海が見えるだらぼち音楽祭会場

石川・奥能登の磁力。震災から二年、それでも人が集まる土地

地震の前から、彼らはここにいた。豪雨が来ても、離れなかった。祭をつくり、居場所を守り、まちの記憶を撮り続ける——その行動原理は、災害の前後でぶれていない。ただ、内側には確かに何かが堆積している。言葉にならない強度のようなもの。似た志を持つ者たちが引き寄せられ、難しいはずのことが、気づけばかたちになっている。この土地が人を呼ぶのはなぜか。三つの現場から、その答えを探る。
だらぼち音楽祭アイキャッチ
01
能登の祭は死なない。石川「だらぼち音楽祭」が証明したこと
2026年5月16日。能登町で「だらぼち音楽祭」が開催された。復興半ばのこの土地に、ヒップホップのレジェンドたちが集まった。もともと能登は、とても祭の数が多い土地。集落ごとに祭があり、その数はよく知られているものだけでも百を超えるという。震災や豪雨災害を経て、能登の里山の魅力を最大限に感じられる青い海を見下ろす高台で、音楽を軸とした新たな祭が生まれた。主催者の一人で能登に拠点を置く辻野実さんに開催に至った想いと、今後の展望を聞いた。
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だらぼち音楽祭のステージの様子
02
時代を変えるものは、いつも規格外れから生まれる 文・荏開津広
能登との縁は、地震よりも前からあった。金沢滞在、ノルウェーのアーティストとの偶然の接点、ミラーボールの回る宿——点と点が繋がるように積み重なってきた縁が、2026年5月の「だらぼち音楽祭」で一本の線になった。DJでキュレーター、大学教員でもある筆者が、能登で目撃したものを綴る。
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03
誰も取りこぼさない。NPO法人ガクソーが守る珠洲の居場所〈海浜あみだ湯〉〈みんなのいえ〉
珠洲市の中心部に位置する、温浴施設〈 海浜あみだ湯〉。窓から海を見渡せる湯船とアットホームな待合場で、約40年地元の人たちに愛されてきた。そして、子供から大人まで、誰のことも取りこぼさずに手を差し伸べる場として震災後に再び動きだした〈 みんなのいえ〉。どちらも〈 NPO法人ガクソー〉という組織を立ち上げた新谷健太さんと北澤晋太郎さんをはじめとしたメンバーが運営している。地震と豪雨を経て、地元に寄り添い、皆の拠り所として大切にされている場を切り盛りする彼らが大切にしている想いとは。
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スズレコードセンターの内観
04
忘れるために、撮る。石川・珠洲を記録し続ける〈スズレコードセンター〉
能登半島地震と豪雨被害を経て、2024年後半に誕生したスズレコードセンター。震災後の風景と復興していく変化を写真や映像で記録すること、そして、古い町の写真を住民から預かることを主としている機関だ。運営しているのは、奥能登国際芸術祭をきっかけに珠洲で結成された一般社団法人サポートスズ。プロジェクトリーダーは震災前に珠洲に移住してきた西海一紗さん。珠洲へやってきたきっかけから、スズレコードセンターが担うもの、そして今後の活動についてじっくりと聞いた。
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Credit
  • PHOTO:KAZUHARU IGARASHI
  • TEXT:AYA SASAKI
  • EDIT:KARIN OHIRA

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