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posted:2016.7.22 from:全国 genre:活性化と創生
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
新しい温泉地文学『城崎裁判』、
お年寄りが毎月楽しみに待つ『みやぎシルバーネット』、
福岡にある宅老所のおもしろ雑誌『ヨレヨレ』、
食材つき情報誌『食べる通信』。
日本のローカルには、地域に愛されてきたフリーペーパーから
新しいかたちの読みものまで、いろんな「ローカルメディア」があります。
2016年6月に発刊された書籍『ローカルメディアのつくりかた』では、
そんなローカルメディアを「観察力×コミュニケーション能力」
「本・雑誌の新しいかたち×届けかた」
「地域の人×よそ者」という3つの章立てで紹介しています。
『城崎裁判』は、志賀直哉来湯100年を機に立ち上げられた出版レーベル
〈NPO法人 本と温泉〉から出版されたもの。
小説家の万城目学さんが城崎の旅館に滞在して書いた書き下ろし作品です。
この本には耐水性の高い紙を使っているので、
温泉につかりながら読めるのだとか。
長嶋りかこさんによるデザインも爽やかです。
『ローカルメディアのつくりかた』の著者は、
編集者、プロジェクト・エディターの影山裕樹さん。
影山さんは行政や企業、出版社など、
さまざまな思惑が交錯するセクターと協働し、メディアをつくってきた経験から
ローカルメディアの本当の価値に気づいたといいます。
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東京を拠点とする影山さんは、ローカルメディアを手にとってみると
予想以上におもしろいものが多く、メディアや編集のフィールドが
東京から地方へと広がりつつあるように感じたといいます。
とりわけ興味をひかれたのは、それらが自己表現のツールにとどまらず、
地域の人たちがつながるためのメディアであるということ。
「ローカルメディアの本当の価値は、できあがったものそのものよりも、
つくるプロセスがどれほど豊かであったか、ということに尽きると思う」
「そのプロセスを豊かなものにするために、ローカルメディアのつくり手たちは、
コンテンツ、デザイン、読者とのコミュニケーションなどさまざまな面で工夫している」
「今後、地元で本や雑誌をつくって地域の情報発信や交流に関わりたい人々や、
自治体の地域振興を考える担当者、
地元企業の経営者や広報部の人々のヒントになれば幸いである」
『ローカルメディアのつくりかた』プロローグより
ローカルメディアのいまに興味があるという方は、
ぜひ各地で開催されるイベントへ。
7月24日(日)は京都〈ホホホ座〉にて
影山さん、雑誌『kalas』発行人の西屋真司さんによる対談、
8月6日(土)は大阪〈スタンダードブックストア〉にて
影山さんと本書のデザイナーである原田祐馬さんによる対談、
7月28日(木)は東京〈devcafe@INFOCITY〉にて、
〈本と温泉〉の設立に関わった田口幹也さんらが登壇するセミナーが開催されます。
イベントの申し込みについてはこちらから!
ローカルメディアには、コミュニティ創出やメディアづくりのヒントが詰まっています。
ぜひチェックしてみてくださいね。
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