連載
posted:2018.5.14 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
今年も庭の桜の木に真っ赤なサクランボがたくさんなりました。
毎年だいたい同じ時期、5月のゴールデンウィーク頃がちょうど食べごろです。
田舎で暮らしていると、この季節の繰り返しをとてもよく感じます。
「あー、サクランボの季節だな」
「カエルが鳴き出した、田植えの時期だな」
植物や動物、虫たちが毎年同じように次の季節の訪れを教えてくれます。
こうやって季節が繰り返していくなかで、
私たちは歳を重ねていくんだなぁとぼんやりと思いにふけってみたり。
あかん! まだ30代です(笑)。
2012年秋に小豆島に引っ越してきて、その翌年2013年4月から書き始めた
この連載「小豆島日記」も、今回でなんと199回!
5年にわたって書き続けてきました。
最近では今回は何について書こうかなと考えるとき、
昨年、一昨年の同じ時期に何を書いてたかなぁと読み返したりします。
肥土山(ひとやま)農村歌舞伎や生姜の植え付け作業など、
去年と同じことをしていても、考え方や関わり方など少しずつ変わっていて、
その小さな変化を感じながら書くのがおもしろかったりします。
そして時に恥ずかしかったりもします。
いまと比べて圧倒的に少ない知識と経験で農業のことなど語っていたりして、
こんなことを書いていたのかと(汗)。
ま、でも、そのときしか書けなかった純粋な思いもあったりして、
それはそれでいいのかな。
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この「書き続ける」ということは、本当に本当に大事なことだと思います。
199回書き貯めてきた「小豆島日記」は、私たち〈HOMEMAKERS〉の大切な宝です。
それは家族の暮らしの記録という意味でも、商売をしていくという意味でも。
毎回2000文字の文章と10枚くらいの写真を組み合わせて
書き続けていくというのは、けっこう大変です。
書きたいことは5年経ったいまでも山ほどあるのですが、
写真が揃わなかったり、いざ書くとなるとうまくまとまらなかったり。
それでもこの「小豆島日記」という場があることで、
頭の中にあるものを絞り出すようにして書き続けてきました。
そうして貯まった199回の文章と写真は、1日でつくれるものではなくて、
5年間かけてこつこつとつくりあげてきた、まさに財産。
思わぬところで仕事につながることもあるし、
自分たちのことを説明するツールになっていたりもします。
そして何より、「コロカルいつも読んでます」
カフェに来てくれるお客さんで、そう言ってくれる方がけっこういます。
コロカルで私たちのことを知って、移住の相談に来られる方も!
読んでくれている人がいるというのは、とてもうれしくありがたいことです。
毎日の暮らしや自分の考えてることを書き続ける。
しんどいなと思うときもあるけど、これからも続けていきたいなと。
どこかのタイミングで1冊の本にしたいなというひそかな野望も(笑)。
というわけで、次回でとうとう200回!
今後ともどうぞよろしくお願いします。
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