【見逃し動画公開中】〈アミューズ〉はなぜ香川県・豊島へ?エンタメ企業が挑む地域づくり
コロカル編集部が主催するウェビナーシリーズ「コロカルアカデミー」。地域づくりやブランディング、観光、ものづくりなどをテーマに、各地で活躍する実践者を迎え、現場の知見や取り組みを学ぶ場として開催しています。
第16回のテーマは、「エンタメ企業が仕掛ける地域の再生」。ゲストには、〈アミューズ〉瀬戸内プロジェクト部長の佐藤大地さんを迎えました。
〈アミューズ〉が2019年に社員・アーティストの研修所を設立した香川県土庄町の豊島(てしま)。これをきっかけに、農業や食、宿泊施設などを通じて島の日常の魅力を伝えるさまざまな事業を展開しています。豊島は、現代アートをめぐる観光地として知られる一方、かつて産業廃棄物の不法投棄問題を抱え、環境再生が進められてきた島でもあります。
本講座では、宇都宮市役所から〈アミューズ〉へ転身し、自ら豊島に移り住んだ佐藤さんが、地域との関係を築きながら事業を立ち上げてきたプロセスを紹介。エンターテインメント企業が地域に入り、土地や人の魅力をどう見つけ、事業として育てていくのかをひもときました。
本講座で語られたこと
エンタメ企業は、地域とどう関わる?
・〈アミューズ〉が地域に根ざした事業を始めた理由
・行政から民間へ。佐藤さんが豊島に移り住んだ背景
・ファーム、ビール、ホテル。「瀬戸内プロジェクト」の現在地
見逃した方、もう一度じっくり学びたい方に向けて、アーカイブ動画を公開し。

島に住み、対話を重ねる。そこから見つけた豊島の価値を事業に
まず、佐藤さんの語りの中で印象的だったのは、「観光事業」という言葉への距離感です。アミューズが進める「瀬戸内プロジェクト」は、豊島を中心に瀬戸内の魅力をさらに引き出し、新たな価値を生み出す取り組みであり、単なる観光事業ではないと言います。
アミューズがこれまで培ってきたのは、人がつくり、受け継いできた文化や知恵に目を向け、その価値をより多くの人に届ける姿勢です。その視点から取り組む豊島でのプロジェクトは、「豊島」という場所そのものを再発見し、プロデュースする試みともいえます。
土地を知るために自ら豊島に住み、地元の人たちと親睦を深めながら対話を重ねる。そうした交流を通じて、佐藤さんは島のことを少しずつ理解していったといいます。そこで得た知見をもとに、地域との接点となる拠点をつくり、連携できる事業者を探し、事業の基盤を整えていく。同時に社内でも対話を重ね、継続可能な事業として進めるための体制を整えていきました。
豊島でのプロジェクトを通じて佐藤さんが実践してきたことから、地域で新たなビジネスやプロジェクトを立ち上げる際の考え方やプロセスが見えてきます。地域をただの「コンテンツ」として扱うのではなく、「生業」から積み上げていく。佐藤さんの姿勢には、地域とビジネスを考えるうえでの本質が示されています。
参加者の声
「CSRとも違う、総合エンターテインメント企業の事業の一環としての地域との関わり方が非常に興味深く、勉強になりました。」(50代・小売業)
「プロジェクトの成功や登壇者の活躍の裏には、きっとさまざまな悩みや苦労があったものと思いますが、肩肘張らない雰囲気で取り組みを紹介していただき、非常に聞きやすかったです。」(40代・公的機関)
「地元の人たちが自分ごととして取り組みに伴走してくれなければ、プロジェクトはうまくいかないと思います。小さなコミュニティ(島)で大事なのは、まずは地元の人たちとのコミュニケーション、縁を形にすることだと実感しました。」(60代・メーカー)
担当編集のひとこと
宇都宮市役所からアミューズへ転身し、現在は瀬戸内プロジェクト部長として豊島に関わる佐藤さん。そのキャリアと実践を聞き、人、地域、ビジネスが交わる、アミューズならではの地域との関わり方が見えてくる内容でした。
豊島に住み、地元の人たちとの対話を重ねながら土地を知り、そこで見つけた価値を事業として形にしていく。地域への感性と、事業として成立させる視点。その両方を持って進めていく姿に、エンターテインメント企業ならではのアプローチを感じました。
その根底にあるのは、人を楽しませ、土地や人の持つ魅力を引き出そうとする「遊び心」。
地域に入り、人と関係を築くことから始める佐藤さんの実践には、地域で新たな事業をつくるためのヒントが詰まっています。地域資源の事業化に向き合う佐藤さんの姿勢に触れられる本講座です。地域づくりや事業づくりに関心のある方にも、参考になる内容です。ぜひアーカイブでご視聴ください。
登壇者プロフィール
株式会社アミューズ 瀬戸内プロジェクト部長 佐藤 大地
さとう・だいち/2004年に宇都宮大学を卒業(自閉症などを研究)。同年、宇都宮市役所に入庁。主税課に配属後、宇都宮駅前の開発や産業政策などに携わる。大谷振興室では、地域活性化に向けたプロジェクトを10年以上担当。2022年にアミューズに入社。現在は瀬戸内プロジェクト部長として、豊島での事業を牽引する。
杉江 宣洋
すぎえ・のぶひろ/コロカル編集長。マガジンハウス入社後、『anan』『BRUTUS』などの副編集長を経て、2022年に『Hanako』編集長に就任。2025年より現職。