連載
posted:2023.6.29 from:東京都台東区 genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ
PR 宝酒造
〈 この連載・企画は… 〉 宝酒造が発行するWEBマガジン『酒噺』とのタッグで展開する「和酒を楽しもうプロジェクト」。タカラ「焼酎ハイボール」の最高のアテを探しに、酒ライターの岩瀬大二さんが全国の商店街へ足を運びます。
writer profile
Daiji Iwase
岩瀬大二
いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆。
credit
撮影:水野昭子
全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う最高のアテを探すべく、
全国の商店街を巡ります。今回は、新御徒町〈佐竹商店街〉です。
〈佐竹商店街〉が生まれたのは1884年。
もともとは秋田藩の上屋敷があった場所。
廃藩置県で放置されていたが次第に賑わいを見せ、
明治、大正にかけて、遊行娯楽、見世物小屋、寄席をはじめ、
今でいうアミューズメント施設が密集した。
そこにしるこ屋やおでん屋、料亭など飲食店も集まり、
「夜が更けるのを忘れる」ともいわれる黄金時代を迎えたという。
しかし、東京・下町の商店街の多くが見舞われた、
関東大震災、東京大空襲というふたつの出来事で、
一度ならず二度までも苦難を迎えてしまう。
それでもなお立ち上がった。
戦後の復興、高度経済成長とともに、
当時大人気だったテレビ番組の中継地となったことなど、
追い風をたっぷり受けて繁栄を取り戻す。
これも下町の商店街、共通の“不屈”だ。
時代は移り変わり、その隆盛は歴史の1ページとなり、
今では昭和のノスタルジックさを感じられる、
静かな商店街となっているが、
また、ページはめくられ始めているような気もする。
商店街に直結するのは都営大江戸線と、
TXことつくばエクスプレスの新御徒町駅。
大江戸線の全線開業は2000年、
TXは首都圏の主要幹線としては最も新しい2005年の開業。
利便性が高まったことで近隣には、築浅のマンションや建物も多く見られ、
新しい会社、住民、来訪者が増加しているようだ。
日本で2番目に古い歴史を持つという商店街だが、
伝統の場所に今、新しい風が緩やかに吹き始めている。
今回のアテは、その新しい風の2店から。
2線の出口から2分も歩けば1店目。
「30-1」と書いて〈サンジュウ ヒク イチ〉という肉屋。
29=肉という文字遊びがおもしろい。
お店を運営する福田信吉さんが開店に至った深い思いを語ってくれた。
母体はもともと御徒町、新宿、恵比寿の3店舗を展開する〈焼肉もとやま〉。
その肉に対する深いこだわりと、職人の技と、自信。
ライフスタイルが変化し続けるなかでも変わらない、
肉を頬張るという楽しい時間をつくっていきたいという思いがある。
楽しみ方は人それぞれ。だから「肉」にはこだわっているけれど、
お客様は「肉」という言葉にはしばられず、
自分たちのスタイルで楽しんでいただければいい。
なるほど、店内に並ぶ肉や加工品、肉に合わせる調味料などを見ると、
「おいしそう」だけではなく「楽しそう」があふれている。
BBQにもっていったら家族の笑顔がぱっと花咲きそう、
いや、流行りのテラスBBQで大人の時間もありだな、
一転、ひとりの静かな休日、夕方の酒をしみじみと……
などいろいろな「楽しそう」なシーンが浮かぶラインナップ。
そのなかから売れ筋を聞くと、
人気ナンバー1は「黒毛和牛のハンバーグ」とのこと。
「まずここからはじまったんですよ」と福田さん。
焼肉屋では肉を切り、きれいに盛りつける。
するとどうしても“端材”がでてしまう。
それを生かして生まれたのがこのハンバーグで、
30-1の原点ともいえるものなのだ。
端材といっても、「牛の腕何%、モモ何%、豚は何%と、
いろいろな部位を最適な配合で混ぜています。
それはもう、職人さんのこだわりです」(福田さん)
しっとり系ですか、それとも肉感系? と聞けば
にやりと笑って「もちろん肉です。ステーキを食べるような感覚」。
肉屋の自信の言葉に期待が高まるとともに、
福田さんからさらにうれしいひと言が。
「〈焼酎ハイボール〉が大好きで毎晩のように飲んでいます。
その経験から言っても……、あいますよ」とこれもにやり。
最初のアテは、問答無用で決定。
さて、佐竹商店街に出店した理由は「創業の地」だったそう。
「47年前に焼肉屋をスタート。そのときの場所が商店街を抜けたところだったんです」
立ち退きで移転し、新しい業態である30-1を開く際にこの地にまた戻ってきた。
「たまたまですよ」と言う福田さんだが、
隆盛を知る創業店の血が再びこのタイミングで帰ってきたことは、
偶然ではないのかもしれない。
Page 2
新御徒町駅を背に、昭和の香り漂う喫茶店など、
ノスタルジックな商店街を楽しみながら少し歩くと目的の2軒目、
牛にこみの専門店〈ラ・オングレ〉がある。
基本メニューは「牛の煮込み」、「牛すじにこみ」、「ビーフシチュー」の3種のみ。
しかも営業は土・日・月の週3日の昼夜とわずかな時間のみ。
お店はというと、明るく、清潔で洋菓子屋が始めた気軽なカフェという雰囲気。
訪れた月曜のランチどき、若い会社員、特に女性が多く見られる。
ご主人にお話を聞けば、わずか3日の営業は仕込みのためなのだとか。
「初めは店を開けながら仕込みもやっていたのですが追いつかずで……」
と小声で申し訳なさそうに。
仕方なく決めたことだが、その分、自信をもって提供できる。
ご主人は食品卸会社から独立してまず荻窪で間借り営業。
その後月島で出店したが、そこで掲げた看板はそば屋。
「東京を代表するすじ煮込みの名店がすぐ近くに。これは勝負できないなと思い、
経験のあったそばをカモフラージュにして煮込みを出していました(笑)」
ここで手ごたえをつかんでいよいよ煮込みを看板に出店。
場所にこだわりはなかったが、「たまたま」佐竹商店街に出合った。
下町の人情でも、都会の喧騒でも、郊外の住宅地でも、
商売は変わらないぐらいに考えていたようだ。
開店して1年。
今も息づき、人が往来する商店街は、
常にこうした、新しい実力店がやってきて、また歴史がつながっていく。
Page 3
さあ、焼酎ハイボールとアテの時間だ。
まずはハンバーグから。
箸で割った感触からもうぎっしり、ずっしりな“肉感”。
噛んでみればまさにステーキか⁉ という肉々しさ。
そう、ひき肉の感覚ではなく、肉。
もちろんしっとり、なめらかなハンバーグがお好きという方も多いだろうが、
ガツンとうまい焼酎ハイボールならこちらの食感がいいんじゃないか。
まず食べ応えがあって、そこから旨みがきて、最後に甘みが広がる。
焼酎ハイボールもこのハンバーグと合わせると、
同じくガツンときて、焼酎の旨みがあって、じわっと喜びが広がる。
牛にこみも味わおう。
大ぶりのほほ肉。見た目はフレンチか。
歯を入れるとサクッと通り、そこからほどけていく。
噛み応えがちゃんとありながら、とろけていく二重奏。
調味料は、醤油とみりん。
フレンチではなく、そばつゆをイメージする和の世界。
少しの混乱を焼酎ハイボールが
「この味わいもおもしろいね」とまるめてくれる……ような気がした。
余韻もいい。ご主人の真摯な人柄がそのまま透き通った味と、
牛のほほ肉のきれいさに表れているようだ。
長く刻まれてきた歴史と、これからの歩み。
店主、スタッフ自身もこだわりを楽しむ。
おいしい名店がまた、時代をつないでいくのだろう。
ガツンときて、ウマい! も実感。飲みごたえも存分。それが下町スタイル。
東京・下町生まれの元祖チューハイ(焼酎ハイボール)の味わいを追求。
キレ味と爽快感、ガツンとくる喜びを強炭酸・辛口テイストで。
宝焼酎ならではのうまさと飲みごたえと、7%というアルコール度数も絶妙です。
下町の大衆酒場で愛されるスタイルだからいろいろな肴にぴったり。
糖質ゼロ、プリン体ゼロもうれしいひと缶です。
information
information
ラ・オングレ
住所:東京都台東区台東3-29-6
TEL:03-6284-4016
営業時間:日・月曜 11:30〜14:00
火曜 17:30〜21:00(20:30L.O.)
定休日:水~土曜
information
もっとお酒が楽しくなる情報「酒噺」
Feature 特集記事&おすすめ記事