千年続くまちを次の世代へ 「結いプロジェクト」

長年変わらぬものがまちの資源。

見世蔵や古民家、格子戸の問屋といった伝統的な建造物が今も残る、茨城県の結城市。
鎌倉時代より千年を超える城下町として栄えてきた。
織物「結城つむぎ」の一大産地であり、みそや酒などの醸造業も盛んで、
江戸時代は都に生活物資を供給する重要な拠点だったという。

200年前にはこの問屋街が「大町通り」と呼ばれ、お城に続くにぎやかな一番街だった。

ところが長年裕福だったまちは、ここ数年高齢化が進み、
後継者不足で空き店舗が目立つようになった。

「外から訪れた人には、いいまちだねって言ってもらうことが多いです。
でも、まちから若い人が減って活気がなくなっていくのを感じていましたし、
僕自身、20代の頃は自信をもって結城っていいまちだと言えなかった」
そう話すのは、「結いプロジェクト」代表の飯野勝智さん。

飯野さんは大学で建築を学び、地元結城市で設計事務所を開業。
いつかは地元で独立を、と考えていた飯野さんは、
建築を学ぶなかで改めて結城市の個性を見つめ直したという。

「見世蔵などの古い建造物や、神社お寺などの人が集まる場がたくさん残っていること、
そしてそれを守ってきた人々の営みなど、長年変わらないで続いていることが、
結城の貴重な資源ではないかと思いました」(飯野さん)

「結い市」当日。健田須賀神社で行われた成功祈願の様子。

まちの中心にある健田須賀神社で毎年行われている夏祭りなどは、
700年以上前から続いているという。
「結い」という言葉を知ったのもその頃だった。

「白川郷の茅葺き屋根の葺き替えの話は有名ですが、
“結い”とは一人ではできないことを皆で協力してやっていくこと。
今結城に残っているものを地元の人が一緒になって大切にし、
このまちを盛り上げていく、そんな気持ちを取り戻すことができないかと考えました」(飯野さん)

飯野さんのその思いに応えたのが、商工会議所の職員であり、
まちづくり会社(TMO結城)にも所属する野口純一さんだった。
2009年、ふたりはさらにメンバーを募り、プロジェクトを発足。
結城市の「結」と「結い」から「結いプロジェクト」と名付けた。
初年度に行ったイベント「結い市」は神社の収穫祭に合わせたマルシェとして始まり、
2年目以降、まちに点在する「見世蔵」を会場として広がりを見せていく。

運営メンバーの使う前掛けにも「結」の文字が。

まちの“おもてなし”の気持ちを呼び覚ます。

結城市に今も多く残る「見世蔵」とは、明治から大正にかけて造られた、
土壁で漆喰仕上げの建造物。単なる貯蔵庫ではなく、
通りに面して売り場を設けられたお店を兼ねた蔵だ。
この建物こそまちの大切な資源のひとつと考えた飯野さんは、
2年目の「結い市」で蔵などまち中の建物を会場にして、
クラフト作家やアート作品、カフェなどの出展を行うことを提案する。

ところが結城市に残る見世蔵は、今もそのほとんどが現役。
つむぎ問屋や老舗の商店など商売に使われていたり、
人が住んでいるなど、会場とするのは一筋縄ではいかなかった。

「野口くんとふたりで一軒一軒、家主さんの元へ出向いて、
蔵を『結い市』の会場として使わせてもらえないかと説明してまわりました。
初めはなかなかこのプロジェクトの主旨を理解してもらうのが難しかった」(飯野さん)

だが、飯野さんの実家が7代続く左官屋と聞くと、
話を聞く人たちの表情がふっとゆるんだのだという。

「結城市に残る蔵はしっかりした造りのものが多く、メンテナンスしながら使われています。
そのお手伝いをしてきたのが、出入りの職人として左官の仕事をしていた僕の先代だったんです。
“うちも飯野さんのところにずっとお世話になってたんだよ”って言われると、
ぐっと関係が近づく気がしました」(飯野さん)

2013年「結い市」にはおよそ3万人の来場者が訪れた。見世蔵の前で、道ゆく人へコーヒーをふるまう。

初回に会場として借りることのできた建物は5~6軒。
実際に運営が始まってみると、見世蔵は単に展示の場所としてだけでなく、
まさしく“結い”の場になっていった。

「もともと商売人の方が多いまちです。
お客さんを“もてなしたい”という気持ちに次第に火が灯っていった感じでした。
出展者が不在にする間、家主さんが代わりに店番をしていただいたり、
一緒になって接客をしてくれるようになっていきました」(野口さん)

つむぎ問屋「奥順」弍の蔵にて、古道具と生活雑貨の展示販売の様子。

櫻井長太郎別館にて行われた焼き菓子の販売と絵画展示。屋外ではカフェの出展も。

楽しかったという家主の話はすぐにまち中に広まり、年々協力してくれる数は増えていった。
「結い市」4回目となる今年の会場は30か所。
夢中で進めてきて、ふと気付くと、まちの雰囲気が変わり始めていたと野口さんは話す。

「気付いたら、お味噌屋さんの古かった暖簾が新しくなっていたんです。
これまで目立たなかった和菓子屋の看板も目立つように工夫されていたり、
まちを歩いていると挨拶してくれる商店主が増えました。
後継者がいないことで商売に対してあきらめ気味になっていたまちが、
少し前向きになってきたのを感じました」(野口さん)

つながり支え合うきっかけに。

このように、結いプロジェクトを通してまちの人たちと縦の関係ができていく一方で、
横のつながりも広がっていった。

例えば、結城つむぎの問屋「奥順」の関根智恵さん。
3年目より結いプロジェクトに参加し、
新しい層に着物のあるライフスタイルを提案する活動を行っている。
今年の「結い市」では、PONNALETのラオス・カンボジアのつむぎと
結城つむぎのコラボレーション作品を披露し、
カンボジアのクロマーという布の活用法を学ぶワークショップを行った。

「結い市は、つむぎを知らない方たちに新しい感覚でふれてもらういい機会になると思っています。それに結城市の資源はつむぎだけではないので、
このまちにもっと多くの人たちに来てもらいたい。
私たちくらいの世代の厳しい目をもつ女性にも、
結城が行ってみたい場所の候補に入るようになるといいなと思っています」(関根さん)

結いプロジェクトの中心メンバー。(左から)野口さん、飯野さん、関根さん、小池さん。

結城つむぎの展示場では、カンボジアの布クロマーの使い方と半幅帯の結び方のワークショップが行われた。

運営メンバーも今では30~40名。
立ち上げ当初は役所の職員や、結城つむぎの織子(おりこ)さんなど、
結城市に住む参加者が多かったが、ここ1~2年は結城出身で都心在住の人など、
遠方から応援にかけつける人も増えた。

2012年「結い市」の運営スタッフ大集合。プロジェクトメンバーに加えて、ボランティアスタッフも。

プロジェクトのアートディレクションを担当する小池隆夫さんも、
活動の主旨に共感して参加したひとり。

「僕自身、結いプロジェクトを通してたくさんのまちの人たちと知り会いました。
なかには結城で新しくお店を始めた方もいて、
デザインの仕事でそうした人を応援できることも
プロジェクトに参加している魅力のひとつです」(小池さん)

小池さんの話す「お料理屋kokyu.」は、
築90年の別荘が空き家となっていた場所に2013年3月にオープンした創作料理のお店。
オーナーが商工会議所に相談を持ちかけたのをきっかけに、
野口さんが物件探しや起業のサポートを行い、
結いプロジェクトのメンバーを引き会わせたのだという。

「お料理屋kokyu.」。もとは別荘だったという築90年の趣ある建造物。

結果、小池さんが、新しいお店のデザインを通したブランディングを担当、
飯野さんは建築面でのサポート、関根さんは新しいお客さんを連れてくるなど、
結いプロジェクトのメンバーで自然とあらゆる面からのサポートが行われた。
「kokyu.」ができたことは、結いプロジェクトを通して強いネットワークが生まれていることを、
メンバー自身が感じた出来事だったという。

「まちが単なる場所というよりも好きな人々が暮らすまち、という印象に変わりました。
越してくる人が増えれば、結城にひとつずつ明かりが増えていく感じがして嬉しいんです」(小池さん)

千年続いたまちを次の世代につなぐために、まずは今、まちに生きる人々がつながり、
支え合う関係をつくること。
それがひとつの答えかもしれないと、今彼らは思い始めている。

きょうのイエノミ 旅するイエノミ 日本酒と、山鹿(やまが)の馬刺し

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、手軽で簡単、
しかもちょっとした旅気分が味わえる日本各地のおいしいものと
三浦半島の旬の食材を使った、和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

寒さが身にしみる季節になってきました。
人一倍寒がりな料理研究家・飛田和緒さんもそろそろ冬支度。
レッグウォーマーに毛糸の帽子、ひざかけにマフラーと
「いつものセット」を用意して、ようやくほっとひと安心。
ほかほかと身体が暖まる燗酒の出番も多くなりました。
この燗酒に合わせてつまみたい、飛田さんの「とっておき」が
熊本は山鹿から取り寄せる「ゆかさんちの馬刺し」。
お刺身の和えものや定番の常備菜も併せてぱぱっと食卓に並べると
おっと、なんだか妙に贅沢なイエノミに見えませんか?
これなら、ちょっとしたおもてなしにも良さそうですよね。

それにしても馬刺しに燗酒とは渋いですねー。
「あらそうかしら」と飛田さんは澄まし顔ですが
長野県、特に松本と木曽では馬肉をよく食べるため
信州に縁がある飛田さんも、馬肉×日本酒はもともとお気に入り。
ただ、東京下町の桜鍋などいろいろ食べには行くものの
「取り寄せてでも食べたいのは、ゆかさんのだけ」ときっぱり。
馬刺しが本当に好きになったのも、数年前に山鹿へ遊びに行ってから。
それは国指定重要文化財でもある明治43年築「八千代座」で
坂東玉三郎さんの公演を見た帰りのことでした。

●ローカルな逸品「山鹿市・むらかみの馬刺し」
熊本・山あいの温泉町から届く極上の馬刺し。

「どうしても食べてもらいたいものがあるの」
そう友人に誘われて出向いたのが、町の中心部にあるお肉屋さん。
店構えこそ、ごく普通に見えたものの
直営レストランで馬刺しと馬鍋を食べてびっくり。
その『むらかみ』の三代目が、「ゆかさん」こと村上由香さんです。
馬肉のおいしさをより多くの人に知ってもらいたい。
そんな由香さんの思いをしっかり料理から受け取め
「ゆかさんちの馬刺し」は、飛田さんの「とっておき」になりました。
きょうも、ていねいに馬刺しを薄切りにし、手造りの特製薬味を添えて食卓へ。
撮影後にみんなでいただきましたが、もうそのお味ときたら!
とろけるような霜降りに、上品な甘みもある赤身、すーっと余韻が残るたてがみ。
ぬるめの燗酒が、これまたよく合うんですよね。
この組み合わせ、イエノミで披露したら渋いどころか喝采の嵐、間違いなしですよ。

しかし普段あまりなじみがない馬肉だけに、なにをどう取り寄せればいいのか。
電話して村上由香さんにうかがってみると
「まずはいちばん手頃な赤身がおすすめですよ」とのこと。
山鹿は熊本市の北、菊池渓谷に隣接し、阿蘇にもほど近い山あいの町です。
このあたりでは馬肉をごく当たり前に食べるため
肉うどん、肉じゃが、おでんのすじ、だご(団子)汁など、なんでも馬肉を使う。
由香さんちのお店には、地元の豚や佐賀牛も置いてあるけれど
店頭で地元の人がよく買っていくのは馬肉、それも使い勝手のいい赤身が多いそうです。
「我が家のまかないも馬ばかりです。だっておいしいから」
信頼できる牧場で、きちっと健康的に飼育された馬の肉を瞬間急速冷凍にかける。
すると、同じ霜降りや赤身でも全然しつこくない。
このおいしさをもっと知ってもらうために直営レストランでは
地元の採れたて野菜と一緒に、さまざまな料理で馬肉が味わえるんだとか。
ちなみに由香さんも、お祖父ちゃん、お父さんも日本酒好き。
馬刺しに燗酒は、地元では定番の合わせ方だったのですね。

その山鹿では、いま地元を見直す機運が盛り上がっています。
飛田さんが山鹿に行ったきっかけとなった芝居小屋「八千代座」も
ぼろぼろに放置されていたのを、なんとか復活させたいと願うお年寄りたちが
「瓦一枚運動」で募金をつのって屋根瓦をまず修復したのがスタート。
平成2年からは、市民手づくりの「坂東玉三郎舞踏公演」が始まり
去年は温泉町でもある山鹿の象徴「さくら湯」も再建。
370年前に初代肥後細川藩主が愛した湯が
まちの人の記憶に残っていた見事な姿に復活したのです。
人口が5万人台まで減ったまちに、また昔のような賑わいを取り戻したい。
そんな人々の思いがかたちになりつつある山鹿から届く「地元で愛される味」。
しみじみと飲みながら、思いを馳せたい初冬のイエノミです。

『フードサービスむらかみ』(熊本県/山鹿市)の馬刺し

●お取り寄せデータ

住所:山鹿市山鹿1698

電話:0968-43-3116

FAX:0968-43-1488

営業時間:9:00~18:30 第1・3水休

Webサイト:http://www.basashi-plaza.com/

※初めてならお手頃な赤身(200g 1200円)がお薦め。
馬刺しは胡麻油と塩、柚子胡椒、醤油漬けにんにくと一緒にどうぞ。

●柚子胡椒のつくりかた

おいしい塩と青唐辛子、薄くそぎ切りにした柚子の皮を用意。
それをミキサーにかけて粗みじんにし瓶に入れて寝かせる。

●醤油漬けにんにくのつくりかた

にんにくは皮をむき根元を切りおとして瓶に詰める。
ひたひたまで醤油を注ぎ1週間ほどおく。
黒く漬かったにんにくはもちろん、醤油も料理各種に使える。

●便利な常備菜「切り干し大根の煮物」
ふっくら煮上がった切り干しで日なたの味を楽しむ。

自分でも「干し野菜」をよく作る飛田さん。
日なたの香りがする「しみじみ系」な味わいの切り干し大根も大好物。
おいしくつくるコツは、たっぷりの水できっちり戻すこと。
ふっくらおいしそうに戻るまで、ちょっと待つことが大事だとか。
そしてできれば、手造りの切り干しを買い求めてください。
油揚げは油抜きせずに使い、ちゃっちゃと全部の素材をごま油で炒めたら
お好みのだしと、砂糖、醤油同量を加えてじっくり含め煮する。
飛田さんはやや甘めの懐かしい感じの味わいに仕上げますが
それは好みに合わせてくださいね。
また切り干し大根は袋を開けるとすぐ色が変わってしまうので
多いかなと思っても、一気に料理してしまいましょう。
つくってさえあれば、絶対すぐに食べきってしまいますよ。

切り干し大根の煮物(常備菜)

●つくりかた

切り干し大根は流水でもむように洗う。

1をたっぷりの水に10~15分つけて戻す。

2の水気を絞って食べやすく切る。

にんじんと油揚げは3cm長さの細切りにする。

鍋にごま油を入れ、3と4を中火で炒める。

全体に油がなじんだら、だし汁、醤油、砂糖を加える。

煮汁がなくなるまで弱めの中火で煮る。

※日持ちは冷蔵保存で約1週間。
生姜のせん切りを入れてもおいしい。

●簡単おつまみ「白身刺身のしょっつる和え」
秋田のしょっつると白身魚のオツな取り合わせ。

魚を発酵させてつくった魚醤は、飛田さんの台所の常備品。
しょっつる、いしる、ナンプラーにニョクマムなど
どれも魚のうまみがベースですから家庭料理にも使いやすい。
だし入り醤油のノリで、いろいろと活用できる「頼れる助っ人」です。
きょうは鯛の刺身を秋田名産のしょっつるで和えましたが
これは日本酒のアテとして最高ですし、ぜひお試してくださいね。
つくりかたは簡単、刺身をしょうがと一緒にしょっつる少々で和えるだけ。
塩気が強過ぎないかだけ、ちょっと味見して確認してください。
だしで割って和えてもいいし、逆に漬けにしてお茶漬けにしてもいい。
生姜でなくても、冷蔵庫に余っている薬味ならなんでもOK。
いつもの刺身を、ちょっとオツな「酒の肴」として楽しんでください。

白身刺身のしょっつる和え(簡単つまみ)

●つくりかた

生姜をせん切りにする。

白身魚の刺身を1と一緒にしょっつるで和える。

※15~30分ほどしょっつるに漬けこんでもおいしい。
味が濃くなりすぎたら、ご飯にのせてお茶かだしをかけて召し上がれ。
レモン汁や青唐辛子、ミョウガ、さらし玉ねぎもお好みで。

●きょうの和酒 よろこびの酒「上撰松竹梅」 は
伝統ある「蔵付き半兵衛酵母仕込み」です。

日本では吉祥の印として大昔から慶ばれてきた松・竹・梅。
松は持久力、竹は成長力、梅は生命力を表し
おめでたい席には欠かせない縁起物として親しまれてきました。
その「松竹梅」を名付けた清酒は、大正9年京都・伏見で誕生しました。
なかでも「上撰松竹梅」は伝統ある蔵の「蔵付き半兵衛酵母」で仕込まれ
軽快でなめらかな味わいが特徴で、日本の代表清酒として愛されています。
どんな料理にも合わせやすい「上撰松竹梅」ですが
これからの季節、お薦めなのは「上燗」で味わうこと。
45度程度、電子レンジだと1合1分程度暖めればでき上がり。
お米の風味が華やかになるうえに、体も心も温まるので
特に女性にうれしいですね。
いま再び見直されている「お燗」のおいしさと酔い心地を
ぜひ「上撰松竹梅」とおいしいおつまみで、じっくり味わってみてください。

上撰松竹梅 1.8L

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://www.takarashuzo.co.jp/products/seishu/shochikubai/

秋の味覚を食べつくすでござる!の巻

食欲の秋到来。コロカルで登場した秋のグルメを紹介!

スポーツの秋、芸術の秋……でもコロカルくんは、断然食欲の秋でござる。
美味しそうな匂いにいざなわれて、コロカルくんも全国遊覧の旅がしたいでござる〜
今回は、コロカルに登場した美味しい秋の味覚を紹介するでござる。
みんなのおすすめの秋グルメも知りたいでござる〜!

其の壱 秋の魚はサンマ派? 鮭派?

全国の魚のさまざまな情報をお届けしている「UOCOLO 旬のさかな、地のさかな図鑑」。
秋を代表するサンマと鮭は、身近なだけあって、その出生の謎は面白いでござるな〜

ちなみに、北海道や三陸の水揚げ港では、
サンマの刺身は醤油+一味唐辛子で食べるそうでござるよ。
コロカルくんは、白米と一緒に焼きたてを頬張りたいでござる〜

おいしいサンマは不思議な魚
https://colocal.jp/topics/food-japan/uocolo/20121002_12295.html
あなたと食べたい鮭茶漬け
https://colocal.jp/topics/food-japan/uocolo/20121119_13375.html

其の弐 横須賀の秋しらすでしみじみおつまみ。

ふっくら、しっとり、つるんと柔らかなうえに、絶妙な塩加減……!
相模湾で獲れた秋しらすは身が引き締まって色白。
誠に美味でござる!

相模湾沿いならどこでも「ご近所しらす」が味わえるそうでござる。
ご近所特権かと思いきや、お土産でも人気だそうでござるよ。
料理研究家・飛田和緒さんのおすすめは、横須賀の秋谷にある『紋四郎丸』。
一度食べてみたいでござるね〜

きょうのイエノミ 旅するイエノミ 本格芋焼酎と、横須賀の秋しらす
https://colocal.jp/topics/food-japan/ienomi/20131015_24791.html

其の参 RICE475の新米が今年も登場でござる!

「RICE475レター」はコロカル創刊当初から続く連載でござる。
今年もリバースプロジェクトが応援する、
新潟県南魚沼のコシヒカリ「RICE475」の新米が収穫されたそうでござるよ〜
ただいま、米屋の覺張さんは大忙し!

11月3日(日)には、東京・新宿で収穫祭が行われるそうでござる。
最「幸」級米を味わいたい方はぜひ参加してほしいでござる!

RICE475収穫祭の詳細と申し込みはこちら
http://shop.rebirth-project.jp/products/detail.php?product_id=328
RICE475レター
https://colocal.jp/category/topics/rebirth-project/rice475-letter/

其の四 「クルミの里」から届いた、絶品チーズケーキ。

栗に芋にくだものもたくさん! 秋はスイーツも美味しいでござるね。
コロカルニュースで登場して話題になった「秋スイーツ」をご紹介するでござる。

長野県東御市にある菓子店「御菓子処・花岡」さんがつくる
人気のお菓子「胡桃の醍醐味」は、濃厚なアメリカンタイプのチーズケーキ。
土台には、さっくりとしたクッキーと、香ばしいクルミがぎっしりで、
まさしく絶品だったでござる!
クルミを使用したその他のスイーツもお取り寄せが可能。
秋らしさを食卓で感じてほしいでござる!

御菓子処・花岡 オンラインショッピング
http://www.okashi-hanaoka.jp/shopping.html
コロカルニュース 今日のおやつ:濃厚チーズケーキ×長野のクルミ! 
クルミの里、長野・東御生まれの「胡桃の醍醐味」
https://colocal.jp/news/25029.html

う〜ん、お腹がすいてきたでござるな……。
四季折々の味覚を味わうのも旅の楽しみ。
これからもコロカルは全国の旬の味覚をおいかけるでござる!
また来月お会いするでござる!

きょうのイエノミ 旅するイエノミ 本格芋焼酎と、横須賀の秋しらす

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、手軽で簡単、
しかもちょっとした旅気分が味わえる日本各地のおいしいものと
三浦半島の旬の食材を使った、和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

空が青く澄み渡り、いよいよ秋本番がやってきました。
ふーっと深呼吸したくなるような毎日が続きますが
ぐっと冷え込む夜には、あったかいお酒が恋しくなりませんか?
そんな秋のイエノミには、ほわほわ~と甘い香りの湯気に癒される
本格芋焼酎のお湯割りなんて、いかがでしょう。
料理研究家・飛田和緒さん行きつけの直売所にも
そろそろ冬の気配を感じさせる野菜が登場するころです。
きょうの相方は、秋が深まるほどにおいしくなる根菜と
飛田さんちの目の前の海で獲れた「秋しらす」など
お湯割りにぴったりな、しみじみ系おつまみがそろいました。

飛田さんが秋の到来を感じるのは、テラスの景色からだそうです。
春夏はご無沙汰だった富士山が海越しにちらり。
富士山が見えることと「しらす」のおいしさは
引っ越す前には考えてなかったうれしい「おまけ」だったとか。
というのも、飛田さんは大のしらす好き。
ここ相模湾沿岸の名物だと知って、本当に飛び上るほどうれしかったそうです。
それからは漁港ごとにある、しらす直売所を巡っては食べ比べて
1年ほどかけて探したお気に入りが、横須賀の秋谷にある『紋四郎丸』。
たまたまだけど、家からいちばん近い漁港のしらすでした。

●ローカルな逸品「横須賀市・紋四郎丸の秋しらす」
名物にうまいものあり、相模湾の釜揚げしらす。

「ようやく秋しらすの時期が来たわね」
飛田さんちの冷蔵庫には、いつもしらすが常備されています。
釜揚げは、炊きたてご飯にそのまま載せたり、おつまみに。
干ししらすは、しらすトーストやかき揚げ、パスタにとどちらも大活躍。
この「イエノミ」でも早く紹介したかったそうですが
はやる心を抑えて、いちばんおいしいと思う「秋しらす」の時期まで待ったとか。
観光客には生しらすが珍しいと人気があるけれど
飛田さんは『紋四郎丸』の釜揚げしらすがいちばんのお気に入り。
きょうもひとくちパクリとつまみ食いをして
「う~ん、やっぱりおいしいから、このままでいいわね」
たしかにふっくら、しっとり、つるんと柔らかなうえに、絶妙な塩加減。
そのままおつまみとして食べるのに、ちょうどいい感じです。
相模湾では、しらすの禁漁期が1月から3月10日までなので
いましっかり食べておかないと、また来年の春を待ち焦がれることになる。
これから年末まで、飛田さんちはしらす三昧になるというのもよ~くわかります。

そういえば、「湘南しらす」の直売所は、いくつあるかご存じですか?
『紋四郎丸』のご主人・堀江一さんに電話でうかがってみると
なんと三崎から大磯にかけて32か所のしらす漁師直営店があるんだとか
じゃ、相模湾沿いならどこでも「ご近所しらす」が味わえる?
「そうそう。だから地元の人はご町内のしらすを、まずは食べてほしいよね」
獲るだけじゃなく、加工や販売まで手掛けるのが「湘南しらす」の特徴で
朝獲れをすぐに加工して昼には売るから、とにかく新鮮なのが共通点。
浜ごとにしらすの「たち」が異なり、茹で具合や塩加減も微妙に違うので
飛田さんのように、自分好みのしらすを見つける楽しさがあるんですよね。

ちなみに、しらす漁専業で120年という『紋四郎丸』で
この「絶妙な塩加減」の鍵を握るのが加工を担当する恵子さん。
「でも塩加減といっても、粗塩をアワビの殻で何杯か入れるだけ。目分量ですよ」と
お祖母ちゃんから釜茹で奉行を引き継いだ恵子さんはこともなげにいいますが
「いや、しらすの大きさで茹で具合も変わるし、俺にもその塩梅はわからんね」
毎日夜明けとともに漁に出る63歳現役漁師のご主人は
「俺は獲るばっかり」と、味に関しては奥さまに全権をゆだねている様子。
ところで、飛田さんがこだわった「秋しらす」ですが
たしかに春のしらすは柔らかくて少し色黒、秋は身が引き締まって色白だとか。
「しかし和さんは、本当にしらすが好きだよね」と
神奈川県のしらす組合元会長も、飛田さんのこだわりには脱帽です。

『紋四郎丸』(神奈川県/横須賀市)の秋しらす

●お取り寄せデータ

住所:横須賀市秋谷1-8-5

電話:046-856-8625

FAX:046-858-0930

営業時間:8:00~17:00 不定休

Webサイト:http://sea.ap.teacup.com/sirasu/29.html

※釜揚げしらす 160g 500円、312g 1000円(賞味期限約3~4日) 
注文は電話かFAXで。

●便利な常備菜「牛肉と根菜のきんぴら」
三浦半島産牛肉とごぼうで主役級の常備菜を。

飛田さんの常備菜は、ややしっかりめの味付けが基本形です。
冷蔵庫にあると、忙しいときや食欲がないときでも安心。
「根菜のきんぴら」は、そんな「これさえあれば」的常備菜の代表選手です。
きょうは、そのきんぴらにお肉を合わせたプチ豪華版。
飛田さんちの定番、三浦半島で育てられた「葉山牛」はうまみが強いので
手頃な切り落としでも、おいしさがぐんとアップ。
いまからが旬のゴボウをたっぷりささがきにして
牛肉と一緒に炒めた甘辛味なので、お湯割りにもぴったりなんですね。
本格芋焼酎の本場・鹿児島ではお醤油自体が甘めなので
甘辛味のおつまみが芋焼酎には合うといわれていますが
まさにそのことを実感できる「主役級」の常備菜です。
ポイントはごぼうの皮をむかず、水にさらし過ぎないこと。
きんぴらがより香り高く、おいしくできるからお試しあれ。
切り終わるころに水から取り出すくらいがちょうどいいそうです。
想像よりもずっと簡単で手早くできるから
お湯割りの相方やごはんのおかずに、ぜひつくってみてくださいね。

牛肉と根菜のきんぴら

●つくりかた

ごぼうはよく洗って皮つきのまま、ささがきかせん切りにする。

1を5分ほど水にさらす。

牛肉の切り落としをせん切りにする。

鍋にごま油を熱し2を炒めてしんなりしたら3を入れる。

肉の色が変わったら醤油、日本酒、砂糖を入れて煎りつける。

※お好みで一味をふって召し上がれ。 
ごぼうはタワシでゴシゴシこすり洗いすれば早くて簡単。

●飛田さんのお気に入り牛肉店

葉山旭屋牛肉店(神奈川県/葉山町) 詳細

●簡単おつまみ「薄切りかぶのケーパー和え」
いつもの和えものがひと手間で新鮮な味わいに。

旬の時期のかぶは、どんな料理にしてもおいしいですよね。
飛田さんも、ずっしり重い採れたてのものを直売所で買って
みずみずしいおいしさを、とことん楽しみつくします。
なかでも登場回数が多いのが、家族が大好きなこの和えもの。
切って塩して和えるだけだから本当に簡単ですが
そこにケーパーのみじん切りが加わると、あら不思議。
独特の酸味と風味で、なんともオツなお酒の友に変身するんです。
「ほら、ケーパーってちょっとだけ冷蔵庫に余っていることが多いでしょ」
それを味のアクセントにしちゃうのが、いかにも飛田さんらしい。
ケーパーといえばスモークサーモンの付け合わせというイメージですが
飛田さんは、むしろ「薬味」としてどんどん活用します。
サワークリームに混ぜて、ふかしたじゃがいものディップにしたり
玉子サンドやハムサンド、サラダに入れてみたり。
いつもの味に少しだけ上等で複雑なニュアンスがプラスできるので
これからは安心してケーパーを買ってくださいね。

薄切りかぶのケーパー和え

●つくりかた

かぶは薄切りにし、かぶの葉少々はざく切りにする。

1に塩を軽くふって混ぜ、しばらくおく。

ケーパーをみじん切りにする。

2の水気をしぼり、3とレモン汁、オリーブオイルを加えて和える。

味見してから塩を加え、こしょうを最後にふる。

※かぶの水気をしぼるときに塩加減を確認し、濃ければさっと水洗いして。 
レモン汁はできればフレッシュなものを使う。

●きょうの和酒 全量芋焼酎「一刻者」(いっこもん)
南九州のおいしいさつまいもだけでつくりました。

焼酎の味わいを決める麹。多くの芋焼酎は米麹を使っていますが、
「一刻者」は芋麹を使った芋100%の「全量芋焼酎」。
南九州産のさつまいものみ使い、芋本来のおいしさを実現しました。
芋ならではの甘く芳醇な香りと、すっきりした上品な味わいが楽しめます。
これからの季節だと、身も心も暖まるお湯割りがいいですよね。
ただ意外と知られてないのが、おいしいお湯割りのつくりかた。
できれば70~80度のお湯を用意して器に入れておき
「一刻者」をゆっくりと注げば、お湯と焼酎がいい感じでなじみます。
自分好みの濃さにできるのも、お湯割りのありがたいところですが
おつまみや食事と一緒にいただくなら、お湯6焼酎4の通称「ロクヨン」がおすすめ。
“一刻者”(いっこもん)とは、南九州の話し言葉で“頑固者”のこと。
その名のとおり、頑固なまでに芋のおいしさにこだわった「一刻者」と一緒に
秋の夜長をゆっくりと過ごしましょう。

全量芋焼酎「一刻者」(いっこもん)720ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://www.ikkomon.jp/

最終回:青春よ、サヨウナラ

これまでのこと、これからのこと、家族のこと。

最近なにかと『Krash japan』づいてる。
トークイベントやセミナーで話をしたり、
小林エリカの新著で再録された彼女の連載マンガを見たりで
(『忘れられないの』青土社刊/これ実にいい本です!)。
前にも触れたと思うが、
『Krash japan』は2005年から2010年にかけてぼくが発行した
全10号のフリーマガジンである。
いろんな意味でハチャメチャな雑誌だった。
毎号倉敷をテーマに作っているんだけど、
配布はロンドンやレイキャビク、パリ、ニューヨークなど海外に重点を置いていた。
内容もやっぱり変で、
たとえば倉敷にある一軒の大衆食堂で30ページの特集を組んだかと思えば、
同じ号の第二特集は舞台がメキシコとマカオだったりする。
とにかくお金は惜しみなく使った。10号でおよそ3000万円のお金を集め、
制作と配布で4000万円以上使った
(マイナス分は借金と労働で補填、もちろんぼくの人件費は含まず)。
思い返せば、あの5年はまさに狂気の沙汰だった。
全身の穴という穴から血を垂れ出し、
でもおそろしく楽しげに笑いながら全力疾走している、というのが
あの5年間のぼく自身のイメージだ。
つまるところ、底抜け楽しかったのだ。
終始、しびれるような疾走感と高揚感があった。
そしてマチスタをやっていたときにも、似たような感覚があった。

正直、前半の経営に徹した期間は苦しいことの方が多かった。
一転、俄然楽しくなったのは、年が明けて自分で店に立つようになってからだった。
ぼくが店に時間をとられることで会社全体の経営がさらに厳しくなって、
おかげで我が家の家計なんか目もあてられない始末だったけど、
それでも楽しかった。突然地面が抜け落ちて暗闇にストーンと落ちたかと思えば、
そこにほんのかすかな光を見て天にも昇るような気持ちになったり。
いつも肌がヒリヒリするような感じがあった。脈打つものが常に内にあった。
生きてるって感じがした。
(言葉にするとこっ恥ずかしいことこのうえないのだが)ぼくは五十にしてなお
青春のなかにいたんじゃないかと思う。

ここしばらく、ぼくが考えなければならなかった、
どう現実と気持ちの折り合いをつけるかはカタがついた。
マチスタの終焉とともに、「青春よ、サヨウナラ」だ。
これからはそうそう生身をさらけ出すような無茶はしない。
「地道に生きます」とか、そんな殊勝なことを言うつもりはないんだけど、
まずはチコリを、家族のことを一番に考えようと思う。
チコリを見ていると、ぼくの青春だとかつくづくアホらしくなってくる。
理想やスタイルなんてものもどうでもよくなってくる。
チコリがいつも笑っていられるような環境を与えてやりたい、
心からそう思うのだ。
はた目、『いちご白書をもう一度』的なぼくの変わりように、
倉敷の〈shuby〉のシミちゃんから「笑えないっスよ」と悲しげな顔で言われたとして、
今度はこう言い返せたらと思っている。
「期待を裏切ったとしたらゴメン。
でもなあシミちゃん、やっぱりオレには家族が大事だ」

来月ふたりめの子どもが産まれる。ふたりめも女の子だ。
名前はまだ決めていない。

中之条ビエンナーレ 2013

アートが土地の良さに気づくきっかけに。

中之条町は、群馬県北部に位置する、人口1万7000人の町。
新潟、長野に接する県境の山々に囲まれた自然豊かな土地にある。
ここで2年に一度行われているのが「中之条ビエンナーレ」だ。
第4回目となる2013年も120組近くのアーティストが参加し、
9月13日から10月14日まで開催されている。

今回中之条ビエンナーレ2013の実行委員長を務めているのが、宮崎宏太朗さん。
中之条で生まれ育ち、13年ほど前に家業を手伝うために地元に戻ってきた。
一方ビエンナーレは、2006年に数人のアーティストの作品発表の場として始まった。
作家や役場の人間が主導で進めてきた印象が強く、
初めの数年間は地元の人々との間に温度差があったという。

地元に戻ったばかりで、初めはビエンナーレのことはよく知らなかったという宮崎さん。
実行委員に加わることになったのは2012年のこと。

「震災が起きた後、何も出来ない自分の無力さを痛感しました。
そんな時に、自分の殻を破ってくれたのが中之条のアートだったんです。
そこからもっと関わってみたい気持ちになりました」

ひとつひとつ丁寧に言葉を選んで語る宮崎さん。

「アートとは、シンプルに言えば心を豊かにするものだと私は感じています。
地域も、経済的な豊かさだけではなく、
人の心が豊かになることで地域全体が豊かになるんじゃないかと思ったのです。
ただ現代アートのことは専門家ではないので、
ディレクターや他の方々を信頼して、
自分ができること、運営面など地域との関係を深めることに注力してきました。
とにかくこのイベントを継続させること。
3回続いてきたバトンを次につなげることが自分の役割だと思っています」

地元の人たちにも見てほしい。

地元で長く商売をしてきた宮崎さんならではのネットワークは、
ビエンナーレが地域とより密接な関係を築く上で強力なパイプとなっていく。

「ちょっとした行き違いで地元の理解を得られていなかった部分など、話し合いを重ね、
私自身も事業で加盟している商工会にビエンナーレとの連携を提案したりしてきました」

今年から地元の中之条観光ガイドボランティアセンターにバスツアーの案内役をお願いし、
「中之条応援プロジェクト」として地元の商店が参加する仕組みをつくるなど、
協力体制を整えていった。

旧さとり呉服店をリノベーションした中之条ビエンナーレの総合受付「SATORI」。

中之条に古くから伝わる郷土芸能、獅子舞も披露された。

また、今年からパスポートが有料化されるなか、
中之条の町民には無料パスポートを配布したのも、
地域密着の考え方から行われたことのひとつ。
実際にこのアート展をまわってみて気づくのは、地元の来場者が多いことだ。
副実行委員長の桑原かよさんはこう話す。

「ご近所の方がふらっと見に行かれることも多いようで、
農作業着のお母さんがガイドブック片手に会場をまわっている姿を見かけます。
地元の小学生が学校の遠足でビエンナーレに出かけ
ワークショップに参加することもありますし、
幼稚園でも先生が話をしてくれているのか、
小さな子どもたちが大人にビエンナーレのことを説明している微笑ましい光景も目にしました」

もともとこうしたアート展の楽しみは、
その地域にある当たり前の風景と非日常なアートの世界が混在し、
まったく新しい新鮮なものに見えることにある。
中之条では特に、そのアートの展示場となる舞台が個性的と宮崎さんは話す。

「今年は前回から3分の1ほどの展示会場が新しくなり、
町の重要文化財でもある“やませ”という民家や、
四万温泉の積善館も会場として加わりました。
各エリアを巡ることで中之条の多彩な魅力を感じることができる配置になっています」

人の暮らしがアートの舞台に。

紹介していただいた代表的な場所のなかでも、いくつかの会場を訪れてみた。
中之条駅付近から車で15分ほどの伊参(いさま)エリアには、
映画『眠る男』の撮影拠点として有名な伊参スタジオをはじめ、
材木問屋だった神保家「やませ」の民家、
養蚕や製糸が盛んだった群馬らしく「岩本稚蚕飼育所」など、独特の展示場が集まる。

約160年前に建てられた県内最大級の民家である、材木問屋「やませ」の母屋。

作品『三十三畳の世界から』森家由起

「やませ」の屋内には母屋の雰囲気を活かした3人のアーティストの作品が展示されており、
裏手の小屋も作品に。「キゴヤの詩」と名づけられたこの作品の由来を、
作者の外丸治さんはこう話してくれた。

「この小屋はもともと薪を乾かすのに使われていた薪小屋です。
昔の人にとって薪は暖をとるだけでなく、
炊事やお風呂などすべての暮らしに必要なものでした。
薪の水分が蒸発していくことから、木の命が外へ出ていく場所として、
森の精霊がこちらの世界と行き交う場をイメージしてつくりました」

この場所に惹かれてやませの裏の小屋を作品づくりの舞台に選んだという外丸治さん。

作品『キゴヤの詩』外丸治

加えてこのエリアの魅力は、何と言ってものどかな田園風景と、
人の暮らしが垣間見える集落だろう。
やませに向かう集落をうねる細い坂道にはコスモスが咲き乱れ、
道沿いにはブリキ缶の植木鉢が並ぶ。
これもアートの一部かと錯覚するような、丁寧な人の営みの美しさがそこここに見られる。

伊参エリアから見える、稲刈り前の田園風景。

個性的なまち並みとアート。

さらに、中之条の観光地として外せない舞台が四万エリアである。
36の温泉宿が連なる人気の温泉街で、
『千と千尋の神隠し』の舞台になったともいわれる積善館が今年から展示会場に加わった。

建物の年月を感じさせる重厚さと温泉宿のもつ独特の艶やかさが
魅力的な雰囲気を醸す。この場所の個性が作品に作用する範囲は大きいだろう。

建立より300年を越える歴史をもち、日本最古の木造湯宿建築とも言われる積善館は、群馬県の指定重要文化財に登録されている。

積善館の3階が展示会場となっている。

積善館を出てすぐの通りに入ると、
昭和レトロの世界にタイムトリップしたかのような路地が続く。
縦書きの「たばこ屋」の看板にひと昔前のゲームセンター、
中身は廃れて空っぽのラーメン屋がアートの展示場となっているなど、
もともとある個性的なまちがアートの世界とあいまって、新しい世界を創り出していた。

「落合通り」の商店街。趣ある喫茶店や雑貨屋、パチンコ屋など懐かしい雰囲気の店が軒を連ねる。

今年初めて参加したという、伊参会場で受付のボランティアをしていたある女性が、
こんな話をしてくれた。

「私はたまたま結婚した相手が中之条の人で嫁いできたのですが、
どこかここに住まされている気持ちがずっと拭えなかったんです。
意識しないようにしていましたが、この土地に愛着を持てず、
でも否定的な感情も持たないように交流範囲を狭めて生きてきました。
でも今回、来られた方々にここの自然や作品を褒めてもらうと本当に嬉しくて。
中之条もいいところがたくさんあるんだなと気づいたし、
このまちに住んでいて良かったと初めて心から思えました」

アートがきっかけになり、地元の人たちがその土地の良さに気づき、さらに根づいていく。
回を重ねるごとに、こうした気づきを生み広がっている中之条ビエンナーレ。
今年宮崎さんが持って走ったバトンは、次回に向けてまた引き継がれる。

四万エリアに流れる四万川の清流。水が青白く光るほど澄んでいる。

information

中之条ビエンナーレ

会期 2013年9月13日(金)〜10月14日(月)
会場 群馬県中之条町 町内6エリア37か所
http://nakanojo-biennale.com/

北九州の「角打ち」で舌つづみ

酒屋の店先で呑むのがうまい! それが角打ちの醍醐味。

店内に入ると、お客さんはみな、思い思いの場所に立ち、
好きなお酒を好きなように飲んでいる。
つまみはパッケージで売っているさきいかやスナック菓子、
もしくは缶詰めを開けるか、簡単なできあいのものばかり。
それが北九州の角打ちだ。
角打ちとは、酒屋の一画でお酒を飲むスタイルのことで、
立ち飲み屋とは似て非なるもの。

「角打ちの文化は、もともとどこにでもあった文化だと思います」
と教えてくれたのは、北九州角打ち文化研究会会長の須藤輝勝さん。
「今でも残っている地域は、北九州のほかに、横浜、川崎、神戸など。
共通しているのは、すべて港湾工場地帯で、3交代制の勤務体系があることです。
仕事から朝帰る人は、飲み屋が開いていない。だから酒屋で飲むんです」

北九州が角打ち発祥の地というわけでもなく、
かつてはさまざまなところにあった。
なかでも港湾労働地帯としてにぎわった北九州には、
今でも200軒ほどの角打ち店が残っている。そのなかから5軒ほど訪れてみた。

開放的で入りやすい髙橋酒店。

まずはJR折尾駅から歩いて5分ほどの髙橋酒店へ。
トビラのない開放的な外観だが、大正7年創業の趣ある店内がよく見渡せる。
まだ15時だったが、すでに先客3人が酒を酌み交わしていた。
店内はもちろん、お酒の瓶や缶が並ぶ普通の酒屋さんという風情。
でも正面は長いカウンターだ。
4代目の店主、髙橋匡一さんがオススメだという
福岡・柳川の清酒「國の壽」を注いでくれた。
つまみは目の前に広がっているスナックや揚物、練り物。
こちらでは調理したものは提供せず、購入してきたものを販売している。
どれもひとつ80円から150円程度。チラシの裏紙にポンと置かれる。

前述のように角打ちは酒屋なので、飲み屋のようなサービスはない。
お客さんは、購入したお酒を酒屋の一画を借りて飲むだけであり、
「極端にいえば、お酒を売った後は客ではない」と、
お酒もいい感じですすんできた須藤さんは笑う。

角打ちは、基本的には量り売りという概念。一升瓶からコップに注ぐ。國の壽は1杯240〜260円。

カウンターのなかではお母さんも店番する。角打ちは家族経営が多い。冬になると七輪が設置されるという。

ディープな雰囲気が味わえる、いのくち酒店。

次に訪れたのは、JR黒崎駅からアーケードを歩くと現れるいのくち酒店。
こちらは酒屋スペースと角打ちスペースが分かれており、
角打ちスペースは照明も暗めで、
背後にはビールケースや段ボールがそびえ立ち、
まるで倉庫で飲んでいるような気分。この秘め事感がたまらない。

店主の井口毅さんは、酒屋エリアと角打ちエリアの中間に立ち、両方に気を配る。
まったく雰囲気の異なるふたつのスペースのギャップが面白い。

いのくち酒店では、朝、つまみ屋さんが
焼き鳥や野菜の天ぷらなどを持ってくる。
だから常連さんは店に入ってくるなり、「今日のつまみはなに?」と訊ねる。
丁寧にタッパーに入れられた揚物たちは、やはり紙に乗せて提供される。

このように角打ち店の8割以上は、おつまみは乾き物しか置いていない。
調理したものであっても、購入したものがほとんどだ。

80年続くいのくち酒店の3代目の井口毅さんが、取り分けてくれる揚物たち。ショーケースのようにきれいに収まっている。

常連さんの手元には、野菜天と柿ピーとビール。普段出会えないひとたちと話ができるのも角打ちの魅力だ。

アットホームなおかみさんが迎えてくれる、はらぐち酒店。

そんな角打ちのなかでも料理がおいしいのがはらぐち酒店。
卵焼き、しょうが焼き、魚の煮物など、
飲食業の許可を得ているので、
おかみさんである原口佳子さんの家庭料理を堪能できる。
「こだわって料理をつくりたいのよね」という
おかみさんの心のこもった料理は心底おいしい。

一方で、揃えているお酒は高級なものも多く、
それらをコップ一杯単位で安く飲める。それも酒屋で飲む角打ちの魅力。
オススメという佐賀のお酒「鍋島」は、数々の受賞歴があるお酒。
ほかにも久保田や百年の孤独など、人気の高級酒が驚きの安さだ。

小さな店内は、おかみさんのアットホームさに癒されたいひとに最適なサイズ感。
その居心地の良さからか、常連さんがいろいろな友だちを連れてきてくれるという。
「お客さんはみんないい人ばかり」と話すおかみさんのやさしい人柄に、
はらぐち酒店ファンが増加中だ。次回は取材時になかったカレーをいただきたい。

小皿はだいたい300円。卵焼きが人気。

おかみさんの原口佳子さんは、10年ほど前から角打ちを始めた。自分自身が楽しんでいる様子が、カウンター越しに伝わってくる。

クセになる酒の肴が満載、平尾酒店。

平尾酒店も上品なたたずまいのおかみさん、平尾ユカリさんが迎えてくれる。
こちらの店舗も飲食業の免許を所得しており、
調理したものを提供してくれるが、
簡単であるにもかかわらず、ついつい手を伸ばしてしまうものが多い。

「ソーセージ!」と頼むと出てくるのがこちら。
魚肉ソーセージに水にさらしたタマネギのスライスをたっぷりと乗せ、
マヨネーズとお酢をかけ、仕上げに七味とうがらしを振りかける。
たったこれだけでグッと美味しい料理になるし、盛りつけも美しい。
店内のお客さんのほとんどがこの「ソーセージ」を頼むようだ。
ほんのちょっとのアレンジだけど、平尾さんのおもてなしの心がこもっている。

平尾酒店にはテーブル席もあるが、入れ替わりが多いのはやはりカウンター。
入店してほんの10分ほどで出て行く人もいるし、
おかみさんとの会話を楽しんでいるひとも多い。
飲み屋よりも敷居の低さが魅力の角打ちは、利用目的もさまざま。
家庭に帰るひともいれば、ここから夜の街に本格的に繰り出す人もいる。

平尾酒店は、まずこのソーセージ。ジャンクなようだが、お酢のおかげで意外とさっぱりしている。おいしくてお手ごろな180円。

この道50年の平尾ユカリさん。ていねいで上品な接客に、ついつい落ち着いてしまうのだ。

本当の家庭料理が食べられる、雰囲気抜群の魚住酒店。

門司港の風情ある路地裏を進んでいくと、隠れ家のようにお店を開けているのが、
1945年からこの地に店を構える魚住酒店。

魚住酒店の名物は、おかみさんの手料理なのだが、実はこれは無料である。
本来の意味での角打ちスタイルを守り、
他店と同様に乾き物などは売っているが、調理したものは販売していない。
つまりおかみさんの料理は、魚住家のごはんのおすそわけだ。
だから前回食べたあれが食べたい、とリクエストしてもあるわけでもないし、
注文を受けることもしない。
料理は、大体勝手に出てくる。魚住酒店のサービスなのだ。

これらを肴に飲みたいのが、プライベートブランドの北九州の地酒「UOZUMI」。
八幡の溝上酒造とコラボレーションしたもので、
季節によってラベルを替えるという粋な計らいも。

狭いカウンターのみで、奥はそのまま魚住家。
現在は3代目の魚住哲司さんが後を継いでいるが、
どの角打ち店も、店主、お客さんともに高齢化が進み、店舗数は下降線。
角打ち店ができる条件としては、持ち家で家族経営であること。
飲み屋にすると、繁華街のいい立地を確保し、従業員を雇わなければならない。
それでも辺鄙なところにある角打ち店に足を運んでしまう理由は、
魚住酒店のような、家庭的なあたたかみを求めてしまうからだろう。

味のある「魚住」の看板越しに、店内は今日もお客さんで賑わっている。

おかみさんの手料理の美味しさに、レシピを訊きたくなってしまう女性が続出。

自分ならではの楽しみを見つけられるのが角打ち。

角打ちは、北九州でどのような存在であったのか。
須藤さんはこう語る。
「角打ちをしている酒屋は、多くが2代、3代と続いてきたお店です。
かつては勝手にひとの家の台所に入って、お酒を補充して、
ということをやっていた。
だからある意味では地元の名士であり、情報が集まっている場所なんです」

だからそのまちの歴史や情報に、店主は詳しい。
しかし角打ち店はサービス業ではないから、
むやみに店主から話しかけられることもない。あとは、自分次第だ。

北九州角打ち文化研究会、通称「角文研」会長の須藤輝勝さん。北九州に残る200軒程度の角打ち店のうち、130〜140軒ほど制覇している、筋金入りの角打ち通。

コミュニケーションを取りたい場合は、
1対1の人間関係を築きながら、話を深めていく。
初めてだからと臆することなく、しかし常連さんのマナーを破ることなく、
その場に溶け込んでいく。

ひとりでゆっくり飲みたいときもある。
そんなときでも角打ちは受け入れてくれる。
かつては数十秒で一杯飲んで、
升の角に盛った塩をなめて帰るお客さんも多かったという。

そもそも角打ちの語源も諸説あってはっきりしない。
文献が残っているわけでもなく、庶民の文化として継承されてきたもの。
だから敷居を高めることなく、伝統の形態に固執することもなく、
軽い気持ちで角打ちすればいいのだ。

角打ちは、いろいろなスタイルの地域コミュニケーションの場として機能してくれる。
だから安心して角打ちしに行ってほしい。
そこにいるのは、みんな同じ“のんべい”なのだから。

information


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髙橋酒店

住所 福岡県北九州市八幡西区堀川町2-10
TEL 093-602-1818
営業時間 7:00〜21:00(月〜土)、7:00〜19:00(日)、7:00〜20:00(祝)
休 無休


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いのくち酒店

住所 福岡県北九州市八幡西区黒崎2-7-3
TEL 093-621-2177
営業時間 10:00〜20:00
休 水曜


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はらぐち酒店

住所 福岡県北九州市戸畑区中本町4-19
TEL 093-871-2150
営業時間 15:00〜19:00
休 土日祝


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平尾酒店

住所 福岡県北九州市小倉北区紺屋町6-14
TEL 093-521-3268
営業時間 12:00〜21:00
休 日祝


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魚住酒店

住所 福岡県北九州市門司区清滝4-2-35
TEL 093-332-1122
営業時間 9:00〜21:00
休 不定休

3p.m. さんじ

葉山発 3p.m.のおやつから始まる カラフルなエシカルアクション。

色とりどりのカラフルなクラッカー。
これはすべて原料に使用している素材から出ている色だという。
色から素材を想像してひとくち食べてみる。
墨色は黒米、オレンジはニンジン、
ベージュはジャガイモ、緑はホウレンソウ、
黄っぽいのはタマネギ、赤はトマト。
国産無農薬の野菜を使用し、卵、乳製品は不使用。
野菜やスパイスなど色や栄養、口あたりなどの組み合わせを考え、
より多くの人に躊躇せずに食べてもらえるよう作られたものだ。
口に入れると、よけいな雑味がなく
しっかりと噛みしめるごとに素材のうまみが口の中に広がってくる。
おやつ以外にお酒のおつまみとしても活躍してくれそうな守備範囲の広い味。
某百貨店の通信販売でも大人気の商品だという。

このベジタブルクラッカー(以下略ベジクラ)を製造しているのは、
神奈川県逗子市にある社会福祉法人「湘南の凪」の
就労継続支援B型事業所「mai! えるしい」と
葉山町のおやつ&デリ「3p.m.さんじ」のみなさん。
これは、「3p.m.さんじ」のオーナー、横田美宝子さんが企画し、
ディレクションを行っている恊働事業だ。
こう書くと、巷でいうところの
エシカル(※地球や社会などへ貢献する消費のありかた)な商品なのだが、
現場をのぞきに行ってみると、
社会貢献的なムードかといえばそうでもなく
みなさん、黙々と製造に取り組んでいる。

「mai! えるしい」のmaiはハワイ語で「ようこそ」。えるしいは、エコロジー&ヘルシーをあわせた造語。なんでも、逗子市は和製ハワイアン発祥の地(!)だとか。「湘南の凪」の他事業所も「もやい(船と船をつなぎあわせるロープの結び方)」「凪」など、海辺のまちらしい名前が付けられている。

重さを量り、慎重に作業を行う利用者。通常8~10名が自力で通ってきており、彼らが自立をするための就労を継続的に支援するのが施設の目的だ。ベジクラの収益は利用者にも還元する。

そもそも、社会福祉法人とは、
「社会福祉事業を行うことを目的として、
社会福祉法の定めるところにより設立された法人」である。
つまり、社会福祉なので営利を求めるための団体ではなく、
就労支援事業所として位置づけられている。
「mai! えるしい」では、就労者が施設内菓子工房で作った菓子を販売しており、
他に、給食センターの部門もある。
働く人たちは、主に地域にお住まいの知的障がい者のみなさんで、
おのおのが“働く”希望を持っており、
自立と社会参加のために、ここに通ってきているのだ。

「「mai! えるしい」が立ち上がったときに、
商品づくりの指導を、ということで声をかけてもらいました。
やりとりをしているうちに、
関わる人みんながよい方向へ向ける取り組みにできる! と思い、
「3p.m. さんじ」と対等に共同経営で何かを作ったほうがよりよいと提案したのです」
というディレクターの横田さんは、「春夏秋冬お守りおやつ」や
「12星座別スイーツ」などさまざまな素材の色を
体に取り入れるお菓子を企画開発してきた。
カラフルな色使いにこだわるのは、
たくさんの栄養を体に取り入れられることにつながるから。
無理せず自然のリズムで、が横田さんのポリシーだ。

「3p.m.さんじ」のカラフルランチボックス。まずは、食材を目で楽しんで、そして辛いもの、酸っぱいもの、甘いもの、しょっぱいものなどバラエティに富んだ味わいを楽しむ。

今から2年前の2011年春、震災後の自粛ムードで
しばらくケータリングやカフェの仕事をストップしていた横田さんは、
ちょうど、ベジクラ開発に関して思索するタイミングと重なった。
ベジクラ自体は、もともとは雑穀を美味しく食べようということで
別企画で開発したものだったのだが、
障がい者の方が簡単に継続して取り組めるもの、
安心できる生産者の素材を使ったもの、
アレルギーの人でも安心して食べられるものをめざし、
卵と乳製品は不使用にして無農薬の野菜を厳選して使用することにした。

こちらは、ホウレンソウ+アーモンドの生地。素材の保存がきく、または四季を問わずに材料が手に入るといったところも、ベジクラを安定供給する大切なファクターだった。

以前からカフェのほかケータリング事業や菓子販売などをしていた横田さんは
増え続けるニーズに対する生産力が欲しかったこともあり、
ちょうど彼らの働き方とマッチする、と思ったという。
ただ、共同経営となると定期的に納品しなくてはならない。
「mai! えるしい」利用者の障がいの程度はさまざまで、
ひとつの作業だけしか行えない人、
休みながらたまに手を動かす人など、さまざま。
それに加え、利用者は「雇用されている人」ではないから
ノルマを課すことは難しい。
安定した生産ができるかどうか———— そこが問題になっているはずだ。

「トライ&エラーの連続でしたね」と横田さん(左)と顔をあわせて話すのは、「mai! えるしい」の現場監督的な立場の末木節子さん(右)。

彼らにとってルーティンワークがひとつ増えることは
健常者よりも大きく心身の負担に感じられることを
長く彼らと一緒に現場で働いてきた非常勤職員の末木節子さんはわかっていた。
なので、ベジクラ作りは「水曜日の作業」ということとし、
他の日に持ち越さないように決めた。
すると、1年くらいかけて徐々にみんなの体が順応していき、
今では水曜を楽しみに通う人もいるほどだという。
「彼らは、決定したことに対して安心して取り組みます。
自分たちが作ったベジクラが売れていくと、作らなくてはいけない。
それがやる気につながる、つまり働く意欲につながっているんですね」
と末木さん。

作業台に向かって、ゆっくりながらも
丁寧に袋に詰めたベジクラの梱包に蝶結びをしている方がいた。
細心の注意を払いながら壊れやすいクラッカーを袋に詰める……
かなり集中力のいる仕事だ。
「僕はいろんな仕事の中でこれをやるのが得意みたいです。
だから、この仕事をやるんです。
それぞれ、体力によって疲れ方が違うけど、僕は元気でこの作業ができる、
好きなことをやれるから楽しいです」と彼は言った。
所内で、彼のように自分の得意なことがわかる人は稀だが、
こねる専門、のばす専門、洗う専門、レジ専門など、
自分が「できる」仕事がどこかにある。
それを末木さんや「3.p.m.さんじ」のスタッフが現場でサポートしていくことで
週に1回、ベジクラが平均50〜60パックずつ生産できるようになった。
現在は、ベジクラのほか、地元の相模女子大学と
「3.p.m.さんじ」が共同開発した
マーガレットケーキも生産しているのだから
安定供給できるようになったと言えるだろう。

蝶結び作業が得意な千葉さんは梱包担当。ベジクラは、ホウレンソウとトマト&ペッパーが好きで、自分でも家族と食べるためにたまに買うのだそう。カラフルなものを扱う仕事は楽しいね、と微笑む。

ベジクラのパッケージは点字新聞をリユース。神奈川県座間市にある視覚障がい者福祉施設神奈川ライトハウスが製作を行う。包装紙は、利用者が自分で絵を描いたバージョンも。

今年は、ベジクラの販路が広がり、
その都度、利用者も自分の作った商品を見に行く、
販売の手伝いをするなど、外に出て行く機会も増えてきた。
「規模が大きく広がれば、課題が出てきます。
シンプルなシステム作りを心がけるため、
ほうれんそうノートを作り、指示系統は一本化。
そうすることで関わる人たちが迷わなくなりました」
事務、現場、企画のトップが常にお互いの立場を
把握しておくことでコミュニケーションミスは減っていく。
共同経営の事業が活性化していくことで
広く一般の人たちも関わるようになり、
障がいへの理解を深めてもらえるようになる。
バザーへの出店だけでなく、百貨店やスーパーへ商品を卸すことは
美味しく、力のある商品づくりを彼らと一緒にできるということを証明できる、
と、横田さんはベジクラを通して強く思ったという。

ベジクラを作る「mai! えるしい」のみなさん。横田さんや「3.p.m.さんじ」のスタッフも精神的には家族のようなつながりを持つ。

立ち上げから2年が経った現在、需要と供給のバランスの調整や、
製作に関わる人たちの意識をあわせることが課題だという。
営利組織ではないため、働く人たちの「場所」へ集まる動機や意識はそれぞれ。
障がいのある人をサポートするために工房に通ってくる人もいる。
彼らの仕事の目的が“お菓子作り”になってしまうと
それはそれで見当違いな話になってしまう。
今は問題が表面化しなくとも、これから絶対に出てくる問題と捉え、
今後、末木さんをはじめとする職員や横田さんは、
どのようなモチベーションや導線があれば、
みながより良いかたちでこの共同事業に関わっていけるかを模索中である。

「そうは言っても考えうる問題はそんなに深刻ではないと思っています。
ちゃんと現場を見つめると、意外な可能性が広がっていて、
障がいのある人が変化に弱いということは
こちらの勝手な思い込みだったこともわかりました。
どこを目標とすれば、自分の受け持つパートが
どのように機能していくのか見えてきます。
でも、それは丁寧にコミュニケーションをする中でわかっていくもの。
システム作りも重要ですが、
ひとつひとつの問題に取り組んでいく、ということが大事」(横田さん)

「3p.m.さんじ」は葉山にある。2004年秋に平塚・袖が浜にオープンし、2010年春に平塚より葉山に移転。隠れ家カフェとして、現在は完全予約制で営業を行っている。

「みんなの様子が気になるから、
本当はもっと工房に顔を出したいんですけどね」
と苦笑いする横田さん。共同事業を行う会社の社長がいると
いろいろ気になってしまうのでは、という配慮から、
週に一度だけ、顔を出すようにしている。
横田さんもまた、自分の役割を冷静に見つめながら
この事業に参加しているのだ。

食べて美味しいエシカルプロダクツ「ベジクラ」のカラフルさは
関わる人たちの色とりどりの個性でもあり、
それぞれ想像を超えた味を持っていた。

information


map

社会福祉法人「湘南の凪」

就労継続支援B型事業所「mai! えるしい」

生活介護事業所「もやい」から障がいのある人がスタッフとして働く就労支援事業所としてできた施設。ベジクラのほかにも、地元の素材を生かしたお菓子作りを行っている。逗子市立体育館2Fの喫茶「かあむ」では「mai! えるしい」で作られたスイーツを食べられる。
住所 神奈川県逗子市桜山9-3-53
TEL 046-887-0583
http://www.shounan-nagi.or.jp/pc/free5.html

profile

MIHOKO YOKOTA
横田美宝子

おやつ&デリ「3p.m.さんじ」オーナー/株式会社3・SUN・TREASURE代表取締役
薬膳をベースにした“自然の色を食べるカラフルリズム”を提唱し、元気に食べて社会に寄り添うフードアクションを行うフードデザイナー。「見て、食べて、細胞の満足する料理を」をモットーに、料理開発の傍ら全国各地の生産者のもとへと赴く。10月20日(日)には徳島県神山町の上一宮大粟神社で徳島県主催のフードライブを行う予定。
http://www.3pmsanji.com/

information

コロカル商店で販売中!

たくさんの反響をいただきました3p.m.とmai! えるしいが共同でつくる「ベジクラ」が、コロカル商店でも購入できるようになりました!お気軽にのぞいてみてください。
こちらからどうぞ。

高田製作所

ユーザーに寄り添った伝統産業プロダクト。

ものづくりのまちと呼ばれている富山県高岡市。
特に鋳物は有名で、鋳物工場だらけの一帯があるほど。
周りはライバルでもあるが、高岡のものづくりを盛り上げる同志でもある。

江戸時代初期から伝わる高岡の鋳造業が担ってきた製品は、仏具、花瓶、茶道具だ。
ところが、毎年数パーセントずつ売り上げが落ち込んでいった。
「悪くなる一方の状況を、肌で感じました」と
1997年の入社当時の空気を語ってくれたのは高田製作所の高田晃一さんだ。

高田製作所 常務取締役 高田晃一さん。

そこで、それまでの真鍮製品に加えて、2000年にはアルミの鋳造を始めた。
自分でデザインしたソープディッシュが
〈富山県デザインウェーブ〉というデザインコンペで優勝するなど、
少しずつ高田製作所のアルミ製品は広まっていった。

2004年に、ミラノサローネに単独出展したことも大きな転機だった。
「商品を送って、届かなかったりしたらイヤなので、
自分たちでトランクケースに入れて運びました。ひとりが持ち込める重量には
制限があるので、職人なども連れて7人で乗り込みましたね」と苦労もあったが、
そこでイタリアの世界的なインテリアメーカー〈モルテーニ〉に認められ、
そのセレクトショップに2種類のフラワーベースを置いてもらうことになった。
その後、逆輸入的に日本の百貨店やインテリアショップでも販売される。
このフラワーベースはデザインの評判もよく、販売も好調。
しかしあるとき、高田さんが敬愛する建築家、清家清さんにいわれたひと言。
「シャープですごく美しいデザインだけど、
子どもがケガしたり、病気になってしまうものと紙一重だ」
たしかにこのフラワーベースの魅力は、直線が組み合わされた鋭利なデザイン。
使いようによっては危ない側面もある。

「うちのおじいさんが、“もう武器はつくらない”といった話にも
反していると思ったんです」という高田製作所設立のストーリーは印象的だ。
高田製作所の創業者である高田さんの祖父は、
日露戦争後、大日本帝国の兵器をつくる工場で働いていた。いわゆる鋳造業だ。
しかし“もう武器はつくらない。死んでいった者のために仏具をつくりたい”
と思い立つ。
そして仏具の産地であった高岡に移り住み、高田製作所が設立される。

清家さんからの言葉と祖父の理念もあり、
フラワーベースの製造はやめ、テーブルウェアをつくり始めることになる。
〈SHIROKANE〉は錫製品のブランドで、
ビアカップや箸置き、アクセサリースタンドなどを展開している。
そのアイデアソースを「妻や友だちなど、まずは身近なひとを思い浮かべて、
彼らが喜んでくれそうなものをつくりたい。
みんないつ笑っているんだろう、といつも考えています」と語る。

「自由なかたちや曲線が生みだせることです」
鋳物の魅力は? と訊ねると、こう答えた。
つまり、ある特定のひとだけに合わせたものもつくっていけるのだ。
「お客さまに寄り添ったかたちで、本当の答えを知りたい」という
ユーザーフレンドリーな商品は、こうした感覚から生まれている。

砂で固められた型に、溶かされた金属が流し込まれる仕組み。高田製作所では山砂を使ってカスタマイズ(企業秘密)。型製作は手作業なので、1日の生産量は限定的だ。

黄色い炎をあげる約1100℃の真鍮を流し込む。流し込む速さによって仕上がりも変わってくる。

流し込まれた金属(錫)が固まったあと、取り出される。まだ熱い。砂でつくった型を用いることで、“鋳肌”と呼ばれる表面が生まれる。独特のざらっとした質感が美しい。

高岡の“ものづくりDNA”を後世へ。

高岡は、ひとつの企業だけが活発なわけではなく、
地域全体として盛り上がっている。
その中心となっているのが高岡伝統産業青年会。
40歳までの職人、メーカー、問屋など、
50人ほどのメンバーがさまざまな立場から、
伝統産業を外に発信したり、商品開発や展示会を手がけている。
メンバーみんなが新しいものに目を向け、お互いにいい刺激を与えあっている。

高田さんは今年で卒業だが、実は取材を申し込んだ際、
「ほかにもおもしろい職人や企業がたくさんあるので会ってほしい」と
何人もの仲間を紹介してもらった。
それぞれが積極的に行う地域活性やローカリズムが、
有機的なかたちで構築されているのが高岡なのだ。

そういった地域活動の一環として、高田さんは小学校で授業をしている。
これまで、ものづくりのまちであることを謳いながら、
教育の現場ではまったくものづくりについて語られてこなかったという。
そこで前市長が考案したのが、ものづくりデザイン科という授業。
高岡のものづくり人が、
図工の時間に伝統的なものづくりを教えるというものだ。

高田さんはデザインの授業を受け持った。
「授業を通して思ったのが、
顔の見えないものづくりばかりだったということなんです。
男の子は刃物だったり、
女の子はお花モチーフなんだけど角が尖った携帯スタンドとか。
誰のためのデザインか、何のためのデザインか、見えていないんですね。
そこで、お母さんの好きな色は? においは? など、
つくる相手を想像できるようなブレストをしました。
それらを組み合わせて
“お母さんが好きな、くさいにおいの、ピンク色の、携帯スタンド(笑)”
とかいうと、みんな想像力豊かだから笑うんです」と、
ここまでが高田さんの授業。
デザインがコミュニケーションであることを、身近な対象を使って考えてもらう。
その後、実際に職人さんと一緒につくった作品を見ると、
使うひとのことが考えられたデザインが多数あったという。

繊細なタッチが必要とされる研磨の工程。

「製造能力だけではなく、
企画や販売、発信する側も育てていかなければなりません」
子どもたちに伝統産業に目を向けてもらうことで、
少しでも衰退をとめていかなければならない。
ユーザーが伝統工芸品を使わなくなったことが衰退の原因であり、
その背景としては、
現代に合うものづくりに改良してこれなかったことも一因としてあるだろう。
いくら技術があっても、製品として世の中に広まっていかなければ、
技術自体も衰退してしまう。
その進化を推し進めるのは、これからものづくりを担うであろう子どもたち。

「伝統産業のDNAや記憶を未来に運ばなければなりません。
それがぼくたちの仕事です。
そのためにぼくは、お茶の間のシーンを想定しています。
親から子へ、そして孫へと受け継がれていくプロダクトをつくることで、
孫の代まで“メシを喰っていける”産業になるわけです」

高田さんの名刺には「モノをつくることは、人を愛すること」と書いてある。
「まだ喜ばせていないひとたちがたくさんいます。
最近では農家さんと話していて、何を思い、何をつくり、どう食べていくのか。
それらを知っていくことが自分の目標です。
出会い、話し、知っていくこと。“ひと探し”から始めています」

使うひとを愛しているから、使い勝手のよいデザインが生まれる。
ひととプロダクトを切り離さないから、使ったひとが喜んでくれるのだろう。

〈15.0%〉というアイスクリームスプーンブランドの商品。大きめのアイスクリームスクープは、アイスを球状にすくうことができる。素材はアルミニウムの無垢材。

おもしろ動物園を紹介するでござる! の巻

秋の行楽シーズンは動物とたわむれたいでござる!

ニンニン! コロカルくんでござる!
いま、空前の動物園ブームでござるね。
どこの動物園もお客さんを楽しませようと、あれやこれやと工夫を凝らしているのでござる!
子どもだけでなく大人でも楽しめるのでござるね〜。

今回は、コロカルニュースで紹介した動物園の記事をピックアップしたでござる!

其の壱 日本一のパンダ王国、和歌山に誕生!
パンダを間近に感じる「PANDA LOVE」

きゃわわ〜なパンダは上野動物園だけではないでござる!
和歌山県白浜町のアドベンチャーランドでは、
永明(エイメイ)、海浜(カイヒン)、陽浜(ヨウヒン)の
3匹のジャイアントパンダに加えて、
9月26日(木)からは、優浜(ユウヒン)も
PANDA LOVEにやってくるでござるよ〜!
日本一多くのジャイアントパンダを飼育している
アドベンチャーランドをチェックしてほしいでござる!

アドベンチャーワールド ホームページ
http://aws-s.com/

其の弐 ミニッツメイドQooが円山動物園とコラボ
北海道限定のどうぶつボトル発売

円山動物園では、かわいいキャラクターで人気のドリンク「ミニッツメイドQoo(クー)」との
コラボジュースが発売されているのでござる!
ボトルに書かれているのは、円山動物園で飼育展示されている、
「ホッキョクグマ」「マレーバク」「オオワシ」「カバ」の絶滅危惧種。
円山動物園内、札幌圏の自動販売機などで販売されているので
おみやげにいかがでござるか?

「ここの動物園にはこんな限定商品があった!」なんて情報があったら、
コロカルくんに教えてほしいでござる!

其の参 千葉の真ん中で、ぞうの背中に乗れる!
「市原ぞうの国」

千葉のまんなか、市原にある「市原ぞうの国」を紹介するでござる。
ここでは9匹のぞうがのんびりと暮らしているでござる。
毎日行われている「ぞうさんショー」や、
先着でぞうに乗れる「ぞうさんライド」(有料)も楽しそうでござるな。
今年9月3日にはアジアゾウのりり香ちゃんが誕生!
9月20日から一般公開しているので、子ぞうの可愛らしい姿も見られるでござるよ!

「市原ぞうの国」ぞうだけではないでござるよ!
約100種、400頭羽の動物たちとも会えるのでござる!
家族でのおでかけでもデートでもよさそうでござるな〜
コロカルくんは誰と行きたいかというと…… ヒミツでござる♡

市原ぞうの国 ホームページ
http://www.zounokuni.com/
Facebook
https://www.facebook.com/zounokuni/

其の四 千葉・市川市動植物園の「流しカワウソ」が
カワイイし涼しいしで最高です

千葉は動物王国でござるな! 続いても千葉の話題でござる。

最近のカワウソブームはすごいでござる……!
京急油壺マリンパークのコツメカワウソ握手会も反響がすごかったでござるが、
このパイプに詰まっているカワウソくんに、
コロカルくんもハートをわしづかまれたでござる。
このカワウソブームのおかげで、市川市動植物園の入園者数は3割増だそうでござる!
ちなみにアクセスにはJR本八幡駅やJR市川大野駅からのバスが便利でござるよ〜!

市川市動植物園 ホームページ
http://www.city.ichikawa.lg.jp/zoo/

これからもコロカルは全国のおもしろ動物園をたくさん見つけてくるでござるよ〜
乞うご期待!
また来月お会いするでござる!

きょうのイエノミ 旅するイエノミ スパークリング清酒と、 松本のプティ・ニュアージュ

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、手軽で簡単、
しかもちょっとした旅気分が味わえる日本各地のおいしいものと
三浦半島の旬の食材を使った、和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

暑くて長い夏が、ようやく終わりました。
日差しはまだまだ厳しいけれど、夕方になるとひんやりと秋の気配。
どこかホッとしながらのイエノミにちょうどいいのが
シャンパン感覚で楽しめる、しゅわっとさわやかなスパークリング清酒。
お米の自然な甘さが疲れた身体にすーっとしみわたります。
その相方にお薦めなのが、料理研究家・飛田和緒さんが愛してやまない
標高1500mにある松本市の牧場から届いたチーズ。
チーズと日本酒? と思うけれど、これがまた驚きの相性の良さ。
また秋の味覚・きのこも、北信濃からお気に入りを取り寄せ
きょうのイエノミは、飛田さんの「信州LOVE」があふれた食卓になりました。

生まれも育ちも東京という飛田さんですが
ご両親が現在お住まいの長野県には、夏休みと称して必ず帰ります。
しゃっきり涼しい気候と、採れたての野菜を使ったお母さんの手料理。
ふらりと散歩を楽しんだり、家庭菜園の草取りを手伝ったり。
きっと夏の信州はいつまでも娘気分で過ごせる特別な場所なんでしょうね。
そもそも高校時代を長野市で過ごした飛田さん。
「その当時から松本に遊びにいくときはウキウキしていました」と
北アルプスをのぞむ美しい街が、ことさらお気に入りのようです。
友人知人にも松本出身の人が多いそうですが
彼女らが「絶対行ったほうがいいよ」と薦めてくれたのがこちら。
松本市内とはいえ、天空の別世界のような「清水牧場チーズ工房」です。

●ローカルな逸品「松本市・清水牧場チーズ工房のプティ・ニュアージュ」
クセになりそうな松本の牧場自家製チーズ。

「おいしいおそば屋さんもあるよ」との誘い文句にのって
車を延々と走らせて着いたのが、もう岐阜県境に近い清水牧場でした。
本当にチーズ工房があるの? と思うくらい山奥だったそうですが
その頃まだ珍しかった国産の熟成チーズとフレッシュチーズを
あるだけ買い求めて大事に持って帰ってきたそうです。
それからは、もっぱらお酒のおつまみとして大活躍。
きょうもざっくりと惜しげもなくチーズを切って、ボードにどんどん盛りつけます。
「特にプティ・ニュアージュはね、このスパークリング清酒に合うと思うの」と
ふんわり綿雲のように柔らかなフレッシュチーズにはスプーンを添えて。
お好みでちょっと塩を振っていただくと、なるほど!
うっとりするようなミルクの甘さと、ぴちぴちはじけるお米の甘さのハーモニー。
これ、特にミルキー好きな女子には目からウロコの組み合わせかも。

この「プティ・ニュアージュ」は、とにかく出来たてがおいしいと
飛田さんは撮影直前に清水牧場から届けてもらったそうです。
「スプーン持参で食べに来るファンの人もいるんですよ」
清水牧場に電話してみると、清水晴美さんがそう教えてくれました。
そのファンの方はコルシカ人で、なんと最近すぐ近くに移住してきたのだとか。
これ食べたさのあまり神奈川県から転居するとは、さすが食いしん坊のフランス人。
でも、このミルキーなおいしさを知ったら、その気持ちがわかるかも。
標高1500m以上の山間部に広がる広大な牧草地で放牧され
5月から11月にかけては、自然の青草を好きなだけ食べ湧水を飲み乳を出す。
ここのブラウンスイス牛や羊たちは、本当にストレスフリーな毎日を過ごしているのです。

ただ、いまの場所を見つけるまでは苦労の連続だったとか。
32年前から夫婦で酪農を始め、本物の「農家製fermier(フェルミエ)」
つまり自分が飼育する牛や羊の乳だけで伝統的製法のチーズを造りたいと
岡山→滋賀→長野・北御牧と牛を連れて移住を繰り返し
ようやく理想的な環境を見つけ、現在の松本市奈川に落ち着いたのは9年前。
「チーズ造りを教わったフレンチピレネーの谷に標高も植生もそっくりなんです」
だからここで造るチーズは、山岳酪農ならではの熟成タイプとフレッシュチーズだけ。
そうおっしゃる晴美さんとご主人の則平さんは、東京の日本獣医畜産大学で出会い
「牛が好き」という思いだけで、酪農の世界に飛び込んだそうです。
しかし松本にはアルプスだけじゃなく、ピレネーに似た谷まであったとは。
さすが日本が誇る山岳県、飛田さんのちょっと得意気な顔が思い浮かびました。

『清水牧場チーズ工房』(長野県/松本市)のプティ・ニュアージュ

●お取り寄せデータ

住所:長野県松本市奈川51

電話:0263-79-2800

FAX:0263-79-2801

営業時間:10:00~16:00 火、年末年始休(12~3月は火・木休)

Webサイト:http://www.avis.ne.jp/~svarasa/

※プティ・ニュアージュ 1個200g前後 650円(賞味期限:約5日間)

●便利な常備菜「きのこのマリネ」
北信濃・中野市のきのこのおいしさを再認識。

「ようやくこれが普通に買えるようになったのね」
そういって飛田さんが冷蔵庫から取りだしたのがアギ茸。
2年ほど前、長野県中野市のきのこ農家を取材したときに
ヨーロッパ系の新種ですよと紹介されたのが、アギ茸だったとか。
しゃくしゃくした歯触りと風味の良さにぞっこん惚れこみましたが
それ以降、何度取り寄せようと思っても在庫切れ。
「長野にはこんなおいしいきのこがあるって、みんなに自慢していたのに」
そのアギ茸が手に入らなくて、あるある詐欺のようになっていたそうです。
ちょっと贅沢ですが、きょう使うきのこを中野市から取り寄せたのは
アギ茸入りのきのこセットをJAが販売していると知ったから。
長野県北部に位置する中野市は、えのき茸の生産量日本一。
ゆるキャラ「えのたん」までいる「きのこ王国」として知られています。

きょうの常備菜は、きのこをザクザク大きめに切って炒めるだけ。
ポイントは味のアクセントにオリーブの実を入れることと
あえて塩・胡椒だけのシンプルな味付けにしておくこと。
その方が食べるときにビネガーをかけるなど、好みのアレンジが効くのです。
もちろんきのこは普通に手に入るもので大丈夫。
ただ「新しくておいしい食材に出合うと燃える」という飛田さんのように
見かけないきのこがあったら、とりあえず買って使ってみるのもいいのかも。
ちなみに飛田さんのご両親は、秋になると必ず山へきのこ狩りに行くとか。
どうしてそこまでして、と飛田さん自身は思っていたそうですが
年を取るほどに、なぜかその気持ちがよくわかるようになったそうです。

きのこのマリネ(常備菜)

●つくりかた

オリーブの実を薄切りにする。

きのこ各種を食べやすい大きさに切る。

包丁でつぶしたニンニクをオリーブオイルで炒める。

ニンニクの香りが出たら1、2を加えて炒め、塩、胡椒で味をととのえる。

食べる直前にイタリアンパセリのみじん切りをかける。

※きのこは食感を楽しみたいので大きめに切り、炒め過ぎは厳禁。
イタリアンパセリがなければ、シソや万能ネギなどで代用。

●飛田さんのお気に入りきのこ

JA中野市農産物産館 オランチェ(長野県/中野市)※たっぷりきのこ満足セット2000円(アギ茸入り) 詳細

●簡単おつまみ「まぐろの漬け焼き」
三崎のまぐろを香ばしい漬け焼きに。

「漬け焼き」と聞いていたのに、登場したのは真っ黒な物体。
でもこの「真っ黒」なものの正体は岩海苔。
漬けにしたまぐろを煎り胡麻と岩海苔をまぶして焼き上げただけなのに
この衣がもうなんともいえないほど香ばしい!
ちょっとしたひと手間でおいしさがグンとアップするのだから
これはもう真似するしかないですよね。
まぐろといえば、飛田さんの住む三浦半島の先端にある三崎漁港が有名だけど
最近は地元でも「三崎のまぐろ」を手に入れるのは難しいとか。
きょうは港の市場まで行って買ってきたものを使いましたが
普段使いなら安く手に入るもので十分。
刺身の残りを漬けにしてもいいので、ぜひサクで買ってくださいね。
簡単なのにちょっとオツなおつまみは、ご飯のおかずにもぴったりですよ。

まぐろの漬け焼き

●つくりかた

まぐろのサクを日本酒と醤油半々のタレに漬ける。

岩海苔を細かくちぎり、煎り胡麻と一緒にトレーに入れる。

1時間ほど漬けた1を2のトレーに入れてまぶす。

3の衣をはがさないよう油を入れたフライパンでじっくり焼く。

4がさめたら食べやすい大きさに切る。

※岩海苔がなければ普通の海苔でもOK。

●きょうの和酒 松竹梅 白壁蔵 「澪」(みお)スパークリング清酒
軽やかな泡が楽しい時間を演出します。

「澪」は宝酒造の白壁蔵で生まれた新感覚のスパークリング清酒です。
「和酒」のなかでも歴史の長い日本酒に新しい流れを作りたいと
「浅瀬の水の流れ」や「船の通った泡の跡」という意味を持つ名前を付けたとか。
米と米麹でちゃんと造られた日本酒をより飲みやすく気軽に楽しんでほしい。
そんな思いで開発に6年の時間をかけ、アルコール分は5%と控えめながら
お米本来のほのかな甘みとほどよい酸味が楽しめるよう工夫されているそうです。
もちろん糖類や酸味料は使っていません。
この「澪」が発売されたのは2年前の6月から。
販売ルート限定の商品でしたが、女性を中心にしたファンの方々の声に応え
9月17日からスーパーやコンビニで発売することになりました。
乾杯の時の食前酒、スイーツやフルーツと合わせた食後酒にぴったり。
どんなおつまみにも合わせやすいので食中酒にもいいですよ。
飲むシチュエーションを選ばないので、冷蔵庫に常備しておけばなにかと便利。
またイエノミパーティの手みやげにも最適です。
美しいブルーのボトルで楽しい時間を華やかに彩ってくださいね。

松竹梅白壁蔵「澪」(みお)スパークリング清酒 150ml 300ml 750ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://shirakabegura-mio.jp/

マチスタの最後の置き土産

マチスタ閉店から1か月。

マチスタを閉めた翌日、若い登山家の講演を聞きに行った。
あらましいい話だった。締めくくりに、「夢は叶う」と彼は言った。
彼の話を聞いていると、本当に夢が叶うんじゃないかと思えてきたんだけど、
でもそのわりにいまひとつこっちの気分が上がってこない。
そこで、いまのぼくに夢らしきものがないことに思いあたった。
これまでも夢なんてなかったように思う。
そもそも夢ってなんだ? 希望や願望との境界線は? 
去年の夏、タカコさんが貯金していた失業保険のお金で沖縄に行った。
生まれて初めての沖縄は、生まれて初めての家族旅行でもあった。
初日から家族での旅行がこんなに楽しいものかと目から鱗が落ちる思いがした。
いきおい、今帰仁(なきじん)の浜辺でタカコさんとチコリに
「毎年、沖縄に連れて行く!」と約束した。
しかし、その約束は1年目にして早くも破られることになる。
今年、沖縄の代わりとして連れて行ったのは鳥取砂丘だった。
しかも泊まりは鳥取駅前のビジネスホテル(それなりに楽しい旅だったのですが)。
毎年家族旅行で沖縄に行きたい————。さて、これは夢のうちに入るんだろうか?
東京にいた頃、同業の友人のなかにわりと普通にこなしていたのが何人もいたけど。

マチスタを閉めて1か月が経った。
いまもっていろんな人から「おつかれさま」と声をかけられる。
それに対してぼくは、「お世話になりました」とか
「ありがとうございました」とごくごく普通に返している。
この1か月で何度繰り返されたかわからないこのやりとり。
そこに少々の違和感を感じないではいられない。
理由はわかっているのだ。
このやりとりに、まるでマチスタがあたかもぼくが進めたプロジェクトのひとつであり、
しかもわりとスマートにやり遂げたかのようなニュアンスを感じてしまうのである。
万事めでたく、事もなくという感じで。
しかし実際のところは真逆で、ぼくはまさしく事業に失敗したわけだ。
そして、その手の人間にふりかかる現実がやさしいわけがない。

この夏、ヒトミちゃんが会社を辞めた。「辞めた」というと誤解が生じる。
給与の未払いが生じる前に辞めてもらった、それが正しい。
ヒトミちゃんには本当に悪いことをした。
彼女は頭がいいし事情もわかっているから、もちろん責めるようなことはせず、
いつものようにぼくに冗談も言いながら、最後の日まで淡々と仕事をこなした。
ぼくも弁解しなかった。謝りもしなかった。
ただ何事もなかったように日々を過ごし、ひと月はあっという間に過ぎていった。

これはマチスタを閉めるちょっと前のこと。倉敷のクラブに顔を出した。
たぶん3年ぶりだ。
3年も経つと、この手の店は客の顔ぶれががらりと変わるのかもしれない。
見事なまでに見知った顔がなかった。
おかげで友人の定例のイベントというのに、
入った瞬間から頭にあるのは帰るタイミングのことだけ。
明らかに所在無さげだったであろうぼくを見かねて、
オーナーのシミちゃんが近づいて来て声をかけてくれた。
「赤星さん、久しぶりっス。最近どうスか?」
シミちゃんは倉敷に戻ってわりと早いうちにできた友人のひとりだ。
「オレが岡山で店やってるの、知ってる?」
「マチスタでしょ?」
「そう。あの店、もうすぐ閉めるんだ」
「え、マジっスか?」
「マジっス」
「で、どうするんですか?」
「なんにもしないよ、ちゃんと子どもを育てるよ。
最近ようやくわかってきたんだ。
賢いヤツははなから公務員かサラリーマンになってるね。
子どもを育てるにはやっぱり安定した収入があると安心なんだよ。
オレもいまからでも公務員になれないかなんて本気で思ってる」
見ると、シミちゃんはなんともいえない悲しそうな笑みをたたえていた。
「赤星さん、笑えないっスよ」
ひと言そう言って、シミちゃんはその場を去って行った。
このシミちゃんの返しは、不意にチンをかすめたフックだった。
ぼくは何が起こったかわからないまま前のめりに膝を折ってへたり込み、
いまもって立ち上がれないでいる。

冴えない気分が長くつづくときは、これまではギャンブルに没頭した。
あるいはひとりになってひたすらマンガを読むか映画を観つづけるか。
手がかかる子どもがいるうえに親までいる現在の状況では、
到底そんなことはできないし、今回はそうしないことにした。
気持ちのうえで迎撃することに決めたのだ。
そこはかとないわびしさ、むなしさ、やるせなさ。
マチスタを閉めると決めて以来、いまもって次から次に襲ってくるそういった類のもの、
これまで気配がしただけで背を向けて絶対目を合わそうとしなかったそれらの感情に、
今回はカルテを作るがごとく正面から向き合うことにした。
マチスタの最後の置き土産みたいなものだ。
というわけで、ぼくのマチスタはもう少しだけつづく。

児島のオフィス、ブロック塀の際のところで去年にひきつづき今年もテッポウユリが咲いた。コンクリートの側溝に自然とたまった、ほんのわずかな土の上での見事な咲きっぷり。

秋の行楽で 泊まりたいお宿を集めたでござる! の巻

秋のおでかけ、お宿のオススメはこちらでござる!

ニンニン! コロカルくんでござる!
毎日暑いでござるね〜。
夏休みはいかがお過ごしだったでござるか?
コロカルくんは、忍術夏期合宿で伊賀に引き蘢ってたでござる……。
伊賀のまちは、大遷宮を迎えた伊勢神宮にお参りする人で賑わっていたでござるよ。
みんな思い思いの夏休みを迎えたようでござるね〜。

でも実は、9月10月は3連休があわせて3回もあるそうでござる。
ワンダフルでござる……。
どうせならちょっと遠出してみてはいかがでござるか?
今回は、コロカルでいままでに紹介した素晴らしいホテルや宿を
厳選して紹介するでござる〜。

其の壱 「南海荘」兵庫県南あわじ市

昨年夏公開された「エリアマガジン 兵庫県南あわじ市・洲本市編」から、
地元の食材をふんだんに使った絶品イタリアンが味わえるお宿「南海荘」でござる。
夏にはハモが旬でござるが、秋には鯛・タコ・鰆が美味しいらしいでござる〜。
神戸からも徳島からもアクセスできるので、
ぜひ行ってみてほしいでござる〜!
予約はこちらでござる!

其の弐 「サンセルフホテル」茨城県取手市

「サンセルフホテル」は、アーティスト北澤 潤さんが主導するプロジェクトでござる。
取手井野団地の空き部屋の一室を、プロジェクトメンバーであるホテルマンたちが
手づくりでホテル化して、宿泊客を迎えるのでござるよ〜。
約30名のホテルマンのうち、最年少はなんと1歳の女の子。
きゃわわ〜でござる!
宿泊できるのは不定期で募集がかかったときだけなので、
宿泊予約の情報を北澤さんのブログでチェックチェックでござる〜!

其の参 「星のや 竹富島」沖縄県竹富島

「エリアマガジン 沖縄県竹富島編」から、
オープンから2年目を迎えたリゾートを紹介するでござる!
日本最南端の竹富島の「星のや 竹富島」は、石垣島から高速船で約10分。
贅沢な時間の流れと空間が広がっているでござる〜!
島民との話し合いと、文化への理解で実現した「星のや 竹富島」。
ぜひ体験してほしいでござる!
予約はこちらでござる!

其の四 「クマグスク」香川県小豆島

人気連載「小豆島日記」で反響の大きかった滞在型アートスペース「クマグスク」。
小豆島の坂手港からすぐの観音寺宿坊を、
アートを鑑賞できる滞在施設として改装したそうでござる。
瀬戸内国際芸術祭2013の夏、秋会期のタイミングに合わせ、
2013年7月20日(土)~11月4日(月・祝)までの、
108日間限定でオープンしているでござる!
この機会は逃せないでござる!
予約はこちらでござる!

このほかに「おでかけコロカル」にも旅にピッタリな情報満載。
現在、9県が公開中! まだまだ増えるでござるよ〜!
ぜひ活用してほしいでござる〜!
それでは、また来月22(ニンニン)の日にお会いするでござる〜!

アルバス 酒井咲帆さん

写真の持つ機能。写真屋が担う役割。

『いつかいた場所』というのは、写真家の酒井咲帆さんが、
同じ子どもたちを、そしてその村の変化を、10年間、撮り続けた作品だ。

酒井さんが19歳のとき、ひとり旅で出かけたある村で、
友だちになった小学3年生と4年生の4人組。
声をかけてすぐに仲良くなり、その日、一緒に遊んだという。
それから手紙の交換も始まり、1年に1回、会いに行くようになる。

初めて会った年から数年は、写真という目的でもなく、
ただ“友だち”に会いに行っていただけ。
そのうちに、彼らの兄弟が登場したり、行動範囲も広がるようになる。
同時に、撮っていた写真から変化が見えるようになってきて、
次第に記録ということを意識して写真を撮るようになっていった。

あるとき、彼らの通っていた小学校が閉校することになり、
校長先生から酒井さんに撮影依頼がきた。
同時にこれまで撮りためていた写真の展覧会をさせてもらうことになった。
この準備を一緒に進めた“かつての小学生たち”は、もうハタチ過ぎ。
展覧会では彼らの親とも初めて会い、
「あなたの話を聞いていたのよ」と歓迎される。
地域のひとたちも、自分が写っているわけでもないのに、
写真を観て感動してくれた。
そこには村の懐かしい風景が写っていたのだ。

「この村がどうなっていくか、私にもわかりませんが、
見続けることに意味があると思っています。
削ぎ落とされていったなかに、大事なものがあるんじゃないかと想像しながら」

手紙がメールになり、迎えが車になり、会合が居酒屋になりと、
コミュニケーションのかたちは変わりながらも、
10年以上経った今でも交流は続いている。

写真屋という場所から広がる地域コミュニケーション。

酒井さんはこれらの活動と並行して、子どもとの関わり方を自身の主軸に据え、
大阪のギャラリーや九州大学で働いていた。

「子どもは、未来を担うひと。
社会全体で子どもたちを一緒に育てるということを
考えないといけないと思うんです」という酒井さん。
しかしそれに正解はない。
でも考え続けることが「生きていくこと」だという。

これまでの仕事から学んだことを通して、自分で出来ることを追い求めた結果、
福岡市内に写真屋「アルバス」をオープンした。
アルバスは、
お客様の撮影したフィルムやデジタルデータをプリントするラボと、
家族写真が撮れるスタジオがある。
でもラボは、普通とはちょっと違う。

「現像やプリントを受け付けるとき、
ひとりひとりのお客さんとなるべくじっくり話をします。
撮影時の気持ちを思い出してもらいながら、
そぉっとお客さんの心に入って行く感じで。
写真を焼くことは、
お客さんの思い出に色を乗せているような感覚でもあります」

プリントの注文を受けるときは、実際のサンプルをもとに、明るさや色味などの希望を聞いてくれるのでわかりやすい。

会話を重ね、実際に写真を焼くと、
マイナスの面が見えてきてしまうことだってある。
みんな悩んでいたり、問題を抱えていたり。

「問題を解決するということではないけど、
ちょっとでも寄り添って、受け入れて、
安心できるような場所でありたいなぁと。
そういう意味では、ひととしての関わりのなかから見えてくるものが多いので、
写真屋でよかったと思います」

中古カメラも販売されている。ハーフカメラなどのユニークなカメラもあってカメラ好きにはたまらない。

「写真」そのものを最大限に活用しているように思えるが、
酒井さんはあくまで「写真は手段だ」と言い切る。
「写真屋としての機能でありながらも、
まちづくりの一部として捉えています。
どうすれば暮らしやすくなるのか、この場所で考えていきたい」

たしかに写真は、
コミュニケーションの第一歩としては最適かもしれない。
そして写真屋という場所があることで見えてくることがたくさんあると話す。

「例えば、困ったときに助けてくれるのがお隣さんだったりするように、
アルバス自身が当たり前のことにちゃんと気がつける存在で
いられればと思っています」

黒板にチョークで書かれたメニュー表。フィルムやカメラのイラストがかわいい。

これからも酒井さんは、写真を手段として、広く活動していく。
特に子どものことを考えるのが酒井さんのモチベーションの原点であるため、
現在では、保育園の補助スタッフとしても働いている。

「写真、子ども、居場所ということを合わせて考えたいと思っています。
写真はあらゆる分野に寄り添えるような手段だと思うので、
写真の可能性を広げる意味でも、
多様な考えを持って携わっていきたいと考えています」

information


map

albus
アルバス

住所 福岡県福岡市中央区警固2-9-14
TEL 092-791-9335
営業時間 12:00〜20:00
http://albus.in/

profile

SAKIHO SAKAI
酒井咲帆

1981年兵庫県生まれ。写真家。株式会社アルバス 代表。
まちの人々との対話・交流、特に子どもを取り巻く風景を撮り続ける一方で、2009年福岡市警固に写真ラボ「albus|アルバス」を設立。アルバスとはアルバムの語源。「まちのアルバムとなるように」という想いの下に、写真にまつわる多様な活動を展開している。

きょうのイエノミ 旅するイエノミ 本格麦焼酎と、本庄の 只管(ひたすら) 豆腐・油あげ

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、手軽で簡単、
しかもちょっとした旅気分が味わえる日本各地のおいしいものと
三浦半島の旬の食材を使った、和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

夏バテ気味なら、なるべく早く帰ってゆっくりしたいもの。
理想としてはウチワあおいで夕涼みって感じですが
冷え冷えの和酒があれば、なんとかひと息いれられそうですよね。
そんなイエノミには、ピリ辛野菜の常備菜をぜひ。
食欲がなくてもツルンといけちゃう夏のキング・オブおつまみ、冷ややっこや
ちょっと贅沢においしいタコもいただいちゃいましょう。
どれも、料理研究家・飛田和緒さんのヘビロテおつまみ。
相方は、大分産本格麦焼酎をロックでキリリとどうぞ。
心地良い酔いで、ぐっすり眠れそうです。

夏本番となると、飛田さんちにはプールが登場します。
「思い切って買っちゃいました」という超特大サイズなので
組み立てだけでも2時間近くかかるとか。
でも海辺の家に来てから、エアコンが苦手になった飛田さんにとって
足だけでもぽちゃぽちゃさせて、ひんやり涼めるのはなにより。
しっかり動いて汗をかき、たっぷり食べてちゃんと寝る。
飛田さんの夏バテ対策は実にシンプルです。
暑い時期に欠かせないのが、埼玉から取り寄せるおいしい豆腐と
そろそろ庭のすみに顔を出し始めた掘りたてのミョウガ。
ぱぱっと手早く合わせると、こんなおつまみが出来ました。

●ローカルな逸品「本庄市・もぎ豆腐店の只管(ひたすら)豆腐と油あげ」
埼玉県利根川沿いの町から届く極上豆腐。

飛田さんと「もぎ豆腐店」との出会いは、もう10年以上前。
当時住んでいた東京で、たまたま目に付いたので試してみたら
どの商品もはずれなしのおいしさだったとか。
「豆腐はもちろん油あげ、玉ねぎがんも、生あげでしょ」
と、お気に入りをすらすら数えあげる飛田さんです。
きょうは、何もつけなくてもおいしいという「只管豆腐」が主役。
一緒に届いた油あげも香ばしく空煎りし、庭のミョウガと合わせて薬味にします。
この「カリカリ油あげやっこ」を塩とオリーブオイルでいただくと
ふんわり柔らかな大豆の味わいで、疲れた身体が生き返るよう。
麦焼酎の香ばしさや甘さともよく合うんです。
大豆と麦の素朴な甘味の取り合わせ、日本の夏らしくていいですよ。

ところで、この「只管豆腐」とは、どういう意味でしょうか。
埼玉県本庄市にあるお店に電話してうかがってみると
なんとこれ「只管打座(しかんたざ)」という禅の言葉から。
「作りやすい豆腐より、作りたい豆腐を」と試行錯誤していた2代目が
ようやくできた自信作を、懇意にしていた少林山達磨寺の住職に持っていくと
「ただひたすら坐禅する」を意味するこの言葉を贈られたとか。
でも、達磨寺といえば群馬が誇る「高崎だるま」ゆかりの名刹ですよね。
埼玉の店なのになぜ群馬? と茂木清子さんに質問してみると
「本庄から高崎は電車で4駅20分、近いんですよ~」とのご返答。
対して、東京へは新幹線を使っても約50分。
東京のお隣とはいえ、埼玉はやっぱり広い。
上州・赤城山をのぞむ利根川沿いで、かつては中山道一賑わった宿場町
埼玉北西部にある本庄市は、昔から群馬とのつながりが深いんですね。

とはいえ、もぎ豆腐店では埼玉ローカルな試みもあれこれ。
「ごぼうがんも」には柔らかさが自慢の地元産ゴボウを使い
本庄の有機新玉葱を使った「ころまるがんも」を期間限定で発売。
秩父原産の埼玉伝承大豆「借金なし」を使った豆腐を
川越の老舗・松本醤油商店の「はつかり醤油」と合わせる提案もしています。
また、お豆腐と親しむための恒例イベント「ふわふわまつり」では
店独自のゆるキャラ「だいず君」も登場して、子どもたちに大人気だとか。
苦労の末構えた日本橋の店を東京大空襲で焼け出され
故郷で一から出直した初代・三之助さんの心を受け継いだもぎ豆腐店は
ここ本庄にしっかり根付いて、幅広いファンから愛されているのです。

『もぎ豆腐店』(埼玉県/本庄市)の只管豆腐と油あげ

●お取り寄せデータ

住所:埼玉県本庄市寿3-2-21

電話:0495-22-2331

FAX:0495-24-4194

営業時間:9:00~17:00(7~9月は18:00) 火休

Webサイト:http://minosuke.jp/

※北海道・帯広産と帯広近郊の音更町産大豆を使用した「只管豆腐」567円 
伝統圧搾国産菜種油(島根県出雲産など)で揚げた「油あげ」231円

●つくりかた

ミョウガ、シシトウを細切りにする。

油あげは中をさいて細切りにし、フライパンで空煎りする。

1と2を合わせて豆腐にたっぷり載せる。

※オリーブオイルと塩、だし醤油などでいただく。
油あげはしっかり焦げ目がついた方がおいしい。
薬味野菜は九条ネギなど、家にあるもので。

●便利な常備菜「オクラとシソのキムチ風」
ピリ辛の三浦半島露地物オクラで夏バテ予防。

1年中出回っているオクラですが、旬は夏なのをご存じですか?
独特のねばりが夏バテ予防に効果的ともいわれ
飛田さんも、近所の直売所で露地物をたっぷり買いこみます。
さっとゆでて納豆感覚で食べたり、コーンと一緒にスープにしたり。
いろんな食べ方を試したけれど、いまハマっているのがこちら。
しゃきっとした歯ごたえが楽しめて、ピリリと爽快。
食べ出したら止まらなくなる、いかにも夏らしい常備菜です。
ポイントは、塩で板ずりしたオクラを一晩冷蔵庫で寝かせること。
青臭さが抜けるし、ゆでるよりも圧倒的に食感が良くてびっくり。
また飛田さんはきれいにシソを巻いて出しますが
巻きながら食べてもいいし、面倒なら手でちぎって和えてもいいかも。
キムチよりもさっぱりしているキムチ風。
食欲がないときこそ、試してみてくださいね。

オクラとシソのキムチ風

●つくりかた

洗って塩をふったオクラをまな板の上でごりごりころがす。

保存容器に1を並べ軽めの重しをして一晩冷蔵庫で寝かす。

しんなりしたオクラをさっと水洗いして紙タオルで水気をとる。

おろしニンニク、おろし生姜、粉唐辛子、醤油、ごま油に砂糖ごく少々をよく混ぜる。

4に3を入れ半日ほど漬けたら半分に切ったシソで巻く。

※粉唐辛子の替わりに赤唐辛子の小口切りを入れてもいい。
漬ける時間がなければ漬け汁とあえただけでも大丈夫。

●簡単おつまみ「タコのカルパッチョ」
佐島のおいしいタコをサルサソースで。

「大事なポイントはただひとつ、おいしいタコを手に入れること」
って、飛田さん、ご自分にアドバンテージあり過ぎじゃないですかー
というのも、飛田さんの家からすぐそばの漁港は
「西の明石、東の佐島」といわれるほどタコがおいしいことで有名。
なじみの鮮魚店なら、電話1本で極上のものを取り置きしてくれるというのです。
また仲良しの網元さんは、シラスをゆでた釜の湯でタコをゆでるので
シラスのうまみがほんのり移り、最高においしいんだとか。
いかにも海のそばらしいご馳走ですね。
でも、スーパーで売っている普通のタコでもたぶん大丈夫。
それはこのサルサソースがとてもおいしいから。
真夏にさっぱりいただけるよう、あえてオリーブオイルは加えず
そのかわりフレッシュなレモンをたっぷりしぼります。
白身魚のカルパッチョはもちろん、ちょっとくどめの挽肉料理など
タコに限らず、なんでもかけて召し上がれ。
ちなみに噂に名高い佐島のタコは、硬すぎず柔らかすぎず旨みもたっぷり。
切って出すだけで贅沢なおつまみに早変わりするなんて
反則ともいえそうなぐらいの絶品でした。

タコのカルパッチョ

●つくりかた

トマト、ピーマン、タマネギをみじん切りにする。

1にレモン汁、塩、胡椒を合わせて混ぜる。

薄切りにしたタコに2のサルサソースをかける。

※お好みでタバスコ少々、みじん切りにした青唐辛子や香菜もぜひ。
レモン汁は、できればフレッシュなものを使って。
サルサソースは瓶などに入れ冷蔵保存できる(日持ち約5日間)。

●飛田さんのお気に入り鮮魚店

井本商店(神奈川県/横須賀市) 電話:046-856-0230

丸吉商店(神奈川県/横須賀市) 詳細

●きょうの和酒 本格麦焼酎「知心剣」(しらしんけん)
国産大麦ならではの香りと甘さが楽しめます。

「しらしんけん」とは大分の方言で「一生懸命」のこと。
本場大分の本格麦焼酎のおいしさを、より多くの人に楽しんでもらいたいと
麦本来の香ばしさや甘さを引き出すと同時に、飲みやすさを真摯に追求。
長年の研究と独自の技術を注ぎこんで誕生したのが「知心剣」です。
「知心剣」の故郷は大分県臼杵市の山あいの里。
材料は国産二条大麦100%で、黒麹を用いた麦麹だけで仕込み
独自の低温蒸留と貯蔵法により、香り高く口当たりの良い味わいに仕上がっています。
本物のうまさがありながら、すっきり飲みやすい本格麦焼酎「知心剣」は
暑い時期なら1対1の水割りをロックで飲むのがお薦め。
夏らしいおつまみとの相性もぴったりです。

本格麦焼酎「知心剣」(しらしんけん)720ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://shirashinken.jp/

糸島芸農

たんぼにアート!? 芸と農を地域がつなげる。

豊かな自然が残り、農業が盛んな土地、福岡県糸島市。
福岡市に隣接していて、最近では若者の移住も増えている注目の場所だ。
そんな場所で昨年、糸島芸農という芸術祭が開催された。

美しい田園風景のなかで車がクルクル回り、
ペットボトルのドラゴンボートが登場する。ある意味でシュールな光景だ。
外国人アーティストも多数参加し、いなかまちを闊歩する。

“耕し、芸す”というキャッチフレーズのもと開催されたこの糸島芸農は、
糸島在住の美術作家、松崎宏史さんが主宰するスタジオKURAによるもの。
松崎さんは、かつてベルリンを拠点に作家活動に励んでおり、
各国各都市のアーティスト・イン・レジデンスに応募し、
毎月のようにいろいろな場所で活動していた。
アーティスト・イン・レジデンスとは、
一定期間、アーティストがある土地に滞在して作家活動を行うことである。

「ヨーロッパでは、まちにひとつはアートの拠点となるような
ギャラリーや美術館、センターなどがあります。
大人のエンターテインメントとして、
夜はみんなで展覧会を見に行く文化がありますね」と、
みずからの体験から語る松崎さん。

それは、都会にだけあるわけではなく、
「ワインが有名で、ぶどう農家だらけのいなかでした」
というオーストリアのクレームスというまちでも、
アーティスト・イン・レジデンスに参加したことがあるという。
そのような土地で作家活動をしているとき、あることに気がついた。

「実家がもともと糸島の米農家で、当時、使われていない米蔵がありました。
そこを活用して、自分も日本で
アーティスト・イン・レジデンスができるのではないかと思ったんです」

こうして2年ほど実験的に開催した後、5年前から糸島に帰郷し、
本格的にスタジオKURAをスタートすることになる。
今では世界中から毎月2名ほどの作家がスタジオKURAに滞在し、
すでに来年末まで埋まってきているという。

こうして見知らぬ外国人が田んぼの真ん中を
自転車で走っている光景が頻繁に見られるようになり、地域住民も慣れてきた。

レジデンスに滞在中だったパレスチナ系アメリカ人のBissan Rafeさん(左)と、Studio Kuraスタッフのスペイン人Alejandro Cremadesさん(右)。

絵画教室が行われているアトリエ。レジデンスに滞在しているアーティストのワークショップが行われることも。

農業のサイクルに合わせたアート展示のカタチ。

「レジデンスをやっているうちに、
自然と面白いひとたちが集まるようになってきて、
地域の農家も興味を示すようになってきたんです。
糸島はそれほど地域の集まりがあったり、
共通する強い何かがあるわけでもない状況でした。
それなら、アートの力でみんなを集めることができないかと思ったんです」

そして始めたのが糸島芸農だ。
アートを媒体として、糸島の日常風景ともいえる食や農業などを表現し、
地域と作家がともにつくり上げていく。
昨年は、農業のサイクルに合わせて年4回、さまざまな作品が展示された。
5月は「アートの種まき展」、6月は「アートの草むしり」、
8月は「アートの夏休み」、9月は「アートの収穫祭」。
田植えのセレモニーで、
オランダ人作曲家、マルタイン・テリンガさんによる即興演奏が行われたり、
草むしりした草を使って草木染めワークショップが開催された。
さらには自然農の農家、村上研二さんを交えた座談会など、
農業や環境の未来を語るトークセッションなども行われた。

常に柔和な表情で控えめな松崎さん。糸島生まれで、家は代々米農家だった。

参加者のなかに、国内外の美術作家やクリエイターはもちろん、
農家やハンター、醤油製造会社などもクレジットされていて、
糸島という土地柄を感じさせる。
美術作家は、糸島に滞在して作品を制作するが、
その土地で感じたことが表現され、普段の作風とは少し違う作品が生まれる。
すると、地域を巻き込んだ制作になることも。

久保田弘成のパフォーマンス。タイトルは「伊都国稲作数え歌」。(写真提供:糸島芸農)

「久保田弘成さんは、車を大きく回転させようとしたんですが、
地域の鉄工所を借りて制作しました。
大掛かりな仕掛けのために木材を提供してくれたり、
ユニック(クレーン)を貸してくれたりと、
地域のみんなが協力してくれました。そうして協力してくれたみんなが、
今度は友だちを連れて展示を見に来てくれるんです。
制作に参加していると、その作品への理解が深まったり、思い入れが増しますよね。
このあたりには“アート”なんて概念がないので、
普通だったらやっていることの意味がわからないと思いますしね」

地域を結びつけるためにはさまざまな手法があるが、アートにもそれがある。
しかも松崎さんはそれをアートで行う利点を「無害」なことだという。
経済活動ではないし、優劣をつけるものでもない。
利害関係のない有機的なつながりが生まれるのかもしれない。

昨年、糸島芸農で田植えし、草取りし、刈り取ったお米。糸島芸農米として発売されている。品種はミルキークイーン。

アーティストは、人生もクリエイトすべきか。

「糸島に戻ってきたとき、山とか自然、歴史、ひと、
すべてが素材に見え始めました」といなかでの作家活動について語る松崎さん。
生きている場所で、できることをやっていくという生活の基本。
それはアートも例外ではないはず。
でもアートは“苦しい時期があって成功する”みたいなイメージがつきまとう。

「アートをやりながら、
なぜ自分の人生をクリエイトしてはいけないんだろうと思うんですよね。
バイトしながら、苦行的な制作活動するという生き方にはピンときません」
そうした思いにいたるには、
かつてアーティスト・イン・レジデンスの滞在先で出会った作家からの影響がある。
「25歳ごろに、矢作隆一さんという日本人作家が
メキシコで主催していたレジデンスに参加しました。
1階を日本料理店、2階をレジデンス、3階を自宅にしていたんです。
矢作さん自身もアーティストとして展覧会をやって、日本料理店をやって、
レジデンスもやって、大学で講師もして。
そんな生き方があるのかとビックリしました。
ほかにも、自分のクリエイティビティをすべて使って生きている、
アートだけでない生き方に共感することが多いです」

糸島芸農も、芸と農がひとつに融合した言葉。
この何十代も続く農家が多い土地柄で、農は必然。
しかし一緒の場所に存在していても、完璧にわかれてしまっていた。
「もっと出会う空間をつくって、なにか一緒につくることが芸農だと思います」と、
ネーミングにこめられた意味を話す。

その結果、農家がアーティストのようになったり、
アーティストが農家になったりしてもいい。ならなくてもいい。
その混ざり方もいろいろでいい。
半農半Xという言葉があるが、
松崎さんは「地域や社会自体が、半農半Xになればいい」と語る。
個人が両方やってもいいが、
地域全体として、農家もいればアーティストもいる土地。
半農半Xビレッジ。
農家のまちに、クリエイティブな血が混ざっていくことが面白い。

今年は大きなエキシビションは開催せず、エコミュージアムツアーと称して、
糸島地域を旅し、面白いひとに会いにいくツアーを開催するという。
より深く地域への理解を深め、作品へと反映させることができそうだ。
まだプレツアーが数回開催されただけだが、
これからは作家以外も募って開催するとのこと。
あらたな芸と農の出合いの場となり、新しい糸島の文化が創造されることだろう。

米蔵をそのまま使用しているギャラリー。電気をつけたくらいで、まったくリフォームなどはしていない。ホワイトキューブではない形状が外国人から見るとエキゾチック! 展示されている絵は、Bissan Rafeさんの作品。

information


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Studio Kura
スタジオ クラ

住所 福岡県糸島市二丈松末586
http://studiokura.info/
糸島芸農 http://www.ito-artsfarm.com/

The End of the World

ついに、閉店の日を迎えて。

その寿司店は中目黒の高架下にあった。
カウンターだけの小さな店で、
60歳を過ぎたご主人が奥さんとふたりで30年近く切り盛りしていた。
その店のシステムとして、お酒を飲む飲まないに拘らず、
まず最初に3品ほど酒の肴が出る。
すべてその朝仕入れた魚介類で、煮物が多かったように思う
(春によく出たマテ貝、絶品だったなあ)。
それからの握りもすべてネタはおまかせ。
マグロの漬け、ヒラメの昆布じめ、あなご、カマトロの炙り、芽ネギなどなど、
それぞれ丁寧な仕事がほどこされたこぶりな寿司が約10貫、
タイミングよく出てくる。料金も実に良心的だった。
ご主人の誠実さと寿司への情熱がひしひしと伝わる名店で、
お連れした魚好きの友人・知人は数知れない。
しかし、ある日突然、ご主人から店を閉めると聞かされた。
それから閉店までの約1か月、ほとんど予約がとれない状態が続いた。
やっとの思いでとれた最後の席、
ご主人がいかにも冗談めいた口調で笑いながら言った。
「毎日この半分でも入ってくれていれば、閉めることもなかったんだけどね」
ぼくはといえば気の利いた言葉ひとつ返すこともできず、
笑顔を浮かべるので精一杯だった。
それにしても世の中というのは世知辛い、そして皮肉だ。

マチスタの閉店駆け込みバブルは、週が明けた火曜日から始まった。
のーちゃんの突然の発熱による病欠もあって、
まさに目が回るような思いの1週間だった。
そして迎えた最終営業日の日曜日。
ラッシュは開店の11時とほぼ同時に始まった。
最後だからというので、複数注文したり、帰り際に豆を買ったりして、
客単価が跳ね上がってくれるのは嬉しいんだけど、とにかくやたら忙しい。
午後からは常連のシノちゃんが助っ人に来てくれた。
同じく常連のタナカさんから、
「赤星クンが大変なことになってる、手伝ってやってくれ」
と緊急の連絡が入ったのだと言う。夕方からは甥っ子まで手伝いに来てくれた。
まったく手がすくということがなかった。
Tシャツは汗でぐっしょりだけど、着替える暇がない。
家を出る前に「さて、今日はどれをかけようか」なんて
悠長にセレクトしてきた4枚のCDも、バッグから出すこともままならず、
店内には前日からデッキに入っていた80年代のコンピレーションアルバムが
エンドレスで流れていた。

ようやくひと息つくことができたのは、陽も暮れかかった頃だった。
外の空気を求めてよろよろと店を出ると、
ジローちゃんが歩道のベンチに座ってギターを弾きながら歌っていた。
ジローちゃんはぼくが20代の頃に世田谷の植木屋で働いていたときの先輩の職人。
マチスタの閉店記念イベントは、
ジローちゃんによるレゲエのひとり弾き語りアンプラグド・ナイトだ。
しばらくして店内に場所を移し、
ジローちゃんはオリジナルを交えて15曲ほど歌ってくれた。
歌っている間、ぼくは作業台の内側に立ってアイスコーヒーを淹れていた。
不思議とさっきまでのカラダの重さはなく、疲れているわりに気分も軽かった。
ジローちゃんはアンコールにスキータ・デイヴィスの『The End of the World』を歌った。
愛が終わり、世界は終わっても人は生きなきゃいけないという、
だいたいそんな歌詞の曲だったと思う。
ジローちゃんのお気に入りに違いなく、前回のライブでもこれを歌っていた。
「Don’t they know it’s the end of the world」のフレーズ、
ほんのり切ないメロディとあいまって胸に響く。この夜はとくに滲みた。
ジローちゃん、じんと滲みた。

かくしてマチスタの営業が終了した。時間は夜の12時近く。
宴の名残をほとんどそのままにして消灯、外に出た。
入り口の鍵を閉めて、ガラス越しに暗くなった店内を眺めた。
もうここでぼくがコーヒーを淹れることはない、
お客さんがコーヒーを飲むこともない。
頭をよぎるのは作業台の向こうから見えたお客さんの笑顔だ。
でも、そこで感傷に浸るようなことはなかった。
そして自然と「どうもありがとうございました」と口から出た。
あの中目黒の寿司屋のご主人も、
最後に店を閉めたときはきっとこんな感じだったかもしれない。
じめっとした感じがまったくない。むしろ淡々としているのだ。
淡々として、清々しくて。

マチスタ・コーヒーに一度でも足を運んでくれた人たちには、
この場をかりてありがとうと言いたい。
来ることはできなかったけど、この連載を読んでくれていたり、
あるいは噂に聞いたりして少しでも思いを巡らせていただいた方々にも、
同じようにありがとうと言いたい。心からの、最大級の感謝だ。

そして、自分の責任はこの際すべて棚に上げておいてだ。
マチスタを許容できなかったこの世知辛い世の中には「バカヤロー!」と叫びたい。

(いかにも最終回の雰囲気を漂わせているけど、
この『マチスタ・ラプソディー』、実はもう少しつづく。あと、2回ぐらい?)

ルイジアナから夏休みで一時帰国している甥っ子のショーンも手伝いに来てくれた。この日の助っ人たち、ホント助かった。サンキュウ、みんな!

ジローちゃんのライブ終了直後の光景。ジローちゃんのギター1本のライブで締めくくるなんて、いかにもマチスタらしい最後を演出できたかなと。

深夜の閉店直前の光景。この夜、ぼくのたってのリクエストでDJ.TANAKAが80年代の音楽を実に気の利いたセレクトで回してくれた。サンクス!

松本醤油商店 前編

《登場人物》
松本公夫さん(以下、松本):株式会社松本醤油商店 代表取締役 
ジャスティン(以下、ジャス):著者

やっぱりこだわりの食材ができるまでのプロセスを一度肉眼で見ると、
そうでないのものには戻れなくなる。
醤油の場合はなおさら。
常に手に届く範囲に置いてあるという意味でも日本の台所に最も欠かせない調味料だ。
でも味つけ大国アメリカ(僕の母国だが)には
「Soy Sauce」は単なるソース」というカテゴリーにしか入らなくて、
多くの味つけの選択肢の中のひとつにしかならない。
(一概にすべてのアメリカ人がそう思っていると言えないが)。
一方、日本食の場合、どこの地域のでも、料理に無意識に足したり、
味や風味を調整することが多い。
生まれ育ちがアメリカの僕にとっては、そのような活かし方のある調味料は、塩ぐらいだろう。

だから考える。こんなに摂っているなら、やはり「本物」が摂りたい。
そう思って、「はつかり醤油」を製造している松本醤油商店へ向かった。

醤油づくりは難しい。

ジャス

まずは、醤油のつくり方をご説明いただけますか?

松本

大豆を蒸して、大豆を蒸す機械、
大豆蒸煮(じょうしゃ)缶と言うんですけどね。
小麦のほうは、一番端に小麦を煎る機械があって、そこで煎っているんです。
そして、小麦と蒸した大豆をまぜて、一番大事な工程だといっていい麹をつくる。
お酒なんかをつくる米麹はよくご存知だと思うんですが、
醤油の場合、米麹とは全く違ってどっちかというと麦麹に近い。
大豆と小麦を混ぜて、麹をつくってやります。

ジャス

麦麹に近いと言いますと、混ぜているからってことですか?

松本

「とも麹」という呼び方をするんだけど、大豆と小麦を混ぜて、
そこに麹菌を増やしてやるということです。
で、麹菌を増やすというのは、大豆と麹でカビを増やしてやるっていうことなので、
原理としては米麹でも、そういうものと同じですが、ただ麹の菌の種類が違う。
そういうことで、醤油をつくるための醤油の麹菌というものが
米麹とは違う種類なのです。

ジャス

自宅でお味噌をつくったりしている人はわりと多いと思うんですが、
醤油づくりってなかなか難しいってよく聞きますが、それはなぜでしょうか?
その麹をつくることが難しいんですか?

松本

そうですね。みなさんが使っているのはほとんど米麹なんですよ。
味噌も米麹。酒も米麹。
米麹を買ってきて、大豆と混ぜれば味噌になるということで、
みなさん自分でもよくつくるかと思うのですが、
麹自体をつくるのは一般の家庭じゃなかなか難しいんですよ。

ジャス

でも昔、醤油は一般の人もうちでつくったりしたんじゃないですか?

松本

昔は、我々のように会社としてやっているのではなく、
いろんなところをまわってお醤油とかつくってあげるっていう一般の人が、
川越あたりにも随分いたんですよ。

ジャス

なるほど。川越ではどこの地域にも一般的につくっていたのですね。

松本

いたんですよ。私は40年くらい前から醤油づくりに携わっていますが、
醤油づくりを始めた頃はまだひとりかふたり、
いろいろな道具、例えば醤油を絞る袋とかをわけてくださいって来る人がいました。

せっかくここまでやっているんだから、ノンアルでやりましょうよ。

松本

製品になる場所がこちらです。
2階にもタンクが並んでいますが、製品を全部2階のタンクに上げ、
プレートヒーターという機械で瓶づめをします。
ちょっと特殊でして、普通醤油は常温で詰めちゃうんだけど、
うちの場合は防腐剤も使っていないし、
いま当たり前になっているアルコールの添加もしないんですよ。
ですから、夏場なんか発酵する恐れもあります。
埼玉で江口卯三夫先生という醤油の権威の先生が研究をなさっているのが、
加熱充填という方法です。
味をおとさないようにして発酵菌も抑える温度設定をしています。
機械屋さんと一緒に新しい機械をつくって、
それで詰めて、アルコールの添加もしない。
防腐剤なども一切入れません。

ジャス

じゃあアルコール添加をしているところが結構……。

松本

ほとんどでしょ。
だから原材料のところに、
大豆・小麦・塩・アルコールっていうのは必ず入っていると思いますよ。
アルコールを入れちゃうほうが簡単なんだけど、
せっかくここまでやっているんだから、
アルコールは入れないでやりましょうよ、っていうのがモットーなんで。

ジャス

醤油に火入れするのは一回だけですか?

松本

一回だけ。
味に影響してしまうので、あんまり火を何度も通さないほうが良いんですよ。
加熱充填の温度は秘密ですし、特殊です。

ジャス

この桶の、趣というんですかね。
見た目だけじゃなくて
醤油づくりには本当にかけがえのない存在だと思うんですけど、
修理とかはどうされるんですか?

松本

いま、頭が痛い問題なんですよね。
その竹で出来ているのがタガ(箍)というんですけどね、

ジャス

これ、この周囲をとめている輪っかの部分ですか?

松本

そうそうそう。
それの掛け替えをしなきゃなんないんですよ。
それでタガがダメになっちゃったから、いま鉄の板を使っているでしょ。
でも、それをやると桶が傷んじゃうんですよね。
だから、本来は竹のタガのほうがいいんですよ。
掛け替えをしたいんですけども、
いまそれを掛け替えできる職人さんもあまりいなくなってしまいました。
これだけ大きい桶ですと、竹自体もかなり長さがないと使えませんので、
それもなかなか難しいのです。
この桶を直すのにこの間、見積もりを取りましたら、
一本を直すのに100万円って。
新しく桶をつくろうとしても、
うちにある桶と同じくらいの大きさだと370万かかっちゃう(笑)。
仕方なくうちで全部直しちゃうんですよね。
鉄の板はターンバックルというやつで。だめになりそうになったら、それをやって。
でも桶本体が傷んできちゃうんで、どうしようかと悩んでいます。

ジャス

大事な財産だから。

松本

そうそう。建物も毎年どっか直していますし、
10年、15年に一度は大規模な修復工事をしています。

ジャス

じゃあ、その修復ができる人、その職人さんはまだいらっしゃるんですね。

松本

昔のものを見たり、
蔵の修復に知見があるお年寄りが「いやここはこうだな」とかやりながら。
うちの蔵の工事をやる場合は、
若い人も見習いで入れるようにという指導があるんです。
なぜ、そんな古い醤油蔵が残っているかというと、
醤油蔵が川越市の都市景観重要建築物になったので、
大工事をやるときは市のほうで半分持ってくれるんですよ。
ですから、壁の工事をやったときも、
壁を直すだけで、1千万かかったんですが、
500万円は市で負担してくれるので直すことができました。

ジャス

でも、その昔ながらの天然熟成というか、
醤油づくりの技術はもちろんですけど、
どちらかというと桶。
これをつくれる技術とか職人さんがいなくなるほうが心配で……。

松本

そうですね。心配です。
古い建物を残そうとして、残してきたわけじゃないんですよね。
なんで残ってきたかというと、建物自体に微生物が潜んでいるので、
建物を取り壊すということは、微生物を捨てることになってしまいます。
その微生物を守るために、
やっぱり建物を守っていくのが一番良いということなんですね。

ジャス

目に見えない財産ですね。

松本

そうなんですね。それが一番の財産ですね。
この蔵でなければできないというものなので、
条件が変わっちゃうと、もう同じようにはできないですから。

ジャス

これから時代が変わっていくとともに、
微生物は醤油の味に影響を与えるんじゃないですか?
100年前の松本醤油さんのお醤油を味わってみたいな。
その微生物たちで、味わいがどういう風に変わってきたとかね。

松本

大変いいお醤油が微生物のおかげでできているということで、
全国の品評会なんかでも何度も日本一になったりしていますので、
もう絶対この蔵の微生物は残していかなきゃと。
昔はよく醤油工場に行くと、
こっそりハンカチとかでなぞったりなんかして、
その酵母菌などを盗んできて、培養をしたりする人もいたから、
その防衛策として、
蔵の中には同業者は絶対に入れないというところもあったりしたそうです。
結局はそこの場所の菌を外に持って行って、
培養して増やそうと思ってもダメみたいです。
そこの場所に合った菌というのがいるからです。
まだまだ酵母菌はわからないところだらけだし、だから面白いんですよ。

ジャス

すごく面白い。
やっぱり地域ならではの味というか、そこでしか表現できない味なんですね。

松本

だからね、まだ我々みたいな企業が生き残れるのは、
やっぱりその計り知れないものがあるからなんですよ。

ジャス

情熱的なファンが支えてくれるのですね。

松本

そうなんですよ。食品というのは、やはり千差万別で
1000人いたら1000人味覚が違うというところが、
我々みたいな小さいところが残っていけるひとつのアイデアだなと思っています。

ジャス

普通の消費者は醤油をどういう感覚で選んでいるんでしょうね。
まあ、そんなに考えていないかなと思いますけど。
新しいものを試してみても、
必ずしももう一回買ってくれるわけではないですよね。
普通に手元にあるものを買ったり使ったりとか、
無意識に近い感じで買ったり、摂ったりしていると思いますが……。

松本

特に調味料というのは、
使い慣れているものと違うものだと
ちょっと料理したときに違いが出てくるんでね。
わりと使い慣れたものを使っていくという人が多いんじゃないかと思いますよね。

 

後編では、こだわりの醤油を使ったオリジナルレシピをご紹介します!
to be continued!