連載
posted:2022.8.30 from:東京都杉並区 genre:食・グルメ
PR 宝酒造
〈 この連載・企画は… 〉 宝酒造が発行するWEBマガジン『酒噺』とのタッグで展開する「和酒を楽しもうプロジェクト」シーズン5。タカラ「焼酎ハイボール」の最高のアテを探しに、酒ライターの岩瀬大二さんが全国の商店街へ足を運びます。
writer profile
Daiji Iwase
岩瀬大二
いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆
credit
撮影:黒川ひろみ
全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う最高のアテを探すべく、
全国の商店街を巡ります。今回は、東京・杉並区の〈阿佐谷パールセンター商店街〉です。
今回訪れるのは阿佐谷パールセンター商店街。
JR中央線阿佐ヶ谷駅南口を降りて、
左手を見ればすぐにアーケードの入口。
この地のメイン通り、中杉通りと並行するように、
東京メトロ丸の内線・南阿佐ヶ谷駅方面へと続く。
なんとなく阿佐ヶ谷界隈らしさを思わせるのは、
新旧、洋の東西のカルチャーが個性を放ちつつ共存しているから。
確かに最近チェーン展開している店も目に入るけれど、
昔ながらの甘味処や、アパレル、カフェの小さな個性的な店、
エスニックな飲食店に輸入雑貨、地元系の安売りスーパー、
クラフトやこだわりのポップを掲げる酒屋さんなど、
多彩な店が入り混じるあたりに、阿佐ヶ谷らしさを感じるのだ。
その阿佐谷パールセンター商店街での〈焼酎ハイボール〉と楽しむアテ探し。
目をつけてきたのは、いずれもこの地で代を重ねてきた老舗の2軒。
真夏の午後、熱気はあるけど期待も膨らむスタート。
Page 2
まずは阿佐ヶ谷駅から入って、2分ほどぶらっと歩いて
昭和11年開店という〈蒲重蒲鉾店〉へ。
こちらで手に入れたいアテは「はんぺん」。
はんぺんというと頭に浮かぶのはおでんだろうか。
ぷかぷかと浮いている白い三角系の物体。
とはいえ「好きなおでんの具ベスト3」なんていう軽い話題を
みなさんしたことがあるかと思うが、
僕のベスト3に登場することはあまりないな、という印象。
でもこちらの手づくりのはんぺんを食せば、きっと、印象は一変する。
材料も一般的なものはスケトウダラなど白身魚だが、
ヨシキリザメとアオザメ、2種のサメのすり身のブレンド。
そこに山芋、塩、砂糖などを加えてつくられる。
店主の太田泰司さんによれば、
サメのすり身の良さは「きめ細やかさ」。
これに山芋のねばりで、まろやか、ねっとり。
これを丁寧に時間をかけてふんわりと仕上げるという。
はんぺんひとつでこの手のかけよう。
「おいしいものをつくり続けるしかないですから」
という太田さんは3代目。商店街の副理事長も務め、
長らく商店街のうつろいを見てきた。
「今は個人店は全体の3分の1ぐらい。新しい店も増えました。
それもまたいいんじゃないかと思います。
まちとしておもしろいことをしていければ」
太田さんによれば、先代の時代、昭和29年に七夕祭りを開催しよう、
つまり、なにかおもしろいことをしていこうということで商店街が一致。
そのまとまりから昭和35年、公募で「パールセンター」と命名され、
さらにいろいろな活動が始まったとのこと。
商店街として新しいものを受け入れ、
そこで、自分の店のスペシャリティも追及する。
個性が集まるから商店街としての魅力もある。
ふと見れば、20代前半かなという男性が、おでんの具をお買い上げ中。
「高円寺も近いという場所柄、若い方は多いですね。
若い方も舌が肥えていると感じます。だから来てくれるのはうれしい」と太田さん。
地方から中央線沿線をめざして上京する人も多い。
常に若い人たちが憧れて集まり、そしてここから羽ばたいていく。
Page 3
そのまま進み、商店街のちょうど真ん中あたり、
右手から芳ばしいタレの香りがふんわりと漂ってくれば、
そこが目的の2軒目、〈稲毛屋〉。
タレの香りは、焼き鳥とうなぎ、ふたつのタレが混じったもの。
そう、こちらは焼き鳥とうなぎなどの川魚の店。
ルーツは明治初期、新宿・牛込界隈。
宮内庁御用達にもなり、名士たちも集う繫盛店だったが、
2代目が昭和23年この地に開店。
4代目の佐藤光利さんによれば、
「最寄り駅の乗降客数や周辺環境を調べて、出店を決めたとのことです。
ここだけではなく、大きくしては誰かに任せて、ということをしてきたようです」
新たなフロンティアを求めて、まだにぎわい始めたばかりの阿佐ヶ谷に来た。
ショーケースにきれいに並ぶ焼き鳥、豚のもつ焼き、うなぎは、
どれも焼酎ハイボールとの時間を妄想させてくれる。
つい買いすぎてしまいそうになる。
蒲重蒲鉾店の太田さんと同じく、
佐藤さんも小さい頃から店の手伝いをしながらまちを見ていた。
「店の前、今ドラッグストアですが昔は電気屋さん、
右隣のカフェチェーンはカーテン屋さん、
左隣のケバブ屋は薬局。いろいろ変わりましたね」
夏、お店の中から、電気屋さんの店頭に並ぶテレビで見た高校野球。
どの商店街にも地元の電気店があって、店頭のテレビを見て、
並んだ扇風機で涼を取り、電球1個を買って帰る。
それも懐かしの昭和の商店街の光景。
タレの香りがまたその世界に誘ってくれる。
とはいえ、ここは阿佐ヶ谷。
新しい人がやってきて、カルチャーが生まれる場所。
「最近も新しいタワマンができたり、人が増えて、
活気が出てきたように感じます」と佐藤さん。
「学生時代に来られて、今では親子で来られる方もいらっしゃいますね」
新しさが懐かしさになって、商店街は続いていく。
阿佐ヶ谷に対する初代のリサーチは間違っていなかったようだ。
Page 4
さあ、阿佐谷パールセンター商店街と焼酎ハイボールのコラボレーションの時間だ。
まずははんぺん。
自ら酒好きを公言してくれた太田さんの、焼酎ハイボールとのおススメは、
シンプルに「そのまま」。そして醤油とわさびで。
まずはそのまま。はんぺんをそのままというのはあまり経験がないが……
まず、歯ごたえというよりは心地よさが。
しっとりとふわっと、それが同時に。
洋菓子のスフレやマシュマロを思わせる食感だ。
なにもつけずとも味わいはしっかり。
ここで焼酎ハイボールをすかさずひと口。
するとはんぺんの甘みが喉をなめらかに滑り落ちていく。
目を閉じるとふわっと程よい、酔い心地。
天使の……そんな言葉を使いたくなるはんぺんの食感が次のひと口へ誘う。
うなぎは、頭の中ではすでにでき上がっている組み合わせ。
うなぎのねっとりと焼酎ベースのまろやかさに、思わずうっとり。
山椒を軽く振れば炭酸の清涼感とも相性がよく飽きさせない。
せっかくならうなぎは熱々で。
温めなおす際のコツ、料理清酒をひとふり。
これでふっくら仕上がるのだ。
頭の中で描いていた相性通りなのだけど、
やはり商店街の老舗で買ってきたというプラスαの喜びで
この時間がもっと幸せなものになる。
阿佐ヶ谷という、常に若い才能やカルチャーが集うまちで、
老舗の味、情緒ある商店街というイメージはわかなかったのだけれど、
実際に足を運んでみれば、新旧が楽しく混ざりあって、
きっとここからまた新しい何かが生み出されるんだという雰囲気。
そこに、ビシッと背骨があって、
それが何代ものれんを守ってきた店なんだろう。
そんなことを考えると、ふわっとまろやかに味わっていた焼酎ハイボールから、
持ち味のガツッとくる飲みごたえが。
いろいろな表情がある。だから楽しいんだ。
ガツンときて、ウマい! も実感。飲みごたえも存分。それが下町スタイル。
東京・下町生まれの元祖チューハイ(焼酎ハイボール)の味わいを追求。
キレ味と爽快感、ガツンとくる喜びを強炭酸・辛口テイストで。
宝焼酎ならではのうまさと飲みごたえと、7%というアルコール度数も絶妙です。
下町の大衆酒場で愛されるスタイルだからいろいろな肴にぴったり。
糖質ゼロ、プリン体ゼロもうれしいひと缶です。
information
蒲重蒲鉾店
住所:東京都杉並区阿佐谷南1-47-10
TEL:03-3311-3543
営業時間:9:00~19:30
定休日:水曜
information
稲毛屋
住所:東京都杉並区阿佐谷南1-35-24
TEL:03-3311-2907
営業時間:11:00~20:00
定休日:水曜、第2・第3木曜
information
もっとお酒が楽しくなる情報「酒噺」
Feature 特集記事&おすすめ記事