連載
posted:2013.8.12 from:神奈川県横須賀市 genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ
sponsored by 宝酒造
〈 この連載・企画は… 〉
伝統を継承するということは、昔のものをそのまま受け継ぐだけではありません。
わたしたちの生活に合うよう工夫しながら、次世代に伝えることが、伝統を守ることにつながります。
酒造りの伝統を守りつつ次世代につなげる宝酒造と、
ローカルな素材を活かしてとっておきのつまみを提案するcolocalのタッグで
「きょうのイエノミ 旅するイエノミ」はじまりはじまり。
editor’s profile
Yayoi Okazaki
岡崎弥生
おかざき・やよい ●兵庫県、大阪府、神奈川県、福岡県、東京都(ちょっとだけ愛知県)と移り住み、現在は神奈川県藤沢市在住のローカルライター。最近めっきりイエノミ派となった夫のために、おつまみ作りに励む主婦でもある。
credit
撮影:山口徹花
仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、手軽で簡単、
しかもちょっとした旅気分が味わえる日本各地のおいしいものと
三浦半島の旬の食材を使った、和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。
夏バテ気味なら、なるべく早く帰ってゆっくりしたいもの。
理想としてはウチワあおいで夕涼みって感じですが
冷え冷えの和酒があれば、なんとかひと息いれられそうですよね。
そんなイエノミには、ピリ辛野菜の常備菜をぜひ。
食欲がなくてもツルンといけちゃう夏のキング・オブおつまみ、冷ややっこや
ちょっと贅沢においしいタコもいただいちゃいましょう。
どれも、料理研究家・飛田和緒さんのヘビロテおつまみ。
相方は、大分産本格麦焼酎をロックでキリリとどうぞ。
心地良い酔いで、ぐっすり眠れそうです。
夏本番となると、飛田さんちにはプールが登場します。
「思い切って買っちゃいました」という超特大サイズなので
組み立てだけでも2時間近くかかるとか。
でも海辺の家に来てから、エアコンが苦手になった飛田さんにとって
足だけでもぽちゃぽちゃさせて、ひんやり涼めるのはなにより。
しっかり動いて汗をかき、たっぷり食べてちゃんと寝る。
飛田さんの夏バテ対策は実にシンプルです。
暑い時期に欠かせないのが、埼玉から取り寄せるおいしい豆腐と
そろそろ庭のすみに顔を出し始めた掘りたてのミョウガ。
ぱぱっと手早く合わせると、こんなおつまみが出来ました。
飛田さんと「もぎ豆腐店」との出会いは、もう10年以上前。
当時住んでいた東京で、たまたま目に付いたので試してみたら
どの商品もはずれなしのおいしさだったとか。
「豆腐はもちろん油あげ、玉ねぎがんも、生あげでしょ」
と、お気に入りをすらすら数えあげる飛田さんです。
きょうは、何もつけなくてもおいしいという「只管豆腐」が主役。
一緒に届いた油あげも香ばしく空煎りし、庭のミョウガと合わせて薬味にします。
この「カリカリ油あげやっこ」を塩とオリーブオイルでいただくと
ふんわり柔らかな大豆の味わいで、疲れた身体が生き返るよう。
麦焼酎の香ばしさや甘さともよく合うんです。
大豆と麦の素朴な甘味の取り合わせ、日本の夏らしくていいですよ。
ところで、この「只管豆腐」とは、どういう意味でしょうか。
埼玉県本庄市にあるお店に電話してうかがってみると
なんとこれ「只管打座(しかんたざ)」という禅の言葉から。
「作りやすい豆腐より、作りたい豆腐を」と試行錯誤していた2代目が
ようやくできた自信作を、懇意にしていた少林山達磨寺の住職に持っていくと
「ただひたすら坐禅する」を意味するこの言葉を贈られたとか。
でも、達磨寺といえば群馬が誇る「高崎だるま」ゆかりの名刹ですよね。
埼玉の店なのになぜ群馬? と茂木清子さんに質問してみると
「本庄から高崎は電車で4駅20分、近いんですよ~」とのご返答。
対して、東京へは新幹線を使っても約50分。
東京のお隣とはいえ、埼玉はやっぱり広い。
上州・赤城山をのぞむ利根川沿いで、かつては中山道一賑わった宿場町
埼玉北西部にある本庄市は、昔から群馬とのつながりが深いんですね。
とはいえ、もぎ豆腐店では埼玉ローカルな試みもあれこれ。
「ごぼうがんも」には柔らかさが自慢の地元産ゴボウを使い
本庄の有機新玉葱を使った「ころまるがんも」を期間限定で発売。
秩父原産の埼玉伝承大豆「借金なし」を使った豆腐を
川越の老舗・松本醤油商店の「はつかり醤油」と合わせる提案もしています。
また、お豆腐と親しむための恒例イベント「ふわふわまつり」では
店独自のゆるキャラ「だいず君」も登場して、子どもたちに大人気だとか。
苦労の末構えた日本橋の店を東京大空襲で焼け出され
故郷で一から出直した初代・三之助さんの心を受け継いだもぎ豆腐店は
ここ本庄にしっかり根付いて、幅広いファンから愛されているのです。
『もぎ豆腐店』(埼玉県/本庄市)の只管豆腐と油あげ
●お取り寄せデータ
住所:埼玉県本庄市寿3-2-21
電話:0495-22-2331
FAX:0495-24-4194
営業時間:9:00~17:00(7~9月は18:00) 火休
Webサイト:http://minosuke.jp/
※北海道・帯広産と帯広近郊の音更町産大豆を使用した「只管豆腐」567円
伝統圧搾国産菜種油(島根県出雲産など)で揚げた「油あげ」231円
●つくりかた
1 ミョウガ、シシトウを細切りにする。
2 油あげは中をさいて細切りにし、フライパンで空煎りする。
3 1と2を合わせて豆腐にたっぷり載せる。
※オリーブオイルと塩、だし醤油などでいただく。
油あげはしっかり焦げ目がついた方がおいしい。
薬味野菜は九条ネギなど、家にあるもので。
1年中出回っているオクラですが、旬は夏なのをご存じですか?
独特のねばりが夏バテ予防に効果的ともいわれ
飛田さんも、近所の直売所で露地物をたっぷり買いこみます。
さっとゆでて納豆感覚で食べたり、コーンと一緒にスープにしたり。
いろんな食べ方を試したけれど、いまハマっているのがこちら。
しゃきっとした歯ごたえが楽しめて、ピリリと爽快。
食べ出したら止まらなくなる、いかにも夏らしい常備菜です。
ポイントは、塩で板ずりしたオクラを一晩冷蔵庫で寝かせること。
青臭さが抜けるし、ゆでるよりも圧倒的に食感が良くてびっくり。
また飛田さんはきれいにシソを巻いて出しますが
巻きながら食べてもいいし、面倒なら手でちぎって和えてもいいかも。
キムチよりもさっぱりしているキムチ風。
食欲がないときこそ、試してみてくださいね。
オクラとシソのキムチ風
●つくりかた
1 洗って塩をふったオクラをまな板の上でごりごりころがす。
2 保存容器に1を並べ軽めの重しをして一晩冷蔵庫で寝かす。
3 しんなりしたオクラをさっと水洗いして紙タオルで水気をとる。
4 おろしニンニク、おろし生姜、粉唐辛子、醤油、ごま油に砂糖ごく少々をよく混ぜる。
5 4に3を入れ半日ほど漬けたら半分に切ったシソで巻く。
※粉唐辛子の替わりに赤唐辛子の小口切りを入れてもいい。
漬ける時間がなければ漬け汁とあえただけでも大丈夫。
「大事なポイントはただひとつ、おいしいタコを手に入れること」
って、飛田さん、ご自分にアドバンテージあり過ぎじゃないですかー
というのも、飛田さんの家からすぐそばの漁港は
「西の明石、東の佐島」といわれるほどタコがおいしいことで有名。
なじみの鮮魚店なら、電話1本で極上のものを取り置きしてくれるというのです。
また仲良しの網元さんは、シラスをゆでた釜の湯でタコをゆでるので
シラスのうまみがほんのり移り、最高においしいんだとか。
いかにも海のそばらしいご馳走ですね。
でも、スーパーで売っている普通のタコでもたぶん大丈夫。
それはこのサルサソースがとてもおいしいから。
真夏にさっぱりいただけるよう、あえてオリーブオイルは加えず
そのかわりフレッシュなレモンをたっぷりしぼります。
白身魚のカルパッチョはもちろん、ちょっとくどめの挽肉料理など
タコに限らず、なんでもかけて召し上がれ。
ちなみに噂に名高い佐島のタコは、硬すぎず柔らかすぎず旨みもたっぷり。
切って出すだけで贅沢なおつまみに早変わりするなんて
反則ともいえそうなぐらいの絶品でした。
タコのカルパッチョ
●つくりかた
1 トマト、ピーマン、タマネギをみじん切りにする。
2 1にレモン汁、塩、胡椒を合わせて混ぜる。
3 薄切りにしたタコに2のサルサソースをかける。
※お好みでタバスコ少々、みじん切りにした青唐辛子や香菜もぜひ。
レモン汁は、できればフレッシュなものを使って。
サルサソースは瓶などに入れ冷蔵保存できる(日持ち約5日間)。
●飛田さんのお気に入り鮮魚店
井本商店(神奈川県/横須賀市) 電話:046-856-0230
丸吉商店(神奈川県/横須賀市) 詳細
「しらしんけん」とは大分の方言で「一生懸命」のこと。
本場大分の本格麦焼酎のおいしさを、より多くの人に楽しんでもらいたいと
麦本来の香ばしさや甘さを引き出すと同時に、飲みやすさを真摯に追求。
長年の研究と独自の技術を注ぎこんで誕生したのが「知心剣」です。
「知心剣」の故郷は大分県臼杵市の山あいの里。
材料は国産二条大麦100%で、黒麹を用いた麦麹だけで仕込み
独自の低温蒸留と貯蔵法により、香り高く口当たりの良い味わいに仕上がっています。
本物のうまさがありながら、すっきり飲みやすい本格麦焼酎「知心剣」は
暑い時期なら1対1の水割りをロックで飲むのがお薦め。
夏らしいおつまみとの相性もぴったりです。
本格麦焼酎「知心剣」(しらしんけん)720ml
○問合せ先/宝酒造株式会社
お客様相談室
TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)
profile
KAZUWO HIDA
飛田和緒さん
1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。
Feature 特集記事&おすすめ記事