松本市里山辺にある小さな貸本屋「ブックパッカーのアンテナサイト」。
コンクリート打ちっぱなしのがらんとした店内には、ほとんど本が見当たりません。
というのも、訪れたお客はまず店主のウチダゴウさんと
「こんな本を探している」という話をして、
その上でウチダさんがバックヤードの本をいくつか出して来てくれるというシステムだから。
その本を気に入ったら晴れて契約成立、1か月間借りることができます。

本を持ち寄り、話をすれば、
自分のことも見えてくる。
そもそも「ブックパッカー」とはウチダさんが2008年1月に東京で始めた本の小さな集まり。
各自好きな本を持ち寄って本の話をすることで、
参加者は新たな本に出合い、またそれによって他人と話し自分を知ることができるといいます。
そんなブックパッカーの新たな働きが、話をして本を選ぶ、この「アンテナサイト」なのです。
魅力たっぷりのオーナーと、
椅子に腰掛け、話す楽しみも。
もともとウチダさんは、風刺的でユーモアに富んだ詩や寓意を含む絵本の執筆、
イラスト製作やコピーライティングなど、さまざまな仕事を手がけています。

それと同時に「ブックパッカー」だけでなく、本にまつわるさまざまな催しも開催。
2012年には、出版した詩集『空き地の勝手』をたずさえて
各地を巡るライブツアーを開始し、単なる詩の朗読会ではなく、
音楽と食とを融合させた独特の世界観を展開しました。
ほかにも、旅先の本屋で魅了されたイラストレーターの作品を
「ぜひ地元の人々にも紹介したい」との思いから企画展を開催したり。
執筆業という枠組みを越えて精力的に魅力ある活動を繰り広げるその様子からは、
「素直に良いと感じたものを世に広げたい」という
ウチダさんの心意気を感じるとともに、
本を通じて多彩な人々と出会うブックパッカーの真髄にふれることができます。
長野を旅行で訪れたなら、まずは好きな椅子に腰掛けて
ウチダさんとゆっくり話してみてください。
きっと新しい自分が、見えてくるかもしれませんよ。
おすすめです!
information
ブックパッカーのアンテナサイト
