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odekake

漁師町の〈寿司のまつくら〉へ。
鮮度は太鼓判。
とれたて海の幸を豪快盛り!

おでかけコロカル|北海道・道北編

posted:2016.2.7  from:北海道増毛郡増毛町  genre:旅行

〈 おでかけコロカルとは… 〉  一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。

photographer profile

YAYOI ARIMOTO

在本彌生

フォトグラファー。東京生まれ。知らない土地で、その土地特有の文化に触れるのがとても好きです。衣食住、工芸には特に興味津々で、撮影の度に刺激を受けています。近著は写真集『わたしの獣たち』(2015年、青幻舎)。
http://yayoiarimoto.jp

writer's profile

Akiko Yamamoto

山本曜子

ライター、北海道小樽生まれ、札幌在住。北海道発、日々を旅するように楽しむことをテーマにした小冊子『旅粒』発行人のひとり。旅先で見かける、その土地の何気ない暮らしの風景が好き。
旅粒
http://www.tabitsubu.com/

credit

取材協力:北海道観光振興機構

このツヤ、この色、美しい盛り!
中にはまだ見えていないネタもあるのです。
酢飯にたどりつくのに時間を要する幸せな逸品。
この鮮度とボリュームは、
日本海に面した増毛町の店〈寿司のまつくら〉ならではのとっておきです。

増毛の語源は「カモメの多い港」の意味をもつアイヌ語「マシュケ」。
古くから豊かな漁場として栄えたこのまちは、
1年を通して質の良い魚介が揚がることで現在も有名です。
その漁港からほど近い場所にあるまつくら。
増毛特産の甘えびやぼたんえび、
そして旬の北海道の新鮮な魚介をふんだんに使った料理は、
どれも一度食べると忘れられないおいしさです。
その魅力のひとつは、ネタの豊富さ。
上の写真の「特上生ちらし」(2620円)には
なんと13種類以上のネタがぎっしりと乗せられています。

生ちらしや丼もの、握りを中心にメニューも豊富。
選ぶのに迷ったら、今が旬のおいしいネタを熟知している店主の松倉孝一さん、
ともに店を切り盛りする長男の清道さんに、
おすすめの品をぜひ聞いてみましょう。

客席からは、広いカウンターの上で松倉さんがさばいた魚介を
鮮やかなスピードでどんどん盛っていくのを眺めることができます。
その量たるや、「そんなに乗せていいんですか?」
と口にしてしまうほどの豪快さ。
キラキラ輝くほど新鮮なネタはどれもが宝石のよう。
味にもボリュームにもいっさい妥協しない、
松倉さんのこだわりと腕前、そしてサービスの心が伝わってきます。

「うに・えび丼」(2625円)。増毛特産の甘エビと、たっぷりのうには付属のへらですくっていただきましょう。

「今日のウニは釧路ものだよ。
うちでは基本的には日本海産のものを使っているんだけど、
1年中ウニを食べてもらえるようにしていて、
北海道でとれる中で一番いいものを使ってる」
と孝一さんが言えば、横で立ち働く清道さんが
「ウニの旬は北海道を時計回りに一周するんですよ。
釧路根室方面は冬が産地で、日本海側は夏。産卵の時期が違うんです。
増毛産のうにを食べたいなら7月ですね。
ちなみに北海道は11月がウニのなくなる時期です」
とプロの情報をぽんと投げてくれます。
この息の合ったかけあいもまつくら名物。
その言葉どおり、口の中で甘くとろりとほどける絶品のうに。
本物の贅沢がここにあります。

産地でしか食べられない透き通った甘えび。プリッとしていて甘く、いくらでも食べられそうです。

また、年間を通してとれる増毛特産といえば、甘えび。
どんぶりにみっしりと甘えびが並ぶ「甘えび丼」(2160円)をはじめ、
カラリと揚げられた「甘えび天丼」(1000円)、
ボリュームたっぷりの「甘えび天丼DX」(1800円)も人気メニューです。
甘えびは天ぷらを単品(860円)でも頼むことができるので、
生ちらしや定食と組み合わせても。

サクサクの「甘えび天丼」(1000円)。2尾をあわせて揚げています。えびの頭入りの椀ものもおいしい。

そして、この日、幸運にも出会うことができたのがこちら、
今朝増毛で揚がったぼたんえび(時価1000円〜)。

ぼたんえびは活でとれてすぐ海外へ送られることも多く、
お店で出会えるかどうかはタイミング次第だそう。
「生きているぼたんえびは、
実は生よりボイルの方が断然ポテンシャルを発揮するんです」と清道さん。
ボイルのぼたんえびをいただいてみると、
初体験の、噛み切れないほどの歯ごたえとおいしさにびっくり!
まつくらでこの味を体験して病みつきになるファンは多いそうです。

ボイルしたぼたんえび。

そして店の名物には、
毎日20食限定という「ジャンボ生ちらし」(3560円)があります。
まるで魚介のタワーのようにうずたかく盛られたネタが圧巻の一品。
完食できたら「スーパージャンボ生ちらし」への挑戦権がもらえるそう。
我こそはという方は、早めの来店でチャレンジしてみて。

まつくらで使われるすばらしい海の幸は、
水産会社に必要量をあらかじめ頼んで届けてもらうシステム。
この日の増毛産ネタは甘えび、ほたて、ヒラメ、いくら、いか。
冬の季節は、さらに種類が増えるいい時期だそう。
そのほかのネタは日本海を中心に、道内各地の厳選された魚介を集めています。
「いいものを使わないと、お客さんが逃げちゃうからね」と孝一さん。
すし米は、富山産と新潟産コシヒカリのブレンド米を使っています。

どのネタも大ぶりな「にぎり 上」(2205円)。

農家の息子として増毛に生まれた孝一さんは、
農業の仕事がピンとこずにレストランに就職します。
のちに「いずれ独立して増毛でお店を持つためには
洋食屋でなく寿司屋だ」とひらめき、そこから寿司屋へ修行に入りました。

孝一さんが増毛町の中心地から少し離れた通りに店を構えたのが昭和38年。
当初はお客さんを呼ぶために喫茶スナックも同時に経営していたそう。
昭和57年に現在のお店を新築。
カウンターに面したテーブル席のほかに、
家族連れにうれしい小上がり席もあります。
店内に漂うアットホームな雰囲気は、家族でつくりあげているお店ならでは。

奥さまの美紀子さん、店主の松倉孝一さん、叔母の斉藤恵美子さん、息子の清道さん。お店を訪れるときは、清道さんが孝一さんをなんと呼んでいるかも聞き耳立ててみてて。

「増毛は5月の『増毛えび地酒まつり』も人気ですが、一番おすすめの時期は7月。
うにがおいしいし、名産のさくらんぼも時期なんです。
土日はうちも混むことが多いですね」という清道さんのお話に
「うちはいつでもひまだから来て」
そんな孝一さんの合いの手が笑顔を誘います。

その人柄はもとより、
新鮮な魚介の魅力を最大限に引き出す孝一さんの腕前のファンは多く、
道内外からリピーターが絶えません。
海鮮に合う増毛町の〈国稀酒造〉のお酒もいただけるので、
増毛の誇る味わいを合わせてじっくりと堪能してみては。

information

map

寿司のまつくら

住所:増毛郡増毛町弁天町1-22

TEL:0164-53-2446(予約可)

営業時間:11:00〜21:00

定休日:第1・3月曜日

※駐車場あり

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