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工芸が息づく場所を探して。
HULS GALLERYが初のブランドブック『工芸の居場所』を刊行

コロカルニュース

posted:2025.12.5   from:東京都  genre:アート・デザイン・建築

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Rina Akamatsu

赤松里菜

日本の工芸を、世界の視点で見つめ直す

日本の現代工芸ギャラリー「HULS GALLERY(ハルス・ギャラリー)」が、創業以来初となるブランドブック『工芸の居場所』を東京・シンガポール・香港の3拠点で同時発売。運営元の株式会社HULSは、2016年にオンラインメディア「KOGEI STANDARD」を立ち上げて以来、全国の工芸産地を取材し、陶磁器や漆器、金工、染織など、多彩な手仕事の背景を発信してきた。2017年にシンガポール、2019年には東京・赤坂にギャラリーを開設し、現在では国内外10か国以上のファインダイニングに工芸品を届けている。

“工芸のいま”を記録する、写真とことば

本書では、代表でありキュレーターでもある柴田裕介が執筆したコラムと、フォトグラファー須田卓馬による工芸産地の写真を収録。日本各地の風土と人々の美意識を背景に、「工芸が現代社会で果たす役割」を問う内容となっている。収録作品には、李荘窯(佐賀)や加藤亮太郎(岐阜)、坂倉正紘(坂倉新兵衛)(山口)など、HULS GALLERYが取り扱う18点の工芸品を掲載。また、「侘び寂び」「間と余白」「用の美」「もののあはれ」など、日本の美意識を読み解くコラムも収められ、日英併記で世界の読者にも開かれた一冊だ。

工芸の未来に“居場所”を

HULS GALLERYの取り組みは、工芸を「過去の文化」ではなく「今の文化」として世界に伝える試みでもある。創業者・柴田氏は、「多くの物に囲まれながらも、どこか物足りなさを感じる現代の暮らしに、手仕事の温度を届けたい」と語る。

東京・赤坂のギャラリーでは、毎月企画展を開催。格子や畳を配した日本建築の空間に、陶磁器やガラス、木竹工品が並び、現代の暮らしの中で生きる“工芸の居場所”を体現している。

information

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HULS GALLERY Brand Book『工芸の居場所』

著者:柴田裕介

写真:須田卓馬、柴田裕介

仕様:B5判/80ページ/日英併記

価格:2,860円(税込)

販売場所:HULS GALLERY 各店舗およびオンラインストア

オンラインストア:https://store.hulsgallerytokyo.com/

公式サイト:https://hulsgallerytokyo.com

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