鎌倉から考えるローカルの未来
長い歴史と独自の文化を持ち、豊かな自然にも恵まれた日本を代表する観光地・鎌倉。
年間2000万人を超える観光客から、鎌倉生まれ鎌倉育ちの地元民、
そして、この土地や人の魅力に惹かれ、移り住んできた人たちが
交差するこのまちにじっくり目を向けてみると、
ほかのどこにもないユニークなコミュニティや暮らしのカタチが見えてくる。
東京と鎌倉を行き来しながら働き、暮らす人、
移動販売からスタートし、自らのお店を構えるに至った飲食店のオーナー、
都市生活から田舎暮らしへの中継地点として、この地に居を移す人etc……。
その暮らし方、働き方は千差万別でも、彼らに共通するのは、
いまある暮らしや仕事をより豊かなものにするために、
あるいは、持続可能なライフスタイルやコミュニティを実現するために、
自分たちなりの模索を続ける、貪欲でありマイペースな姿勢だ。
そんな鎌倉の人たちのしなやかなライフスタイル、ワークスタイルにフォーカスし、
これからの地域との関わり方を考えるためのヒントを探していく。

〈ヨロッコビール〉が飲める店のひとつ〈THE BANK〉。かつて銀行として使われていた洋館をバーとして改修。インテリアデザインを手がけたのは、現オーナーでもある〈ワンダーウォール〉片山正通氏。(撮影協力:THE BANK)
地元民しか知らないビール!?
私事だが、三度の飯よりも、お酒が好きだ。
ビール、日本酒、ワイン、焼酎、ウイスキー……。
酒と名がつくものなら、まずは何でも試してみるし、
とにかくおいしいお酒には、目がない。
そんな僕が鎌倉に移住してから、こんなにうまい酒があったのか! と感動したビール。
それが、鎌倉のすぐ隣、逗子市久木にある〈ヨロッコビール〉だ。

いわゆる「マイクロブルワリー」よりもさらに小さな
「ナノブルワリー」と呼ばれる規模の醸造所でつくられるビールは、
その生産量の少なさから、鎌倉~逗子界隈の限られたお店でしか飲むことができない。
だからこそ、その存在を知る機会がなかったわけだが、
初めてヨロッコビールを口にしたとき、
全国に数多あるクラフトビールの中でも群を抜く味わいに驚き、
同時に、それが地元でつくられていることに喜びを感じたことを鮮明に覚えている。

ヨロッコビールでは、IPA、ペールエール、セゾン、ポーターなど季節に応じてさまざまなビールがつくられている。ラベルのデザインは地元アーティストによるものが多い。
いま、世の中は空前のクラフトビールブームだ。
趣向を凝らした個性的なビールが各地で次々と生まれている。
選択肢が増えることは、飲み手にとってはありがたい限りだが、
最近はこのブームに乗じて、地域PRやまちおこしの手段として
ビールづくりが利用されることも少なくない。
もちろん、そのビールがつくられた地に思いを馳せることも豊かな体験だが、
地域の人たちがおいしい地元のビールを日常的に飲めること、
そして、その存在に誇りを感じられることこそが、
クラフトビールが提供してくれる真の喜びなのではないか。
ヨロッコビールと出会い、僕はその思いを強くした。
クラフトビールがブームになる以前から、カルチャーとしてのビールづくりに魅了され、
ビールを通じて地域との密接な関係性を築いてきた
ヨロッコビールの吉瀬明生さんを訪ねた。

逗子市久木にあるヨロッコビールの醸造所。多くの人がイメージするであろう大手メーカーのビール工場などに比べると、肩透かしを食らうほどこぢんまりとした空間だ。





























































































![宮浦さんの〈Life on the table〉では、たったひとりのための食卓をつくったり、「おかゆのしあわせ」というワークショップを企画したりと、食にまつわるさまざまな提案を行っている。(写真提供:NPO法人こえとことばとこころの部屋[ココルーム])](https://libs.colocal.jp/wp-content/uploads/2018/05/tpc-lif-ecovillage-067-photo2.jpg)










