映画『ペンギン夫婦の作りかた』 台湾での題名は 『企鵝夫婦』になりました。

暁峰さん、実は料理マスターズの一員です。

辺銀暁峰&愛理夫婦がモデルとなった映画『ペンギン夫婦の作りかた』、
新石垣空港の開港を記念して、
暁峰さん役を演じたワン・チュアンイーさんの母国、台湾で公開中です!
題名はずばり中国語でペンギン夫婦を意味する『企鵝夫婦』。

台湾でも日本と同じように「観終わったら、おなかがすいた!」と
ハートだけでなく、胃袋を刺激される観客がたくさん。
映画館で見逃した方は、DVD&ブルーレイディスクをぜひともご家庭で。
家でならば、おなかがすいても、困りませんから。

さて、暁峰さんについて、大事なことを紹介するのを忘れていました。
3年前、農林水産省はシェフや料理人を対象にした
顕彰制度「料理マスターズ」を創設しました。
これは料理人としての技術・技能はもちろん、日本の食、食材、食文化の
素晴らしさに誇りを持ち、生産者や企業と一緒に、
その発展へ貢献している料理人を表彰するというものです。

暁峰さんは、愛理さんと一緒に
島唐辛子をはじめ石垣島産の食材を使った「石垣島ラー油」を開発したこと、
島内ではごく普通の食材を使った料理をペンギン食堂で提供し、話題となり、
島外からの注目を集めて、石垣島の食材の価値向上に貢献したことから
山形県鶴岡の「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフなど6名と一緒に
平成22年に「第1回料理マスターズ ブロンズ賞」の受賞者となりました。

そんな凄腕料理人である暁峰さんに、
台湾での映画『ペンギン夫婦の作りかた』公開を記念して
「石垣島ラー油」を楽しめる一皿、おいしいレシピを教えてもらおうという特別編です。

楽しく賑やかにということで、友人の和知 徹シェフにお相手をお願いしました。
東京銀座のフレンチレストラン「マルディグラ」は豪快な肉料理でおなじみの店です。
和知シェフ、3年前にはペンギン夫婦を訪ね、“石垣島で食いしん坊”の旅へ。
暁峰さんと愛理さんに案内されさまざまな島の食材を味わったのですが、
その中で強く印象に残ったのが、この連載の第4回
愛理さんが紹介していた川満養豚の「もろみ豚」でした。

滞在中に特別に許可を得て養豚場やハム、ソーセージの加工場を訪ね、
泡盛のもろみと川満さんの愛情をたっぷり受けて育っている様子や
肉質をその目で確認していた和知シェフ、
「それなら石垣島ラー油ともろみ豚で、スペアリブ作りますよ」と即決です。

ところで和知シェフ、映画『ペンギン夫婦の作りかた』いかがでしたか?

「主役のふたりがたくさん食べる場面が、何度も出てくるけれど、
確かに愛理さんと暁峰さんはあれぐらい食べるなあと思って観てました。
それと野菜を炒める場面が多いのも面白かった。

本州の家庭料理では、野菜を炒めることって案外少ないんです。
でも沖縄の人はゴーヤ、オオタニワタリ、パパイヤとか野菜をよく炒めるし、
暁峰さんの故郷中国も同じように炒めものが得意だから、
島で初めて見る野菜にも、料理方法の“勘”があったんじゃないかな。

食べ物に貪欲な興味があったからこそ、はじめは何もわからなくても
島のお年寄りや友人に教えてもらい、もちろん自分たちでも手探りして
いろんな島の食材を自分たちで使いこなせるようになった。
その努力の結果で、香り豊かな石垣島ラー油が誕生したことも納得しました。

ピパーチ(島胡椒)をすりおろす場面で、粉の刺激がすごいじゃないですか。
ピパーチにはすごく興味があります。生でなっているのを見てみたい。
今度は自分でピパーチを作りに、石垣島に行きたいですね」

映画『ペンギン夫婦の作りかた』は、もりもりと食べる場面の連続! 湯気の立つ料理を作ったのはもちろん、愛理さん、暁峰さん、ペンギン食堂のスタッフ。そのおいしさに監督から「カット!」の声がかかっても、主役のふたりは箸を置くことがなっかたとか。© 2012『ペンギン夫婦の作りかた』製作委員会

地場産きのこの あんかけ麺がおすすめの 「三幸軒」

寒い季節は、熱々のあんかけが無性に食べたくなるもの。
ヤケド覚悟でふぅふぅ言いながら頬張る冒険感がたまらないんですよね。
創業地の長野市から約25年前に中野市に移転して、
今では中野市役所の南で営業を続けている中華料理店「三幸軒」の名物もまた、
地場産のきのこをたっぷり使ったあんかけラーメン。

「三幸ラーメン(800円)」に乗せられた大振りのきのこたちは、
歯を立てた瞬間にプリッとした歯ごたえを感じ、
その直後にじゅわっと口中にうま味が広がります。これがもう、たまりません。

旬を味わえる限定麺は、
出合えたときが食べ時!

ほどよい甘さが絶妙のスープは、
鶏ガラ、豚のげんこつ、野菜をベースにしているそうで、
中太のストレート麺となんともまぁ良く合うこと!
あんかけラーメンの他にも、ネギがおいしい冬の時期限定で提供される
「ネギみそラーメン(800円)」など、
地元の旬の味にも出合えます。
しかも、このお店のおすすめはラーメンだけではありません。
中華料理を気軽に楽しめる店とあって、一品メニューも豊富。
年に数回、地酒と中国料理を楽しむイベント、
「食酒楽会」も行っているそうです。

information

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三幸軒

住所:長野県中野市大字中野262-5

TEL:0269-26-0292

営業時間:11:30 〜 14:00、17:30 〜 21:00

定休日:月曜(祝日の場合は翌日)

Web:http://sankouken.blog.fc2.com/

注文後に生地を伸ばす 激ウマ餃子店「萬福」

カウンター席のみの小さなお店「萬福」の餃子のオリジンは、
中国出身の店主、福山万奇さんの母上が家庭で作っていた餃子。
お母さんのレシピを、福山さんがアレンジして、この店の名物になりました。

福山さんは注文を受けた後に、目分量でカットした生地を伸ばし、
直径15センチほどの皮にショウガや野菜の入った具をたっぷり包んでいきます。
この様子をカウンター越しに眺めながら待っていると、
どんなに大きな餃子になるのだろうかとワクワクしてしまいます。

こだわり詰まった家庭の味は、
モチモチ生地がなんとも美味!

焼餃子定食並(700円、みそ汁、ごはん付き)には餃子が6個。
ずっしり重みのある餃子は、
表面はサクッとしながらもモチモチの生地が美味。
焼餃子には中力粉、水餃子には強力粉と粉を使い分けたり、
もっちり感を出すために生地を冷蔵庫で寝かせたりと、
いくつもこだわりがあるのだそう。

にんにく無しのさっぱり味は、
サラリーマンの強い味方!?

シャキシャキした歯ごたえの野菜がたっぷり入っているからか、
思いのほかさっぱりしていて、ほんとに美味しい!
にんにくも入っていないから、ランチにも匂いを心配せずに楽しめる、
というわけで、サラリーマンや付き合いたての恋人同士(?)には嬉しいところ。

まずは何も付けず、次はしょう油で、その後は香酢で……という具合に、
バリエーションを加えながら味わうことで、食べるごとに美味しさを発見できます。
ちなみに! 餃子が美味しいだけでなく、
四柱推命や手相で占いも見てくれるという。
この、なんともユニークな餃子屋さん、
ぜひ旅行のプランに組み込んでみてください!

information

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萬福

住所:長野県上高井郡小布施町千両43

TEL:090-8326-6474

営業時間:11:30 ~14:00、17:00 ~ 19:30

定休日:日曜

静かな森に包まれて 上質な読書を楽しめる 「キジブックス」

北軽井沢の森の中にある「麦小舎」は週末だけオープンするカフェ。
そのカフェに、古本と紙雑貨「キジブックス」が併設されています。
「気兼ねなく普通にお茶しに来る感覚でどうぞ」。
そんなオーナー夫妻の優しい物腰が素敵です。

どんどん登った山道の果てに現れる、
温もりのある山荘カフェと古書店。

麦小舎は、軽井沢の喧噪を抜け、不安になるほど山道を登って、
さらに未舗装の道をぐんぐん進んだ先に、そっと現れる木造の山荘です。
注意深く見ていないと見逃してしまうような、小さな猫の看板を辿った先にたたずんでいます。

2006年から平日は別々の仕事をしつつ
週末にカフェと古本屋を営むスタイルをとるおふたりの、
黙々と、でも楽しげに働くおふたりの姿が印象的です。

わざわざ足を運んだ地で、
料理と本をのんびり味わう多幸感。

ずらりと本が居並ぶ本棚から、
気になった本を手に取って、カフェでページをめくっていると、
目指して来ない限りは辿り着けないような場所ゆえの、
のんびりとした、でもあたたかくて、
「とっておき感」満点の空気が身を包みます。

メニューの人気は、手作りパンを使ったハンバーガー。
合挽ハンバーグのハンバーガーは、
パテもさることながら野菜がとても美味しく、スープとポテト付き。
そんな身体に優しいメニューが並ぶカフェと、
納屋のような一坪ほどのスペースに、所狭しと本が並ぶ古本屋は、
どちらも単体としての利用も可能です。
旅行で訪れるならおすすめは春から夏にかけて。
温かい季節になれば、庭にあるハンモックも利用可能で、
身も心もすっかりリラックス。
自然あふれるこの場所に足を伸ばして、
とっておきの時間を過ごしてみてはいかが?
(※写真はすべて2011年当時のものです)

information

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麦小舎・キジブックス

住所:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1990-3407

営業時間:土曜・日曜・祝日の10:00 ~ 16:30(LO16:00、10〜11月は16:00閉店)

定休日:月曜~金曜

Web:http://www.mugikoya.com/top.html

宿泊もできるお風呂屋さん 「信州健康村」

ジャグジーバスや薬湯などさまざまな種類の大浴場と、
マッサージコーナーや休憩室、食堂などを合わせ持つ健康ランド。
入浴道具はひと通りそろっているので、手ぶらで行ける上に、
ここ信州健康村では、なんだかかわいいムームーまで借りられるという
なんともうれしいシステムも!
24時間営業なので、いつでも気軽に出かけることができます。

予約不要で宿泊OK!
ひと休みにぴったりの仮眠室もあり。

利用者は、近所の主婦からご老人、出張のサラリーマンや学生まで幅広く、
1人でも、友達や家族とでも使えるのがうれしいところ。
予約不要で宿泊もできますし、
薄暗さも温度もほどよく設定された仮眠室もあるので、
ちょっとだけ仮眠をとるのにも最適なのです。
旅行で疲れた体を休めるのにも。
日帰りのはずだったのにもう少し長野に長居したくなったときにも。
どちらもおすすめです!

information

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信州健康村

住所:長野県長野市篠ノ井会

TEL:026-292-8126

料金:9:00 ~ 0:00 1200円、9:00 ~ 翌9:00 2500円(深夜料金1300円含む)

併設のホテルは1泊6825円~

Web:http://www.kenkomura.com/

タイ料理店「アロイ食堂」。 人気の秘密は、本場感あふれる 料理と家庭的なおもてなし。

裏通りに面しているものの、口コミで評判が広がり、
今ではすっかり人気店となっている、タイ料理屋「アロイ食堂」。
それもそのはず。オーナーの小林さんご夫妻は、慣れ親しんだ本場の味を再現するために、
毎年夏にタイへ渡るというこだわりの持ち主だから。

野菜たっぷりヘルシー麺には、
調味料のチョイ足しがマッチ!

おすすめのひとつは「クティオ ナーム」(800円)。
鶏の身をベースにしたスープに米麵と野菜、鶏ひき肉がたっぷりで、
ヘルシーだけど男性も満足できるボリュームが魅力です。
テーブルに用意されたナンプラーやお酢や砂糖や唐辛子など4つの調味料を少しずつ足しながら、
自分好みの味に調整するのがポイント。
この他のメニューも、可能な限り添加物を使わず、
旬の野菜を使用しているため安心して楽しめます。

オーナー夫妻の優しさに、
また通いたくなること間違い無し!

混雑時に店主の小林裕樹さんが「先にクティオ頼んだ方は?」と聞けば、
客同士で「この人だよ~」と譲り合う、あたたかい雰囲気が魅力的。
「店に来てくれた人は家族のようなもの」と話す小林さんの、
気さくな接客がそうさせているに違いありません!
また、料理担当のリエさんは、
寒い日は辛く、風邪を引いている人には漢方の効果もある香草を多めにするなど、
心とカラダに染みる気遣いをさりげなくしてくれます。
思わず距離を縮めたくなるタイ食堂。
リピーターが多いのも納得!
こんな、地元の人気店との出会いも、旅行の醍醐味じゃないですか!?

information

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アロイ食堂

住所:長野市新田町1108 小林ビル1F

TEL:026-234-7540

営業時間:11:30 ~ 14:00(LO13:30)、17:30 ~ 20:00(LO19:30)

定休日:土曜・日曜・祝日

アウトドアガイドのオーナーと、 山や川へのツアーも。長野駅前の 「森と水 バックパッカーズ」

長野駅から徒歩5分の「自由な安宿」。
アウトドア満喫旅行の拠点にも。

「森と水 バックパッカーズ」は、アウトドアガイドの三井明高さんが、
長野駅前の5階建てビジネスホテルを改装したリーズナブル極まりない宿。
以前は、東京から新幹線で長野に来る旅行者をメインに、
戸隠や白馬のガイドをしていたという三井さん。
「前日から長野にお越しいただき、翌早朝から山や川などにお連れできるので、
より長野を楽しんでいただける」
と、宿を作ったメリットをガイドならではの観点から語ります。

以前は2階と3階の4室を宿泊者向けに使っていましたが、
線路沿いの立地を利用した「トレインビュールーム」を新たに設置。
音が少しうるさいですが、その分、個室・ドミトリーともに料金が割安に。
5階の屋上から見下ろす長野市内の眺めも抜群で、夕涼みにもおすすめです。

information

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森と水 バックパッカーズ

住所:長野県長野市中御所1-6-2

TEL:026-217-5188

料金:

ドミトリー:標準(男女別。4人部屋。エアコン付き。2段ベッド)2500円

ドミトリー:トレインビュー(男性のみ。雑魚寝タイプ。冷房無し。鉄道ファン向け)2200円

個室:標準(エアコン付き)ツイン3500円・トリプル3000円・クワッド2500円

個室:トレインビュー(エアコンなし)ツイン2500円・トリプル2200円・クワッド2000円

※すべて1人あたりの料金

Web:http://www.morimizu.net/

民芸ファン垂涎の宿 「まるも旅館」

全国津々浦々の民芸ファンが「一度は泊まりたい」と憧れる「まるも旅館」。
幕末の1868年(慶応4年)、新田茂八郎氏によって創業され、
茂八郎の「も」の字をとって「まるも」と名付けられたといいます。

100年以上の歴史が醸し出す、
その情緒に国内外のファン多数!

創業当時の建物は1887年(明治21年)年の大火で消失してしまったため、
直後に火災に強い土蔵造りに再建されたのが現在の建物。

古くて黒い木の格子戸をくぐると、和風旅館ならではの風情が漂い、
館内は全8室とコンパクトながらきれいに手入れされているので落ち着きます。
宿泊客の5割は外国人で、リピーターも多数とか。
その他、30~40代の女性のひとり旅も多いというのもこの雰囲気ならうなずけます。

早朝営業のカフェが併設。
店内の民芸家具は見どころのひとつ。

また、朝8時から営業している併設の喫茶店「まるも」は、
松本民芸家具の創立者・池田三四郎氏により1956(昭和31)年に建てられたもの。
松本民芸家具が店内の至るところに配され、細部まで民芸のこだわりが感じられます。

ちなみに1階の食堂で食べる朝食もおいしいと評判で、
炊きたてのご飯に川魚の塩焼き、上品なたまご焼きなど、
シンプルながらも細やかな気配りが感じられ、
朝からたっぷりの情緒に絡め取られ、劇的に幸せ。

information

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まるも旅館

住所:長野県松本市中央3-3-10

TEL:0263-32-0115

料金:1泊5250円・朝食代1050円

Web:http://www.avis.ne.jp/~marumo/index-j.html

Mail:marumo_ryokan@ybb.ne.jp

長野市初のゲストハウス 「1166 バックパッカーズ」

バックパック旅行者向けのリーズナブルな宿としてオープンした直後から、
善光寺門前エリアの名物にもなっている「1166バックパッカーズ」。

全部で12人が泊まれるだけの小さな宿ながら、
道路に面している共同ラウンジにはいつでも旅行者と地域住民が集っていて、
地元の人々もついつい立ち寄りたくなってしまう雰囲気が魅力です。
それもひとえに、オーナーの飯室織絵さんのキャラクターによるものではないでしょうか。

“旅のおもしろさを伝えたい!”
原点は、自らの旅体験から。

そもそも飯室さんが安宿を開業しようと思った理由は、
「旅行のおもしろさをもっと発信したい」と思ったからだと言います。
カナダやオーストラリアで働き、世界各地を一人旅した後、
実家がある関西に戻るも、満員電車に耐えられず、
上高地のホテルで勤務していた飯室さん。
その頃にはすっかり「旅」が生活に密着していたといいます。

オープンするなら、
新たな動きのあるマチで。

そんな飯室さんが開業の地として選んだのは善光寺門前でした。
「上高地に住んでいたから松本の方が馴染みはあったけど、
すでに町として完成されているような気がして。
ここならは空き家を改装して起業する新しい動きがあったから、
よそ者でも溶け込みやすいんじゃないかと思ったんです」とのこと。

長野市に拠点を構えてから、わずか4ヶ月後にはすでに開業するという、
驚異的スピードで駆け抜けるパワフルさを持ちつつ、
「3ヶ月は客が入らなくてもやっていける」くらいの貯蓄もあったという
計画性と芯の強さも、飯室さんの魅力。
蓋を開けてみれば、開業直後から来客が絶えない状況が続いたわけで、
それもまた、飯室さんの個性と人柄が大いに関係しているはずなのです。

旅行者と地域のつなぎ役
オーナー自らがマチの魅力を発信!

地域イベントには積極的に顔を出し、自身のブログでは地域行事を頻繁に紹介している飯室さん。
宿泊者の9割は一人旅の旅行者で、外国人バックパッカーも多く、
玄関には地域のイベントや周辺のお店のチラシの他、
旅行者に向けたガイドマップや乗り物の時刻表なども揃っています。

「長野市にはこんなにおもしろい催しがあるから気軽に遊びにきてみない?」
といった具合に、旅行者と地域とをつなぐ存在の彼女が今めざしているのが、
「ゲストハウスの認知度のアップ」。
より多くの人に安宿の存在を理解してもらい、
気軽に旅を楽しんでもらいたいと考えているそうです。

information

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1166 バックパッカーズ

住所:長野県長野市西町1048

TEL:026-217-2816

料金:1泊2600円(男女別相部屋) 個室:1~2名利用5600円/3名利用7200円

定休日:不定休(ほぼ年中無休)

Web:http://www.1166bp.com/

徹底した地産地消! 極上の蓼科フレンチ! 「オーベルジュ エスポワール」

オーベルジュとは宿泊施設を備えたフランス発祥のレストランのこと。
「レストランで土地の食材と地酒を堪能し、食後は併設の客室に泊まる」という、
美食大国フランスならではのグルメ旅を満喫できるのがこのお店です。

使用する食材は、
シェフ自らの目で厳選。

このオーベルジュで味わえるのは「土地の食材」。地産地消がキーワードです。
しかしながら、エスポワールのオーナー藤木徳彦シェフによると、
「残念なことに日本には地産地消を徹底しているオーベルジュは少ない」とのこと。
「地産地消と言っても、ただ地元食材を使えば良いというわけではないんです。
例えば、直売所で売られる野菜が実際にどこで採れ、
どれだけ農薬が使われてるかわからないでしょう?」

農作業や収穫の経験が、
食材や生産者への愛につながる。

そのため、シェフが使う食材は、実際に生産場所まで足を運んで目で確かめ、
生産者と話をして仕入れたもののみだそう。
ときには、シェフだけでなくスタッフ全員で農作業や収穫を行い、
生産の大変さを知る機会を作るのだとか。
そうすることで、食材のロスは少なくなり、お客様との会話に深みも増したと言います。
「レシピは生産現場にいると自然に思い浮かぶ」とワクワクと話す様子に、
こちらまで心躍る気分になります。

血や骨までも楽しめる。
期間限定の信州ジビエ。

エスポワールで使う地元食材は、
ほかにも山菜やきのこ、チーズ、ワインなど多彩ですが、
特に特徴的でおすすめなのは本格的「信州ジビエ」。

毎年11月15日から2月15日は狩猟解禁となり、
季節限定の特別な味覚を楽しみに訪れる遠方の客も多いそうです。

通常は捨てられる血や骨までソースにして、尊い命に感謝を込めて調理する。
まさに地産地消の極み!
生産者と食材への深い愛情を感じるシェフが繰り出す料理の数々を味わうこと自体が、
長野への旅行の目的になってしまいそう。

information

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オーベルジュ エスポワール

住所:長野県茅野市北山蓼科中央高原

TEL:0266-67-4250

営業時間:ランチ 12:00 〜 14:00 LO ディナー 18:00 〜 20:00 LO

定休日:木曜・月1回水曜休(8月無休 3月第3、4週休業)

料金:1泊朝食付8715円~(宿泊プランにより異なります)

※宿泊料金はこちらをご参照ください。

Web:http://www.auberge-espoir.com/

徹底して上質なスイスの雰囲気! 「ホテルハイジ」

元皇族、旧東伏見宮家の末裔に当たるご主人が、
先祖の別荘跡に1975年に建てたチロル風ホテル「ホテルハイジ」。
スイス旅行を好み、幾度となく出かけたオーナーが、
当地のホテルと同じような建造を希望したのをきっかけに、
スイス感あふれるホテルになったのだそう。

徹底したスイスぶりに拍手!
高級感漂う世界は、どっちかといえばクララ寄り!?

気になる名前の由来は、「日本人に馴染みが深いスイス」ということで、
当時放映していた人気テレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」から。

外観から内装、調度品やチロル風の民族衣裳を模したスタッフの制服まで、
その徹底したスイスぶりはまさに「ハイジ」の世界そのもの!
ですが、むしろその高級感からは「クララ」といった趣が漂います。
……ちなみに「クララ」の名前は併設のレストランに名づけられてます(笑)。

素材本来の美味しさを活かす、
バター、クリーム不使用のフレンチ!

実はレストラン「クララ」で提供される料理は、
素材の味を生かすためにバターとクリームを使用しないフランス料理で、
これが本当におすすめ。香辛料やハーブなどを使うことで、
ベースのフォンのコクはそのままに、より軽やかに味わうことができるのです。

料理ひとつとっても細やかな気配りが感じられるため、
圧倒的にリピーターが多いというのもうなずけます。
廊下の一角にひっそりと飾られた天皇家や皇族の人々が訪れた際の写真で、
贅沢な気分はますます高まるばかり。
旅行ならではの非日常的世界を堪能してください!

information

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ホテルハイジ

住所:長野県茅野市蓼科高原1-1

TEL:0266-67-2001

料金:1泊6000円~(宿泊プランにより異なります)

※宿泊プランはこちらをご参照ください。

Web:http://www.hotelheidi.co.jp/

民宿発祥の地で生まれ変わった 新民宿「はばうえ」

白馬村観光局を中心に生まれ変わった「新民宿」は、
今までの民宿とは少し様子が違います。
そもそも民宿とは、経営者家族と宿泊客はひとつ屋根の下で寝起きし、
寝室以外は全て共用のため、家族の温かみが感じられる反面、
いささか生活感が色濃いので、宿泊するには少し不便さを感じることも……。

長い歴史で築かれた文化を、
おもてなしの目線で新しく。

そこで「新民宿」では、まず家族空間と客室を分け、
共有部分はシンプルにしつらえ、家庭的な雰囲気を薄め、
料理は地元で採れた旬の食材で美しく盛りつけます。
その他にも、調度は天然素材で温かみのあるものに変えたり、
チェックイン・アウト時間に余裕を持つなど個人客への気遣いがたっぷり。
以前よりも「おもてなし」を大切に考えたのだそうです。
こう書くと「そんなの当然」と感じるかもしれませんが、
白馬民宿の長い歴史で築かれた文化を変えるのは決して容易ではありません。

清潔感を考慮したリニューアルで、
宿泊客の満足度もアップ。

「はばうえ」を経営するのは、宮田公江さん&康子さん母娘。
康子さんが10歳の時に両親が民宿を始めたそうですが、たとえば、
「今までのお客様から頂いたお土産を壁に飾っていたのですが、
それを片付けるのはなんだか申し訳ない気がして……」など、
とまどいも少なくなかったそう。

外観は従来の民宿のままに、食卓からは畑が見えるように、
部屋はノイズをなくして清潔感があふれるしつらえに変えたことで、
「冬はスキーがあっても、夏は目玉がなく引け目を感じていたのですが、
居心地を優先する今はお客様が満足しているのがわかります」とのこと。

もちろん従来の民宿にも良さはありますが、
宿の選択肢と民宿の可能性を広げつつある「新民宿」、
長野旅行の宿泊先として、ぜひおすすめしたい! と思います。

information

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白馬新民宿 はばうえ

住所:長野県北安曇郡白馬村北城11236

TEL:0261-72-2531

料金:1泊2食付8500円、1泊朝食付6000円、素泊まり5000円

会話が楽しい貸本屋 「ブックパッカーの アンテナサイト」

松本市里山辺にある小さな貸本屋「ブックパッカーのアンテナサイト」。
コンクリート打ちっぱなしのがらんとした店内には、ほとんど本が見当たりません。
というのも、訪れたお客はまず店主のウチダゴウさんと
「こんな本を探している」という話をして、
その上でウチダさんがバックヤードの本をいくつか出して来てくれるというシステムだから。
その本を気に入ったら晴れて契約成立、1か月間借りることができます。

本を持ち寄り、話をすれば、
自分のことも見えてくる。

そもそも「ブックパッカー」とはウチダさんが2008年1月に東京で始めた本の小さな集まり。
各自好きな本を持ち寄って本の話をすることで、
参加者は新たな本に出合い、またそれによって他人と話し自分を知ることができるといいます。
そんなブックパッカーの新たな働きが、話をして本を選ぶ、この「アンテナサイト」なのです。

魅力たっぷりのオーナーと、
椅子に腰掛け、話す楽しみも。

もともとウチダさんは、風刺的でユーモアに富んだ詩や寓意を含む絵本の執筆、
イラスト製作やコピーライティングなど、さまざまな仕事を手がけています。

それと同時に「ブックパッカー」だけでなく、本にまつわるさまざまな催しも開催。
2012年には、出版した詩集『空き地の勝手』をたずさえて
各地を巡るライブツアーを開始し、単なる詩の朗読会ではなく、
音楽と食とを融合させた独特の世界観を展開しました。
ほかにも、旅先の本屋で魅了されたイラストレーターの作品を
「ぜひ地元の人々にも紹介したい」との思いから企画展を開催したり。

執筆業という枠組みを越えて精力的に魅力ある活動を繰り広げるその様子からは、
「素直に良いと感じたものを世に広げたい」という
ウチダさんの心意気を感じるとともに、
本を通じて多彩な人々と出会うブックパッカーの真髄にふれることができます。
長野を旅行で訪れたなら、まずは好きな椅子に腰掛けて
ウチダさんとゆっくり話してみてください。
きっと新しい自分が、見えてくるかもしれませんよ。
おすすめです!

information

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ブックパッカーのアンテナサイト

住所:長野県松本市里山辺3338-1

営業日:不定営業・不定休(要事前問い合わせ)

Mail:info@bookpacker.org

Web:http://bookpacker.org/site/

蔵書の数が自慢! 四方を本に囲まれた 「遊歴書房」

蔵書はなんと約1万冊!
ベテラン書店員が作り出す人文書の森

市内大型書店に7年間勤めた経験のある宮島悠太さんが、
善光寺門前にあるビニール工場の倉庫を改修した「KANEMATSU」の一角に、
古書店「遊歴書房」を開いたのは2011年のこと。
高校卒業後、バックパックで世界中を旅し、各地の宿を泊まり歩いたという宮島さん。
宿には様々なバックパッカーが残して行った本が積まれていることが多く、
そんな本から広がる世界を知り、読書にハマるようになったそう。
宮島さんが30代半ばになったある時、
「納得することをしたい」と長年勤めた大手書店を退社、
遊歴書房のオープンへと踏み切りました。

もともと専門書を扱いたいという思いを胸に秘めていたという宮島さんが作り出すのは、
人文科学や歴史、哲学、宗教、社会などの要素が詰め込まれた「人文書の森」。
蔵書はなんと約1万冊にものぼります。
四方の壁をすべて本棚で囲み、国別や文化別に棚を編集し、
世界地図の本棚を作ることで、店に足を踏み入れるだけでどこかに旅したくなるような、
エンターテイメント性のある空間作りを目指しているのだとか。
ちなみに気になる店名の由来は「世界を遊歴して、歴史と遊ぶ」という、
お店のコンセプトイメージだそう。

information

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遊歴書房 

住所:長野県長野市東町207-1 KANEMATSU

TEL:026-217-5559

営業時間:11:00 〜 19:00

定休日:月曜・火曜

Web:http://www.yureki-shobo.com/

眺めの良い 2階での読書がおすすめ! 「Book&Cafe ひふみよ 」

善光寺門前の雰囲気に惹かれてオープン

2011年にオープンしたBook&Cafe ひふみよは、
1階が古本屋、2階がカフェになっています。オーナーは、群馬県出身の今井雄大さん。
今井さんは、好きが高じて長野に移り住み、県内各地でさまざまな仕事を経験した後、
善光寺門前の雰囲気が気に入り、ずっと経営したかったというカフェを開くことを決意。
元居酒屋だった物件の2階の眺望の良さに一目惚れし、すぐに契約を決めたのだそう。

本のセレクトは、ライフスタイルやカウンターカルチャー、絵本など、
店主の好きなジャンルを中心に約2000冊。2階のカフェでは本を読みながら
ドリンクやスイーツも楽しむことができるため、
「友人の家へ遊びに来たような感覚で自由に過ごしてほしい」
と今井さん。カフェのみの利用はもちろん、購入前の本を2階に持ち込んでもOKです。

information

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Book&Cafe ひふみよ

住所:長野県長野市三輪7-3-5

TEL:026-405-9710

営業時間:13:00 〜 21:00(18:00以降は1階のみ営業)

定休日:日曜

Web:http://bookcafe1234.net/

地域に根差した 古書店「追分コロニー」で、 軽井沢の“今”を知る!

かつて旧中山道の追分宿として栄えた軽井沢町追分は、
今ではにぎやかな軽井沢中心部とは少し違った、
本来の軽井沢の自然が残り、村独特の情緒が漂う場所です。

この旧街道沿いにある旅籠風の建物が、
斎藤尚宏さん&祐子さんご夫妻が営む古本屋「追分コロニー」。
店名は、追分ゆかりの詩人、立原道造の「浅間山麓に位する芸術家コロニィの建築群」
という大学の卒業設計の構想が由来だとか。
靴を脱いで、お上がりください。
亭主との話がはずむ空間です。
靴を脱いで上がる店内は、まるで知人の家に遊びに来たような感覚に陥るためか、
ほとんどのお客さんが斎藤さんたちに話しかけたり本の相談をするそう。 
ご夫婦は、頑固亭主が経営するいわゆる町の古本屋のような気難しい雰囲気はなく、
本のコンシェルジュとしてさまざまな相談に応じてくれます。
旅行で訪れた軽井沢を、もっと深く知ることができるという意味でも、おすすめの書店かも。

幅広いセレクトが魅力。
親子三代で通う姿も。

斎藤ご夫妻が「追分コロニー」のオープンを決めたのは7年前。
もともと世界を駆け巡る企業戦士として猛烈に働いていた尚宏さんは、
40代に入った頃からいろいろなことを模索し、
自分たちの持ち味を生かせる仕事を探すなかで古本屋に辿り着いたのだといいます。

取り扱う本は児童文学から趣味、経済、健康、哲学など幅広いため、
「うちの書店では親子三代が揃って来店することも珍しくない」と祐子さん。
本を通じて家族の会話が弾むおもしろさもあるそう。

店内では本を探す他にも喫茶や軽井沢にゆかりのある作家の作品展やイベントも楽しめます。
さらに今、斎藤夫妻が力を入れているのは「本のまち・軽井沢」プロジェクト。
軽井沢町内外でのイベントに参加し、本のある生活を薦めることで
本の文化に彩られる軽井沢のまちづくりを目指しているそうです。

information

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追分コロニー 

住所:長野県北佐久郡軽井沢町追分612(堀辰雄記念館向い)

TEL:0267-46-8088

営業時間:4~12月:木~日曜・祝日 12:00 ~ 17:00時頃

定休日:8月無休、1~3月不定休

Web:http://www11.plala.or.jp/colony/

訪れるたびに 新発見があるリゾート書店。 星野リゾート リゾナーレ 八ヶ岳 「ブックス&カフェ」へ!

八ヶ岳南麓に広がるデザインホテル「星野リゾート リゾナーレ 八ヶ岳」。
イタリアの世界的建築家・マリオ・ベリーニが築いた、
北イタリアの石畳の街のようなその空間の一角にあるのが
「ブックス&カフェ」です。……長野県のお店ではないのですが、
長野へお越しの際にぜひ寄り道していただきたい!
というわけです。

日常を忘れ、本の世界に没頭できる、
リゾート施設ならではブックス&カフェ。

コンセプトに「本でくつろぐリゾートライフ」とあるように、
日々の喧噪を離れ、本を楽しむ豊かな時間を大切にしてもらうため、
ここには日常生活に身近な書籍はあえておかれていません。
その代わりに憧れや夢があふれたワクワクするような本、
海外の暮らしや文化、また八ヶ岳の自然や生活を感じられる本をセレクトしています。

地元の人の支持も多数。
未来へのまなざしを変える独自の世界観。

「ある程度特化したセレクトをすることで、
旅行者に、普段は手に取らない本や触れたことのない世界に触れていただき、
そこから将来に対し視線を変えていけるような空間にしています」。
そう話すのは、ディレクターの北嶋文雄さん。
そんなセレクトに惹かれて、旅行で訪れたお客さんのみならず、
「何かにチャレンジしたい&人生のヒントを探している」地元の皆さんも、
若者からお年寄りまで、男女の別を問うことなく足を運びます。

軽食やドリンクを楽しめる他に、
ファミリーにうれしい絵本コーナーも。

なんといってもここの最大のおすすめは、
明るい店内で時間を気にせずゆっくり本を選べる、その雰囲気。
壁一面に広がる本棚はあえてコーナー付けをせず、
表紙を見て感じてもらうことを大切にしているそう。
また、絵本コーナーでは、親子でくつろげるよう、
芝生をイメージした大きなベンチも用意。
オープン当時は「飲食ができる本屋なんて」と、
業界内では不安の声もあったという「ブックカフェ」のスタイルも、
今では人気を支える大きなポイントになっています。
「こんな暮らしがしてみたい、という夢や目標を描けるような本をセレクトすることで、
お客様の心に響くお手伝いをしたい」と北嶋さんは言います。

ちなみに写真は2種のスコーンセット(750円)。
ワッフルやスコーンなどの軽食とともにコーヒーなどを添えて、
自分を改めて眺める機会にしませんか?

information

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星野リゾート リゾナーレ 八ヶ岳「ブックス&カフェ」 

住所:山梨県北杜市小淵沢町129-1

TEL:0551-36-5126

営業時間:10:00 ~ 21:00(LO20:00) ※季節によって変動あり

Web:http://www.risonare.com/shop/shop05.html

こんにちは、はじめまして。 チャンネルブックスです。

長野市南県町の細い路地の一角に2011年にオープンした小さな本屋。
それが、私たち「チャンネル」の編集部を兼ねた
「ch.books(チャンネルブックス)」です。
おでかけコロカル長野編では、
私たちが長野のおすすめスポットをご紹介させていただきます。
ここでは、私たち「ch.books」の自己紹介を!

願わくば誰かの人生のヒントになりたい!
自分たちの価値観や直感を軸にセレクト。

そもそも、この出版不況の時代に本屋? と思う人も少なくないでしょう。
実際にそんな声もしばしば。そんななかでなぜ本屋なのか?
しかも新刊本をメインに扱うのか? というと……。
まあ、もちろん自分たちでフリーペーパーを出版するだけあって、
もともと雑誌がすごく好きなんですよね。
書籍にはないパッと見の美しさ、広告にはない時間差、
クリックやスクロールじゃ得られない、めくった時の静電気がピリピリいって、
インクの匂いがふわ~ってする感じ。あれは雑誌独特のもので。
でもそれだけじゃなくて、店主である僕自身、高校生の頃、
何気なく手にしたフリーペーパーがきっかけで美術系大学を目指すようになって。
あの時その出合いがなかったら、
今この仕事はしていなかったかも知れないとさえ思います。
だから、特に昔の自分と同じように将来に悩んでいる若者にとって、
何らかの刺激になるような雑誌や本を提供する場を作りたかった。
自分たちの価値観とか直感に従って選んだ本が
誰かの人生のヒントになったら嬉しいなぁというわけです。

吹き抜けになっている書店と作業場。
顔を合わせることでおもしろさが生まれます。

世の中では毎日たくさんの本が出版されていて、
総合書店も大手サイトも多く存在しているのだから、
そこではできないことをやっていかないと意味がないと感じています。
ch.booksの1階はアートや旅をテーマにした国内外の雑誌や
写真集、アートブックなどを販売する書店、2階は編集部の作業場です。
店内は吹き抜けになっていて、1階の書店から2階がのぞけ、
2階の作業場からも書店を眺めることができます。
つまり「作り手の顔が見える空間」なんですね。
Web上で世界中の情報が一瞬で得られ、
それゆえに情報が錯綜するような現代だからこそ、
顔を合わせて会話するおもしろさ、
出会いが求められているように思うのです。

「ちゃんと寝る」。
「ちゃんと練る」。
略して「チャンネル」!

そうそう、チャンネルの由来をここでひとつ。
仲間同士、仕事が大変で徹夜が続いていたある日
「そろそろちゃんと寝られる仕事したいね」って、そんな話になって、
「ちゃんと寝る」から「チャンネル」という名前が誕生しました。
ちなみに「ちゃんとアイデアを練る」意味の「チャンネル」でもあります。
ま、ダジャレですが、そんなユーモアもチャンネルの魅力ってことで。
店内の一角にはカフェを楽しみつつ本が読めるスペースもあります。
ぜひ、気軽に遊びにいらしてください。

information

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ch.books チャンネルブックス 

住所:長野県長野市南県町1069

TEL:026-217-5687

営業時間:11:00 ~ 20:00

Web:http://chan-nel.jp/

川反中央ビル

自分が生まれた土地で、文化を発信/享受したい。

秋田市の飲食店街、川反(かわばた)地区の入り口にある古いビル「川反中央ビル」。
市内を流れる旭川の川沿いにたたずむこのビルは、もともと印刷工場だったが、
現在は1階にギャラリー「ココラボラトリー」、
2階にカフェ「Cafe Epice」、
3階に本と雑貨のセレクトショップ「まど枠」と
Tシャツショップ「6 JUMBO PINS」が入居している。
それぞれの店の個性が溶け合って、居心地のいい空気が流れる。

この場所に人が集まってきたきっかけをつくったのは、ココラボラトリーの笹尾千草さん。
高校まで秋田で過ごし、京都の美大に進学。
卒業して3年半ほど京都で働いてから、地元の秋田に戻ってきた。
「京都には、ものづくりをしている人たちが集まっていて
情報交換できるようなカフェなどがよくありました。
秋田にもこういう場所をつくりたいなと、当時から漠然と考えていたんです」
京都はとても魅力的なまちだったが、そもそも言葉や習慣など、
自分が育ってきた秋田とは生活のベースの部分が違う。
そういったことに、自分でも気づかないうちに
エネルギーを使っているのだということに気づいた。
「そのエネルギーを、地元で別のことに使えないかなとふと思いました。
生まれた土地で、もう一度暮らしてみたいと思ったんです」

秋田に帰ってきてからは、いい出会いに恵まれた。
知り合った同世代のカメラマンの人に、ものづくりをしている人を紹介してもらい、
さまざまな人とつながっていった。
「とてもすてきなデザインをしていたり、いいものをつくっている人たちに出会いました。
私は県外に出てしまったけれど、この土地で暮らし続けながら、
こうしていいものをつくっている人たちがいるんだということに感動しました」
ただ彼らは、もっと自由に発表したり、集まって話したり、情報を得る場所がなかった。
笹尾さんは、彼らに出会ったことでそういう場所をより具体的にイメージすることができ、
スペースをつくろうと決心したという。

印刷工場に使われていた古いビル。独立した店舗が入居するのにちょうどいい構造だった。

頭の中で思い描いていたことが実現できたきっかけとなったのは、
県が主催する起業セミナー。実際に起業するかはさておき、
笹尾さんは自分のやりたいことを一度整理しようとセミナーに参加。
セミナーでは事業計画書を作成し、
実際に助成金を申請するための書類を提出して終了となる。
講師には、ギャラリーという事業形態であることや、
笹尾さんがギャラリーに務めた経歴もないことなどから、
かなり難しいだろうと言われていたが、なんと実際に申請が通ってしまった。
これには笹尾さん自身もびっくりしたが、周囲の人たちのすすめもあり、
ギャラリースペースとデザイン事務所を立ち上げることに。
こうしてココラボラトリーが誕生したのが2005年のことだった。

場所を探すと、川沿いのこのビルがなんとなく気になった。
中を見て、これぞ求めていた空間だと直感。
ボロボロだったが安く借りることができ、自分たちで改装した。
笹尾さんが借りたのは1階。
2階と3階には、近くの工事現場の事務所が一時的に入っていたが、
工事が終了すればいなくなってしまう。
このスペースを遊ばせておくのはもったいない。
そこで、ココラボのスペースの一部を使って開店していたショップ「まど枠」、
ウェディングドレスの工房「トワル.rui」、
そして秋田の別の場所でお店を開いていた喫茶店「石田珈琲店」の3店に
入居してほしいと頼み込んだ。
「その店の人たちのセンスに惚れていたので、
こんな人たちがいてくれたらいいなと思って、お願いしに行きました。
面白い空間なので、どうか入ってくださいって。勇気が要りましたけど(笑)」
場所を面白くするために、自分の力だけでなく、人の力を借りる。
3年がかりで、川反中央ビルに個性豊かな店が集まった。

現在は、トワル.ruiは東京に進出し、石田珈琲店は札幌にお引っ越し。
ココラボ、まど枠、Cafe Epice、6 JUMBO PINSが、現在の顔ぶれだ。

ギャラリーであり劇場でありライブハウスでもある。「表現活動ならなんでもできる空間」(笹尾さん)というココラボラトリー。週替わりでさまざまな展示をしている。(写真提供:ココラボラトリー)

思いを共有できる人たちがいるという心強さ。

まど枠の伊藤幹子さんは笹尾さんと同い年で、
偶然だが笹尾さんと同じ京都の美大に通っていた。
当時はお互いに知らなかったが、帰郷して知り合ったふたりは意気投合。
センスやイメージを共有することが自然とできた。
京都の書店でアルバイトしていた伊藤さんは、
少部数でも丁寧に手づくりされている
リトルプレスを売る店があったらいいなと考えていたという。
まど枠は、当初は書籍のみ扱っていたが、
現在では本だけでなく、地元の作家によるプロダクト、雑貨、
この場所にライブをしに来てくれるアーティストのCDなど、
さまざまなものを扱うセレクトショップになっている。
「クラフトは、若手作家のものから70代の名工の方のものまで扱っています。
若い人たちは一緒に成長していくような感覚もありますし、
年配の方はみなさん器が大きくてやさしい。いろいろな人たちとつながってきました」
と伊藤さん。

本も絵本から小説までセレクトされたタイトルが並ぶ。

秋田公立美術工芸短大で鋳金を学んだ「nishikata chieko」のジュエリー。卒業後も仕事をしながら制作を続け、鍛金のジュエリーなど新たな表現に挑戦している。http://nishikatachieko.com/

地元イラストレーター渡部哲也さんのイラストでつくったオリジナルポストカードと便せん。伊藤さんが絵を描いたものも。

渡部さんによるロゴマークの入ったオリジナルトートバッグ。お隣の6 JUMBO PINSでプリントしている。

まど枠の伊藤さんは、ココラボの一角でお店をスタート。イメージを共有できる人がそばにいたのがとてもよかったという。

6 JUMBO PINSの京野 誠さんは、東京、千葉、埼玉など、
おもに関東方面でさまざまな職を経験。
6年前に秋田に帰ってきたが、なかなか仕事が見つからず、
それならば自分で仕事をつくろうと、趣味でつくっていたTシャツの店を開くことに。
「ここにはふつうに遊びに来ていたのですが、
スペースが空いていたので入居させてもらいました。
ココラボは週替わりで展示が変わるのでいろいろな人が訪れるし、
2階のカフェに来たお客さんがこちらものぞいていってくれるので、
いろいろな人が来てくれますよ」と話す京野さん。
自身、この場所をとても楽しんでいるように見える。

オリジナルTシャツが1枚からつくれる。お客さんは老若男女さまざま。

折しも、架空のバンドグッズを販売する「妄想ロックフェス」というイベントを開催中だった。アーティストのCDジャケット(もちろん架空)も展示するというユニークな企画。

趣味が高じてTシャツ屋さんに。デザインは自己流で学んだという京野さん。

Cafe Epiceは、もともと石田珈琲店で働いていた高坂千代子さんのお店。
もし自分でお店をやるなら地元の秋田で、と考えていた高坂さん。
お菓子づくりから接客まで、ほぼひとりでこなす。
「笹尾さんも伊藤さんもお互い気心の知れた仲間だったので、
この場所でなら心強いと思いました」
ココラボで展示した作家さんの器を店で使ったり、
イベントにちなんだデザートをつくったりすることも。
お互い影響し合いながら、場をつくっているようだ。

カウンターの窓からは、外を流れる川が見える。お店では、フラワーアレンジメントのワークショップや、ライブなどイベントを開催することも。

「epice」はフランス語でスパイスの意。日常にひとさじのスパイスを、という思いがこめられている。高坂さんが日々つくる焼き菓子は販売もしている。

お店のコーヒーはすべて「石田珈琲店」の豆を使用。石田珈琲店のお客さんも引き継ぎつつ、若い女性客も増えた。県外からのお客さんも多いという。

いろいろなお店をブラブラできる、そんなまちにあこがれがあったと笹尾さんは話す。
「路面店でそれをやるのは難しいので、関西でよく見かけた、
雑居ビルのなかに個性的なお店が入っていて、上に行ったり下に行ったり
回遊できるような場所だったらできるかもしれないと思いました。
それならカフェと本屋さんがあったらいいなと」
ココラボで展示をする作家は8割くらいが秋田の作家だが、
必ずしも秋田にこだわっているわけではない。
「どこかよくわからない空気を醸し出しているのがいいかなと思っています。
でもちょっとだけ秋田がにじみ出ているような」

伊藤さんも、地元作家のものを多く扱っているが
「秋田だけを特別扱いするのではなくて、
同じように扱うことに意義があると思っています。
それで秋田のものが評価されるとすごくうれしいですね」と話す。
まど枠は、盛岡、弘前、秋田という3つのまちの、カフェや雑貨屋など
小さな店がつながる「さんかく座」という展示会にも参加している。
毎年3か所の持ち回りで開催され、5回目の今年は弘前で開催される。
点が線になる、本当に小さな星座のような活動。

「面白い人たちがたくさんいて、そういう人たちの存在や活動に光を当てて、
外の人たちに伝える。それで面白いねと言ってもらえて、
その人たちが輝くのが、いちばんの喜びです。
やっていてよかったなって思います」
そう話す笹尾さんも、ひときわ輝いて見えた。

「ここでの人たちとの出会いは財産です」という笹尾さん。ココラボでは年間70ほどの展示が催されるという忙しい日々。「昔はヒマだったから、ココラボで1日中おしゃべりしてたんですけどね(笑)」

笹尾さんがつけていたブローチは、まど枠で扱う「湊七宝工房」の七宝ブローチ。伝統的な七宝の技法を用いながら、日常になじむデザイン。

information


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川反中央ビル

住所 秋田市大町3-1-12
テナント数:6(不定営業店舗、事務所のみの使用も含む)
職種:ギャラリー、デザイン事務所、飲食、書籍、雑貨販売、服飾、有線放送
起業資金:
◎6 JUMBO PINSの場合
約20万円(リノベーション済み)
◎ココラボラトリーの場合
約250万円(リノベーション、備品購入など。うち秋田県創業支援助成金125万円)

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ココラボラトリー

営業時間 11:00~19:00 月・火定休
http://cocolab.jugem.jp/

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まど枠

営業時間 11:00~19:00 月・火定休
http://madowaku-books.com/

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6 JUMBO PINS

営業時間 12:00~19:00 月・火定休
http://6jumbopins.web.fc2.com/

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Cafe Epice

営業時間 11:00~19:00 月・火定休
http://cafe-epice.tumblr.com/

大川コンセルヴ

木と食を結ぶ、家具のまちの挑戦。

筑後川と有明海に面し、肥沃で広大な筑紫平野を有する福岡県大川市。
水のめぐみ、大地のめぐみを受け、
ブランドいちご「あまおう」やイチジクをはじめとする農産物や、
有明海苔の生産が盛んに行われているが、
産業の柱としてまちを支えてきたのは、木工家具の製造だった。
470余年の歴史と伝統を誇り、その生産高は日本一。
「大川の婚礼家具」は全国的に知られている。
しかし、大川の木工産業は、外国産の安価な家具の影響や、
はたまた現代の住宅事情から婚礼家具文化の衰退を受け、徐々に下降傾向に。
昭和の全盛期には600軒以上あった工房も、現在では300軒ほどまで減少している。
こうしてはいられない、と立ち上がったのが大川商工会議所。
妥協なくものづくりをするさまざまの分野の「職人」たちを
一軒一軒まわって声をかけ、「大川コンセルヴ」という団体を立ち上げた。

コンセルヴとはフランス語で「保存食」の意味。
木が年輪を重ねるように、大川にストックされていた技術と知恵を「保存」して
次世代を担う子どもたちに継承していく、という使命を帯びる。
大川コンセルヴが掲げたコンセプトは、「食卓」。
「卓」には古くから木が用いられ、木工のまちとして大川は日本の食卓を支えてきた。
そんな木と食が集う大川だからこそ、木と食の技をきっかけに、
日本の食卓を見直していきたいのだという。
「“楽しく、明るく、そしておいしく”にこだわっています。
『食』と『木』のコラボレーションは、木育と食育が出合う場。
ひとつの食卓が語らいやしつけの場となって、
子どもたちに豊かな人間性を育んでほしいという願いを込めています」
と語るのは立野泰誉さん。
現在、10社(団体・個人含む)ほどが加盟する大川コンセルヴをまとめ、
自身も立野木材工芸の代表として日々ものづくりの現場に立つ。
現在、結成から4年目を迎えた大川コンセルヴだったが、
最初の1年は暗中模索していた。
「結成当初を振り返ると、その頃大川コンセルヴという団体は漠然としたもので、
何からはじめればよいのだろう? という戸惑いすらありました」
同業の知人もいれば初対面の人もいる。
ましては、異業種である「食」の分野の人とは
それまでなかなか出会う機会もなかった。
さて、どうやって大川コンセルヴを運営していく?
どうやって「食」と「木」でコラボレーションしていく?

この漠然としたプロジェクトに“色づけ”をしていったのが、
デザイナーの先崎哲進さんだった。
パッケージデザインからプロダクトのブランディングまで、
大川コンセルヴのアートディレクションを幅広く手がけ、
大川コンセルヴのメッセージ性を掘り起こした。
立野さんが、「先崎さんが“こうしていこう”とみなに働きかけたことで、
大川コンセルヴが目指すべき道への理解と意思の統一ができたと思います」と言えば、
先崎さんも、「アイデアだけで留まらず、ちゃんとプロダクトまでできたのは、
職人が多く暮らす大川だからなのだと思います」と話す。
そんな立野さんと先崎さんとともに、
大川コンセルヴに加盟するふたりの職人のもとを訪ねた。

初めての食事に、大川のスプーンを。

木製のおもちゃを生産・販売する「飛鳥工房」の廣松利彦さんがつくったのは
「幸せをはこぶファーストスプーン」。
ファーストスプーンとはヨーロッパの習慣で、
産まれた子どもにスプーンを贈ると食べ物に困らず幸せになれるといわれている。
それに倣い、飛鳥工房と柳川リハビリテーション学院言語聴覚学科との共同開発で、
乳児の発達に応じた離乳食用の木製スプーンをつくった。
赤ちゃんの小さな口に当たるくぼみの部分は2mmとごく薄い。
それを実現する確かな職人技と、しっとりと滑らかな木の感触が評判になった。
スプーンは2通りの大きさがあり、
小さいスプーンは離乳初期(生後5〜6か月)の赤ちゃん、
大きいスプーンは離乳中期(生後7〜8か月)の赤ちゃんに。
お食い初め以降も赤ちゃんの食生活をサポートする。

これから数十年間「食」と寄りそって生きていく赤ちゃんの
口に入る最初のものが、地元・大川で大切につくられたファーストスプーンとは、
なんとも粋なこと。
初めての食事だけでなく愛情も運ぶ記念のスプーンとして、
大川市は今年度200名の新生児にこの「幸せをすくうファーストスプーン」を配った。
“ひとつのものを大切に使うこと”という
食育ならぬ「木育」の姿勢を新生児から養っていくのも目的だ。

「幸せをすくうファーストスプーン」は、材質違いの3種類を展開。その下の木の器は「お食い初めセット」の器。

mokumogu –木のフォーク− は、木の幹から発想を得た三つ又のフォーク。
ケータリングや親子でのお菓子づくり、楽しい食卓のシーンをイメージして生まれた。

飛鳥工房の「飛鳥」は、廣松さんの娘さんの名前から。「子ども(飛鳥さん)が安心安全に遊べる木のおもちゃをつくろうと思って」飛鳥工房を設立。その飛鳥さんも今では立派な成人に。

2013年2月にドイツで開催された、ニュルンベルク国際玩具見本市に、飛鳥工房も出展。出展したファーストスプーンは佐賀県産の杉材を使用。写真提供:飛鳥工房

酒造がつくる、大川ならではのフレーバーティー。

老舗酒造「若波酒造」でつくられた「あまおうティー」は、甘くない。
イチゴのリキュール「あまおう」をつくる上で大量に出る
ベースのお酒に漬け込んだイチゴの再活用を考え開発されたフレーバーティーだ。
お酒に浸かったイチゴは食用にあまり適さず、
アレンジするのは難しいとされていたが、
「日本酒は粕でさえ重宝され、捨てるところがない」という
日本酒づくりのアイデンティティを、リキュールでも踏襲した。
「紅茶とのコラボレーションにはもともと興味があって機会をうかがっていました。
そうしているうちに大川コンセルヴが立ち上がり、お誘いを受けました。
コンセルヴのコンセプトを聞いたときに“あぁ時が来たな”って思って」と語るのは
若き杜氏・今村友香さん。
一年のうち収穫時期が決まっているイチゴだが、
アルコールに漬けることで保存がきく。
紅茶専門店 紅葉(くれは)で、乾燥させたイチゴを紅茶とハイビスカスを調合。
若波酒造の従来の顧客層である男性客も意識し、
酸味際立つ、甘過ぎない紅茶ができた。
イチゴを乾燥させる工程でアルコール分はほぼ残留なしというから、
子どもでも安心して飲める。
「パッケージも、老若男女に愛されるようにシンプルにしました」(先崎さん)

「あまおうは福岡でしかつくられない品種なので、福岡・大川らしい紅茶ができたと思います」(立野さん)。鮮やかな赤い色と甘いイチゴの香りは贈り物にも喜ばれそう。

「大川は家具で有名な地域ですが、うちは酒蔵ですから、
今まで家具職人さんなどとの深いつながりはありませんでした。
それが、一緒の団体として話し合いや情報交換を通じて
知り合っていくなんて面白いですよね」と今村さんが話せば、
「今後は『木』の部会とのコラボレーションで商品開発を」と
立野さん、先崎さんも期待を寄せる。

「九州と言えば焼酎が有名ですが、大川が位置する筑後地方は、
日本酒の蔵元の軒数が全国第3位なんです」と今村さん。
「筑後って面白い土地なんです。海も川も山もあり、農業も工業も盛ん。
もっと自慢できるところを見つけたいと思いました。
うちは酒蔵ではなく『地酒蔵』になりたいんです」

大正11年創業。今村さんはきょうだいで若波酒造の杜氏を務める。

「同業者以外と組むとオリジナルになる」(今村さん)。リキュールをつくるには免許が必要とあればいち早く取得する行動派。

行政の手を離れた、大川コンセルヴのこれから。

大川コンセルヴの視線は、東京、そして海外へ。
福岡県内はもとより、東京都内の大型ファッションビルや、
小売店などでも商品を展開している。
大川コンセルヴの構想をつくり、主導してきた商工会議所も、
事業仕分けの影響による助成金削減を受けて
2年前に大川コンセルヴから手を引くことになってしまった。
立野さんたち大川コンセルヴのメンバーもこの状況には頭を抱えることとなったが、
「大川コンセルヴ」というブランドの成長が収益の支えとなると信じ、
積極的に露出を増やしている最中だ。
いわば、ここからが大川コンセルヴの試金石となろう。
「そのためにももっと大川の他の生産者や技術者をまきこみたいですね。
どんな人? そうですね、個性的で、仕事に一生懸命で、
いろいろとまわりを見ている人ですね」(先崎さん)

information


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飛鳥工房(ショールーム)

住所 佐賀県佐賀市諸富町徳富112-4
TEL 0952−47−5697
営業時間 10:00〜18:00
定休日 不定休


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若波酒造

住所 福岡県大川市鐘ヶ江752
TEL 0944−88−1225
営業時間 10:00~17:00
定休日 不定休

肘折温泉vol.2 肘折の新しい観光ルート探し

山形県中部、大蔵村のなかでも特に雪深い山あいにある肘折温泉。
霊峰・月山の南に位置し、その周辺にも多くの霊山を有している。
肘折の人々は1200年も前から湯を守り、人を迎え、山の恵みとともに生きてきた。
ここは、
ライフスタイルの変化とともに変わっていくもの、
地域の人々に継承され続いているもの、
また、若者たちによって新しいかたちでつながっていくもの、
それらが綾をなして存在している場所でもある。
この山奥のちいさな湯治場、肘折温泉でいま起きていることから、
これからの地域や暮らしのあり方を示唆する、あるなにかが見えてくる。
第2回は、「肘折の新しい観光ルート探し」について。

知らなかった肘折の土地に眠る歴史。

「最初に肘折温泉に来たとき、偶然カモシカに会ったんです。
都会で生活していると、カモシカと目が合うなんて機会ないじゃないですか。
豊かな自然がそのままの姿で残っているんだとすごく感動したのを覚えています」
出羽三山を拠点に山伏の修行を積む坂本大三郎さんは、
肘折温泉を訪ねては、周辺の山を歩いていた。
昨夏、肘折温泉で開かれたイベントに参加(Local Action #007)して以来、
地元の人々との交流が始まった。

「ぼくは、とても古い時代の山伏の文化にひかれています。
人々が自然を慈しみ、崇拝していたなかで、
自然の知識を豊富に持ち、そのはたらきを理解して
自然と人間社会との間の伝道師的な役割を担っていた人々がいた。
彼らが、山伏の祖先と言われています。
ぼくは彼らと同じように山のなかに入り、自分の身体を通して、自然と向き合ってみる。
そうすることで、現代の僕たちが学びとれるものがあるんじゃないかと考えています」

「最初に肘折に来たのは、いい温泉があると聞いたからなんです。ぼくは温泉が好きなので」とはにかむ大三郎さん。

そば処寿屋四代目の早坂隆一さんも、大三郎さん同様、昨夏のイベントで
ゲストパネラー(Local Action #007)として参加したひとり。
東京でIT関係の仕事に就いていたが、家業のそば屋を継ぐため肘折へ戻ってきた。
現在は、肘折青年団団長を務め、地元で暮らす若者たちと新しい活動を展開している。
「山伏って聞いても、正直、伝説みたいな話だと思っていましたね。
『肘折さんげさんげ』のときに白装束の姿を見たりするくらいで、
月山への修験道のことだって、僕たちにとって身近ではなかったな」

「肘折さんげさんげ」の様子。

「さんげさんげ」とは、羽黒山を含む出羽三山に古くから伝わる越年行事で、
肘折温泉では、毎年1月7日に白装束を着た地元の住民らが
法螺貝を吹いて肘折温泉街を練り歩き、無病息災・五穀豊穣を祈願する。
また、開湯1200年と言われる肘折温泉が
宿屋としての許可をもらったのは、室町時代の明徳元年(1390年)のことで、
月山登拝道としての「肘折口」が開かれた翌年と記録がある(『大蔵村史』より)。
かつては月山信仰の修験者も多く集まったという肘折温泉。
いまも登拝口はあるが、地元の人が登ることは少ない。

「ただ、大三郎さんから『ヒジリ』と『ひじおり』の関係(Local Action #007)を
聞くと、なんだか山伏が急に身近なものになってきて、
古い文化が残っていることが面白いなと思い始めました。
『肘折さんげさんげ』のような、地域で受け継いできた行事も、
単なるイベントとしてではなく、
文化として続いてきたことなんだという、意識が生まれてきました」

大三郎さんの話は、自分たちの知らない肘折を教えてくれる。
それが、とても楽しいという。

「大三郎さんの話を聞いて月山に登ると、昔の人もこの山道を通っていたのかと遠い昔に思いをはせてしまいますね」と隆一さん。

その後も、大三郎さんが肘折にくる度に読書会を開いたり、
大三郎さんと一緒に肘折の有志で月山に登ったりしたという。
「肘折の人たちと一緒に山を登ると、
いろんなことを教えてもらえるんで僕もすごく楽しいんです。
この土地で暮らすみなさんから、言い伝えだとかを聞くうちに、
それまでは知識として知っていた山のことが鮮明になっていく。
山の姿が、また違うものに見えてくるんです」(大三郎さん)

肘折温泉を流れる銅山川。中央に見えるオレンジの建物は隆一さんのお店「蕎麦処 寿屋」。手打ちの蕎麦は絶品だ。

ぼくたちの新しい山とのつき合い方。

春になったら、またみんなで登ってみようという話が出ている。
青年団のミーティングを覗いてみた。
みんなそれぞれの仕事を終えて、肘折ホテルのバーカウンターに集まってくる。
ここが青年団のいつものミーティングスペース。
お風呂セット持参のメンバーもいる。
温泉に入ったり、カウンターで一杯やりながらが青年団のミーティングスタイル。
メンバーは、隆一さん(前述)、カネヤマ商店の看板娘・須藤絵梨さん(30歳)、
若松屋村井六助(旅館)の娘・村井里実子さん(33歳)、
隣の集落から肘折の青年部に参加している、早坂 新さん(28歳)、それに大三郎さんが加わり、
つたや肘折ホテル柿崎雄一さん(Local Action #017)がフォローする。

左から大三郎さん、隆一さん、絵梨さん、里実子さん、雄一さん、新さん。ちなみに、肘折温泉では同じ姓の方が多いので、みんな名前で呼び合う。

大三郎

今日、地図持って来たんです。この地図は古いみたいで、
今はもう埋めてしまっていて、無くなっている「しびたり沼」が載っているんです。
肘折の民話に出てくる大蛇がいるっていう沼です。

絵梨

初めて聞いた。そうなんだ、知らないことばっかりですね。

隆一

あ、ここが御池だ。御池には行ってみたいな。
あと、越後さん家の裏あたりに沢があるんだよね。
(地図を指して)ここを登っていったところ。

ああ、ありますね。

里実子

私も、そこらへんすごく気になってた。行ってみたいね。

あと、鉱山の奥のほうに行っても沢ありますよ。小さい頃はよく行ってました。

大三郎

ありますね。道が少し狭くなっていった先に。

そうです、そうです。

大三郎

あと、三角山もぜひ、みんなで登ってみたいんです。

絵梨

三角山、登ってみたい! 頂上まで登ったんですか?

大三郎

こないだは、近くまでいったんですけど、新しい熊の足跡があったから……
急に怖くなって、戻りました。

里実子

大三郎さん、よく、迷いませんよね。

大三郎

勘です(笑)。でも歩いていると、頂上が見えるからそこを目指していきます。
道らしい道はないけれども、わかりづらい場所じゃないですよ。

隆一

三角山は、小学校の窓から見えたもんね。

大三郎

頂上からは肘折温泉もよく見えますよ。

絵梨

えー! すごい。誰かが手ふったらわかるかな。

大三郎

それはぁ……。

隆一

視力次第だね(笑)。

昨年登山デビューしたという絵梨さん。「登山道って登るだけだと思ったら、下りもあるんですね……」というエピソードに一同失笑。終始なごやかな雰囲気。

雄一

今年登るとしたら、雪があるうちに登ったほうがいいな。
4月中旬くらいになって雪が安定すると、
その時期が一番山を歩けるから、どこに行くのも行きやすい。
でも、みんな三角山にはスノートレッキングに行ったよな?

隆一

そうですね。僕らみんなスキー部ですからね。

絵梨

だって、卓球部とスキー部しかなかったから……。

隆一

どっちかに入るしかなかったからね(笑)。
大三郎さんから話を聞くと、自分たちが知っているこのへんの山も
登れるんだなと思いますね。
月山や葉山もいいけど、まずは、そっちが面白そうだなって思いました。

絵梨

そうそう、大三郎さんからこういう話を聞くと、登ってみたくなるよね。

大三郎

日本の登山道って山伏がつくったと言われているんです。
昔は木地師の道とか職業によって道があったといいます。
残っている場所を訪ねるのもいいと思うんですけど、みんなと山に登ることで、
今のぼくたちと山のつき合い方が見つかるんじゃないかと思っています。
聖地と言われる場所は、時代時代でつくられているもの。
みんなと新しい肘折の聖地と言われる場所を探せるんじゃないかなと思っています。

左/肘折温泉から見える秋の三角山。紅葉が美しい。右/ブナの原生林に囲まれている御池。古くはここに龍神がすむと信じられていたという。(撮影:坂本大三郎)。

肘折口から月山登山の途中にある小岳から月山を望む(撮影:坂本大三郎)。

春になったら、みんなはまず最初にどこに登るのだろう。
こんな風に始まっている、肘折の若者たちによる新しい観光ルート探し。
山の話の続きは、いずれまた。
第3回目は、肘折温泉に残る湯治文化と、新しい湯治文化について。

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肘折温泉

住所 山形県最上郡大蔵村南山
http://hijiori.jp/

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DAIZABURO SAKAMOTO
坂本大三郎

1975年千葉県生まれ。イラストレーター、山伏。出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)を拠点に、古くから伝わる生活の知恵や芸能の研究実践を通して、自然とひとを結ぶ活動をしている。リトルモアより『山伏と僕』が発売中。