〈地域おこし協力隊〉の皆さんへ! コロカルの連載に参加しませんか?

全国の〈地域おこし協力隊〉の皆さんから
地域のヒト、モノ、コトについて文章と写真を募り、
紹介する連載〈このまちのくらしとけしき〉

あなたも、まちの“くらし”と“けしき”を紹介してみませんか?
協力隊としての活動内容、日々のアレコレ、行事に祭事、衣食住。
毎月コロカル編集部から出すテーマに沿って、執筆していただける方を募集します。

以下の内容を、contact@colocal.jp 宛に、
件名を【地域おこし協力隊ライター希望】としてお送りください。

【応募要項】

1:プロフィール

2:ご利用のSNSやブログのURL

3:このまちのくらしとけしきで書いてみたいテーマ

(3は必須ではありません)

※〈地域おこし協力隊〉の方に限ります。

※地域の制限はありません。

※採用の際には、原稿料をお支払い致します。

採用された方には、このまちのくらしとけしきへの寄稿のほか、
編集部より、ほかの連載のお仕事を依頼させていただく場合があります。

締め切りは2019年12月15日(日)となります。
ご応募、お待ちしております!

〈赤磐サンクスギビングARTデイ〉 西日本初の本格的な イングリッシュガーデンで、 「ありがとう」の気持ちを伝えよう

春先の〈熊山英国庭園〉。

「ありがとう」と共にある〈赤磐サンクスギビングARTデイ〉

11月23日(土)、24日(日)に岡山県の赤磐市で
〈赤磐サンクスギビングARTデイ〉が開催されます!

舞台となるのは、西日本初の本格的な
イングリッシュガーデンとして知られる〈熊山英国庭園〉。
かつては子どもたちの声でにぎやかだった小学校が廃校になった際、
地域の人たちの力で美しい花々の溢れる庭園として再生した施設です。

1年を通してさまざまな花が庭園を彩りますが、毎年11月ごろは冬支度で寂しい雰囲気になっていました。

1年を通してさまざまな花が庭園を彩りますが、毎年11月ごろは冬支度で寂しい雰囲気になっていました。

今回のアートイベントは、冬支度で花の咲かないこの季節に、
人の心で感謝の花を咲かせようと企画されたもの。
「ありがとう」の気持ちと一緒につくる2日間をテーマに、
さまざまな企画が催されます。

ライブペイントパフォーマンス。11月23日(土)10:00~15:00。観覧無料。

ライブペイントパフォーマンス。11月23日(土)10:00~15:00。観覧無料。

おすすめは、愛知県名古屋市在住のアーティスト・ニシムラマホさんによる
「ライブペイントパフォーマンス」。
長さ約5メートルの巨大なキャンバスに、新進気鋭のアーティストが鮮やかな花々を描きます。
イメージの連鎖反応を描き留めることで彼女が生み出す、
有機的な世界をぜひ直に感じてみて。

コミュニティガーデンプランナーの橋詰さんは、トークショーと寄せ植えのワークショップを開催。

コミュニティガーデンプランナーの橋詰さんは、トークショーと寄せ植えのワークショップを開催。

また、24日にはコミュニティガーデンプランナーの橋詰敦夫さんによる
トークショー「植物の遊び方」も開催。
日本古来の植物の活用法を現代的にアレンジし、
暮らしを豊かにするための「知恵と遊び」をレクチャーしてくれます。

アロマワックスバーづくり。11月23日(土)随時開催。参加費500円(税込)。

アロマワックスバーづくり。11月23日(土)随時開催。参加費500円(税込)。

レジンアクセサリーづくり。11月24日(日)随時開催。参加費500円(税込)。

レジンアクセサリーづくり。11月24日(日)随時開催。参加費500円(税込)。

その他、〈熊山英国庭園〉で採取しドライにした草花を使う、
アロマワックスバーづくりやレジンアクセサリーづくりなどのワークショップも充実。
パン屋〈まきストーブ〉などのフードや物販もお見逃しなく。

〈NIPPONIA 小菅 源流の村〉 スタッフは全員村人! 山梨に村全体でもてなす 古民家ホテルがオープン

700人の村がひとつのホテルに。“分散型”古民家ホテルのすすめ

山梨県小菅村に〈NIPPONIA 小菅 源流の村「OHYA棟」〉がオープンしました。
これは「700人の村が一つのホテルに」をコンセプトに、
地域全体をひとつの宿に見立てた“分散型”古民家ホテル。
宿泊客に近隣の食堂やお店、温泉施設などを利用してもらい、
村全体でお客さんをもてなすという、新しい事業モデルです。

ホテルマネージャーの谷口峻哉さん、ひとみさん。

ホテルマネージャーの谷口峻哉さん、ひとみさん。

80平米のスイートルーム「OHYA1」(ガーデンビュー・スイート)。屋根裏を改装した広いロフトは、重厚な梁が間近で見られる非日常空間。

80平米のスイートルーム「OHYA1」(ガーデンビュー・スイート)。屋根裏を改装した広いロフトは、重厚な梁が間近で見られる非日常空間。

スタッフは、すべて村の人たち。
ただ寝泊まりするだけではなく、スタッフとともに周辺の自然を散策したり、
自転車で村を巡ったりと、さまざまな体験が用意されています。

分散型とは、地域内に客室を分散させるホテルの形態なのだそう。
2015年10月、兵庫県篠山市にオープンした〈篠山城下町ホテルNIPPONIA〉が
先駆けとなり、全国に広がりつつあります。

この度オープンした「OHYA棟」は、村の名士の邸宅「細川邸」を活用した宿。

裏庭に面した明るくモダンな空間「OHYA2」(クリエイターズ・ツイン)。土間を利用したダイニングスペースや窓に面した書斎も。

裏庭に面した明るくモダンな空間「OHYA2」(クリエイターズ・ツイン)。土間を利用したダイニングスペースや窓に面した書斎も。

土蔵を改装した離れの部屋「OHYA4」(離れ・土蔵ツイン)。重厚な蔵のつくりを最大限に利用したユニークな浴室や、秘密基地のような畳の間などがあります。

土蔵を改装した離れの部屋「OHYA4」(離れ・土蔵ツイン)。重厚な蔵のつくりを最大限に利用したユニークな浴室や、秘密基地のような畳の間などがあります。

入り口の長屋門はレストランとして再生。小菅村の食材をふんだんに使った料理を楽しめます。

入り口の長屋門はレストランとして再生。小菅村の食材をふんだんに使った料理を楽しめます。

伝統的な長屋門をくぐると、かつて養蚕を営んだ主屋と
清流をたたえる庭が見えます。
建物のなかには、黒く煤けた大黒柱と太い梁に支えられた空間が。
築150年を超える邸宅の迫力に圧倒されます。

この家の先代は教師だったそうで、昔は村の人たちが柔道や習字を教わったり、
村に1台しかないテレビを見に来たりしていたそう。

ところがここ数年は空き家になっていたため、
「小菅村のみんなに愛され、思い出のつまった家を
後世に残したい」と、民家再生プロジェクトがスタート。
3年の準備期間を経て、ホテルとレストランとしてオープンしました。

ホテルマネージャーは、この事業のために
移住してきた谷口峻哉さん、ひとみさん夫妻です。

村の人と散歩道づくりに取り組む谷口峻哉さん、ひとみさん。

村の人と散歩道づくりに取り組む谷口峻哉さん、ひとみさん。

“年貢”を納めて村民に。
新たな発想で地域を支える
〈シェアビレッジ〉の仕組みとは?

失われていく古民家を維持する仕組みづくりを

集落の過疎化が進み、次第に失われつつある日本の原風景。
そこで各地域でさまざまな地方創生への取り組みがなされているが、
とりわけ近年話題を集めているのが、
秋田県の辺境、五城目(ごじょうめ)から始まった〈シェアビレッジ〉プロジェクトだ。

消滅の危機に瀕する古民家を再生し、
地域に新しい“村民”を呼び込もうというこのプロジェクトは、
「村があるから村民がいるのではなく、村民がいるから村ができる」という考えに基づき、
集った人々でひとつの家を支える仕組みを創出したもの。
従来の“村”の概念を覆す取り組みの全容を追った。

シェアビレッジ・プロジェクトの中核を担う、村長・武田昌大さん(右)と御意見番・丑田俊輔さん。ふたりは五城目(ごじょうめ)のまちで偶然の出会いを得て、プロジェクトを実現させる。

シェアビレッジ・プロジェクトの中核を担う、村長・武田昌大さん(右)と御意見番・丑田俊輔さん。ふたりは五城目(ごじょうめ)のまちで偶然の出会いを得て、プロジェクトを実現させる。

「高校卒業と同時に故郷の秋田を出て、
大学を卒業した後は東京のゲーム会社で働いていました。
もともとゲームが大好きでしたし、何より都会での暮らしに強い憧れを持っていたので、
ようやく念願を叶えた思いでいました。
ところが、ある年に帰省した際、
見慣れた地元の商店が軒並みシャッターを下ろしている様子を見て愕然としたんです。
子どもの頃から当たり前のように存在していた風景が失われていくのを、
ただ傍観していていいのだろうかと、居ても立っても居られない気持ちになりました」

そう語るのは、シェアビレッジ・プロジェクトで「村長」を務める、
〈kedama inc.〉代表取締役の武田昌大さんだ。

あれほど“早く出ていきたい”と思っていた秋田のまちを、
“どうにかして救いたい”と願って止まなくなった武田さんは、
会社を退職し、秋田へ帰る決意をする。
今、自分が本当にやるべきことはゲームづくりではない。
故郷のために何かやれることがあるはずだと、ひたすらアイデアを絞る日々が始まる。

そこで最初に始めたのが、農家とお客さんを直接つなぎ、
単一農家100%の米をオンラインで販売する〈トラ男〉というサービスだった。

秋田県鷹巣町(現・北秋田市)出身の〈kedama inc.〉代表取締役・武田昌大さん。2010年、秋田の米をネット販売するサービス〈トラ男〉をスタートさせた。現在はシェアビレッジ・プロジェクトの「村長」も兼任。

秋田県鷹巣町(現・北秋田市)出身の〈kedama inc.〉代表取締役・武田昌大さん。2010年、秋田の米をネット販売するサービス〈トラ男〉をスタートさせた。現在はシェアビレッジ・プロジェクトの「村長」も兼任。

農家にとって、自分が丹精込めて育てた米がほかの米と混ぜて売られる現在の流通網には、
大きな不満がある。
いくら努力を重ねて旨い米を育てても、これではモチベーションは維持できない。
ただでさえ後継者不足の課題を抱える日本の農業は、
ますます衰退の一途をたどることになる。
そこで武田さんは、単一農家の米を直接売るサービスを思い立ったのだった。

果たして、トラ男のコンセプトは農家からも消費者からも絶大な支持を得て、
事業は順調に成長していった。

「しかし、トラ男のイベントで秋田の田舎にお客さんを大勢呼んだ際、
泊まる場所がないことに気がつきました。
これでは何を企画しても、継続的に人が訪れる場所にはなれません。
そこで宿泊施設として使える物件がないかと周囲に聞いてまわったところ、
すでに取り壊しが決まっている当時築133年だったこの古民家に出合ったんです」

小松理虔さん
外に出たからこそわかった
「ローカルのおもしろがり方」
福島県いわき市の
ローカルアクティビストってどんな人?

ローカルでアクティブするってどういうことだろう?

福島県いわき市小名浜。人口も面積も福島県で一番大きいいわき市の、中心街のひとつ。
県内最大の港である小名浜港や魚市場、
県内外にファンを持つ環境水族館〈アクアマリンふくしま〉や、
最近は県内最大規模となる商業施設〈イオンモールいわき小名浜〉が
オープンしたことでも話題になった。
そんな小名浜で「ローカルアクティビスト(地域活動家)」と名乗り活動しているのが、
小松理虔(こまつ・りけん)さんだ。

海の前に立つ理虔さん

実は、いわき市で地域づくり――いわゆるまちづくり的な活動――をしている人で、
理虔さんを知らない人はほとんどいないのではないかと思われるほど、
地元では有名人だったりする。
だがおそらく、地元の人たちのなかでも、「理虔さん像」はさまざまだろう。
地元・小名浜の魚屋さんを会場にした飲み会「さかなのば」を開催している人、だったり、
東京電力福島第一原子力発電所沖まで釣り船を出し、釣りを楽しんだあと、
釣った魚の放射線量を測る活動「うみラボ」をやっている人、だったり、
はたまた、昨年2018年に出版した初の単著『新復興論』が大佛次郎論壇賞を受賞した、
なんかすごい人なんじゃないか、とか……。

福島のメディアで働いていた時に、一度ローカルに失望した

「賞を取る前と取ったあとで、全然何も変わってないんですよ」と人懐っこく笑う理虔さん。
ラジオのDJになりたかったという少し大きめの声はよく通る。
新卒で勤めた福島のテレビ局では、取材や番組制作だけでなく、
ナレーションも務めたというのも納得だ。

そのテレビ局には、大学を卒業した2003年4月から丸3年勤務したが、
その頃にローカルというものが一時期嫌になったという。

「ローカルのテレビニュースは連続性がない。地域のイベントや祭りに行って、
参加者にコメントを取ってたった1分の枠を埋めるようなことばかりをやって
何の意味があるのかと」

それでいて特権階級のように、
会社の名刺ひとつでどんな立場の人にも取材に行けるという境遇にも違和感を覚えていた。
「いくら大きな取材をしてもそれはあくまでも会社の看板。
自分の力ではないから成功体験を積めない」と感じた理虔さんはテレビ局を辞め、
なんと単身上海へ。

上海を選んだ理由は、大学時代に関心を持って中国の勉強をしていて
中国語をある程度話せたことと、日本語教師としての勤務先があったこと、
そして、特に当時の中国は、日本にはない勢いがあり、
自身の力を試すことのできる環境であったからだった。

仕事中の理虔さん

岡山県瀬戸内市の野外上映会 〈ほしのさざなみ映画館〉 地域の個性に合わせ 『ボヘミアン・ラプソディ』など上映。

岡山県瀬戸内市で入場無料の野外上映会を開催!

地元だけれど馴染みのなかったあの場所が、
いつも見慣れたこの場所が、一夜限りのスペシャルな映画館になる。
そんな地域のロケーションを生かした野外上映会〈ほしのさざなみ映画館〉が、
岡山県瀬戸内市の各所で開催されます。

野外上映の日程は11月3日、10日、24日とすべて日曜日。
毎週日曜日が楽しみになる、すてきな11月になりそうです。
舞台となるのは、〈邑久光明園〉〈道の駅 黒井山グリーンパーク〉
〈寒風陶芸会館〉の3か所。

そのほか、瀬戸内市在住のアーティストや
ゲストハウスが企画する屋内上映も行われます。

〈GOOD NEIGHBORS JAMBOREE〉
を象徴するハウスバンドが誕生!
そして音楽フェスから地域課題の解決へ

2010年、記念すべき第1回のドタバタ劇

2019年の今年、10周年を迎えたフェス、
〈GOOD NEIGHBORS JAMBOREE(グッドネイバーズ・ジャンボリー)〉始まりの物語。
前回は、すべてが整い開催発表をするところまでお話しました。

しかし、本当に大変なのはここからでした。
携帯の電波も届かず交通インフラもない中山間地域でイベントをやるとなると、
実際の運営は足を運んで地域のことを知ったうえで構築しないとどうにもなりません。
それでも現地で協力してくれるメンバーと連絡を取り合いながら、
なんとか話をまとめ、第1回の開催決定にこぎつけました。
予定した日程は2010年7月24日。2か月前にチケットの発売を開始しました。

森の学校の俯瞰図。周囲にはまったく人家がありません。

森の学校の俯瞰図。周囲にはまったく人家がありません。

ところが、そのとき僕らの動きとは関係なく東京の中心である出来事が起きました。
ようやくチケットを発売して数日たった頃、
永田町で当時の政権の総辞職が決まり、解散総選挙が行われそうだということになりました。
それによって、僕らは予定していた日程で
イベントの開催ができなくなるという事態に陥ってしまったのです。

誰もいないシンボルツリー下のステージ。

誰もいないシンボルツリー下のステージ。

なぜ僕らのイベントに影響したかというと……。

当時、開催場所として予定していた〈かわなべ森の学校〉は自治体の管轄で、
地域の人たちの公民館的な使われ方をしていました。
選挙が行われると選挙会場となり、その日に予定しているイベントなどは
すべて強制的にキャンセルされてしまうという決まりになっていた、……らしいのです。

「らしい」というのは、地域の人たちも今までそんなイベントと
選挙がかぶったということがなく、
かぶったとしてもグラウンドゴルフの練習などがほとんどだったので、
じゃあ日程変えるかくらいのノリ。
チケットを発売して何百人も人を呼ぼうとしているイベントなんて経験がなかったようで、
借りるときは特に説明もなく、
「え? そんな大きなイベントやろうとしてたの?」くらいの感じでした。
東京の感覚でいたこちらとしては小さな規模だとは思っていましたが、
まさか選挙によって強制的にイベントができなくなるとは思ってもいませんでした。

この頃は地域の公民館的な使われ方もしていた廃校舎。

この頃は地域の公民館的な使われ方もしていた廃校舎。

〈宗像日本酒プロジェクト〉
自然栽培米の山田錦で
酒を醸し、環境を保つ

2008年、自然栽培をスタートした〈農業福島園〉

福岡県宗像市内にある福島さんの田んぼ。ここで自然栽培の酒米・山田錦が栽培されている。写真は田植え時の様子。

福岡県宗像市内にある福島さんの田んぼ。ここで自然栽培の酒米・山田錦が栽培されている。写真は田植え時の様子。

本格的な夏が到来する直前の6月中旬。僕は田んぼにいた。
目の前には、背丈の低い苗が整然と並び、遠くのほうは霞む。
日差しは強く、とはいえ時折、吹き抜ける風のおかげで汗ばむほどではない。
視界いっぱいに広がる小さな、小さな苗が天に向かって背を伸ばそうとしている様子に、
なんともいえない力をもらった。

写真は8月下旬の田んぼ。すっかり緑が濃くなっていた。いよいよ収穫が近づいている。

写真は8月下旬の田んぼ。すっかり緑が濃くなっていた。いよいよ収穫が近づいている。

ここは福岡県のなかでも、北部福岡の中心都市・北九州市と、
福岡の中心地・福岡市とのほぼ中間に位置する宗像市。
近年では宗像エリアの「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が
世界遺産に登録されたことで話題を集めた。

この地で、今、注目されているのが「宗像日本酒プロジェクト」であり、
プロジェクト名がそのまま銘柄となった純米酒〈宗像日本酒プロジェクト〉だ。
これから紹介するのはこの宗像の酒米から生まれた日本酒の誕生ストーリーだが、
実は酒づくりの前に、米づくりにおける物語があった。

酒米・山田錦の苗。「山田錦は粒が大きく、選別に特殊な網が必要。そのため、現在はそのような負担がない寿司専用米『笑みの絆』を、第2弾プロジェクトとして栽培しています」と福島さん。

酒米・山田錦の苗。「山田錦は粒が大きく、選別に特殊な網が必要。そのため、現在はそのような負担がない寿司専用米『笑みの絆』を、第2弾プロジェクトとして栽培しています」と福島さん。

冒頭で紹介したのは酒米と呼ばれる酒造用に植えられた山田錦の苗である。
この苗を育てているのが〈農業福島園〉の福島光志さん。
この福島さんこそ、「宗像日本酒プロジェクト」の発起人だ。

笑顔がさわやかな福島さん。事務所の一角で自社栽培の食材を販売している。

笑顔がさわやかな福島さん。事務所の一角で自社栽培の食材を販売している。

農業を営んでいた祖父母の影響で農業に興味を持った福島さんは、
現在の九州東海大学(以下、東海大)の農学部へ進学。
この大学での学びが、今日の福島さんの土台となった。

昨今、農業の従事者が年々、高齢化し、
跡を継ぐ人がいないという状況が全国的に問題となっている。
福島さんは東海大で過ごすなかで、先進的な農学の見地に触れてきた。
これからの農業の未来に何が必要なのか。
持続可能な農業、そして環境保全といった観点から農業を考えるようになった。

「今、僕が取り組んでいるのが、農薬や化学肥料を使わないことを前提とした農業です。
この宗像日本酒プロジェクトの根底にあるのも、無農薬、無肥料による米づくり。
この取り組みは環境保全にもつながっています」

写真中央、やや右あたりに写っているのが通称・ジャンボタニシ。水中の植物を食べるため一般的には害虫とされているが、福島さんはこれをうまく雑草駆除に活用している。

写真中央、やや右あたりに写っているのが通称・ジャンボタニシ。水中の植物を食べるため一般的には害虫とされているが、福島さんはこれをうまく雑草駆除に活用している。

2008年に東海大を卒業した福島さんは、22歳で祖父母の後 を継ぎ、農業に従事した。そして翌年、無農薬・無肥料栽培=自然栽培による米づくりを開始。

「本当は2008年の時点で自然栽培に取り組みたかったんですが、
大学卒業後の4月からでは、準備が間に合わなかったんです。
だから本当の意味での 僕の1年目は2009年。不安はありませんでした」

『地域の編集』展開催! 地域新聞&ローカルメディアを一挙公開

ローカルメディアに見る“コミュニケーションの仕掛け”とは?

2019年10月5日(土)〜12月22日(日)、
ローカルメディアと各地の新聞が一堂に会する
『地域の編集——ローカルメディアのコミュニケーションデザイン』展が開催されます。

主催・会場は、ニュースパーク(日本新聞博物館)。
企画協力は、『ローカルメディアのつくりかた』などの
著作で知られる編集者、影山裕樹さん。

ローカルメディアの役割は、地域の人と人をつないだり、
観光客や移住者を外から呼び込んだりと、さまざま。
本展では、そんなローカルメディアが仕掛ける、
“コミュニケーションの仕掛け”にフォーカス。
7つのエリアと横浜にちなんだ特設エリアを設け、
厳選されたメディアと全国の新聞社の新しい取り組みや地道な活動を紹介します。
実際に手にとり、座ってゆっくり読めるというのもうれしい。

ひとつ目のテーマは「新しい視点の流通」。
『本と温泉』をはじめとする、これまでにない流通の仕組みで
まちの魅力を引き出しているメディアを紹介します。

そのほかのテーマは「サブスクリプション(会員制)」
「投書・投稿でつながる」「まちづくりするメディア」
「地域の課題解決」「アーカイブ性を生かす」「デザイン」。
これからメディアをつくりたい人も、必見の内容と言えそうです。

「場所の声を聞く」
照明デザイナー長町志穂さんが生み出す
地域再生の“あかり”とは?

取り組みやすいイベントの欠点とは

“あかり”を用いたイベントが、全国の温泉地でよく行われるようになった。
竹灯籠、和紙あかり、イルミネーションや冬花火をはじめ、
季節限定から通年開催までさまざまにある。

あかりは、場所の印象を変える。

“写真映え”を工夫すれば、世界から注目が集まる時代だ。
撮影を楽しむ人によって印象的な写真がSNSで拡散され、
温泉街が一躍話題になる。そういったあかりが、
温泉街に泊まる理由のひとつになれば主催側の狙い通りである。

住民の手による「湯西川温泉かまくら祭」(栃木県日光市)は、2019年も多くの観光客を楽しませた(1月下旬〜3月上旬開催)。

住民の手による「湯西川温泉かまくら祭」(栃木県日光市)は、2019年も多くの観光客を楽しませた(1月下旬〜3月上旬開催)。

「歩きたくなる温泉街」を掲げる新潟県月岡温泉。観光庭園〈月あかりの庭〉では、夕刻から和柄の円柱にあかりが灯る。

「歩きたくなる温泉街」を掲げる新潟県月岡温泉。観光庭園〈月あかりの庭〉では、夕刻から和柄の円柱にあかりが灯る。

和紙あかりをはじめ、その手法は意外にもさほど難しくないと聞く。
真似しやすいから、全国でたびたび行われる。
しかし取り組みやすいことは反面、誰でもできるイベントになりがちだ。
一時の流行は飽きられる。どこでも同じような夜景なら、
わざわざ遠くの温泉地に行く必要はない。近ければ日帰りできる。
泊まる必要はなくなる。

だからほかを圧倒する独自の仕掛けがあかりのイベントに必要になる。
コアなファンを獲得するために。

それはどういう仕掛けか?

「心の準備」とあかりの関係

プランで示した夜間照明。これは新たに誕生する「竹林の階段」。温泉街の玄関口となる駐車場から音信川まで結ぶ。

プランで示した夜間照明。これは新たに誕生する「竹林の階段」。温泉街の玄関口となる駐車場から音信川まで結ぶ。

〈長門湯本温泉〉再生プロジェクトの中にも、あかりの演出が入っている。
それは、再生の6つのキーワード(第2回参照)のひとつ、
「そぞろ歩き(回遊性)」を成功させる大事な役割を担う。
計画的に配置された照明によって、
「夜こそ歩きたくなる」魅力的な温泉街に変えていく。

担当は照明デザイナーの長町志穂さん(株式会社LEM空間工房・代表取締役)。
長門湯本温泉観光まちづくり計画を推進する「デザイン会議」のメンバーである。

長町さんが手がけるあかりによるまちづくり。これは京都府宮津市「天橋立まち灯り」。夏は砂浜が幻想的に照らされる。

長町さんが手がけるあかりによるまちづくり。これは京都府宮津市「天橋立まち灯り」。夏は砂浜が幻想的に照らされる。

長町さんは松下電工株式会社(現・パナソニック)に長年勤務し、
照明器具デザインによるグッドデザイン賞を104作品で受賞するなど、
あかりの達人として知られる。
2004年の自身の独立以降は関西を拠点にして、
大阪・御堂筋イルミネーションを筆頭に、
近年は島根県邑南(おおなん)町の「INAKAイルミ@おおなん」、
鳥取県境港市の「水木しげるロード」リニューアル照明演出、
京都府宮津市「天橋立まち灯り」をはじめ、
あかりによる公共空間のにぎわいづくりを手がけている。

長町さんによる鳥取県境港市の「水木しげるロード」リニューアル照明演出。照明デザイン賞の最優秀賞に輝いた。

長町さんによる鳥取県境港市の「水木しげるロード」リニューアル照明演出。照明デザイン賞の最優秀賞に輝いた。

長町さんが長門湯本温泉でまず取り組んだのが、
温泉街の軒先を照らすあかりである。
オリジナルの「湯本提灯」を企画し、
同プロジェクトメンバーのグラフィックデザイナー・白石慎一さんに
長門湯本温泉を象徴するマークの制作を依頼。
それらを使った複数の提灯デザイン案を住民ワークショップで示し、
提灯をつくり有料で販売することを参加者に提案した。
多くの参加者が、有料で購入して軒先に吊るすことに賛同した。

提灯のデザインは長門湯本の3つの地区(湯本、門前、三之瀬)を、温泉マークと川とに見立てている。

提灯のデザインは長門湯本の3つの地区(湯本、門前、三之瀬)を、温泉マークと川とに見立てている。

当時、シンボルの公衆浴場・恩湯(おんとう)さえ、
改修解体のため光を失った状態(2017年に解体、2019年冬に再建予定)。
温泉街のあかりは減少し、人通りも激減して寂しい状況だった。

長町さんはチームで手分けして、
興味があると意思表示のあった温泉街の全戸を訪ねて、
「湯本提灯」の目的を説明しながら、取り付け方などを検討してまわった。
ひとつ3000円と有料にしたのは、
「予算の問題はもちろんあるけれど、それ以上に、
まちづくりの共感者を増やしたい、
住民参加型にしたいという思いがありました」と、胸のうちを話す。

「湯本提灯は“心のために”やってみたいと思いました」と、長町さん。
「長門湯本は変わっていく、みんなで変えていくという、
“心の準備”のようなものにあかりがなれたらと考えたのです」

2017年の社会実験では長町さんが大西倉雄市長と星野リゾートの星野佳路代表を招き温泉街を案内。照明演出による効果などを説明した。

2017年の社会実験では長町さんが大西倉雄市長と星野リゾートの星野佳路代表を招き温泉街を案内。照明演出による効果などを説明した。

設置から2年ほど。川沿いの軒先には、湯本提灯が変わらずにある。
夕刻になると点灯し、通りを行き交う人々を優しい光が出迎える。
心のあかりが温泉街を照らしている。

“幻の米”〈小滝米〉を引き継ぐ。
300年後の未来を開く
長野県栄村小滝集落への里山ツアー

長野県を流れる千曲川が、その名を信濃川に改める
新潟県との県境に位置する長野県栄村。
その中で千曲川のほとりにあるわずか13戸の集落が、
開墾から300年を超える小滝(こたき)集落です。

まもなく秋の実りに恵まれる田畑に、子どもたちの声が響いたのは、今年6月のこと。
子どもを連れて訪れた親たちにお願いされたルールはたったひとつだけ。
それは「どれだけ騒いでも、子どもたちを叱らないでくださいね」でした。

2011年の震災を乗り越え
「美しく恵深い里山をさらに300年後まで残したい」
と取り組んでいる集落の人々と、
2日間を過ごした27名の親子が見つけたものとは?

植樹する女の子

子どもたちの笑顔が小滝に溢れる日は年に2回。
まずは初夏の田植えに笑い声が響きます

2019年6月の土曜日、銀座の子ども服の老舗〈ギンザのサヱグサ〉が主催する
里山ツアー「SATOYAMA Wonderland Tour」に参加した13組の家族が
小滝に集まってきました。
初めて参加する親子連れ、おばあちゃんとのふたり旅の子どももいれば、
参加は5回目という女の子もいて、その顔ぶれはさまざまです。

「SATOYAMA Wonderland Tour」に参加した子どもたち

ここ長野県栄村小滝は、ブナ林に囲まれ、清らかな雪解け水が注ぐ千曲川に沿った
河岸段丘の小さな棚田と、日本の原風景が残る美しい小さな集落です。
ですが東日本大震災翌日に発生した長野北部地震の震源地として、
家屋は全壊3棟、半壊7棟、そして田んぼの7割も被害を受け、
作付けができなくなるなど、2011年には深刻な集落の存続危機を迎えました。

けれどもボランティアの力を借り田んぼを復活させ、
収穫量の少なさから幻の米と言われた〈小滝米〉の栽培を再開します。
また住民たち自らも「集落外の方と交流を持つこと」を柱に
全戸が出資して〈合同会社小滝プラス〉を設立するなど、
「この地で300年続いてきた想いや営みを、さらに300年後に引き継ぐ」
という夢とロマンを実現するために、日々の暮らしを営んでいます。

田植えする男の子

そんな小滝地区で行われる親子のための里山体験も、今年で4年目になります。
公民館2階に参加者とスタッフが全員集合し、初夏の里山散策、
そして田植えを体験する2日間のプログラムが始まります。

「東京では、子どもたちを叱っている風景をよく目にしますよね。でも」
という不思議な挨拶に続いて伝えられたのが、
「ここではどれだけ騒いでも、子どもたちを叱らないでください」
という小滝ならではのルールでした。

東京から遠く離れた小滝の時間には、里山ならではのさまざまな体験が待っています。
新しく楽しい体験ほど、子どもたちはにぎやかになるものです。
全員で子どもたちの安全を見守り、親子一緒に少しでも多く
楽しい里山の記憶を持ち帰ってほしいという小滝のみなさんとサヱグサの願いなのです。
恒例の参加者、スタッフ全員の自己紹介を終えて、
さあ最初のプログラム「植樹」に向かいます。

五木村〈CAFEみなもと〉に集まる人。
〈日添〉が挑む
1000人の村の“幸せづくり”

広いけど、小さい!? 1000人の村

熊本県の南部に位置する球磨郡五木村(いつきむら)。
村の面積はおよそ250平方キロと広大だが、
村全体が九州山地にあたり、そのほとんどが山林。
そこに1000人の村人が暮らしている。
熊本県の市町村の中でも、人口が一番少ない村だ。

日本一の清流ともいわれる川辺川(かわべがわ)が地域の中心に流れ、
広大な村の中にあるわずかな平野部に、集落がぽつん、ぽつんと点在している。

山林の中にある平野部に住宅が密集している。

山林の中にある平野部に住宅が密集している。

夏には涼を求め、秋が深まると美しい紅葉を目的に、五木村には多くの観光客が集まる。
川辺川にかかる小八重橋では、高さ66メートルの橋の上から
バンジージャンプを楽しめる。
オープニングセレモニーで、熊本県のキャラクター「くまモン」が
バンジージャンプにチャレンジしたことでも話題になった。

ハイシーズンの休日には多くの人で賑わう村だが、
その日常はとてものどかで、静かな時間が流れている。

地域の中心を流れる川辺川。

地域の中心を流れる川辺川。

65歳以上の高齢者が、村民の50%近く。
そんな人口1000人の村、五木村で、
20代・30代の若者たちが地域づくりの会社を立ち上げた。
今回は、五木村で設立された〈株式会社日添(ひぞえ)〉の活動を通して、
これからの地域づくりのあり方について見ていきたい。

五木村の紅葉

〈グッドネイバーズ・ジャンボリー〉
鹿児島川辺町と東京、
ダブルローカルが始まった。

毎週末、鹿児島へ。分刻みで人に会いまくる!

2019年の今年、10周年を迎えた
〈GOOD NEIGHBORS JAMBOREE(グッドネイバーズ・ジャンボリー)〉を
始めるまでのストーリー。前回の連載では場所を見つけるまでをお話しました。

まずはどうなるかわからないけれど、
南九州市川辺町(かわなべちょう)の森の中にある廃校でイベントをやってみよう。
そう思い立ったはいいものの、打ち合わせでその場所に行くだけでも大変です。
当時も今も、僕は首都圏に暮らし東京中心に仕事をしています。
鹿児島を離れてから20年以上経っており、
生まれ育ちが鹿児島というだけで完全によそもの。
東京での仕事の合間を縫って、
なんとか週末に時間をつくって毎月鹿児島に行くという生活が始まりました。

美しい朝焼けの桜島。

美しい朝焼けの桜島。

とにかく時間がないので、
鹿児島に着くとそこから分刻みで夜中までアポを入れて協力してくれそうな人、
おもしろいことをしていそうな人を紹介してもらっては会いに行くという日々。

この頃、雑誌『relax』の元編集長の岡本仁さんも、
〈ランドスケープ・プロダクツ〉の中原慎一郎君の案内で
鹿児島をめぐりながらブログを書いていました。
中原くんと一緒に岡本さんを案内していた鹿児島の人たちが、
僕もあちこち連れて行ってくれることになりました。
このときに出会って仲良くなった友人たちは、
今でもグッドネイバーズ・ジャンボリーの実行委員として活動してくれています。

ブログがきっかけになってできた『BE A GOOD NEIGHBOR〜ぼくの鹿児島案内』(岡本仁 著)。

ブログがきっかけになってできた『BE A GOOD NEIGHBOR〜ぼくの鹿児島案内』(岡本仁 著)。

そんななかで紹介されて訪れた場所のひとつが、
鹿児島市にある知的障がい者支援施設〈しょうぶ学園〉でした。
この施設は障がいのある方々と一緒にアートやクラフトを制作する活動に取り組んでいて、
園内にギャラリーがあるという話は聞いていました。

実は僕の家系は社会福祉法人を営んでいて障がい者施設も運営していたので、
利用者が趣味で画を描いたり陶芸をしたりという活動には馴染みがありました。
逆にそういうことを知っていたせいで、
当時の僕は障がいのある人たちのアートと言われても、
正直、趣味程度のものとしか思っておらず、
ピンときていなかったというのが正直なところでした。
友人の案内がなかったら自分ではそのとき、足を運んでいなかったかもしれません。

美術館のような〈しょうぶ学園〉。

美術館のような〈しょうぶ学園〉。

ところが園を訪れてみると、
広々とした公園のような敷地にすてきなデザインの工房や居住施設があって
居心地のよさそうなカフェまであり、
とてもそれまで思い描いていた旧態依然とした「障がい者施設」などではありませんでした。

園内を見せてもらいながら
趣味のレベルなどはるかに超えた圧倒的な作品の数々に見入っていると、
ギャラリーに民族楽器を使った現代音楽のような音楽が
うっすらと流れていることに気がつきました。
気になってこれは誰の演奏かと職員に尋ねたところ、
園の利用者さんが演奏しているものだと教えてくれました。

僕が相当に興味を示したこともあって、
あとで施設の方がその演奏をおさめたDVDを送ってくれました。
その映像を見た瞬間、
そのユニークすぎる音楽とパフォーマンスにあらためて衝撃を受けました。
何度も何度もそのDVDを見返しながら、
熱病にかかったような勢いで企画書を書いて
次の鹿児島滞在のときにしょうぶ学園の園長に会いに行きました。
会いに行ったというより一方的に押しかけたというほうが正しかったと思います。

まだイベントのタイトルすらも決まっていませんでしたが、
考えていることをとにかく必死で伝え、聞いてもらいました。
その頃のしょうぶ学園は外でチケット代をとるようなイベントで
音楽の披露をしたことはほとんどなく、
鹿児島の森の中でフェスティバルを開催したいという僕の話も
半信半疑だったと思うのですが、僕の異常な勢いになにかを感じてくれたのか、
なんとか出演してもらえることになりました。

それがこの10年間、
毎年グッドネイバーズ・ジャンボリーでトリを務めてくれている
パフォーマンスバンド〈otto&orabu〉です。

〈otto&orabu〉によるライブ。

〈otto&orabu〉によるライブ。

長野県・藤森照信氏の ユニークな茶室を訪れる ツアーがスタート

あの〈高過庵〉〈空飛ぶ泥舟〉に入ることが可能に

京都江戸東京博物館館長であり、
東京大学の名誉教授でもある建築家の藤森照信氏。

彼が自分の私有地に建てた3つのユニークな
茶室は建築好きならご存知の方は多いはず。

細川元首相の茶室を設計した藤森氏が、個人的にも欲しくなり
実家の畑に建てた茶室〈高過庵(たかすぎあん)〉は、
高さ6メートルもの木の上にあり、アメリカの『Time』誌に
「世界でもっとも危険な建物トップ10」にも選ばれたのだとか。

地下に埋まったピラミッドのような茶室
〈低過庵(ひくすぎあん)〉は2017年に完成した新作。
半分土に埋まっている竪穴式茶室で、
屋根は銅板ぶきとなっており、内装は漆喰仕上げ。
中は身長170センチの人がやっと立てる程度の高さで、
暖炉の火とろうそくのわずかな明かりのもと、お茶を楽しむことができます。

〈旧質美小学校(質美笑楽講)〉 京都・京丹波町の廃校が 絵本のセレクトショップや 窯焼きピザ屋に

廃校になった質美(しつみ)小学校が、ユニークな施設に

京都府京丹波町は、広々とした緑豊かな土地。
山や田畑が広がり、黒大豆、小豆、松茸、栗などが特産品で、
豊かな食文化とともに人々が暮らしを営んできた地域です。

そんなのどかな京丹波町質美上野に、
廃校になった質美(しつみ)小学校を使ったユニークな施設が
全国から注目を集めています。
施設の名前は〈質美笑楽講〉。小学校が笑楽講に!
思わず笑みがこぼれるような名前に当てた漢字からも、楽しい雰囲気が伝わってきます。

質美小学校は2011年に閉校し、53年の歴史に幕を閉じました。
しかし、「自分たちが通った小学校の形をなんとか残したい」という
卒業生や地元の人の声が上がり、
昭和35年に建設された木造校舎を再利用する道を模索することに。

2012年に、絵本のセレクトショップ〈絵本ちゃん〉がオープンしたのをきっかけに、
カフェや雑貨屋、レストランなど、おしゃれなお店が集まる複合施設として、
生まれ変わりました。

レトロな木造校舎、朝礼台、長い廊下に作業室や図工室の名札、木の引き戸、
落書きのある机と椅子。
子どもたちが学んできた景色がそのまま残り、
初めて訪れたけれど、心がキュンとなるような懐かしい気持ちが込み上げてきます。

〈盲亀浮木〉の内観

カフェ〈盲亀浮木(もうきふぼく)〉は落ち着いた雰囲気。

絵本専門店に、古道具のお店まで……

質美笑楽講には、センスのあるお店がたくさん入っています。
絵本専門店〈絵本ちゃん〉&〈きのこ文庫〉、
窯焼きピザとパスタ〈panadozo café〉、
古道具とアンティーク〈ケセラセラ〉、趣味の店〈道楽ルームみちくさ〉、
〈喫茶ランチルーム〉、カフェ〈盲亀浮木(もうきふぼく)〉、
〈おかきの加工所〉、ウェディングドレス〈Blan Cheur〉、
雑貨〈プチボヌール〉、423アートプロジェクトなど。

「こんにちわ~」、お店のドアを開けるたびに、伝わるワクワク。
それぞれのお店の個性と、オーナーのこだわりが詰まっており、
ひとつひとつのアイテムを手に取っていると、
あっと言う間に時間が過ぎてしまいますよ。
「あ~、昔はこんな教室だったなぁ」と懐かしむ年代は
ワクワクした気分を取り戻す場所として、
イマドキ女子にとってはレトロで“映える”写真が撮影できるおしゃれスポットとして。
そして、地元のお母さんは子連れで楽しめる憩いの場所として。

オーナーこだわりの雑貨屋絵本が並ぶ

絵本専門店〈絵本ちゃん〉&〈きのこ文庫〉。

10周年を迎えた鹿児島のフェス
〈グッドネイバーズ・ジャンボリー〉。
音楽家が廃校の運営を始めたわけ。

だれも取り残さない「みんなでつくる真夏の文化祭」

みなさんこんにちは。はじめまして。音楽家/プロデューサーの坂口修一郎です。

今回こちらで僕のちょっと不思議なキャリアのお話をさせてもらうことになりました。
よろしくお願いします。

僕はもともとミュージシャンとして活動を始めた人間ですが、
いつの間にやら脱線に脱線を重ね、いまでは会社や団体をいくつか運営して、
全国のフェスティバルやイベント、施設のプロデュースなどを行うようになりました。
そして、鹿児島県の川辺町という中山間地域で、
廃校の運営とまちづくりに携わっています。

無国籍楽団〈ダブルフェイマス〉

そんな自分の活動をご紹介しながら、
なぜミュージシャンである自分が中山間地域のまちづくりというような
畑違いの領域に携わるようになったのか、
そんなことをこちらでお伝えできればと思います。

今の活動に至るまでを時系列で語ることも考えたのですが、
まずは僕が今のような活動をすることになった最大のきっかけである、
鹿児島で10年間、続けてきたフェスティバルの話をしようと思います。

それが〈GOOD NEIGHBORS JAMBOREE(グッドネイバーズ・ジャンボリー、以下GNJ)〉です。

GNJは2010年に初回を開催し、今年(2019年8月24日)で10回目になります。
夏、そしてフェスティバルというと音楽をフィーチャーしたものが
イメージとしてあると思いますが、
僕らが目指しているのは、だれも取り残さない「みんなでつくる真夏の文化祭」。

10周年をむかえるグッドネイバーズ・ジャンボリー2019のロゴ

コンテンツのひとつとして音楽はもちろんありますが、
それだけではなくクラフト、アート、食、文学、映像からスポーツまで、
ジャンルを超えてたくさんのコンテンツが集まるイベントです。
大人も子どもも、障害のあるなしも、ジェンダーも地域も、表現のジャンルも、
プロフェッショナルもアマチュアも、
いろんなものを超えてみんなが楽しめる場をつくりたい。
10年前の第1回からこの方向性は変わりません。
なぜそういうことを考えたかというと、
僕が生まれ育った地方=鹿児島に対して、感じていたことがいくつかあったからです。

ひとつは本物にふれる体験の格差。
僕が鹿児島で暮らしていた頃はまだインターネットもありませんでしたから
とにかく情報に飢えていました。
今は情報はバーチャルであればいくらでも手に入ります。
そしてもモノもワンクリックで翌日には届く時代。
だけど、アーティストの本物のパフォーマンスやものづくり体験というものは
今でも地方には少ない。

ライブの様子

もうひとつは地方の自己肯定感の低さ。
中央集権が進んでしまったことで自分の地域には「なにもない」と
つい口にしてしまう自己肯定感の低さをなんとかしたほうがいいと思っていました。
まだまだ地方にはそうしたマインドセットが残っています。


なにもないというのは「都会にあるものが“ない”」という意味で使われることが
多いと思います。たしかに地方に超高層ビルはないかもしれませんが、
たとえば鹿児島であれば桜島という世界中どこにもないシンボルがある。
どの地域にもそこにしかないものは見つかります。
それを磨いて誇りに思い、それぞれの地域で認め合えれば
それだけで十分楽しく暮らしていけるんじゃないか。
地方の文化をそこに暮らす人々が生み出し(地産)、認め合えばいい(地消)。

鹿児島のシンボル、桜島

そのときは、地域のメンバーだけで、
音楽だけとかクラフトだけというような特定のジャンルで固まるのではなくて、
そこで生み出されるものをみんなでリスペクトし合って
ジャンルを超えて交流するほうがいいと思いました。

空き家が100円で買えちゃう!? 「空き家ゲートウェイ」で クリエイティブ家主デビューしよう

100円の物件。宮城県栗駒市西部の花山地区にある築40年の平屋。家主さんが地域づくりに貢献したいという思いで出品してくださった。

使われなくなった空き家物件を「100均物件」として掲載

物騒、怖い、ガラクタ……空き家にはこんなイメージがつきもの。
手放せたらいいけれど、売れそうにないし処分するにも費用がかかる。
きっと、そんな悩みを抱えている家主さんは多いはず。

「空き家ゲートウェイ」のイメージグラフィック

サイト上での物件売買は行わないので不動産仲介の手数料はゼロ。個人間売買のため司法書士を通して契約を締結。物件は全国的に網羅していく予定。

「だけれど、誰かにとってのガラクタが
見る人によっては宝物のように思える可能性もあるのでは!? 捨てる神あれば拾う神あり」
とはじまったのがマッチングプラットフォームの「空き家ゲートウェイ」です。

掲載手数料、契約手数料は一切無料。
7月1日にローンチしたばかりですが、現在物件掲載依頼は100件以上! 
現在掲載中の3物件に対する活用希望の問い合わせは400件以上と、
話題沸騰中のサービスなのです。

群馬県吾妻郡長野原町エリアにある平屋

100円の物件。群馬県吾妻郡長野原町エリアにあるロフト付き平屋。運営会社の〈YADOKARI〉が家主さんから引き継ぎました。

フルリノベーションされた室内

家主さんの思いを継いだ〈YADOKARI〉がフルリノベーションを実施。北欧ヴィンテージ家具を揃えた、シンプルで落ち着きのある空間になりました。

「空き家ゲートウェイ」では「空き家の100均物件」として、
「100円物件」と「100万円物件」のふたつの金額帯に絞って物件情報を紹介。
「100均」と言われると、なんだか自分でも気軽に買えてしまいそう……!

「空き家ゲートウェイ」Webサイト

最初の面倒な登録は不要。空き家のある住所の郵便番号を入れるだけで査定結果がすぐにわかります。掲載可能と査定されてはじめて連絡先や築年数などの詳細を入力する流れです。

掲載してほしいけれど尻込みしてしまうという方は、
まず物件査定ページ「カンタンゲートウェイ」で気軽にポチッと問い合わせましょう。
一般的な査定とは逆の発想で、不動産に価値が「無い」ほど祝福され、
歓迎されるというのが「空き家ゲートウェイ」の特徴。

査定の結果「100均物件」にはおさまらないほどの資産価値があると言われたら、
別サイトの「全日本空き家流通サービス カリアゲJAPAN」へ相談を!

過去の対談イベントの様子

空き家・建築・不動産・住まいや暮らしにかかわる有識者や、各世代のオピニオンリーダーをお迎えしてのスペシャル対談イベントも開催予定。

その他、空き家の有効活用事例などの情報を共有し、
リアルな場で空き家マッチングイベントも開催する予定。
空き家対応のハードルを下げてくれる上に手厚い……
住まいのプロである〈YADOKARI〉と〈あきやカンパニー〉による運営は
さすがとしか言いようがないです。

Iターンの若者が手がける 〈地域商社まるごと津和野〉。 定期宅配サービスや オンラインストアをスタート

津和野の課題と向き合い始まったプロジェクト

島根の小京都と言われている島根県西部・津和野町。

森鴎外の所縁の地であり、清流日本一にもなった高津川などの豊かな自然に囲まれ、
たくさんの良質な農作物が採れるまちです。

ここに、Iターンの若者がスタートさせたプロジェクトが根を下ろしつつあります。
坂和貴之さんらが手がける〈地域商社まるごと津和野〉です。

この〈地域商社まるごと津和野〉では、
「津和野の良いものまるごと全部」をコンセプトに、
農林水産物の企画販売・PRや〈まるごと津和野made〉での
津和野ブランドの商品開発・企画を実施しています。

もともと〈FoundingBase〉のプログラムの
第1期生として大学在学中から津和野に滞在し、
役場の農林課でまちづくり活動を行っていた坂和さん。

大学卒業後も農家の後継者不足やそれにともなう
津和野産品の販売力・ブランド力の低下などの課題に向き合い、
農業体験ツアーをはじめ、〈まるごと津和野マルシェ〉の定期開催といった
さまざまな施策を通して、地域の生業を未来につなげる活動に取り組んできました。

2017年には、農林水産物の生産体制の確立、
地域から都市部への流通販路開拓を行い、
地域産業の活性化や雇用の促進を目的とした
農商工連携プロジェクトをスタート。

そして4月に、〈FoundingBase〉を運営会社に
〈地域商社まるごと津和野〉を設立し、
6月より食の楽しみを届ける定期宅配サービスや
オンラインストア〈まるごと津和野ストア〉
首都圏でのイベント開催などの新たなプロジェクトを開始させました。

音楽家・大友良英が
〈福島わらじまつり〉の改革に挑む理由

撮影:池田晶紀

ノイズミュージシャンであり、『あまちゃん』、『いだてん』などのドラマや
映画の劇伴も数多く手がける音楽家、大友良英さん。
東日本大震災直後にパンクロッカーの遠藤ミチロウさん、
詩人の和合亮一さんとともに〈プロジェクトFUKUSHIMA!〉を立ち上げ、
以来、盆踊り音頭の作曲、〈札幌国際芸術祭2017〉のゲストディレクターなど、
数多くの祭りに関わっている。

その大友さんの新たな試みが、2019年福島市の夏祭り〈福島わらじまつり〉の改革だ。
アンダーグラウンドな音楽シーンで活躍し、
アートの世界にも常に根源的な問いを投げかけてきた大友さんが、
メジャーな祭りの改革を通して考える、未来の祭りとは?

長さ12メートル、重さ2トンにもなる大わらじ。

長さ12メートル、重さ2トンにもなる大わらじ。

自分たちの手でつくる祭りに。祭りを根本的に改革する

福島わらじまつりは1970年に始まった福島市最大の夏祭り。
福島出身の作曲家、古関裕而が作曲し、
舟木一夫が歌う『わらじ音頭』をテーマソングに、
神輿の代わりに12メートルの大わらじを担いでパレードする。

青森のねぶたや仙台の七夕まつりなど、東北はどの地域にも大きな夏祭りがあるが、
福島にはなかったので、福島にも夏祭りをということで、
50年前に商工会議所などによって立ち上げられた、比較的新しい観光祭りだ。
由来は冬に大わらじを神社へ奉納する神事
「信夫三山暁(しのぶさんざんあかつき)まいり」とされるが、
そもそもなぜわらじを運ぶようになったのかなど、確かなことはわからない。

信夫山の頂上にある羽黒神社。ここに大わらじが奉納される。

信夫山の頂上にある羽黒神社。ここに大わらじが奉納される。

「無病息災や健脚祈願、いろんないわれがあるけど、
庶民の祭りだから記録が残ってないんです。
その時々の人の手で変えられる、少しいい加減なのが庶民の祭りです」と大友さん。

70年代に新しい祭りとして始まったわらじまつりは、
その後、時代の変化に合わせてたびたび編曲を変え、
大友さんいわく「迷走」を始める。
80年代にはサンバを祭りにとり入れ、平成に入ると『わらじ音頭』から
ラップ調の曲『ダンシングそーだナイト』でダンスグループが競うスタイルへ。

「大わらじをかついで歩く後ろから若者が、
“わらじ! わらじ!”ってジーンズ姿で踊りまくる。
祭りとしては迷走したけれど、それはそれで
地元では楽しくやっていていい祭りだったたんです。
でも、2011年、東北6県の祭りを一堂に集めた〈東北六魂祭〉に
参加したのがきっかけで、ほかの祭りと比べられることになった。
そうして2013年、私のところに話がきました」

日本一の大わらじを担ぐ。

日本一の大わらじを担ぐ。

2013年といえば、『あまちゃん』がヒットし、
また震災後の福島で立ち上げたプロジェクトFUKUSHIMA!が
盆踊りを始めた年でもある。

曲のアレンジを変えるだけでは、また同じことの繰り返しといったんは断ったが、
2018年、5年かけて内部のコンセンサスをとった実行委員会の人々に懇願され、
わらじを運ぶことと『わらじ音頭』を残すことを条件に、
祭りを全面的に改革していくということで、
祭りの総合プロデューサーを引き受けることになった。

「祭りの表面を変えるだけなら、お金さえかければかっこいいものはできます。
でもそれでは、これまでサンバをとり入れたりヒップホップにしてきた改革と同じで、
一過性のものになってしまいます。

重要なのは、祭りが市民にとってなんであるかを根本的に考えたうえで、
自分たちの手で祭りをつくっていくことです。
10年先、20年先を見据えて100年先も続くような
根本的な改革を考えるのでなければやる意味がない。
そういうつもりで引き受けました」

〈CIRCULATION SAITAMA〉 さいたまの見方を180度変える ローカルプロジェクト始動!

2019年8月、さいたま市の価値を掘り起こすプロジェクト
〈CIRCULATION SAITAMA(サーキュレーションさいたま)〉が始まります。

これは、“地域らしさ”に裏付けられた持続可能な事業やプロジェクトを構想し、
さいたまにローカルプロジェクトを生み出すワークショップ。
約7か月かけて住民参加型のワークショップを実施し、
その成果を〈さいたま国際芸術祭2020〉にて発表します。

プロジェクト・ディレクターは、『ローカルメディアのつくりかた』などの
著作で知られる編集者、影山裕樹さん。
影山さんは、2017年にロームシアター京都が企画製作した
〈CIRCULATION KYOTO〉のプロジェクト・ディレクターも務めました。

〈CIRCULATION KYOTO〉ワークショップの様子。

〈CIRCULATION KYOTO〉ワークショップの様子。

〈CIRCULATION KYOTO〉公開プレゼンテーションを終えて。Photo:Kai Maetani

〈CIRCULATION KYOTO〉公開プレゼンテーションを終えて。Photo:Kai Maetani

プロデューサーは、舞台芸術プロデューサーの武田知也さん。
ゲスト講師は、
〈アーバンデザインセンター大宮[UDCO]〉副センター長/ディレクターの内田奈芳美さん、
〈MotionGallery〉代表の大高健志さん、
〈はっぴーの家〉の首藤義敬さん、
京都府立大学准教授の松田法子さん、
〈アーバンデザインセンター大宮[UDCO]〉デザインリサーチャーの新津瞬さんです。

ワークショップの目標は、さいたまの価値を
“生活者の視点”で掘り起こすこと。
「モビリティ」(移動手段)、「公共空間の活用」、
新しい事業やプロダクトを構想する「ソーシャル・ インクルージョン」といった
テーマごとのチームに分かれて活動していきます。

今年、映画『翔んで埼玉』がヒットし
何かと注目を集めている埼玉ですが、
ローカルの魅力はまだまだ知られていないのかもしれません。
どんな魅力が掘り起こされるのか、楽しみです。

地域存続の鍵になる?
若い地域プレイヤーを育む
“未来への投資”のお話。

こんにちは!
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

食べることが大好きな学生シェアメイト“がんちゃん”が
この夏、旅に出ることになりました。
我が家で「料理人になりたい!」という夢を見つけた彼は、
料理の勉強をすべく修業先を探すことになったのです。

(集落で採れるビワをオンラインで販売し、旅の資金も自分で稼いでいました。
なんという成長! うれしい……)

がんちゃんがシェアハウスに住むことになったキッカケは、去年夏の学生合宿。
そこで我が家の暮らしに惚れ込み、内定を断り、
大学を休学してまで住人になってくれたのです。

納屋のDIYも学生さんたちと一緒に。

納屋のDIYも学生さんたちと一緒に。

住人になった彼が企画した学生合宿では、
これまでに20名以上の学生が参加してくれました。
教えることもたくさんありましたが、学生たちの瑞々しい感性や、
今の時代を反映した新しい価値観に、私たちが学ぶ場面も多く、
とにかく刺激的な時間でした。

そしてあらためて、「シェアハウスを長く続けていくためには、若手の存在が不可欠だ!」
ということに気がついたのです。

過去の学生合宿の参加者には、その後〈地域おこし協力隊〉になったメンバーも。

過去の学生合宿の参加者には、その後〈地域おこし協力隊〉になったメンバーも。

私の住む場所は、平均年齢65歳以上の集落。
周りはおじいちゃん、おばあちゃんばかりです。
こういう環境にいると30代の私もつい「自分たちは若者」と錯覚しがちですが、
今のまま何も行動しなかったら、私もシェアハウスもあっという間に年をとってしまいます。
それはマズい! 

里山は自然豊かで暮らしやすいけれど、最先端の情報や価値観を得にくい環境です。
だからこそ、世の中の人たちがどんなことを考え、
どんなものを求めているかを感じとって、変化していかないと、
人はまちに流れ出てしまうばかりです。

今回は、どうやったらこの場所に若い人たちを呼び、次世代のメンバーを育成していくか。
私たちシェアハウスが意識的に取り組んでいることについてお話ししたいと思います。

〈ふるさと納税 夏休み 自由研究特集 2019〉 ドローン操縦などを学べる 体験型お礼品が登場

ふるさと納税を利用して、自由研究

ふるさと納税に、夏休みの自由研究に役立つ
“体験型お礼品”があるのをご存じでしょうか?
しかも、農業・漁業体験や手打蕎麦教室など、
大人と子どもが一緒に楽しめるプログラムがいろいろあるんです。

注目を集めているのは、千葉県銚子市で行われる
「親子でドローン体験コース90分」。
寄付額30,000円でドローンの操縦を体験できます。

「親子でドローン体験コース90分」(千葉県銚子市)

「親子でドローン体験コース90分」(千葉県銚子市)

ドローンなんて難しそうですが、
大人と一緒なら3歳のお子さんでも参加できるそう。
体験内容は、トイドローンの操縦方法が学べるものから、
空撮を目指す本格的なものまで、年齢に合わせて用意されています。

収穫や漁に挑戦して、おいしいものも楽しみたいという方には、
農業・漁業体験がおすすめ。

「夏休みの自由研究に!日帰りタコかご漁体験」(福井県小浜市)

「夏休みの自由研究に!日帰りタコかご漁体験」(福井県小浜市)

福井県小浜市で行われる「夏休みの自由研究に!日帰りタコかご漁体験」では、
寄付額110,000円で、漁師と一緒に「タコかご漁」へ。
漁の後は自分たちでとったタコをさばき、
BBQとたこ焼きパーティーを行います。

野菜ができるまでに興味があるなら、富山県氷見市で行われる
「NICE FARMの“固定種の野菜”収穫体験 ヴィーガン料理ランチ券付」へ。

「NICE FARMの“固定種の野菜”収穫体験 ヴィーガン料理ランチ券付」(富山県氷見市)

「NICE FARMの“固定種の野菜”収穫体験 ヴィーガン料理ランチ券付」(富山県氷見市)

寄付額30,000円で、自然のままの環境(※)で農業を行っている
〈NICE FARM〉にて固定種野菜の収穫を体験できます。

収穫体験の後は、レストラン〈たねのわ〉でランチ。
NICE FARMで育てられたお米と野菜を使ったヴィーガン料理を楽しめます。

レストラン〈たねのわ〉のランチ

レストラン〈たねのわ〉のランチ

同ファームでは種にもこだわっており、
扱っているのは 固定種・在来種(昔から引き継がれてきた種)のみ。
農業に対する認識を深められそうです。

※栽培期間中は農薬や肥料、除草剤を一切使用しない環境でお米や野菜を育てています。

〈RetRe〉
虫喰いナラのプロダクトで
富山の森を守る尾山製材の挑戦

最果てのまちにある製材所の挑戦

「消滅するかもしれない最果てのまちにある製材屋に、何を取材しに来たの?」と、
地元出身の人に驚かれた。富山県の東端に位置する朝日町の〈尾山製材〉で行われた
〈倉庫参観日〉で、偶然隣り合わせた参加者に言われた言葉だ。
地元に関係がある人だけに自虐的な笑顔で語っていたが、
富山県民にとってさえ「辺境の地」で、
地元の県立高校も近く廃校になる朝日町の状況を考えると、一理ある指摘とも言える。

左が尾山製材の尾山嘉彦さん、右がプロダクトデザイナーの山﨑義樹さん。

左が尾山製材の尾山嘉彦さん、右がプロダクトデザイナーの山﨑義樹さん。

尾山製材の3代目社長、尾山嘉彦さんは、
その朝日町で富山の森が抱える問題に一石を投じようと奮闘している。
尾山さんが、富山在住のプロダクトデザイナーである山﨑義樹さんと立ち上げたブランド
〈RetRe(リツリ)〉と原木解体ショーが行われた倉庫参観日の取り組みを、
今回は紹介したい。

富山の森が直面したカシノナガキクイムシの大打撃

尾山製材の工場。一般の人に向けて倉庫参観日が定期的に開催される。

尾山製材の工場。一般の人に向けて倉庫参観日が定期的に開催される。

「カシノナガキクイムシ」を知っているだろうか。5ミリほどの虫で、羽を持ち、
大勢で飛来してはフェロモンの導きによって健康なナラの木に集中攻撃をしかける。
成虫は喰い荒らした穴に卵を産み付け、卵からふ化した幼虫とともに幹の内部で越冬する。
その不吉な害虫の大群は初夏になると木の外に出て、
風に乗れば1キロ以上という飛行能力を生かし、「行軍」していく。

森林組合に貯木された虫喰いナラの山。(撮影:山﨑義樹[Designノyamazakiyoshiki])

森林組合に貯木された虫喰いナラの山。(撮影:山﨑義樹[Designノyamazakiyoshiki])

地元紙によれば、2009年をピークに富山のナラもカシノナガキクイムシに襲われた。
被害が最もひどかった時期に、尾山さんは富山県の砺波にある森林組合の工場で、
虫喰いのナラが大量に貯木され、おがくずとして処理されている光景を目の当たりにした。
虫に喰われたナラは、商品にならないためつぶされるしかない。
その状況を何とかしたいと、尾山さんは山﨑さんとともに、
虫喰い材を利用したプロダクトのブランドRetReを立ち上げた。

虫喰い材は材木屋の目で見ると売り物にならないため、
本来であれば誰も手を出さないという。
どうして尾山さんはそのような木に手を出したのだろうか。

「ナラは堅くてポテンシャルも高いですし、もともと県産材を使って、
先例のない何かに取り組んでみたいという気持ちがありました。
今まで県産材はスギしかないと思っていましたが、
スギでは先行してやっていらっしゃる人がたくさんいます。
会社には製材機も、乾燥機もあって、環境が整っていましたし」

そこで、誰も踏み出していないナラの虫喰い材を使った商品づくりがスタートしたという。
当初の周りからの反応は冷ややかだった。
デザイナーの山﨑さんも、
「尾山さんはドМですし、尾山製材はドМメーカーなんです」と笑う。

尾山さんと出会う前に、山﨑さん自身も虫喰いナラを使った製品を
手がけた経験があるという。その山﨑さんから見ても、
わざわざ虫喰い材を使ったビジネスなど、
普通に考えたらメーカーとしてリスクが高いと語る。

墨流しの模様が出た虫喰いのナラ。(撮影:山﨑義樹[Designノyamazakiyoshiki])

墨流しの模様が出た虫喰いのナラ。(撮影:山﨑義樹[Designノyamazakiyoshiki])

それでも材料提供(OEM)というカタチで虫喰いナラを使ったiPhoneケースを販売したり、
フローリング材を自社商品として売り出したりと、県産の虫喰いナラの製品化に向けて、
道なき道を尾山さんは歩み始めた。

隈研吾氏が監修。 北海道大樹町に馬と暮らすホテル 〈BARN HOUSE〉がオープン

北海道にある“建築の聖地”

北海道広尾郡大樹町芽武。
ここが現在、世界的にも稀有な“建築の聖地”となっているのをご存知ですか?

もともと数々の名馬を送り出したサラブレッドの
生産牧場のトレーニングセンターがあった大樹町。

それが牧場移転に伴い、
2011年にサスティナブル住宅を活用した宿泊施設へと姿を変え、
隈研吾氏や伊東豊雄氏など日本を代表する建築家の実験住宅や
国際大学建築コンペの最優秀作品が点在するように。

2018年11月には、施設内の実験住宅や牧場の記憶を受け継ぐ
リノベーション建築のホテル〈MEMU EARTH HOTEL〉が誕生しました。

この〈MEMU EARTH HOTEL〉は、
“地球に泊まり、風土を味わう”をコンセプトに、
サスティナブル住宅を活用した“持続可能なくらし”を体験する宿泊施設。
リゾートホテルのような至れり尽くせりなものではありませんが、
地域資源・地域環境との共存をテーマにデザインされた実験住宅=家(home)に、
”住まう”ことで得られる感覚や体験が魅力となっています。

北海道の大自然の中、このような洗練された最先端の
建築物に泊まるなんて、まるで夢のようですね。

馬とともに育む“未来のくらし”