広島の食文化をクラフトビールで発信!〈OK!!広島〉×〈しまなみブルワリー〉×〈ヒロシマ ネイバリー ブリューイング〉がコラボ

“真っ赤なビール”に込めた広島のエネルギー

広島県の食の魅力を全国に発信するプロジェクト「OK!!広島(おいしいけぇ、ひろしま)」と、尾道市の「しまなみブルワリー」、広島市の「HIROSHIMA NEIGHBORLY BREWING(HNB)」がコラボレーション。オリジナルクラフトビール「OK!!広島 RED LAGER」と「OK!!広島 RED IPA」が誕生した。赤いパッケージと赤色の液体が印象的なこの2種は、まさに“広島の情熱”を象徴するような仕上がりだ。

左:「OK!!広島 RED LAGER」右:「OK!!広島 RED IPA」。赤色が広島らしさを感じさせる。

左:「OK!!広島 RED LAGER」右:「OK!!広島 RED IPA」。赤色が広島らしさを感じさせる。

尾道と広島、それぞれの個性が生んだ2種の味

「RED LAGER」は、しまなみブルワリーが世界的なコンペティションで日本一に輝いたラガー「ストライクピルスナー」をベースに開発。しっかりとした麦の旨味と雑味のない味わいが特徴で、どんな料理にも寄り添う一本だ。一方、「RED IPA」はHNBが手がけ、広島・安芸高田市の川根柚子を使用。ホップの柑橘香と柚子の爽やかさが絶妙に重なり、見た目のインパクトとは裏腹に飲み飽きないバランスのよさが魅力。

パッケージデザインは、広島県公式Xでの人気投票によって決定。2本を並べると「OK」の文字が浮かび上がる仕掛けもユニークだ。広島県の食の魅力を首都圏をはじめとした全国へ発信するプロジェクト「OK!!広島」。地元のクラフトブルワリーが加わることで、よりリアルでおいしい“広島の今”を伝える一歩となった。

2本を並べると「OK」の文字が現れる遊び心あふれるデザイン。

2本を並べると「OK」の文字が現れる遊び心あふれるデザイン。

information

OK!!広島 RED LAGER/OK!!広島 RED IPA

発売日:2025年10月10日(金)

WEB:しまなみブルワリー公式サイト、HIROSHIMA NEIGHBORLY BREWING公式サイト

プロジェクト公式サイト:OK!!広島

工芸が息づく場所を探して。 HULS GALLERYが初のブランドブック『工芸の居場所』を刊行

日本の工芸を、世界の視点で見つめ直す

日本の現代工芸ギャラリー「HULS GALLERY(ハルス・ギャラリー)」が、創業以来初となるブランドブック『工芸の居場所』を東京・シンガポール・香港の3拠点で同時発売。運営元の株式会社HULSは、2016年にオンラインメディア「KOGEI STANDARD」を立ち上げて以来、全国の工芸産地を取材し、陶磁器や漆器、金工、染織など、多彩な手仕事の背景を発信してきた。2017年にシンガポール、2019年には東京・赤坂にギャラリーを開設し、現在では国内外10か国以上のファインダイニングに工芸品を届けている。

“工芸のいま”を記録する、写真とことば

本書では、代表でありキュレーターでもある柴田裕介が執筆したコラムと、フォトグラファー須田卓馬による工芸産地の写真を収録。日本各地の風土と人々の美意識を背景に、「工芸が現代社会で果たす役割」を問う内容となっている。収録作品には、李荘窯(佐賀)や加藤亮太郎(岐阜)、坂倉正紘(坂倉新兵衛)(山口)など、HULS GALLERYが取り扱う18点の工芸品を掲載。また、「侘び寂び」「間と余白」「用の美」「もののあはれ」など、日本の美意識を読み解くコラムも収められ、日英併記で世界の読者にも開かれた一冊だ。

工芸の未来に“居場所”を

HULS GALLERYの取り組みは、工芸を「過去の文化」ではなく「今の文化」として世界に伝える試みでもある。創業者・柴田氏は、「多くの物に囲まれながらも、どこか物足りなさを感じる現代の暮らしに、手仕事の温度を届けたい」と語る。

東京・赤坂のギャラリーでは、毎月企画展を開催。格子や畳を配した日本建築の空間に、陶磁器やガラス、木竹工品が並び、現代の暮らしの中で生きる“工芸の居場所”を体現している。

information

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HULS GALLERY Brand Book『工芸の居場所』

著者:柴田裕介

写真:須田卓馬、柴田裕介

仕様:B5判/80ページ/日英併記

価格:2,860円(税込)

販売場所:HULS GALLERY 各店舗およびオンラインストア

オンラインストア:https://store.hulsgallerytokyo.com/

公式サイト:https://hulsgallerytokyo.com

コロカルアカデミー with 佐賀 ~自分らしい拠点をつくり、 地域を盛り上げるには~

現在、日本の地域の魅力を発信するウェブメディア「コロカル」と佐賀県がタッグを組み、拠点づくりや地域創生をテーマとした全4回のセミナーシリーズ「コロカルアカデミー with 佐賀」をスタートさせました。
地域を元気にしたいという思いはあるものの、学ぶ機会や行動のきっかけを見つけられずにいる。そんな方々に向けて、自分らしい形で地域に関わるヒントを得られる新しいスタイルの学びの場です。

初回となる2025年11月8日の第1回を特別公開。建築の枠を超え、シェアハウスや地域づくりを通じて都市と地方をつなぐ活動を続けてきた建築家のクマタイチさんと、コロカル編集長の杉江宣洋が登壇。「自分らしい拠点をつくり、地域を盛り上げるには」をテーマに、講義やワークショップを通して多彩な視点が交わされる濃密な時間となりました。

クマタイチ

profile

kumataichi
クマタイチ

TAILAND主宰

建築家。1985年東京都生まれ。

TAILAND主宰。隈研吾建築都市設計事務所パートナー

2014年 シュツットガルト大学マスターコース修了

2016年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了 工学博士

2017年-2020年 SHoP Architects勤務

2020年- 隈研吾建築都市設計事務所勤務

2020年 TAILAND設立

2022年「SHAREtenjincho」グッドデザイン賞受賞

「歩ける街」佐賀の大きな魅力

佐賀市は平らで移動がしやすい「歩ける町」

佐賀県は平坦で移動がしやすい。その特徴により、「歩ける街」としての魅力が際立つといいます。
歩ける街では、日常の中で自然と人やお店に出会える仕掛けがつくりやすく、コミュニティがひらけ、拡散する土壌が整っています。
冒頭から建築家ならではの視点を展開するクマタイチさん。考えてみれば、私たちは店や住まいを建てるとき、その土地を前提にしています。具体的には、土地によって特有の個性があり、コミュニティのかたちにも当然影響を与えるものです。しかし、それに気づかないまま進めてしまうことも多いのかもしれません。
加えて、佐賀県は、九州各地へのアクセスも良ければ国際線空港もあります。にもかかわらず、福岡のような都市型のスピード感とは違って流れる時間は、すこしゆるやかで、余白があり、だからこそ移住した人が新しい挑戦を始めたり、地域創生にコミットできるアイデアがおもいつきやすい面白さがあるのかもしれません。総称して、クマさんは、佐賀県を「磁場」がある場所と語ります。

クマタイチさんの手がけた佐賀の事例「鍋島オーベルジュ」

佐賀県鹿島市 富久千代酒造のオーベルジュ

次にお話があったのは、クマさんが佐賀県で手がけた代表的なプロジェクト「鍋島オーベルジュ」について。この施設は、佐賀県鹿島市の重要伝統的建築物保存地区である肥前浜宿に佇む古民家を、地元の銘酒「鍋島」を醸造する富久千代酒造のオーベルジュ(宿泊と食事を楽しめる施設)へと改修したものです。

「お酒づくりの現場に立ちこめる“湯気”や“香り”をイメージし、空間には円形の照明を浮かべています。木組みが美しい古民家の力強さに、透明感ある現代的なデザインを重ねることで、“伝統と現代が共存する場”を表現しました」とクマさんは語ります。

2階の客室は既存の土壁を残し、落ち着いた闇を創造

また、「道が一本違うだけで風景は変わるし、五年前にできたことと今できることは違う」と話すその視点には、長年現場に向き合ってきた建築家ならではの深みが感じられました。

イベントの参加者にも、最初は地域の交流拠点として意図された建物が、いつの間にか単なる“箱”になってしまう例を見聞きしたことがある人も多かったはずです。
新しい挑戦をする際には、こちら側の意図や狙いも重要ですが、それと同じくらい「なぜここでやるのか?」「この場所だからこそできることは何か?」と問い続ける目線が欠かせないことを、改めて考えさせられる事例でした。

そのほかにも、「SHAREtsuboya」「SHAREyamabukicho」「SHORTsuido」「BANRAI HANTEN」といった、クマさんが手がけてきた多彩なプロジェクトについて、話を伺うことができました。それぞれの地域の特徴を活かし、新たな場をつくり、コミュニティの動きを生み出していく実践に触れたことで、土地の個性を見極めながら地域を盛り上げるための具体的な手法や視点を学ぶ貴重な機会となりました。

「場所選び」について

1階には台湾ダイナー「BANRAI HANTEN」とコーヒースタンド「Stroll_In」が入る

今回の講座で特に心に残った話題のひとつが「場所選び」という視点です。
土地にはそれぞれ独自の磁力や記憶が宿り、それを感じ取ったうえで、自分との相性を確かめることが重要だとクマさんは語ります。そのためには、実際に現地へ足を運び、繰り返し訪れることが欠かせません。

これは、冒頭で佐賀を「歩きやすい街」と形容したクマさんならではの、場所と身体感覚を重視したアプローチにも通じます。私たちはしばしば、事業内容やコンセプトから入りがちですが、本来は「この土地とどう向き合い、どんな対話を生むのか」という、場所との“関係性”が出発点になるべきなのかもしれません。

講座を通じて語られた物語や事例には、建築と地域をつなぐクマさんの哲学が一貫して流れていました。地域創生や地域おこしに取り組むうえで、私たちにも大きな示唆を与えてくれる内容です。

場所と人が交差するということ

佐賀県を案内してくれた坂田和馬さんと名尾和紙の6代目の谷口祐次郎さん

セミナーを通して繰り返し語られたのは、「場所」と「人」との対話というテーマでした。これは単なる意識の問題ではなく、その土地自体が持つ条件や性質が前提となっています。たとえば佐賀県には、九州の交通の要衝としての役割や、都市圏にはない余白、そして「歩ける街」として人と人が自然に出会える空間が存在しています。

環境を踏まえたうえで、さらに具体的な土地の選定が必要になります。駅前なのか、山間部なのか。商店街との距離はどうか……といった視点から、事業や場づくりの展開を描いていくことができるのです。テーマやプランを持ちつつも、場所と向き合いながら柔軟に考える姿勢が重要だといえます。

そして、忘れてはならないのが「人」の存在です。その土地に住む人々がいて、そこに新たな挑戦を持ち込んだときに、その行為が受け入れられるか、広がりを持つかは、人を頼り、つながりを育む姿勢にかかっています。場所と人との関係性を紡ぎ続けることこそが、新しい拠点や活動の土台になるのです。

大盛況となった「コロカルアカデミー with 佐賀」。地域創生に関心を持ち、自分のアイデアを深めたい方、佐賀をはじめとするローカルの未来に関わりたい方は、次回以降の開催もぜひチェックしてみてください。新たな視点や出会いが、ここからきっと生まれるはずです。

今回ご紹介した内容に興味を持ってくださった方は、ぜひ「コロカルアカデミー with佐賀」第3回にもご参加ください。
詳細・お申し込みはこちらからご覧いただけます。
https://colocalacademy-with-saga.hp.peraichi.com

「何もないのが、いい。 だけど面白くなる予感」 天竺鼠・川原克己さんが帰る場所。 鹿児島・大崎町の思い出とこれから

日本やグローバルで活動する方々に、地元や拠点のおすすめスポットを紹介してもらうこの企画。

今回登場いただくのは、お笑い芸人・天竺鼠の川原克己さん。ふるさとPR大使も務めている鹿児島県大崎町について、「何もないのがいい」と語る川原さんに、地元での思い出や自身のアート活動、お気に入りのスポットをご紹介していただきました。

ー故郷である鹿児島県大崎町は、川原さんにとってどんなところですか?

「なんもないところ。正直、頻繁に帰りたいと思うことはあまりないんです。最初にテレビに出たとき、ナスビをかぶってボケてたのを両親や祖父母が見て、おばあちゃんに『かわいそう、早く帰っておいで』って言われたときくらいかな、思い出深い帰省は。それ以降は基本、仕事で帰るのがほとんど。でも大崎町のYouTube撮影など、きっかけがあれば自然と足が向く。帰りたいというより、呼ばれて帰る感じですね。

帰るとやっぱりパワーをもらえるんですよね。地元って不思議で、離れてみて初めて土地の力に気づくというか。大阪や東京での生活が長くなったけど、大崎町に戻ると、生まれた場所だからこそ感じるエネルギーがある。だから僕にとっては、心の充電ができる、パワーの源みたいな存在です」

ー東京で暮らしていて、ふと地元を思い出す瞬間はありますか?

「お酒が好きなので、芋焼酎を飲んでいるときですね。千鳥の大悟さんに連れていってもらったおしゃれなバーで『鹿児島の芋で一番くせぇやつください』って頼んだことがあって(笑)。先輩には『川原、やめてくれ』って突っ込まれましたけど。あの瞬間に地元を思い出しました。鹿児島の焼酎ってクセが強いけど、それがまたいい。飲むたびに、大崎町や鹿児島の空気を思い出すんですよね」

ー笑いの感覚をにじませた独自の油絵に加え、場そのものを仕立てる発想力にも長けている川原さん。大崎町のYouTube「大崎町役場」では、自身のアート活動にフォーカスした動画を投稿していますが、きっかけはどこからでしょうか?

「最初は大崎町の方から『壁画を描いてほしい』と依頼があったのが始まり。アートの街じゃないのに、急に『川原君に頼もう』となったらしく。でもファンの方が大崎町へ訪れたときに何もないよりは、作品があったほうがフォトスポットとして楽しめるし、地元にもお金が落ちる。そういう発想が広がって、YouTubeで大崎町の取り組みや僕の制作を紹介するようになったんです。結果的に、帰るきっかけや地元とのつながりを持ち直す場にもなりました」

「大阪や東京で個展をすると、お客さんもアートを見ることに慣れているから、作品をどう受け取るかも洗練されてるんです。でも大崎町みたいな田舎だと、みんな“変な空間”に慣れていない。だからこそ、いい意味で違和感を持ってもらえる場所にしたいと思うんです。人間って普段使ってない脳みそがほとんどだって言うじゃないですか。その一部をちょっとでも突けたら、面白い子どもや変な大人が育っていくかもしれない。地元でつくるときは、そんな意識が強いですね。

ギャラリーは、僕が通っていた小学校のすぐそばにできるんです。昔は女性用の下着屋さんがあった場所で、建物を解体したあともブラをつけたマネキンが何体も残っていて。それも一部残してもらってるんですよ。子どもの頃に毎日通った道沿いに、自分の作品を見てもらえる空間ができるのはすごく特別。地元の子どもたちにとってもちょっとした刺激になればいいなと思っています」

今年、大崎町に川原さんのアートギャラリーが誕生する

ーこれから大崎町や鹿児島でやってみたいこと、地域と一緒に実現したいことはありますか?

「やっぱり“もっと変な街”にしていきたいんですよね。壁画だけじゃなくて、銅像でもなんでもいいから、町のあちこちに違和感のあるものを置いてみたい。普通に暮らしてると気づかないけど、ふとしたときに『あれ何だ?』って思わせる存在があると面白いと思うんです。そうやって少しずつ、地元の人や子どもたちの想像力を刺激できたらいいなと。町が前のめりで挑戦してくれているから、僕も一緒にもっと変えていけるんじゃないかなって感じています」

川原さんのアートでまちを盛り上げる!名スポット3選

①大崎町のギャラリー(年内完成予定)
②大崎町のガソリンスタンド
③大崎郵便局

動画はこちらから!

取材後に川原さんが食べていた鹿児島の銘菓とは⁉︎

profile

Katsumi Kawahara 
川原克己

お笑いコンビ『天竺鼠』のボケ担当。2018年から開催し始めた絵画の個展では、総動員数2万人を超える。物語17編を描いた絵本「ららら」や「ぬり絵本」なども出版。さらにMV 監督・演出家として「幽霊失格 /クリープハイプ」「 嗚呼、麗しき人生/ C&K」「ひとりぼっちの唄 / TAK-Z&GADORO」を手掛ける。

栃木・大谷町に、アートと食の複合施設「大谷グランド・センター」が開業 YOSHIROTTENによる初の常設展示も

大谷に誕生するアートと食の拠点

2026年1月、栃木県宇都宮市大谷町に「大谷グランド・センター」が開業。昭和期に親しまれた複合施設「山本園大谷グランドセンター」をリノベーションしたこの施設では、アートと食が融合する新たな体験が用意されている。

アートプロデュースを手がけるのは「ArtSticker」を運営するThe Chain Museum。空間全体を「気づきのトリガー」として再生し、まちを再び活気ある場所として開くことを目指す。

旧「山本園大谷グランドセンター」外観

旧「山本園大谷グランドセンター」外観
大谷石の岩山に抱かれるように建つ歴史ある複合施設。2025年秋、アートと食の拠点として再生される。

YOSHIROTTEN、初の常設展示に挑む

本施設のアートスペースで常設展示を行うのは、欧米ラグジュアリーブランドともコラボレーションし注目を集めるアーティストYOSHIROTTEN。彼にとって初の常設展示となる本作では、大谷でのフィールドリサーチで収集した素材を音や映像に落とし込み、岩山と呼応するインスタレーションを展開する。季節や時間の移ろいによって表情が変化し、自然とアートが溶け合う空間を体感できる。

食とともにひらかれる土地の魅力

〈大谷グランド・センター〉にはレストランも併設。栃木出身で「LIFE」オーナーシェフの相場正一郎氏と、スイーツ界の名匠・江森宏之氏がタッグを組み、この土地ならではの一皿を提供する。

フランク・ロイド・ライトも愛した大谷石の産地で、アートと食が織りなす体験を通じて、大谷の自然や歴史に新たな光を当てる。

アートと食が交わる新しい施設

アートと食が交わる新しい施設
大谷グランド・センターには、栃木出身のシェフとパティシエによるレストランも併設。土地の魅力を五感で体験できる。

information

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大谷グランド・センター

所在地:栃木県宇都宮市大谷町1396-29

アクセス:JR「宇都宮」駅より車で約30分/関東バス「大谷観音前」下車すぐ

開業:2026年1月5日

施設内容:アートスペース、レストラン・カフェ、ショップ

公式サイト:https://oya-grand-center.com

斬新な白い雛人形〈白粋 HAKI〉。 ちりめん細工のバトンをつなぐ 〈京都夢み屋〉の挑戦

京都・丹後地方を中心につくられてきた「丹後ちりめん」を用いた
伝統的な手芸「ちりめん細工」。
その季節飾りなどを製造・販売する〈京都夢み屋〉を、
三菱UFJ銀行一宮支店の中島崇介さん、徳永智久さん、
三菱UFJアセットマネジメントの小西和宏さん、木本朱音さんが訪れました。
着物文化が先細りするなか、伝統産業の一翼を担う企業のあり方をともに考えます。

白くて“顔のない”お雛様が、なぜヒットしたのか

「ちりめん」とは、表面にシボと呼ばれる細かい凹凸のある織物のこと。
京都府では北部の丹後地方を中心に、「丹後ちりめん」という絹織物が
古くからつくられ、着物の生地などに愛用されてきました。

江戸時代の後半、宮中や武家の女性などが、着物の端切れを利用して
小物や人形をつくるようになったのが、「ちりめん細工」の始まりとされ、
残り布を大切にする精神が息づいた、日本の伝統的な手芸といえます。

京都市伏見区にある〈京都夢み屋〉は、ちりめん細工を中心とした季節飾り、
インテリア小物などを製造・販売する企業。
2025年7月に完成したばかりの新社屋には、工房のみならず
ショールームも併設されています。

「ここに並んでいるのは、基本的に自社ブランド商品ですが、
OEM(他社ブランドの製造)も合わせると、500を超えるアイテムを
京都の材料と手作業にこだわって製造しています」と代表取締役副社長の大森清美さん。

代表取締役副社長の大森清美さん。

代表取締役副社長の大森清美さん。

干支の置き物や雛人形、鯉のぼり、兜飾りなど四季折々の飾りものが並ぶなかで、
ひときわ異彩を放っているのが、白を基調とした雛人形や兜飾り。

「10年ほど前に誕生した〈白粋 HAKI〉というシリーズ(以下、HAKI)で、
夢み屋のターニングポイントになったアイテムです。
生地を白とベージュの2色に限定しているので、どんなインテリアにも馴染みますし、
スペースが限られている現代の住宅事情に合わせて、サイズも豊富に揃えています」

昨年販売をスタートした、重厚感のある〈白粋 HAKI 雛人形 奏〉。西陣織の光沢のある着物をまとい、鼻すじや耳をつくったのが特徴。

昨年販売をスタートした、重厚感のある〈白粋 HAKI 雛人形 奏〉。西陣織の光沢のある着物をまとい、鼻すじや耳をつくったのが特徴。

すっきりとミニマルに見えるのは、カラーリングのせいだけではありません。
HAKIのもうひとつの大きな特徴は、雛人形に目や口などの“顔がない”こと。

「お人形と目が合うと子どもが怖がるため、せっかく飾った雛人形を
後ろ向きにしている、という声から生まれたアイデアです」

〈白粋 HAKI 雛人形 奏〉の顔のないお雛様

いまでこそHAKIは、夢み屋の看板商品になっているものの、
発売当時はあまりにも斬新な発想だったゆえに、
「白装束を彷彿とさせる」などとネガティブな声も少なくなかったそう。

「3、4年は泣かず飛ばずの売れ行きだったのですが、
東京の大規模な展示会に出展したとき、
ベビー用品のECサイトを運営する会社が気に入ってくださったんです。
それから出産祝いを中心にターゲットが広がっていき、
徐々に認知されるようになりました」

製造企画部長の中村芳美さんは、節句飾りに対する意識や価値観の変化を指摘します。

「当初は顔がないことに賛否があったようですが、
すてきなお顔を思い思いに想像できるところが、いまでは人気の理由になっています。
兜飾りも従来は勇ましさが重視されてきたと思うのですが、
優しい男の子になってほしいと願う、近年の親御さんのイメージに合う雰囲気を
重視しています」

製造企画部長の中村芳美さん。

製造企画部長の中村芳美さん。

2025年に創業50周年を迎えた夢み屋。

「創業者の飯田景子はフラワーアレンジメントをたしなんでいて、
そのつながりで知り合った仲間と和小物をつくり始めたのが、そもそものスタートです。
当時は和雑貨という言葉もあまり一般的ではなかったようですが、
せっかくだから地元京都のちりめんを使おうと考えたようです」(大森さん)

最初にヒットした商品が、和装用のリボンにかんざしをつけたアクセサリー
「和装リボン」。その一方で、着物を着る人は年々少なくなっていたので、
洋装でも違和感なく身につけられて、
なおかつ若い人にも好まれるようなアクセサリーや和小物を展開し、
ちりめんや西陣織などにあまり馴染みのなかった若年層のファンを獲得していきます。

「最初は数百円の和小物が中心で、財布、巾着袋、エプロンなどと
人気商品を増やしていったのですが、同業他社も類似品を扱うように。
価格競争の激化から脱却するために始めたのが、
現在の流れをくむ季節の置き物でした」(大森さん)

これまでの和小物・和雑貨と比べると、季節の置き物はつくりが細かい分、
手数がかかるにもかかわらず、売れ筋となっていたのは千円前後の安価な商品でした。

「より高単価の商品にシフトすべくデザインを一新させて、
自社ブランドとして売り出したのが、HAKIシリーズだったのです」(大森さん)

【見逃し配信あり】 『原木シイタケの栽培者、平均74歳。次世代へつなぐ“きのこ”の循環』 コロカルアカデミーVol.4

日本のローカルの魅力を発信する「コロカル」は、ウェビナー講義「コロカルアカデミー」の第4回を8月6日に開催しました。ゲストは、キノコの種菌会社・富士種菌の企画担当であり、〈KINOKO SOCIAL CLUB〉の立ち上げメンバー猪瀬真佑(いのせ・まゆ)さん。

〈KINOKO SOCIAL CLUB〉は、ロースタリーが集まる東京・清澄白河を拠点にして、地域で出たコーヒーかすを活用してキノコを栽培・収穫し、料理として提供する循環の仕組みを実践するプロジェクト。猪瀬さんには、都市とローカルをつなぐ“キノコ”の可能性をテーマに、第一次産業への明るい眼差しとその広げ方、さらには地方から都市へとステージをつなぎ、キノコという食材を中心に置いた食のコミュニケーションの新たな循環の仕組みについて、たっぷり語って頂きました。

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猪瀬真佑

猪瀬真佑(いのせ・まゆ)
富士種菌 企画・KINOKO SOCIAL CLUB 立ち上げメンバー/キノコ担当
デザイン、アウトドア、音楽、造園など多彩な業界を経験後、2021年に東京から山梨県へ。食用キノコの種菌メーカー〈株式会社富士種菌〉に入社し、原木栽培と里山文化の魅力に出会う。国内外に向けて原木キノコの可能性を発信するべく、ドキュメンタリー映画の制作や〈KINOKO SOCIAL CLUB〉など多角的な取り組みを進行中。

キノコへの想いと現実

キノコの生産量 世界2位、日本!

今回のゲストは、きのこ愛にあふれる猪瀬さん。まず紹介してくれたのは、ご自身が企画担当を務める「富士種菌」という会社と、キノコそのものについてでした。
たとえば、ひとくちにシイタケといっても実はさまざまな種類があること。そもそもキノコの原木栽培は、原木がなければ始まらないこと。そして日本のキノコ生産量は、なんと世界第2位であることなど、興味深い話が次々と飛び出しました。

平均年齢74歳の現実

その一方で、課題として語られたのが「後継者不足」。シイタケ栽培に携わる多くの方が、何十年もこの道を歩んできた大ベテランで、引退を考えている人も少なくないそうです。これは、キノコ業界に限らず、日本の他の第一次産業にも共通する深刻な課題なのではないでしょうか。

自然・人・コミュニティの関わりという光

関わり合うことで見えてくる仕組みや循環

深刻な問題を抱えながらも、猪瀬さんは明るい表情を崩しません。それはキノコの魅力が幅広く、人を魅了するキャッチーさを兼ね備えているから。
ここでキャッチーということばが出てくることに、凄く面白さを感じました。食べ物とは、なにより栄養の補給であり、生きる糧そのものですが、同時に私たちの「文化」でもあります。猪瀬さんのキノコの文化的側面(それは形態、生態、味わい、あらゆるものを含むはずです)に着目する視点は、きっと多くの人に気づきのきっかけになるはずです。
実際、原木シイタケの栽培は、海外でも広がりを見せていますし、なによりキノコを中心として、新しい関係性を生み出し、構築されていくその過程は、まさに光そのもの。
私たちが普段口にしているものは、本来自然が生み出したものであり、生産者さんが生み出したものであり、それが加工され、運ばれ、店頭に並び……とんでもなく大きな循環において、私たちは一つの食べ物を口にするわけです。
この輪っかの中、キノコを中心として、自然や人とダイナミックに、かつ、楽しく関わることを提案・実践する猪瀬さんのアプローチはとても魅力的でした。活動紹介においてはドキュメンタリー映画制作まで入っているようで、無限のアプローチの可能性を感じます。

〈KINOKO SOCIAL CLUB〉というプロジェクトについて

〈KINOKO SOCIAL CLUB〉というプロジェクトについて

〈KINOKO SOCIAL CLUB〉は、地域で出たコーヒーかすを活用し、キノコを栽培・収穫し、料理として提供する、東京・清澄白河に誕生した“都市の里山”のような存在で、オープンからわずか2ヶ月で多数のメディアに取り上げられ話題となっています。
〈KINOKO SOCIAL CLUB〉のテーマは循環。そのシンプルでクールなシンボルもシイタケのキャッチーな見た目と、循環をまさに想起させます。
この場所における取り組みはとにかく多彩の一言。ショーウィンドウにはキノコが生えている原木シイタケのホタ木が展示され、店内の栽培棚では、コーヒーかすを培地にしたキノコが育てられています。

キノコをきっかけにいろんな人が集まる

さらには生産者、料理人、エンジニア、デザイナー、編集者、近隣の人々など、本当に多様な人々が集って対話や交流が始まる企画やイベント、『IKINOKO RADIO』という「生きるための技術」を中心にしながら、雑談を交えながら軽やかに発信されるPodcast番組まで、キノコを中心に本当に色とりどりの取り組みがされていました。

第一次産業を盛り上げるために、もっとクールに、もっとポップに

キノコ料理をもっと気軽に、もっとおいしく。

愛に溢れた怒涛のキノコ講義であり、一次産業の活性化のために私たちができること、という普遍的な課題も詰まった魅力的な話ばかりでした。猪瀬さんの話を聞いていて、なにより感じたのは課題に取り組む姿勢の明るさと、「循環」というコトバの持つ価値についてです。

私たちは今、少子高齢社会を迎え、現実に大変な社会課題を多数抱えています。今回の主題であった食の生産に関する問題もまさにその一つで、きっとこの記事をご覧になっている方もそこに関心のある人が多いのではないでしょうか?

これらは真剣に取り組まなければならない問題ですが、眉をひそめ、苦しい顔で取り組むだけが「解決」ではないのだと、今回の講座を受けて感じました。「キノコって見た目かわいいよね?」「キャッチーだから好き」「大好物!」から入って、デザインを洗練させ、コミュニティも豊かに設計していく。そうすることで、生産現場のイメージは、今までになかったものに変化し、現場で働く生産者のマインドやスタンスにも影響を与えます。

小さな変化のきっかけが、連鎖するようにして新たな変化を生み出していく。生み出された変化はお互いの波を受け、さらにまた大きな変化につながる。それこそがまさしく「循環」ということなのだろう。どこかで生まれた「ポジティブなパワー」が山を巡り、都市を巡り、人々の間を巡り、一つの輪を描く。そんなイメージが湧く講座でした。

講座本編終了後のQ&Aでは、「そもそもシイタケっていつから食べているのだろう」という話から、「いつもあるけど、特別なもの」ということばもありました。自分たちの日常を見つめ直すことで、そこにある魅力や価値を再発見することを刺激するようなセッションになっています。

食が好きな人、自然が好きな人、食の生産課題に関心がある人、社会課題にポジティブにアプローチしたいと考えている人など、多くの方におすすめです。

見逃し配信を視聴したい方はぜひ、こちらからお申し込みください。
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越前漆器も、眼鏡も! 工芸のまち、越前鯖江に観光案内所 「Craft Invitation」がオープン

2025年7月14日、福井県鯖江市河和田に観光案内所「Craft Invitation(クラフト インビテーション)」がオープンした。一般社団法人SOEが運営するこの拠点は、越前漆器や和紙、打刃物、眼鏡など多彩な地場産業が集まる産地の“窓口”となる施設だ。
館内には漆器の木地を使ったランプシェードや、老舗工房による漆塗りのカウンターなど、職人の技を生かした意匠が随所にちりばめられている。産地を熟知したスタッフが工房やショップ、飲食店まで案内してくれるほか、事前予約制のツアーやワークショップも受付中だ。

ものづくりを体感するイベント「RENEW」

また、福井の産地を代表するイベント「RENEW」も見逃せない。2015年にスタートしたこの体感型マーケットは、普段は立ち入れない工房を一斉に開放し、見学やワークショップを通して職人と直接交流が可能。今年は2025年10月10日(金)〜12日(日)に開催予定。全国から約120社が集結し、オープンファクトリーが集う「KOGEI COMMONS」やトークイベント、ローカルフードの提供も予定されている。作り手と出会い、その想いに触れることで、ものづくりの背景まで味わうことができるだろう。

和紙文化を宿泊で体感する「SUKU」

さらに2025年11月には、越前市に和紙文化を体感できる工芸宿「SUKU(すく)」が誕生。約1500年の歴史を持つ和紙の産地の真ん中に建つ宿で、客室の照明やインテリア、食事の演出に至るまで和紙を取り入れた空間設計が特徴だ。宿のスタッフはコンシェルジュとして工房見学や体験を案内し、和綴じ製本やアートパネルづくりなど、滞在中に多彩なプログラムを楽しむことができる。素泊まりは1名20,000円〜を予定しており、越前和紙の文化を日常に取り入れる、新たな旅の拠点となりそうだ。

客室イメージ

客室イメージ

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観光案内所「Craft Invitation」

所在地:福井県鯖江市片山町7-10-4

電話番号:0778-78-9967

営業時間:10:00〜17:00

営業日:月〜金曜日(定休日:土日祝)

HP:https://craftinvitation.jp/

Instagram:@craftinvitation_fukui

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RENEW/2025

開催日:2025年10月10日(金)〜12日(日)

会場:福井県鯖江市・越前市・越前町全域

公式サイト:https://renew-fukui.com/

Instagram:@renew_fukui

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工芸宿「SUKU」

所在地:福井県越前市岩本町13-4-1

アクセス:北陸新幹線 越前たけふ駅より車で約10分

開業予定:2025年11月

宿泊料金:1泊1名 20,000円(税込)〜予定

Instagram:@suku.hotel

写真家・長野陽一さん推薦! 近所にあってよかった、と思える 鎌倉のおすすめスポット4選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

今回は、写真家の長野陽一さんが登場。
鎌倉に住んで20年の長野さんに、近所にあってよかった、と思える鎌倉のお気に入りスポットを教えていただきました。

食卓を豊かにしてくれる〈サカナヤマルカマ〉

一昨年できた今泉台にある鮮魚店。鹿児島県の阿久根と小田原漁港から仕入れた丸魚が豊富です。軽トラで移動販売もやってて鎌倉市民の話題のお店。〈マルカマ〉のおかげで我が家の食卓が豊かになりました。

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サカナヤマルカマ

住所:神奈川県鎌倉市今泉台4-12-1

Instagram:@sakanaya.marukama

我が家のコーヒーは〈カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ〉で

鎌倉の人気店、〈カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ〉。10年以上、我が家のコーヒー豆はここの中深煎りと決めています。季節のパフェも名物。昨年30周年を迎え、記念に出版された書籍でも撮影を担当させていただきました。

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カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ

住所:神奈川県鎌倉市小町2-1-5 櫻井ビル 1階

Instagram:@cvdimanche

〈バードマウンテン〉の洋服は欠かせない

鎌倉御成通りの近くにある洋服店。かれこれ5年以上お世話になっていて、夏にこれがないともはや生きていけないかも?と思っている薄手のパンツや気の利いたシャツ、〈VANS〉のスニーカーなど、気が付けば、代表・鳥山さんが選んだ服ばかり着ています。僕が学生の頃に撮ったモノクロの作品を飾ってくれています。

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バードマウンテン

住所:神奈川県鎌倉市御成町5-3 蔵屋敷ビル 1F

Instagram:@birdmountain_official

街中にある紫陽花

東京と行き来をしていると、鎌倉は山と海が近いので季節の移り変わりがわかりやすい、と感じます。紫陽花の季節はなにより北鎌倉が映えるので、住民はきっと誇らしく思っているはず。毎年、自宅の庭の植えた覚えのない額紫陽花が咲くと写真を撮ってしまいます。

動画はこちらから!

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Yoichi Nagano 
長野陽一

写真家。新刊『長野陽一の美味しいポートレイト』HeHeより発売中。これまでの写真集に『BREATHLESS』FOIL刊、『島々』リトル・モア刊、『シマノホホエミ』FOIL刊など。

〈IDÉE〉のディレクター・ 大島忠智さん推薦! 箱根でほっと一息つける スポット5選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

インテリアブランド〈IDÉE〉のディレクター・大島忠智さんが登場。最近箱根の小さいマンションを購入した大島さん。週末ゆったりと過ごしたい時におすすめのスポットを教えていただきました。

こだわりの詰まった移動式カフェ〈Cafe Ryusenkei〉

移動式のカフェ〈Cafe Ryusenkei〉。知人でもある〈ima設計事務所〉の小林さん夫妻が内装を手掛けていて、デザインにもすごくこだわりが詰まっています。私はホットのカフェラテがおすすめです。

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Cafe Ryusenkei

住所:箱根、横浜、湘南エリアに出店

Instagram:@cafe_ryusenkei

特別な時間を過ごすなら〈富士屋ホテル〉の朝食

少しお値段は高いですが、〈富士屋ホテル〉朝食もお気に入りです。和洋折衷の空間の中で、シルバーのカトラリーを使い、ホテルのサービスを受けながら朝食を食べる、特別な時間が過ごせます。友人が箱根に来たときに、ここで朝ごはんを食べることも。

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富士屋ホテル

住所:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359

Instagram:@fujiya_hotel

日常生活に馴染んだ〈勝俣豆腐店〉

仙石原にある〈勝俣豆腐店〉。自家製豆腐はもちろん、週末限定のおからドーナツがすごく美味しくて、おやつに食べています。お惣菜やおでんの種も作っていて、生活する中でよく訪れるスポットです。

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勝俣豆腐店

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原116

Instagram:@sasatofukatsumata

〈箱根 彫刻の森美術館〉内にある〈ピカソ館〉

〈箱根 彫刻の森美術館内〉にある〈ピカソ館〉。主にピカソの陶器作品が貯蔵されていて、すごく見応えのある美術館だと思います。

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箱根 彫刻の森美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121

Instagram:@thehakoneopenairmuseum

自然豊かな〈ポーラ美術館〉

〈ポーラ美術館〉は山の中にいきなり出てくる、自然あふれた美術館。室内の展示はもちろんなんですが、外を散策しながら展示が見られるおすすめのスポットです。

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ポーラ美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285

Instagram:@polamuseumofart

動画はこちらから!

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Tadatomo Oshima 
大島 忠智

インテリアブランド、IDÉEのディレクター。宮崎県出身。大学卒業後、1998年にIDÉE入社。飲食マネージャー、広報、バイヤー・商品企画・開発を経て、現在はブランドのディレクションを担当している。インタビューウェブマガジン「LIFECYCLING」と音楽レーベル「IDÉE Records」の企画・運営にも携わる。また、無印良品のギャラリー「ATELIER MUJI」で企画展示も手掛けている。公私共に親交の深い染色家、柚木沙弥郎さんとの「草の根運動」を綴った書籍「柚木沙弥郎 Tomorrow」も出版。

フードディレクターの浅本充さんが推薦! 地元・神戸の知る人ぞ知るフードカルチャー4選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

今回はフードディレクターの浅本充さんが登場。地元・神戸にある、知る人ぞ知るフードカルチャーを教えていただきました。

古い理髪店をリノベーションした〈DORCIA〉

同い年の友人が経営する喫茶店〈DORCIA〉。古い理髪店をリノベーションしていて、神戸のまちに馴染んだかっこいいお店です。クラシックなクロックムッシュやコーヒー、カフェオレを飲みながらゆったりと過ごせます。きっとこれからの神戸のまちのスタンダードになっていくであろうスポットです。

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DORCIA

住所:兵庫県神戸市中央区旭通3-1-29

Instagram:dorsia_kobe

幼少期からの思い出の味〈フロインドリーブ〉

コーヒーとパンが好きだった家系なこともあり、浅本家では、毎朝挽きたてのコーヒーとパンが定番。〈フロインドリーブ〉のドイツ系のパンが食卓に出てくる日は嬉しかったことを覚えています。香ばしいソフトグラハムやライの食パンがおすすめです。教会をリノベーションした建物の2階には喫茶店があり、シャンデリアとステンドグラスが印象的。ここで食べられるサンドイッチとコーヒーは、浅本家の最高の贅沢です。

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フロインドリーブ

住所:兵庫県神戸市中央区生田町4-6-15

Instagram:ghb.freundlieb

今の仕事につながるきっかけの場所〈エビアンコーヒー〉

祖父が大好きだった神戸の本町にあるコーヒー屋さん〈エビアンコーヒー〉。小学生の頃からカウンター席に座って、サイフォンで淹れるコーヒーの不思議な所作と、魔法のように上がっては落ちるドリップを見てワクワクしていました。

朝早く起きて、カウンター席でサイフォンを見ながら、マスターとの軽い会話を交わし、どんどん訪れる常連と一緒に過ごす時間は、神戸の喫茶文化の歴史とリテラシーを感じられます。今の僕の仕事に繋がる、大きなインスピレーション・ソースとなっています。

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エビアンコーヒー

住所:兵庫県神戸市中央区元町通1-7-2

Instagram:kobe_evian

まるでパリにいるような〈アリアンスグラフィック〉

大好きな海岸ビルヂングという建物の中にあるカフェ〈アリアンスグラフィック〉は、ウディ・アレンの映画『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)の世界へ迷い込んだような錯覚になるほど、1900年代初頭のパリを感じられる場所。コーヒーを飲みながら本を読んだり、書き物をしながら過ごしています。「フランス人に教えてもらったカレー」という、ユニークな名前の美味しいフードメニューもあり、大好きな場所のひとつです。

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アリアンスグラフィック

住所:兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5

Instagram:alliance_graphique

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Makoto Asamoto 
浅本 充

株式会社unite代表代表取締役。兵庫県出身。都内のレストランで従事したのち、BROOKLYNに渡米。2009年株式会社ユニテを設立。帰国後は「自由が丘ベイクショップ」をディレクション。
現在は、様々な企業の飲食部門やライフスタイルのコンサルティングに参加。最近の主なワークスとしてSATURDAYS NYC、agnes b、GAP、MARNI、LACOSTEなどのカフェなどがある。

原木シイタケの栽培者、平均74歳。 次世代へつなぐ “きのこ”の循環| コロカルアカデミー Vol.4 開催決定

地域の暮らしや文化に根ざした新しい学びの場、「コロカルアカデミー」の第4回を開催します。主催は、日本各地のローカルの魅力を発信し続けるWebマガジン「コロカル」。

今回のテーマは、KINOKO SOCIAL CLUBが切り拓く、都市とローカルをつなぐ“キノコ”の可能性。

オープンからわずか2ヶ月で多数のメディアに取り上げられ話題となっている〈KINOKO SOCIAL CLUB〉は、東京・清澄白河に誕生した“都市の里山”のような存在。地域で出たコーヒーかすを活用し、キノコを栽培・収穫し、料理として提供する。そんなローカル・フード・サプライチェーンを実験的に循環させる場所として、都市にいながらにして生産から消費や食の手ざわりを感じられる拠点となっています。

この活動の中心にいるのが、富士種菌の企画担当であり、KINOKO SOCIAL CLUBの立ち上げメンバーの猪瀬真佑(いのせ・まゆ)さん。アウトドアや音楽、造園といった異業種を経て東京から山梨へ、キノコの種菌会社〈富士種菌〉に入社。伝統的な原木シイタケの栽培と、それにまつわる日本の自然環境と人々の暮らしの営みとの関係性に魅了され、キノコを通じて現代社会と多角的な接点を生み出してきました。

一方で、原木シイタケ栽培に携わる生産者の平均年齢は74歳。山との関わりを絶やさずに繋げてきてくれたこの伝統的な栽培方法を次世代へ継承していくための環境整備や、里山資源の持続的な活用は、今まさに重要な課題です。

富士種菌は、1982年の創業以来、独自の技術で高品質かつ高速な栽培を可能にする原木シイタケを始めとした食用キノコの種菌を研究開発してきました。種菌の提供にとどまらず、不足している原木の供給や栽培技術の指導や情報発信、キノコの栄養・健康機能の研究、啓発活動まで含め、キノコの可能性を社会に広げる技術パートナーとして存在感を発揮しています。

後半には、コロカル編集長・杉江宣洋との対談形式で、「日本の大切なカルチャーをどう残し、伝えていくか」をテーマに深く掘り下げていくセッションも予定しています。

食、里山、地域資源の循環、そしてローカルに関わる未来にヒントを見つけたい方に向けて。1時間、ぜひご参加ください。

【概要】
コロカルアカデミー Vol.4「原木シイタケの栽培者、平均74歳。その現実と、山に関わる次の世代の可能性」
日時:2025年8月6日(水)15:00〜16:00(14:50開場)
費用:無料(事前申し込み制)
形式:Zoomウェビナー
申込締切:お申し込みは終了いたしました。

※本ウェビナーにご参加いただいた方、また事前申し込みをいただいた方には、後日見逃し配信のご案内をお送りします。当日ご都合がつかない場合も、ぜひお気軽にお申し込みください。

【コロカルアカデミーとは】
ローカルを舞台に活躍する人々のリアルな情報を通して、日本の魅力を再定義するウェビナーシリーズです。地域を活性化させるために働きたい方、ローカルでビジネスを始めたい方、自治体や企業で地域創生に携わる方に向けて、新たなヒントを提供します。

第1回(vol.1)では、奈良県のクラフトビールメーカー〈奈良醸造〉代表・浪岡安則さんを迎え、異業種からクラフトビール業界へ転身した背景と、地域を活かしたものづくりの魅力について語っていただきました。

第2回(vol.2)では、〈本屋B&B〉共同経営者であり、青森県八戸市の〈八戸ブックセンター〉ディレクターも務める内沼晋太郎さんを迎え、「独立系書店とローカルの未来」をテーマに、地域と本屋のこれからのあり方を探りました。

第3回(vol.3)では、会員制スーパーマーケット〈Table to Farm〉のディレクター・相馬夕輝さんを迎え、「生活者が“つくる”に関わりはじめる時代へ」をテーマに開催しました。自然栽培の在来種の野菜や米、伝統的な製法の調味料、日本最古の和牛など、“とびっきりのおいしさ”を未来に残すために誕生した〈Table to Farm〉の取り組みを通して、地域に眠る資源をいかに食卓へと届けていくか、その実践とビジョンを語っていただきました。

登壇者は、地域の文化資産や資源を掘り起こし、その価値を世界に伝える新しいリーダーたち。ローカルビジネスにおける強みと課題、問題解決のプロセス、未来を変える次の一手についてもリスナーの皆さんと一緒に考えていきます。

【本ウェビナーで学べること】
・技術パートナーとして始まった「KINOKO SOCIAL CLUB」とは?
・キノコと人、自然と都市をつなぐ新たなサイクルの実験
・「平均年齢74歳」原木シイタケ栽培の現実と課題とは?
・里山とともに未来を育てる、「原木栽培」という挑戦

ローカルビジネスに関心のある方はもちろん、食文化や新しいフードシステムに興味のある方にも楽しんでいただける実践的な時間をお届けします。

【登壇者プロフィール】

猪瀬真佑

猪瀬真佑(いのせ・まゆ)
富士種菌 企画・KINOKO SOCIAL CLUB 立ち上げメンバー/きのこ担当
デザイン、アウトドア、音楽、造園など多彩な業界を経験後、2021年に東京から山梨県へ。食用キノコの種菌メーカー〈株式会社富士種菌〉に入社し、原木栽培と里山文化の魅力に出会う。国内外に向けて原木キノコの可能性を発信するべく、ドキュメンタリー映画の制作や「KINOKO SOCIAL CLUB」など多角的な取り組みを進行中。

杉江宣洋

杉江宣洋(すぎえ・のぶひろ)
コロカル編集長/MAGAZINEHOUSE CREATIVE STUDIO ブランディングプロデューサー
1997年マガジンハウスに入社。『anan』編集部を経て、2008年『BRUTUS』配属、10年同誌副編集長に。『BRUTUS』では「居住空間学」(インテリア特集)「音楽と酒」シリーズなどをヒット企画に育てた実績を持つ。また、「桑田佳祐」「山下達郎」「松本隆」「スタジオジブリ」などの特集も担当。2022年Hanako編集長就任。2025年より現職。

【注意事項】
・本イベントはオンライン開催です。
・音声・映像が乱れる可能性があります。ご了承ください。
・配信内容の録画・録音・再配信はご遠慮ください。
・オンライン配信サービスの接続方法についてはサポート対象外です。

申込締切:お申し込みは終了いたしました。

※本ウェビナーにご参加いただいた方、また事前申し込みをいただいた方には、後日見逃し配信のご案内をお送りします。当日ご都合がつかない場合も、ぜひお気軽にお申し込みください。

銅像から紐解く偉人伝。 破天荒だけど、多くの人に愛された 高知出身の植物学者・牧野富太郎

日本各地に点在する銅像のモデルとなった人物を紐解く本企画。
今回ご紹介するのは、〈高知県立牧野植物園〉内にある牧野富太郎の全身像です。植物学者・牧野富太郎の功績と人柄とともに、おすすめしたい植物園の楽しみ方について広報課の橋本 渉さんに話を聞きました。

愛すべき「日本の植物分類学の父」

「高知県中西部に位置する佐川町で生まれた牧野富太郎は、植物を愛し、多くの新種を発見し命名した、『日本の植物分類学の父』と言われる学者です。

2023年に放映された連続テレビ小説『らんまん』で、神木隆之介さんが演じた主人公のモデルとなった人物として彼を知った方も多いかもしれません。

私生活では、裕福な家の一人息子として生まれ、幼少期に父、母、祖父を亡くすも、祖母に甘やかされて育ちました。破天荒な性格で、研究に打ち込むあまり1億円以上の借金を抱えたことも。」

自叙伝にある、借金地獄を公表すると支援者が現れた話や、恋愛結婚した妻・壽衛(すえ)に苦労をかけた様子からも、その破天荒さが窺えます。

「一方で、ひたむきに研究する姿勢と明るい人柄で多くの人々に愛されました。博士が写っている写真を見ると、いつも植物とともに本当に幸せそうな表情をしています」

背広姿、手にはキノコ、足元には生い茂る草。銅像から見る牧野博士

「牧野植物園は開園後、園地の拡大やリニューアルを繰り返しています。現在、園内には3つの牧野富太郎像があり、最も大きな全身像は南園エリアにあります。

もともと全身像が建った当時、その周辺には芝生が広がっていました。遠足やピクニックに来た人たちは銅像の周りにシートを広げ、思い思いに楽しんでいたそうです。

開園から40年が経った1999年以降、植物園の敷地が広がるにつれてシンボルとなるものも増えていきましたが、その40年間は牧野植物園のシンボルと言えば芝生に佇む牧野富太郎像だったと思います。

現在、南園には〈50周年記念庭園〉があり、銅像の位置はそのまま、辺りを樹木が囲み、木製デッキの観察路が整備されています。観察路では、小川とともに季節によってアジサイやモミジの仲間が楽しめます」

「全身像の牧野博士は背広を着て、手にはキノコを持ち、足元には草が生い茂っています。実はこの姿は、牧野博士のスタイルを反映しているんです。

牧野博士は植物調査の時にはスーツを着て出かけていました。愛する植物に対して敬意を表しているとも捉えられるかもしれませんね。正装で泥だらけになるのが牧野博士でした。

手にしているのは柄の長さが特徴のカラカサタケというキノコです。さらに、学者というと研究室にこもるイメージがあるかもしれませんが、牧野博士は野山に分け入って行き、人々に植物のことを伝えることに尽力した人物でした。足元の草は、そんな博士の生き方を表しています」

訪れるたび、異なる景色を楽しめる植物園

「そんな牧野富太郎の銅像がある〈高知県立牧野植物園〉は、彼を慕う市民たちの声に応じる形で1958年に開館しました。日本で唯一の人名を冠した植物園で、牧野博士ゆかりの植物や、博士を育んだ地元の野生植物、3000種類以上に出会える場となっています」

色鮮やかな熱帯花木からサボテン類など乾燥地の植物まで集まった〈温室〉、果樹や野菜、ハーブを含む植物を五感で感じられる〈ふむふむ広場〉、鉢植えや博士ゆかりのハーブティーセットが手に入るショップなど、カジュアルに楽しめるスポットもたくさん。

愛好家の皆さんは、植物図などの貴重な資料の数々も要チェックです。

博士が描いたコオロギランの植物図(高知県立牧野植物園所蔵)

博士が描いたコオロギランの植物図(高知県立牧野植物園所蔵)

「植物園は、季節ごとに違った植物に出会える場所かつ、植物の成長に伴って来園する度に新しい景色に出会うことができる場所です。

自由に散策できるよう、順路はないので、自然のなかに飛び込んだ感覚で楽しんでもらえるのではないでしょうか。解説ラベルには博士とその植物にまつわるエピソードが書いてあるので、読みながらぜひお気に入りの植物を見つけてください」

information

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高知県立牧野植物園

住所:高知県高知市五台山4200−6

電話番号:088-882-2601

Web:https://www.makino.or.jp/

瀬戸内海の小さな島、豊島にニューオープン。“島の素材が主役”のファクトリー〈Teshima Factory〉

瀬戸内海に位置する豊島(てしま)は、香川県や岡山県からフェリーに乗って40分ほどで到着できる、人口700人ほどの小さな島。

この島に、食堂、ブルワリーなどを併設した複合施設〈Teshima Factory(てしまファクトリー)〉がオープンした。

株式会社アミューズの「瀬戸内プロジェクト」の一環から生まれた。

プロジェクトを担当する佐藤大地さんは、豊島に赴任したばかりの頃の印象をこう語る。

「幻想的な豊島美術館や、瀬戸内海や棚田の風景を眺めながらゆったりとした時間が流れる豊島に感動しました。その一方で、これまでの都市部の生活では日常に当たり前にあった、スーパーや飲食店、コーヒーショップといった食の選択肢がないことを実感し、途方に暮れたんです」

島の暮らしや豊島の住民の日常に入らせてもらう中で、日常の生活のために、田んぼや畑を耕し、魚を捕りに行くことを知る。畑や海と近い距離で生活している様子に衝撃を受けたという佐藤さんは、〈Teshima Factory〉を、豊島に訪れる人たちが普段感じられない自然との距離を味わえる、豊島に住む人にとっては日常の彩りの一つとなる場を目指すことにした。

使用した建物は、かつて島でよく採れて重宝されてきた「豊島石」を加工する石材会社から鉄工所へと変遷したもの。ただ解体して新たなものを作るのではなく、長い間、島の風景にあった姿を残すことも意識した。そこで、建物の意味やストーリーを捉えたリノベーションを多く手掛けてきた、スキーマ建築計画代表の長坂常氏に設計を依頼。豊島で出た廃材を使用して家具を作るなど、建物にも島の素材を使用した。

また、〈Teshima Factory〉で醸造しているオリジナルのクラフトビール「Lull Beer(ルルビール)」は、豊島の穏やかな時間の流れ方をイメージしたもの。訪れたら絶対に味わってみてほしい。

豊島の穏やかさ、豊かさをイメージした香りのいい「ルルビールIPA」と、農作業のあとなど、汗をかいた後に爽やかにすっきりとした「ルルビールピルスナー」の2種類を用意

豊島の穏やかさ、豊かさをイメージした香りのいい「ルルビール IPA」と、農作業のあとなど、汗をかいた後に爽やかにすっきりとした「ルルビール ピルスナー」の2種類を用意

「来島者や豊島の方々が建物内や広場のあちらこちらに溜まりながら、空間や会話、食やビール、風景を楽しんでいただける場所としていきたいです」

今後は島でとれた食材を使用したビールやドライフルーツも製造し、島の外にも発信していく場所としても活用したいそう。

次の旅先にぜひ豊島を選んで、ゆったりと過ごしてみてはいかがだろうか。

information

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Teshima Factory 

住所:香川県小豆郡土庄町豊島家浦889

定休日:毎週火曜日

営業時間:9:00〜19:00(ラストオーダー18:00)

Instagram:https://www.instagram.com/teshimafactory/

ブランディングディレクター福田春美さんが推薦! 地元・北海道札幌市で心がゆるむスポット5選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

今回はブランディングディレクター福田春美さんが登場。
緊張感のある東京から地元に帰ったときに、ホッと一息つける心と胃袋が緩むスポットをセレクトしていただきました。

実家近くのパワースポット〈北海道神宮〉

実家の近くにあって、小さいころからよく行っていました。山道がすごく長くて、自然も多く、さささっとリスが木々の隙間を走っていることもあります。そこに立つ大きな木々たちが放つ神聖な空気に満ち溢れ、内地にはない大らかなパワースポットです。そして北海道神宮内にある〈六花亭〉でしか食べられない「判官さま」というおまんじゅうが温かくておいしくて最高です。

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北海道神宮

住所:札幌市中央区宮ヶ丘474

Instagram:https://www.instagram.com/hokkaidojingu/

札幌といえば欠かせない!〈六花亭 札幌本店〉

“北海道人のまごころ”のような存在である老舗の〈六花亭〉。事前予約が必要な「おやつやさん」という特別なお菓子や、ポイント貯めて交換できる特別なクリスマスケーキがあったり。小さい頃からわくわくをいつも提供してくれる場所です。ちなみに〈六花亭〉の包み紙の花柄は、坂本龍馬の末裔の坂本直行さんが描いています。

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六花亭 札幌本店

住所:札幌市中央区北4条西6丁目3-3

Instagram:https://www.instagram.com/rokkatei.official/

世界観にうっとり、心地のいいスポット〈GRIS〉

札幌市の狸小路の外れにある〈GRIS〉。東京から来る方からも地元の方からもとても愛されています。ここに来ないと感じられない〈GRIS〉の空気感と美しい器たちに、シェフ・小野シロキさんが作るその時々の食材の食感と味、りえこさんがサーブする景色は見入ってしまいます。すごく心地いい場所です。

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GRIS

住所:札幌市中央区南2条西8-5-4 FABcafe4F

Instagram:https://www.instagram.com/gris.4f/

霊園と公園が一体化した〈真駒内霊園〉

家族のお墓もある〈真駒内霊園〉。私が小さい頃は普通の霊園だったのに、10年ほど前から巨大モアイ像や、大仏がすっぽりと納められた安藤忠雄さん設計の「頭大仏殿」が作られていてびっくりしました。ちょっと不思議な世界観なので、ここに寄ってみるのも楽しいと思います。

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真駒内霊園

住所:札幌市南区滝野2

Instagram:https://www.instagram.com/takinoreien_official/

札幌で愛されるローカルスーパー〈フーズバラエティすぎはら〉

〈北海道神宮〉から少しいったところにある、札幌で愛されるローカルなスーパーマーケット。昔ながらの店構えで、商品のセレクトも多種多様なのが特徴で、全国のシェフたちも通っているそうです。Netflixのオリジナルドラマ『First Love 初恋』のロケ先にもなったお店。

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フーズバラエティすぎはら

住所:札幌市中央区宮の森1条9-3-13

Instagram:https://www.instagram.com/foods_variety_sugihara/

動画はこちらから!

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Harumi Fukuda 
福田春美

北海道札幌市出身のブランディングディレクター。セレクトショップ〈WR〉のディレクターを経て、2007年から3年半パリで暮らす。現在はCM制作や企業のブランディング、ローカルの町づくりなど、多方面で活躍する。

Instagram:https://www.instagram.com/haruhamiru/?hl=ja

子育て世帯にとって 最適な家とはどんな家だろうか? 新潟のリノベーション住宅

こどもが生まれると、住まいに求める条件は大きく変わる。
小さな命を守り、健やかに育てるためには、快適で安心できる住空間が不可欠だ。
そんな理想の子育てを実現するうえで、
マイホームの購入を希望する若者夫婦は多いと思うが、
住宅価格の高騰やそもそも子育てや教育にお金がかかることもあり、
購入を躊躇してしまう子育て世帯は多いのではないだろうか。

住宅購入に悩む若者夫婦を支援しようと、
新潟県が取り組んでいるのが『にいがた安心こむすび住宅推進事業』という制度。
県内にある築10年以上の空き家を子育て世帯向けにリノベーションし、
販売する事業者に対して最大350万円の補助金を支給するこの制度は、
安心安全に子育てに取り組める住宅が
相場よりも求めやすい価格帯で売り出されることにつながるため、
間接的に子育て・若者夫婦世帯への間接的な経済支援につながっている。

家族みんなが安心して快適に過ごせる住まいとはどのようなものなのか。
新潟県が子育て世帯に向けて運営している
ウェブマガジン『にいがたのつかいかた for Family』で
取り上げてきた取材事例のなかから、子育てしやすい住まいづくりのヒントを探る。

家のどこにいてもこどもを見守ることができる。
長岡市の子育て世帯向けリノベ住宅

まずは長岡駅から徒歩15分の立地にあるこちらの住宅。
保育園や小学校が徒歩10分圏内にあるほか、
長岡市の子育て支援施設〈子育ての駅ぐんぐん〉や
ショッピングセンター〈原信〉も生活圏内にあり、
立地だけでも子育て世帯にとって大きな需要があるだろう。

リノベーションを手がけたのは
〈セキスイハイム〉のアフターサービスやリフォームを担当する
セキスイファミエス信越株式会社〉。
同社は2021年から中古住宅をリノベーション・再販する
「Beハイム」事業を展開しており、
その独自基準が今回の県の事業の認定基準と合致していたことから、
積極的に参加を決めたという。

リノベーションを担当した〈セキスイファミエス信越株式会社〉の(左から)黒河内伸治さん、大島浩史さん、中沢美代子さん。

リノベーションを担当した〈セキスイファミエス信越株式会社〉の(左から)黒河内伸治さん、大島浩史さん、中沢美代子さん。

この住宅のリノベーションでは、
「家族同士のふれあいをいかに自然に実現させるか」に重点を置いたと担当者は語る。
玄関を上がるとすぐにウォークインクローゼット、
そしてLDKの扉を開けてすぐ横には脱衣所と浴室がある。
こうした細かい間取りの配慮が家事負担を軽くしてくれると同時に、
こどもの存在をちゃんと把握できることにもつながる。

玄関を上がってすぐ左手にあるウォークインクローゼット。アクセスしやすい。

玄関を上がってすぐ左手にあるウォークインクローゼット。アクセスしやすい。

「ウォークインクローゼットで上着を脱いでリビングの扉を開ければ、
すぐ横に浴室があります。
そこで手洗い・うがいを済ませてから、リビングやダイニングへと入っていけるので、
お子さんもストレスなく家の中に入っていけますし、
親御さんもお子さんの動きをちゃんと把握することができます。
生活空間のなかでどれだけ家族が顔を合わせられるかは気をつけて設計した部分です」

特に大きなリノベーションポイントだというのはLDK部分。
もともとリビングとダイニングキッチンが壁で分断されていたが、
壁を取り払い、両者の間に「フリースペース」を設置した。
この空間は、こどもの遊び場や勉強スペースとして機能し、
料理をしながらこどもの様子を見守れる設計となっている。

ダイニングからフリースペース、リビング、奥の和室まで一直線に望める。

ダイニングからフリースペース、リビング、奥の和室まで一直線に望める。

リノベーション前のリビングスペース。ダイニングキッチンは左の扉の向こう側にあり、それぞれどんな様子か確認することはできなかった。(写真提供:セキスイファミエス信越株式会社)

リノベーション前のリビングスペース。ダイニングキッチンは左の扉の向こう側にあり、それぞれどんな様子か確認することはできなかった。(写真提供:セキスイファミエス信越株式会社)

こうした大幅な間取り変更を可能にしたのは、
セキスイハイムの「ボックスラーメン構造」によるものだ。
この構造は耐震性にもすぐれており、
さらに定期的に住宅健診が受けられる長期サポートシステムもあるとのことで、
子育て期だけに最適な家というわけではなく、
こどもが巣立ったあとも長く家族が暮らし続けられる家でもある。

ボックスラーメン構造の特徴がよくわかる高床部分は車庫として使えるほか、趣味を楽しむ場所としても使えそう。

ボックスラーメン構造の特徴がよくわかる高床部分は車庫として使えるほか、趣味を楽しむ場所としても使えそう。

そのほかにも、玄関には録画機能付きインターホンとスマートキーを設置し、
こどもだけの在宅時も安心。
また、住宅全体にシックハウス症候群対策を考慮し、
低ホルムアルデヒドの建材(F☆☆☆☆)を使用。
さらに引き戸にはドアクローザーを導入するなど、
こどもの安全を守る細やかな配慮が施された家だ。

気になる価格だが、同エリアのセキスイハイムの新築住宅と比較すると、
なんと1000万円ほど安価になっているという。
しっかりとリノベーションすると、なんだかんだ予算が嵩張ってしまうものだが、
県の施策として信頼がおけるリノベーションが施されたこの家が
これだけお得な価格で買えるのは、子育て世帯にとって大きな魅力となるだろう。
機能と価格のすぐれたバランスが、
今の子育て世帯にとって最も重要な要素かもしれない。

◎にいがたのつかいかたfot familyの記事はこちらから

「ただそこにいていい」 空気が流れる場所をまちの中に 2025年3月〈HERALBONY〉 盛岡と銀座に常設店舗オープン

「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、
新しい文化をつくり続けている〈HERALBONY(ヘラルボニー)〉。
岩手県盛岡市に本社機能を置きながら、
国内外の主に知的障害のある作家の描く
2000点以上のアートデータのライセンスを管理し、
企業や自治体とのコラボさまざまなビジネスへ展開しています。

そのHERALBONYが今年3月、
東京・銀座レンガ通りに
〈HERALBONY LABORATORY GINZA(ヘラルボニー ラボラトリー ギンザ)〉、
本社拠点のある盛岡を代表する老舗デパート〈カワトク〉内に
複合施設〈HERALBONY ISAI PARK(ヘラルボニー イサイ パーク)〉を
相次いでオープンします。

都内初の常設店舗。銀座で価値観が変わる体験を提供

HERALBONY LABORATORY GINZA

HERALBONY LABORATORY GINZAは銀座一丁目駅から徒歩1分ほどの場所にオープン。

HERALBONY LABORATORY GINZAは、
2025年3月15日(土)にオープン予定。
HERALBONYにとっては都内初の常設店舗です。
ショップとギャラリーが併設され、
訪れる人が異彩を放つ作家やその作品と出会うことで、
障害に関する価値観が変わる体験を提供します。

契約作家が創作活動を行うスペース

ショップ内に契約作家が創作活動を行うスペースを常設。

ショップ内には作家のアトリエスペースを常設。
作家による色鮮やかなグッズが販売されるだけでなく、
HERALBONY契約作家が創作活動を行う様子を直接目にすることができます。

ギャラリーでは、アートの展示販売はもちろん、
新しい文化をつくっていく運動体としてのHERALBONYによる
さまざまな展示企画が予定されています。

HERALBONYの共同代表である双子の兄弟、松田崇弥さんと松田文登さんは、
「小さな地方発ブランドによる大きなリスクを背負った挑戦です。
異彩を放つ作家と共にド真ん中で勝負する意思表明です」とコメントしています。

民間主体の地域福祉拠点 〈笹塚十号のいえ〉が目指す “屋根のある公園”のような居場所

この連載は、日本デザイン振興会でグッドデザイン賞などの事業や
地域デザイン支援などを手がける矢島進二が、
全国各地で蠢き始めた「準公共」といえるプロジェクトの現場を訪ね、
その当事者へのインタビューを通して、準公共がどのようにデザインされたかを探り、
まだ曖昧模糊とした準公共の輪郭を徐々に描く企画。

第8回は、2024年度グッドデザイン賞を受賞した、
東京都渋谷区にある〈笹塚十号のいえ〉を訪ねた。

ここは、渋谷区の笹塚十号通り商店街にある元八百屋を活用し、
複数の民間団体が協働して運営する地域福祉拠点だ。
「屋根のある公園」をコンセプトに、
地域に暮らす人が自由に休憩ができる場を提供するほか、
地域団体の連携促進を目的に、福祉作業所の商品販売、フードパントリー、
生涯学習企画、学生ボランティアなどの活動拠点としても活用されている。

同プロジェクトの中心人物である戸所信貴さん
(一般社団法人〈TEN-SHIPアソシエーション〉代表理事)と、
左京泰明さん(一般社団法人TEN-SHIPアソシエーション理事兼、
一般社団法人〈マネージング・ノンプロフィット〉代表理事)のふたりから話を聞いた。

複数の非営利組織が維持管理費を分担し、都心に常設の活動拠点をつくった事業モデルと、
サービスの提供と享受、有料と無料の境界を取り払うことで、
目的がなくても立ち寄れる日常の居場所創出を通して、「準公共」の最新の意義を探る。

〈笹塚十号のいえ〉は京王線笹塚駅北口下車、徒歩約5分。笹塚十号通り商店街の真ん中にある元八百屋を活用。

〈笹塚十号のいえ〉は京王線笹塚駅北口下車、徒歩約5分。笹塚十号通り商店街の真ん中にある元八百屋を活用。

〈笹塚十号のいえ〉をつくった理由

矢島進二(以下、矢島): 最初に、戸所さんが
〈笹塚十号のいえ〉をつくるまでの話を聞かせてください。

戸所信貴さん(以下、戸所): 東京で店舗関連の建築設計・施工の会社に
勤めていましたが、群馬に住む父と母と祖母が要介護状態になったことがきっかけで、
福祉関連の活動を30歳のときに始めました。

老人ホームのケアワーカーをやり、その後、笹塚の地域包括支援センターに移り、
そこで多くの疑問に直面しました。公的サービスでは、必要だと思っても
余計なことはしてはいけないルールがたくさんあるのです。
サービス業として顧客への対応という面からみても不思議なことが多かったです。

例えば、家の中で動けなくなった方のサポートでは、玄関やベランダの掃除、
窓拭き、エアコンの掃除、衣替え、電球交換などはやってはいけない。
買い物も最寄りのスーパーに限定されるなど、
「してはいけないこと」が「していいこと」より多いのです。

地域包括支援センターに12年勤務し、最後はセンター長を務めましたが、
センター長として「これはしてはいけない」とスタッフに言う立場は、
心苦しいものがありました。

行政的には、公平性の問題や税金の使用という観点から、
最低限度のことに絞られてしまう。
地域的には、かつての「向こう三軒両隣」のような助け合いのつながりが希薄になり、
そこに大きな“隙間”が生まれてしまっています。

その隙間を埋めるために、一般社団法人〈TEN-SHIPアソシエーション〉を
立ち上げました。確実なニーズがあることはわかっていましたが、
具体的な方法を模索しているときに左京さんと出会いました。

一般社団法人〈TEN-SHIPアソシエーション〉代表理事の戸所信貴さん。「家族の要介護3人の暮らしを目の当たりにし、超高齢社会では介護者だけでは対応できない課題が多数あることを知り、思い切って退職」。笹塚十号のいえの2軒隣で「まちのお手伝いマネージャー」という活動もしている。

一般社団法人〈TEN-SHIPアソシエーション〉代表理事の戸所信貴さん。「家族の要介護3人の暮らしを目の当たりにし、超高齢社会では介護者だけでは対応できない課題が多数あることを知り、思い切って退職」。笹塚十号のいえの2軒隣で「まちのお手伝いマネージャー」という活動もしている。

矢島: 次に左京さんのプロフィールと戸所さんとの出会いを教えてください。

左京泰明さん(以下、左京): 2006年に特定非営利活動法人〈シブヤ大学〉を
立ち上げました。地域のNPOの方々から運営や企業との連携についての
相談を持ちかけられたことをきっかけに、NPOの経営支援に興味を持ち、
行政や企業とNPOの協働の仕組みづくりを行うために、
一般社団法人〈マネージング・ノンプロフィット〉を2017年に設立しました。

渋谷区の事業では、例えば「渋谷おとなりサンデー」という、渋谷で暮らし、働き、
学ぶ人々をつなぐ地域の交流事業を企画・実施しました。そこで戸所さんと出会い、
個人としてリスクをとってまで個人でお年寄りのサポートを始める理由を知り、
救うべき人を知る戸所さんの知見を、いかに継続的に発展できるかたちにするか、
という役割で参画することになりました。
戸所さんとは最初に社団設立の趣意書を一緒に作成しました。

メディアを通して語られる社会問題は表層的になりがちです。
戸所さんは日常の仕事を通じて、本当に困っている方々と数多く出会っています。
しかし行政の立場では、対応できないことが多すぎることがわかりました。

当初私は、行政サービスでカバーできていない“隙間”を埋めることが
必要だと考えていましたが、実は逆でした。行政が対応できているニーズはごく一部で、
ほとんどのニーズが満たされていないことを戸所さんから教わりました。

一般社団法人〈TEN-SHIPアソシエーション〉理事兼、一般社団法人〈マネージング・ノンプロフィット〉代表理事の左京泰明さん。2006年にNPO法人〈シブヤ大学〉を立ち上げ、14年間学長を務めたが、若い人たちに譲り、現在はNPOの経営支援や地域づくり活動を行っている。

一般社団法人〈TEN-SHIPアソシエーション〉理事兼、一般社団法人〈マネージング・ノンプロフィット〉代表理事の左京泰明さん。2006年にNPO法人〈シブヤ大学〉を立ち上げ、14年間学長を務めたが、若い人たちに譲り、現在はNPOの経営支援や地域づくり活動を行っている。

私たちはコミュニティを リノベーションしている。 不動産屋が米づくりする理由

omusubi不動産 vol.9

こんにちは。おこめをつくるフドウサン屋、omusubi不動産の殿塚建吾と申します。

私たちは「自給自足できるまちをつくろう」を合言葉に、
毎年、手で植えて手で刈るアナログな田んぼを続けながら、
空き家を使ったまちづくりを生業としています。

私は一応、omusubi不動産の代表をつとめています。
父方の家業が都内で不動産屋、母方の家業は千葉県白井市で梨農家を営んでいて、
それぞれの文脈にバッチリと影響を受けながら、
出身地の松戸市でomusubi不動産を立ち上げました。

この連載では、omusubi不動産のメンバーが代わる代わる書き手となり、
思い入れの深い物件とその物語をご紹介させていただきました。

連載9回目は、田んぼのお話をお届けします。

「田んぼ」という私たちの原点

田んぼというと「リノベーションと関係ないじゃん」という声が
聞こえてきそうでドキドキします。

そもそも、これまで私たちが手がけた事例をいくつかご紹介してきましたが、
その建物の多くは建築士やデザイナーによる劇的なbefore・afterではなく、
使い手によるDIYなど、時間とともに育てられ、変化していくものが多いです。

しかも田んぼとなると、もはや土地です。それの何がリノベなのでしょうか。

その答えとして、私たちは「コミュニティ自体をリノベーションしている」
のではないかと考えています。

そして、その根底にあるのは、田んぼであると信じています。
今回はそのお話をさせてください。

「神々廻の森」にある田んぼ。

「神々廻の森」にある田んぼ。

自給率0%の自分が情けなかった

私たちの田んぼは、松戸から車で40分くらいの
千葉県白井市の神々廻(ししば)という場所にあります。
周りは目の前にある市民プール以外は森に囲まれていて、
その地名の通り、いまでも神聖な空気を感じられる場所です。
そこに1反ちょっとの小さな田んぼを借りています。

田んぼを借りた理由。
それはシンプルで、自分の自給率を上げたかったからです。

仕事の意義はたくさんありますが、
私は最終的には食べるために働いていると考えています。
それなのに食べ物をつくっていない自分が情けない。
そして本業である不動産はゼロからイチをつくるより、
あるものを横に流すイメージを持たれていて、
事実そういう側面もあることは否定できない。
なので、ちょっとでも本質に近いことをやっている
免罪符がほしかった、というのが当時の心境でした。

使われていない空間を 小さな工夫で生かしてみよう。 武庫川女子大学 〈◯◯のチカフェ〉プロジェクト

多田正治アトリエ vol.11

京都を中心に関西で建築設計をしながら、紀伊半島の熊野エリアでも
地域に関わる活動をする多田正治(ただ まさはる)さんの連載です。

最終回は、大学の中庭で開催したカフェ企画について。
なにか新しくモノを建てずとも、ささやかな設えとアイディアによって、
使われない場所に新しい意味をもたらしていく。
そんな小さな場づくりのヒントとなる事例をお届けします。

誰も寄りつかない校舎の中庭

こんにちは。多田正治アトリエの多田です。
〈リノベのススメ〉は最終回となりました。
今回はいつものリノベーションではなく、広義のリノベとして、
大学で開催したカフェ企画〈◯◯のチカフェ〉についてご紹介したいと思います。

私は2024年の9月に武庫川女子大学の生活環境学科に准教授として着任し、
多田研究室(建築・地域デザイン研究室)を持つことになりました。
着任早々、3回生11名の学生たちがゼミ生として配属され、
そこで初めてのゼミ活動として企画・運営したのが〈◯◯のチカフェ〉です。

武庫川女子大学は、兵庫県西宮市にある大学で、
関西の女子大のなかでは最も学生数が多い大学です。

キャンパスも校舎もオシャレでキレイで、
大学生活を送るには申し分ない環境なのですが、
大学に着任して大学内を見て回っていたとき、
気になる場所を見つけました。それが中庭です。

中庭の様子。四方全部がガラス張り、うち三方が教室などに面していて、残る一方はガラスブロック。4階分の吹き抜け空間で、斜めに配置されたらせん階段がある。北欧風デザインの外灯も1本立っている。

中庭の様子。四方全部がガラス張り、うち三方が教室などに面していて、残る一方はガラスブロック。4階分の吹き抜け空間で、斜めに配置されたらせん階段がある。北欧風デザインの外灯も1本立っている。

生活環境学科の校舎はガラス張りで、廊下や教室、ラウンジから中庭を見下ろせます。
中庭にはイスとテーブルが置かれ、各階につながるカラフルな、
らせん階段が垂直に伸びています。

とてもいいデザインの空間なのですが、なぜかあまり人が使っている気配がありません。
学生たちに聞いてみると「立ち入ったことがない」
「入っていい場所だとは思わなかった」とのこと。

校舎の中心部にあって、いろいろなところから見える場所なのに、
誰も立ち入らない中庭になっていたのです。
「このよそよそしい場所をもっと親しみのある場所に変えられないだろうか」
と思ったのが、〈◯◯のチカフェ〉を立ち上げたきっかけでした。

中庭を実測して図面にしました。

北側の「実体験ラボ」は実際に座って学べるよう、名作椅子がズラリと並んでいる部屋。南側の「総合スタジオ」はファッションショーの練習などができるスタジオ。

北側の「実体験ラボ」は実際に座って学べるよう、名作椅子がズラリと並んでいる部屋。南側の「総合スタジオ」はファッションショーの練習などができるスタジオ。

断面の模式図を書いたものがこちらです。

地上3階・地下1階建ての建物が生活環境学科の校舎。3階に出入り口があるので、中庭は学生たちの動線から外れている。

地上3階・地下1階建ての建物が生活環境学科の校舎。3階に出入り口があるので、中庭は学生たちの動線から外れている。

じつはこの中庭は地下にあります。

地下といっても、地盤面から少し掘り下げられたぐらいの半地下で、
光が入る明るい空間です。

生活環境学科の校舎はすこし変わったつくりで、3階に出入口があり、
中庭は学生たちの動線から外れているのが疎遠になる要因のひとつだと思います。

『阿寒アイヌアートウィーク』 から考える これからのアイヌのカタチ

木彫りのお土産物からアートへ

「アイヌ」と聞いて、どんなイメージを持つだろうか。
最近では実写映画・ドラマ化もされた
マンガ『ゴールデンカムイ』で興味を持った人も多いだろう。

樺太から北海道の先住民族であるアイヌ民族は、
北海道の各地に「コタン」と呼ばれる集落を形成している。
そのひとつ、阿寒湖にあるコタンを舞台に、
昨年11月から12月にかけて『阿寒アイヌアートウィーク』が開催された。
アイヌ作家のみならず、ほかの地域から訪れた現代作家たちが
アーティスト・イン・レジデンスとして現地に滞在し、作品を生み出した。

そもそも阿寒湖アイヌコタンは、観光地としての阿寒湖温泉とともに歩んできた。
コタンはひとつのエリアに集まっており、通りの両サイドには、
アイヌ作家が経営するお店が立ち並んでいる。
ほとんどの1階はお土産物店になっていて、それぞれのオーナーは2階に住んでいる。

お土産物として売られているものの多くは、木彫りの商品である。
伝統的な「マキリ」というナイフから、定番の木彫りの熊、
お土産に最適なかわいいキーホルダーまで。

オープニングイベントでは、普段は外部の人間はなかなかお目にかかることができない伝統儀式「カムイノミ」が特別に行われた。

オープニングイベントでは、普段は外部の人間はなかなかお目にかかることができない伝統儀式「カムイノミ」が特別に行われた。

彼らが先祖代々受け継いできた木彫技術は、お土産物として現代に受け継がれてきたが、
その様子が変わってきたのは数年前から。

「それまでは『俺が彫った木彫りは俺の店で売るんだ』で済んだのです」
と話してくれたのは、
『阿寒アイヌアートウィーク』の監修をしている「デボ」こと秋辺日出男さん。
自身も木彫りの作品を出展しているアイヌの作家でもある。

秋辺日出男さんはデボさんと呼ばれている。映画『urar suye』のひとコマから(後述)。

秋辺日出男さんはデボさんと呼ばれている。映画『urar suye』のひとコマから(後述)。

「数年前に、あるブランドとコラボして作品をつくる機会がありました。
向こうも商品だから『もうすこし軽やかにしてくれ』
『お客様の手に本当に届くような魅力あるものにしてくれ』などの注文がくるんです。
私たちと違う目線で秤にかけられるんですね。
そうした経験を経て、
アイヌのつくり手ひとりひとりの意識も変わってきたと思っています」

流木の形を生かしたデボさんの『魚』。全体に鱗彫りやアイヌ文様が彫り込まれ、黒漆も施されている。

流木の形を生かしたデボさんの『魚』。全体に鱗彫りやアイヌ文様が彫り込まれ、黒漆も施されている。

そこで阿寒湖アイヌコタンの潜在能力を感じたという。

「こうした技術や感性をもっと磨き上げたいと思っていた矢先に、
このアートウィークの話が浮上してきたんです」

今回は14名の阿寒アイヌの作家が出展。
アイヌ文様を施した木彫や刺繍の作品、伝統楽器のトンコリなどが展示され、
オープニングイベントではアイヌ古式舞踊などを鑑賞できた。

アイヌ文様が刺繍された、西田香代子『ルウンペ』。

アイヌ文様が刺繍された、西田香代子『ルウンペ』。

まるでヘビメタのヘッドバンギングのように女性が髪を振り回す『アイヌ古式舞踊』の演目のひとつ「フッタレチュイ(黒髪の踊り)」。

まるでヘビメタのヘッドバンギングのように女性が髪を振り回す『アイヌ古式舞踊』の演目のひとつ「フッタレチュイ(黒髪の踊り)」。

【座談会】コミュニティをつくるための 「対話的な装い」とは? ローカル×ファッションの現在地

2024年11月、都内某所。平日の午後とあって隣の公園は人もまばら。
そんななか、とあるアパートの一角に集まった面々。
編集者やライター、キュレーターやリサーチャーといった肩書きを持つ林 央子さん、
美術家であり大学准教授の西尾美也さん、
リメイクのブランドを主宰する山下陽光さん、
編集を軸に幅広く活動する影山裕樹さんの4人だ。

書籍『拡張するファッション』(2011)で著者の林さんは
「ファッションは楽しいし、ファッションについて考えることも楽しい」と語っている。
ファッションは、当然ながら限られた人だけのものではないし、
もっと自由かつ主体的に楽しむべきである、と。

公園という場所がだれにとってもひらかれているように、ファッションもまた、
あらゆる人にとっての居場所やつながりを生む可能性になれるはず。
さらに、その延長線上に浮かび上がってきたのは
「ファッションは社会に対してどのようなアプローチができるか?」という問いである。
ここに集まったメンバーで、
ローカル×ファッションについてのあれこれを自由に語り合ってみたい。

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集合場所は林央子さんの事務所のはず。しかし隣にある小さな公園に、なぜか集まってくる面々。

集合場所は林央子さんの事務所のはず。しかし隣にある小さな公園に、なぜか集まってくる面々。

2010年以降、ローカルにおけるファッションの現在地

影山裕樹(以下、影山): 今回の座談会企画のきっかけは、
西尾さんがディレクター、林さんがキュレーターとして参画されている
『浦安藝大』というアートプロジェクトのプログラム「拡張するファッション演習」でした。
あらためて、浦安藝大とはなんですか?

西尾美也(以下、西尾): 浦安藝大は、
東京藝術大学と浦安市が連携して2022年に発足した、
社会課題へのアプローチをアートで模索しようとするプロジェクトです。
メンバーはキュレーターに林さん、
ファッション研究者の安齋詩歩子さんをリサーチャーに迎えています。
具体的には、人間にとっての「装い」を
「対話としてのファッション」として学び直しながら、
社会的孤立の問題に対して何ができるかを考え、実践する試みです。
本プロジェクトでは高齢化と孤立という課題に取り組んでいますが、
単に高齢の方だけの問題ではないと思っています。

林 央子(以下、林): 本格始動したのは2023年4月で
「拡張するファッション演習」がスタートしたのもそのときからです。
さまざまな専門家たちが外部講師として参加してくれて、
レクチャーやワークショップを行ったり、浦安市内の理髪店や美容院の協力のもと、
まちなかで「浦安するファッション」という展示もしました。

影山: 個人的に印象に残っているのは、
ローカルでセレクトショップを営む人たちの座談会です。
僕は東京が地元なんですけど、10代の頃は裏原ファッションの全盛期で、
誰もが人と被らないような個性的な格好をしていた時代でした。
よく、東京を出たら奇抜な格好は通用しないっていいますけど、
その座談会で「ファッションとは住んでいる地域と自分を切り離すためのものだった」
という話がありました。
要するに、地方における狭いコミュニティに属することなく
自分を確立するための手段でもあったのだと。

一方で、これからの時代は切り離すのではなく巻き込むような形の、
ローカルならではのファッションを媒介にしたコミュニティのつくり方も
あるのではないかと感じています。
今、どのような流れや動きがあるのか、そこにはどんな可能性があるのか、
事例なども挙げつつ話してみたいと思いました。

林: ローカルでいうと、そもそも日本は世界のローカルですよね。
だから自分たちがおもしろいと思っているものは、
世界からは外れているものだったりする。
たとえば、かねてから私が憧れていた雑誌は『i-D』ですが、
セントラル・セント・マーチンズに留学していたときに図書館にあったのは
『VOGUE』だけ。『i-D』はロンドンで創刊された雑誌なのに、置いてなかったんです。
つまり世界のローカルである日本、
そしてマイノリティである私たち日本人が熱烈に憧れたり興味を抱いたりしながら
輸入してきたファッションの文化は、
世界のなかで見るとすごく偏ったものだったのかなあとも思いましたよね。

影山: なるほど。

林: 影山さんの話にあった
「ローカルでコミュニティをつくるうえでのファッション」に
おもしろみを感じられるようになってきたのは、
おそらく2010年以降ではないかと思っています。

影山: 2010年以降というと、西尾さんと山下さんはまさにそこに当てはまりますよね。
西尾さんが手がけるブランド「NISHINARI YOSHIO」はどんなブランドですか?

西尾: 元たんす店を創作の拠点として活用しながら、
大阪の西成区山王という地域の女性たちとの共同制作で立ち上げたブランドが
NISHINARI YOSHIO」です。
芸術家やアーティストが地域資源を素材として制作したり、
そこに住む人たちと協働するというアートプロジェクトは、
2000年代に日本各地で実践されてきました。
こういった手法を地域に根ざしたファッションの可能性に置き換えて考えた場合、
それを誰が担うのかは重要です。
いずれにせよ、地域との関わりを持ちながら創作できる機会と場所があれば、
そこでしか生み出せない新たなものが出てくる可能性はあるということですね。

キーワードは「火袋」と「通り土間」。 築120年の京町家の建築様式が よみがえる住宅リノベーション

多田正治アトリエ vol.10

京都を中心に関西で建築設計をしながら、紀伊半島の熊野エリアでも
地域に関わる活動をする多田正治(ただ まさはる)さんの連載です。

今回は築120年以上の歴史がある京町家の住宅リノベーションについてお届けします。

町家を引き継ぐ

京都市の主要な東西の通りのひとつ、丸太町通りから少し北に上がったところにある町家。
この建物をリノベーションしたのが、今回ご紹介する〈丸太町の町家〉です。

建築主はぼくの古くからの友人。
彼のお祖父さんの住まいだったこの町家を引き継ぎ、
夫婦と小さなお子さんの3人で住むにあたり、
現代的な住まいを提案してほしいという依頼が2014年にありました。

工事前の様子。ファサードの青い瓦が特徴。

工事前の様子。ファサードの青い瓦が特徴。

築120年以上の歴史をもつ町家。
道路に面して母屋があり奥に庭があるという一般的な京町家の構成です。
間口約6メートルに対して奥行が35メートルほどあり、
極端に奥深く敷地の半分以上は庭でした。

この町家の履歴を調べるために、彼のお父さんにヒアリングをしました。
お父さんが子どもの頃に住んでいた家でもあるからです。

明治時代から建っていたこと、昔は奥に長屋があって複数の家族が住んでいたこと、
隣との間に昔は路地があってその長屋へとアクセスできていたことなど、
町家とその周りの環境の変遷がわかってきました。

また、お祖父さんは食品関係の仕事で道路に面した部分をビジネスに使っていたこと、
2階に使用人が住んでいたこと、またお祖母さんが庭の奥に茶室を建てたり、
庭や座敷に名物を並べたりと、趣向を凝らした道楽をされていたこともわかりました。

敷地の奥にある庭(工事前)。お祖母さんの趣味の気配が残りながら、木々や草花が野生化していた。

敷地の奥にある庭(工事前)。お祖母さんの趣味の気配が残りながら、木々や草花が野生化していた。

それから時を経て、昭和50年代に1階の道路に面した部分を大きく改装しました。
一部減築をして駐車スペースを設け、外装をタイル張りにし、
室内には応接間をつくりました。

そんな一家の歴史と町家の歴史を知ったうえで、設計プランを提案していきました。
次第に彼ら自身もどのような家に住んでいくのかイメージが固まっていったようです。

暮らしの困りごとから本気のDIYまで。 築50年の団地をサポートする 「グッデイさん家」とは?

名島団地内のやや奥まった場所に位置する「グッデイさん家」。「どこでもドア」風のフォトスポットが目印。

昭和30〜40年代の高度経済成長期から今にいたるまで、
日本各地で多くの家族が生活を営んできた「団地」。
現在では、設備の老朽化や空き家問題を解決するべく、
全国でさまざまな取り組みが行われています。
九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発に期待が集まる福岡市東区でも、
「ホームセンター×団地」という異色のプロジェクトが始まっています。

団地の一軒家が「DIYのコンビニ」に!

昭和50年代に1号店がオープンしてから今にいたるまで、
福岡のDIYシーンを牽引してきたと言っても過言ではない
ホームセンター「グッデイ」。福岡に住んだことのある人なら、
一度は足を運んだことがあるのではないでしょうか。
そんなグッデイが2024年9月、福岡市東区にある名島団地の敷地内に
くらしサポートセンター「グッデイさん家」をオープンしました。

訪れてみると、現れるのは完全に普通の一軒家。
「団地なのに、なんで一軒家が?」と不思議に思いますよね。
この物件は団地の敷地内にもともと建てられていた家で、
空き家になった数年前から維持管理や活用のしかたについて
検討が重ねられていたのだそう。

「グッデイさん家」店内

DIY製品と日用品に加え、駄菓子もならぶ「グッデイさん家」。

DIYのコンビニエンスストアのような品揃えでありながら、
昭和の駄菓子屋さんを彷彿とさせる「グッデイさん家」。
グッデイのベテラン社員である佐瀬さんが「家主」となり、
名島団地に住む人たちの「生活の困りごと」を解決するため、
さまざまな製品やアイデアでサポートしてくれます。

くらしサポートセンター「グッデイさん家」はどのように誕生し、
なぜここまで愛されるようになったのでしょうか。
福岡県住宅供給公社の井上さん、グッデイ広報の島村さん、
「グッデイ団地プロジェクト」担当の塚本さんにお話を伺いました。

築50年の団地に活気を生み出すDIY

12棟330戸の名島団地。

12棟330戸の名島団地。建物の間隔が広く、開放的な敷地内。

築50年を超える名島団地は、全国の他の団地と同様、
住民の高齢化や空き家問題などに直面しています。
それらの問題を解決し、地域コミュニティを活性化するため、
ホームセンター「グッデイ」と福岡県住宅供給公社がタッグを組み、
2023年の秋、「グッデイ団地プロジェクト」が始まりました。

リノベーションルームの玄関ドア

リノベーションルームの玄関ドアには「グッデイ団地プロジェクト」のロゴが。

「エレベーター付きの集合住宅と違い、階段のみの団地は
4階以上の居室の借り手が少なく、入居率が低下しています。
小さなお子さんがいるような若い世代の家族にも入居してもらうため、
以前から『DIYが可能な賃貸物件』と打ち出してはいたものの、
なかなか浸透しない、という状況でした。そこで、
グッデイさんに力を貸していただくことになったんです」
(福岡県住宅供給公社・井上さん)

リノベーションルーム室内

リノベーションは床と壁のみ。天井や建具はそのまま使われている。

最初のプロジェクトは、2つの居室のリノベーション。
ほぼ同じ間取りの2室が、DIYでまったく違う雰囲気のお部屋に
生まれ変わりました。この2室はDIYモデルルームとして、
またワークショップ用のスペースとして活用されています。

DIYで和テイストなプロヴァンス風に生まれ変わった団地の和室。

DIYで和テイストなプロヴァンス風に生まれ変わった団地の和室。訪れた人も思わずくつろいでしまうとか。

リノベーションを担当したのは、グッデイのスタッフさんたち。
「ホームセンターの社員とはいえ、中にはもちろん
『DIYしたことないです』というスタッフもいまして(笑)。
初心者がペンキ塗りに失敗したり、貼った壁紙も微妙にシワが
残ったりしたとしても、それもDIYの『味』なんですよね。
『完璧にキレイにしなくてもいいんだ』と思ってもらうことで、
DIYに対する心理的なハードルを低くしたいんです」
(グッデイ団地プロジェクト担当・塚本さん)