連載
posted:2022.10.28 from:兵庫県洲本市 genre:旅行 / 買い物・お取り寄せ
PR 宝酒造
〈 この連載・企画は… 〉 宝酒造が発行するWEBマガジン『酒噺』とのタッグで展開する「和酒を楽しもうプロジェクト」シーズン5。タカラ「焼酎ハイボール」の最高のアテを探しに、酒ライターの岩瀬大二さんが全国の商店街へ足を運びます。
editor’s profile
Daiji Iwase
岩瀬大二
いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆
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撮影:黒川ひろみ
全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う最高のアテを探すべく、
全国の商店街を巡ります。今回は、兵庫県洲本市〈コモード56商店街〉です。
今回は久々に関東を離れて西へ。
目指すは淡路島。
この地で狙う焼酎ハイボールのアテは名物の海産物と玉ねぎ。
島の中南部、洲本市の〈コモード56商店街〉へと向かう。
なにやらお洒落なカタカナ表記だけれど
実は、江戸時代から続く由緒ある場所だ。
形成されたのは400年前頃。
洲本城の城下町に、淡路島の商人たちが集められ、
洲本の商業の発展を支えてきたという。
訪れたのは9月も終わろうとしているタイミングだけど、
淡路島の太陽はまだ元気で、開放感たっぷり。
夏の名残に、少しだけ風に秋を感じながら、商店街へ向かおう。
洲本市役所側から商店街に入ると、
まずまっすぐに伸びた通りに驚く。
城下町時代の都市計画の見事さや、当時の賑わいが感じられる。
平日の静かな商店街を、30秒も歩けば目的の店。
淡路島の海産物を扱う問屋〈出口商店〉だ。
創業は1860年、万延元年。
歴史の年表をめくれば、「桜田門外の変」の頃。
洲本城下は、江戸時代の文化や商いでにぎわっていた。
「そのころ、この商店街のすぐ近くに武家屋敷があって、
周辺には関所が設けられ、
武家など特別な人たちが買い物をする場所だったんです」
と5代目の出口雅也さん。
淡路自慢の海産物をはじめ、着物、小物など
そこに集められた商人たちの目利きによって、
この地は淡路島随一の商店街となっていった。
昭和に入ると、商店街はさらに活況を生んだ。
「私の子どもの頃、昭和40年代は、
島にスーパーマーケットもありませんでしたから、
島中から買い物客が集まってきました。
夕方は人とぶつかり合いながらでないと歩けませんでしたね」
なかでも淡路島の人は海産物とともに育ってきた人たち。
商人も目利きなら買う人だって目利き。
長年、そんなお客様に認められ、鍛えられてきたのだから
モノの良さは証明されているようなものだろう。
「生産者の方とも “安く”ではなく“いいもの”が欲しいと言っています」
代々それを守ってきたからこその信頼関係。
生産者と問屋とお客様、3者がいてこそのうまい海の幸。
こういう話がまた焼酎ハイボールのアテにもなる。
さて、今日のアテにと選んだのは「イカナゴのくぎ煮」。
イカナゴは東日本では小女子(コウナゴ)、西日本では新子(シンコ)
とも呼ばれる小魚で、これを醤油、砂糖、みりん、ショウガなどで
炊きこむというシンプルなものだが、ブレンド、炊き方、
そしてなにより、イカナゴの質などで味は違う。
商店、飲食店はもちろん、それぞれの家庭にも、
自分だけのくぎ煮があるという。
淡路、兵庫では郷土食として昔から日常的に親しまれていたが、
全国的にその名が知られたのは、
「阪神・淡路の大震災のときでしたでしょうか」と出口さん。
震災時の炊き出しや、全国からの支援のお返しに使われ、
報道を通じてその名が広がったようだ。
物語もまた味わいを深める。のちほどじっくり堪能しよう。
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海の幸あれば陸(おか)の幸もすぐそばにあるのが淡路島。
そう、玉ねぎだ。
商店街からほど近い、〈JA淡路日の出〉が運営する、
農産物直売所〈御食菜采館(みけつさいさいかん)洲本店〉へ。
淡路島の玉ねぎの特徴は“甘みとやわらかさ”と聞く。
「また、収穫時期によって品種のバリエーションも豊富です」と、
同所・営農販売2課長の高野好基さん。
「早めの収穫であれば生食がおススメの〈レクスター〉、
そのあと収穫されるのが〈ターザン〉、
6月中旬からは〈もみじの輝(かがやき)〉……」
とスラスラと玉ねぎの品種が。
早めの収穫の品種であればみずみずしさを生食で味わい、
遅めの収穫の品種であれば煮込み料理でも堪能できる。
いずれも、ただ気候風土にまかせているわけではなく、
淡路島ではよく見られる玉ねぎ小屋での乾燥や、
適温での保存など、栽培、収穫から保管、提供に至るまで、
玉ねぎのプロたちの手により育まれる。
だから、うまい。
焼酎ハイボールのアテとして、また、
淡路の玉ねぎのおいしさを楽しむために、
どのような食べ方がおすすめかと聞けば高野さんは自信満々の表情で
「アルミホイルに包んで焼くだけ。調味料もいりませんね」
もうおひと方、玉ねぎのレクチャーをいただいた
同所・洲本販売所主任の太田一也さんも、
「私は玉ねぎをラップに包んで電子レンジ。
できあがりに鰹節にポン酢をかけて食べるのが好き。
〈焼酎ハイボール〉もとまらないでしょうね」と笑顔。
ともにシンプル。そのシンプルさは、
きっと幸せな時間の積み重ねから生まれた経験値。
郷に入りては郷に従え、ローマではローマ人のように。
そんな格言を胸に、生産者さんの名前がしっかり記された
ターザンをかごに入れる。
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さあ、淡路島の恵みと焼酎ハイボールとの出合いだ。
まずは出口商店のくぎ煮から。
最初はちょっと多めに頬張ってみよう。
小さくとも噛み応えがあるイカナゴから、
ほどよい甘みと塩辛さ、自然な磯の香りも感じられる。
甘辛なテイストに焼酎のまったり感が、気持ちまで緩やかにしてくれる。
逆に山椒や七味をかけると、小気味よいパンチが。
これが焼酎ハイボールの「ガツン」と相性がいい。
結局、ゆるやかとガツンを交互に。
つまり、止まらなくなる。
玉ねぎは御食菜采館 洲本店のおふたりのおすすめに従いシンプルに。
水も油も使わず、玉ねぎを皮ごと
ダッチオーブンに入れ、じっくり加熱していく。
玉ねぎ自体の水分が少しずつ染み出して、
皮がラップやホイル代わりになって、
内部が少しずつ蒸らされていく。
くぎ煮をつまみにひと缶があく頃、できあがり。
割ってみれば、外はふわっと、中はとろっと。
まずは玉ねぎの甘い香りを堪能しながら焼酎ハイボール。
ふたつの香りが入り混じり、それを飲み込む。うまい。
そしてひと口、玉ねぎを。
お互いのテクスチャー(ゆるさ、かたさ)もちょうどいい。
シンプルももちろんうまいが、
裏技的にサワークリームを玉ねぎにトッピング。
甘みに酸味が加わり、まったり感も増す。これが抜群の好相性。
グラスを氷で満たしてそこに焼酎ハイボールを注いでみる。
この冷え冷えと熱々の組み合わせもたまらない。
海を知り尽くした人がいて、それを生かす目利きと匠があって、
幸せな食卓や酒の時間がある。
淡路の気候に合った作物を育てる人がいて、
それを生かす工夫と努力があって、幸せな食卓や酒の時間がある。
くぎ煮と玉ねぎを味わえば、今日出会った人たちの話がしみじみ思い出される。
9月の終わりの淡路の宿には、秋の虫たちの歌声と星のスクリーン。
もう夜長の季節が始まる、その頃、玉ねぎをスープやグラタンに……
なんて思いながら、もうひと缶。
ガツンときて、ウマい! も実感。飲みごたえも存分。それが下町スタイル。
東京・下町生まれの元祖チューハイ(焼酎ハイボール)の味わいを追求。
キレ味と爽快感、ガツンとくる喜びを強炭酸、甘味料ゼロのテイストで、
うまみと飲みごたえは、宝ならではの焼酎と、7%という絶妙なアルコール度数で。
下町の大衆酒場で愛されるスタイルだからいろいろな肴にぴったり。
糖質ゼロ、プリン体ゼロもうれしいひと缶です。
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出口商店
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御食菜采館(みけつさいさいかん)洲本店
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