漁師町の〈寿司のまつくら〉へ。 鮮度は太鼓判。 とれたて海の幸を豪快盛り!

このツヤ、この色、美しい盛り!
中にはまだ見えていないネタもあるのです。
酢飯にたどりつくのに時間を要する幸せな逸品。
この鮮度とボリュームは、
日本海に面した増毛町の店〈寿司のまつくら〉ならではのとっておきです。

増毛の語源は「カモメの多い港」の意味をもつアイヌ語「マシュケ」。
古くから豊かな漁場として栄えたこのまちは、
1年を通して質の良い魚介が揚がることで現在も有名です。
その漁港からほど近い場所にあるまつくら。
増毛特産の甘えびやぼたんえび、
そして旬の北海道の新鮮な魚介をふんだんに使った料理は、
どれも一度食べると忘れられないおいしさです。
その魅力のひとつは、ネタの豊富さ。
上の写真の「特上生ちらし」(2620円)には
なんと13種類以上のネタがぎっしりと乗せられています。

生ちらしや丼もの、握りを中心にメニューも豊富。
選ぶのに迷ったら、今が旬のおいしいネタを熟知している店主の松倉孝一さん、
ともに店を切り盛りする長男の清道さんに、
おすすめの品をぜひ聞いてみましょう。

客席からは、広いカウンターの上で松倉さんがさばいた魚介を
鮮やかなスピードでどんどん盛っていくのを眺めることができます。
その量たるや、「そんなに乗せていいんですか?」
と口にしてしまうほどの豪快さ。
キラキラ輝くほど新鮮なネタはどれもが宝石のよう。
味にもボリュームにもいっさい妥協しない、
松倉さんのこだわりと腕前、そしてサービスの心が伝わってきます。

「うに・えび丼」(2625円)。増毛特産の甘エビと、たっぷりのうには付属のへらですくっていただきましょう。

「今日のウニは釧路ものだよ。
うちでは基本的には日本海産のものを使っているんだけど、
1年中ウニを食べてもらえるようにしていて、
北海道でとれる中で一番いいものを使ってる」
と孝一さんが言えば、横で立ち働く清道さんが
「ウニの旬は北海道を時計回りに一周するんですよ。
釧路根室方面は冬が産地で、日本海側は夏。産卵の時期が違うんです。
増毛産のうにを食べたいなら7月ですね。
ちなみに北海道は11月がウニのなくなる時期です」
とプロの情報をぽんと投げてくれます。
この息の合ったかけあいもまつくら名物。
その言葉どおり、口の中で甘くとろりとほどける絶品のうに。
本物の贅沢がここにあります。

産地でしか食べられない透き通った甘えび。プリッとしていて甘く、いくらでも食べられそうです。

また、年間を通してとれる増毛特産といえば、甘えび。
どんぶりにみっしりと甘えびが並ぶ「甘えび丼」(2160円)をはじめ、
カラリと揚げられた「甘えび天丼」(1000円)、
ボリュームたっぷりの「甘えび天丼DX」(1800円)も人気メニューです。
甘えびは天ぷらを単品(860円)でも頼むことができるので、
生ちらしや定食と組み合わせても。

サクサクの「甘えび天丼」(1000円)。2尾をあわせて揚げています。えびの頭入りの椀ものもおいしい。

そして、この日、幸運にも出会うことができたのがこちら、
今朝増毛で揚がったぼたんえび(時価1000円〜)。

ぼたんえびは活でとれてすぐ海外へ送られることも多く、
お店で出会えるかどうかはタイミング次第だそう。
「生きているぼたんえびは、
実は生よりボイルの方が断然ポテンシャルを発揮するんです」と清道さん。
ボイルのぼたんえびをいただいてみると、
初体験の、噛み切れないほどの歯ごたえとおいしさにびっくり!
まつくらでこの味を体験して病みつきになるファンは多いそうです。

ボイルしたぼたんえび。

そして店の名物には、
毎日20食限定という「ジャンボ生ちらし」(3560円)があります。
まるで魚介のタワーのようにうずたかく盛られたネタが圧巻の一品。
完食できたら「スーパージャンボ生ちらし」への挑戦権がもらえるそう。
我こそはという方は、早めの来店でチャレンジしてみて。

まつくらで使われるすばらしい海の幸は、
水産会社に必要量をあらかじめ頼んで届けてもらうシステム。
この日の増毛産ネタは甘えび、ほたて、ヒラメ、いくら、いか。
冬の季節は、さらに種類が増えるいい時期だそう。
そのほかのネタは日本海を中心に、道内各地の厳選された魚介を集めています。
「いいものを使わないと、お客さんが逃げちゃうからね」と孝一さん。
すし米は、富山産と新潟産コシヒカリのブレンド米を使っています。

どのネタも大ぶりな「にぎり 上」(2205円)。

農家の息子として増毛に生まれた孝一さんは、
農業の仕事がピンとこずにレストランに就職します。
のちに「いずれ独立して増毛でお店を持つためには
洋食屋でなく寿司屋だ」とひらめき、そこから寿司屋へ修行に入りました。

孝一さんが増毛町の中心地から少し離れた通りに店を構えたのが昭和38年。
当初はお客さんを呼ぶために喫茶スナックも同時に経営していたそう。
昭和57年に現在のお店を新築。
カウンターに面したテーブル席のほかに、
家族連れにうれしい小上がり席もあります。
店内に漂うアットホームな雰囲気は、家族でつくりあげているお店ならでは。

奥さまの美紀子さん、店主の松倉孝一さん、叔母の斉藤恵美子さん、息子の清道さん。お店を訪れるときは、清道さんが孝一さんをなんと呼んでいるかも聞き耳立ててみてて。

「増毛は5月の『増毛えび地酒まつり』も人気ですが、一番おすすめの時期は7月。
うにがおいしいし、名産のさくらんぼも時期なんです。
土日はうちも混むことが多いですね」という清道さんのお話に
「うちはいつでもひまだから来て」
そんな孝一さんの合いの手が笑顔を誘います。

その人柄はもとより、
新鮮な魚介の魅力を最大限に引き出す孝一さんの腕前のファンは多く、
道内外からリピーターが絶えません。
海鮮に合う増毛町の〈国稀酒造〉のお酒もいただけるので、
増毛の誇る味わいを合わせてじっくりと堪能してみては。

information

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寿司のまつくら

住所:増毛郡増毛町弁天町1-22

TEL:0164-53-2446(予約可)

営業時間:11:00〜21:00

定休日:第1・3月曜日

※駐車場あり

日本最北の造り酒屋〈国稀酒造〉。 明治建築の酒蔵は見応えあり!

日本海に面し、江戸時代中期の1750年頃に豊かな漁場として開かれた、
北海道でも長い歴史をもつ増毛町(ましけちょう)。
かつてニシン漁で繁栄をきわめた明治の頃、
ある呉服店の敷地内で、従業員用の日本酒造りが始められました。
これが、現在創業134年を迎える、
日本最北の造り酒屋〈国稀酒造〉が生まれたきっかけです。

いまも1902年築の工場で、
南部杜氏の手法を汲んだ酒造りが行われている国稀酒造。
その工場の一部は一般公開されているので、
館内を歩きながら歴史と日本酒の香り漂う酒蔵見学を楽しむことができます。

軒先にかかる杉玉は造り酒屋の目印。緑は新酒ができたことを知らせ、枯れて茶色くなっていく過程は新酒の熟成具合を表すと言われます。

1918年築という建物の入口から、
奥の工場へ向かって長く伸びる廊下を進みます。
売店コーナーの先には、元は製品貯蔵庫として使われていた資料室が。
国稀酒造の母体となる呉服店〈丸一本間合名商店〉に残されていた、
当時のさまざまな酒造りの道具や酒器などが展示されています。
今も残る堂々とした巨木の大黒柱も見どころのひとつ。

増毛近郊の軟石が使われているという元製品貯蔵庫。当時の面影を伝えています。

さまざまな商品のラベル。昔は味噌もつくっていたそう。

昔からの定番商品〈國稀〉(900ml 872円)の元の名は“国の誉れ”。日露戦争で名を馳せた乃木希典将軍の名前にあやかってその商品名を変えたというエピソードも。左の〈純米 吟風国稀〉(720ml 1234円)は酒米の吟風100%使用。中辛口の凛とした風味。

大きな貯蔵タンクが並ぶ酒蔵の先には、
大人のお楽しみ、売店で取り扱うすべてのお酒を試飲することができる
利き酒コーナーが待っています。
さっぱりとした辛口が定番の銘酒〈國稀〉シリーズをはじめ、
国稀でつくられるお酒は本醸造、吟醸、大吟醸、純米酒、特別純米酒と
種類も飲み口もさまざま。
いろいろと飲み比べて、自分の好みのお酒を見つけることができます。
ここ増毛でしか買えない地域限定酒も販売しているので、ぜひチェックしてみましょう。

お気に入りが決まったら、入口横の売店へ。
日本酒以外に、
時を越えて復活させた本格酒粕焼酎〈初代泰蔵〉(1404円)のほか、
保湿力たっぷりの酒屋のハンドクリームなどのオリジナル商品も並んでいて、
おみやげ選びには事欠きません。

試飲コーナーには、現在販売中の国稀酒造の銘柄がずらり。それぞれ丁寧に解説してくれた佐藤さんは増毛生まれの増毛育ち。訪れたのは10月。奥にはこれから酒の仕込みを待つタンクが並んでいます。

「実は、酒蔵見学は酒の仕込みを始める11月〜3月の冬場がおすすめなんです」
酒蔵を案内してくれた佐藤敏明さんがそう語るわけは、
その時期、工場全体が蔵人さんたちの酒造りの活気に満ちているから。
搾りが終わる1月から春までは、
お客さんに板粕を使った甘酒がふるまわれるといううれしいサービスも。
酒粕は10月中旬頃、板粕は11月下旬頃から数量限定で販売しています。

2000年頃から始めた酒蔵見学は道内外から人気を集め、
国稀酒造は今や年間13万人もの方が訪れる増毛の人気スポットとなりました。
「まずはここに来て、建物や歴史を見て、味を楽しんで、
国稀酒造を知っていただくことが大切だと思っています。
あわせて、ここ増毛のまちも見ていただけますしね」と佐藤さん。
増毛町のランドマークとして、すっかり定着しています。

日本酒づくりの要は、なんといっても、おいしく良質な水。
国稀酒造の仕込み水は、
創業当時から、増毛が誇る暑寒別岳(しょかんべつだけ)連峰の豊かな伏流水を使用しています。
長い年月をかけて地下で濾過された水は夏場でも冷たく、とてもまろやかな飲み口。
工場の中には、この伏流水を自由に飲めるスペースも設置されています。

こちらは入口脇にある伏流水の水汲み場 (冬期間閉鎖)。

もうひとつは、酒造好適米といわれる酒米。
これまで本州産の米を使用してきた国稀酒造は
近年、増毛をはじめ道内各地でつくられる酒米〈吟風〉を
積極的に酒造りに使用しています。
とくに増毛産の〈吟風〉は生産農家と契約をかわし、全量買い取りをしているそう。
地元の天然水と酒米でつくられる、増毛ブランドのお酒づくりが進んでいます。

国稀酒造の外観。隣の裏手には〈米蔵ギャラリー〉、すぐ近くには増毛のニシン漁文化を伝える〈千石蔵〉も。いずれも入場無料。

国稀酒造の並びには、旧本店であり、
いまはまちが管理する国指定重要文化財、
〈旧商家 丸一本間家〉が残されています。
こちらでは国稀酒蔵創業者以来の直系の方々が住んでいた
往時の暮らしぶりと重厚な店構えとを、ゆっくりと見学できます。

〈旧商家 丸一本間家〉は敷地面積590平米。店舗部分は防火に長けた木骨石蔵造で、新潟から呼び寄せた宮大工が建設したのだそう。(冬期閉館)

〈丸一本間合名会社〉および〈国稀酒造〉創業者の本間泰蔵さんは、
新潟から小樽の呉服店へ入り、
その後1876年に増毛で独立して呉服雑貨店を開業。
折しも増毛がニシン漁の好景気に沸きはじめた頃で、
泰蔵さんは呉服店の成功からニシン漁の網元、
不動産業、海運業などあらゆる事業を手がけ、
一代で“天塩国一の豪商”としてその名を馳せました。

事業の拡大で従業員が増えるにつれ、需要が高まってきたのがお酒です。
当時手に入るのは本州産の高級なお酒のみというなか、
酒造りに多少の造詣があった泰蔵さんは、酒の自家醸造を始めます。
これが軌道に乗り、20年後、現在の場所に大きな酒蔵を建設しました。

意匠をこらした美しい伝統建築は見応えあり。こちらは土間上部に飾ってあった天狗のお面。

やがて一大商社並みの多角経営は時代に合わせて縮小へ。
残された事業は、奇しくも酒造業のみとなります。
国稀酒造を生んだ本間家の歴史は、ニシン漁の歴史とともに、
まるで一編の物語のようなドラマに満ちています。

このふたつの建物を含め、
増毛駅からのびるレトロで風情あるまち並みは
〈増毛の歴史的建物群〉として北海道遺産に認定されています。

廃線が決定した留萌本線の終着駅は増毛。閑散としていた駅や列車は、現在は多くのファンで賑わっています。

伝統を守りながらも、受け継がれてきた酒造りを広く発信し続ける国稀酒造。
激動の時代とともに歩み、
増毛の恵みに育まれたその歴史に思いを馳せながら、
清酒を味わってみてはいかがでしょうか。

information

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国稀酒造株式会社

住所:増毛郡増毛町稲葉町1-17

TEL:0164-53-1050

営業時間:9:00~17:00 ※酒蔵見学は9:00~16:30

定休日:年末年始、不定休あり

入場料:無料

※駐車場 あり

http://www.kunimare.co.jp

information

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旧商家 丸一本間家

住所:増毛郡増毛町弁天町1丁目

TEL:0164-53-1511

営業時間:4月下旬~11月上旬/10:00〜17:00

定休日:木曜日(木曜日が祝日の場合はその前日)※7・8月は全日開館、冬期閉館

入館料:一般・大学生 400円、高校生 300円、 小・中学生 200円(団体割引あり)

http://honmake.blogspot.jp

エコミュージアムおさしまセンター BIKKYアトリエ3モア。 木造校舎のアトリエを再生した、 彫刻家砂澤ビッキのミュージアム

幕末の探検家・松浦武四郎が、
アイヌの古老から、
「『カイ』とは『この国に生まれたもの』を意味する」
と聞き、「北」と「道」をつけてこの地を「北加伊道」としたのが、
「北海道」の始まりと伝えられています。
そんな北海道の命名の地は、深い山あいを流れる天塩川(てしおがわ)沿い、
音威子府村筬島(おさしま)地区にあります。

この筬島に移住し、旧筬島小学校をアトリエとして
10年余りの制作活動を続けた現代彫刻家の砂澤ビッキさん。
アイヌ民族というアイデンティティを源にもち、
木と深く対峙しながら生みだされた豪放さと繊細さを合わせもつ作風で、
世界的にその名を知られる彫刻家です。

『揆面』(1975年)。札幌時代の1975年〜1976年の2年間で約120点制作した木面シリーズ。さまざまな「き」の漢字に当てはめたモチーフの奔放さに、ビッキの遊び心が垣間みられる作品。

このアトリエを改築して2004年にオープンした砂澤ビッキの記念館である
〈エコミュージアムおさしまセンター BIKKYアトリエ3モア〉では、
生涯で制作された1000点にものぼる作品のうち、
200点あまりを観ることができます。

アトリエ3モアは、
ビッキのいた頃のにぎやかで活気溢れる場をという地域住民の願いとともに、
村がいまも誇る芸術家を伝えていく拠点として生まれました。
以来、ビッキの足跡をもとめて、全国から多くの人がここを訪れています。

いまにも動き出しそうな『樹海老』(1987年)。ひとつひとつの節が動かせる細かい仕組みが施されています。緑色の染料はビッキ独自のもので、その原料を明かさなかったそう。

旭川で、アイヌ人で彫刻家の父トアカンノと
アイヌ刺繍の名手だった母ベラモンコロのもとに生まれたビッキ。
〈ビッキ〉はアイヌ語で〈カエル〉の意で、小さな頃からの愛称でした。
男性は彫刻、女性は針仕事というアイヌ民族の生活の中で、
ビッキは自然と木彫を始めます。

ビッキの弟の民芸品店に飾られていたレリーフ。

1978年、当時音威子府高校の校長に招かれ
「森と匠のまちづくり」をすすめる音威子府村を訪れたビッキは、
豊かな木々をたくわえたこの村の雄大な自然に魅了され、移住を決めます。
以後はこの廃校をアトリエに、
晩年までこの地で精力的な制作活動や展覧会を行ってきました。

『熊』。若い頃は販売用の民芸品をつくっていたものの、アイヌの木彫作家のイメージがあるクマの木彫作品には抵抗があり、つくったのは生涯3点のみ。この作品の熊にはもとは肩に矢がささっていたそう。

元小学校の空間を生かしてテーマごとに分けられた展示室では、
ビッキの残したひとつひとつの作品にじっくりと向き合えます。
木に女性的な要素を感じ、これほど魅力ある素材はないととらえていたビッキ。
木彫作品は小さなものから大きなものまで、
具象的なものから抽象的なものまで幅広く、
とくに音威子府に来てからの、
巨木を使った大がかりな作品も見ることができます。

守り神のような風格を漂わせる『森に聴く』(1985年)。

かつて音威子府駅前に堂々とそびえていた、
ビッキの作品、トーテムポールの『オトイネップタワー』は、
樹齢300年というヤチダモの巨木からつくられた作品。
このトーテムポールは残念ながら1989年、
強風による損壊で撤去され、現在はアトリエ3モアにその一部が展示されています。

展示されているトーテムポールの一部。

ビッキは、自らの作品はつくったときが完成なのでなく、
自然の力が加わってこそ完成すると考えていました。
朽ちるままにまかせたその姿は、
すべてはいつか自然に還っていくことを静かに物語るかのようです。

『小鹿』(1979年)。木のふしをうまく使った造形はどことなくセクシー。この後ビッキはカナダを訪れ、ハイダ族のもとで滞在制作したそう。

展示空間を堪能したあとは、ビッキが室内装飾を手がけた
(一説にはツケがわりに作品を寄贈したとも)、
札幌のすすきのにあったバー〈いないいないばぁー〉。
アトリエ3モアにはこのバーを再現したカフェがあり、ここでひと休み。
ビッキ文様と呼ばれる柄をそこかしこに忍ばせたレリーフに囲まれて、
ビッキの世界に浸ってみてください。
お土産のグッズ販売のほか、関係資料が自由に閲覧できるコーナーも。

〈いないいないばぁー〉出口のドア。ビッキの作品からはユニークな人柄が垣間見えます。

絵画や版画の作品も。

若かりし頃のビッキは俳優のよう。詩人の顔も持ち〈青い砂丘にて〉という詩集を出版しています。

アイヌ民族という揺るがない軸をもちつつも
「アイヌでもシャム(和人)でもなく、
ひとりの現代彫刻家として評価されたい」と明言していたビッキは、
作家としてはエネルギーに溢れた近寄り難い存在でありながら、
気さくな人柄でまわりの人を惹きつけてやまなかったそうです。

アトリエ3モアは、冬期間(11/1〜4/25)は休館。
ビッキが愛した音威子府の木々に緑が満ちる頃、
彼の息吹が宿るアトリエが旅人の訪問を待っています。

information

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エコミュージアムおさしまセンター BIKKYアトリエ3モア

住所:中川郡音威子府村字物満内55番地(地域名:筬島)

TEL:01656-5-3980

営業時間:9:30〜16:30※4月26日~10月31日(冬期間閉鎖)

定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

http://bikkyatelier3more.wix.com/atelier3more

〈ラーメン みづの〉 生姜と醤油がたまらない! 体も心も温まるホッとする味

旭川名物といえば真っ先に思い浮かぶのが、旭川ラーメン。
老舗から新しいお店まで、
旭川にはたくさんのラーメン店がひしめきあっています。
黄色縮れ麺にラードを使ったこってり醤油スープが、旭川ラーメンの主流。
そのなかで異彩を放つお店が、
繁華街から少し歩いた先の旭川市ロータリー商店街入口にたたずむ、
〈ラーメンみづの〉です。

昭和の風情が残るどこか懐かしい店内ですぐに目を引くのが、
壁にびっしりと並ぶ色紙と、厨房に掲げられた「生姜ラーメン」の立派な看板。
そう、みづのの一番人気メニューは、
創業以来つくり続けている「生姜ラーメン」です。

生姜ラーメン(630円)。ラーメンに最も合う、甘みある高知産の大生姜を使用。

ひと口いただくと、あっさりとした醤油スープに、
生姜の風味がふわっと広がるやさしい味わい。
最後は甘みとともにスッキリ感が残ります。
生姜の辛みはなく、スープだけでどんどんいただけます。
市内の製麺所から仕入れる白くまっすぐな麺は、
このあっさりスープと相性抜群。
ランチにも、またはちょっと飲んだあとの一杯にも合う、
じんわり沁みてくるおいしさです。

生姜は薬膳といわれ、身体の毒素を排出する効果があり、
さらにダシに使う豚骨の脂っぽさも消してくれるという優れもの。
食べるうちに身体がポカポカ温まってくるのもうれしい。

スープに使われるダシは豚骨のみ。
生姜ラーメンに入れる生姜は、なんと大さじ山盛り1杯ほど!
その量に驚きましたが、2代目店主の水野龍司さんいわく
「これだけ入れても、だしに甘みがあるから主張はしないんです」
醤油スープを加え、これもお父さまの好みで選ばれたという麺が入り、
厚めのチャーシューとメンマ、ねぎが乗せられ、
ほんのり生姜が香りたつラーメンのでき上がりです。

言葉を交わさずとも、息の合った流れで一杯ができあがります。

この生姜ラーメンは先代である水野さんのお父さまのオリジナルメニュー。
元小売りのお菓子屋からラーメン店へ転業、
1965年にみづのを開店したお父さまは大の生姜好きでした。
「好物の生姜を、ラーメンに入れてみたらどうだろう?」とひらめき、
試行錯誤の末に誕生したのが生姜ラーメンです。
「シンプルだけど、好きだからこそ生まれた発想が
いまの〈みづの〉の味をつくっているんです」と龍司さんは振り返ります。

ひとりっ子の龍司さんは東京の大学へ進学。
当時は跡を継ぐことを考えていませんでしたが、
いずれ旭川へ戻ることを想定して28歳でお店に入ります。
「親父やおふくろから、
特になにかを教えてもらったという記憶はないですけどね」
と笑う龍司さんですが、
40歳の頃2代目として店を任されて以来23年間、
みづのの味を守り続けています。

みづのが軒をつらねる〈旭川市ロータリー商店街〉は
かつて〈常盤通り商店街〉という名で親しまれ、
1950年には戦後初の北海道博覧会の舞台にもなった、歴史ある地区です。
店内には、商店街オリジナルという
洒落たデザインのTシャツや手ぬぐいが販売されていました。
古くからの土地でありながら、
外からの人も受け入れて、ともにまちの魅力を発信しています。
まわりには龍司さんのように家業を継いでいる近い世代の幼なじみも多く、
今でも仲間たちとのつながりは自然に続いているそうです。

おしどり夫婦な龍司さんと奥さまのみち子さん。おふたりともいい笑顔。

「アナログな人と人とのつながりを大事にしながら
“のんびりやっていて実はしぶとく生き残っている”っていうのがいいですね。
やっぱり商売はやっている人間が楽しくなきゃ」
最近は同じような思いで商売をする若者が増えているので、
その世代がさらに旭川を
いいまちにしていくだろうと龍司さんは期待しています。
「旭川って大都市でもなく、利便性のいいまちでもないけど、
僕らを含め住んでいる人間はみんな好きなまち。
特にここの商店街は、古くから不便さを
人とのつながりでカバーしてきた下地がある。
旭川はもちろん、僕はここの通りが大好きなんです」

好きなものから始まったお店の歴史はまちに根づき、
まちに愛されながら今日も紡がれています。
ここでしか出会えない、
心まであたたまる生姜ラーメンを味わいに、ぜひ足を運んでみてください。

information

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生姜ラーメン みづの

住所:旭川市常盤通2丁目

TEL:0166-22-5637

営業時間:平日10:00~15:00、17:00~19:30、日曜11:00~17:30

定休日:不定休

※駐車場なし

〈近藤染工場〉 彩り鮮やかな大漁旗に宿る 刷毛引き本染めの伝統と心

職人の手で、ひと刷毛ひと刷毛、心を込めて刷られていく染め物。
旭川市と同じだけの歴史を重ねてきた〈近藤染工場〉では、
創業以来117年間守られ受け継がれてきた
昔ながらの染め技法〈刷毛引き本染め〉を伝える、
全国的にも数少ない染め物工場です。

刷毛引き本染めとは、下絵、のり置き、刷毛引き本染め、水洗い、縫製の、
染めの工程である5つのすべて手作業で行う手法のこと。
その製品の美しさは、見る人に鮮烈な印象として残ります。

近藤染工場が手がける染製品のメインは大漁旗。
ほかにもはんてん、のれんなどの大きなものから、
コースターや手ぬぐいなどの小ぶりなものまで、
幅広く染め製品を生みだしています。

左から、おめで“たい”にあやかった〈本染手ぬぐい 鯛の鯛〉(1080円)、縁起のいい柄が踊る〈福招き手ぬぐい〉(1404円)、北海道の魅力をあつめたイラストがかわいい〈北海道手ぬぐい〉(1296円)。

工場に併設された売店には、ぱっと明るい気持ちになれる色合いの手ぬぐいや、
落ち着いたトーンのあずま袋、コースターなどが、
色や種類も豊富に並べられています。
ひとつひとつ手でつくられるオリジナル商品は、
どれも独特なにじみが味わいになっていて、まったく同じものはありません。
旅のおみやげにもちょうどいい、
北海道や旭川にちなんだ手ぬぐいも揃っています。

〈雪の紋章コースター〉(各432円)。北海道になじみ深い雪にまつわる家紋を染め上げています。

大漁旗製作中の工場で、
この美しい発色の染めがつくられるところを見学させてもらいました。

まずは市内の下絵屋さんに下絵を発注。
大漁旗の特徴である細かい図柄や力強く勇壮な文字は、
職人さんによるフリーハンドで描かれています。
その下絵に、口金から絞り出されたのりで地の色を残す部分をなぞっていく
のり置き作業を終えた布地が、ぴんと張られて作業場に揺れていました。
のりの材料は、もち米・米ぬか・石灰・塩ととってもシンプル。
昔と変わらない配合だそうです。

マイのり絞り袋が並ぶコーナー。もとは渋紙製でしたが、現社長が工夫をこらして布製袋を開発。持ちもよくなり、ぐっと使いやすくなりました。

次の工程は刷毛引き本染めです。若い職人さんが4人がかりで、
大小の刷毛を使いこなしながら生地に色をのせていきます。
バランスがとりにくい作業のはずが、
なめらかな動きであっというまに仕上がっていくその姿は、まさに匠の技そのもの。

生地が反らないように、ぴんと張って乾燥場へ運びます。

染め上がった生地は乾燥室で乾かして色止めし、水洗いを経て、
はじめて裏まで鮮やかな発色が姿を現します。
若い方も多い職人さんひとりひとりが、
のり置きからここまでの作業すべてをこなしているそうです。

一人前になるまでに染めで約5年、のり置きはもっと難しく約10年ほどかかると言います。

その後、生地をあわせて縫製し、大漁旗は完成。
一枚をつくるのに約1週間かかるのだそうです。
この工程のうち「機械にとって変われる作業はひとつもない」と、
5代目にあたる近藤弘社長は胸を張って話してくれました。

こちらが、完成した大漁旗の表。裏返してみると……

ご覧のとおり、裏も表とまったく変わらない、美しい仕上がり!

でき上がった大漁旗の、堂々として色の鮮やかなこと!
刷毛で染めるため生地の裏まで色が抜け、
裏も表同様に美しい染め上がりになるのです。
これが機械プリントでは決して出せない、
近藤染工場にとって一番の誇りです。

大漁旗は、仲間が船を持つときのお祝いとして漁師が贈りあうもので、
漁師の結束の証ともいわれます。
本州では染物屋さんにおまかせでつくってもらう大漁旗ですが、
近藤染工場では大漁旗デザインをカタログにまとめ、
選んで注文できるという独自のスタイル。
毎年その数を少しずつ増やし、現在は約80種類ものデザインがずらり。
インターネット上でも注文できるので、道内をはじめなんと沖縄まで、
全国各地から注文が寄せられているそうです。
最近は結婚お祝い用の大漁旗という、ユニークなオーダーも受けているんだとか。

もとは藍染めからスタートした近藤染工場は、
徳島から旭川へ開拓移民として入った初代の近藤仙蔵さんが、
1898年に現在の場所で〈近藤染舗〉として創業。
鉄道が旭川まで開通したのも同年のことです。
徳島は藍の産地だったこともあり、
冬はとてもしばれる(冷え込む)旭川でも、1936年まで藍染めをしていました。
軍都旭川の発展とともに繁栄した近藤染工場は、太平洋戦争のさなか、
綿が使われなくなり職人たちが徴兵されていくという困難を乗り越えて、
家業を守り続けました。
戦後には大漁旗の仕事を手がけることで、大きな発展を遂げます。

色とりどりに使い込まれた刷毛。これだけで絵になる美しさです。

染めの伝統技術とともに継承されているのは、家業への誇り。
「私はこの仕事が好きだし、旭川が一番いいところだと思っています。
この土地で永遠に続けていくんですよ」と語る近藤社長。
店頭に飾られた初代からの家訓「家業永遠」の精神は、
スタッフや職人すべてに宿り、近藤染工場を支えています。

「利益を追っていくのでなく、手間をかけていいものをつくる」
という思いは染め上げられた製品にも宿り、
見る人を惹きつける力になっていくのでしょう。

旭川駅からほど近い街角に、威風堂々と建つ蔵造りの工場。入ってすぐが売店です。前身で大正期に建てられた店舗兼住宅は、歴史的建造物として札幌の〈北海道開拓の村〉に移築保存されています。

information

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株式会社 近藤染工場

住所:旭川市1条通3丁目右1

TEL:0166-22-2255

営業時間:平日8:00〜17:00

定休日:日曜日、祝日(土曜日不定休)

※駐車場あり

http://kondo-some.co.jp/

宗谷本線人気の駅そば〈常盤軒〉 生産北限の地でいただく まっ黒なそば!

流れるような動きであっという間にでき上がり、
すぐにアツアツをいただける、駅そばならではのスピード感。
だけど普通の駅そばとひと味違うのは、この真っ黒い麺!

JR宗谷本線の音威子府(おといねっぷ)駅にあり、
「日本一うまい駅そば」と全国に名を馳せる〈常盤軒〉。
黒い麺の秘密は、そばの実の甘皮まで使って製麺しているから。
野趣あるそばの風味に加え、しっかりとしたコシが最後まで楽しめます。

「この生麺は製造日から3日後くらいが食べごろ。茹でたあとに2、3回水を替えてよくもんで洗うのがコツ」と店主の西野さん。だしは昆布と煮干しを使っています。

そば生産北限の地、音威子府村。
村や近郊のそばの実を使った黒いそばは、
まちの名産品として知られる一品です。
「小学生の頃は、よくそばを踏まされていましたよ」
と話してくれたのは3代目店主の西野 守さん。
かつては自家製麺を使っていましたが、
現在は村内の〈畠山製麺〉から毎朝届く生麺を使用。
お店で購入できる生麺と乾麺は、おみやげとしても人気です。

つくりたての〈音威子府そば〉生麺(1束400円)。茹でると艶やかな黒色に。乾麺もあり(1袋1100円)。

おすすめの天ぷらそば(470円)は、
食べるうちにほぐれていくかき揚げと、
だしのきいたほんのり甘い濃いめのつゆとがほどよく麺にからみ、箸がどんどんすすみます。
基本は立ち食いそばですが、店向かいのテーブル席、待ち合い用座席、
以前は乗換え待ちの仮眠用として設置された小さな畳敷きのスペースがあり、
自由に座って食べられます。駅そばなのでメニューはあたたかいものだけ。
ここの黒いそばを目当てに、お客さんが次々に車で駅へとやってきます。

ホームを見ながらいただく駅そばは格別。
昼間にやってくる列車には、15分ほどの停車中に、
走ってそばを食べにくる乗客の方もいるそう。

音威子府駅は今も旭川と稚内を結ぶ宗谷本線の特急停車駅。
そして、かつて運行していた旧天北線の始発駅でもありました。
鉄道のまちとして名を馳せた音威子府は、
最盛期には人口5000人のうち約3割が鉄道関係者だったという話も。

昔ながらのたたずまいが残るホーム。普通列車は1時間に1本。

ホームで駅員さんが出迎える風景も懐かしい。

1930年代の創業時から天北線廃止までは、
駅のホームで駅弁を中心に販売していた常盤軒。
特急列車が長く停車し、
夜行列車も出ていた音威子府駅は乗客にとって大事な食事処でもありました。
テレビのない時代にラジオで紹介されたこともあって、
店は一時は24時間営業をしていたほどの繁盛ぶりだったそうです。
「その前からちょっとはおいしいって評判だったんですよ」と笑う西野さん。

音威子府駅に隣接する天北線資料室に残る、往時の常盤軒。上は駅弁を運ぶ若かりし日の西野さん。

生まれも育ちも音威子府という西野さんは、実は明治大学卒。
卒業後は跡を継ぐという約束で1958年に常盤軒に入り、
2代目のお父さまにそばだけでなく日本料理までひととおり習ったそう。
「当時は多くの人が行き交う駅でした」と振り返ります。
駅舎の新築にともない、お店もホームから駅舎内へと移りました。
半世紀以上店に立ち続けている西野さんは、まさに音威子府駅の顔です。

世代も住む地域も幅広いお客さんのなかには、
何世代にもわたって来てくれる方もいます。
30年前に来たことのあるお客さんが訪れ、「昔と同じ味だ」と喜んでくれることも。

駅そばをすすりながら、西野さんのあたたかい笑顔に癒されます。

「跡継ぎはいないんです。私がつくるのを全部やって、
かみさんが手伝いをしてくれています。
いつまでやれるかわからないね、もう80になるから。
でも元気で仕事ができるっていうのはありがたいことだって、
歳をとって痛切に思いますよ」
笑顔とともに元気をいただける一杯。
飾り気ない西野さんのお人柄も、常盤軒の人気の理由です。
駅そばの醍醐味、列車に乗って食べに来たいお店です。

information

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常盤軒

住所:中川郡音威子府村音威子府 JR音威子府駅内

TEL:01656-5-3018

営業時間:9:30~16:00

定休日:水曜

※駐車場あり(駅の駐車スペースへ)

廃線を走る〈トロッコ王国美深〉で 〈仁宇布の冷水・十六滝〉へ。 森と滝をめぐる小さな冒険

旭川と稚内の中間に位置し、天塩川の流れる豊かな盆地、美深(びふか)町。
40号線沿いにどんどん深くなる森を抜けて北上していくと、
道路沿いに古い線路が並走し始めます。
向かうのは、廃線になった旧国鉄美幸線の仁宇布(にうぷ)駅。
ここには、その線路の一部を生かして、
トロッコ体験が楽しめる〈トロッコ王国美深〉があります。

トロッコを運転する人は普通自動車免許が必要。車体は線路用につくられたエンジン付きの特別仕様です。

実は、自分でトロッコを運転できるテーマパークは全国でここだけ。
「走る森林浴」とも言われるトロッコの小さな旅は、
オープン以来ユニークな観光地として話題となり、
近年は道内外から年間1万人を越えるお客さんが訪れています。

まずは、旧仁宇布駅舎を模してつくられた“コタンコロカムイ”と呼ばれる駅舎で
入国(王国なので!)の受付をすませましょう。
駅舎の中には旧仁宇布駅や旧美幸線ゆかりの資料が展示されていて、
待ち時間に眺めるのも楽しい。

トロッコ乗車用の防寒着や毛布、雨カッパが完備されていて、無料で借りることができます。取材に訪れた閉園直前の10月末の外気温はひと桁。たくさんお借りして乗車しました。やはり、あたたかい季節がおすすめです。

トロッコの運行は9時〜16時(夏場は〜17時)までの毎時0分発。
風の冷たい日はたっぷり着込んで臨みましょう。
お借りした軍手をはめて、乗車準備はOK!
コースは往復10キロ、約40分の道のり。
スタッフさんから安全運転のための注意点を教わり、トロッコに乗り込みます。

トロッコはもちろんオープンな車体。
ごとんごとん、小刻みな揺れとともに風を切ってぐんぐん進みます。
線路脇の湿地や、凛と立つ白樺並木を抜け、
曲がりくねった仁宇布川を見下ろしながら走る爽快感は格別!

小さな頃、電車の1番前の窓から見ていた景色を直に体感できます。夏は緑のトンネルが楽しめるそう。

最後の折り返し地点は特に運転に注意。
ゆっくりと回り込んだ先で、
スタッフさんが待ち受けていてポイントを切替えてくれます。この地点からは、
隣を走る道路越しに2本の背の高い〈高広の滝〉を見ることもできます。

「もう少し進んで……はい、ここでストップ!」スタッフさんが止まるまでていねいに指示を出してくれます。

トロッコの小さな旅を堪能したあとは、駅舎に戻ってひと休み。
冷えた体がほっとする温かいドリンク(1杯150円)も用意されています。
小さな売店コーナーには、
廃線になった線路のパーツから生まれたユニークなおみやげグッズも。

廃列車がそのまま残る風景。まるで時が止まったかのよう。

かつて美深〜仁宇布間を走っていた美幸線は1985年に廃止が決定。
同時にその先の北見へと工事の進んでいた路線は、
線路が引かれる前に廃線となりました。
その後、旧仁宇布駅まで残った廃線路を生かそうという気運が生まれ、
1998年、美深に新しい名所として〈トロッコ王国美深〉が誕生します。

トロッコ乗り場からすぐの〈チーズ工房 羊飼い〉では羊がのんびりと放牧されていました。ここでは羊のチーズをつくる試みがなされています。

さて、次に向かうのは仁宇布のもうひとつの名所〈仁宇布の冷水と十六滝〉。
トロッコ王国から車で10分ほど。
深い山に抱かれた仁宇布の冷水は平成の名水100選にも選ばれ、
真夏でも水温が約6℃という冷たい湧き水です。
飲んでみると、澄みきった冷たさとともに、やさしいまろやかさが残ります。

ふたつの注ぎ口から勢いよく流れ出る清水は硬度の低い軟水。「この水でつくるお味噌汁やコーヒーは本当においしいです」と美深町観光協会の丸山澄恵さん。毎月水質検査がされているので安心。

2008年、地元のおばあちゃんが山菜採りのときに
「この水を飲むと元気になる」
と利用していたことで知られるようになったそう。
水質検査の結果、おいしい湧き水というお墨付きがされました。
以来名水として、近隣から水を汲みにくる方が絶えません。
ぜひ空のペットボトルを持参して、清らかな森の恵みをいただきましょう。

仁宇布の冷水とセットで訪れたいのは、
仁宇布地域に点在している16か所の〈十六滝〉(冬期封鎖中)。
十六滝のうち、一般の人が見ることのできる滝は5つ。
冷水からさらに森のなかを少し進んだ先、車を降りたらすぐ見ることのできる、
十六滝のなかでも一番大きい〈雨霧の滝〉。
水量が多く流れ落ちる水音が響きわたり、迫力満点!
気持ちのよい森の香りと美しい水からほとばしる清々しさに、
心身ともに満たされるようです。

雨霧の滝から300メートルほど先にもうひとつの滝があると聞き、
山道を軽いトレッキング気分で進むことしばし。

足元に気をつけて進めば、スニーカーでも大丈夫な道のり。

上流にある〈女神の滝〉は、森に守られた優美な姿を見せてくれました。

女神の滝は気軽に水際まで降りられます。水辺の苔が美しい。

さらに道を登りきると、滝の上に出ます。
ここからは柱状節理状の岩肌を流れる清流を眺めることができ、
自然が刻んできた悠久の時間が目の前に広がります。

地名の「ニウプ」とは、アイヌ語で「森林」を意味する言葉。
日本最北の高層湿原で幻想的な大自然の広がる〈松山湿原〉や、
紅葉の美しさで知られる〈天竜沼〉など、
仁宇布の森にはさまざまな景勝地が点在しています。 
豊かな水に育まれる仁宇布の自然と歴史。
そのおすそわけをたっぷりといただける小さな冒険へ出かけてみませんか。

まわりの自然からも英気をもらえます。

information

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NPO法人 トロッコ王国美深

住所:中川郡美深町字仁宇布

TEL:01656-2-1065

営業時間:4月下旬~10月下旬、受付/8:30~16:00、運行/9:00〜16:00の毎時ちょうど
(※7/11~8/23受付運行時間が9:00〜17:00)

定休日:冬期休業

料金:大人: 1800円、2人以上で1人1500円 

中・高生 1200円、小学生以下 700円、未就学児童 無料、団体割引・町民割引あり

information

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仁宇布の冷水

住所:中川郡美深町字仁宇布

TEL:01656-2-1617(美深町役場 総務課)

営業時間:6月頃~10月下旬まで(冬期間閉鎖)

つくり手の顔が見える、 豊かな食卓。 淡路島のさつまいも料理から 感じた大事なこと。

淡路島の美味しいアルバム

今回の美味しいアルバムの舞台は
フォトグラファー・津留崎徹花がここ数年、何かと縁があるという淡路島。
たまたま見かけた記事に惹かれ、さっそく取材依頼。
淡路島の〈あわじ花の歳時記園〉で迎えてくれたのは、
はつらつとした声が印象的な緒方信子さんでした。

懐かしいさつまいも掘りから、おいしい郷土料理、そして
ぐっと心に響いた信子さんの話。
今回の旅でもたくさんの出会いと収穫があったようで…

〈SPICE MOTEL OKINAWA〉 リノベーションホステルって どんなところ?

リノベーションホステルという宿泊施設をご存知ですか?
これは、レトロなビルをリノベーションした宿泊施設のこと。
洗練されたデザインの施設が多く、価格も手頃なのが特徴です。

昨年の冬、沖縄に〈SPICE MOTEL OKINAWA〉(スパイスモーテルオキナワ)という
リノベーションホステルがオープンしました。
場所は、沖縄本島の那覇市街からほど近い、中部地区。
緑とまちがほど良く混在し、おしゃれな店が増えているエリアです。

この地区には、アメリカ統治時代の“Okinawa”に建てられた
建物が多く残されており、最近ではカフェや雑貨屋さん、
個人が住むための物件として人気を集めています。
〈SPICE MOTEL OKINAWA〉は、かつてモーテルだった建物なのだそう。

広々としたダブル、ツイン、トリプルの部屋があるほか、
女性専用ドミトリーもあります。
施設内にはカフェや共用ラウンジ、キッチンも。
まるで、アメリカ西海岸のような雰囲気です。

ホステルからアラハビーチとサンセットビーチまでは、車で約10分。
ビーチでは、4月中旬から10月中旬まで泳げます。
海が好きな人にはたまらない環境ですね!

わんこと楽しむ温泉宿 〈鬼怒川 絆〉オープン。 お風呂も食事も布団も一緒!

寒くなると恋しくなるのが温泉!
このたび、栃木県が誇る日光鬼怒川温泉に、
ペット同伴に特化した高級旅館〈鬼怒川 絆〉がオープンしました。

露天風呂付きのお部屋には全室、愛犬用の露天風呂を完備。
愛犬用の夕食もあるほか、わんこ用アメニティを完備し、
夜は高級布団で一緒に就寝。
館内には100畳の室内ドッグラン、屋外には庭園を望める天空ドッグランもあり、
愛犬と食事も寝るのもずっと一緒の愛犬家にはたまらないお宿です。

そして温泉宿での楽しみといえばお料理ですが、
〈鬼怒川 絆〉では、その道20年以上の和食料理人が腕を奮う、
旬の恵みを詰め込んだ高級十五懐石料理をご提供。
なんとこの美しいお料理、実は愛犬用のご夕食なんです!

愛犬用夕食

わんこと一緒に、贅沢なひとときを過ごすことができます。

こちらが大人用のお食事

機織りに舟屋での食事! 丹後の魅力を堪能する 無料バスツアー開催

2016年1月23日(土)、
京都の丹後地方をめぐる無料のバスツアー
〈ここでしか味わえない丹後の魅力が堪能できるモニターバスツアー〉が開催されます。
風光明媚で美味しいものたくさんな丹後の魅力を、
地元で盛り上げる人たちが考えた、
新しい丹後の楽しみ方が体験できるモニターツアーです。

与謝野町の織屋さん

旅の始まりは、宮津駅前から。
まずはちりめんで栄えた与謝野町を訪れ、
今注目の織屋さんのご主人さんご自身に、
手機がつくる美しいものづくりの世界を語っていただきます。

伊根では舟屋の景色を感じ、地物を食べる散策を。

続いては”舟屋”で知られる伊根町へ。
舟屋とは、1階が船のガレージ、2階が居間となった独特な建物。
海辺ぎりぎりに建ち並ぶ風景はここでしか見られません。
ここでは、舟屋の景色を感じ、地物を食べる散策をします。
訪れるのは、ひみつ基地のような、
眺めが素晴らしい舟屋の空間。
女性杜氏と”世界一のレストランで供されたお酒”で知られる〈向井酒造〉のお酒などと
ともに、景色とつまみがたのしめる体験をご用意。

宮津市

その後は、民話“笠地蔵”の郷、京丹後市を訪れ、
最後は宮津市へ。自由行動もしつつ、まちの人々が
宮津のツボをよみとく“みやさんぽ”をご案内。
B級グルメや夜のさんぽに誘います。
お申し込み方法など詳細はFacebookページをご参照ください。

information

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ここでしか味わえない丹後の魅力が堪能できるモニターバスツアー

Facebookページ

● お問い合わせ先

丹後クリエイティブ 実行委員会

事務局企画運営担当

メール:yosano@tangocreative.org

TEL:080-7002-8807

今日のお弁当: とり松の〈ばら寿司〉 これが丹後の味! 鯖のおぼろがたっぷり二段。

今日のお弁当は、京都の北部、
京都府京丹後市の〈とり松〉さんの名物の〈ばら寿司〉。
ばら寿司とは、“ちらし寿司”のこと。
京丹後地方にのみ古くから伝わる、独特のお寿司です。

丹後のばら寿司の特徴は、
なんといっても鯖を独自の製法で炒り炊きにした”おぼろ”。
〈とり松〉さんのばら寿司には、
このおぼろが二段、たっぷり入っています。

鯖のおぼろが二段重ねに!

そのおぼろの二段重ねの上に乗っているのは、
甘く煮た椎茸、かんぴょう、たけのこ、錦糸玉子、かまぼこ、青豆。
そしてアクセントの生姜。
それぞれの甘みと塩気がからみ合って、
複雑なおいしさを醸し出しているんです。

パッケージも歴史を感じます。1人折850円(税抜)

とり松さんは、京都府の日本海側、丹後半島の網野で
80余年の歴史を持つ老舗。
もともと丹後の家庭で作られる家庭料理だったばら寿司を
商品化にするには、いろいろな苦労があったそうですが、
いまでは名物として、お店でも、駅弁としても定番の人気商品になっています。
とり松さんのばら寿司は、お店で食べたり、お持帰りできるほか、
JR京都駅でも販売されています。

ターゲットは外国人観光客。 新感覚ホステル&ラウンジ 〈GRIDS 日本橋イースト〉 オープン

江戸時代から続く老舗問屋街として知られる、東日本橋。
2016年1月15日(金)、ここに新感覚の、
ホステル&ラウンジ〈GRIDS日本橋イースト〉がオープンしました。
東京オリンピックを控え、ますます増加傾向にある
外国人観光客の宿泊ニーズを想定した、
新しいタイプの宿泊施設です。

ホステル〈GRIDS(グリッズ)〉のオープンは、
昨年4月に開業した第一号となる〈GRIDS 秋葉原〉に続き2軒め。
価格が低いこと、安全なことに加え、
日本の伝統や文化に触れながら、新たな楽しみやつながりを
見つけられるのが、グリッズの特徴。
〈GRIDS日本橋イースト〉では、繊維問屋街である
東日本橋らしさが感じられる“生地(木地)”を
デザイン・エレメントとして取り入れ、日本らしさを表現しました。
ローカル感を感じるオリジナリティあふれるしつらえが
ホテルのあちこちに見られます。

プレミアムルーム

デラックスドミトリー

PODタイプ

コモンスペース

客室は、客室タイプと2段ベッドのPODタイプの二種類。
宿泊者同士の情報交換ができるコモンスペースもあります。

ポストカード(12種)

今日のおやつ: 〈松屋のいちご大福〉 巨大とちおとめがまるごと1個! 行列必至の名物

東京では初雪が降った本日。
今日のおやつは、栃木県下都賀郡壬生町の〈しもつけ彩風菓松屋〉さんの名物、
〈松屋のいちご大福〉!
酸味と甘みバランスが良くてとってもジューシーな、
栃木の〈とちおとめ〉を使ったいちご大福です。
甘酸っぱい新鮮ないちごを自慢のあんと一緒にお餅で包んでいます。
毎年行列が出来るほどの人気で、
多いときには1500個を1時間で売り切るのだとか。
お値段は一箱で個入りで1,320円(税別)。
毎年12月末から5月中旬頃までの限定販売となっています。

〈しもつけ彩風菓松屋〉

松屋さんのいちご大福へのこだわりはかなりのもの。
そもそもこのように、いちごがはみ出す〈いちご大福〉を
松屋さんが売りだしたのは全国でいち早く、2000年4月のこと。

中にいちごを入れるタイプの大福だと、時間が経つと離水がおこり、
いちごの味が落ちてしまいます。
そのため、出来るだけ餡に触れない形にして、いちごの瑞々しさを保ちました。
また3Lの大きな苺を入れることができることや、
見た目が可愛らしく華やかであることも、このかたちにした理由のひとつ。

また、素材にもこだわっています。
使用するいちごは、44年間連続日本一の収穫量を誇る栃木のとちおとめだけ。
契約農家から直接納品だけにこだわり、そのなかでも
甘味と酸味のバランス、ジューシー感、艶とハリのある真っ赤な苺、
そして3Lの食べ応えのある大きな苺という条件が揃った、
店主が納得のいったいちごだけを使っているのだそう。

大福の生地は、栃木産のこだわりもち米を使用。
ミルクを生地に混ぜ込みました。
またつぶ餡は北海道十勝産の厳選大粒小豆を独自の技法(ご飯炊き製法)で調理。
小豆の風味を最大限に引き出し、程良い甘さに仕上げているんです。

〈瀬戸内リトリート青凪〉 安藤忠雄建築から瀬戸内海を 眺望するラグジュアリーホテル

2015年12月、愛媛県松山市にホテル瀬戸内リトリート青凪がオープンしました。
ここは、瀬戸内海を一望できる最高のロケーション。
安藤忠雄さん建築の贅沢な空間の中に、客室はたったの7部屋だけ。
オールスイートのスモールラグジュアリーホテルです。
もともとゲストハウスとして利用されていた美術館のような施設を、
ホテルとして生まれ変わらせたプロジェクト。

館内には宿泊ゲストだけのための屋外、屋内の2つのプールとジャグジーとサウナが。
日本の植物の天然成分を使用したトリートメントで癒しを与える
ホテルスパ〈ALL THAT SPA SETOUCHI〉も完備。
名門ゴルフ場〈エリエールゴルフクラブ松山〉に隣接しており、
ゴルフ好きの方にとっても気になるホテルです。

OUT DOOR POOL「THE BLUE」

〈エリエールゴルフクラブ松山〉

愛媛を中心に、瀬戸内・四国の旬素材をふんだんに使った和食を提供する
レストラン〈ダイニング MINAGI〉は、コースのみ(税別18,000円)。
瀬戸内の食材や生産者の方々の想いや背景を一皿の料理に表現します。
お飲み物は、日本ワインをはじめ、
各国の自然な造りのワインや瀬戸内を中心とした日本酒なども。

DINNING 〈MINAGI〉

またスパ〈ALL THAT SPA SETOUCHI〉では、
天然成分を用いたクリーム&オイルを使用した
オリジナルのトリートメントが受けられます。
経路・リンパの流れ、筋膜のリリースから生み出させる独自の施述スタイルで、
頭部から足先までの全身のコンディションを調整し、
心身を本来あるべき状態へと導いてくれるのだそう。

〈ALL THAT SPA SETOUCHI〉

庭師のいる〈足立美術館〉 職員さんも総出の手入れで、 日本庭園が13年連続日本一!

島根県の安来市にある足立美術館。
横山大観のコレクションをはじめとする近代日本画や、
河井寛次郎らの陶芸などをそろえた美術館です。
昭和45年に安来出身の実業家、足立全康氏によって設立されました。
おでかけコロカルでも以前ご紹介している名所です。

こちらの美術館で人気なのが、日本庭園。
この庭園が今年、アメリカの日本庭園専門誌
『Sukiya Living/The Journal of Japanese Gardening
(ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング)』
の日本庭園ランキングにて、13年連続、1位に選出されました。
このランキングは、全国の日本庭園1,000か所以上を
対象に実施しているもの。
庭園の質、庭園と建物との調和、利用者への対応といったホスピタリティ等、
「いま現在鑑賞できる日本庭園としていかに優れているか」
を基準に調査・選考されている賞なのです。

2015年日本庭園ランキング上位5位

1位 足立美術館(島根県)

2位 桂離宮(京都府)

3位 山本亭(東京都)

4位 養浩館庭園(福井県)

5位 御所西 京都平安ホテル(京都府)

(ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニングより)

冬景色も

この美しい庭園のひみつは、
7名の専属の庭師が、日々様々な手入れや維持管理を行っているから。
それに加え、庭師以外の美術館職員も、開館前には総出で
清掃作業を行っているのだそう。
昭和45年の開館から年中無休で繰り返されている伝統ということで、
こうした手間暇から世界一の庭が生まれているんですね。
館内には、床の間の壁をくりぬいて
横山大観の名作「白沙青松」をイメージした庭が眺められる
〈生の掛軸〉や、館内の窓がそのまま絵画になった〈生の額絵〉も。

〈生の掛軸〉

〈生の額絵〉

森の案内人〈森の生活〉。 北海道に自生するトドマツから、 エッセンシャルオイルの 蒸留体験ができる?

まちの財産である森林を育て資源としてフル活用し、
森と暮らす健やかな暮らしを推進する、
北海道で唯一の環境未来都市に指定されている、下川町。

このまちで2005年に発足した〈NPO法人 森の生活〉は
森と人との豊かな関係づくりをめざす下川町の森の案内人。
まちを訪れる観光客や地元住民へ向けて、
森のガイドや森林環境教育、森林療法といった
実際に一緒に森へ入る体験プログラムを行っています。

なかでも、下川の森を散策後、
森から持ち帰ったトドマツの葉で精油づくりを楽しむ
『プチ蒸留体験』は人気のプログラム。

まず、参加者は〈体験の森〉と呼ばれる場所で森歩きからスタート。
体験の森は下川町のなかでも、
静かな山間にあり、近くには炭酸泉で有名な五味温泉もあります。
ここはリスが遊び、冬にはエゾモモンガを見つけることができる豊かな森。
ひとたび森へ入ると、清々しい空につつまれ、その気持ちよさに思わず深呼吸。
未来にこの豊かな森を残すために、
下川町は60年1サイクルの伐採・植林・育林をする
循環型森林経営を行っているというお話をはじめ、
ガイドの佐藤さんが森の木々のこと、森づくりのことを教えてくれます。

散策中、すぐ下の丘にやってきた立派なオス鹿に出会ううれしいハプニングも!

森をゆっくり散策したあとは、
アイヌ語で「フプ」と呼ばれ、
森の生活では“北海道モミ”という愛称で呼ぶ、
北海道自生種のトドマツの葉を使った蒸留体験の準備が始まります。

お手本を見せてもらって、参加者もノコギリでトドマツの枝払い。

まずは、自分たちで材料を得ることから
エッセンシャルオイルづくりがスタート。
精油がどんなふうにつくられるかを、1から知ることができます。
参加者自ら枝払いをして出たトドマツの枝を持ち帰ります。

きれいに管理された体験の森をあとに。

蒸留体験の場所は、下川町のまちなかにある、
〈美桑の家〉と名付けられた森の生活の事務所も入っている建物。

スタッフみんなで割った薪がきれいに並べられている〈美桑の家〉。広場では子どもたちと一緒にバーベキューを楽しむことも。

早速、トドマツのエッセンシャルオイルづくりに入ります。
まずは枝からちぎった葉を蒸留器にいっぱいになるまで詰めたら、
水を注ぎ入れ、ヒーターにかけて煮出していきます。

松ヤニがつくと香りがとれなくなるので要注意! 軍手をはめ、もくもくと作業に没頭するコロカルチーム。

美しいかたちの卓上ハーブオイルメーカー。気体になった精油を含む水蒸気を冷やすための水を何度も入れ替えます。

すると気体になったトドマツの芳香成分が冷やされ、
芳香蒸留水とエッセンシャルオイルとして
ゆっくりと抽出されていくという仕組み。
煮詰めていく間に漂う香りの変化も、お楽しみのひとつです。

やがて、先が逆三角型となったガラス容器〈ろうと〉の部分に、
少し白みがかった芳香蒸留水がたまり始め、
その表面にはエッセンシャルオイルの層が見えてきました。
さあ、最後にふたつの液体を分けてゆきます。

「エッセンシャルオイルは香りを楽しむ専用に。
つくりたてから3か月ほど熟成したほうが、
より上品な香りになります。
芳香蒸留水は化粧水や入浴剤の原料になります」

お試しに、まだほんのりあたたかい蒸留水を肌においてみると、
びっくりするほどするりと浸透していきました。

エッセンシャルオイルのできあがり。つくってみると、その希少性がわかります。

あれだけあったトドマツの葉から
抽出されるエッセンシャルオイルはごくわずか。
オイルの香りは森そのもののように深く、
リラックスするひとときにおすすめです。

水と葉だけでつくられたナチュラルなエッセンシャルオイルと芳香蒸留水は、
もちろんおみやげとして持ち帰ることができます。
自分が歩いた森の樹からつくったものを持ち帰って使うことができる。
まるで森から贈り物をもらったようです。

おみやげにといただいたトドマツの枝は、ほのかな森の香り。

下川町が森林循環型のまちづくりへとかじを切ることになる転機は、
1981年に訪れました。
湿雪被害で倒れた多くのカラマツを利用できないかと考えた森林組合が、
木炭を製造し販売する事業を立ち上げ、大成功を収めます。

「林業では森づくりのため間伐や枝を払う作業が行われますが、
幹以外の枝葉は山に肥料として捨てられるだけでした。
その葉っぱがいい香りだと気づいた森林組合で、
精油づくりのアイデアが生まれたのが始まりなんです」と佐藤さん。
トドマツの精油づくりは、森の恵みをあますところなく活用するべく、
林業の廃棄物を木炭・木酢液・木質バイオマスなどに変えて
有効利用する〈ゼロ・エミッション〉の取り組みの一端を担っています。

商品としての精油事業を手がけるのは、森の生活から独立してつくられた〈株式会社フプの森〉。エッセンシャルオイルの他に〈北海道モミアロマミスト(1,080円)〉や化粧水として使える〈北海道モミウォーター(1,944円)〉も。

現在、森の生活の代表をつとめる麻生翼さんは、名古屋出身の31歳。
北海道大学農学部在籍中、
実習で訪れた下川町で豊かな自然のある暮らしに触れ、農山村にかかわる仕事を志したそう。
2010年、より地方の抱える課題にアプローチしたいという思いから森の生活へ入ります。
「下川でまちづくりや森づくりに長年携わってこられた諸先輩たちは、
僕みたいな外から来た若い人間をすごく応援してくださるんです。
そこに、次の世代を育てていこうという強い思いを感じます」

森の生活の活動拠点である美桑の家すぐ裏手にある、
雑木林に囲まれた〈美桑が丘の森〉は、まちぐるみで行う森づくりの舞台。
子どもから大人までまちのみんなが森を整備しながら、
その森を使っていくという試みです。
小さな頃から森の中で遊び親しめる下川の子どもたちは、
きっと森を近くに感じて大きくなるのでしょう。

今回蒸留体験を指導してくれた佐藤さんは元小学校教員。
関東圏では叶わずにいた子どもへの森林教育を森の生活で実現させました。
「こんなことをしたかったなっていうことを
いま、やらせてもらっているんです」と笑顔で話します。
それは、下川にやってくる若き移住者たちの共通した想いのようでした。

森のそばに暮らすことのほかに、
木でできた家具や道具を使うことなど、日々のなかに人の数だけある森の生活。
下川町の森が教えてくれる体験を通して、
あなた自身の新しい森とのつながりを、きっと見つけられるはず。

information

NPO法人 森の生活

住所:上川郡下川町南町477

TEL:01655-4-2606

営業時間:9:00-17:00(平日のみ)

http://morinoseikatsu.org

沖縄市の気になる ローカルマーケット。 海の幸〈パヤオ直売店〉と 山の幸〈ちゃんぷる~市場〉

沖縄市は那覇市の北、約30kmに位置する、人口約14万人ほどの中核都市です。
沖縄県では那覇市に次ぐ人口の多い町で、戦後は米軍基地の門前町になり、
中心市街地は県内随一の繁華街として賑わい〈コザ〉と呼ばれるように。

ここで生まれた民謡やオキナワンロック、エイサーなどは
全国に知られ、県内随一のエンターテイメントシティーと言われているんです。
そんな沖縄市で、地域の海・山の幸を楽しめる
ローカルマーケットをご紹介します。

まずは町の東部地区にある〈パヤオ直売店〉。

売り場スペースには、ここで獲れた回遊魚はもちろん、
イラブチャーやタマンなど、近隣の漁港で水揚げされたばかりの近海魚も。
加工品や農産物まで幅広く販売されていて、
地産地消のターミナル的存在。おみやげ探しにもよさそう。
さらに、市場で買った魚はイートインが可能。
鮮魚解体コーナーで捌いてくれるほか、隣の食堂で調理してもらうこともできます。
自ら選んだ魚が食べられるのは楽しいですね。

食堂コーナーは「マグロ刺身」がおかわり自由。
ほか、素揚げした魚をバター焼きにした逸品〈魚バター焼き定食〉や、
大漁時だけのサービスメニューも。魚好きの方は是非チェックを!

〈モレーナ〉は畑の中の 隠れ家カフェレストラン。 旅の記憶を閉じこめた宝箱

世界を回った旅人ご夫婦が錨をおろしレストランを始めたのは、
下川の町外れ、牧草畑に囲まれた農家の一軒家でした。

下川の中心部から60号線に入り、
しばらく進むとこんな素敵な看板が見えてきます。

ここから細い砂利道を進むと、広い畑に囲まれた赤い屋根のレストランと倉庫が現れ、
まわりには庭と見まがうような手づくりの畑が広がっています。
車から降りると、元気いっぱいの看板犬のマリオと、
赤茶色の毛並みが愛らしい看板猫アーネストがお出迎えしてくれました。

懐かしい赤いトタンの三角屋根。お店の中も外もすべて手づくり。

そのたたずまいから、
不思議と世界の果てのレストランにやってきたような気分になる
カフェレストラン〈モレーナ〉。
薪ストーブがしゅんしゅんと燃えさかり、
広い厨房からはおいしそうなカレーの香りが漂ってきます。

窓からの日差しも美しい。手前にあるのは立派な薪ストーブ。

どこを切って撮っても絵になる使いやすそうなキッチンはもとは客間だったそう。

ほとんどすべてが店主の栗岩英彦さんと奥さま、
そしてお友だちによる手づくりという店内には
いたるところに旅のエッセンスが漂い、
まるで古い海外の映画の中にいるようなノスタルジーに満ちています。
そこかしこに飾られている世界各地の風景画は、どれも栗岩さんの作品。
世界を旅した軌跡です。

モレーナの看板メニューは北インド仕込みのカレー。
〈具だくさんの野菜カレー(800円)〉と〈オニオンとひき肉のカレー(800円)〉は
どちらも深みとコクあるスープで、
ターメリックで炊かれたライスといただくと、さらに香り高く引き立ちます。

具だくさんの野菜カレーは絶妙なスパイスの加減で、野菜の旨味や甘みが立ち上がります。

薬膳のようなやさしい辛さが癖になるこのカレーのベースは、
なんとスパイスと塩と野菜のみ!
そこにメインで加わるのは、
雑草と野菜とを共存させる不耕起栽培の畑でとれた、
無農薬のおいしい野菜たちです。

「畑を始めたのはここに来てから。今年最後の野菜だよ」
と見せてくれたのはツヤツヤのピーマン。
旬の野菜にあわせて、メニューは季節ごとに変わります。

「東京農業大学を出ていますが、
そのときの知識は今、何も使ってないですね(笑)。
なるべく自給自足で、自分でつくった、身体にいいものを提供したい。
それも旅のなかで生まれた価値観のひとつです」

子どもの頃から転勤族のご両親について日本を転々とした栗岩さんは、
大学を出て養蜂の仕事に就いたのち、夢だった世界一周の旅に出かけます。
まだ格安航空もない1960年代に陸路や船で世界を巡りました。
栗岩さんにとっての転換点は、この旅で訪れたインド。
長く滞在するうちに自分の考え方や価値観が変わり、
シンプルライフを実践したいという気持ちが生まれました。
お店で提供している北インドのカレーは、
この滞在で自然と覚えたものだそうです。

帰国後は東京で喫茶店の調理仕事を経て、
小さなバンを木製キャンピングカーに改造(!)し、
7年間かけて日本一周の旅に出かけます。
そして奥さまの文子さんと最後の世界一周の旅へ。
長い旅の終わりに日本に帰る場所を探したとき、
思い出したのが、旅で訪れて気に入っていた下川の自然。
隣まちの名寄市に住む親友に家探しを頼んで見つかった物件のひとつが、
ここモレーナとなる農家の空き家でした。

決め手は、牧草畑に囲まれたこのロケーション。ここでシンプルライフを実践しながら静かに絵を描いて暮らそうと、栗岩さん夫妻は1991年に下川に移住します。

もともと料理をつくって人をもてなすことが好きだった栗岩さん。
やがて文子さんの「ここでカレーのレストランをやってみない?」
というアイデアから、お店づくりがスタート。
いつでも枠にはまらず、
必要なら自分でつくるという精神がお話の中に見え隠れします。
1995年、カフェレストラン モレーナが誕生しました。

宝箱をひっくり返したような店内に無駄なものはひとつもなく、
栗岩さんのセンスが宿って、生き生きと置かれているものばかり。

海外では必要最低限の荷物しか持たず暮らすように旅するスタイル。必需品は、スケッチブックと絵の具、そしてギター。旅の途中に街角でフラメンコギターを弾いて収入を得ていたことも!

旅のノート、下川暮らしのノート……お店自体が栗岩さんの旅の記録そのものかもしれません。

「こんなところでお店をしても誰も来ないよと思ったけど、
だめでもいいやと、冒険するような気持ちで始めました」と笑う栗岩さん。
実際はその逆で、当時なかった
「まちから離れた畑にあるレストラン」と大きく報道され、
開店からお客さんが絶えなかったそう。

お店の什器や椅子にかけられた手編みのクッション、
食器のひとつひとつ、飾られた野の花……
細部に光る魅力的なセンスに身をゆだねて、
のんびりとくつろぐことができます。

自由に歩き回り、昼寝し、ときにお客さんに話しかけるように鳴く、気ままなアーネスト。

18時から21時までのディナータイムは、
フランスで修行しモロッコ大使館でフランス料理を提供していたという、
下川町在住の田中則昭シェフによる予約制本格フレンチのお店に変わります。

1日6個限定、田中シェフ特製の「モレーナ・オリジナルプリン(400円)」。旬のかぼちゃがふんだんに使われたどっしりタイプ。自然な甘みがカラメルソースでさらに引き立たちます。

「冬はハンパなく寒いけど、下川は自分にとって面白くて住みやすいところ。
今もここで、絵を描き続けていますよ」
世界中探してもここにしかない、旅の途中の休憩所、モレーナ。
ゆるやかに流れる時間のなかでカレーをいただいたあとは、
栗岩さんに旅のお話を聞かせてもらうのもおすすめです。

離れの小屋は栗岩さんの王国。

information

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カフェレストラン モレーナ

住所:上川郡下川町北町309

TEL:01655-4-4110(カレー)/090-7652-9935(フレンチ)

営業時間:11:00~17:00/18:00~22:00(ディナータイムは要予約)

定休日:月曜日、ときどき不定休
※12月31日〜2016年1月3日は年末年始のため休業

※駐車場 あり

http://morena.minibird.jp

地元食材を味わえるカフェ付き 〈一の橋バイオビレッジ〉。 自給エネルギー町営住宅に宿泊!

「誰もが暮らしたいまちづくり」をかたちに

旭川から北東に約100キロ、
まちの面積の約9割が森林を占める、人口約3,500人の下川町。
2011年に国の「環境未来都市」に認定され、
まちが誇る森林資源をあますことなく利用しながら
エネルギー自給や移住者の促進、
超高齢化社会への先進的な取り組みをすすめるこの小さなまちは、
国内外から大きな注目を集めています。

まちがかかげる“人が輝く森林未来都市”のバイオビレッジ構想に基づいて、
誕生したのが、中心街から車で12分ほどの町営住宅〈一の橋バイオビレッジ〉。
コミュニティカフェや郵便局、派出所が併設され、
まるで小さな村のようなたたずまい。

敷地内には林業から生まれる木質チップを利用した
バイオマスボイラーが隣接し、
地下配管を通して一の橋地区の給湯や熱供給を担っています。

2機の木質バイオマスボイラー。余剰分のエネルギーは町民へ販売もしています。

バイオビレッジとは、エネルギー自給をともなう自立型コミュニティのこと。
現在も基幹産業である林業と、もとは鉱山でも栄えた下川町は、
相次ぐ鉱山の休山や外材導入のあおりで人口が減少。
ここ一の橋地区も過疎化・高齢化の一途をたどり、
一時2,000人だった住人は140人に。
高齢化率は50%を越えるなど地域の存続が危ぶまれましたが、
老朽化した町営住宅の建て替えをきっかけに、大きな変化が訪れます。

もともと町営住宅に住んでいたのは、ほとんどがお年寄りの方々でした。
その住人の要望や意見を生かしながら、
新たな町営住宅に向けてまちや地域おこし協力隊も交えた話し合いが重ねられ、
2013年、一の橋の町営住宅は、
先進的な集住型のバイオビレッジへと生まれ変わります。
その1室が一般の方も体験宿泊ができる〈宿泊ハウス〉となっています。

宿泊部屋の2階寝室。窓越しの豊かな森に心がほぐれるよう。長く滞在したくなる居心地のよさです。

宿泊ハウスは、基本的に居住スペースと同じつくりの1LDK。
木のぬくもりを感じられる明るく快適な住空間です。
セントラルヒーティングには
隣接したバイオマスボイラーから送られてくる温水が流れています。
冬期の暖房にかかる料金は化石燃料よりずっとお得なうえ、
冬には-30℃を越える寒さにも断熱でしっかり対応。
要所要所に手すりがつけられ、
もともと利用者で多かったお年寄りへの配慮も行き届いています。

建物や室内には下川産のカラマツを使用。

機能的な対面キッチンや広々としたお風呂も完備。
まちで購入した食材をここで料理することもできます。
バイオビレッジの設備をまるごと体感しながら、
暮らすように泊まり、下川暮らしを想像してみるのもいいかもしれません。

使いやすい収納も多数。カウンターに置かれた木製椅子は、下川町の森林組合の手づくりだそう。

バイオビレッジ内にある26戸の住宅は、現在満室の状態。
間取りは1LDKから3LDKまで幅広く、
もとの住人のお年寄りをはじめ、地域おこし協力隊、地区内の障害者施設の職員など、
世代も幅広い方々がエネルギーと共有スペースをシェアしながら、
お互いの暮らしを支え合っています。

棟をつなぐ役割の屋根や壁のある外廊下が、冬の雪かきの労力をぐっと減らしました。

バイオビレッジには、住人同士はもちろん、
外から訪れた方々をもつなぐ、
コミュニティカフェ〈駅カフェ イチノハシ〉が併設されています。
独り暮らしのお年寄りの方々が気軽に食事ができるようにと、
生まれたこちらのカフェ。
顔の見える地域食堂としての役割を果たしています。
店内の売店では、調味料や生活雑貨などが販売され、暮らしを支えています。
カフェのメニューも豊富で、地元の食材をふんだんに使った本格的な食事を楽しめます。

日差しにあふれた駅カフェ店内。視察に訪れた方たちが売店でお土産を求める姿も。

素材のおいしさを生かした〈和食プレート(600円)〉は老若男女が楽しめるメニュー。

隣まちである名寄市産もち豚がジューシー! 地域おこし協力隊の畑でとれた〈サンマルツァーノ〉というおいしいトマトは下川産。〈本日のお肉メニュー (1,000円〜) 〉。

地産地消や食育に注目し、下川に入った駅カフェシェフの宮内重幸さんは
以前東京のイタリアンレストランで腕をふるっていました。
「地域の年配のお客さまに『美味しかったよ』と喜んでいただけることや、
すばらしい生産者さんたちと近い距離でつながって
料理に落とし込めるここでの仕事に、やりがいを感じています」
インドネシアに生まれ、さまざまな国で生活し体験してきた食文化や
北海道の伝統料理をいずれ下川の若い世代に伝えていきたいと語ります。

道産の鹿肉を使った〈ボロネーゼ(700円)〉。鹿肉の濃厚な味わいにトマトソースが爽やかさを添えるマッチングの妙。

ランチタイムの〈マルゲリータ (650円) 〉。興部(おこっぺ)町の〈ノースプレインファーム〉の有機モッツァレラチーズがとろけます。下川産小麦のハルユタカにはちみつを練り込んだ生地がもっちりと香ばしい。

移住者を受け入れ、若い人たちのアイデアを
積極的に活かしていく下川町の寛容な気質は、
林業や鉱業で外からの労働者が集まっていた歴史も理由のひとつ。
小さなまちだからこそ、
ひとりひとりがまちをつくっているという町民の意識の高さもうかがえます。

駅カフェは地域おこし協力隊が運営。シェフの宮内さん(左)と福島英晶さん(右)。奥さまとともに下川に移住してきた福島さんには、いつか下川でカフェをやりたいという目標が。

このバイオビレッジをはじめとした下川町の試みは、
過疎化や高齢化といった課題を抱える地方の新しい活路として、
国内外からの視察が続々と訪れています。
「ここ下川の豊かさは、都市部とは基準が違います。
豊かな森や自然があって、薪ストーブを囲む生活があって、
魅力的な人たちがいて、思い思いに自分たちの活動をしている。
ここにしかないゆったりと流れる時間を、多くの人に知ってもらいたいですね」
自身も東京からの移住者であるしもかわ観光協会の長田 拓さんはそう語ります。

ここで大切にされているのは「誰もが暮らしたい町づくり」というぶれない軸。
森とともに生き、人や資源を生かし育ってゆくまちの試みに、触れに来てみませんか。

information

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駅カフェ イチノハシ

住所:北海道上川郡下川町一の橋603-2

TEL:01655-6-7878

営業時間:ランチタイム11:30~14:00(L.O.13:30)、カフェタイム15:00~17:00(L.O.16:30)、
ディナータイム18:00~21:00(L.O.20:00)※11月〜3月の冬期期間中、ディナーは完全予約制

定休日:火曜、水曜

https://twitter.com/ekicafe

information

一の橋バイオビレッジ 宿泊ハウス

1泊4,114円〜 

※宿泊の申し込みは上記〈駅カフェ イチノハシ〉まで。

受付時間9:00〜17:00(火・水曜休)

ほか各種料金の詳細などはHPにてご確認ください。

絶景の峡谷美に包まれた 〈層雲峡温泉 ホテル大雪〉。 源泉かけ流しの評判のお湯

旭川から車で約1時間。
アイヌ語で「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」
と呼ばれる大雪山に抱かれた深い渓谷、層雲峡。
3万年前の火山噴火後、マグマの冷却によってできた
柱状節理(ちゅうじょうせつり)の岩肌を長い年月をかけて石狩川が削ることで生まれた、
全国でも珍しい地形を誇ります。
切り立った岩壁を滝が流れ、そして木々が飾る風景は、まるで深山幽谷。

層雲峡温泉郷の最も高い位置に立ち、
窓越しに雄大な景観を楽しめる〈ホテル大雪〉。
老舗観光温泉ホテルとして名を馳せ、全国から多くのお客さんが訪れる宿です。

アメリカのロッジを思わせる重厚感がステキなロビー。

豊富な湯量を誇る温泉宿ならではのおもてなしのひとつが、
館内で楽しめる3つの湯めぐりです。
絶景のなかで開放感に浸れる朝風呂がおすすめの〈渓谷露天風呂 天華の湯〉、
湯にけむるステンドグラスが異国情緒溢れる〈欧風大浴場 チニタの湯〉。
なかでも、ホテル最上階にある〈展望大浴場 大雪乃湯〉は、
明るい時間帯にぜひ足を運びたい湯殿。
広々とした浴槽につかりながら、
峡谷越しに大雪山連峰のパノラマを眺めることができます。
体を芯からあたためるほのかな硫黄の香りのお湯は、すべて源泉かけ流し。
ぜひ、趣きの異なる3つの湯すべてをまわってみましょう。

ホテル大雪のなかでも、2007 年と2009 年に
それぞれリニューアルオープンした、
特別フロア〈和房雪花〉と和風モダンフロア〈雪ほたる〉は、
ゆっくりと静かな滞在を楽しみたい方におすすめです。

フロアごとに区切られていて、
大型ホテルのなかでもプライベート感覚で過ごせる、
贅を尽くしたしつらえが人気を集めています。
ホテルの中の旅館とうたわれる和房雪花には、
ひと組ごとに仲井さんがつき細かな気配りをしてくれるという、
古き良き宿を思わせるサービスも。
まずは靴を脱ぎ、畳敷きの廊下を進みます。
フロアには3種類の客室があり、そのすべてが展望露天風呂つき。
広々として開放感のあるAタイプは、
和洋の要素が心地よくミックスされた間取りです。

心ほぐれる和のリビングルーム。

深い峡谷をのぞみながら、
こんこんと湧きでる温泉に身も心もゆだねる贅沢を味わうことができます。

自然素材につつまれてのんびりと湯浴み。信楽焼の浴槽が肌になじみます。シャワーブー
スも併設。

リビング感覚の広いパウダールームやマッサージチェア、充実のアメニティは、
温泉のあとのリラックスタイムに楽しみを添えてくれそう。
部屋に置かれた温泉かごを片手に、浴衣姿で湯巡りへ出かけましょう。

ホテル大雪は層雲峡の誇る名所にもアクセスしやすい立地にあり、
登山や散策を楽しめ、
高山植物の宝庫でもある黒岳への入口、
〈大雪山 層雲峡・黒岳ロープウェイ〉乗り場からも車で5分ほどです。
この乗り場すぐ隣の〈層雲峡ビジターセンター〉では、
層雲峡のなりたちから季節ごとの楽しみ方、
またイベントの開催情報も知ることができ、
滞在のひとときをさらに充実させてくれます。

予約制のネイチャーツアーも行なっているビジターセンター。

車を少し走らせて、峡谷が織りなす景観を探しに行ってみましょう。

川に沿った柱状節理を眺められる〈大函〉。石狩川の澄んで青みがかった流れがこの景観をつくってきました。

四季折々、日々刻々とうつりかわる層雲峡の風景。
晴れていたと思えば急に濃い霧が生まれたり、
日差しの角度でまったく違う景色に見えたり。
今も雄大な自然の力が宿る景勝地で、太古からのエネルギーをもらえそうです。

ホテルから徒歩圏内にある〈紅葉谷散策路〉は往復1時間半ほどの道のりで、ゴールには壮観な柱状節理と〈紅葉滝〉が。稀少なヒカリゴケの見られるポイントもあるそう!

散策のあとにひと風呂浴びたら、次なるお楽しみはお食事です。
和房 雪花の宿泊客は別フロアの専用お食事処〈季響庵〉へ案内されます。
和の風情漂う個室で、贅を尽くした季節ごとの創作和食コース料理をゆっくりと味わえます。
まずは、メインを肉料理と魚料理からチョイス。
食前酒から始まり、鮮度や彩りにも心づかいとこだわりを感じる料理が続々と運ばれてきます。
品数もボリュームもたっぷり!

秋の膳の前菜。黒い器には、限られた時期にしか食べられない北海道の名産キノコ〈らくよう〉のしょうゆ漬けが。長芋紅葉揚げ、柿と銀杏の白和え、秋刀魚柚庵焼きなど季節を感じる品々がずらり。柿に見立てたミニトマトが愛らしい。

特にお造りの定番〈かまくら仕立て〉は、その名の通り小さなかまくらの中に
色とりどりの季節の小皿をあしらった、目にも楽しい一品です。
層雲峡近郊をはじめ、北海道の旬の良質な食材を手間ひまかけてあつらえられた料理には、
地元のお酒がぴったり。
日本酒なら旭川の男山酒造や増毛の国稀酒造、
ワインは富良野ワインや十勝ワインが用意されています。

たっぷりといただける朝食はふたたび〈季響庵〉で。和食ではごはんとおかゆが選べ、洋食では目玉焼きとオムレツから好きな方を注文。

滞在の間に、地元の文化にも触れてみましょう。
層雲峡は「ソウウンベツ(滝の多い川)」
というアイヌ語地名から名づけられたとおり、
古くからアイヌ民族の暮らす土地でした。
館内のお土産物屋には、アイヌ民芸品を扱うお店があり、
伝統を受け継ぐ貴重な〈アイヌ古式舞踊〉が、特別に上演されています。
この日も、ロビーはたくさんのお客さんで埋め尽くされました。

これから狩りに入るときに舞う、勇壮な『弓の踊り』。

こちらは、ふたりの女性から求愛される『色男の踊り』。客席からスカウトされたお客さんが色男役で登場。名演技に会場は拍手喝采で会場はもり上がった。

「アイヌの言葉で“あなたの心にそっと触れさせていただきます”という意味の『イランカラプテ』。これを覚えて帰って下さいね」アイヌ文化に触れる体験も、この土地のお土産のひとつに。

創業60 年を迎える〈ホテル大雪〉は、
1954年、大型台風で倒れた木々を整備する工事関係者のためにつくられた、
ログハウスのような宿泊施設から出発します。
その後、道東への玄関口としても人気を集めた層雲峡が
一大観光地として栄えていくなかで、
現在の大型観光温泉ホテルができあがっていきました。

「層雲峡は夏のアウトドアシーズンはもちろん、
秋は日本一早い紅葉を見られる峡谷といわれ、岩壁が美しく彩られます。
冬は厳しい寒さと強い風で下から舞う雪が見られます。
僕のおすすめは春の新緑の時期。
本州とはひと味違う、美しい色の新芽が渓谷を飾る様子がすばらしいですよ」
と語るのは、営業企画部長の西野目晃正さん。

「ここのホテルがつくられた当時、当社は宿泊業でなく材木屋だったんですよ」というエピソードを教えてくれた西野目さん。創業時から飾られている〈雲山楼閣〉の文字は層雲峡の魅力そのもの。

冬の層雲峡名物は、石狩川から汲んだ水で
時間をかけてつくられる豪快な氷像が見事な人気イベント〈氷瀑まつり〉。
2016年は、1月23日~3月27日まで、
札幌から片道1,000 円で層雲峡直行バスも運行しています。
ほかにも、2015年の春夏秋をとおして開催された
『北海道ガーデンショー』のメイン会場になり、
作品の一部が常設展示されている大雪高原の〈北の森ガーデン〉や、
フレンチの巨匠三國清三シェフ監修の〈フラテッロ・ディ・ミクニ〉も、
層雲峡の新たな見どころ、食どころとなっています。

さまざまな名所を誇る層雲峡に寄り添うホテル大雪。
原初の大自然を残す峡谷美につつまれながら、
豊かな湯船で日々の疲れをゆっくりと癒せるひとときが待っています。

information

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層雲峡温泉 ホテル大雪

住所:上川郡上川町字層雲峡

TEL:01658-5-3211

チェックイン15:00(最終19:00)

チェックアウト10:00

宿泊料金/和房雪花 27,000円~、雪ほたる 16,200円~

※別途入湯税150円/泊あり

※駐車場 あり

http://www.hotel-taisetsu.com

〈千代田の丘展望台〉で 美しい丘陵と大雪山連峰を 大パノラマで焼きつける

訪れる人を惹きつけてやまない四季折々の丘陵風景と、
美しくそびえ立つ大雪山連峰。
旧小学校の校舎を利用したフォトギャラリー〈拓真館〉に飾られた、
風景写真家、故・前田真三氏の展示写真をきっかけに
一躍「丘のまち」として全国に名を馳せた美瑛町には、
心に残る数々の風景があります。

そんな美瑛の魅力がギュッとつまったドライブコース〈パノラマロード〉は、
美瑛の南側、国道237号線を折れて美馬牛(びばうし)方面へと進む道の愛称。
パノラマロード上には、フラワーファーム〈四季彩の丘〉をはじめ、
〈赤い屋根の家〉〈メルヘンの丘〉などの有名なビューポイントのほかに、
美瑛ならではの雄大な風景を楽しめる展望台があります。

取材に訪れたのは紅葉のピークを少し過ぎた10月下旬。山頂に雪がかぶった大雪山連峰を望む。刈り終わった畑と緑を保つ畑と、その向こうの山との対比が鮮やか。

ゆるやかなカーブを描く畑や酪農地帯、
そして険しくも美しい山の峰を眺めながら道を進むと、
〈ファームズ千代田〉の看板が見えてきます。
ここの駐車場から車でダートの坂道を登りきった先が〈千代田の丘展望台〉。
起伏に富んだ美瑛の丘陵地帯が織りなす風景とともに、
はるか大雪山系の山々の全景を見渡せる、絶景ポイントです。
尖塔のついた展望台の階段を上ると、さらに開けた360度のパノラマビューで、
美瑛の景色を一望のもとに楽しむことができます。

美瑛の丘陵地帯は、はるか昔、
十勝岳の噴火による火砕流が形成した特殊な地形。
火山灰が多く含まれる水はけの良い土地を利用した輪作が行われています。
四季ごとの栽培作物が変わるため、風景もまた移り変わっていく。
〈パッチワークの丘〉に代表される、
季節によって姿を変える美しい色彩の丘は、
自然が重ねた歴史を活用した畑や酪農地帯の賜物です。
じゃがいも、小麦、豆、玉ねぎ、ひまわり、ポピーなど
種類も豊富な野菜や花々が、毎年場所を変えながら生産されています。

どこかレトロな赤い壁の家も風景の一部。丘の上だけでも、カメラをかまえたくなるポイントがたくさんです。

この展望台は〈ファームズ千代田〉が一般の方へも開放しているもので、
入口にはファームで育てられたびえい和牛のステーキや
ジャージー牛乳が人気の〈ファームレストラン千代田〉、
酪農製品などが取り揃うショップのほかに、
牛や羊、うさぎとふれあえる体験牧場も併設。
風景を堪能したあとはあわせて立ち寄ってみるのもおすすめです。

information

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千代田の丘展望台

住所:上川郡美瑛町春日台

※駐車場 あり

http://www.f-chiyoda.com/farm/hill/index.htm

〈自家焙煎珈琲店 Gosh〉 オリジナルの深煎りコーヒーは 道内のカフェでも高い支持率!

占冠村から富良野を通り抜け、丘陵地帯が続く美瑛町まで、
山々の風景が美しい〈花人街道237〉と呼ばれる237号線。
そこから住宅街に折れ、
美馬牛駅近くの道沿いに置かれた看板を目印に小高い丘へ向かうと、
林に囲まれた木の壁が素朴な建物が見えてきます。

コーヒーのいい香りがたちこめる店内。
奥に向かってテーブル席が設けられ、高い天井には味のある梁が。
〈自家焙煎珈琲店 Gosh〉は自家焙煎したオリジナルの豆で、
ハンドドリップしたコーヒーや自家製フードとともに、
ほっとほどけるようなひとときを過ごせるカフェです。

ここでぜひ味わいたいのが、
1杯ずつじっくりと淹れられる〈深煎りコーヒー(500円+税〜)〉。
苦みが強いイメージの深煎りですが、
Goshのコーヒーは深みがありながらとても澄んだ口当たりです。
その理由は、自家焙煎の工程に
生豆の水洗いと乾燥という段階を加えているから。
生豆の薄皮や汚れなどを落とすことで雑味が抑えられるため、
豆そのものの個性を際立たせているのです。

ドリップの方法はスタンダードなペーパードリップから、
ネルドリップの落とし分け(+100円〜)まで選べるので、
同じ豆での飲み比べもできます。
Goshブレンド、深煎りブレンドをはじめ、ストレートの種類も豊富。
それぞれの味の特徴はスタッフに教えてもらいましょう。
店頭では世界中から仕入れた豆を常時24種類以上、自家焙煎し販売。
道内のカフェでも、こちらの豆を仕入れるファンが多いのです。

Goshを始める前はコックをしていたというオーナーの阪井雄介さんは、
コーヒー豆の焙煎はもちろん、
自家製パンのほか、ケーキ以外の料理をすべて手がけています。
この日、パンの棚に並んでいたのは
〈チョコとクランベリーのカンパーニュ (550円+税) 〉や
〈アプリコットとナッツのカンパーニュ (550円+税) 〉など、
季節の素材やその日の気分に合わせて、
毎日10種ほどを店内で焼き上げています。
こちらももちろん、テイクアウトOK。

人気メニューの〈Goshのビーフシチューとパン(1520円+税)〉。じっくり煮込まれたほろほろの牛肉がとろけるよう。数種類のパンとともに楽しめます。

この自家製パンをたっぷりと味わえる充実のフードメニューは、
ランチタイムにぴったり。
牛肉の旨みが凝縮しながらもさらりといただける
〈Goshのビーフシチューとパン〉や、
美瑛の自家製ハム・ソーセージの名店〈歩人〉のベーコンを使った
〈BLTオープンサンド(1100円+税)〉や、
柔らかなローストビーフがパンの風味を引き立てる
〈自家製ローストビーフのサンドウィッチ(1520円+税)〉など、
それぞれの料理に相性のいいパンを使い分けて提供しています。
いずれもサラダとコーヒーがセット。
もちろんコーヒーとも絶妙にマッチするメニューばかりです。
このほかに、ケーキなどのスイーツメニューや、日替わりの黒板メニューも。

〈ケーキ3種盛(880円+税、コーヒーセット1200円+税)〉は、この日はガトーショコラ、洋梨のタルト、ブラックベリーのロールケーキ。味のみならず彩りにもうっとり。ケーキは奥さまが担当しています。

阪井さんは大阪、奥さまは宮城のご出身。
ご夫妻は旅で訪れた美瑛に魅了され、
ここで自然に寄り添いながら生活をつくっていきたいと思い、
移住を決めたそうです。
お店を始めるにあたり、
冬場に本州へ地方発送できる商品をと考えているときに、
旭川の自家焙煎コーヒー店で勤務した経験が、
阪井さんを奥深い焙煎の道にいざなうきっかけとなりました。

「深煎りにこだわるのは、単純に自分が飲んで美味しいと思うから。
そして、うまく焙煎して深煎りにできたとき、
苦みとともに香りと甘みを引き出せるんです。
その味を知ってもらいたいですね」
水洗いと乾燥というひと手間を加えることも、
ほかのコーヒー店で学んだ技術を取り入れたそうです。
Goshをつくる前は美瑛の別の場所に家を借りて、
納屋を改造した焙煎小屋で豆を焼いていたというエピソードも。

2002年のオープンからしばらくは、
コーヒー豆とパンの販売のみだったGosh。
当時は周囲に自家焙煎コーヒーや天然酵母パンがまだ浸透しておらず、
それならここで飲んで食べて試してもらおうと、
現在のカフェスペースが誕生したそうです。

これまでの経験をフルに生かし、
「コーヒーから料理まで、一連の食事を
同じベクトルでコーディネートしていきたい」
という阪井さんの想いがかたちとなりました。
こだわりをつらぬく姿勢とクオリティが、
オープン13年目を迎える今も、
Goshが多くのお客さんに愛され続けている理由です。

「美瑛は外からのお客さんが多くいらっしゃる面白い土地。
そのなかでも、わざわざうちを訪れていただけるのはうれしいですね」と阪井さん。
旭川空港からは車で約30分と近いこともあり、
なんと、地元の方よりも足しげく通う、
美瑛好きな東京の常連さんもいるのだとか。

自然光の差し込む窓越しに樹々を眺めながら。お店は〈北の住まい設計社〉に依頼、内装は自分たちで手がけました。

Goshでは地方発送限定の〈月ごとのブレンド〉、
〈ギフトボックス〉、〈パウンドケーキ〉も用意しているので、
遠方に住む方も気軽に同店の味に触れることができます。
また、半年契約で毎月限定〈今月のブレンド〉と
季節のパウンドケーキが届く〈Goshの頒布会〉もひそかな人気。
自分の小さな贅沢に、または誰かへの素敵な贈りものにと、
毎月のうれしいお楽しみになりそうです。

店名は宮澤賢治の『セロ弾きのゴーシュ』にちなんで名づけたという阪井さんは
「動物たちに教わりながら、
毎日練習して少しずつ上手になるゴーシュのようになっていけたらいいですね」と笑顔で話す。
“自分がおいしいと納得できる味“のために、
日々時間と手をかけてじっくりとつくられるGoshのメニュー。
美瑛の誇る景観が魅力の〈パノラマロード〉からすぐなので、
ドライブのひと休みにも最適。
夏場は、美瑛の美味しい空気を楽しみながら過ごせるテラス席がおすすめです。

information

map

自家焙煎珈琲店 Gosh

住所:上川郡美瑛町美馬牛北3-4-21

TEL:0166-95-2052

営業時間:10:00〜17:00(LO16:30)

定休日:火曜日(祭日など変動あり)

※年末年始は、12月23日〜30日、2016年は1月1日から営業予定。

詳しくはHPにて確認を。

※駐車場 あり

http://www.gosh-coffee.com/

〈スイノカゴ〉 美瑛の森からつくる白樺かごと 暮らしの道具店

JR美瑛駅から徒歩5分、道の駅びえい〈丘のくら〉から徒歩1分。
大雪山連峰の景観に合わせた三角屋根が並ぶ駅前商店街に1軒だけ、
懐かしい腰折れ屋根を見つけたら、
それが白樺細工と生活雑貨のお店〈スイノカゴ〉です。

可愛らしい小さな看板をお見逃しなく。

もとお寿司屋さんだったというこの建物。
三角の屋根と入口のファサードを腰折れ屋根にアレンジし、
住居兼店舗として自分たちでこつこつと内装を手直しして
2014年6月にオープンしたスイノカゴは、
人の手でていねいにつくられた生活の道具を通して、
暮らしを見つめ直す発信の場です。

ホッとなごむ雰囲気の店内には、
店主の崎山雅恵さんがつくる白樺かごのアトリエスペースと、
北海道を中心にさまざまな作家さんが手がける、
自然素材でできた暮らしにまつわる道具たちが置かれています。

テーブルに置かれた木のお皿やカトラリーは
札幌の木工作家〈cogu〉の作品。
奥の棚には、北海道内の下川町の〈フプの森〉の道産モミの木の製品や
札幌で自然素材と製法にこだわる〈Siesta labo〉の手づくり石けんが並びます。
どれも日々の生活のなかで、使い続けたくなるものばかり。

旭川市内の古道具店で手に入れたという、アンティークの薬棚の什器が、空間にぬくもりを添えています。