酒の〆になかなかならぬ!
〈砂町銀座商店街〉の
純レバ丼と味噌汁
あなたのまちの商店街へ。
焼酎ハイボールのアテ探し旅

全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
そこでしかお目にかかれないおいしいものとの出合いも楽しみのひとつです。
酒ライターの岩瀬大二さんが、タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉にあう
最高のアテを探すべく、全国の商店街を巡ります。
これぞ! というアテをテイクアウトして、焼酎ハイボールとの相性をレポート。
思わず喉が鳴る至極の組み合わせをご覧あれ!
今回は、東京都江東区の砂町銀座商店街です。

「変わらない良さは、情」下町の愛され商店街でアテ探し

前回訪れたのは夏の名残の太陽と青空の「淡路島」。
今回は晩秋から冬へ。空気は冷たく硬く感じる季節。
となれば、心と体を元気に、健やかにしてくれるアテが欲しくなる。
いや、アテだけではなく、
なにかあったかい気持ちにしてくれる雰囲気も欲しくなる。
そのふたつの出合いを求めて向かうとなれば、やはり東京・下町方面。
東京江東区は砂町銀座商店街、通称・砂町銀座に向かおう。
狙いはふたつ。こだわりの味噌とアテでもうまい名物丼だ。

有名な商店街ながら入口には派手さもないし、ランドマーク的なものもない。でも、それこそが砂町銀座らしい。生鮮食品からはじまり今では多様な業態の店があるけれど、全国的な定番チェーンは少なく、それがまた砂町銀座らしさをかたちづくっているようだ。

有名な商店街ながら入口には派手さもないし、ランドマーク的なものもない。でも、それこそが砂町銀座らしい。生鮮食品からはじまり今では多様な業態の店があるけれど、全国的な定番チェーンは少なく、それがまた砂町銀座らしさをかたちづくっているようだ。

砂町銀座は外から訪れる客にとって
アクセスがいいとはいえない場所にある。
最寄りの駅でいえば都営新宿線・西大島駅か、東京メトロ東西線の東陽町駅だが、
どちらも都営バスに乗り換えて10分ほどかかる。
周囲に名の知れた観光スポットもない。
それでも東京有数の商店街に数えられるのは、しっかり地元の暮らしのなかにあり、
外から来る人にはその地元の暮らしが感じられること。

砂町銀座と名づけられたのは1932(昭和7)年。
30軒程度の店からはじまった歴史。
あの銀座のように……という、発展への願いは無情にも打ち砕かれる。
戦争。1945(昭和20)年の東京大空襲により焼け野原に。
しかし、そこから人々の生活は少しずつ活気を取り戻し、
焦土となった年から18年をかけて砂町銀座は原型を取り戻した。

高度経済成長の時代を経て1975(昭和50)年ごろからは、
大規模な団地やマンション建築が周辺で進み人口は一気に増加。
地元の暮らしのために、肉、魚、野菜の廉価な生鮮3品を扱ってきた砂町銀座は、
その軸足がしっかり守られながら、規模を拡大していく。
といっても幅5メートルほどの狭い、昔ながらのメインストリートは変わらずに。

砂町銀座商店街

歩いていると確かに野菜を扱う店は多い。
冬が来れば欲しくなるもののひとつが根菜類。
季節と体、酒飲み心はどうしたって連動している。
〆に根菜がたっぷりはいった味噌汁はどうだろう。
焼酎ハイボールにアテとしてもあう味噌汁がいい。
具材が多ければアテにもなる。
シンプルに根菜の甘味と恵みを感じるために、
うまい味噌とあわせてみよう。

岩瀬さん

勝手に作る商店街サンド:
のんべえとキャプテン翼のまち!
葛飾区立石・四つ木商店街編

商店街サンドとは

〈商店街サンド〉とは、
ひとつの商店街(地域)で売られているパンと具材を使い、
その土地でしか食べられないサンドイッチをつくってみる企画。
必ずといっていいほどおいしいものができ、
ついでにまちの様子や地域の食を知ることができる、一石二鳥の企画なのだ。

私の地元の商店街!

今回やってきたのは東京都葛飾区。

葛飾区といえば、舞台となった漫画“こち亀”こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』や、
映画『男はつらいよ』からわかるように、人情味あふれる地域である。
そのなかでも今回は、立石・四ツ木エリアをぜひ取り上げたい。
なにせ私の地元なのである。

呑んべ横丁の看板(立石)。立石駅前は再開発で激変していっているので、今のうちに行っておいてほしい。

呑んべ横丁の看板(立石)。立石駅前は再開発で激変していっているので、今のうちに行っておいてほしい。

どちらかといえば、というかダントツで立石の方が有名で、
特に〈呑んべ横丁〉を代表とするいい感じの飲み屋さんが集まる、
お酒好きにはたまらないまちとして知られている。

まずは四ツ木から!サッカーブームの火付け役・キャプテン翼がすごい

その立石に行く前に、私の実家がある四ツ木も紹介させてほしい。
ひと昔前は本当に何もない地味なまちだったのだけど、
10年ほど前、かなり大きな変化が起きたのだ。それがキャプテン翼である。

思い切った京成線四ツ木駅! 電車のチャイムは翼君の声だ。「ボールはともだち。こわくないよ!」といつも励ましてくれる。

思い切った京成線四ツ木駅! 電車のチャイムは翼君の声だ。「ボールはともだち。こわくないよ!」といつも励ましてくれる。

キャプテン翼の作者である高橋洋一さんがこの辺りの出身ということで、
四ツ木駅がキャプ翼だらけに変わったのだ。
改札をくぐると天井で翼君がオーバーヘッドキックしていたりする。
子どもの頃、翼君に憧れてサッカーを習っていた私にはうれしい変化だ。

脚が長すぎる日向小次郎と(サッカーのレフェリーぽい服装にしてみました)。

脚が長すぎる日向小次郎と(サッカーのレフェリーぽい服装にしてみました)。

前のコンビニには小次郎が蹴ったらしきボールがめりこんでいます。

前のコンビニには小次郎が蹴ったらしきボールがめりこんでいます。

また、四ツ木から立石まで、あちこちに設置されている銅像もおもしろい。
キャプ翼はヨーロッパでも大人気なので、
一時はそれらしき外国人がわざわざ銅像巡りしに来る姿がよく見られたくらいだ。

翼君の「ボールはともだち」という言葉を信じて
小学生時代の私もサッカーの練習後はしっかりボールを磨いていたものだ。
あの頃は作者が同じ地元だとは知らずにいたんだよなあ。

そんなキャプ翼推しのエリアでイチオシは
地元の洋菓子屋〈パティスリーコトブキ〉さんがつくる〈キャプテン翼サブレ〉である。

お土産にピッタリのキャプテン翼サブレ。キャッチコピーは「シュート!するおいしさ」

お土産にピッタリのキャプテン翼サブレ。キャッチコピーは「シュート!するおいしさ」

生まれ変わっている四ツ木

だいたいの所がそうであるように、四ツ木の商店街も時代と共にだいぶ寂れてしまった。
はじめて訪れる人には「何もないな」という印象だろう。確かにそうだ。

しかし! 最近はオシャレなカフェや、
道路拡幅計画により外観がリニューアルしたお店がちょこちょこでき、
少しずつ生まれかわっているのだ。

寂しい感じが漂う商店街。昔は八百屋や魚屋、肉屋さんがあって活気あったんだけど……

寂しい感じが漂う商店街。昔は八百屋や魚屋、肉屋さんがあって活気あったんだけど……

そんななか2年前、四ツ木らしからぬオシャレなカフェができて驚いた。大人気の〈SCRATCH COFFEE〉。いろいろイベントもやっていて地元を盛り上げている。

そんななか2年前、四ツ木らしからぬオシャレなカフェができて驚いた。大人気の〈SCRATCH COFFEE〉。いろいろイベントもやっていて地元を盛り上げている。

 コーヒーとマフィンがおススメです!

コーヒーとマフィンがおススメです!

熱烈なファンがいる老舗もまだまだ残っている。
うなぎの〈魚政〉や大衆酒場〈ゑびす〉、蕎麦〈松のや〉、割烹料理〈玉子家〉などなど。

この商店街サンドの企画の肝であるパンは、1950年開業の〈長楽製パン〉さんで買い求めたい。

人気のため12時でも売り切れのパン多し。

人気のため12時でも売り切れのパン多し。

お店の方とサンドにあうパンを相談させてもらう。

お店の方とサンドにあうパンを相談させてもらう。

このダブルチーズのパンを使おう!

このダブルチーズのパンを使おう!

 オーラを放つ生食パンも!

オーラを放つ生食パンも!

無事パンをゲットしました!

無事パンをゲットしました!

季節到来!
だまっこ鍋、はっと、おでん、
鍋のお供の辛い調味料まで
全国の鍋事情をチェック


今月のテーマ 「鍋事情」

少しずつ気温も下がり、
あったかい食べ物が欲しくなる季節がやってきました。
冬のあたたかメニューといえば、そう「鍋」です。

今回は全国にお住まいのみなさんに
地元で食べられている「鍋」について紹介してもらいました。

知っている具材や鍋料理も地域によって呼び名が違ったり、
みんなが知っているあの名物が地元ならではのつくり方で食べられています。
晩ごはんの参考にしてみてください。

【新潟県南魚沼市】
うま味をググッと引き上げてくれる鍋のお供、神楽南蛮と麹の辛味調味料

さてさて、今月のテーマはそれぞれの地域の「鍋」。

山形県には芋煮があるし、
秋田県にはきりたんぽ鍋がありますが、あらためて考えてみると
「新潟ならではの鍋ってなんだろう……」と、悩んでおりました。

ところがバイパスを運転中に突如閃いたのです!

「そうだ! 実家のある南魚沼市では鍋のお供に
神楽(かぐら)南蛮※と麹でつくった辛味調味料が、
食卓に登場しているではないか」と。
※夏に採れるピーマンのような形のコロッと太った唐辛子。

実家で食べるこの「神楽南蛮の辛いやつ(正式名称不明)」は、
義妹のおばあちゃんお手製の逸品。
ただ辛いだけじゃないんです。
神楽南蛮のフルーティーなさわやかさと麹のまろやかさが、
鍋のうま味をググンと引き上げてくれる、そんな鍋の名脇役。

調べてみると神楽南蛮は南魚沼市の伝統野菜なのだそう。
もしかしたら地元で脈々と受け継がれてきた
神楽南蛮を常備するために考えられたのが、
この辛味調味料なのかもしれません。

義妹撮影「神楽南蛮の辛いやつ」。

義妹撮影「神楽南蛮の辛いやつ」。

ただこの辛味調味料、
実家には大切に保管されていたとしても、我が家にはございません。
ましてやおばあちゃんと同じように手づくりすることもできません。

代わりに、新潟県内であれば比較的どこでも手に入りやすい
妙高市(新潟と長野の県境)の名物、かんずりで鍋をいただくことにしました。

〈越後妙高かんずり〉。

〈越後妙高かんずり〉。

 上から見てもかわいい。

上から見てもかわいい。

かんずりは唐辛子が原材料ですが、
神楽南蛮の辛味調味料と同じくフルーティーさを感じられます。

せっかくなので、ほかの具材もいくつか新潟の食材を選んでみました。

南魚沼市の名産〈八色しいたけ〉と阿賀野市の〈川上どうふ〉。

南魚沼市の名産〈八色しいたけ〉と阿賀野市の〈川上どうふ〉。

調理を進めて気がついたことが。
「そうだ、そうだ。このキュートな土鍋も
三条市でつくられたお鍋なんだよね」

株式会社クリヤマの〈耐熱セラミック土鍋〉。めちゃくちゃキュートで、そして軽い。ちなみに我が家は米もクリヤマさんの〈かまどご飯釜〉で焚いています。

株式会社クリヤマの〈耐熱セラミック土鍋〉。めちゃくちゃキュートで、そして軽い。ちなみに我が家は米もクリヤマさんの〈かまどご飯釜〉で焚いています。

「新潟の鍋ってどんなのだろう」と、考えあぐねていましたが
食材も豊富でキッチンツールのメーカーもたくさんある新潟県だったら、
食材も調味料も調理器具も「すべて新潟産の鍋」がつくれそうです。

profile

齋藤悦子 さいとう・えつこ

新潟在住のフリーライター。しばらく勤め人でしたが、ひょんなことからライターの道へ。南魚沼市→新潟市→阿賀町→新潟市と県内を転居する生活をしています。寝るのが大好き、朝が苦手、スノーボードとたまに登山、ラジオとエッセイとレモンチューハイが好き。
Instagram:@suzuki_epi/

東京・有楽町
〈ふるさと回帰支援センター〉
に行けば、
移住しようか迷っていても
道が切り拓ける

漠然としていても大丈夫、という安心感

なんとなく自分の住むべき場所は、今住んでいるまちではない気がする。
そんな漠然とした気持ちで、
「移住のことを考えている」と言ってもいいのだろうか?
“移住“というとハードルが高いと感じる人も少なくないだろう。

以前、移住希望のフォトグラファーがレポートした「ふるさと回帰フェア」も、
移住希望者の背中をそっと押してくれるようなイベントではあったが、
東京・有楽町駅前の〈東京交通会館〉にも、
親身になり、寄り添って考えてくれる人たちがいる。
それが〈ふるさと回帰支援センター〉だ。

ふるさと回帰支援センター全体像

ここには全国44都道府県と1政令市の専属相談員がいる移住相談窓口が設けられている。
移住先が絞り込めていなくても大丈夫。
そもそも移住自体について相談できたり、
広域から少しずつ地域を絞り込むのに具体的な相談ができる「エリア担当者」もいたりと、
移住に対してどんなレベルで迷っていても、あたたかく迎え入れてくれる。

藤岡みのりさん

まずは総合案内でエリア担当を務める藤岡みのりさんを訪ねた。

「移住に漠然とした興味がある、という方のご相談も多いですよ。
その方がどういう暮らしを思い描いているのかをヒアリングしていきます。
おひとりなのか? 今すぐなのか? 住むエリアは海や山に近いところがいいのか?
転職先も探すのか? などさまざまな角度から話をうかがいます」

エリア担当者の藤岡みのりさんも地方移住経験者。自身の経験も踏まえながら相談に乗る。

エリア担当者の藤岡みのりさんも地方移住経験者。自身の経験も踏まえながら相談に乗る。

「移住を進めるにあたっても段階があって、
ステップごとに理想と現実のギャップを確認していくことも。
情報提供や問いかけはしますが、
最終的にはご自身で考えていただくのが大事。
移住先が具体的に絞り込めた方には県の相談員をご紹介しますし、
人によっては移住自体を見送り、ということももちろんあります」

今ここで移住を決めてください! というわけではなく、
現在のライフスタイルのあり方に悩む人それぞれにとっての最適解を、
一緒に深く考えてくれる場所だということが、伝わってくる。

やさしいまちの偉人から超高級りんご、
おしゃれすぎるごみ処理施設まで。
全国のすごい人とモノ

今月のテーマ 「すごい人・モノ」

みなさんのまちの「すごい人・モノ」ってなんですか?
風景だったり、食べ物だったり、確かな技術を持つ匠だったりと
住んでいる人たちが自慢したくなるものなはず。

今回は、「すごい人・モノ」をテーマに
お住まいの地域にある偉人や施設を教えてもらいました。
気になった人はぜひ現地で体感してみてください。

【阿蘇郡南阿蘇村】
旅人のための道しるべづくりに心を砕いた、甲斐有雄氏

初夏、気まぐれな散歩の途中に見つけたそれ。
人も車もほとんど通らない細い道の傍らにポツンと佇む、
「甲斐有雄の道しるべ」。

以来、なんとなく気になって南阿蘇村内を見渡してみれば、
あちらこちらにその道しるべが建っていることに気づきました。

散歩の途中に見つけた道しるべ。

散歩の途中に見つけた道しるべ。

甲斐有雄氏とは何者なのか?
偶然村内のとある区長さん宅を訪ねたときに、そのヒントを見つけました。

区長さん宅の横に、どんと置かれたひと抱えはありそうな石。
うっすらと刻まれた文字は、
「右 阿〇さん 左 くまもと」(おそらく、「右 阿蘇さん」)。
100年以上も前、旅人が道に迷わないようにと、
甲斐氏が自らの材を投じて建てたものであることが、
掲げられた看板に記されていました。
その数、なんと2000基弱!

道に迷って行き倒れる人が多かったという時代、これを目にした旅人は心救われる思いだったに違いありません。

道に迷って行き倒れる人が多かったという時代、これを目にした旅人は心救われる思いだったに違いありません。

調べてみたところ、甲斐氏は1829年熊本県高森町の生まれ。
腕のいい石工(いしく)で、その技を駆使して道しるべを建てたようです。
「その由来を知っている人は、
地元にも少ないかもしれない」とは、ある方の言葉。

探し出せた資料はわずかでしたが、
熊本県の中学校道徳資料にも登場するなど
その心映えの豊かさに言及する記述が多く見受けられました。

幕末から明治に至る動乱の時代に
誰かのためを思って自らの技術を活かした甲斐氏。
今なお阿蘇地域周辺に残る道しるべに
「資性篤実にして公益を思う」と伝えられる人柄が伝わってきて、
あたたかい気持ちになれます。

参考資料
『野尻の自然と歴史』甲斐利雄著(熊本出版文化会館/2011年)
『くまもとの心』熊本県教育委員会中学校道徳教育郷土資料

profile

家入明日美 いえいり・あすみ

北海道帯広市から17年ぶりに熊本県へ帰郷。2022年1月南阿蘇村地域おこし協力隊着任。フリー編集者・ライター「たんぽぽのしおり」として活動開始。狼と馬とエゾナキウサギが好き。趣味は読書と散歩。いかにして、「いい肥料となる生き方」ができるか模索中。Instagram:@dandelion_seeds1124

洲本〈コモード56商店街〉
淡路島の玉ねぎの
一番おいしい食べ方とは?
あなたのまちの商店街へ。
焼酎ハイボールのアテ探し旅

全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う最高のアテを探すべく、
全国の商店街を巡ります。今回は、兵庫県洲本市〈コモード56商店街〉です。

御食国(みけつくに)の中心地へ

今回は久々に関東を離れて西へ。
目指すは淡路島。

淡路市から明石海峡大橋、神戸市を臨む。

淡路市から明石海峡大橋、神戸市を臨む。

この地で狙う焼酎ハイボールのアテは名物の海産物と玉ねぎ。
島の中南部、洲本市の〈コモード56商店街〉へと向かう。
なにやらお洒落なカタカナ表記だけれど
実は、江戸時代から続く由緒ある場所だ。

形成されたのは400年前頃。
洲本城の城下町に、淡路島の商人たちが集められ、
洲本の商業の発展を支えてきたという。
訪れたのは9月も終わろうとしているタイミングだけど、
淡路島の太陽はまだ元気で、開放感たっぷり。
夏の名残に、少しだけ風に秋を感じながら、商店街へ向かおう。

やわらかい島の空気感と城下町の頃を感じさせる風情がともにあるなんだか不思議な雰囲気。昭和36年にアーケードが設置され、2010年頃から元々の白壁や古い建物を生かしながらのリニューアルが進められ、伝統とこれからを感じさせるまち並みに。

やわらかい島の空気感と城下町の頃を感じさせる風情がともにあるなんだか不思議な雰囲気。昭和36年にアーケードが設置され、2010年頃から元々の白壁や古い建物を生かしながらのリニューアルが進められ、伝統とこれからを感じさせるまち並みに。

洲本市役所側から商店街に入ると、
まずまっすぐに伸びた通りに驚く。
城下町時代の都市計画の見事さや、当時の賑わいが感じられる。
平日の静かな商店街を、30秒も歩けば目的の店。
淡路島の海産物を扱う問屋〈出口商店〉だ。

懐かしくもあり、モダンでもあり。出口商店の存在は、この商店街のひとつのアイコンでもあるようだ。

懐かしくもあり、モダンでもあり。出口商店の存在は、この商店街のひとつのアイコンでもあるようだ。

創業は1860年、万延元年。
歴史の年表をめくれば、「桜田門外の変」の頃。
洲本城下は、江戸時代の文化や商いでにぎわっていた。
「そのころ、この商店街のすぐ近くに武家屋敷があって、
周辺には関所が設けられ、
武家など特別な人たちが買い物をする場所だったんです」
と5代目の出口雅也さん。

淡路自慢の海産物をはじめ、着物、小物など
そこに集められた商人たちの目利きによって、
この地は淡路島随一の商店街となっていった。
昭和に入ると、商店街はさらに活況を生んだ。

「私の子どもの頃、昭和40年代は、
島にスーパーマーケットもありませんでしたから、
島中から買い物客が集まってきました。
夕方は人とぶつかり合いながらでないと歩けませんでしたね」

なかでも淡路島の人は海産物とともに育ってきた人たち。
商人も目利きなら買う人だって目利き。
長年、そんなお客様に認められ、鍛えられてきたのだから
モノの良さは証明されているようなものだろう。
「生産者の方とも “安く”ではなく“いいもの”が欲しいと言っています」
代々それを守ってきたからこその信頼関係。
生産者と問屋とお客様、3者がいてこそのうまい海の幸。
こういう話がまた焼酎ハイボールのアテにもなる。

5代目の出口雅也さん。一度淡路島を出て電子パーツの貿易商社に勤務してから後を継いだ。工場から生まれる製品と自然から生まれる製品は、違うようでも「信頼」されるものを提供するという共通点がある。外の世界を知ったからこそ、できること、わかることも多いという。

5代目の出口雅也さん。一度淡路島を出て電子パーツの貿易商社に勤務してから後を継いだ。工場から生まれる製品と自然から生まれる製品は、違うようでも「信頼」されるものを提供するという共通点がある。外の世界を知ったからこそ、できること、わかることも多いという。

いい素材があるからいい乾物、加工品もある。海苔、わかめ、佃煮もまた淡路の日常の食卓とともに。もちろんアテにも。

いい素材があるからいい乾物、加工品もある。海苔、わかめ、佃煮もまた淡路の日常の食卓とともに。もちろんアテにも。

瀬戸内の厳選された「いりこ」(片口いわしを塩ゆでして乾燥させたもの)。出汁だけに使われるわけではなく、サイズや乾燥の度合いによっても風味や用途が変わるという。お客様も当たり前のように、用途によって選んで買うという。買う人も目利き。

瀬戸内の厳選された「いりこ」(片口いわしを塩ゆでして乾燥させたもの)。出汁だけに使われるわけではなく、サイズや乾燥の度合いによっても風味や用途が変わるという。お客様も当たり前のように、用途によって選んで買うという。買う人も目利き。

さて、今日のアテにと選んだのは「イカナゴのくぎ煮」。
イカナゴは東日本では小女子(コウナゴ)、西日本では新子(シンコ)
とも呼ばれる小魚で、これを醤油、砂糖、みりん、ショウガなどで
炊きこむというシンプルなものだが、ブレンド、炊き方、
そしてなにより、イカナゴの質などで味は違う。
商店、飲食店はもちろん、それぞれの家庭にも、
自分だけのくぎ煮があるという。

淡路、兵庫では郷土食として昔から日常的に親しまれていたが、
全国的にその名が知られたのは、
「阪神・淡路の大震災のときでしたでしょうか」と出口さん。
震災時の炊き出しや、全国からの支援のお返しに使われ、
報道を通じてその名が広がったようだ。
物語もまた味わいを深める。のちほどじっくり堪能しよう。

350もの自治体が勢ぞろい
大規模移住相談会
「ふるさと回帰フェア」で
理想のライフスタイルと
マッチする移住先は
見つかったのか?

「ヤギと一緒に暮らしたい」

ふと私の中から出てきたひと言に、自分で驚いたが、
その場にいた友人はもっと驚いていた。

「東京では難しいんじゃない?」
「なんでヤギなの?」

自分でも説明するのが難しかったが、
きっとヤギがのんびり草を喰んでいる、広々とした風景の中で、
生活してみたいということなのだと思う。

フリーランスのフォトグラファーというお仕事をしている私、黒川ひろみは、
日本各地に出張する機会をいただくことがたびたびあって、
そんな風景を幾度となく目にしていたから、かもしれない。

出張先の淡路島で出会ったヤギ。

出張先の淡路島で出会ったヤギ。

現在、東京を拠点に活動をしていて、
ずっと憧れていた写真を撮るお仕事ができて、
東京にはたくさんの知り合いや仕事仲間もいる。

だから◯◯県に移住がしたくてたまらない、というよりは、
ヤギを飼うことは本当に難しいのだろうか、
「好きな仕事」と「理想の生活」は両立できるのかというシンプルな問い。

そして憧れている先輩フォトグラファーが移住して、
その地で新たに人脈を広げたり、
写真のお仕事を充実させたりしている様子を
SNSで見つけたことをきっかけに、
東京以外の選択肢もあるのでは? と淡く期待をふくらませた。

そんな将来の可能性を拡充するために、
9月25日〈東京国際フォーラム〉にやってきた。

「ふるさと回帰フェア2022」の入場ゲート。

「ふるさと回帰フェア2022」の入場ゲート。

観光者視点ではなく“生活者視点”で

全国から350もの自治体や団体が集う「ふるさと回帰フェア」。
東京・有楽町の〈ふるさと回帰支援センター〉が主催し、
移住希望者や、検討中の人が、
実際に自治体の移住担当者とお話できる貴重な機会だ。

11時に到着したが、すでに大盛況で、
熱心にうなずきながら説明を聞く人、
パンフレットを握りキョロキョロとしている人、
何か新しいことが始まるような高揚感が会場に満ちていた。

都道府県の総合案内ブースと、自治体ごとのブースが並ぶ。のぼりや揃いの衣装、展示物など各自治体工夫を凝らしていて、眺めるだけでも楽しい。

都道府県の総合案内ブースと、自治体ごとのブースが並ぶ。のぼりや揃いの衣装、展示物など各自治体工夫を凝らしていて、眺めるだけでも楽しい。

まず先に向かったのは、故郷である北海道のブース。
深川市、聞いたことがある地名に安心感を覚え、
まずはお話を聞いてみた。

担当してくださったのは同年代くらいの女性で、
市内のありのままの様子をお話してくれた。
(勢いよく話を聞きに行って、
うっかり名刺をもらい忘れてしまった……)

彼女によると深川市は、スーパーには地元野菜もたくさん並び、
お米の生産量は道内3位と豊かな農地が広がる美しい場所だが、
インターチェンジも近く都市にも出やすい穴場とのこと。
観光パンフレットには載っていないような、
生活者視点のお話がありがたい。

「実はヤギを飼いたいと思っていて……」

変なやつと思われるかなと少し心配しながらも、
自分が考える理想の生活を伝えてみると、

「へえ、そうなんですね!」

と落ち着いた笑顔。
「え!?」とか「なんで!?」といつものような
リアクションが来るかと思っていたので拍子抜けした。

「私の知り合いにも飼っている人いますよ」
「かわいいですよね〜」

とのこと。
あれ、犬の話だっけと思うくらい自然に話が進んでいく。

移住した先でヤギを当たり前のように飼っている自分の姿が、
より現実味をおびて浮かび、一気に楽しくなって、
時間が許すかぎりさまざまな地域に顔を出した。

「シオクリビト」
ヒトから入ってモノも好きになる
一期一会を楽しむ
ネットショッピングの新しいカタチ

モノに愛着を持つ近道は、ヒトを知ること

福島県中通りに位置する塙町。
周囲に田んぼが広がるのどかな景色の中に、目的地〈こんにゃく屋生田目屋〉はあった。
取材対象者はこんにゃくのほか、さまざまな食品を製造・販売している
〈ケーフーズ生田目〉の取締役、セレスタ・サントスさんだ。
といっても今回は、
コロカル編集部がサントスさんにお話をうかがうわけではなく、
〈こんにゃく屋生田目屋〉を“取材する人たちを取材する”少々特殊なパターン。

サントスさんを取材しているのは、
「シオクリビト」という福島県商工会連合会のECサイト
(商品を販売するためのウェブサイト)を制作するスタッフだ。

多くの人にとって、今や日常生活を送るうえで欠かせないものとなっている、
インターネットショッピング。
コロナ禍で不要不急の外出を控える日々を経て、
その必要性はますます高まっているのではないだろうか。
ECモールやECサイトも、誰もが利用したことのあるような大手から、
個人で運営しているものまで無数に存在する。
ネットショッピングは、商品を直接手に取って吟味できないぶん、
安さやスピードを重視しがち。
しかしシオクリビトはそんな潮流に逆行するような、
ゆえにECサイトのあり方を根本から考えさせられるウェブサイトといえる。

シオクリビトページイメージ

シオクリビトのページ。

シオクリビトのページ。

一例をあげると、ECサイトなのに商品ではなく生産者の紹介がメインだったり、
トップページがなかったり、商品名を検索できない代わりに
取材中の名場面・名台詞を検索できたり、
購入すると頼んだもの以外のオマケや生産者からの手紙がついてきたり……。

一般的なECサイトの枠に収まらないことは、取材の様子からも伝わってくる。
まずインタビュアーが尋ねたのは、
ネパール出身のサントスさんの生い立ちについて。
たしかに、なぜ福島でこんにゃくを製造販売しているのか、
気になるところである。
サントスさんは、7人きょうだいの長男でかなりやんちゃだったことや、
父親に厳しくしつけられたエピソードをおもしろおかしく話し始める。

セレスタ・サントスさん。

セレスタ・サントスさん。

ネパールではどんな家に住んでいたのか。なぜ日本に来ようと思ったのか。
来日して間もない頃はどんな生活を送っていたのか。
言葉の面で苦労をしたこと。日本の好きなドラマなどなど。
こんにゃくの話はなかなか出てこないが、
サービス精神旺盛なサントスさんの話にどんどん引き込まれる。

インタビュアーの永井史威さんと、カメラマンの佐々木航大さん。

インタビュアーの永井史威さんと、カメラマンの佐々木航大さん。

さらに奥様とのなれ初め(奥様の父親がケーフーズ生田目の社長であることが、
ここでようやく判明)、
日本で初めて食べたこんにゃくの味、
娘と自転車で散歩する幸せなひとときなどに話が広がっていった。

こんにゃく工場を見学

工場でこんにゃく製造の話を聞く。

工場でこんにゃく製造の話を聞く。

自転車を持ち出して、いつもの散歩ルートを一緒に歩く。

自転車を持ち出して、いつもの散歩ルートを一緒に歩く。

取材時間は約3時間、サントスさんの人柄にすっかり魅せられていた。
そしてこのやり取りこそ、シオクリビトが大切にしていることだった。

絶景ヒルクライムや藁細工、
からし漬けの食べ比べにも挑戦!
わたし、移住してコレ始めました


今月のテーマ 「移住して始めたこと」

新しい土地へと移住した人、IターンやUターンをした人など
さまざまな想いを胸に、住まいを移していまの暮らしを楽しんでいる人たちは
新天地でどんなことをしているのでしょうか?

そこで各地で暮らす本連載ライター陣に、
「移住して始めたこと」について教えてもらったところ、
新しい挑戦が人との交流、趣味、仕事へと繋がっていっているようです。

移住を考えている人もそうでない人も
まちの魅力を再発見できるアクション、始めてみませんか?
ちょっとしたことが、自分のフィールドを広げてくれます。

【秋田県にかほ市】
まちの地形を体感できる週末部活動!

2236メートルの標高を持つ鳥海山と、日本海に囲まれた秋田県にかほ市。
この特異な地形によって絶好のサイクリングコースになっているんです。

山と海の直線距離がわずか16キロという地形のおかげで、
海岸沿いは平坦ですが、山へ向かえばすぐに激坂に。
ロードバイクの醍醐味のひとつであるヒルクライムを堪能でき、
きつい坂道を登りきると、眼前にはダイナミックなパノラマが広がります。

サイクリングコース

その風景を目にすると
自分の力でこんなに高いところまで登ってきたんだという
達成感でいっぱいになります。
また、その坂道を海に向かって下れば、
視界いっぱいに広がるのは真っ青な海。
まっすぐに延びる水平線や、同じ景色は二度とない夕陽は、
どれだけきつい坂道でもまた登りたくなってしまうほど魅力的。

自転車のレースも行われ、
県外からもサイクリング目的の観光客が耐えないこの地には、
地元のロードバイカーもたくさんいます。
私も地元の方に誘われて、週末自転車部に入部しました。

自転車

ママチャリにしか乗ったことのなかった私も、
人生で2番目に高い買い物をしてロードバイクを手に入れました。
これまで車で行っていた場所に自転車で訪れると、
見たことのある景色であっても感動はひとしお。
また、自転車で時間をかけて走ることで、
地形やまちの様子をじっくりと感じることができるのも魅力です。
みなさんもぜひ、絶景ヒルクライムを始めてみませんか。

ヒルクライム

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國重咲季 くにしげ・さき

京都府出身。秋田県の大学に進学したことを機に、東北各地の1次産業の現場を訪ねるようになる。卒業後は企業に勤めて東京で暮らした後、にかほ市で閉校になった小学校の利活用事業「にかほのほかに」に携わるべく秋田にAターン。地域で受け継がれてきた暮らしを学び、自給力を高めることが日々の目標。夢は食べものとエネルギーの自給自足。

食べて遊んで完璧ガイド
「利根町で1日過ごすなら?」

都心から電車で約1時間。茨城県最南部の利根町は、北西に龍ケ崎市や取手市、
南に千葉県印西市や我孫子市など、周囲を中規模都市に囲まれた小さなまちだ。
南には一級河川・利根川が流れる。「日本一広い川」と教科書で習った方も多いだろう。
まちと川、同じ名を持つことで単なる県境というだけでなく、背骨であり、
象徴であり、生活に潤いをもたらす場でもある。

千葉と茨城の県境の利根川。春は桜並木、夏は花火、秋冬は紅葉と四季折々の姿を見せる。

千葉と茨城の県境の利根川。春は桜並木、夏は花火、秋冬は紅葉と四季折々の姿を見せる。

6月下旬から8月にかけて古代蓮が見頃となる〈利根親水公園〉。7月には〈TONE LOTUS FES.〉も開催され、さまざまな映えるスポットが家族連れで賑わった。

6月下旬から8月にかけて古代蓮が見頃となる〈利根親水公園〉。7月には〈TONE LOTUS FES.〉も開催され、さまざまな映えるスポットが家族連れで賑わった。

コンパクトなだけに巡りやすいのも特徴で、半日あれば車でぐるりと観光できる。
それならば、と利根町のとっておきのスポットで、
食べて、飲んで、馬と触れ合ってみた。

いま「気になるもの」のは、コレ!
まちがザワつくいろいろ


今月のテーマ 「気になるもの」

日常のなかにあるちょっとしたモノやコトで
気になっているものってありませんか?

今回は全国にお住まいのみなさんに
いま「気になっているもの」を教えてもらったところ、
「人」や「食べ物」はもちろん、
行動制限が緩和された現在ならではの「お祭り」という声も。

あなたがいまいちばん気になってるものはなんですか?

【秋田県にかほ市】
森が育てる「岩牡蠣」のおいしさ

秋田県にかほ市に暮らし始めたわたしを
もっとも驚かせたのは「岩牡蠣」です。
夏になると漁港のあたりがいつもより賑やかになったり、
魚屋さんや飲食店が色めき立つような雰囲気を感じます。
その理由は、市内の海で獲れる岩牡蠣。

殻つきのまま売られていて、その場で剥いてもらい生で食べるのが定番。
大きい実をひと口でほおばると、
口の中には海の香りと濃厚な牡蠣のミルクが広がります。
ひと口でこんなに幸せな気持ちになれるのかと、
わたしもすっかり魅力にとりつかれてしまいました。

なぜこんなにおいしい岩牡蠣が獲れるのか。
その秘密、実は“森”にあるんです。

まちのシンボルである鳥海山に降り注いだ雨や雪は、
森の養分をたくさん吸収して地下へと浸透します。
それがまちのあちこちで地表に湧き出し、
海へと流れて、おいしい牡蠣を育てているという訳です。

このまちの自然との営みを象徴するような岩牡蠣。
にかほを訪れた際には、その味をぜひ一度お試しあれ!

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國重咲季 くにしげ・さき

京都府出身。秋田県の大学に進学したことを機に、東北各地の1次産業の現場を訪ねるようになる。卒業後は企業に勤めて東京で暮らした後、にかほ市で閉校になった小学校の利活用事業「にかほのほかに」に携わるべく秋田にAターン。地域で受け継がれてきた暮らしを学び、自給力を高めることが日々の目標。夢は食べものとエネルギーの自給自足。

まばゆいばかりの純白の「はんぺん」を
〈阿佐谷パールセンター〉で
あなたのまちの商店街へ。
焼酎ハイボールのアテ探し旅

全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う最高のアテを探すべく、
全国の商店街を巡ります。今回は、東京・杉並区の〈阿佐谷パールセンター商店街〉です。

“阿佐ヶ谷らしさ”ってなんだろう?

今回訪れるのは阿佐谷パールセンター商店街。
JR中央線阿佐ヶ谷駅南口を降りて、
左手を見ればすぐにアーケードの入口。
この地のメイン通り、中杉通りと並行するように、
東京メトロ丸の内線・南阿佐ヶ谷駅方面へと続く。

なんとなく阿佐ヶ谷界隈らしさを思わせるのは、
新旧、洋の東西のカルチャーが個性を放ちつつ共存しているから。

確かに最近チェーン展開している店も目に入るけれど、
昔ながらの甘味処や、アパレル、カフェの小さな個性的な店、
エスニックな飲食店に輸入雑貨、地元系の安売りスーパー、
クラフトやこだわりのポップを掲げる酒屋さんなど、
多彩な店が入り混じるあたりに、阿佐ヶ谷らしさを感じるのだ。

阿佐ヶ谷駅から青梅街道、南阿佐ヶ谷駅方面へ、南北700メートルほどのアーケード街に200店以上の店が並ぶ。アーケードができたのは昭和37年。昔は参道でもあったようで、和菓子屋、甘味処も多い。風物詩は毎年8月7日前後に行われる恒例の七夕祭り。

阿佐ヶ谷駅から青梅街道、南阿佐ヶ谷駅方面へ、南北700メートルほどのアーケード街に200店以上の店が並ぶ。アーケードができたのは昭和37年。昔は参道でもあったようで、和菓子屋、甘味処も多い。風物詩は毎年8月7日前後に行われる恒例の七夕祭り。

その阿佐谷パールセンター商店街での〈焼酎ハイボール〉と楽しむアテ探し。
目をつけてきたのは、いずれもこの地で代を重ねてきた老舗の2軒。
真夏の午後、熱気はあるけど期待も膨らむスタート。

まちを盛り上げる
「クリエイター」の活動にフォーカス!


今月のテーマ 「まちのクリエイター」

SNSを日常的に使う現代において
何かをつくり、発信したり、表現したりする人も少なくありません。

辞書を引いてみると、クリエイターとは「何かを創造する人」という
一説が記されています。

今回紹介するのは、
まちの特産品や特色を生かして“創造”している人たち。

あなたのまちにはどんなクリエイターがいますか?
その活動から地元を盛り上げるヒントを見つけてみてください。

【岡山県浅口市】
牡蠣の貝殻がアクセサリーに! アクセサリーでまちおこし

岡山県浅口市の港町・寄島町で生まれ育った三宅由希子さんは
「このまちを知ってほしい」という思いから、
貝殻アクセサリーをつくっています。

ハンドメイドでアクセサリーづくりをしている三宅由希子さん。

ハンドメイドでアクセサリーづくりをしている三宅由希子さん。

コンセプトは「アクセサリーでまちおこし」。
近くの海岸で見つけた貝殻を砕き、レジンで固め、
色とりどりのアクセサリーに仕上げていきます。
なかには、寄島の特産品の牡蠣の貝殻からつくられるものも。

こちらは牡蠣貝殻の紫色の部分を手作業で選別し、色つきのレジン液と混ぜて制作しているもの。

こちらは牡蠣貝殻の紫色の部分を手作業で選別し、色つきのレジン液と混ぜて制作しているもの。

天文関連施設が多くあることから
「天文のまち あさくち」と呼ばれている浅口市。
アクセサリーの名前はまちの特色を反映し、
〈星のかけら〉になりました。

「うちの店でも販売したい」「こんなアクセサリーはつくれる?」と、
星のようにきらめく貝殻アクセサリーの輪が広がってきています。

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こばん

大阪府出身。〈カブ〉で旅するフォトライター。全国各地を愛車と旅する様子をインスタグラムに投稿するのが趣味。フォトジェニックな「星と海のまちあさくち」に一目惚れし、2017年5月、岡山県浅口市地域おこし協力隊に着任。浅口の魅力を取材し、紙面やWEB、SNSで発信中。

地元の方から郷土食を学ぶ。
食を通じて愛媛県南予エリアを
体験するツアー

海も森も。南予の魅力はひと括りにできない

愛媛県の南予と呼ばれるエリアで、2022年4月24日から12月25日まで
「えひめ南予きずな博(以下、きずな博)」が開催されている。
2018年7月の豪雨災害からの復興と、
新型コロナウイルス拡大以降の働き方の変化の受け皿を目指すことを趣旨とした
プロジェクトだ。

南予とは、県の西南部に位置する、宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、
内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町の、合わせて9つの市町の総称。

愛媛県内の一部地域とひと括りにできないほど、
山や森、海の雰囲気も、特産品として販売されている食べ物も、
それぞれ異なるのが見どころのひとつ。

地域おこし協力隊のメンバーなどが体験プログラムに関わっていることもあり、
通常の旅行では味わえないほど深くまちを知ることができるのが特徴だ。

たわわに実る愛南ゴールド。

たわわに実る愛南ゴールド。

船の上でサバが溢れかえり、まちなかには柑橘の香りが漂う愛南町

「きずな博」の目玉のひとつが、「南予暮らし体感ツアー」だ。
南予で活躍する地域おこし協力隊の暮らしや仕事に密着し、
その地域に暮らす人びとのコミュニティに入り、
お互いに関わりながら楽しく暮らす様子を体験できるツアーを実施する。
まずは第1弾で八幡浜市、西予市、伊方町へ。
第2弾では、鬼北町、松野町エリアへ。
そして、第3弾では、宇和島市、愛南町エリアの体験ツアーが予定される。

このうち、第3弾の愛南町のツアーアテンドを担当している
地域おこし協力隊の関根麻里さんは、東京生まれ東京育ち。

東日本大震災のボランティアを経験してから「田舎暮らし」を志すようになり、
移住先を探すなかで、愛南町に出合った。

縁もゆかりもないまちにもかかわらず、
見ず知らずのおじいちゃんおばあちゃんがよくしてくれたことから、
人のあたたかさを感じ、この地に移住することに決めたという。

「愛媛のなかでも海の近くに住みたい、と言うと、愛南町がいいと勧められました。
移住するまでに3回訪れたのですが、毎回新しい発見があって。
もともと、飲食関係の仕事に就きたいと思っていたのですが、
地域おこし協力隊の業務のなかで、特産品のPRや開発もできて食に関われる、
とわかったのが決め手のひとつです」

地元の人たちからは、季節が違うと見える景色も作物も違うから、
焦らず、回数を重ねて実際に暮らす環境を見てからの移住でもいいのではないか、
と言われたそうだ。

「最初に来たときはゴールデンウィークが終わった頃。
漁協の水揚げに連れて行ってもらったのですが、とにかくサバが大量に獲れる時期で。

1トン2トンなんてレベルじゃないんです。
船の上でサバが溢れかえっている光景に衝撃を受けました。

まちなかには柑橘の花が咲いていて、歩いているだけでもいい香りが漂ってきて、
愛媛らしさを感じられたことを覚えています」

かつおの水揚げの様子。

サバ以外にもカツオもとれます。愛南町はカツオの水揚げが四国NO.1!

2度目の訪問は冬。
1度目が海だったこともあり、山の暮らしを見ることに。
そこではジビエの解体なども見る機会があり、
「海だけでない」という感覚があったとのこと。

3度目には観光はほとんどせず、地元の飲み屋で出会った町内の人と飲みに行くなど、
早速地域に溶け込んでいったようだ。

何気ない行動ひとつにも現れる
「県民あるある」

今月のテーマ 「県民あるある」

普段何気なくやっていることや身の回りの些細なことから
その人のひととなりが伺えます。
今回はその土地に住む人たちがついしてしまう言動や行動にクローズアップ。

移住者から見て県民性が現れていると感じる
あれこれを教えてもらいました。

子どもの頃から当たり前だと思っていた習慣や
何気なく使っていた言葉にも地域性が根づいているようです。

【秋田県にかほ市】
「えふりごき」な秋田県民のあたたかな心意気

秋田県民は「えふりごき」だと言われることがあります。
「えふりごき」とは秋田弁で
「かっこつける」「見栄をはる」という意味。

「身の丈に合わないことをしている」と、
ネガティブな文脈で使われることもありますが
心あたたかい県民性の現われではないかと感じます。

地域の方のお宅にお邪魔すると
食べきれないほどたくさんのご馳走が出てきたり、
帰り際にはお土産まで持たせてもらえたりということがよくあります。

そのエピソードを別の場所で披露すると
「秋田県民はえふりごきだからな~」と、
みんな口を揃えて言います。

ネガティブな言葉で語られることの多いこの言葉。
わたしにとっては、心あたたかい県民性の現れに感じています。
お客さんを精一杯おもてなししようという
「えふりごき」は受け継ぎたい秋田の県民性です。

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國重咲季 くにしげ・さき

京都府出身。秋田県の大学に進学したことを機に、東北各地の1次産業の現場を訪ねるようになる。卒業後は企業に勤めて東京で暮らした後、にかほ市で閉校になった小学校の利活用事業「にかほのほかに」に携わるべく秋田にAターン。地域で受け継がれてきた暮らしを学び、自給力を高めることが日々の目標。夢は食べものとエネルギーの自給自足。

初夏の「紅しょうが天」と
〈ジョイフル三の輪商店街〉で感じる
ノスタルジー
あなたのまちの商店街へ。
焼酎ハイボールのアテ探し旅

全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う
最高のアテを探すべく、全国の商店街を巡ります。
今回は、東京都荒川区の〈ジョイフル三の輪商店街〉です。

「紅しょうが天」

昭和レトロな商店街で、最高のアテを見つける

今回訪れるのは三の輪銀座商店街、通称「ジョイフル三の輪」。
都電荒川線の終点、三ノ輪橋停留場付近から
都電の線路と平行して伸びる商店街で、
都電荒川線の前身である王子電気軌道の開通によって形成されたというから
1913(大正2)年にまで歴史は遡れるか。
王子電気軌道の発足には渋沢栄一が株主に名を連ねるのというのも
なかなか時代を感じさせる。

最寄り駅は都電荒川線・三ノ輪橋停留場。最寄りと言うより直結。間近で都電を堪能できることもあって鉄道ファンも集う。商店街のアクセスとしては東京メトロ日比谷線・三ノ輪駅からも至近。

最寄り駅は都電荒川線・三ノ輪橋停留場。最寄りと言うより直結。間近で都電を堪能できることもあって鉄道ファンも集う。商店街のアクセスとしては東京メトロ日比谷線・三ノ輪駅からも至近。

エリア的には南千住から上野・浅草へと連なる場所。
江戸から東京になり、大正から昭和、そして戦後と、
発展の労働力となる人々が集まり、懸命に汗を流し、
その労働後に飯をかきこみ、酒を飲み干し、遊びにも興じてきた。
公式HPによれば“昭和レトロな商店街です”と書かれているが、
昭和レトロというよりも昭和そのもの。

入口からもう昭和感が漂う……いや昭和そのもの。少し寂し気な風情もありながら、屋根が透明ということもあってアーケードには明るい陽射しが差し込む。

入口からもう昭和感が漂う……いや昭和そのもの。少し寂し気な風情もありながら、屋根が透明ということもあってアーケードには明るい陽射しが差し込む。

毎月11日は「弁天様の日」

毎月11日は「弁天様の日」として縁日的に特売や催しがある。その弁天様は商店街の荒川一中前停留場側を出て右に1分ほど歩いた場所にこぢんまりと。よきアテと物語に出合えるようお参り。

毎月11日は「弁天様の日」として縁日的に特売や催しがある。その弁天様は商店街の荒川一中前停留場側を出て右に1分ほど歩いた場所にこぢんまりと。よきアテと物語に出合えるようお参り。

匂い、息遣い、五感……
昭和へ戻っているような錯覚。アテ探し旅のタイムスリップ感。
何とも不思議な感覚のなかで
「焼酎ハイボール」と楽しむアテ探しスタート。

家族のカタチでプランが変わる!?
愛媛県南予エリアで
オーダーメイドのワーケーションプラン
始まる

穏やかな気候と風土を楽しむ南予

温暖なイメージのある四国のなかでも、
年間平均気温が17度前後とさらに温暖な愛媛県南予地方。
県の西南部に位置する、宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、
内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町の、合わせて9つの市町の総称だ。

愛媛県の3分の1の面積を占める広大な南予地方だが、
特徴はひとくくりにできるものではなく、
海も山も里も、それぞれの魅力が市町ごとに際立っている。

まずは、北部のまち内子町。
築100年以上の古民家などが軒を連ねる町並みも見どころのひとつだ。
白壁の豪商屋敷や、重要文化財に指定された芝居小屋〈内子座〉など、
当時の生活の気配が色濃く残っている。
山と川のめぐみを味わえる小田地区や、野菜収穫の体験ができる御祓(みそぎ)地区など、
多様な豊かさを味わえるのが特徴だ。

内子町の町並み。

内子町の町並み。

大洲市は城下町として、伊予の小京都と呼ばれる伝統あるエリア。
真珠や真鯛の養殖で日本一という宇和島市では、海の幸も楽しみたい。

伊方町は四国の最西端。
佐田岬半島でしか見ることのできない、海に囲まれた景色も堪能できる。

自然と共存するために石垣で積み上げられた小さな集落の風景が残るのは愛南町。
清流に囲まれた山出温泉も南予を楽しむスポットとして欠かせない。

内子町の景観。

内子町の景観。

愛媛県南予エリアで「きずな博」開催中

この南予で2022年4月24日から12月25日まで
「えひめ南予きずな博(以下、きずな博)」が開催されている。
2018年7月の豪雨災害からの復興と、
新型コロナウイルス拡大以降の
働き方の変化の受け皿を目指すことを趣旨としたプロジェクトで、
南予で感じられる豊かさ、そしてあたたかさを体験できるツアーやアクティビティを
展開している。

コワーキングスペース

〈COWORKING-HUB nanyo sign(南予サイン)〉はコワーキングスペースだけでなく移住相談窓口も設けている。

〈COWORKING-HUB nanyo sign(南予サイン)〉はコワーキングスペースだけでなく移住相談窓口も設けている。

師から弟子へ。
次世代が継承する「まちの踊り」


今月のテーマ 「次世代の活動」

まちの文化や伝統を守る活動は全国で行われていますが、
今回は伝統の担い手である次の世代に注目。

「踊り」をキーワードに小学生や高校生の活動を
岩手に住むみなさんに紹介してもらいました。

まちのお祭りはもちろん、
海外遠征まで行う彼らの活動の様子をぜひご覧あれ。

【岩手県花巻市】
ユネスコ無形文化遺産を守る高校生たちの活動

岩手県花巻市大迫町(おおはさままち)には、
約500年以上前から伝承されてきた
〈早池峰神楽(はやちねかぐら)〉という神楽があります。

昭和51年には、国の重要無形民俗文化財に指定され、
平成21年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

その人気は世界中にファンがいるほどで、
毎年7月31日※に早池峰神社で行われる「早池峰神社例大祭宵宮」では
全国から数百名が神楽を観に集まり、熱狂に包まれるアツい夜となります。
※コロナの影響で2年間開催中止。

その神楽の伝承や学びの意味も込め、
県立大迫高等学校には平成28年1月より神楽の班(部活)が設立され、
今年5月の時点で1年生から3年生までの10名が所属。
月曜日から金曜日まで、週5日で練習に励んでいます。

周囲のまちの中学生のなかには、神楽班に入りたいからと
大迫高等学校を選んで入学するほどの人気ぶりだそうです。
伝統芸能の可能性を感じるとともに、
魅了される若者たちの熱い気持ちが伝わってきます。

大迫高等学校神楽班の学生

神楽を舞う様子

近年では、令和3年度の〈岩手県高等学校総合文化祭郷土芸能発表会〉で
「優良賞」を受賞するなど、精力的に活動しています。
地域のなかで声がかかれば、イベントごとに出て舞うことも。
今後の活動も楽しみな高校生たちです。

information

一般社団法人花巻観光協会

Web:一般社団法人花巻観光協会

岩手県立大迫高等学校

Web:岩手県立大迫高等学校

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鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2021年4月から独立して、本格的にぶどうを生業として活動している。

勝手に作る商店街サンド:
海まですぐ! さわやかすぎる
湘南ゴールドサンド完成!
神奈川県・鵠沼海岸商店街編

商店街サンドとは

ひとつの商店街(地域)で売られているパンと具材を使い、
その土地でしか食べられないサンドイッチをつくってみる企画。
必ずといっていいほどおいしいものができ、
ついでにまちの様子や地域の食を知ることができる、一石二鳥の企画なのだ。

江ノ島のお隣、鵠沼海岸でつくる!

今回やってきたのは神奈川県の鵠沼海岸(くげぬまかいがん)。
一大観光地である江ノ島のお隣にある。

私は年に数回、鎌倉とセットで江ノ島に遊びに行くのだけれど、鵠沼海岸は初めてだ。

鵠沼海岸は、サーフィンやビーチバレーの発祥の地として知られ、
多くのビーチスポーツがとても盛んな地域だそうだ。
また、芥川龍之介など日本を代表する多くの文人たちにも愛された場所らしい。

あいにくの天気ながら、サーファーがたくさん! 奥に見えるのが江ノ島です。

あいにくの天気ながら、サーファーがたくさん! 奥に見えるのが江ノ島です。

今回の案内人は地図のプロ!

今回の案内人は、「手書き地図推進委員会」を運営する川村行治さん。
手書き地図推進委員会とは、いろんなまちを地元の人たちと歩き、
あらためて再発見したものを一緒に手書きで地図におこすという活動だ。
そして、そんな川村さんのお友だちの牧村正治(マッキー)さんも来てくれた。

真ん中が川村さん、右がマッキーさん。

真ん中が川村さん、右がマッキーさん。

実は私は手書き地図推進委員会のメンバー。
そこで、以前このあたりに会社があった川村さんに声をかけたのだが、
前日くらいに「自信がない」と言い出して、超地元のマッキーさんを呼んでくれたのだ。

いい笑顔のアニキたち。同世代に孫ができ始めたらしい。そうはまったく見えない。

いい笑顔のアニキたち。同世代に孫ができ始めたらしい。そうはまったく見えない。

鵠沼海岸の「くげ」の漢字がいろいろ

さて、さっそくマッキーさんが地元の人ならではの情報を教えてくれた。
鵠沼の「鵠」の漢字の左側の「告」っぽいところの表記がいろいろあるというのだ。

駅の看板はよくみると「牛」に口。

駅の看板はよくみると「牛」に口。

目の前にあるアパートは「告」。

目の前にあるアパートは「告」。

牛と口がくっついているパターン。

牛と口がくっついているパターン。

大きい字の方は「牛」と「口」だけど、赤文字は「告」だ!

大きい字の方は「牛」と「口」だけど、赤文字は「告」だ!

この統一されていない感、すでにまちの大らかさを感じてたのしいぞ。
さてさて、そんなおふたりについていって、食材探しをスタート!

駅前からさわやかです!

駅前からさわやかです!

駅前から早くも湘南っぽさを感じるお店が並んでいる。
雑貨屋さんやカフェなど、つい入りたくなるようなお店だ。
マッキーさんは店員さんたちと顔見知りで、さわやかに挨拶していた。
そう、さわやかだ!
そんなこと感じる駅前ってあまりない気がするぞ。

まずはじめに見つけたのは、お肉屋&果物屋さんのお店。

まずはじめに見つけたのは、お肉屋&果物屋さんのお店。

さっそく、サザエさんに出てきそうな、昭和を感じさせるいいお店をみつけた。
昔は奥で魚も売っていたそうだ。
なにかサンドイッチに入れられそうなものはないか物色する。
すると、ひときわキラキラと輝く子を発掘!

湘南ゴールド!  みかんのように簡単にむけて、レモンほどすっぱくはないそうだ。

湘南ゴールド!  みかんのように簡単にむけて、レモンほどすっぱくはないそうだ。

柑橘好きなので迷わず購入! しぼって食材にかけたらいけるかもしれない。

柑橘好きなので迷わず購入! しぼって食材にかけたらいけるかもしれない。

湘南ゴールドは、お酒になっていたり、
最近ではコンビニでグミになっているのも見かけるほど有名ブランドみたいだ。
でも実際に見るのは初めて。
サンドにする、と店主さんに話すと
「湘南ゴールドを(食材に)かけるだけに使うのはすごく贅沢!」と笑っていた。

餅やアート作品を贈る!?
「お祝いごと」から見えてくる
まちの文化

今月のテーマ 「お祝いごと」

ひとことにお祝いごとといってもその内容は各地で異なります。
出産や長寿のお祝い、引っ越しや結婚など
みなさんはハレの日やちょっとしたお祝いのとき、
何かしていることはありますか?

今回は「お祝いごと」からまちの文化を探るべく
全国のみなさんに何をしているか聞いてみました。

普段何気なく行っているお祝いも、
実は伝統的なまちの風景だったようです。

【秋田県にかほ市】
お祝いごとに欠かせないアート作品

秋田県にかほ市では、
お祝いごとがあると絵を贈り合うという文化があります。
誰かが引っ越ししたり、結婚したり、
退職したりするときに絵をプレゼントするんだそうです。

こちらの絵は、池田修三さんというにかほ市出身の木版画家さんのもの。
多色刷りという技法で描かれた色彩豊かな絵は、
子どもや、動物、花などのモチーフが描かれたものが多く、
印象的なものばかり。

市内のお店に飾られた『赤いりんご』。

市内のお店に飾られた『赤いりんご』。

市内のお店やお宅にお邪魔すると、
池田修三さんの絵が飾られているところが多く、
「子どもが生まれたときにもらったものだよ」
「夫が退職したときにいただいてね」などと、
絵にまつわる当時のエピソードを話してくださるんです。

私も、にかほ市に引っ越してしばらくした頃に
池田修三さんの絵をいただきました。

この絵を贈るという文化が
池田修三さんの木版画に彩られた、まちの風景をつくり出しています。

photo & text

國重咲季 くにしげ・さき

京都府出身。秋田県の大学に進学したことを機に、東北各地の1次産業の現場を訪ねるようになる。卒業後は企業に勤めて東京で暮らした後、にかほ市で閉校になった小学校の利活用事業「にかほのほかに」に携わるべく秋田にAターン。地域で受け継がれてきた暮らしを学び、自給力を高めることが日々の目標。夢は食べものとエネルギーの自給自足。

歩くだけで“好吃!(ハオツー!)”
〈横浜中華街〉で
和酒と中華の真髄をめぐる。
あなたのまちの商店街へ。
焼酎ハイボールのアテ探し旅

全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う
最高のアテを探すべく、全国の商店街を巡ります。
今回は、神奈川県横浜市の〈横浜中華街〉です。

岩瀬さん近影

横浜中華街へショートトリップ

商店街を歩く。
焼酎ハイボールのアテを求めて。
美味だけではない出会いがそこにはある。

横浜中華街。
日本最大級の中華街であるとか、年間約2000万人が訪れるとか、
そういった表向きの説明は不要だろう。
多くの人がここで舌鼓を打ち、思い出をつくってきたのではないか。
僕もそのひとりだ。
東京の南側で生まれ育った者として、若いころ、自分を大人に見せる場所は、
子どものころからの遊び場だった渋谷あたりではなく、
横浜であり、特に中華街は外せない場所だった。

海側からもJR石川町駅側からも、どちらも巨大で華美な門が迎えてくれる。ここをくぐれば美味のワンダーランドの始まり。

海側からもJR石川町駅側からも、どちらも巨大で華美な門が迎えてくれる。ここをくぐれば美味のワンダーランドの始まり。

久々に訪れた日は、3月初旬、ひと足早い春の陽気。
春休みを楽しんでいるのであろう学生たちが、まちの辻々で、
最近の流行である台湾のフライドチキン「雞排(ジーパイ)」や
スイーツを食べている姿に、あのころの自分を思い出す。

横浜中華街の通り

多くの人々を迎え入れる極上の観光地である中華街。
でも、ここも間違いなく、住む人の営みがあり、
ふだんの暮らしと、その延長線上の非日常がある商店街なのだ。
そのあたりの話はまた後程。
〈焼酎ハイボール〉と楽しむアテ探しに、中華街に迷い込もう。

横浜の青空と中華街の金赤の世界。心躍るコントラスト。

横浜の青空と中華街の金赤の世界。心躍るコントラスト。

余白があるからチャレンジできる。
「デザインとクリエイターの力」で
盛り上げる静岡県焼津の
まちづくりとは?

静岡市から電車で約10分。
東京にも1時間20分ほどで出られる焼津市。
江戸時代からカツオやマグロなどの水産業が盛んで、
静岡県で愛されている黒はんぺんは、このまちの名産品となっている。

水産業が盛んな焼津。ツナ缶などはふるさと納税の返礼品でも人気だ。

水産業が盛んな焼津。ツナ缶などはふるさと納税の返礼品でも人気だ。

現在まちの人口は約13.7万人。
郊外に住宅地が広がる一方で、駅前の商店街の人通りはまばら。

「昔は隣を歩く人と肩が触れるくらい
駅前の商店街も賑わっていたそうです。
シャッター街とまではいわないですが以前よりは少し寂しくなっていますね」

人通りはまばらだが、港まちらしく温かく人情味のある焼津駅前商店街。

人通りはまばらだが、港まちらしく温かく人情味のある焼津駅前商店街。

そう語るのは、焼津駅前商店街でコワーキングスペース
〈Homebase YAIZU〉を運営する〈株式会社ナイン〉の代表・渋谷太郎さん。
焼津には若者が少ないというが、
ここHomebase YAIZUにはクリエイターの卵となる若者が集まっている。

駅でサクっと購入!
まちの味がぎゅっと詰まった「駅弁」

今月のテーマ 「駅弁」

駅弁の歴史は古く、明治時代に遡ります。
発祥の地については諸説ありますが
そのひとつである宇都宮駅開業時に販売された駅弁は
ゴマ塩おにぎり2個を竹皮で包んだ手軽なものだったそうです。
現在では、地域の特産物を詰め込んだ
多種多様な駅弁が販売されています。

今回は全国にお住まいのみなさんに
まちで販売されている「駅弁」について聞いてみました。

移動中に食べるもよし、お土産として買うのもよし、
おいしい駅弁を目当てに次の旅先を決めるのもアリです。

【北海道川上郡弟子屈町】
駅弁の思い出から誕生した、冷めてもおいしい〈摩周の豚丼〉

北海道の東側を南北に走る、JR釧網本線。
釧路駅から網走駅まで所要時間は約3時間、25駅あります。
そのひとつが、霧で有名な摩周湖の最寄り駅であるJR摩周駅。
駅前では〈ぽっぽ亭〉の〈摩周の豚丼〉が販売されています。

昭和初期に開通した釧網本線。釧路湿原やオホーツク海沿岸などを走る、旅情あふれる単線のローカル列車。摩周駅は交換駅。

昭和初期に開通した釧網本線。釧路湿原やオホーツク海沿岸などを走る、旅情あふれる単線のローカル列車。摩周駅は交換駅。

〈ぽっぽ亭〉が駅前食堂としてスタートしたのは、2003年のこと。
当時の店主・古瀬圭一郎さんは、
子どもの頃に父親と汽車に乗ったとき食べた駅弁の感動が忘れられず、
いつかは販売したいと夢見ていたそうです。

オープンから2年経った頃、
東京の百貨店から「駅弁甲子園」の参加を持ちかけられ、
食堂で提供していた豚丼をアレンジしたところ、
なんと全国第2位に!
以来、弟子屈町を代表するグルメになりました。

2018年には、〈食堂と喫茶 poppotei〉としてリニューアル。
現在は娘婿の菅原慎也さんが店長になり、
もちろん豚丼も、駅弁〈摩周の豚丼〉も相変わらず好評です。

「冷めてもおいしく食べられるように、ロース肉を使っています。
時間が経つことで、味がしみ込むだけでなく、
蓋をするので蒸されるのでしょうか、肉とたれとご飯の感じが絶妙なんです」
と、菅原さんは人気の秘密を教えてくれました。

事前に電話予約をしておけば、駅のホームまで届けてくれるサービスも。列車に乗ったまま〈摩周の豚丼〉が食べられる幸せ!

事前に電話予約をしておけば、駅のホームまで届けてくれるサービスも。列車に乗ったまま〈摩周の豚丼〉が食べられる幸せ!

「駅弁を目当てに訪ねてくださる常連さんも多い。
列車も駅弁も、単なる移動手段や食事ではなく、
旅に深みを与えてくれるものなんですよね」

information

map

食堂と喫茶 poppotei

住所:北海道川上郡弟子屈町朝日1-7-18

TEL:015-482-2412

営業時間:10:00〜19:00

不定休

Web:食堂と喫茶 poppotei

※〈摩周の豚丼〉は店頭のほかに、摩周駅の売店、道の駅摩周温泉の3か所で販売。

photo & text

井出千種 いで・ちぐさ

横浜市出身。大雪山登山で雄大な自然に感動、北海道のファンになる。2018年、帯広市に移住。2021年5月、弟子屈町地域おこし協力隊着任。摩周湖観光協会に籍を置きながら、弟子屈町、道東、北海道の魅力を発信するべく努力中。

全国のみなさん、
最近「ときめいたもの」って
なんですか?

今月のテーマ 「ときめいたもの」

たまたま店で見かけた作家の器、
おいしいごはんや新作の地元のお菓子、
初めて訪れた場所の風景……などなど、
何気ない暮らしのなかにもちょっとした感動や心踊る瞬間はあります。

最近「ときめいたもの」について
今回は全国にお住まいのみなさんに聞いてみました。

長引くコロナ禍のなかにも
「ときめき」は日常にたくさん溢れています。

【北海道羅臼町】
一夜明けると風景ががらりと変わる。心躍る、白の世界

2月上旬、北海道知床半島に流氷が着岸しました。
昨日まで白波が立って賑やかだった海が、
一夜明けてシーンとしていました。
そこには真っ白の海が。

流氷が近づくと波が打ち消され
とても穏やかで静かな海になるのです。
「対岸の国後島まで歩いて行けるんじゃ……」と思えるほど
びっしり流氷に覆われていました。
(危険なので流氷に乗ってはいけません!)

流氷

耳を澄ましてみると、
シーンとした世界の奥のほうから子どもたちが
雪で遊ぶ声と鳥たちの鳴き声が聴こえてきます。
心躍る瞬間です。

静けさを運んできてくれる流氷。
実は自然界にも大きな影響を与えています。
ロシアのアムール川から潮の流れに乗ってくる流氷は、
その氷の中にたくさんのミネラルを含んでいます。
そのミネラルがプランクトンのエサとなり、
プランクトンが小魚を養い、
小魚を求めてウミワシやアザラシたちがやってくるんです。

知床羅臼町にはこのワシと流氷を同時に観察できる
アクティビティ「流氷・バードウォッチングクルーズ」があります。
数十羽のオジロワシ・オオワシが頭上を舞い、
辺り一面、流氷で埋め尽くされます。

日本とは思えない景色が広がっています。
羅臼に来た際には、ぜひこの異世界を体感してみてください。

photo & text

佐脇 星 さわき・ひかり

兵庫県神戸市の人工島で生まれ育つ。子どものときに読んだ「シートン動物記」をきっかけに野生動物が好きになり、「野生動物の息吹を身近に感じられるところに住んでみたい」という思いから、大学卒業後、世界自然遺産の町である知床羅臼町の地域おこし協力隊に着任。関西人から見た羅臼町の魅力をSNSで発信している。