連載
posted:2023.12.28 from:神奈川県横浜市 genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ
PR 宝酒造
〈 この連載・企画は… 〉
酒ライター岩瀬大二さんが、全国のまちで思わずその場で缶を空けたくなるほど魅力的な「焼酎ハイボールのお供」を見つけます。
“お供”とはご当地グルメに限らず、風光明媚な景色や地域の方々との対話なども立派な酒のアテ!
焼酎ハイボールを通してそのまちの多面的な魅力を発信していきます。
writer profile
Daiji Iwase
岩瀬大二
いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆。
credit
撮影:黒川ひろみ
なにかとお呼ばれの機会も多い年末年始。
親しい友人と焼酎ハイボールを楽しむアテを探そう。
目をつけたのは〈横浜洪福寺松原商店街〉。
最寄りは横浜駅から相鉄線で3駅の天王町駅。
“ハマのアメ横”との呼び名を持つ商店街で、
年末年始に入り用になるあれこれを扱う食材専門店が集まる。
しかも総じて安い。
まず向かったのは〈かつ信〉。
お目当ては“松原名物”と謳われる「木炭焼焼豚」。
店頭で、炭火でじっくり焼き上げるという光景も、
商店街のすてきな風景になっている。
一般的に焼豚にはいろいろなタイプがあるが、
こちらは、周りが紅色。横浜中華街で見るようなタイプだ。
となるとタレは八角などを使ったオリエンタルな風味を想像するが、
そうした刺激的な香りではない。
ほのかな甘みと照りをまとい、噛めば、豚肉の脂自体の甘みがじわっと感じられ、
そもそもの肉の旨みもどんどん広がっていく。
店主の武井信助さんに聞けば、
「確かにこの色だと中華街って感じですかね。
ただうちは昔から見た目も味もつくり方も変わってないんです」とのこと。
もともとは横浜・野毛の精肉店。戦後、この地に移転した。
「当時このあたりの店は〈魚幸水産〉さんとうちと3、4軒ぐらい」
しかなかった頃から変わらぬレシピ。
「味つけは企業秘密ということにしておこうかな(笑)」というが、
なんと醤油は使っていないのだとこっそりヒントを教えてくれた。
店名が示す通り、もともとはとんかつ屋。
コロナ禍で休業していたところ、
年配の常連さんからの熱望があって焼豚を店頭販売。
土日だけ出していたところ、毎日やってというリクエストがあったという。
ありがたい言葉だけれど、とにかく仕込みに時間も手間もかかる。
結果、いろいろあってとんかつはお休みを続けて、
現在は焼豚や肉まんのテイクアウトを中心とした営業となっている。
そんな話を武井さんと話していたところ、
保育園か幼稚園かといった感じの5、6人の子どもたちが通る。
保育士さんが「ここの焼豚おいしいんだよ」と言えば、
子どもたちが「知ってる~」と返事。
変わらぬ味が、愛され続けていく。
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年末年始を飾る魚といえばやはりマグロ。
こちらも商店街の生き証人的な存在の〈魚幸水産〉に向かおう。
商店街のなかに旅先の港町、小さな魚河岸があるかのような店構え。
新鮮な魚がドーンと店頭に並ぶさまは壮観で、
中に入って値段を見れば、激安といっていいお値打ち品がずらり。
「市場で売っている値段で売れたらいいんですよ」
というのは代表の茂田井幸弘さん。
「特にマグロは仲買を通さなくても直に買える権利を持っていて、
大手商社から直接仕入れています」
常務の茂田井浄志さんも、
「マグロは、こだわりしかないです」とニヤリ。
年末の店頭での解体ショーは、テレビのニュース中継の定番。
市外、県外のお客様も詰めかけ、大賑わいだ。
「でもね」と代表。
「普段こそ大事なんですよ。1度は騙されても2度は騙されない。
明日につなげようっていう気持ちがないとね」としみじみと語る。
板前さん、飲食店といった目利きが買い出しに来る店だけれど、
普段、日常の買い物をされる方も大切にしてきたから今がある。
丁寧で親身のアドバイスも魚幸イズム。
「でも僕らも教わることもあるんですよ」と常務。
最近、商店街の周りに住む外国人の方が増え、
日本人とは違う食文化を持った方も買いに来る。
「『魚を丸ごとくれ。頭もくれ』というリクエスト。
聞いたら一緒に煮込むのだとか。
そういう食べ方もあるのかと勉強になりましたね」
“魚”を通じてのお客さんとの長年のコミュニケーションで、
お互いが“幸”せになる。屋号は歴史と哲学を物語る。
年末年始の海産物といえば縁起物の魚卵系もはずせない。
〈yokohama marine factory横浜たにや 松原商店街店〉は、
魚卵を専門に扱う店で、本社工場がすぐそばにある。
魚卵、加工品も「鮮度が大切」とスタッフの太田松太郎さん。
例えば名物となった「横浜めんたい」は、
一度も冷凍させない「生めんたい」なのが特徴。
「明太子といえば福岡が有名で、なぜ横浜? といわれます。
なぜかといえば、やはり大切なのは鮮度。
食べれば納得していただけます」と、
もともと長年製造を担当していた太田さんは自信の表情。
工場の近くに出店しているからこそ提供できる美味。
横浜の会社だから横浜の人により良いものを。
その思いが実現したのが、横浜たにやの名物である「子持ち昆布」。
年末年始に食卓に並べておきたい縁起物だが、
実は横浜たにやが日本で最も多く扱っている業者だという。
北海道あたりが産地なのかと思っていたけれど、
昆布と数の子が自然に結着して育つのはカナダ産なのだそう。
しかし近年の海水温度の上昇といった環境問題が直撃し、
カナダではすっかりとれなくなってしまった。
事業の柱という以上に日本の風物詩として欠かせない。
試行錯誤の先に見えた光明は、意外なところに。
遠く離れたカナダの海ではなく、
横浜市内、金沢文庫の海に、答えがあった。
それが、金沢漁港沖で養殖された生の昆布に数の子を付着させた
「ぶんこのこんぶ かずのこ昆布」だ。
「いろいろ試したのですが、こんなに近くに
これほど良いものがあるのかと驚きましたね。
無理にかずのこを昆布に接着させなくても、ちゃんと自然に育つんです」
横浜たにやの子持ち昆布という、大切に育んできたブランドは、
さらに「横浜のかずのこ昆布」として
地元の人々に愛されながらつながってく。
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商店街の楽しい熱気をもって、横浜在住の友人宅へ。
「これが安くて品がよかったんだよ」
「見てよ、このマグロも最高でね」――
荷解きをしながら松原商店街のお土産話もまた楽しい。
ひとりよりも、普段よりも、
仲間と、年末年始に、となるとやはり華やかさも大切。
並べてみると、焼豚の紅、マグロと明太子の赤に、
かずのこ昆布の黄金、そして注いだ焼酎ハイボールも輝く。
気づけば焼酎ハイボールの缶も赤金で華やかだ。
では、1年のおつかれさまに、来年のがんばりに、乾杯。
まずは魚幸のメバチマグロ。茂田井常務が、
「本マグロはもちろんうまいんですが、私はメバチマグロが好き。
うちの扱うメバチマグロは余計な水分も出さないですし、
なにより、毎日食べても飽きないんですよ」
と語っていたが、食べて納得。
見た目も美しいコラボを見せる中トロと赤身は香りもさわやか。
横浜たにやの極厚のかずのこ昆布は、繊細に弾けるかずのこからふんわり、
次第にしっかり昆布の風味が現れる。
ここで焼酎ハイボール。心地よい炭酸とかずのこがいい食感で、
混然一体となったかずのこ昆布のコクある風味とまとまっていく。
横浜めんたいは、単に表面に唐辛子をまとわせているのではなく、
漬け込んだタレ自体にほどよい辛みがあって、
素材そのものの旨みをちゃんと生かしている。
生だからこそのプチプチ感も心地よく、さすが魚卵の専門店と唸らされる。
「クラッカー&バターで洋風にするのはどうだろう」
「おつまみ的なパスタや、ナシやリンゴと合わせてもいいかもしれないね」
なんて、横浜めんたいのアレンジアイデアを語りあいながら、
焼酎ハイボールを飲めば、楽しく杯がすすむ。
焼豚はそのままでももちろんだが、
ネギのみじん切りをたっぷりとあしらい、
辛子醤油でいただくのが武井さんのおすすめ。
肩ロースの脂のコクに、辛子のピリッと爽快なアクセントが加わり、
豚肉の味が引き出されれば、焼酎ハイボールがそれを引き受ける。
横浜洪福寺松原商店街は安く買い物ができる。
それも専門店の本格的なものを。
大切な友人と焼酎ハイボールを楽しむなら、
気軽に、でも、ちょっとこだわりのあるアテじゃないと。
そんな実感もまた幸せな瞬間だ。
ガツンときて、ウマい! も実感。飲みごたえも存分。それが下町スタイル。
東京・下町生まれの元祖チューハイ(焼酎ハイボール)の味わいを追求。
キレ味と爽快感、ガツンとくる喜びを強炭酸・辛口テイストで。
宝焼酎ならではのうまさと飲みごたえと、7%というアルコール度数も絶妙です。
下町の大衆酒場で愛されるスタイルだからいろいろな肴にぴったり。
糖質ゼロ、プリン体ゼロもうれしいひと缶です。
information
かつ信
住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区宮田町1-4
TEL:045-331-3008
営業時間:11:30~19:00
定休日:水曜
information
魚幸水産
information
横浜たにや yokohama marine factory 松原商店街店
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