【無料アーカイブ視聴あり】建物を「開く」ことで地域はどう変わる?建築史家・倉方俊輔に学ぶ、建築ツーリズム入門
倉方さんは、日本最大級の建築イベント「東京建築祭」の実行委員長をはじめ、「イケフェス大阪」「京都モダン建築祭」の実行委員としても活動。講座では、建築史という分野の面白さから、建築を「開く」ことで生まれる価値、「建築ツーリズム」と地方創生の関係まで、幅広くお話しいただきました。
本講座で語られたこと
・建築史家という仕事と、建築の面白さ
・建築を開くことで生まれる価値
・「建築ツーリズム」と地方創生
見逃した方、もう一度じっくり学びたい方のために、アーカイブ動画を公開しています。

なぜ「建築を開く」と、まちが動き出すのか
講座の中盤、倉方さんが語ったのは「建築を開くこと」の重要性です。
海外では「オープンハウス」とも呼ばれるこの取り組みは、普段は入れない建物を一般公開するもの。日本でも広がりを見せており、倉方さんも数多く携わっています。
建物は外から眺めることはできても、中に入る機会は必ずしも多くありません。だからこそ年に数日でも建物を開くことで、人との対話や評価が生まれ、所有者・地域住民・来訪者をつなぐ場になります。
また倉方さんは、真のブランディングにおいて建築は重要な役割を担うと語ります。大学や企業は、建築という「場所」を開くことで、その理念や価値を体験として伝えることができます。さらに、無料で建物を公開するという姿勢そのものが、所有する企業や団体へのポジティブな印象にもつながります。
もちろん、関係者以外に建物を開放することにはリスクもあります。それでも、開くことで確実に人とのつながりや新たな価値が生まれるのだと語られました。
本講座ではこのほかにも、建築史という分野から見えてくる魅力や、倉方さんの著書、建築ツーリズムと地方創生の関係、最新刊『建築を旅する』についても詳しく紹介しています。

参加者の声
「建築というものが施主をはじめとして一部の専門家や施工者だけのものではなく、みんなのものになりつつある時代の変化の真っただ中というように感じました。そのうえで建築士がどういった役割が求められるか、何ができるかを考えていきたいです」(建築設計・40代)
「建築史家が歴史的な建築物のみを対象とするのではなく、現代の建築にも密接に関わっていることは驚きでした」(学生・20代)
「地域を語る上で歴史は重要だと思っていましたが、建物の歴史という視点に思い至っていなかったことが、今回のお話で払拭されました」(一般企業・50代)
担当編集のひとこと
建築の仕事というと設計や施工を思い浮かべがちですが、建築を文化として捉え、その歴史や背景をひもとく「建築史」という営み自体がとても新鮮で興味深く感じられました。
また、倉方さんの建築への深い愛情が随所に感じられる、建築の魅力が詰まった講座でもありました。
建築や建築史に興味がある方はもちろん、地方創生のヒントを探している方にもおすすめの講座です。
登壇者プロフィール
倉方 俊輔
くらかた・しゅんすけ/1971年東京都生まれ。建築史家/大阪公立大学教授。日本近現代の建築史の研究と並行して、日本最大級の建築イベント「東京建築祭」の実行委員長、「イケフェス大阪」「京都モダン建築祭」「北九州建築祭」の実行委員を務めるなど、建築の価値を社会に広く伝える活動を行う。著書に『建築を旅する』『悪のル・コルビュジエ』『建築を楽しむ教科書』ほか多数。受賞歴にグッドデザイン賞グッドデザイン・ベスト100、日本建築学会賞(業績)などがある。
杉江 宣洋
すぎえ・のぶひろ/コロカル編集長。マガジンハウス入社後、『anan』『BRUTUS』などの副編集長を経て、2022年『Hanako』編集長就任。2025年より現職。