【編集後記】奈良は、歴史上の人物と同じ目線になれる場所
第一代天皇・神武天皇が即位したことから「日本はじまりの地」とされている奈良県。最初の都である「藤原京」や、大陸から伝わった仏教、建築技術、かき氷や饅頭といった和菓子文化、そして清酒……、現代の私たちの暮らしにある多くのものは、奈良からはじまりました。2026年8月からの特集では、「はじまり」をキーワードに、奈良を深掘りしています。
みなさんは2026年に入って話題の大河ドラマ「豊臣兄弟!」をご覧になっていますか?
まんまとハマった私にとって、主人公・豊臣秀長が最期の地として過ごした奈良県大和郡山市は、今回の取材で最も楽しみにしていた場所の一つでした。
豊臣秀吉が、弟である秀長を配置した大和郡山は、天下統一を果たす上で非常に重要な拠点。城を拡張するとともに、城下町を整備し、発展させました。車が通れないような細い路地も多く、当時の面影を感じられます。
ドラマを見ている人にはもちろん、見ていない人にもぜひ訪れてほしいのは、「郡山城跡」。天守台の展望施設に登り、そこから奈良のまちを見下ろしていると、戦国時代を生きた秀長も、同じようにこの景色を眺めていたのかな、と胸が熱くなりました。どこか遠く感じていた歴史上の偉人と、現代を生きる私たちが繋がっていると思えた瞬間です。

歴史を知ることの楽しさは、ふとした繋がりを発見し、ちょっと豊かな気持ちになれることなのかもしれません。
東京で生活していると、知らない間に大きなビルが建っていることや、つい先週まであったお店が閉店して、思い出せなくなることも。日々変わっていく景色は新鮮ですが、数百年前の人物と同じ風景を見つめ、同じ空気を感じられる奈良は貴重で、とても面白いと思うのです。