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実はソーシャルグッドな試み!
畑で採れた素材の味を直に味わえる
アイスのお店〈AOBA〉

コロカルニュース

posted:2019.12.12   from:岡山県岡山市  genre:活性化と創生

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Saki Ikuta

生田早紀

いくた・さき●インディペンデントな広告会社『ココホレジャパン』の新米アシスタント。生まれも育ちもド田舎の27歳。やばい芋ねえちゃんとして青春時代を過ごす。その野暮さは現在も健在! さりげなく韻を踏むことが生業です。

左・〈美咲ブルーファーム寒竹〉のブルーベリーのアイス。右・〈BriGarden〉の大実金柑のアイス。

地域の素材とアイスブレンダー〈BJ〉でつくる〈AOBA〉のアイス

岡山県はおいしい果物や野菜の一大産地。
旬の素材は採れたてで新鮮なときに食べるに限ります。
そんな、一番おいしいシーズンに採れた果物や野菜を
フレッシュな状態で「冷凍」してアイスにするお店〈AOBA〉が、
岡山市にオープンしました。

岡山後楽園の南側、旭川沿いにある店舗。

岡山後楽園の南側、旭川沿いにある店舗。

〈AOBA〉では、農家さんから直接仕入れた果物や野菜をそのまま冷凍したあと、
オリジナルアイスと混ぜ合わせることにより
畑で採れた素材の味を直に味わえるアイスに仕上げています。

2018年にグッドデザイン賞を受賞した〈BJ〉。ボディに使われるあたたかみのある木は、岡山県西粟倉村の木材メーカー〈木薫(もっくん)〉でつくられたもの。

2018年にグッドデザイン賞を受賞した〈BJ〉。ボディに使われるあたたかみのある木は、岡山県西粟倉村の木材メーカー〈木薫(もっくん)〉でつくられたもの。

その味わいをつくり出しているのが、耕運機と同じパワーを持ち、
冷凍した素材を瞬時に粉砕するアイスブレンダー〈BJ〉。
アイスの上部では繊細でクリーミーなジェラートが、
下部では力強くクラッシュされた素材のゴロゴロ食感が残る
フローズンフルーツが楽しめます。

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「冷凍」を通して社会課題を解決

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どうして新鮮な果物・野菜を一度「冷凍」するの?

〈AOBA〉代表の乙倉慎司さん(右)。〈AOBA〉店長の伊藤諒さん(左)。

〈AOBA〉代表の乙倉慎司さん(右)。〈AOBA〉店長の伊藤諒さん(左)。

〈AOBA〉を営むのは株式会社〈1000n(センエヌ)〉。
代表取締役の乙倉慎司さんは〈AOBA〉の運営を通して
「農家さんの社会課題を解決したい」と考えているそうです。

というのも、農家さんは日々、季節や天候によって収穫量が左右される、
生ものとしての果物や野菜と向き合っています。
たくさん収穫せざるを得ないときには、
収穫や出荷の作業に追われ、
夜中まで仕事をすることもめずらしくありません。

〈AOBA〉のアイスは注文を受けてから目の前でひとつひとつ手づくりしています。

〈AOBA〉のアイスは注文を受けてから目の前でひとつひとつ手づくりしています。

そこで乙倉さんは果物や野菜を「冷凍」して保管することに注目。
〈AOBA〉では、収穫された農産物の中でも一般的に市場価値の低い
規格外・ハネ品を仕入れてすぐに冷凍保存することで、
出荷作業など農家さんの負担を削減できないかと試みています。

岡山の笠岡湾干拓地で、大実金柑などを生産している〈BriGarden〉さん。

岡山の笠岡湾干拓地で、大実金柑などを生産している〈BriGarden〉さん。

そうして冷凍保存された農作物を活用したものが〈AOBA〉のアイスです。
果物や野菜のおいしさが一番引き立つように、
〈AOBA〉のスタッフが何度もアイスの試作を行っています。

また〈AOBA〉のスタッフは農家さんの畑に出向き、
直接取材を行っているのも特徴。信頼できる素材を自分たちの目で確かめています。
もちろん、お試しで果物や野菜を〈AOBA〉のお店に自ら持ち込むことも可能です。
数キロ単位の少量からでも受け付けてくれるそう。

毎週金曜は〈AOBAR〉として営業(18:00〜22:00)。「フローズンいちごハイボール」650円は、完熟朝摘みのイチゴの風味が美味。季節によって変わる「グラスパフェ」は、キウイ・ブルーベリーなど県産フルーツもりだくさん。

毎週金曜は〈AOBAR〉として営業(18:00〜22:00)。〈フローズンいちごハイボール〉650円は、完熟朝摘みのイチゴの風味が美味。季節によって変わる〈グラスパフェ〉は、キウイ・ブルーベリーなど県産フルーツもりだくさん。

「冷凍」を通して、農家さんの社会課題を解決していく〈AOBA〉。
「冷凍保存だけでなく、一緒に新たな商品を開発したり、
農家さんに〈AOBA〉を活用してほしい」と乙倉さん。

〈AOBA〉は、岡山だけでなく
全国の農家さんを救うモデルケースになるかもしれません。

information

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インフォメーション

住所:岡山県岡山市北区内山下1-15-10

営業時間:月・火・水・木曜12:00〜17:00、金曜18:00〜22:00(AOBAR)、土日祝12:00〜18:00

※AOBARとしての営業時もアイスは食べられます。

定休日:不定休

電話番号:086-206-4740

問い合わせ:aoba@1000d.co.jp

公式HP:AOBA

アイスクリーム・ブレンダーBJ:アイスクリーム・ブレンダーBJ

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