地元の人が教える 牡蠣のおいしい食べ方から 季節のビッグイベントまで。 わたしのまちの 「冬の過ごし方」


今月のテーマ 「冬のお約束」

日々の習慣をはじめ、
人それぞれ決まった手順や日課などがあるはず。
それは、季節の過ごし方にも言えるのではないのでしょうか。

今回は、「その土地ならではの冬の楽しみ、過ごし方」を
全国にお住まいのみなさんに紹介してもらいました。
冬の定番食べ物を味わったり、お決まり行事を友だちと毎年開催したりと、
楽しみ方もさまざま。

寒い寒いと、家のなかでぬくぬくしているのも
冬のリラックスタイムとして至福のひとときですが
ぜひ自分なりの季節ごとの楽しみを探してみてください。

【岡山県浅口市】
冬といえば寄島牡蠣!

私が暮らす岡山県浅口市の港町・寄島町(よりしまちょう)は、牡蠣が特産です。
だいたい11月下旬から3月末頃限定で手に入る、冬限定の味覚です。
寄島牡蠣は1年もので小粒ですが、栄養たっぷりの瀬戸内海でぷくぷく育ち、
濃厚な味わいが特徴で、指名買いされる老舗料亭もあるとか。

生ではなく必ず火を通して食べますが
移住して殻つき牡蠣の手軽な食べ方を教えていただきました。

軽く洗ったら平らな皿に並べて、ふんわりラップをして、レンジでチン。
加熱時間は牡蠣の量によりますが、
3つで1分半くらい、殻が開いていなかったら数十秒さらに加熱し、
殻が開いたら完成です。

ポン酢などで食べる人も多いですが、私はそのまま、
じゅわーっと広がる海の味わいを楽しむのが好きです。

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こばん

大阪府出身。〈カブ〉で旅するフォトライター。全国各地を愛車と旅する様子をインスタグラムに投稿するのが趣味。フォトジェニックな「星と海のまちあさくち」に一目惚れし、2017年5月、岡山県浅口市地域おこし協力隊に着任。浅口の魅力を取材し、紙面やWEB、SNSで発信中。

年末年始の宴準備。 “ハマのアメ横” 〈横浜洪福寺松原商店街〉で マグロを狙う! あなたのまちの 焼酎ハイボール アテ探し旅

年末年始にふさわしい豪華で豪快なアテを探す

なにかとお呼ばれの機会も多い年末年始。
親しい友人と焼酎ハイボールを楽しむアテを探そう。
目をつけたのは〈横浜洪福寺松原商店街〉。
最寄りは横浜駅から相鉄線で3駅の天王町駅。
“ハマのアメ横”との呼び名を持つ商店街で、
年末年始に入り用になるあれこれを扱う食材専門店が集まる。
しかも総じて安い。

戦後の復興にあわせて、横浜各所には商店が立ち並び始める。〈横浜洪福寺松原商店街〉もそのひとつ。3、4軒から始まり次第に活況へ。チェーン店はほとんどなく、菓子、野菜、洋服・靴、総菜に加えて、タレ・調味料専門店といったユニークな専門店も。それほど大きな商店街ではないが、道幅が広く、開放的。

戦後の復興にあわせて、横浜各所には商店が立ち並び始める。〈横浜洪福寺松原商店街〉もそのひとつ。3、4軒から始まり次第に活況へ。チェーン店はほとんどなく、菓子、野菜、洋服・靴、総菜に加えて、タレ・調味料専門店といったユニークな専門店も。それほど大きな商店街ではないが、道幅が広く、開放的。

まず向かったのは〈かつ信〉。
お目当ては“松原名物”と謳われる「木炭焼焼豚」。
店頭で、炭火でじっくり焼き上げるという光景も、
商店街のすてきな風景になっている。

店頭でご主人の武井さん自ら焼豚を焼く。「今使っているのは茨城のブランド豚。部位はひとつじゃなく、肩ロース、モモ、ミスジなどいろいろあってそれぞれ味わいが違って、お客さんも好みが分かれますね」。確かに旨み、脂の甘みや強さ、食感などが違っておもしろい。価格は1パック1000円台から。

店頭でご主人の武井さん自ら焼豚を焼く。「今使っているのは茨城のブランド豚。部位はひとつじゃなく、肩ロース、モモ、ミスジなどいろいろあってそれぞれ味わいが違って、お客さんも好みが分かれますね」。確かに旨み、脂の甘みや強さ、食感などが違っておもしろい。価格は1パック1000円台から。

一般的に焼豚にはいろいろなタイプがあるが、
こちらは、周りが紅色。横浜中華街で見るようなタイプだ。
となるとタレは八角などを使ったオリエンタルな風味を想像するが、
そうした刺激的な香りではない。
ほのかな甘みと照りをまとい、噛めば、豚肉の脂自体の甘みがじわっと感じられ、
そもそもの肉の旨みもどんどん広がっていく。

店主の武井信助さんに聞けば、
「確かにこの色だと中華街って感じですかね。
ただうちは昔から見た目も味もつくり方も変わってないんです」とのこと。

もともとは横浜・野毛の精肉店。戦後、この地に移転した。
「当時このあたりの店は〈魚幸水産〉さんとうちと3、4軒ぐらい」
しかなかった頃から変わらぬレシピ。
「味つけは企業秘密ということにしておこうかな(笑)」というが、
なんと醤油は使っていないのだとこっそりヒントを教えてくれた。

店名が示す通り、もともとはとんかつ屋。
コロナ禍で休業していたところ、
年配の常連さんからの熱望があって焼豚を店頭販売。
土日だけ出していたところ、毎日やってというリクエストがあったという。
ありがたい言葉だけれど、とにかく仕込みに時間も手間もかかる。
結果、いろいろあってとんかつはお休みを続けて、
現在は焼豚や肉まんのテイクアウトを中心とした営業となっている。

そんな話を武井さんと話していたところ、
保育園か幼稚園かといった感じの5、6人の子どもたちが通る。
保育士さんが「ここの焼豚おいしいんだよ」と言えば、
子どもたちが「知ってる~」と返事。
変わらぬ味が、愛され続けていく。

和菓子屋のクッキーや アップサイクルで完成した逸品まで。 今年も気になる「ふるさと納税返礼品」


今月のテーマ 「ふるさと納税返礼品 2023」

活用している人も年々増加しているという
全国の自治体に寄付ができる「ふるさと納税」制度。

2021年もさまざまな地域に住むみなさんから
自慢の返礼品を紹介してもらいましたが、
今回は歴史ある名店や伝統工芸から生まれたアイテムをピックアップ!

本年度分の申し込みは12月末までと残りわずか。
趣向を凝らした逸品ばかりなので、
気になる人は急いでチェックしてみて。

【東京都武蔵野市】
安政2年創業の和菓子店がつくる、絵本のような〈井の頭の森クッキー缶〉

吉祥寺駅から徒歩8分、井の頭通り沿いにある〈御菓子処 俵屋〉は、
安政2年(1855年)に京都の福知山で御菓子造処司として創業し、
代々伝統を受け継ぎながら、
30年ほど前に吉祥寺に移転してきた老舗の和菓子店です。

和菓子職人の友田瑞穂さん(右)、パティシエの川島智紗さん(左)。クッキーなどの洋菓子をやりたい気持ちがあった友田さんは、専門学校の同級生である川島さんを誘って商品を製造しています。

和菓子職人の友田瑞穂さん(右)、パティシエの川島智紗さん(左)。クッキーなどの洋菓子をやりたい気持ちがあった友田さんは、専門学校の同級生である川島さんを誘って商品を製造しています。

同店の伝統的な商品の甘納豆や御召列車饅頭、
俵最中などの和菓子を和菓子職人の友田さんが、
クッキーやフロランタン、パウンドケーキなどを
パティシエの川島さんがひとつひとつ、ていねいにつくっています。

いちご大福や栗子餅など季節の和菓子も評判。

いちご大福や栗子餅など季節の和菓子も評判。

そんな老舗和菓子店に、
「絵本のような可愛らしいクッキー缶」をコンセプトにした
〈井の頭の森クッキー缶〉(寄付金額:14000円※)が登場。
武蔵野市のふるさと納税の返礼品としても購入できることになりました。
※11月現在の金額。今後変更予定。

食感や彩りのアクセントにキャラメルナッツや天然着色の金平糖も散りばめられています。

食感や彩りのアクセントにキャラメルナッツや天然着色の金平糖も散りばめられています。

10種のクッキーは、アーモンド、くるみ、
マカダミアナッツやヘーゼルナッツパウダーを使用。
発酵バターの風味豊かなリスのクッキーや、
米粉を使用した口溶けのやさしい米粉クッキー、宇治抹茶を練り込んだ
どんぐりのクッキーなど和のエッセンスも取り入れています。

絵本のようなリーフレットを読みながら味わえば、ほっこりした気持ちになれること間違いなし。

絵本のようなリーフレットを読みながら味わえば、ほっこりした気持ちになれること間違いなし。

お菓子はすべて化学製食品添加物不使用。
小さな子どもも安心して食べられます。
今年のふるさと納税は老舗和菓子店がつくるクッキーを選んでみては?

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Momo*Kinari きなり・もも

ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari

勝手に作る商店街サンド: 珍味・くさやの強烈な香り漂う 島サンド完成!東京・新島編

商店街サンドとは

〈商店街サンド〉とは、
ひとつの商店街(地域)で売られているパンと具材を使い、
その土地でしか食べられないサンドイッチをつくってみる企画。
必ずといっていいほどおいしいものができ、
ついでにまちの様子や地域の食を知ることができる、一石二鳥の企画なのだ。

東京の島・新島(にいじま)が舞台!

モヤイ像があちこちにある島、新島に来ました!

モヤイ像があちこちにある島、新島に来ました!

東京には11もの島がある。
伊豆諸島の9島(大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島)
と小笠原諸島の2島(父島、母島)の計11島だ。

そのなかで今回やってきた新島は、白浜のビーチが美しく、
サーフィンの聖地と言われる島だ。
海のアクティビティのほかにも、島中にたくさん並ぶモヤイ像や、
郷土料理のくさやが有名である。

竹芝から高速船に乗れば2時間20分、
もしくは、調布から飛行機に乗ればなんと35分でついてしまう。

品川ナンバーです!

品川ナンバーです!

信号機は島にふたつだけで、道はシンプル。

車を走らせると、新島で産出される「コーガ石」でできたモヤイ像や、
ギリシャ宮殿を彷彿とさせるモニュメントなどをたくさん見ることができる。

ちなみに渋谷駅前にあるモヤイ像は、ここ新島でつくられたものらしい。

神殿のようなモニュメントもコーガ石でできている。

神殿のようなモニュメントもコーガ石でできている。

こちらの神殿のような場所は実は無料で入れる露天風呂!
水着で24時間いつでも入ることができるため、
満天の星空を眺めながらお風呂につかることができるのだ。

島にはほかにも、羽伏浦海岸という名所の白砂を使った砂風呂が体験できたり、
きれいな夕日が一望できる温泉施設もあって、
昼間に海で冷えた体を温めることができる。

都心からも気軽に行ける、すばらしい癒しスポットだ。

大人気の島寿司(メダイ、カンパチ、真鯛)。

大人気の島寿司(メダイ、カンパチ、真鯛)。

新島に行ったらぜひ食べてほしいのが島寿司。
旬の魚を醤油ベースのタレに漬けてヅケにしたもので、肉厚の魚が口の中でとろけておいしい。
上に乗っているのはワサビではなくカラシで、これがものすごく合っていた。

また、「今日、葉を摘んでも明日には芽が出る」と言われるほど
生命力が旺盛な明日葉(あしたば)も名物のひとつ。
島のマンホールにも描かれるほどだ。

お土産に人気のあしたばせんべいと牛乳せんべい。

お土産に人気のあしたばせんべいと牛乳せんべい。

つい買っちゃったかわいいお土産たち 左)コーガ石を溶かすとできる美しい緑色のガラス玉。右)くさやのクリップ。

つい買っちゃったかわいいお土産たち 左)コーガ石を溶かすとできる美しい緑色のガラス玉。右)くさやのクリップ。

こういったノスタルジーあふれるお土産もあります!

こういったノスタルジーあふれるお土産もあります!

さてそんな新島では、いったいどんなオリジナルサンドができるだろうか?
材料を探しにメインの通りを練り歩いた。

鮭とば、昆布、チーズ、チョコレートなど。 飲兵衛が喜ぶ 「酒とつまみ」のペアリングとは?


今月のテーマ 「酒とつまみ」

ついついお酒がすすんでしまう組み合わせってありませんか?
ビールに餃子、ハイボールに唐揚げなど、
「酒の肴」は数多くありますが
今回は、手軽に食べられる「つまみ」との相性にフォーカス。

全国にお住まいの本連載ライター陣に
おすすめの「酒とつまみ」を聞いてみました。

美酒を引き立てるつまみで、
キューッと一杯ひっかけましょう。

【福島県耶麻郡猪苗代町】
「日本酒×チーズ」意外なペアリングで日常の食卓を豊かに

猪苗代町には酒蔵があります。
〈稲川酒造店〉は嘉永元年(1848年)創業以来、米と水に恵まれた環境を生かし、
「旨い酒を届けたい」という一念で蔵人一同精魂を込めてお酒をつくっています。

伝統を感じる、落ち着いた外観の〈稲川酒造店〉。

伝統を感じる、落ち着いた外観の〈稲川酒造店〉。

人気の銘柄は〈七重郎〉と〈百十五〉。
双方ともに鑑評会で優秀な成績を収めるすばらしいお酒で、
猪苗代町のスーパーや酒屋さん、お土産屋さんで手軽に購入できます。

〈七十郎〉は4種類のテーマカラーを持ったお酒。特別純米酒から純米大吟醸まで好みのお酒が選べます。

〈七十郎〉は4種類のテーマカラーを持ったお酒。特別純米酒から純米大吟醸まで好みのお酒が選べます。

お土産や普段飲み用に、思い切って一升瓶を購入しようと手に取り
何を肴にしようかな? と思考を巡らせると、
鰊(にしん)の山椒漬けを筆頭にさまざまな漬物や天ぷらが頭をよぎります。
確かにマッチしますが、一升瓶を飲みきるまで、
毎日漬物? てんぷら? と、迷いが生まれます。
そこでおすすめしたい、日本酒と普段の食卓に並ぶおかずの接着剤。
それは、チーズです。

日本酒とチーズの組み合わせは、意外と思う人も多いはず。

日本酒とチーズの組み合わせは、意外と思う人も多いはず。

チーズといえばワインが定番ですが、ワインは有機酸が多く、
濃厚なチーズを洗い流す効果があります。
日本酒はというと、有機酸は少なくアミノ酸が多いので旨みが舌に残りやすい。
つまりチーズの味を引き立たせます。
さらにはチーズの豊富なアミノ酸と塩分が、日本酒の旨みを増強し
天に上るかのような旨みのスパイラルを形成します。

揚げ物にソースをかける代わりに、粉チーズをパラパラ。
サラダのドレッシングに加えて、チーズをトッピング。
至高の組み合わせは、ハムカツ+ブルーチーズ+にごり酒。
お酒は一升瓶を迷わず選びましょう。

information

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稲川酒造店

住所:福島県耶麻郡猪苗代町字新町4916

TEL:0242-62-2001

MAIL:info@sake-inagawa.com

Web:稲川酒造店

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遠藤孝行 えんどう・たかゆき

福島県の会津に位置する「猪苗代町」で地域おこし協力隊をしています。もともと東京でエンジニアをしていたこともあり、ITのノウハウを活かして「ふるさと納税」と「猪苗代湖の環境保全」を担当しております。現在、協力隊3年目となり、情報発信・教育・観光事業を主とした株式会社アウレを起業しました。

千葉県佐倉市〈佐倉 きのこ園〉 採れたてきのこを炭火で焼いた 贅沢BBQ あなたのまちの 焼酎ハイボール アテ探し旅

今回の焼酎ハイボールのアテは採れたてきのこづくし!

焼酎ハイボールとともにどこまでも。
今回訪れたのは千葉県佐倉市。
東京方面から京成本線に乗車して約1時間。
もうすぐ成田というあたりに広がる佐倉の地は、
都心のベッドタウンでありながら、田舎の田園風景と、印旛沼の自然に、
江戸の面影が残る武家屋敷に城址公園と、
東京からの日帰りスポットとして昔からよく聞く地名。
昭和でいえばミスターこと長嶋茂雄さんの出身地としても知られた場所だ。

きのこの前にたまには花でもと訪れたのは、印旛沼のそばにある〈佐倉ふるさと広場〉。1992年の開設以来、市民の憩いの場として、また佐倉の立ち寄りスポットとして多くの方に利用されている。シンボルは本格的オランダ風車「リーフデ」。その周囲には、オランダの花や植物を通年で楽しめるオランダ庭園があり、四季折々の表情を楽しめる。他にも地産アイテムを扱う売店、レンタサイクルや観光船の案内などもある。

きのこの前にたまには花でもと訪れたのは、印旛沼のそばにある〈佐倉ふるさと広場〉。1992年の開設以来、市民の憩いの場として、また佐倉の立ち寄りスポットとして多くの方に利用されている。シンボルは本格的オランダ風車「リーフデ」。その周囲には、オランダの花や植物を通年で楽しめるオランダ庭園があり、四季折々の表情を楽しめる。他にも地産アイテムを扱う売店、レンタサイクルや観光船の案内などもある。

とはいえ、赤提灯、酒場で知られた場所でもないし、
活気づく商店街として有名なところでもない。
では焼酎ハイボールのアテのねらい目は?
それは“きのこ”。
前回の呑み鉄・天浜線編で食べたお弁当。
大ぶりのしいたけである“どんこ”との相性が忘れられず、
だったら、素材そのものを入手して、いろいろな相性を試してみるのはどうか?
という欲が高まってしまったのだ。

タイミングよく、秋の行楽シーズン。
訪れたのは〈佐倉 きのこ園〉。
きのこ狩り体験ができるうえ、その場で炭火バーベキューができる……
と、ここまではありそうなのだけれど、
うれしいのがお酒など飲み物の持ち込みが可能なプランがあること。
もちろん冷やした焼酎ハイボールを、
いつもの小さなクーラーバックに入れて向かう。
きのこ狩り&その場で即、セルフ酒場を楽しむとしよう。

里山の奥、山の中、というイメージで向かったけれど、住宅地でアクセスのしやすい場所にあった〈佐倉 きのこ園〉。エントランスの受付・ショップ棟を抜けるときのこ狩り体験ができるハウス、バーベキューガーデンがある。

里山の奥、山の中、というイメージで向かったけれど、住宅地でアクセスのしやすい場所にあった〈佐倉 きのこ園〉。エントランスの受付・ショップ棟を抜けるときのこ狩り体験ができるハウス、バーベキューガーデンがある。

佐倉 きのこ園に到着。きのこの狩場はふたつの大きなハウス。
これらは菌床(きんしょう)という方法で栽培されている。
ブナ、ナラ、クヌギなどの広葉樹の木材チップをおがくず状にして、
米ぬか、フスマ、コーンブランを栄養として加えたものに、
きのこの菌を植菌して栽培するのだという。

きのこ栽培は湿度や気温といった栽培環境の性質上、
「害虫やカビとの戦い」の側面がある。
つい農薬に頼りたくなってしまいそうだが、
“安心・安全でおいしいきのこ”づくりのために、
害虫やカビも手作業で取り除いているとのこと。

今日、狩れるのはお目当てのしいたけに加えてきくらげ。
シーズンによって狩れるきのこの種類は変わる。
きのこ園2代目で園長代理の齋藤大地さんの案内で、
いざひとつ目のハウスの中へ。まずはしいいたけから。

想像していたより清潔感があり、なにやらSF映画のセットのようで、
でも、ちゃんと土と水ときのこの混じったような、
野生の匂いも感じられる。思ったより明るい雰囲気もいい。
「今日はあのあたりに大ぶりのいいものがありますよ」
という齋藤さんのありがたい案内で奥のほうへ。

しいたけ

菌床栽培で育つしいたけ、きくらげ。じめじめと暗い雰囲気を想像していたけれど、意外にも明るく、またじめじめというよりはみずみずしい。空気の入れ替えやおいしい水の供給などを丁寧に行っていることが伝わってくる。

菌床栽培で育つしいたけ、きくらげ。じめじめと暗い雰囲気を想像していたけれど、意外にも明るく、またじめじめというよりはみずみずしい。空気の入れ替えやおいしい水の供給などを丁寧に行っていることが伝わってくる。

確かに、素人目線でも大ぶりの立派なしいたけがニョキニョキと。
きのこは人間と同様、酸素を吸い二酸化炭素を吐いて生育する。
ハウスの中の環境でも、淀んだ空気を吸わせないように、
定期的に換気を行い、新鮮な空気を取り入れる。
ハウスも入り口側と奥では湿度が異なるので、
きのこの状態を見ながら、水やりの頻度などを調整している。
この丁寧さがあって、健やかなきのこたちは育つのだ。

はさみを握っていざカット。
ずっしりとした重量感。思いのほか大物感あり。
「結構、しっかり重く感じられるでしょう?
実はしいたけの8割から9割は水分なんですよ」と
笑顔の齋藤さんに、思わず「えっ⁉」と反応。
「ですから、良質な水はきのこづくりには必須。
この水があるから、この場所を選んだんです」と齋藤さん。
こちらでは地下50メートルからくみ上げる、水質検査済みの天然水を使用。
研究室のようなハウスがあれば、場所はどこでもいいのかな?
と思っていたのだけれど、“ここであること”の理由があった。

しいたけ

先端が外側に少しカーブする独特のはさみを使ってカット。齋藤さんが丁寧にカットの仕方を教えてくれたが、やはり最初にはさみを入れるときはドキドキ感がある。これも楽しい体験。

先端が外側に少しカーブする独特のはさみを使ってカット。齋藤さんが丁寧にカットの仕方を教えてくれたが、やはり最初にはさみを入れるときはドキドキ感がある。これも楽しい体験。

きのこ狩り体験は入場無料で、採れた分だけ量り売り。100グラム270円(税込)。バーベキューガーデンですぐに食べるも良し、持ち帰りももちろんOK。

きのこ狩り体験は入場無料で、採れた分だけ量り売り。100グラム270円(税込)。バーベキューガーデンですぐに食べるも良し、持ち帰りももちろんOK。

醤油味のお赤飯、
おかずになるまんじゅう、
漬物など、在住者に聞いた
「まちのローカルフード」


今月のテーマ「ローカルフード」

食卓やスーパーの陳列棚に何気なく並ぶ食材や料理も、
実はほかの地域では見かけないものだった……。
ということ、ありませんか?

今回は、そういった意外と知られていない地域に根づく食べ物を
「ローカルフード」と題して、
全国各地に住む本連載ライター陣に質問してみました。

聞いてみると、お赤飯やまんじゅう、漬物などのまちの文化が垣間見られるものから
サブカルのまちならではの品々を取り扱う商店まで
バラエティ豊かな地域の特色が再発見できました。

【新潟県中越地方】
小さい頃から食べてきた茶色いお赤飯

新潟県中越地方のお赤飯は、
あずきで薄ピンクに色づいたものではなく、
醤油風味のもち米に金時豆が入った「茶色いお赤飯」です。
どんなお赤飯なのかをお伝えすべく、中越地方流のお赤飯を購入してきました。

中越地方の方はきっとお赤飯と思うであろう〈田中屋本店〉のおこわ。これが地元でいうお赤飯なのですが、見ての通り商品名は「おこわ」でした。新潟市ではお赤飯とは認知されていないようです。(そりゃそうか)

中越地方の方はきっとお赤飯と思うであろう〈田中屋本店〉のおこわ。これが地元でいうお赤飯なのですが、見ての通り商品名は「おこわ」でした。新潟市ではお赤飯とは認知されていないようです。(そりゃそうか)

中越地方のお赤飯がどうして醤油味なのか。
調べてみると「この地域ではささげが採れず、
代わりに身近にある醤油で色つけをした」
「長岡市の摂田屋というまちで醤油づくりが盛んだった」など、諸説あるようです。

私があずきが入ったお赤飯をはじめて知ったのは、高校の卒業式でした。
熨斗に「お赤飯」と書いてあるお祝い品を見つけ、
ワクワクして包装を開けてみると見たことのないご飯が入っていたのです。
「なんなんだ、これは」と、ひっくり返るくらいに驚きました。

ほどよい醤油の塩っけと甘〜い金時豆の組み合わせがたまらなくおいしい。

ほどよい醤油の塩っけと甘〜い金時豆の組み合わせがたまらなくおいしい。

ちょうどお彼岸の時期だったからか、近所のスーパーにはもち米やあんこと並び、
〈丸美屋〉の「新潟醤油赤飯の素」が販売されていました。

スーパー〈原信 紫竹山店〉の一角。

スーパー〈原信 紫竹山店〉の一角。

「醤油赤飯」というネーミングに、「これは醤油おこわではなくお赤飯です」と市民権を得たような誇らしさがありました。手軽にお醤油赤飯が食べられるのはうれしい限り。

「醤油赤飯」というネーミングに、「これは醤油おこわではなくお赤飯です」と市民権を得たような誇らしさがありました。手軽にお醤油赤飯が食べられるのはうれしい限り。

その地域では当然のように食べられていて、
でもほかの地域の方からはびっくりされる郷土の味はたくさんありますよね。
先日は、東京の先輩に「新潟の太巻きにはクルミが入っているんですね」と言われ、
そういうものだと思っていた私は驚きました。

茶色のお赤飯もクルミ入りの太巻きもおいしいので、
新潟の味としてぜひ食べていただきたいです。

profile

齋藤悦子 さいとう・えつこ

新潟在住のフリーライター。しばらく勤め人でしたが、ひょんなことからライターの道へ。南魚沼市→新潟市→阿賀町→新潟市と県内を転居する生活をしています。寝るのが大好き、朝が苦手、スノーボードとたまに登山、ラジオとエッセイとレモンチューハイが好き。
Instagram:@suzuki_epi/

山から跨線橋まで。
知床・羅臼、奥州、秋田、東京の
「まちの絶景」といえば?


今月のテーマ 「まちの絶景」

旅先やふと訪れた場所の風景に心を奪われた人も少なくないはず。
今回は本企画ライター陣に
「これだ!」と思う自分の住む「まちの絶景」について教えてもらいました。

四季折々の表情をみせる自然の雄大な美しさはもちろん
もうすぐなくなってしまう文豪が愛した絶景スポットも見逃せません。
週末や連休を使って足を運んでみてはいかがでしょうか。
思い立ったが吉日ですよ。

【岩手県奥州市】
山・水・空を一度に見渡せる〈奥州湖眺望台〉

私のおすすめの絶景スポットは〈奥州湖眺望台〉。
市内西側の玄関口に位置する〈胆沢(いさわ)ダム〉にある展望台です。
周辺は自然に囲まれていて、向かう道中も気持ちのいいドライブが楽しめます。

〈奥州湖眺望台〉から見える焼石連峰。

〈奥州湖眺望台〉から見える焼石連峰。

左手には栗駒国定公園の一部である「焼石連峰」が一望でき、
右手には日本三大扇状地のひとつである「胆沢扇状地」が広がっています。

胆沢扇状地。

胆沢扇状地。

季節や時間帯によって、異なる色の空・水・緑・風を360度感じられ、
ほかに人がいなければ、美しい景色を贅沢に独り占めできちゃうかも!

また、展望台の反対側にある〈胆沢ダム管理支所〉に行くと
国内最大級のロックフィルダムであるダム堤体の上を歩くことができ、
そこから眺める景色も圧巻なので、ぜひあわせて訪れてみてもらいたいです。

紅葉シーズンもおすすめですが、
11月頃から眺望台までの道が閉鎖されるので事前に道路情報の確認をお忘れなく。

information

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奥州湖眺望台(胆沢ダム)

住所:岩手県奥州市胆沢若柳

Web:胆沢ダム

photo & text

小川ちひろ おがわ・ちひろ

遊軍スタイルフリーコーディネーター。東京出身。オーストラリアや台湾での海外生活も経験する放浪人間。異なる文化や感覚を持つ「人」に興味を抱く。 転職を機に〈地域おこし協力隊〉の制度を活用して岩手へ移住。現在は遊軍スタイルのフリーコーディネーターとして、旅するように東北の暮らしを堪能中。フットワークの軽さとコミュニティの広さをいかして、人をつなげてケミカルな反応が起こる「場」や「間」を創り出すことを楽しんでいる。

静岡・天竜浜名湖鉄道
旨みじんわり、歴史にしんみり。
どんこが主役の駅弁と〈天竜ハム〉
あなたのまちの
焼酎ハイボール アテ探し旅

焼酎ハイボールとともにどこまでも。
このシリーズでは、全国の酒場、東京・下町のチューハイ街道、
さらに全国の商店街を巡ってきたけれど、
まだやってないことがあった。それは、呑み鉄。
酒旅好きで、自称“乗り鉄旅情派”である筆者としては、
大げさに言えば使命感だ。大げさか。
呑み鉄に相応しい舞台はどこだろうと考えたとき、
まずはここだろうと思いついたのが、「天竜浜名湖鉄道」。通称“天浜線”。
その理由は……?
車窓からの風景と焼酎ハイボールとともにご案内していこう。

天浜線路線図

ローカル線で呑める喜びを、駅弁のどんことともに噛み締める

青空が広がる夏の昼、始発駅・新所原(しんじょはら)駅に立つ。
天浜線は、この静岡の最西端に位置する新所原から、遠州側の掛川を2時間強、
東海道線からは浜名湖を挟んで北側を、基本単線で結ぶ。
今日の旅は、新所原から奥浜名湖の景色を楽しみつつ、
戦国から昭和の高度経済成長期までを彩る、
歴史の舞台である二俣本町駅までの約1時間。

豊橋駅からJR東海道線で10分ほど。静岡県と愛知県の県境に位置する新所原駅。天浜線の西側の始発駅。天浜線は1両編成。昔ながらの車両のほか、今回乗車したイベント仕様、アニメやドラマとのコラボラッピング車両などのお楽しみもある。

豊橋駅からJR東海道線で10分ほど。静岡県と愛知県の県境に位置する新所原駅。天浜線の西側の始発駅。天浜線は1両編成。昔ながらの車両のほか、今回乗車したイベント仕様、アニメやドラマとのコラボラッピング車両などのお楽しみもある。

冷え冷えの焼酎ハイボールを小さいクーラーボックスに入れ、
小さな改札を抜けると、すでに天浜線の車両が待ち受けている。
乗り込む車両は、イベントなどにも使われる特別仕様で、
北欧はフィンランドの人気テキスタイルブランド〈マリメッコ〉の
カーテンやヘッドレストカバーが使われている。
ローカル線の車両とかわいらしく大胆な柄。
これが不思議に、合う。

マリメッコのテキスタイルが車両に。これは沿線にある建設会社のライフスタイルブランドとのコラボ。駅員が常駐する駅が減少し、無人駅となった駅舎を地元ぐるみでアイデアを出し運用。カフェや洋食などのグルメも楽しめたり、インテリアにこだわった駅もあり、これも天浜線旅の楽しみのひとつ。

マリメッコのテキスタイルが車両に。これは沿線にある建設会社のライフスタイルブランドとのコラボ。駅員が常駐する駅が減少し、無人駅となった駅舎を地元ぐるみでアイデアを出し運用。カフェや洋食などのグルメも楽しめたり、インテリアにこだわった駅もあり、これも天浜線旅の楽しみのひとつ。

12時23分、いよいよ天浜線が動き始める。
あわせて焼酎ハイボールを開ける。
ローカル線らしい横揺れが始まり、
単線のレールは東海道線から少しずつ左へと離れていき、
植物たちが車両の上を包み込むようにつくる、
自然の緑のトンネルの中に入っていく。

みどりのトンネル

幻想的な風景のなかで弁当を開けよう。
天浜線の名物弁当〈鰻どんこ弁当〉だ。

二俣本町の老舗料亭〈天竜膳 三好〉による〈鰻どんこ弁当〉(1300円・税込)。どんこは天龍エリアの名産品。鰻よりもむしろこちらが主役といえる存在感とうまさ。土・日曜・祝日のみ、天竜二俣駅にて10時からの販売。平日は予約販売。詳しくは天浜線公式HPの「天浜線の名物駅弁について」参照。

二俣本町の老舗料亭〈天竜膳 三好〉による〈鰻どんこ弁当〉(1300円・税込)。どんこは天龍エリアの名産品。鰻よりもむしろこちらが主役といえる存在感とうまさ。土・日曜・祝日のみ、天竜二俣駅にて10時からの販売。平日は予約販売。詳しくは天浜線公式HPの「天浜線の名物駅弁について」参照。

鰻どんこ弁当

まずは大きく肉厚のしいたけ、どんこをアテに。
やさしい味と食感。噛みしめるほどにどんこ自体の甘味とともに、
上品な出汁感が広がる。ここで焼酎ハイボールをひと口。
まさに混然一体。ガツンときたあと、じわっと旨みが絡み合う。
思わず目を閉じて、呑み鉄の幸せをゆったり感じていると、
天浜線はまた軽く左右に揺れ、目を開ければ、
また、緑のトンネルの中。

実はこの緑のトンネルの裏側には天浜線の物語がある。
天浜線は、1933(昭和8)年に着工し、全線開通は1940(昭和15)年。
この年代に注目いただきたいのだが、
そもそも天浜線が生まれた理由は、戦争時の物資輸送のため。
日本の大動脈として開けた場所を走る東海道線が、
空襲などの攻撃を受けた際の“秘密の迂回ルート”として、
上空からはたやすく発見されない、また正確に攻撃されないために、
緑の中にレールを引いたのだという。

当然、未踏の地を切り開くのだから難工事。
鉄道は、物流と人流により新しく土地を開き、幸福を広げる。
だが、その当時の天浜線は、違う宿命を担っていたわけだ。
真夏の青空の旅に、日本の苦難の時代の影。
天浜線は、尾奈駅から奥浜名湖駅へと進み、緑のトンネルを抜けると、
進行方向右手には浜名湖が見えてくる。
奥浜名の湖のきらめきに、不思議に少し胸を締めつけられる。
天浜線は今、すてきな呑み鉄の休日へといざなってくれる。
そして日々、沿線の人々の暮らしを結んでいる。
その幸せに、乾杯だ。

車窓、焼酎ハイボール、駅弁、そこにローカル線ならではの揺れが加われば旅心が高まる。時々奥浜名湖の風景や沿線の写真を撮る以外はスマホもオフで。

車窓、焼酎ハイボール、駅弁、そこにローカル線ならではの揺れが加われば旅心が高まる。時々奥浜名湖の風景や沿線の写真を撮る以外はスマホもオフで。

みかんで名を馳せる三ヶ日駅から金指駅の間は、
青い奥浜名湖と緑のトンネルが交互にやってきて、
常葉大学前駅あたりで戦前の隠れ鉄道は、
明日を生きる若者も集う、広々とした新しい風景を進む。
週末は家族連れでにぎわうというフルーツパーク駅あたりで、
ゆっくりと味わったアテ代わりのお弁当を食べ終わり、
焼酎ハイボールを飲み干せば、
まもなく今日の目的地、二俣本町駅にたどり着く。

二俣本町駅

二俣本町駅は新所原と掛川のちょうど中間点あたり。
秘密のレールであった天浜線だが、
ここは歴史のなかでは、戦国時代から表舞台にあった。
天竜川の水運と戦術の要衝として、
徳川家と武田家が激しくぶつかりあい、奪い合った地だ。
また、徳川家康の苦悩の決断として大河ドラマにも描かれる、長男・信康との死別の場。
21歳の若さで時代に飲みこまれた信康。
弔いの証として建立されたのが清瀧(せいりゅう)寺だった。
静かに落ちる滝は、信康の魂を癒そうとしたものなのか。

徳川信康を弔う清瀧寺は、この地出身の〈本田技研工業〉の創業者である本田宗一郎ゆかりのお寺でもある。すぐ横には〈本田宗一郎ものづくり伝承館〉。ここでも戦国時代から昭和へのドラマが続く。

徳川信康を弔う清瀧寺は、この地出身の〈本田技研工業〉の創業者である本田宗一郎ゆかりのお寺でもある。すぐ横には〈本田宗一郎ものづくり伝承館〉。ここでも戦国時代から昭和へのドラマが続く。

クラフトビールフェスからママが主役のマルシェ、トライアスロンが開催! 「まちのイベント」をレポート


今月のテーマ 「まちのイベント」

今年の夏は遠出を計画している人も少なくないのでは?
お祭りや花火大会、スポーツイベントなどの
イベントも全国で開催されています。

今回は、本連載のライター陣にお住まいの地域で開催されている
イベントについてレポートしてもらいました。

クラフトビールのイベントやママたちが主役のもの、
まちの地形を活かしたスポーツ大会まで。
いずれも次回開催が待ち遠しいものばかり。
次の開催までに予習しておきましょう。

【東京都武蔵野市】
マイクロブルワリーや地域飲食店、駅と住民を結ぶ〈中央線ビールフェスティバル〉

多摩地域の中央線沿線は若手ビール愛好家による
新興のマイクロブルワリー※が次々立ち上がるなど、
クラフトビール熱が盛り上がってきています。

※小規模でビールを生産するブルワリーのこと。

私の住む武蔵野市でも〈中央線ビールフェスティバル〉が行われ、
多摩地域で生産されているクラフトビールがJR武蔵境駅に集結しました。

イベントポスターはおおのたろうさん作のイラストが。

イベントポスターはおおのたろうさん作のイラストが。

今年で5回目となる同イベントは、2020年は中止になりましたが、
コロナ禍を経て開催された昨年、初回開催時の4倍に上る約4万人が来場。
大人気イベントに成長した本イベント、
今年は参加ブルワリーが過去最多となりました。

多摩地域の個性的なクラフトビールが味わえます。

多摩地域の個性的なクラフトビールが味わえます。

中央線沿線や多摩地域のブルワリーからは、IPA、ペールエール、ラガーなど
多種多様なクラフトビール50種類以上の飲み比べができ、
今年は〈方南ローカルグッドブリュワーズ〉、
〈マウンテンリバーブリュワリー〉、〈Far Yeast Brewing〉が初登場。

武蔵境の駅員さんたちが育てたホップでつくられるビールも登場。

武蔵境の駅員さんたちが育てたホップでつくられるビールも登場。

さらに、“武蔵境のみんなでつくったエールビール”をコンセプトに
2021年に初商品化した〈ぽっぽやエール〉は、
JR武蔵境駅の駅員さんが栽培したホップを使用してビールを醸造。
こちらもイベントにて販売されました。

駅員さんたちの想いのこもったつくりたての生ビールが味わえるなんて、おもしろい取り組みだと思いませんか?

駅員さんたちの想いのこもったつくりたての生ビールが味わえるなんて、おもしろい取り組みだと思いませんか?

背景の植物は武蔵境で育てられたホップです。

背景の植物は武蔵境で育てられたホップです。

今後も中央線沿線駅周辺で、
多摩地域のクラフトビールのイベントが行われる予定です。
ビール好きのみなさん、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。

今年のイベントも大盛況でした! 次回も楽しみです。

今年のイベントも大盛況でした! 次回も楽しみです。

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中央線ビールフェスティバル

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Momo*Kinari きなり・もも

ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari

フルーツたっぷりのパフェや体にやさしい焼き菓子、昔ながらのおはぎ。みんなのご褒美スイーツは何?


今月のテーマ 「ご褒美スイーツ」

今年も半年が過ぎました。
新たな挑戦や新生活をスタートさせた人も、
ちょっと甘いもので自分をねぎらいませんか?

今回は全国にお住まいのみなさんに
自分の「ご褒美スイーツ」を教えてもらいました。

とっておきのスイーツを食べて
2023年の下半期もがんばりましょう!

【東京都・武蔵野市】
農園直送の新鮮なフルーツを〈Berry coco〉で味わう

自分への“ご褒美”といったら、みなさんは何を思い浮かべますか?
私が今回ご褒美におすすめしたいのは、
甘くてみずみずしいフルーツをたっぷり使用したスイーツです。

フルーツのスイーツ

JR吉祥寺駅から徒歩3分の場所に2020年の夏にオープンした
〈Berry coco〉は、フルーツ創作料理のお店。

〈Berry coco〉吉祥寺本店の店内。

〈Berry coco〉吉祥寺本店の店内。

同店のオーナーシェフである田代 淳さんは、山梨県の出身。
料理に使用するフルーツのほとんどは実家の農園で収穫した
新鮮なフルーツを使用しています。

農園で収穫したフルーツ以外にも、契約農家から直送のものを使用しているそうです。

農園で収穫したフルーツ以外にも、契約農家から直送のものを使用しているそうです。

メニューはフルーツを使用した創作料理をはじめ、
季節のフルーツパフェ、サンド、ケーキなど
豊富なフルーツメニューを取り揃えています。

人気のフルーツサンドも6種類以上のフルーツが使用されています。

人気のフルーツサンドも6種類以上のフルーツが使用されています。

オーナーシェフの田代さんは、ホテルの料理人として研鑽を積んだ後、
オリンピック選手の専属料理人も務めた凄腕シェフ。
スイーツ以外のフードメニューの味もお墨つきです。

「自家製ローストビーフ&フルーツサラダ」1650円(税込)〜。

「自家製ローストビーフ&フルーツサラダ」1650円(税込)〜。

収穫後に追熟させたものとは違った、完熟フルーツのおいしさが味わえます。
見た目の美しさだけでなく、
「甘くておいしいフルーツを思いっきり食べたい!」という
欲求を満たしてくれるビジュアルとボリュームに感動する方も少なくありません。

〈Berry coco〉オリジナルの「季節パフェ」2838円〜(税込)。

〈Berry coco〉オリジナルの「季節パフェ」2838円(税込)〜。

現在、丸井吉祥寺店や三鷹台にもテイクアウト店舗をオープン。
極上のフルーツケーキを気軽にお持ち帰りできます。

 季節のフレール「いちじく」1155円〜(税込)。

季節のフレール「いちじく」1155円(税込)〜。

キラキラと輝く宝石箱のようなスイーツを味わったら、
また次も食べられるように頑張れちゃいますね(笑)。

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Berry coco

住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町2丁目6-2 末広ビル1階

TEL:0422-26-9354

Web:Berry coco

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Momo*Kinari きなり・もも

ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari

新御徒町〈佐竹商店街〉
ニク(29)の日は
やっぱり肉と合わせたい!
あなたのまちの商店街へ。
焼酎ハイボールのアテ探し旅

全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う最高のアテを探すべく、
全国の商店街を巡ります。今回は、新御徒町〈佐竹商店街〉です。

日本で2番目に古い商店街を歩く

〈佐竹商店街〉が生まれたのは1884年。
もともとは秋田藩の上屋敷があった場所。
廃藩置県で放置されていたが次第に賑わいを見せ、
明治、大正にかけて、遊行娯楽、見世物小屋、寄席をはじめ、
今でいうアミューズメント施設が密集した。

そこにしるこ屋やおでん屋、料亭など飲食店も集まり、
「夜が更けるのを忘れる」ともいわれる黄金時代を迎えたという。
しかし、東京・下町の商店街の多くが見舞われた、
関東大震災、東京大空襲というふたつの出来事で、
一度ならず二度までも苦難を迎えてしまう。
それでもなお立ち上がった。

戦後の復興、高度経済成長とともに、
当時大人気だったテレビ番組の中継地となったことなど、
追い風をたっぷり受けて繁栄を取り戻す。
これも下町の商店街、共通の“不屈”だ。

時代は移り変わり、その隆盛は歴史の1ページとなり、
今では昭和のノスタルジックさを感じられる、
静かな商店街となっているが、
また、ページはめくられ始めているような気もする。
商店街に直結するのは都営大江戸線と、
TXことつくばエクスプレスの新御徒町駅。

大江戸線の全線開業は2000年、
TXは首都圏の主要幹線としては最も新しい2005年の開業。
利便性が高まったことで近隣には、築浅のマンションや建物も多く見られ、
新しい会社、住民、来訪者が増加しているようだ。
日本で2番目に古い歴史を持つという商店街だが、
伝統の場所に今、新しい風が緩やかに吹き始めている。

明治の初めに形づくられ、繫栄と苦難を繰り返しながら、また新しい時代へ。1969(昭和44年)にアーケードが完成。生鮮商店を中心とした暮らしの台所的な活気や観光名所としての華やかさではなく、ひっそりとした空気感がいい。

明治の初めに形づくられ、繫栄と苦難を繰り返しながら、また新しい時代へ。1969(昭和44年)にアーケードが完成。生鮮商店を中心とした暮らしの台所的な活気や観光名所としての華やかさではなく、ひっそりとした空気感がいい。

今回のアテは、その新しい風の2店から。
2線の出口から2分も歩けば1店目。
「30-1」と書いて〈サンジュウ ヒク イチ〉という肉屋。

29=肉という文字遊びがおもしろい。
お店を運営する福田信吉さんが開店に至った深い思いを語ってくれた。

母体はもともと御徒町、新宿、恵比寿の3店舗を展開する〈焼肉もとやま〉。
その肉に対する深いこだわりと、職人の技と、自信。
ライフスタイルが変化し続けるなかでも変わらない、
肉を頬張るという楽しい時間をつくっていきたいという思いがある。

母体が焼肉店ということもあり、高級食材から湯せんや炒めるだけで簡単にできる商品、アテにぴったりの内臓系や豚足といった加工品まで豊富に並ぶ。この日はたまたま29日。そう「肉の日」。この日限定のお得なパックも並ぶ。自社扱いの商品以外にも福田さんがセレクトした全国の珍味やペットフードなども。

母体が焼肉店ということもあり、高級食材から湯せんや炒めるだけで簡単にできる商品、アテにぴったりの内臓系や豚足といった加工品まで豊富に並ぶ。この日はたまたま29日。そう「肉の日」。この日限定のお得なパックも並ぶ。自社扱いの商品以外にも福田さんがセレクトした全国の珍味やペットフードなども。

楽しみ方は人それぞれ。だから「肉」にはこだわっているけれど、
お客様は「肉」という言葉にはしばられず、
自分たちのスタイルで楽しんでいただければいい。
なるほど、店内に並ぶ肉や加工品、肉に合わせる調味料などを見ると、
「おいしそう」だけではなく「楽しそう」があふれている。

BBQにもっていったら家族の笑顔がぱっと花咲きそう、
いや、流行りのテラスBBQで大人の時間もありだな、
一転、ひとりの静かな休日、夕方の酒をしみじみと……
などいろいろな「楽しそう」なシーンが浮かぶラインナップ。

トマホーク(斧)型の肉を手にする福田さんと販売スタッフの市岡さん。「こういう楽しい商材もいいでしょ」(福田さん)。お客さんの「こういうのがあったらいいな」とスタッフの遊び心が結びついた楽しい品ぞろえ。

トマホーク(斧)型の肉を手にする福田さんと販売スタッフの市岡さん。「こういう楽しい商材もいいでしょ」(福田さん)。お客さんの「こういうのがあったらいいな」とスタッフの遊び心が結びついた楽しい品ぞろえ。

そのなかから売れ筋を聞くと、
人気ナンバー1は「黒毛和牛のハンバーグ」とのこと。
「まずここからはじまったんですよ」と福田さん。
焼肉屋では肉を切り、きれいに盛りつける。
するとどうしても“端材”がでてしまう。
それを生かして生まれたのがこのハンバーグで、
30-1の原点ともいえるものなのだ。

端材といっても、「牛の腕何%、モモ何%、豚は何%と、
いろいろな部位を最適な配合で混ぜています。
それはもう、職人さんのこだわりです」(福田さん)
しっとり系ですか、それとも肉感系? と聞けば
にやりと笑って「もちろん肉です。ステーキを食べるような感覚」。
肉屋の自信の言葉に期待が高まるとともに、
福田さんからさらにうれしいひと言が。

「〈焼酎ハイボール〉が大好きで毎晩のように飲んでいます。
その経験から言っても……、あいますよ」とこれもにやり。
最初のアテは、問答無用で決定。

「和牛のハンバーグ」は4個入り ソース付き3500円でECサイトでも購入可能。

「和牛のハンバーグ」は4個入り ソース付き3500円でECサイトでも購入可能。

さて、佐竹商店街に出店した理由は「創業の地」だったそう。
「47年前に焼肉屋をスタート。そのときの場所が商店街を抜けたところだったんです」
立ち退きで移転し、新しい業態である30-1を開く際にこの地にまた戻ってきた。
「たまたまですよ」と言う福田さんだが、
隆盛を知る創業店の血が再びこのタイミングで帰ってきたことは、
偶然ではないのかもしれない。

農園グランピング、神社境内の甘味処、
旅の情報誌など。
まちの「BRAND NEW THINGS」
に注目!


今月のテーマ 「まちのBRAND NEW THINGS」

何気ない日常やいつも通っている場所でも
まちは生きもの、常に新陳代謝が起こっています。

今回は全国にお住まいのみなさんに
まちの新しいモノやコトについて教えてもらいました。

できたばかりの新たな(=BRAND NEW)取り組みは
いずれも人気が集まりそうな予感。
話題になる前にぜひ先取りチェックしてみてください。

【東京都三鷹市】
東京の農園でグランピング体験できる〈ぶどうの森 グランピングフィールド〉

武蔵野市の隣に位置する三鷹市は、
駅から離れた住宅街に畑が点在しています。
なかには江戸時代から野菜や果物を育てている農家もある、自然豊かなまちです。
今回は、そんな東京の農園でキャンプ体験ができる
〈ぶどうの森 グランピングフィールド〉を紹介します。

農園で食べる食事は格別。

農園で食べる食事は格別。

〈ぶどうの森 グランピングフィールド〉を運営するのは
旅行会社〈旅倶楽部〉の代表を務める金子 晃さん。
安全な野菜づくりのカルチャースクールや、有機野菜塾を行っているほか、
オンライン開催されたパリコレの会場として場所提供するなど、
金子さんのアイデアによって、人が集う農園へと進化しています。

ぶどうの収穫は食育の一環として子どもたちに体験してもらいたいアクティビティ。

ぶどうの収穫は食育の一環として子どもたちに体験してもらいたいアクティビティ。

同施設では、無農薬野菜や無農薬のぶどうの収穫体験ができ、
収穫した野菜でバーベキューなどのデイキャンプが楽しめるほか、
今年から宿泊もできるキャンプ施設としての運営がはじまりました。

ぶどうの森 グランピングフィールド

園内にはキッチントレーラーや本格的なピザ窯も完備。
有機野菜を使った食事やオーガニックの自家製ドリンクを味わったり、
手づくりピザ体験もできます。

家族で楽しめるピザづくり体験。

家族で楽しめるピザづくり体験。

有機野菜をたっぷりと使ったメニューは農園ならでは。

有機野菜をたっぷりと使ったメニューは農園ならでは。

自然農のふかふかな土や草原が広がる農場には、
山羊も暮らしていてとってものどか。
農園の外に出るまで、ここが東京だということをすっかり忘れてしまうほどです。

農園で飼育されているヤギたちとのふれあいも可能です。

農園で飼育されているヤギたちとのふれあいも可能です。

都会のオアシス的な〈ぶどうの森 グランピングフィールド〉で
ここでしかできない体験をしてみては?

information

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ぶどうの森 グランピングフィールド

住所:東京都三鷹市上連雀9-16(三鷹オーガニック農園内)

TEL:080-2001-1665

Web:ぶどうの森 グランピングフィールド

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Momo*Kinari きなり・もも

ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari

行楽シーズン到来。
移動サウナやスキー、
スポーツイベントなど
まちの特色を生かした
「アクティビティ」


今月のテーマ 「アクティビティ」

山登りやラフティング、バードウォッチングなど
まちの地形や特色を生かしたアクティビティは旅先や移住先での楽しみのひとつ。

今回は全国にお住まいのみなさんに
まちのアクティビティ事情について教えてもらいました。

気軽に出かけられるようになったいま、
家族や友人と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?

【北海道下川町】
今日はどこへ出動? 移動式サウナ小屋の〈どこでもサウナ〉

〈どこでもサウナ〉は、その名の通りどこにでも出動してくれるサウナ小屋です。
まちの面積の9割が森林という下川町の材をふんだんに使っている小屋を
軽トラに積載し、道があるところならどこにでも出動します。
私が運営している〈A-frame cabin iwor〉にも実際に来てもらいました。

〈どこでもサウナ〉を運営しているオーナーの谷山嘉奈美さん。

〈どこでもサウナ〉を運営しているオーナーの谷山嘉奈美さん。

室内に入ってみると、トドマツ材に包まれた室内空間が広がります。
〈どこでもサウナ〉は薪を使用していますが、
薪だからこそ実現できる芯から温まるあたたかさが魅力です。
もちろん、薪も町内産。

プライベートなサウナ空間。小屋のなかは3〜4人まで入れます。

プライベートなサウナ空間。小屋のなかは3〜4人まで入れます。

町内で採取した白樺の若い枝葉を束ねたヴィヒタに
たっぷり水分を含ませたアロマウォーターで
ロウリュ※すると室内全体にナチュラルな香りが広がり、最高の空間になります。
※熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させること。

ジュッという音とともに室内全体に広がるじわーっとくる温かさが最高。

ジュッという音とともに室内全体に広がるじわーっとくる温かさが最高。

オーナー自ら山へ出向き、厳選した白樺を採取してつくったヴィヒタ。

オーナー自ら山へ出向き、厳選した白樺を採取してつくったヴィヒタ。

今回は水風呂の代わりに森の中に溶け込んだ空間ならではの外気浴を行いました。
鳥のさえずりと誰にもじゃまされない空間で心身ともにととのいます。

マイナス気温ならではの外気浴。ととのいます。

マイナス気温ならではの外気浴。ととのいます。

サウナの後には、ととのった体にうれしいジビエ料理が待っています。
ジンギスカンを用意いただいたのですが、こちらは羊ではなく鹿肉ジンギスカン。

雪の下で貯蔵した越冬キャベツと鹿肉の相性抜群です。

雪の下で貯蔵した越冬キャベツと鹿肉の相性抜群です。

食べ終わった頃には、心も体もととのいます。
〈どこでもサウナ〉は今後の下川町での
楽しいアクティビティとして人気になるでしょう。

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どこでもサウナ

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大石陽介 おおいし・ようすけ

1988年静岡県焼津市生まれ。 小学校教諭として富士山の麓で8年勤務。うち2年は青年海外協力隊(JICA)としてモンゴルへ。 世界自然遺産である『知床』での生活を経て、現在はSDGs未来都市北海道下川町で活動中。ローカルツアー事業を行う〈ぐるっとしもかわ〉代表。1日1組限定の1棟貸しキャビン〈A-frame cabin iwor〉オーナー。

フランス料理の
巨匠・三國清三シェフが
八丁味噌を愛する理由

八丁味噌の奥深い世界を、東海エリアの文化を発信する
Webマガジン『みたすくらす』との連携企画でお届けします。
みたすくらすで公開中の三國シェフの八丁味噌レシピはこちらから。

世界的に人気のある調味料・八丁味噌。
世界にその名を知られるフランス料理の巨匠・三國清三シェフも、
八丁味噌を愛するひとりです。
八丁味噌の魅力を、三國シェフの目線や経験から紐解きます。

味噌をフランス料理に取り入れたパイオニア、三國シェフ

近年健康志向の高まりや、その斬新な味わいで世界的にも
人気の調味料となってきている味噌。
特にアメリカでは「味噌エスプレッソ」「味噌スープ」がブームになり、
味噌工場がいくつも新設されているほど流行を極めている。
この味噌を世界的な調味料とたらしめた立役者のひとりともいえるのが、
日本が誇るフランス料理の巨匠・三國清三シェフだ。

いまでこそフランス料理に味噌が使われることは珍しくなくなったが、
「味噌・米・醤油をフランス料理に取り入れたのはおそらく私が初めて」
と三國シェフは言う。

フランスの伝統料理を理解したうえで、ジャポニゼ(日本風)を表現する三國シェフ。
この発想の原点は、27〜28歳の頃フランス・リヨン郊外に店を構える
アラン・シャペル氏の下で修業を積んだ経験にある。
お店に入り3か月ほど経った頃、三國シェフの料理に対し、
寡黙なシャペル氏が初めて言葉を投げかけた。
それは「セ・パ・ラフィネ(洗練されていない)」という言葉。
三國シェフはこの言葉の意味はわかったが、シャペル氏が
何を伝えたかったのかがわからず、来る日も来る日もその言葉の意味を考え続けたという。
それから数か月が経ち、賄い当番を任された際に三國シェフはあることに気づく。

「アラン・シャペル氏はフランス料理界のダ・ヴィンチと呼ばれた天才だった」と三國シェフ。

「アラン・シャペル氏はフランス料理界のダ・ヴィンチと呼ばれた天才だった」と三國シェフ。

「夏だからあっさりした料理をつくったら、『味が薄すぎる』と、
みんなクリームやバターをたっぷり足していました。
日本人のぼくからしたら、そうめんとかさっぱりしたものが食べたいと思うのに、
彼らは夏こそこってりしたものを食べないと暑さに勝てないと言うわけ。
そのときにやっと『フランス人の彼らにはフランス料理はもう敵わない』と気づいた。
ぼくは北海道の刺身を食いたいし、醤油を使った料理や、味噌汁も食いたい。
このとき、日本に帰ったら自分が思うフランス料理をつくろうと思ったんだよ」

シャペル氏があのとき「セ・パ・ラフィネ」と言い放ったのも
「皿のどこにもお前自身がいない」と言いたかったのではないかと三國シェフは思い至る。
ただフランス料理の技術を身につけるだけでは、自分の料理はつくれない。
当時のことについて昨年発売された三國シェフの著書『三流シェフ』のなかでも、
「フランス人のようにフランス料理をつくるのはやめる。
ぼくは日本人としてフランス料理をつくる」とその決意を記している。

世界的人気も2軒しかない
伝統製法の八丁味噌蔵、
その技術を探る

八丁味噌の奥深い世界を、東海エリアの文化を発信する
Webマガジン『みたすくらす』との連携企画でお届けします。
みたすくらすで公開中のカクキュー直伝・八丁味噌のレシピはこちらから。

徳川家康生誕の地・愛知県岡崎市に江戸時代初期から続く、
世界で2軒だけの八丁味噌蔵

愛知県岡崎市のシンボルとして親しまれている岡崎城。

愛知県岡崎市のシンボルとして親しまれている岡崎城。

2023年のNHK大河ドラマの主人公、徳川家康生誕の地として
いまあらためて注目を集めている岡崎城。
この岡崎城より西へ八丁(約870メートル)の場所にある
八丁町(旧八丁村)で始まったのが八丁味噌づくりだ。

実は八丁町で江戸時代初期から続く、八丁味噌をつくる味噌蔵は、
江戸時代から現在に至るまで2軒しかない。
そのうちのひとつが江戸時代初期の正保2(1645)年に興った
〈カクキュー〉の屋号で知られる〈合資会社八丁味噌〉だ。
今川義元の家臣であった早川家の先祖・
早川新六郎勝久(はやかわしんろくろうかつひさ)が桶狭間の戦いで敗れた後、
武士を辞め、名を久右衛門に改名し、寺で味噌づくりを学んで立ち上げた味噌蔵だ。

名前の「久」の字を四角で囲んだマークを江戸時代から使用しており
このマークから「角久(カクキュー)」と呼ばれるようになった。

愛知県では初となる国の登録有形文化財に登録された本社屋をバックにした19代目早川久右衛門さん。

愛知県では初となる国の登録有形文化財に登録された本社屋をバックにした19代目早川久右衛門さん。

そもそも日本でつくられる味噌の80%は、大豆と米と塩を原料とする「米味噌」だ。
一方、八丁味噌は大豆と塩のみを原料とする「豆味噌」に分類され、
その色目から「赤味噌」に分類される。
豆味噌は主に東海三県のみでつくられる味噌で
甘みがない代わりに大豆由来の旨みがある。

なかでも八丁町の八丁味噌は、江戸時代初期より独特の伝統製法でつくられており、
地域の気候風土に合わせて水分を極力減らして仕込むため
大豆を凝縮したような濃厚な旨みと、
ほのかな酸味と苦味が感じられる独特の風味が特徴だ。

この土地の風土と立地から生まれた、八丁味噌という文化

八丁味噌は一般的な味噌と違い、長時間煮込んでも風味が飛ばないため味噌煮込みうどんなどの名物が生まれたともいわれている。

八丁味噌は一般的な味噌と違い、長時間煮込んでも風味が飛ばないため味噌煮込みうどんなどの名物が生まれたともいわれている。

八丁味噌というと、一般的な米味噌に比べ水分が少なくて固く
赤黒いような色が特徴だ。
これはこの土地の風土が影響している。

ひとつは、八丁町が矢作川や菅生川(乙川)、早川など多くの川に挟まれた
高温多湿な土地であったこと。
このような環境にも耐えられるように仕込み水を極限まで少なくするなど
試行錯誤した結果、保存性が高く固い味噌が生まれたのだ。
また、長期熟成により色は黒に近い赤色となり、ほのかに甘い香りもする。

さらに、八丁味噌が広く知られるようになったのには、立地的な所以もある。
岡崎は東海道のなかでも3番目に大きな宿場町として知られ、
八丁町エリアも矢作川と交わる交通の要衝となった。

その結果、原料である大豆や塩、つくり上げた味噌の運搬に適した土地となる。
特に塩に関しては、岡崎市がこのエリアでの管理を任されていたという話もあるそうだ。
さらに東海道を行き交う旅人が訪れるため、味噌づくりとともに
商売にも適した土地として、八丁味噌の知名度を向上させた。

絶品ご飯のおともから
焼酎といちじくを使用した
ショコラテリーヌまで。
「贈り物」にぴったりなまちの味


今月のテーマ 「贈り物」

ちょっとしたお礼や手土産、お祝いごとなどに欠かせない「贈り物」。
何を贈るかあれこれ悩む人も少なくないのでは?

そこで今回は全国にお住まいのみなさんに
まちの魅力が詰まったおすすめの「贈り物」を選んでもらいました。

お世話になった人や大切な人へのプレゼントにいかがですか?
もちろん、頑張っている自分へ贈るのもアリです。

【新潟県新潟市】
新潟のうまいもの大集結! 産直セレクトショップ〈KITAMAE〉で
人気の贈り物を紹介

新潟市の総合ショッピングセンター〈DEKKY401〉内にある
産直セレクトショップ〈KITAMAE〉は、
県内最大規模の産直ECサイト〈新潟直送計画〉の実店舗として人気を博しています。

今回は〈KITAMAE〉ギフトセットの考案などを担当している小野塚愛さんに
約1万6千点もの商品のなかから人気の贈り物を教えてもらいました。

ギフト担当の小野塚愛さん。

ギフト担当の小野塚愛さん。

まずは、県内の人気店の味を集めた焼き菓子の詰め合わせ。

焼き菓子の詰め合わせ 1197円。

焼き菓子の詰め合わせ 1197円。

内容は、長岡市〈加勢牧場〉のガンジーマドレーヌ、
ガンジーレモンケーキ(上段)と、
五泉市〈渡六菓子店〉のサンクフォンテーヌとタルトノア(下段)。
こだわりの味をぜひ召し上がれ。

お次は、白米が止まらなくなること間違いなし!
絶品ご飯のおともセット。

絶品ご飯のおともセット 3294円。

絶品ご飯のおともセット 3294円。

〈三幸〉の〈新潟三幸ごほうび便 かき〉、
〈KITAMAE〉の全商品のなかで人気No.1〈阿部幸製菓〉の〈柿の種のオイル漬け〉、
〈小川屋〉の〈紅さけ 荒ほぐし〉。
海の幸を堪能できるセットになっています。

最後に紹介するのは、予算を約1万円に設定して、
小野塚さんに特別に組み合わせてもらったこちら。

お母さんからの仕送りセット1万円。内容は、新潟の味であるのっぺい汁のパウチに、ちょっと変わり種の柿の種、名物バスセンターのカレーに車麩、お米、へぎそば、村上牛ビーフカレー、かんずり、のどぐろの味噌汁の素、日本酒、新潟五大ラーメンの詰め合わせです。

お母さんからの仕送りセット1万円。内容は、新潟の味であるのっぺい汁のパウチに、ちょっと変わり種の柿の種、名物バスセンターのカレーに車麩、お米、へぎそば、村上牛ビーフカレー、かんずり、のどぐろの味噌汁の素、日本酒、新潟五大ラーメンの詰め合わせです。

新潟の味であるのっぺい汁のパウチに、
お米やへきそば、かんずり、のどぐろの味噌汁の素など
お母さんの愛情が感じられる地元の味がぎゅっと詰まったラインナップ。
日本酒やちょっと変わり種の柿の種なども入っているのもたまりません。

今回ご紹介したものはオンラインショップ「新潟直送計画」
でも一部の商品を見つけていただけます。

大切な人への贈り物に、新潟の味をお楽しみくださいね。

information

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KITAMAE

住所:新潟県新潟市中央区上近江4-12-20 DEKKY401 2F

TEL:025-378-0839

営業時間:10:00〜20:00

Web:KITAMAE

オンラインショップ:新潟直送計画

※表示価格は取材時と変更となっている場合がございます。

profile

齋藤悦子 さいとう・えつこ

新潟在住のフリーライター。しばらく勤め人でしたが、ひょんなことからライターの道へ。南魚沼市→新潟市→阿賀町→新潟市と県内を転居する生活をしています。寝るのが大好き、朝が苦手、スノーボードとたまに登山、ラジオとエッセイとレモンチューハイが好き。
Instagram:@suzuki_epi/

新幹線でビュンと移動、
城下町・信州上田で
ワーケーションする良さとは?

新幹線でビュンと移動、城下町・信州上田でワーケーションする良さとは?

コロナ禍を機に、テレワークに切り替えた企業も多かったため、
全国各地にテレワーク施設が増えた。
そのなかで、地方の観光を楽しみながら
通常通りに仕事も行う「ワーケーション」という新しいワードも登場。
今やすっかり定着、普及した。

オフタイムの過ごし方も合わせ、
地域ごとに個性を打ち出しているワーケーションだが、
テレワーカーからすると、どこに出かけて仕事をしたらいいのか
と迷うばかりである。

そんな人には東京駅から新幹線で約90分と、アクセスしやすい長野県上田市がおすすめだ。
上田の特色は企業向けワーケーションに力を入れていること。
テレワーク施設には、テレワーカーたちの力になるコンシェルジュ的存在なる
「コーディネーター」が常勤し、相談すると地元とのコネクションを考えてくれる、
力強い味方だ。

そんな上田をまずはバケーション視点での魅力から紹介しよう。

上田は戦国時代の氏族、真田家発祥の地であり、真田昌幸から続く三代の本拠地。歴史好きに人気の観光地だ。

上田は戦国時代の氏族、真田家発祥の地であり、真田昌幸から続く三代の本拠地。歴史好きに人気の観光地だ。

上田駅到着と同時に、まるで時代を飛び越えたような感覚になるのは、
NHK大河ドラマ『真田丸』でもおなじみ、真田幸村の銅像が迎えてくれるからだろうか。
ここは、真田一族ゆかりの地で、信州きっての城下町。
放映当時の2016年は、721万人も観光客が訪れたという。

上田城跡公園。戦国時代、難攻不落といわれた上田城であるが、関ヶ原の戦い後、真田昌幸、幸村父子は九度山(和歌山県)に幽閉され、上田城は徳川氏に破壊されている。その後も歴史とともに数奇な運命をたどり、櫓などが復元され、現在の上田城跡公園としての形ができあがった。

上田城跡公園。戦国時代、難攻不落といわれた上田城であるが、関ヶ原の戦い後、真田昌幸、幸村父子は九度山(和歌山県)に幽閉され、上田城は徳川氏に破壊されている。その後も歴史とともに数奇な運命をたどり、櫓などが復元され、現在の上田城跡公園としての形ができあがった。

上田城の東虎口櫓門には、「信州上田おもてなし武将隊」の真田幸村たちが旅行者をもてなしている。

上田城の東虎口櫓門には、「信州上田おもてなし武将隊」の真田幸村たちが旅行者をもてなしている。

東京駅からは新幹線で90分の距離だ。
都内に通勤している人がいてもおかしくはない。

とはいえ、せっかく古都風情を味わえるまちなのだから、
滞在しないのはもったいない。
山間の城下町で、暮らす気分でテレワーク。
これが上田ワーケーションの醍醐味だ。

旧北国街道の古き良き風情を残す、柳町のまち並み。映画のロケ地にもなっている。パンの〈ルヴァン〉や日本酒〈亀齢〉の〈岡崎酒造〉、ワイナリーの〈はすみふぁーむ〉直営カフェもあり、周辺には、フレンチ、イタリアンなどの個人店が点在し、ランチめぐりも楽しい。

旧北国街道の古き良き風情を残す、柳町のまち並み。映画のロケ地にもなっている。パンの〈ルヴァン〉や日本酒〈亀齢〉の〈岡崎酒造〉、ワイナリーの〈はすみふぁーむ〉直営カフェもあり、周辺には、フレンチ、イタリアンなどの個人店が点在し、ランチめぐりも楽しい。

しかも、上田市内には、「美人の湯」で知られる信州最古の温泉、別所温泉もある。
風情のある温泉街と地域のソウルフードが好きな人にはたまらないワーケーション先だろう。

上田から上田電鉄別所線で別所温泉まで約30分。

上田から上田電鉄別所線に乗って別所温泉までは約30分。

ミントグリーンのレトロな駅舎は撮影地としても人気。

ミントグリーンのレトロな駅舎は撮影地としても人気。

平安時代から続くといわれる、いで湯の里・別所温泉にもコワーキング施設が点在する。ランチの後に、さっと無料の足湯〈ななくり〉でリフレッシュできるのも温泉地でのワーケーションならでは。もちろんリモートワーク後に、共同浴場の湯めぐりで疲れを癒すことも可能。

平安時代から続くといわれる、いで湯の里・別所温泉にもコワーキング施設が点在する。ランチの後に、さっと無料の足湯〈ななくり〉でリフレッシュできるのも温泉地でのワーケーションならでは。もちろんリモートワーク後に、共同浴場の湯めぐりで疲れを癒すことも可能。

もう少し足を延ばすと、鹿が教えた湯といわれる
「鹿教湯(かけゆ)温泉」も上田にはある。

勝手に作る商店街サンド:
甘くて刺激的な池袋ウエストゲートサンド完成!
池袋 西口エリア編

商店街サンドとは

〈商店街サンド〉とは、
ひとつの商店街(地域)で売られているパンと具材を使い、
その土地でしか食べられないサンドイッチをつくってみる企画。
必ずといっていいほどおいしいものができ、
ついでにまちの様子や地域の食を知ることができる、一石二鳥の企画なのだ。

人気が再燃している池袋西口エリアが舞台!

今回やってきたのは東京都の豊島区池袋。
そのなかでも西口エリアだ。

いま、ネット配信で人気が再燃しているドラマ『池袋ウエストゲートパーク』
通称「I.W.G.P.」の舞台でもある。

放送当時(2000年)、純な学生だった私は、
下ネタが多く闇の世界を描いているそのドラマを見て、池袋は怖いところなんだ……
という印象を持っていた。
いや、もちろん架空の話だし、怖さを超えてめちゃくちゃおもしろいドラマなんですけども。

左から、この辺りが地元の深野さん、小堺(私)、学生時代からなにかと池袋にご縁がある大塚さん。

左から、この辺りが地元の深野さん、小堺(私)、学生時代からなにかと池袋にご縁がある大塚さん。

今回は私の友人の大塚拓さんと、
大塚さんが紹介してくれた池袋出身の深野弘之さんにまちを案内してもらう。

実際の池袋西口とはどんな感じかを聞きながら、サンドの食材を買い集めよう。

デパートや飲食店で駅前はめちゃくちゃ賑やか。

デパートや飲食店で駅前はめちゃくちゃ賑やか。

ドラマの舞台となった西口公園へ

せっかくなので、まずはドラマのタイトルにもなっている西口公園へ。
池袋には何度も来ているけど、実際行くのは初めてだ。

近代的! 主人公のマコトたちはもうここにはいなそうだ。

近代的! 主人公のマコトたちはもうここにはいなそうだ。

池袋ウエストゲートパークの放送当時より、ずいぶん明るく開けた感じがする。
豊島区は近年アートカルチャーで売り出しているそうで、
隣の東京芸術劇場とセットでとても近代的に見えた。

ただ安心してほしい。
西口には飲み屋街やラブホ街もあり、カオスなのは当時から変わっていないそうだ。
いまだに昼から飲んだくれた人たちが将棋を打っている光景は健在だという。

飲み屋には困らない池袋。駅から少しずつ離れてみよう。

飲み屋には困らない池袋。駅から少しずつ離れてみよう。

いろんなお店が乱立して、なんでもあるように見える池袋。
ただこの辺には、商店街によくある肉屋などのベーシックなお店がほとんどないそう。
それはもう、イメージ通りだ。

唯一あるお魚屋さんはこの日残念ながら定休日だった。

かつては瀬戸物屋や果物屋などの個人商店が並んでいた場所は、今はみんな飲み屋になってる。

かつては瀬戸物屋や果物屋などの個人商店が並んでいた場所は、今はみんな飲み屋になってる。

そのかわりに、店主の目利きがすばらしいという魚料理で大人気の〈定食 美松〉、
「西池袋」の宝と呼ばれる喫茶店〈ドリームコーヒー〉(定休日だった)、
出身でもないのに愛媛が好きすぎる店主がつくった
私設の〈愛媛アンテナショップいよかん〉(定休日だった)、
月に1回麺マルシェとして個人向けにも麺をおろしてくれる〈山口や製麺所〉などを
案内してもらった。

うわー、ジックリ歩くと興味深いお店がたくさんあるんだな!

「西池袋の宝」と深野さんが断言したドリームコーヒー。今度行ってみたい。

「西池袋の宝」と深野さんが断言したドリームコーヒー。今度行ってみたい。

寒さに耐えた鎌倉野菜の旨さ! 鎌倉〈レンバイ〉のピクルス、
〈鎌倉中央食品市場〉のさつま揚げ、
焼き鳥
あなたのまちの商店街へ。
焼酎ハイボールのアテ探し旅

全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉にあう
最高のアテを探すべく、全国の商店街を巡ります。
今回は、神奈川県鎌倉市の〈鎌倉市農協連即売所(通称レンバイ)〉です。

冬の寒さに耐えた鎌倉野菜をピクルスで堪能

2月初旬の鎌倉。
寒空の下でも、ちゃんと太陽は微笑み、鶴岡八幡宮から海岸へとまっすぐに伸びる、
昨年、大河ドラマで描かれたあの時代の面影を感じられる若宮大路を歩けば、
吹く風はなんだかやわらかい。

三浦大根

この時期の鎌倉の楽しみのひとつが、冬の鎌倉野菜だ。
焼酎ハイボールのアテとして野菜がいけるのは、
このシリーズで訪れた淡路島の洲本56商店街と砂町銀座商店街でも実証済み。
ここに並ぶ野菜を見れば鎌倉の四季がわかるともいわれる
“レンバイ”を訪ねよう。

昭和3年に開設以来、鶴岡八幡宮の参道、若宮大路の茶屋の休憩所と移転し、昭和32年からこの場所に。その間、出店する農家も3代目、4代目に。

昭和3年に開設以来、鶴岡八幡宮の参道、若宮大路の茶屋の休憩所と移転し、昭和32年からこの場所に。その間、出店する農家も3代目、4代目に。

鎌倉野菜といえば、地元の飲食店だけではなく、
都内の有名レストランやこだわりのビストロなどでも使われる、
ブランド価値も高い野菜。
それが一般の方でも、観光客でも気軽に入手できるのがレンバイ。
正式名称は〈鎌倉市農協連即売所〉。
鎌倉市内と古くは鎌倉エリアだった横浜市長尾台町の農家が、
自分たちで生産した農作物を、自ら販売している直売所だ。
歴史は古く、開設は昭和3年。
外国人牧師から「ヨーロッパでは、農家が自分で生産した野菜などを
決まった場所で直接消費者に販売している」
と聞いたことがきっかけだったという。

現在、農家の組合員は23軒で、1~4班に分かれ交替で出店。
つまり同じ店は中3日での出店となり、
毎日訪れても違う農家の野菜が入手できる。これもレンバイのおもしろさ。
おおむね朝8時頃までには販売準備が整い、朝どれの新鮮な野菜が並ぶ。
閉店は野菜が無くなるまでということで、
日没くらいまで残っていることもあるが、やはり狙いは午前中。

4班に分かれてローテーション。1班5~6軒、定番品はもちろん、農家ごとのスペシャリティ的な野菜が並ぶ。朝早い時間は飲食店、10時近くになると近隣の一般の方が集まってくる。

4班に分かれてローテーション。1班5~6軒、定番品はもちろん、農家ごとのスペシャリティ的な野菜が並ぶ。朝早い時間は飲食店、10時近くになると近隣の一般の方が集まってくる。

この日は4班の農家が出店。
お目当ては〈山森ファーム〉。
午前10時に売り場をたずねると、まだ野菜は豊富に並んでいた。
「これでもだいぶなくなってしまったんですよ」
と、山森圭子さん。

山森ファーム

レンバイの奥側、一番広いスペースでズラリと野菜を並べる山森ファーム。年間120種類以上の野菜を生産するというから驚き。この日も根菜を中心に、5キロ以上の重量感ある三浦大根、珍しい西洋野菜など、多種多様。

レンバイの奥側、一番広いスペースでズラリと野菜を並べる山森ファーム。年間120種類以上の野菜を生産するというから驚き。この日も根菜を中心に、5キロ以上の重量感ある三浦大根、珍しい西洋野菜など、多種多様。

普段何種類並んでいるのかと聞けば、
「数えたことはないんですけど、30種類ぐらいはありますね。
にんじんだけでも今日は6種類あります。味わいが結構違うんですよ」

香りが強く、野菜スティックなど生食に向く白人参から、
逆に香り少なくてお子様でも食べやすいもの、
グリルや煮込みに向くものなど、それぞれ個性があるという。
鎌倉野菜は、特に“これが鎌倉野菜”という品目があるわけではない。
だが、鎌倉の土壌、気候、そして農家の心意気は、
季節ごとに多品目の野菜を生み出し、それが鎌倉野菜の特徴となっていた。

「祖父の代から3代目ですが、その頃は定番品。
ここまで多品種になったのは10年ほど前からでしょうか」

レンバイは鎌倉野菜を購入できる市場というだけではなくプロ同士の交流の場。
「料理人の方からご要望いただいて、そこからいろいろ試して。
やってみたいんですよ。時間かかって失敗したものもありますけれど(笑)」

「失敗も楽しい冒険」と山森さんは笑う。

ただ並んでいるものを買うのではなく、生産者と話しながら買えるのがレンバイの魅力。逆に山森さんもお客さんとの話のなかからいろいろなヒントや、冒険心をもらう。

ただ並んでいるものを買うのではなく、生産者と話しながら買えるのがレンバイの魅力。逆に山森さんもお客さんとの話のなかからいろいろなヒントや、冒険心をもらう。

さて、目的のアテは山森さん手づくりの「鎌倉野菜 マダムのピクルス」。
旬の野菜にローリエやクローブなどのハーブを効かせたもので、
実はこれも地元の有名レストランとの会話から生まれ、
レシピを提供されたもの。物語ごといただくとしよう。

新鮮な野菜はもちろん、「鎌倉野菜 季節野菜のお漬物」と、「鎌倉野菜 マダムのピクルス」といった手づくり品も名物。塩分は、野菜の風味を引き出すために控えめ。だから酒にもよく合う。

新鮮な野菜はもちろん、「鎌倉野菜 季節野菜のお漬物」と、「鎌倉野菜 マダムのピクルス」といった手づくり品も名物。塩分は、野菜の風味を引き出すために控えめ。だから酒にもよく合う。

地元民が愛する吉祥寺のコロッケ、
旬のハタハタ、
実家で食べるおいしい料理と酒。
「ごちそう」といえば何?

今月のテーマ 「ごちそう」

ひと言に「ごちそう」と言っても
いつも食べているけど大好きなものや、
季節のおいしい食材、誰かの手料理などなど、思い出すものは人それぞれ。

今回は全国にお住まいのみなさんに
「ごちそう」をテーマにおいしいものをリサーチしてみました。

家族が集まるイベントが多いこの時期、
おいしいものを食べた人も少なくないはず。
みなさんが「ごちそう」と聞いて思い出すものは何ですか?

【東京都武蔵野市】
人気グルメの裏に隠れた名物あり!素材にこだわったお総菜とは?

東京・武蔵野市にある吉祥寺はグルメタウンの一面を持っていて、
話題のグルメやスイーツのお店が代わる代わるオープンしています。
店の入れ替わりが激しい激戦区のなかで、
流行りのグルメに負けない、吉祥寺名物があります。

「元祖 丸メンチカツ」目当ての行列が絶えない。

「元祖 丸メンチカツ」目当ての行列が絶えない。

なかでも、黒毛和牛専門店の〈吉祥寺 さとう〉の「元祖 丸メンチカツ」は
テレビや雑誌にもたくさん登場している吉祥寺名物の代表格。
そんな「丸メンチカツ」人気の裏に隠れた名物があるんです。

NHK大河ドラマ『天地人』をはじめ、数々の映画やドラマ、イベントの題字を手がける書道家・武田双雲氏がロゴをデザインした袋。

NHK大河ドラマ『天地人』をはじめ、数々の映画やドラマ、イベントの題字を手がける書道家・武田双雲氏がロゴをデザインした袋。

それは「コロッケ(180円)」。
同店の初代が修業していた洋食店のレシピでつくったこだわりの逸品。
「コロッケのほうが好き!」という地元民も多く、
隠れた人気商品なのです。

コロッケ

ひと口食べるとじゃがいものゴロゴロ感としっとりなめらかな舌触りが楽しめます。

ひと口食べるとじゃがいものゴロゴロ感としっとりなめらかな舌触りが楽しめます。

メンチカツと違い、行列に並ばずに購入できるので
タイミングが合えば揚げたてのコロッケが購入できます。
国産の素材にこだわったコロッケはまさに「ごちそう」。
ソースをつけずに、そのままパクッ!
じゃがいもの甘みとお肉のジューシーな味わいが口いっぱいに広がります。
吉祥寺を訪れたら、ぜひ〈吉祥寺さとう〉のコロッケも味わってみてくださいね。

information

map

吉祥寺さとう

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-8

TEL:0422-21-6464

営業時間:10:00~19:00(コロッケの販売は10:00〜、メンチカツの販売は10:30〜)

定休日:年始のみ

Web:吉祥寺さとう

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Momo*Kinari きなり・もも

ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari

松阪愛あふれるデザインチームがつくる
「松阪偏愛ツアー」。
歴史や偉人、松阪牛、夜のまちと
盛りだくさん

地元クリエイターの郷土偏愛が生んだ夜まで充実の観光ツアー

三重県松阪市といえば、日本屈指のブランド和牛として名高い松阪牛のふるさと。
ではそれ以外では、どんなまちのイメージがあるだろうか。
松阪の歴史を知り、地元の人が愛するソウルフードや
夜のまちまで楽しんでほしいというツアーが企画され、
2023年1月14日に第1回が実施された。

参加者のひとりが手づくりしたフラッグ。愛を感じる。

参加者のひとりが手づくりしたフラッグ。愛を感じる。

ツアーの正式名称は、
「【松阪市協力/観光協会公認】地元を再編集するデザインチームが考えた
“松阪偏愛モニターツアー”」
(以降「松阪偏愛ツアー」)。

この「松阪偏愛ツアー」は、
“旅を介して、地域の活性化や人々の交流に貢献する”ことを目指す
〈NICHER TRAVEL(ニッチャートラベル)〉が提供する旅のひとつ。

〈ニッチャートラベル〉は、
旅行会社の〈阪急交通社〉とナビゲーションサービスの〈ナビタイムジャパン〉の
共同プロジェクトとして2022年6月から始まり、
自分の愛する地域を盛り上げたいと強く願う人たちと一緒に、独創的な旅をつくっている。

「松阪偏愛ツアー」を企画し、アテンドも行うのは、松阪市で2021年から活動する
地域に特化したデザインチーム〈vacant(バカント)〉 。
チームの合言葉は“純度の高い愛と自由”なのだという。

〈vacant〉のメンバー。本来は5人のチームだが、1月14日は1名欠席。左から羽根由展さん、中瀬皓太さん、阪井純子さん、中瀬理恵さん。

〈vacant〉のメンバー。本来は5人のチームだが、1月14日は1名欠席。左から羽根由展さん、中瀬皓太さん、阪井純子さん、中瀬理恵さん。

ツアーは、松阪市が輩出した偉人たちにまつわる資料館や
江戸時代の面影を残すまち並みを歩くといった地元の名所を訪ねるにとどまらず、
夕食には地元で愛される焼肉店で松阪牛のホルモンに舌鼓を打ち、
その後、希望者は歓楽街に一緒に繰り出してしまおうというもの。
ニッチでディープに松阪を体験できるツアーだ。

〈vacant〉代表の中瀬皓太さん。生まれてから40年間、松阪市以外では暮らしたことがないという生粋の松阪人。

〈vacant〉代表の中瀬皓太さん。生まれてから40年間、松阪市以外では暮らしたことがないという生粋の松阪人。

この「松阪偏愛ツアー」の発端は、
〈ニッチャートラベル〉のメンバーで
編集者の柴田隆寛さんとvacantの中瀬さんの出会いだった。

vacantを立ち上げる前、中瀬さんは松阪の有志が集まる勉強会に参加していた。
毎月、全国で活躍するクリエイターが招かれていて、
その勉強会で中瀬さんは、県外から訪れたクリエイターたちが、
地元にいる自分たちよりも本居宣長をはじめとする郷土の偉人たちに詳しいことに
驚いたという。

「松阪人として恥ずかしい、これではいけないと感じました。
まちや偉人たちのことを学び直そうと考えて、
さらに、その情報を再編集して伝える企画やツールをつくれば
観光はもちろん、地元愛にもつながるはずだ、と」

勉強会に招かれていたクリエイターのひとりが柴田さん。
その後も中瀬さんと柴田さんの交流が続いた。

そして中瀬さんはvacantを立ち上げ、
vacantの拠点として多機能なカフェ、〈MADOI〉を2021年11月にオープンした。
MADOIの名前は、本居宣長が夜な夜な仲間と集っていたサロン、“円居”(マドイ)にちなむ。

松阪偏愛マップと愛宕純愛マップ。

松阪偏愛マップと愛宕純愛マップ。

それからしばらくした2022年春にvacantのメンバーが完成させたのが、
彼ららしい地元愛を詰め込んだ松阪偏愛マップだ。
掲載されているのは、食堂や喫茶店、惣菜店などの個人店から、松阪競輪場まで。
一般的なガイドマップで紹介されそうもない
古くから松阪で愛されている、生活に根ざしたスポットばかりだ。

「僕たちが大好きな松阪のスポットをピックアップして、
愛情を込めてつくったマップです」と中瀬さん。

第2弾としてスナックやバーなどが紹介される歓楽街ガイドの
松阪純愛マップを作成していたころ、
松阪偏愛マップを下敷きとした「松阪偏愛ツアー」が
柴田さんが関わる〈ニッチャートラベル〉 で開催することが決まったのだ。
松阪市や観光協会も協力してくれることになった。

歌手の西野カナさんも松阪が輩出した偉人のひとりと真面目に話す編集者、柴田隆寛さん。

歌手の西野カナさんも松阪が輩出した偉人のひとりと真面目に話す編集者、柴田隆寛さん。

「誰かに任せていられない。自分たちがやるんだ。
そんな熱い思いで、地元・松阪を盛り上げようと奮闘しているvacantのメンバーたち。
素直に応援したくなりますよね? 
僕たち〈ニッチャートラベル〉は、日本各地で地域のために頑張っている、
彼らのようなローカルヒーローの少しでも力になりたい。
訪れる人と出迎える人。
それぞれがあたたかい気持ちで深く交流する “ニッチな旅”をつくって、
地域振興の新しい種を蒔いていけたら」と柴田さんは話す。

受付で当日の資料やツアーグッズが入ったオリジナルエコバッグを配布。グループ分けの目印を兼ねたバッジつき。

受付で当日の資料やツアーグッズが入ったオリジナルエコバッグを配布。グループ分けの目印を兼ねたバッジつき。

ツアー当日、参加者25名は〈MADOI〉にて正午前に集合。

ツアーでは、松阪をいろいろな角度から知ることはもちろん、
vacantのメンバーを含めた参加者同士のつながりを生むことも目的のひとつ。
まずはアイスブレイクを兼ねて、松阪の名物駅弁〈モー太郎弁当〉でランチタイム。

〈モー太郎弁当〉はひとつ1500円。松阪駅の中に売店もある。

〈モー太郎弁当〉はひとつ1500円。松阪駅の中に売店もある。

2003年に誕生したモー太郎弁当はインパクトあるパッケージで、
蓋を開けるとメロディが流れる仕組みまであるユニークなお弁当だ。
脂の旨みと甘辛い味つけが特徴の牛肉が、
三重県産の伊賀米を覆い隠すように盛りつけられている。

〈駅弁のあら竹〉 の新竹浩子さんは松阪市観光協会のメンバーも務める。地元愛にあふれたとっても明るい社長さんだ。

〈駅弁のあら竹〉 の新竹浩子さんは松阪市観光協会のメンバーも務める。地元愛にあふれたとっても明るい社長さんだ。

モー太郎弁当をつくる〈駅弁のあら竹〉の新竹浩子さん(通称ぴーちゃん)が、
蓋から音楽が流れる仕組みや、駅弁への愛を語り、
その圧倒的な明るさで参加者の心を解きほぐしていった。

モー太郎弁当を五感で堪能し、参加者同士で簡単な自己紹介をしたあとは、
4組に分かれてまち歩きへ。
近隣の市町村から来たという方が一番多く、次いで愛知県や京都府など近隣県からの参加者、
IターンやUターンで移住してきたという松阪在住の方も。
ひとりでの参加も多く見られた。

アニメの聖地から
林業、漁業、航空開発まで。
まちを支える産業について
調査してみました!


今月のテーマ 「まちの産業」

特色を生かしたそのまちならではの特産物や名産品は全国に数多くあります。
今回はまちで盛んな「仕事」「産業」という側面から
全国の都市を深堀りしてみました。

自然の恵みを産業にしている地域から、
新たなものを創造する都市まで幅広く紹介します!

みなさんのお住まいのまちの産業について
ちょっと考えてみてください。
まちの新たな魅力が見つかるはずです。

【北海道羅臼町】
サケ、イカ、ブリ、サバがどっさり! 「魚の城下町」の定置網漁

世界自然遺産の知床を有する羅臼町は自然だけでなく
「魚の城下町」といわれるほど漁業も盛んなところ。
羅臼の海は一年通してさまざまな魚種がとれるのですが、
いちばん盛り上がるのは9~11月の秋鮭定置網漁。
漁獲量もほかの魚に比べて最も多いんです。

深夜2時頃、まちは寝静まっていますが、港にぞくぞくと漁師さんが集まってきます。
船に乗り込み、真っ暗な海原へ出港。

15分ほど進んで、定置網のポイントに着いたら全員で一斉に網を手繰ります。
網の中にはサケを中心にイカ、ブリ、サバなど
さまざまな魚がどっさり入っていました。

港に戻り、種類、雌雄、大きさごとに1匹ずつていねいに選別していきます。

港に戻り、種類、雌雄、大きさごとに1匹ずつていねいに選別していきます。

この魚たちは朝の間に羅臼漁港市場で競りにかけられて、
その日のうちに札幌や東京へ配送されていきます。
町内の加工場や飲食店へもすぐに配送されます。

羅臼で鮮魚を買うなら、道の駅〈知床・らうす〉の隣、羅臼漁協直営の〈海鮮工房〉へ。その日にとれた魚たちが並んでいるので、旬の魚を知るのにももってこいです!

羅臼で鮮魚を買うなら、道の駅〈知床・らうす〉の隣、羅臼漁協直営の〈海鮮工房〉へ。その日にとれた魚たちが並んでいるので、旬の魚を知るのにももってこいです!

遠くにお住まいの方は、ふるさと納税でも
羅臼の海産物がたくさん出品されていますのでぜひご覧ください!
ほかには、ブリやウニも羅臼のものはおいしい! と評判です。

information

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海鮮工房

住所:北海道目梨郡羅臼町本町361番地

TEL:0120-530-370

Web:海鮮工房

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佐脇 星 さわき・ひかり

兵庫県神戸市の人工島で生まれ育つ。子どものときに読んだ「シートン動物記」をきっかけに野生動物が好きになり、「野生動物の息吹を身近に感じられるところに住んでみたい」という思いから、大学卒業後、世界自然遺産の町である知床羅臼町の地域おこし協力隊に着任。関西人から見た羅臼町の魅力をSNSで発信している。

いまの気分の“好き”に出合う。
高山都、唐津焼めぐりの旅

唐津の人気窯元を巡る器旅

Instagramや書籍などで数々の料理を披露するモデルの高山都さん。
彼女は器への造詣も深く、そのこだわりにも注目が集まる。
一点一点に選んだ理由とストーリーがあるのだ。
今回は佐賀県唐津市にお邪魔し、3つの人気窯元を巡り、
唐津焼の魅力について高山さんと学ぶ旅に出た。

唐津焼発祥の地といわれている北波多。当時朝鮮半島から陶工を招き、岸岳の麓で焼き物をつくり始めたのが唐津焼の始まりといわれている。

唐津焼発祥の地といわれている北波多。当時朝鮮半島から陶工を招き、岸岳の麓で焼き物をつくり始めたのが唐津焼の始まりといわれている。

「唐津に来るといつもたくさんの出合いがあるんです」という高山さんの言葉のとおり、
彼女が唐津を訪れるのは初めてではない。
過去にもいくつかの窯元を訪問し、唐津焼に触れてきた。
高山さんのInstagram(@miyare38)を覗けば一目瞭然だが、
日頃から料理を楽しむライフスタイルには、自然と唐津焼が溶け込んでいる。

「今回もどんな人や物に出合うことができるのかわくわくします!」

自然の原料からつくられる〈健太郎窯〉の器たち

唐津に着いて最初に訪れたのが、唐津市の東側、鏡山の中腹にある〈健太郎窯〉。
窯元である村山健太郎さんと高山さんが会ったのは、今回で3回目だ。

「初めてお会いしたのもこちらのギャラリーで。
そのときにはギャラリーでお茶をいただいて、
手のひらに収まるサイズのビアカップを4つ購入して帰りましたね。
今でも自宅で愛用しています」と高山さん。

ギャラリーの縁側に腰掛ける村山健太郎さん。

ギャラリーの縁側に腰掛ける村山健太郎さん。

村山さんの作陶は粘土づくりから始まる。
まずは唐津近郊の山々を歩き、土や岩などの原料を採掘。
そこから粘土や釉薬をつくっていく。

作業場にある薪から出た灰なども釉薬の原料として活用し、
自然から手に入れたものだけでつくっていくのが村山さんのやり方だ。
原料づくりだけで1年ほどの時間を要し、手間がかかり非効率ではあるが、
この作陶を続けるのには意味がある。

「時間も手間もかかるけれど、天然原料でつくるということの認知度が上がれば、
この先50〜100年経った先の未来で価値が上がるかもしれない。
技術さえ継承できれば、価値はおのずとついてくると思うんですよね」
と村山さんは語る。

健太郎窯のギャラリーに一歩入った瞬間から、高山さんの表情は真剣そのものだった。

「どの器もすごく魅力的で、
見ているだけでどんな料理をつくって盛りつけようかイメージがどんどん湧いてきます。
例えば斑唐津の大皿の器には、豚の角煮をどーんと入れてもおいしそう。
香味野菜をどさっと入れた料理を盛りつけても絵になる気がする……。
健太郎さんの作品を見ていると、そうやっていろいろと想像できるんです。
シーンを選ばずに使えるものが多く、そのオールマイティさも
今の私の好み、気分と合っている気がしています」

整理整頓が行き届いた工房で3年ぶりの再会を果たしたふたり。出会った当時を振り返りながら談笑。

整理整頓が行き届いた工房で3年ぶりの再会を果たしたふたり。出会った当時を振り返りながら談笑。

次世代のことまで考えて作陶を続けている村山さん。
「日常に溶け込むすてきな器」であることを大切にしてつくられた陶器たちは、
飽きずに使えるようにシンプルでありながらも洗練されたものが揃っている。

現代の食文化にぴったりと寄り添うような作品は、
手に取ってみることでより深く魅力を感じられるはずだ。