くあります。

ふるさと納税で募金

ふるさと納税

ふるさと納税を活用して、
平成30年7月豪雨の被害を受けた自治体を支援することができます。
返礼品を希望しない寄付を申込んだ場合、お申し込み金額の全額が自治体に届けられます。
寄付後は、自治体から寄付金受領証明書が発行されます。
1,000円より1円単位で指定した金額を寄付出来るので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
詳しくは、ふるさと納税サイト「さとふる」にて。

また「ふるさとチョイス災害支援」では、
被災された自治体に代わって寄附を受け付ける自治体へ寄附をすることも、
被災された自治体に、直接ふるさと納税による寄附をすることも可能です。
詳細はこちらから。

Tポイントで募金

Yahoo! JAPANのネット募金では、クレジットカードは100円から、
Tポイントは1ポイントから寄付できます。募金はこちらから。

マイレ-ジで募金

ANAマイレ-ジクラブでは、マイルでの募金ができます。
寄せられたマイル寄付相当額は、日本赤十字社
および被災された自治体を通じて、被災者の方々の支援に役立てられます。
募金はこちらから。

LINE PayとLINEポイントで募金

LINEでは、LINE PayとLINEポイントを通じて寄付ができます。
募金はこちらから。

呉市の被害状況

呉市の被害状況

呉市の被害状況

呉市の被害状況

呉市の被害状況

呉市の被害状況

広島県呉市に住むコロカルのライター、浦山寧子さんも被災されました。
現在、Twitterで呉市の情報を発信されています。
コロカルでは、被災地の一日も早い復旧を願っています。

〈GIFU MEME〉 移住・週末拠点づくり サポートもあります! 岐阜にてクリエイター向け ワークショップを開催

2018年8月4日(土)〜9月15日(日)、岐阜県恵那市にて、
デザイナーや編集者、ライター、プログラマなどのクリエイターを
対象としたワークショップが開催されます。

〈GIFU MEME〉

〈GIFU MEME〉

恵那山麓のふもとにある恵那市は名古屋市内からのアクセスがよく
自然豊かなまちなみであることから、近年、若い世代の
移住先として注目されつつあるまち。

〈GIFU MEME(ぎふ みーむ)〉は、そんな恵那を
舞台に開催される全4回のワークショップ。
岐阜県へ移住してきたクリエイター陣による講座や、
地元のキーパーソンといくフィールドワークに参加しながら、
クリエイティブ事業プランを構想します。

〈GIFU MEME〉

〈GIFU MEME〉

また、移住を検討している方には、不動産物件を斡旋してくれたり、
コワーキングスペースや週末だけの宿泊施設を探している方には、
相談にのってくれたりといったサポートも!
移住や都市と地方の2拠点生活を検討されている方に
ぴったりのワークショップです。

“泊まれる出版社”〈真鶴出版〉川口 瞬さん

“泊まれる出版社”〈真鶴出版〉川口 瞬さん

祝20周年! 老舗旅館〈葉渡莉〉の アニバーサリーぶっとび動画 「桶(おけ)〜ストラ」 見まっしね〜!

「レディー・カガ」などユニークな取り組みで注目されている石川県の加賀温泉郷。
その中でも「温泉エンターテインメント」「おもてなしは個性だ!」を
モットーに活躍する、山代温泉の老舗旅館〈葉渡莉(はとり)〉の
20周年ムービーはもう見られましたか?

葉渡莉のあたたかさが溢れる外観。

葉渡莉のあたたかさが溢れる外観。

葉渡莉に改名する前の〈よろづや〉時代から数えると
創業62年の老舗旅館が結成した「桶(おけ)〜ストラ」とは。
まずはこちらをご覧ください!

通常時の従業員さん。

通常時の従業員さん。

こちらに登場する「桶〜ストラ」のメンバーのほとんどが
葉渡莉の従業員さんなのです! 
380余年続く加賀太鼓をルーツにもつ加賀の温泉と、
温泉には欠かせない桶を使った「桶〜ストラ」。

真剣な面持ちが並びます。

真剣な面持ちが並びます。

パフォーマンスは圧巻。

パフォーマンスは圧巻。

〈旅するマーケット 2018年夏・秋の章〉 東京に三重県北勢地域の おいしいものが続々登場!

桑名市 細川酒造 代表取締役 細川富生さん 写真:岩瀬有奈

2018年7月3日、東京都港区にて
〈旅するマーケット 2018年夏・秋の章〉が開幕しました! 
三重県桑名市、菰野町、鈴鹿市から続々とおいしいものが届き、
マルシェやスタンドを展開しています。

旅するマーケットは、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて
国内外から注目が集まる東京を舞台に、
日本各地の新たな価値を創造し、発信するマーケット。

東京オリンピック・パラリンピックを
活用した地域活性化推進首長連合に加盟する約570自治体をはじめ、
日本各地から届く野菜や果物、そして加工品などを販売します。

2018年7月3日(火)〜12月28日(金)に開催される
〈旅するマーケット 2018年夏・秋の章〉では、
多彩な食の文化圏を有する桑名市、菰野町、鈴鹿市にフォーカスをあてるそう!

桑名市〈丸元水産〉三代目で代表の長谷川雅敏さん 写真:岩瀬有奈

桑名市〈丸元水産〉三代目で代表の長谷川雅敏さん 写真:岩瀬有奈

菰野町〈かもしか道具店〉代表の山口典宏さん 写真:西澤智子

菰野町〈かもしか道具店〉代表の山口典宏さん 写真:西澤智子

鈴鹿市〈進誠堂〉3代目・伊藤亀堂さんと4代目・晴信さん 写真:西澤智子

鈴鹿市〈進誠堂〉3代目・伊藤亀堂さんと4代目・晴信さん 写真:西澤智子

旅するスタンド

平日ランチ11:30~15:00 ディナー17:30~L.O.22:00  土祝11:30~L.O.19:00/定休日:日曜日(月曜日が祝日の場合日曜日営業、月曜日休業)/住所:東京都港区西新橋2-16-6先/TEL:080-7968-8490

平日ランチ11:30~15:00/ディナー17:30~22:00L.O. 土曜・祝 11:30~19:00L.O. 定休日:日曜(月曜が祝日の場合、日曜営業・月曜休業) 住所:東京都港区西新橋2-16-6 先 TEL:080-7968-8490

日本各地の食を届ける「旅するスタンド」では、
「にっぽん東西、文化のへそ」をテーマに、
〈三重大衆酒場 ヒルコメ ヨルサケ 北勢〉を展開。
手づくりのうつわや鈴鹿市の伊勢型紙、桑名市の灯篭、
酒樽などが並ぶ情緒溢れる空間のなかで
桑名市、菰野町、鈴鹿市の郷土の味や名酒などが楽しめます。

新虎マルシェ

毎週金曜日 14:00 〜19:30、毎週土曜日 10:00 〜18:00/東京都港区西新橋2-16-6 先 旅するスタンド前

毎週金曜 14:00〜19:30、毎週土曜 10:00〜18:00 会場:東京都港区西新橋2-16-6 先 旅するスタンド前

毎週金曜、土曜に開催される〈新虎マルシェ〉では、
地方と都市をつなぐ八百屋〈旬八青果店〉を運営する〈アグリゲート〉が、
旅するマーケットならではの視点とネットワークで集めた
日本各地の旬の採れたて食材や、地域ならではの加工食品をはじめ、
各地域のさまざまなアイテムや情報を提供します。

人気のパティシエ辻口博啓氏がプロデュースした三重県菰野町の人気ベーカリー〈Mariage de farine〉のパン。※7月7日のみ

人気のパティシエ辻口博啓氏がプロデュースした三重県菰野町の人気ベーカリー〈Mariage de farine〉のパン。※7月7日のみ

〈商店街HOTEL 講 大津百町〉 いよいよオープン! 自遊人が贈るメディア型ホテル

雑誌『自遊人』を発行し、新潟県南魚沼市で〈里山十帖〉
手がける〈自遊人〉による、
新しいメディア型ホテル〈商店街HOTEL 講 大津百町〉が、
東海道五十三次最大の宿場町、滋賀県・大津にオープンします!

「まちに泊まって、食べて、飲んで、買って」を
コンセプトに掲げる、新しいタイプの宿泊施設。
2018年8月10日の本オープンに向け、ただいまプレオープン中です。

〈商店街HOTEL 講 大津百町〉の外観

かつて「大津百町」と呼ばれるほど賑わった大津。
しかし現在ではその面影もなく空き家が目立つようになっています。
〈講〉は、旧東海道と並行するアーケード商店街にある、
築100年以上の7軒の町家をリノベーション。
デザイン面はもちろん、実用性と快適性を重視して、
今後さらに100年使用できる“現代の町家”として蘇らせました。

〈商店街HOTEL 講 大津百町〉入り口

〈商店街HOTEL 講 大津百町〉客室の様子

〈講〉では、ホテル同等のサービスを提供。すべての町家の設計を
建築家・竹原義二さんが、庭は荻野寿也景観設計が手がけました。
各室にはフィン・ユール、ハンス・ウェグナーなど、
座り心地の良いデンマーク家具を配置。
7棟13室の客室はすべてインテリアデザインが異なるだけでなく、
家具もすべて異なるというこだわりっぷりです。

共用スペース

「まちに泊まって、食べて、飲んで、買って」を奨励するべく、
フロントにはコンシェルジュが常駐。
おすすめの飲食店はもちろん、朝食に最適なパン屋、
モーニングのある喫茶店、昔ながらの提灯屋や簾屋など、
まちの見どころをご案内します。

また、宿泊税や入湯税と同じように、宿泊者一人につき150円を宿泊料金に含み、
その総額を商店街に寄付して活性化に役立てる“ステイ・ファウンディング”の試みも。
まちを楽しんでもらい、消費を促すことによって、まちを蘇らせることを目的にしているのです。

地域の食の課題に取り組む、 “野菜が真ん中”のマチの食堂 〈MINDEキッチン〉 三好市阿波池田にオープン

2018年6月1日、四国のおへそ、徳島県三好市阿波池田にオープンした
マチの交流施設、交流拠点施設〈真鍋屋〉(愛称MINDE)。
併設されている〈野菜おかずビュッフェとおやつカフェの店『MINDEキッチン』〉は、
地域の食の課題に取り組むまちの食堂です。

交流拠点施設〈真鍋屋〉

交流拠点施設〈真鍋屋〉

MINDEキッチン内観

MINDEキッチンでのイベントの様子

MINDEキッチン

“生涯活躍のまち”構想を総合戦略に盛り込んでいる三好市。
ここは、食を軸とした交流の場づくりだけではなく、
糖尿病死亡率ワースト、小中学生の肥満率が高く、
野菜摂取量が不足しているという徳島県の「食の課題」に取り組む場所。
地域の名産・特産物を楽しめるフードを提供しています。

MINDEキッチンに並ぶ数々の料理

MINDEキッチンに並ぶ数々の料理

MINDEキッチンに並ぶ数々の料理

MINDEキッチンは、11:00~14:00のランチと、
14:00~18:00のカフェの2部構成。

ランチでは、地元の新鮮な野菜を使用した野菜おかずを、
ブッフェでたっぷり食べていただくスタイルで提供。
野菜ジュニアソムリエ資格を持つ店長、薬膳インストラクター資格を
持つマネージャーが旬野菜使用の栄養バランスに配慮したメニューを考案します。

MINDEキッチン・野菜おかずビュッフェランチ

もちろん食材は、地元の食材を積極的に使用。
地元農家とつながり、鮮度のいい野菜を利用するほか、
余剰野菜や規格外野菜なども有効活用して、
地域住民にも地元農作物を身近に感じるきっかけを作っていきます。
地元のお茶、地元のかんきつ果汁を使用したメニューや、
祖谷そばやそば米汁など郷土の味も提供予定です。

鎌倉資本主義って何!?
〈面白法人カヤック〉
代表・柳澤大輔さんが考える、
企業がまちにできること

鎌倉から考えるローカルの未来

長い歴史と独自の文化を持ち、豊かな自然にも恵まれた日本を代表する観光地・鎌倉。

年間2000万人を超える観光客から、鎌倉生まれ鎌倉育ちの地元民、
そして、この土地や人の魅力に惹かれ、移り住んできた人たちが
交差するこのまちにじっくり目を向けてみると、
ほかのどこにもないユニークなコミュニティや暮らしのカタチが見えてくる。

東京と鎌倉を行き来しながら働き、暮らす人、
移動販売からスタートし、自らのお店を構えるに至った飲食店のオーナー、
都市生活から田舎暮らしへの中継地点として、この地に居を移す人etc……。

その暮らし方、働き方は千差万別でも、彼らに共通するのは、
いまある暮らしや仕事をより豊かなものにするために、
あるいは、持続可能なライフスタイルやコミュニティを実現するために、
自分たちなりの模索を続ける、貪欲でありマイペースな姿勢だ。

そんな鎌倉の人たちのしなやかなライフスタイル、ワークスタイルにフォーカスし、
これからの地域との関わり方を考えるためのヒントを探していく。

「裏駅」と呼ばれる鎌倉駅西口から広がる御成通り。観光客で賑わう小町通りなどとは対象的な落ち着いた雰囲気の商店街の中に、カヤックのオフィスや〈まちの社員食堂〉がある。

「裏駅」と呼ばれる鎌倉駅西口から広がる御成通り。観光客で賑わう小町通りなどとは対象的な落ち着いた雰囲気の商店街の中に、カヤックのオフィスや〈まちの社員食堂〉がある。

まちと企業の関係を更新する

以前にコロカルでも紹介された「カマコン」は、
鎌倉に拠点を置くIT企業の有志たちによって立ち上げられた
地域活性のプラットフォームだ。

2013年に始まったこの取り組みは、いまやIT企業の枠を超え、
多くの参加企業、会員を抱えるまでに成長し、
そのユニークな取り組みは、全国30を超える地域に派生している。

このカマコンの立ち上げにあたり、中心的役割を担ったのが、
〈面白法人カヤック〉の代表・柳澤大輔さんだ。

カヤックをはじめ鎌倉に拠点を置くIT企業の有志によってスタートしたカマコン。毎月行われる定例会では、市民たちがまちに関わるさまざまなプロジェクトのアイデアをプレゼンテーションしている。(写真提供:カマコン)

カヤックをはじめ鎌倉に拠点を置くIT企業の有志によってスタートしたカマコン。毎月行われる定例会では、市民たちがまちに関わるさまざまなプロジェクトのアイデアをプレゼンテーションしている。(写真提供:カマコン)

ゲーム、広告、Webサービスなどの分野でユニークなコンテンツを制作するともに、
サイコロによって給与が変わる「サイコロ給」や、
全国を移動するバスの中で行う「旅する会社説明会」などの取り組みでも
話題を集めてきた同社は、2014年に上場を果たし、
いまや日本を代表するIT企業のひとつだ。

そんなカヤックは創業以来、先に触れたカマコンのみならず、
鎌倉のまちとの関わりを一貫して大切にしてきた企業でもある。

クラウドファンディングで資金の一部を集めた第69回鎌倉花火大会。カヤックが制作した特設サイトでは、クラウドファンディングに参加したユーザーたちのメッセージが、花火のように打ち上げられるという粋な趣向が凝らされた。(画像提供:カヤック)

クラウドファンディングで資金の一部を集めた第69回鎌倉花火大会。カヤックが制作した特設サイトでは、クラウドファンディングに参加したユーザーたちのメッセージが、花火のように打ち上げられるという粋な趣向が凝らされた。(画像提供:カヤック)

近年では、一旦中止が決まった2017年の鎌倉花火大会において、
市民主導による実行委員会の立ち上げに関わり、
「復活開催」の実現に大きく寄与するなど、時に地域企業の代表として、
時に一市民としてまちに関わってきた柳澤さんは、
2017年に「鎌倉資本主義」という新しい概念を提唱。

そして2018年4月には、〈まちの社員食堂〉
〈まちの保育園 かまくら〉をオープンするなど、地域活動を加速させている。

ステレオタイプな企業の地域貢献活動とは一線を画し、
まちと企業の関係性を更新するカヤックの取り組みについて聞くために、
鎌倉中心部にオープンした、まちの社員食堂と、まちの保育園 かまくらを取材した。

鎌倉駅からほど近い本覚寺に隣接する民家をリノベーションしてつくられた〈まちの保育園 かまくら〉。(写真提供:加藤忠雄/株式会社ウェイ)

鎌倉駅からほど近い本覚寺に隣接する民家をリノベーションしてつくられた〈まちの保育園 かまくら〉。(写真提供:加藤忠雄/株式会社ウェイ)

〈瀬長島 海風朝市〉 沖縄のアイランドリゾート にて“つながる×よろこぶ ×おいしい”朝市を開催!

毎月第4日曜日、沖縄県にある〈瀬長島ウミカジテラス〉にて、
「つながる×よろこぶ×おいしい朝市」をテーマに
〈瀬長島 海風朝市〉が開催されています。

これは〈WBFリゾート沖縄〉が協賛するマーケットイベント。
地元の人たちと瀬長島を盛り上げたいという思いから、
2017年12月より開催しています。

瀬長島 海風朝市 イメージビジュアル

瀬長島ウミカジテラスは、2015年夏に誕生したアイランドリゾート。
那覇空港から車で約15分の瀬長島西海岸に隣接した傾斜地に展開しています。
ウミカジテラスには、沖縄そばやダイビングショップなどのお店がたくさん。
沖縄ならではのお店と絶好のロケーションが融合する新しいスポットです。

瀬長島 海風朝市 会場の様子

瀬長島 海風朝市には地元の生産者さんやレストラン、作家の方などが出店

瀬長島 海風朝市には地元の生産者さんやレストラン、作家の方などが出店。

今年は「つながる」をキーワードに、出店者同士の
コラボレーションによる「朝市限定オリジナルメニュー」を提供しています。

地元の生産者とお客さんがおいしいものを通してつながり、
皆が楽しくなる気持ちいい空間を目指していているのだとか。

全国86位の温泉地が
“トップ10”を目指す。
その計画に示された、
まちづくりの6要素とは?

トップ10入りは決して夢物語ではない!

「人気温泉地ランキングで全国トップ10を目指しましょう。
今は86位でも、長門湯本のよさを表現した温泉街を
みなさんとつくることができたら、
トップ10入りは決して無理ではないと考えます」

2016年6月に開かれた「長門湯本温泉マスタープランの策定に関わる最終報告会」で、
星野リゾートの代表・星野佳路さんは地域住民に説明を始めた。
山口県長門市が星野リゾートと協同して
〈長門湯本温泉観光まちづくり計画〉を行っていることは、
前回紹介した通りだ。

星野リゾートは市から委託を受けて、
そのベースとなるマスタープランを半年の調査を経て策定。その発表を星野さんは続ける。
「マスタープランはすべてがトップ10に貢献する内容で、それ以外のことは揃えていません。
温泉街再生に必要な要素として6項目をあげていますが、
『これはダメだ、この項目は嫌だ』ということになると、順位を落とすことになります。
みなさんの協力ですべて妥協せずにできたら、
私たちはトップ10に必ずや入れるはずです」

最終報告会には地元住民や旅館関係者など約100人が参加。

最終報告会には地元住民や旅館関係者など約100人が参加。

〈温泉街再生に必要な6つの要素〉としてあげられたのが、
1.外湯 2.食べ歩き 3.文化体験 4.回遊性 5.絵になる場所 6.休む佇む空間 だ。
これまでのホテル運営経験や知見を生かし、
また全国の人気温泉地を調査して、導き出したものだという。

この時、人気温泉地として紹介された上位15位は以下である
(観光経済新聞社『にっぽんの温泉100選 2015』発表)。
1位から草津温泉(群馬県)、由布院温泉(大分県)、下呂温泉(岐阜県)、
別府温泉(大分県)、有馬温泉(兵庫県)、登別温泉(北海道)、
黒川温泉(熊本県)、指宿温泉(鹿児島県)、道後温泉(愛媛県)、
10位は城崎温泉(兵庫県)。11位は高山温泉(岐阜県)、
箱根温泉郷(神奈川県)、和倉温泉(石川県)、伊香保温泉(群馬県)、
15位は玉造温泉(島根県)

不動の1位は群馬県草津温泉。湯畑広場を中心とする温泉街。

不動の1位は群馬県草津温泉。湯畑広場を中心とする温泉街。

人気温泉地は大きく以下の3つのタイプに分けられるといい、
1.自然から与えられた資源で人が集まる
2.すぐにつくれない歴史遺産で人が集まる
3.自然を生かしながら魅力的な温泉街で人を集める

長門湯本温泉はタイプ3の
「自然を生かしながら魅力的な温泉街で人を集める」にあてはまり、
そのよさを見直したうえで温泉街をリノベーションしていこうという
戦略の方向性が示された。

東北随一の美の殿堂、 築59年の朽ちかけたキャバレー 〈白ばら〉 救ったのは クラウドファンディングでした。

酒田の夜はこれからもにぎやかに! 
山形県酒田市にある、〈Night Spot 白ばら〉。
築59年、朽ちかけたキャバレーがクラウドファウンディングで
華麗に復活したレンタルホールです。

今どきの人だとちょっと想像しづらいかも知れません。
ショーを見ながらお酒を飲む。
例えば、赤坂のミカド……これも35年前になくなっているそうで、
有楽町日劇……。ギリギリわかってもらえそうなのは宝塚のイメージでしょうか?

東京でもかなり華やかな時代がありました。
日劇でレビューを見た親御さんはまだいらっしゃるのではないかしら? 
そんな華やかな世界が東北にもあったのです。

往年の姿はキャバレーの写真集の中でも紹介された。

往年の姿はキャバレーの写真集の中でも紹介された。

「白ばら」は1958年(昭和33年)、山形県の日本海側、港町・酒田市に創業し、
昭和文化円熟の時代に連日連夜満員御礼を記録したグランドキャバレーです。
そんな「白ばら」も、著しい老朽化と遠のく客足に、とうとう閉店という
苦しい選択を余儀なくされました。
2年半前の12月……その悲報はYahooニュースのトップにも報じられたそうです。
このころ、札幌のクラブが閉店してしまったために、
この白ばらが日本最北の現役キャバレーとなっていたのに、です。

かなり老朽化が進んだ白ばらの外観。

かなり老朽化が進んだ白ばらの外観。

閉店する2年前、現オーナーとなる佐藤仁さんと
酒田市出身の上々颱風(しゃんしゃんたいふーん)ヴォーカル・白崎映美さんが
朽ち果てた建物に潜入。どうなっているのか、ただの怖いもの見たさでした。
眼前に広がっていたのは華やかな南国の世界。
椰子の木が生い茂り、きらびやかな電飾に飾られたステージが目に飛び込んできて思わず息を飲み込みました。

ヤシの木も茂り、豪華な内装。

ヤシの木も茂り、豪華な内装。

天井は高く、アールデコ調のシャンデリア。
ソファーは滑らかなビロード張り、格を感じさせる重厚な空間。
交通の便も悪い東北の地方都市だからこそ細々と存在し続けてきた、
昭和の大衆文化遺産だったのです。

すべてが昭和の艶めかしさを色濃く残し、様々な人生劇場が繰り広げられてきたのだろう、
というここに1歩足を踏み入れた佐藤さんと白崎さんは、
このオーラをまとった重厚な空間の虜になってしまったのです。
しかし、この店がもうすぐ閉店するという話しもあり。
どうにかして存続させよう、どうしたらいいだろう? 
と悩む日々が続きました。

歌手の白崎映美さんによる伝説のキャバレーナイトショー

歌手の白崎映美さんによる伝説のキャバレーナイトショー

佐藤さんは、白ばら未経験者を誘ってはファンを増やし育てる活動を始めました。
白崎さんは地元新聞で担当していたコラムのコーナーで「白ばら」を
守ることの大切さを執拗に(笑)宣伝したり、
テレビでも紹介されたりといったメディアの協力もあり、
ようやく「白ばら」の存在の希少性が地元山形で認知され始めました。
彼女が熱演する伝説のキャバレーナイトショーも実現しました。

が、そんな努力も虚しく経営難は解消されず閉店を迎えたのでした。
それでも諦めないで残そうと考えぬき、レンタルホール、貸しライブ会場として
どうにか維持費を捻出していこう、と佐藤さん達有志は進み始めました。

弘前城本丸が舞台! ダンス&パフォーマンス フェスティバル 〈SHIROFES.2018〉開催!

2018年7月1日(日)青森県弘前市にて、昨年7,000人を動員した
弘前ダンス&パフォーマンスフェスティバル〈SHIROFES.2018〉が開催! 
会場は、弘前城本丸です!

弘前城本丸が大観衆で埋め尽くされたSHIROFES.2016 (C)YASUTOMO OHSAWA (GLEAMWORKS)

弘前城本丸が大観衆で埋め尽くされたSHIROFES.2016 (C)YASUTOMO OHSAWA (GLEAMWORKS)

〈SHIROFES.2018〉は、弘前城をロケーションに、
ダンス・音楽・アートなどが繰り広げられるフェスティバル。
まずダンスは、エクストリームアスリートのショーやダンスのアジア大会、ダンスショー。
音楽は、ライブやプロジェクションマッピング。
そのほかにも、ゲームコーナーやライブアートなど、コンテンツが盛りだくさんです。

エクストリームアスリートのショーに出演するのは、
バスケ・音楽・ダンスが融合された競技、フリースタイル・バスケットボール界において、
世界トップレベルへの実力を持つBUG!?と、
世界チャンピオンにも輝いた日本を代表する
フリースタイル・フットボーラーの徳田耕太郎。
界最高峰のアスリート2人のパフォーマンスは必見です。

BUG!?(フリースタイル・バスケットボール)

BUG!?(フリースタイル・バスケットボール)

徳田耕太郎(フリースタイル・フットボール)

徳田耕太郎(フリースタイル・バスケットボール)

そしてダンスでは、2016年から始まったPOPダンスの世界大会、
“POP 1on1 BATTLE SAMURAI”のアジア代表決定戦が開催。
アジアから集まった最強のダンサー8名により、今年も熱い戦いが繰り広げられます。

SHIROFES.2017内で開催されたPOP 1on1 BATTLE SAMURAI (C) Jason Halayko

SHIROFES.2017内で開催されたPOP 1on1 BATTLE SAMURAI (C) Jason Halayko

ほかにも音楽ライブやダンスショー、ダンスバトル、
ご当地キャラとのふれあいコーナーやフードコート、
キッズスペースなど、様々な催し物が盛りだくさん!

太い筆を使って大きな用紙に作品を書き上げる書道パフォーマンス

太い筆を使って大きな用紙に作品を書き上げる書道パフォーマンス。

市内の学生やキッズダンサーたちのダンスショー

市内の学生やキッズダンサーたちのダンスショー。

弘前城本丸にたくさんのブースが立ち並ぶ

弘前城本丸にたくさんのブースが立ち並びます!

ステージ上では多数の音楽ライブが見られる

ステージ上では多数の音楽ライブが見られます。

復興の架け橋に! 福島の青年50名による 〈福島青年管弦楽団〉 が東京公演を開催

福島の中学生〜大学生約50名によって結成された
青年オーケストラ〈福島青年管弦楽団〉が、
2018年8月6日(月)に東京のサントリーホールで公演を行います。

〈福島青年管弦楽団〉の誕生は、2011年の東日本大震災の後の福島。
英国の国際音楽チャリティ団体〈キーズオブチェンジ〉と
福島の学校数校のパートナーシップにより生まれました。

ヴィオラ奏者

ヴィオラ奏者

〈キーズオブチェンジ〉は、世界的に活躍するピアニストの
パノス・カラン氏よって設立。「音楽は世界をより素敵な場所にする」と
いう信念のもと、音楽教育やクラシック音楽のライブ演奏を通じて、
青少年の成長を目指し活動しています。

当初は、被災した子どもたちに希望を届ける目的で設立されたものの、
誕生から5年間、〈キーズオブチェンジ〉をはじめ、
日本フィルハーモニー交響楽団や指揮者・本名徹次氏の指導を受け、
楽団は急速な成長を重ねます。

福島市蓬莱中学校でのパノスと子どもたちの出会い

福島市蓬莱中学校でのパノスと子どもたちの出会い

2014年にはロンドンクイーンエリザベスホール、翌2015年には東京オペラシティで、
美智子皇后陛下の御前でコンサートを行うなど、
地元福島はもちろん公演の度に世界各地で大喝采を受けるまでに。

東京オペラシティ コンサートホールにて美智子皇后様の御前で演奏(2015年8月)

東京オペラシティ コンサートホールにて美智子皇后様の御前で演奏(2015年8月)

〈福島青年管弦楽団〉の団員たちは各地で素晴らしい公演を重ねながら、
福島が元気でクリエイティブな若者に溢れていることや、
音楽を通じて学び成長していることなど、前向きな復興のメッセージを伝えていました。

コントラバス奏者

コントラバス奏者

また、団員の子どもたちのみならず、保護者や教員など関わる
福島の大人たちにとっても〈福島青年管弦楽団〉の
活動が復興の光となっていきました。

さて、今回の公演タイトルは「ふくしまの子どもたちが奏でる
愁いと希望のチャイコフスキー 世界中に復興の響きを!福島青年管弦楽団コンサート」。

〈バリューブックス〉が贈る 移動式本屋〈BOOK BUS〉 北上中! 次は岩手へ

1日に1軒のペースで街から本屋がなくなり、
本屋のない自治体は全国で1/5に達すると言われています。
そんな実態に一石を投じるため、インターネットを中⼼に
古本の買取・販売を⾏う〈バリューブックス〉が、移動式本屋
〈BOOK BUS by Value Books〉(ブックバス)プロジェクトを開始しました!
現在、秋田〜岩手を巡るツアーを開催中です。

〈BOOK BUS by Value Books〉

〈BOOK BUS by Value Books〉車内の様子

BOOK BUS in 秋田

BOOK BUS in 秋田

バリューブックスのサービスは、日々全国から本を買い取り、全国に本を送ること。
それは確かに便利かもしれませんが、たくさんの本に実際に触れる経験がなければ、
どんな本を読みたいのか気づく機会もなくなってしまう……そんな思いから、
バスを走らせることにしたそうです。

BOOK BUS by Value Books 会場となった「道の駅おがち」

BOOK BUS by Value Books 会場となった「道の駅おがち」

BOOK BUS

(c) BOOK BUS by Value Books/「ゆざわグリーンマルシェ」実⾏委員、出店者、協⼒者のみなさんと。会場となった「道の駅おがち」にて

2018年6⽉2⽇には秋田県湯沢市の珈琲・雑貨舎〈重右衛⾨〉、
6⽉3⽇には、同市内の〈道の駅おがち〉で開催された
〈ゆざわグリーンマルシェ〉に出店しました。

湯沢市出身で、バリューブックスの社員でもある加藤計史さんと奥様のゆりなさんが、
地元を活気づけたい、ご家族に計史さんの仕事を見せてあげたいとの思いのもと、
湯沢市役所やマルシェ運営者の協力を得て、ブックバスを湯沢市に呼ぶことを企画しました。
地元出身者が企画したということもあり、当日は地元の方々を中心に多くの方が来場し、
にぎわいを見せたそうです。

自由度の高い無人島! 和歌山県有田市沖の地ノ島に キャンプ場&イベントフィールドが オープン

和歌山県有田市沖にある無人島「地ノ島」に、
自然体験が楽しめるキャンプ場兼イベントフィールドがオープン! 
2018年6月4日~7月16日のプレオープン期間は、
1日1組限定で1日貸切5万円~にて、フィールドを提供します。

島へは渡船サービスを利用してアクセス

島へは渡船サービスを利用してアクセス

地ノ島は、東京ドーム10個分、ディズニーランドの半分くらいの大きさの島。
和歌山NO.1とも言われる透き通った海に、
知る人ぞ知る、手つかずの全長500メートルにもわたる広いビーチがあります。
小高い丘を登れば四方に海が広がり、そこから見る夕陽はまさに絶景! 
かつては人が住んでいた歴史もある、居心地の良い過ごしやすい島です。

海岸線でのキャンプの様子

海岸線でのキャンプの様子を上空から撮影

海岸線でのキャンプの様子

なんといっても利点は、日本全国有数のアクセスの良さを誇る
“自由度の高い無人島”だということ。
最寄駅のJR紀勢本線「初島駅」より無人島直結の初島港までは徒歩7分、
初島港から無人島まで船で7分。関西国際空港より1時間強、
大阪・天王寺駅より1時間強でアクセスが可能と、関西からのアクセスは抜群。
これまでにも、さまざまなイベントが行われてきました。

これが“最後のチャンス”
かもしれない……
危機を迎える長門湯本温泉が
選んだ道とは?

社会実験を通して温泉街の将来像を共有

温泉街をリノベーションするという、新たな取り組みで注目を集める温泉地がある。
山口県で最古の歴史を誇る長門湯本(ながとゆもと)温泉(長門市)だ。
日本海の幸をはじめ食の魅力は高く、観光地の萩に近いことなどから、
団体旅行ブームにのって活況を呈した。

しかし旅のニーズを捉えきれず、最盛期から徐々に客足が落ち込み、
ついに創業150年の老舗ホテルが負債を抱えて廃業。
このできごとに地域の緊張感は一気に高まり、
負の連鎖を止める“最後のチャンス”として長門市は大きな挑戦に出た。
市が予算を投じて再生総合戦略を掲げ、
そのパートナーに星野リゾートを選んだのだ。
こうして官民連携の壮大なプロジェクトが始まった。

住民説明会では温泉街の将来像をイラストや模型で紹介。

住民説明会では温泉街の将来像をイラストや模型で紹介。

2017年9〜10月に長門湯本温泉で社会実験
〈長門湯本みらいプロジェクト〉が実施された。
その舞台となった温泉街の店主たちは、
「これほどたくさんの人が通りを歩いてくれるなんて。
にぎやかだった昔を思い出して感動しました」と、喜びを口にした。

主催メンバーである旅館の若旦那や行政職員は、
「協力してくださるみなさんが最高で、
“まちづくりは楽しい”と本気で思えました」と、その時を振り返る。

この社会実験は、2016年8月に長門市で策定された
「長門湯本温泉観光まちづくり計画」を基に進められたものだ。
温泉街の再生に向けて、3つの大きな調査
(①河川空間の活用 ②交通再編による道路・空地空間活用 ③照明改善)が行われた。

温泉街を流れる川には昔“置き座”と呼び親しまれた川床を設置したり、
県内から飲食店やものづくりの事業者を集めたり、
夜の温泉街を効果的にライトアップして散策を促したり……。
住民や旅行者をはじめ、参加者全員が地域を五感で体感しながら、
魅力と課題を共有する機会となった。

2018年4月1日の長門温泉まつりは満開の桜に恵まれた。

2018年4月1日の長門温泉まつりは満開の桜に恵まれた。

先にもあげたが、
長門湯本温泉と言えば「山口県最古の温泉」と紹介される有名温泉地である。
山口宇部空港からは車で1時間ほど。長門市は北に日本海が広がり、
南には中国山地が連なり、東には幕末の歴史遺産が豊富な萩市が隣接するなど、
多様な観光スポットがある。

長門市の人口は約3万5000人。市の中心部から車で10分ほどの山間部に、
長門湯本温泉はある。
水清らかな音信(おとずれ)川のほとりに、大小12軒の温泉旅館が点在。
公衆浴場の〈恩湯(おんとう)〉(現在休館中)と〈礼湯(れいとう)〉を中心に、
温泉街が四季の彩りのなかでのんびりと広がる。

老朽化で解体の恩湯は、昭和レトロ感がただよう公衆浴場だった。

老朽化で解体の恩湯は、昭和レトロ感がただよう公衆浴場だった。

開湯は室町時代の1427年。〈恩湯〉敷地内から湧く温泉は、
江戸時代には長州藩のお殿様も贔屓にした名湯だ。
泉質はアルカリ性単純温泉で、
肌触りが優しく赤ちゃんから年配の方まで愛される。
かつては農閑期の湯治客に、近年は観光客を主として利用され、
最盛期の1983年には約39万人の宿泊客を数えた。

その温泉地が窮地に追い込まれ、再生に取り組んでいる。
原因はどこにあるのだろうか。

『ローカルメディアの仕事術』 メディアのつくり手も まちおこしに携わる人も 必読の書、発刊!

2018年5月、書籍『ローカルメディアの仕事術ー人と地域をつなぐ8つのメソッド』が刊行されました。
編著者は『ローカルメディアのつくりかた』などの著作で知られる影山裕樹さん。
寄稿者は、幅允孝さん、多田智美さん、原田祐馬さん、
原田一博さん、成田希さん、小松理虔さん、山崎亮さん。

本書では、各分野のプロフェッショナルが自らの仕事術について語っています。
たとえばブックディレクターの幅允孝さんは「プロデュース術」を、
編集者の多田智美さんは「チームづくり」を、
アートディレクターの原田祐馬さんは「デザインの方法」を、
コミュニティデザイナーの山崎亮さんは「写真の撮り方」を。

書籍『ローカルメディアの仕事術』中ページ

『ローカルメディアの仕事術』

プロデュースから編集、チームづくり、デザイン、ウェブサイト運営、
取材&インタビュー、文章の書き方、写真の撮り方まで、
メディアづくりに必要なことが実例とともに紹介されています。
また、地域の課題にどうやってアプローチしていったらいいのかという
テーマにもふれているので、地域おこしに携わる方にもおすすめの一冊です。

なぜローカルメディアをつくるのか?

影山さんは数多のローカルメディアを見てきた経験から、
それぞれのメディアの目標が「地域の課題を解決すること」や、
「売り上げをのばすこと」など、バラバラであることに気づいたといいます。

それから「ローカルメディアとは何か」「一体どこにゴールを見定め、
地域にふさわしいメディアをつくっていけばいいのか」ということにフォーカスを絞り、
ローカルメディアへの取材を重ねてきました。

第1章では「あなたのゴールはどこにありますか?」と問いかけながら、
メディアの必要性を明確にすることの大切さについて書かれています。
これからメディアをつくりたいと思っている方は、
この章を読むだけでもコンセプトが明確になっていくかもしれません。

岩手県一関市〈松栄堂〉
100年以上続く老舗が、
地元産素材を和菓子に使う理由

岩手に来たことがある人なら一度は見たことのあるはずの
銘菓〈田むらの梅〉、〈ごま摺り団子〉。
もしくは、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのファンなら
ご存知「ごま蜜だんご」。
これらはすべて、岩手県一関市に拠点を置く老舗和菓子店〈松栄堂〉が
100年以上かけて生み出しだてきたお菓子だ。

全一関市民が知っていると言っても過言ではない、
地元で人気のお土産物の秘密を、同社社長の小野寺宏眞さんにうかがった。

代表取締役社長の小野寺宏眞さん。会計事務所出身、ユーモアと芯の強さが同居するアラフォー経営者だ。

代表取締役社長の小野寺宏眞さん。会計事務所出身、ユーモアと芯の強さが同居するアラフォー経営者だ。

変わらないもの、変わるもの

一関市中心部の地主町。古い蔵が建ち並び、雰囲気のある〈世嬉の一酒造〉や
ジャズ喫茶〈ベイシー〉が建ち並ぶ、一関きっての歴史を誇る商人のまちに、
松栄堂総本店はある。

創業は明治36年、今年115周年を迎えた。
初代の小野寺主馬蔵(しゅめぞう)氏が菓子屋として店を構えて以来、
ずっとこの地に根づいてきた。

昭和30~40年代頃の松栄堂総本店を写した懐かしい写真。

昭和30~40年代頃の松栄堂総本店を写した懐かしい写真。

蔵に飾られていた、昔使っていたという菓子木型。

蔵に飾られていた、昔使っていたという菓子木型。

「伝統を大切にしつつも、時代に合わせて常に変わり続けることで、
松栄堂はこれまで商売を続けてこられました。
北東北有数の米どころで独特のもち文化が残る一関市、
平泉町の素材にこだわりながら、米を原材料とした和菓子づくりを基本に、
創業のこの場所でその時々のニーズに合う商品をつくってきました」

そう教えてくれたのは、現在5代目を継ぐ小野寺宏眞さんだ。

初代~2代目の時代に同社初の看板商品〈田むらの梅〉を、
3代目~4代目の時代にはヒット商品となった〈ごま摺り団子〉を、
そして現在に至る4代目~5代目の時代には〈平泉 黄金餅〉を開発。
世代を超えて親しまれる市民スイーツ&定番お土産物として定着させてきた。

代々、愛されてきた味

発売から70年超の、長く愛される一関銘菓〈田むらの梅〉。

発売から70年超の、長く愛される一関銘菓〈田むらの梅〉。

「まずは〈田むらの梅〉。
大正時代に一関藩主だった田村家の子孫からの依頼を受け、
梅をこよなく愛したという初代藩主にちなんでつくられた、
梅の果肉を練りこんだ白餡を求肥と青紫蘇で包んだ甘い和菓子。
特に年配の方にファンが多く、茶菓子としても好まれています」

青紫蘇で包まれたもちもちの求肥の中にはほんのり梅が香る白餡が。それぞれの素材の味が生かされた上品なおいしさ。

青紫蘇で包まれたもちもちの求肥の中にはほんのり梅が香る白餡が。それぞれの素材の味が生かされた上品なおいしさ。

「昭和のバブル期に生まれた〈ごま摺り団子〉は、
香ばしいごま摺り蜜を団子で包んだ、“ぷにゅチュル”な独特の食感が楽しい。
『ジョジョの奇妙な冒険』の主人公、定助の好物で、
彼は『プチュウゥッ』と楽しんでいましたが」

バブル期には企業戦士の仕事用の贈答用「ごますり」ツールとして爆発的にヒットした〈ごま摺り団子〉。絶妙なネーミングだ。ちなみに一関地域の家庭では、ごま餡でもちを食べることも多い。

バブル期には企業戦士の仕事用の贈答用「ごますり」ツールとして爆発的にヒットした〈ごま摺り団子〉。絶妙なネーミングだ。ちなみに一関地域の家庭では、ごま餡でもちを食べることも多い。

「そして〈平泉 黄金餅〉。“小金持ち”ではありません(笑)。
“もち文化”と“黄金文化”をキーワードに、昨年平泉町と共同開発した新しいもち菓子。
ふんだんに使った金ごまの濃厚な味わいが特徴で、
インバウンド客など外国人にも人気が高い商品です。
それぞれ開発された時代も趣向もターゲットも違いますが、
できるだけ地元の素材を使いながら地元の文化を守り、
発信していきたいという思いは共通しています」

地主町の本店には、不動の人気を誇る〈ごま摺り団子〉と新商品〈平泉 黄金餅〉が並ぶ。

地主町の本店には、不動の人気を誇る〈ごま摺り団子〉と新商品〈平泉 黄金餅〉が並ぶ。