神戸の春は海からやってくる。 人々の心も躍る 〈いかなごのくぎ煮〉

春の訪れを告げる、神戸の郷土食

神戸と言えば異国情緒漂うオシャレな“港町”のイメージはあっても、
“漁港”と言われてもピンとこない人が多いかもしれません。
でも実は、自然豊かな瀬戸内海に面しているだけに、
漁業が盛んなまちでもあるんです。

神戸市の西端に位置する垂水漁港は兵庫県内でも有数の漁港で、
明石海峡の強い潮流で育った、身の締まった魚介が水揚げされることで知られています。
神戸ではそんな海の幸を使った名産が多く楽しめますが、
なかでも地元の人々が特に愛して止まないのが“いかなご”です。

垂水漁港のいかなごの水揚げ量は全国でもトップクラス。

東京や千葉では〈コオナゴカマス〉と呼ばれるなどカマスに似た魚で、
体は細長く槍形、色は背部が青褐色で腹部は銀白色。
成長すると約25センチにもなりますが、最もおいしいと言われるのは
体長3センチ前後の新子(生後3~4か月の稚魚)です。

全国トップクラスの水揚げ量を誇る垂水漁港で漁が解禁されるのは
2月下旬から5月頃までという短い期間。
それ以降、夏場には砂に潜って夏眠するために
このような漁の期間となっているのですが、
旬の時期にはスーパーに特設コーナーが登場し、昼網の新鮮ないかなごを求めて
大勢の人々が押し寄せるほどのにぎわいをみせます。

イカナゴが飛び跳ねる音など、垂水漁港のイカナゴ漁で出る音は環境省の選定する「残したい日本の音風景100選」にも認定されています。

さて、いかなごの食べ方で神戸人のイチオシは、
農林水産省の「日本の農山漁村の郷土料理百選」に選定されている“くぎ煮”。
釜で醤油、砂糖、ショウガとともに水分がなくなるまでじっくり煮詰めた甘辛い佃煮で、
いかなごの旨みとショウガの風味が抜群。
ご飯のおともにも酒のアテにもいい、そして引く味わいの珍味です。

特に発祥地とも言われる垂水区の各家庭では、大鍋で大量に炊きあげ、
ご近所や遠方の親戚へ送ることも盛んに行われているそうで、
炊きあげる際の醤油の香りがまち中に立ちこめてくると、
「ああ、春がきたんだなぁ」と思うほど。
地元の人にとって、いかなごは春の訪れを知らせてくれる存在なのです。

とれたてのいかなごの稚魚を生のまま、醤油、砂糖、ショウガで味つけして炊きあげたいかなごのくぎ煮。

完成品を買うのもいいですが、市内のスーパーでは鍋や保存容器はもちろん、
醤油、砂糖、水飴、ショウガ、山椒など、
いかなごのくぎ煮作りに必要なものをそろえて販売しているので、
一度チャレンジしてみてはいかがでしょう。

くぎ煮のおいしさのポイントは、やはりいかなごの鮮度。漁港から近い神戸だからこそ味わえる逸品です。

オンリー神戸なファニチャー。 神戸家具〈永田良介商店〉

神戸の歴史がつまった、使い続けられる家具

明治の開国と同時に、神戸のまちにはたくさんの外国人がやってきました。
それらの人とともに、外国の家具もすごい量が上陸(したと思います)。
しかし外国と気候が違いますから、経年劣化だけではない障害が、
持ってきた家具に発生します。
当時それらを修理していたのは、和船の船大工たちだったとか。
かれらは居留地に暮らす外国人の求めに応じて家具を修理しながら、
やがて見よう見まねで、家具をつくるようになっていきました。

といっても最初からつくるというよりは、居留地で使われなくなった家具を引き取り、
それを日本人の背丈に合わせてリサイズする、というほうが多かったようです。
明治5年に元町で創業した〈永田良介商店〉は、その歴史をいまに伝える希有な店。
「最初はね、居留地で使われなくなった家具などを引き取って
販売する商いだったんですよ。それから親戚の船大工とともに、
家具店を創業することになったのが店の歴史です」と言うのは、5代目の永田耕一さん。
息子さんである6代目店主見習・泰資(たいすけ)さんとともに、お店に立っています。

5代目の耕一さん(右)、息子の6代目店主見習・泰資さん。

「神戸家具の根本にあるのは、製品を長く愛して、
使っていただける状態にしておくこと」と耕一さん。
お客さんには家族3代にわたってひとつの家具を修理しながら、
代々受け継いでいる家庭も少なくないそうで、
「人の数だけいすやベッドのサイズはあります。
それを定期的に預かり、時には布を張り替え、木材部分をリペアしていく。
こうやってうちの家具は長生きしているのだと思います」

脚の高さ、座面の広さ、背もたれの角度にいたるまで計測し、経験値から導き出した数字で家具をオーダーメイド。どれをとっても、愛着がわきそうな風合いです。

創業時から比べると、まったく別次元のように、暮らしは変化しました。
それでも神戸には、永田良介商店の神戸家具が生き続けています。
親から子、子から孫へ、家具を受け継ぐ。とてもステキだと思いませんか?
これが神戸のこだわりであり、神戸のよさ。

布生地は世界中から集めています。

information

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永田良介商店

住所:兵庫県神戸市中央区三宮町3-1-4

TEL:078-391-3737

営業時間:10:00~18:00

定休日:水曜、第1・第3火曜

http://www.r-nagata.co.jp

西表島で一夜限り咲く幸運の花 〈サガリバナ〉鑑賞クルーズ

沖縄県西表島は、面積の9割が亜熱帯の原生林で覆われた
日本最後のサンクチュアリ。
ここは夜に咲き朝方に散る、
一夜花の〈サガリバナ〉が咲くところ。

その花言葉は“幸運が訪れる”。
咲くのは6月中旬から7月中旬までの短いあいだ。
夕暮れ時から蕾が膨らみはじめ、夜に開花し、
白から淡いピンク色の花で、甘い香りを漂わせます。

なかでも西表島にある雄大な河川〈仲良川〉は、
西表島の中でもサガリバナが最も多く咲くところ。

淡いピンク色の花が垂れ下がるように咲き、
日が昇るとともに川面にポタポタと落ち、
ふんわりと浮かびながら流れていく... 
ジャングルの奥地を流れる川が、
まるで淡いピンク色の絨毯を敷いたかの様に
ふんわりと覆われる、幻想的な風景がひろがります。

その幻想的な光景を、クルーズ船で観賞できるのが、
〈ホテル ニラカナイ 西表島〉の観賞クルーズ。
2016年6月18日~7月20日の期間限定で、宿泊者を対象に、
一夜限りの幻の花「サガリバナ」をクルーズ船でのんびり鑑賞する
早朝ツアーが行われます。

朝5時30分から8時までの、約2時間30分のクルーズ。
夏の限られたひと時だけの甘く幻想的な風景を楽しんでみてはいかがでしょう。

information

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〈ホテル ニラカナイ 西表島〉幻の花『サガリバナ』鑑賞クルーズ

住所:沖縄県八重山郡竹富町上原2-2

TEL:0980-85-7111

期間:2016年6月18日(土)~7月20日(水)

※除外日 6月27日~6月29日、7月11日~7月13日

時間:朝5時30分~8時(約2時間30分)

料金:大人4,400円、子ども3,300円、幼児1,100円(税込)

対象:「ホテル ニラカナイ 西表島」宿泊者(定員50名)

申込締切:前日18時30分まで

お問合せ:アクティビティデスク TEL 0980-85-7011(10:00〜16:00)

Web:公式サイト

日本初のテーラーはいまも現役。 伊藤博文も愛した 〈柴田音吉洋服店〉

その人に似合う、最高の一着をつくる

神戸が明治の開港で賑わいを見せている頃、
ひとりの男性が「洋服づくりの天才」と話題になっていました。
それが柴田音吉さん。〈柴田音吉洋服店〉の創業者です。
10歳には京都で裁縫の勉強を始め、その後、明治2年になると
今度は、近代洋服のテーラーをメリケン波止場で開いていたイギリス人、
カペルさんの弟子になります。
そして1880(明治19)年に開業。ここに日本初の本格的テーラーが誕生します。

当時の日本ではあまり手に入らなかった最高級の生地を使い、
とにかく着心地のいい、丁寧な仕事。その噂を聞きつけ、
初代兵庫県知事の伊藤博文もスーツやコートをあつらえたそうです。

創業以来顧客の型紙が保存されています。震災前には2万枚の型紙がありましたが、建物の倒壊で一部は持ち出せませんでした。それでも2000枚を保存しているのは、お客さんと一生のおつき合いをしていく証。

「これ以後、伊藤博文に大変かわいがられ、
伊藤博文が天皇に対して礼服は洋装にすべき、と進言することになった
きっかけだと言われています」と言うのは、5代目の柴田音吉さん。
なんと太政官布告に列記された内容は、
柴田音吉洋服店の初代が深く関係していたのでした。

それから代は移り、阪神淡路大震災も経験し、店は現在の場所へ。
予約制のテーラーとして、新たな価値をつくり出しています。
「近年は既製のスーツをフィッティングするだけで買える時代です。
しかし、やはりその人に合う一着というのは
じっくり話をし、採寸するというプロセスを経ないといけません」
そう、現代の柴田音吉洋服店は、テーラーの国イギリスの本流でもある
ビスポークテーラーとして、ひとりひとりのお客さんに向き合っているのです。

お客さんとの話は、体型や好みの話だけではありません。
経済のこと、嗜好品のこと、あらゆる話をしてお客さんとのつながりを深め、
その中から最適の一着を生み出していきます。

生地はオールシーズン使えるものを常時500種類そろえています。

「洋服は利益ではなく芸術性を追求しなさい」
先代に教えられた言葉を守りながら、日本最古のテーラーは、
今日も紳士服を生み出しています。
「いい洋服をつくるのは、テーラーなら当たり前。
うちはその先の世界まで、お客さんと共有していきます」
5代目の言葉は、服づくりの魂を物語っていました。

「ブランドを誇るのではなく、質を誇ってほしい」。お客さんにそう願うから、ブランドタグは襟元だけにさらりと入っています。

information

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柴田音吉洋服店

住所:兵庫県神戸市中央区元町通4-2-22 2F

TEL:078-341-1161

営業時間:12:00~18:00(要予約、予約時間により午前中も可能)

定休日:水曜、日曜、祝日

*都市によっては訪問も可能
http://www.otokichi-kobe.co.jp/

神戸に“レンタサイクル”が 増えているワケ。 〈こうべリンクル kobelin〉

まち巡りにも、日常にも便利なシェアサイクル

瀬戸内海と六甲山系の山々に囲まれた、自然豊かな神戸。
新たな発見を求めて、緑あふれるこのまちをサイクリングで楽しむ人が増えています。 

地元の人だけでなく訪問する人にも注目されているのが、
神戸コミュニティサイクル〈こうべリンクル kobelin(コベリン)〉です。
コンパクトで真っ赤なボディが愛らしい神戸のシェアサイクルで、
坂道が多い神戸の道のりも電動自転車なのでスイスイ行けて快適です。
特に北野方面は坂道の風情を楽しみたい場所でもありますから、
これさえあれば無敵! ですね。

またうれしいのは、借りた場所まで返しに戻らなくてもいいこと。
JR三ノ宮駅や元町駅、ハーバーランドなど神戸市内に10か所、
サイクルポートと呼ばれる駐輪場が設置されていて、
このサイクルポート間であれば、借りたり返したりが自由にできるのです。

収容台数15台の三宮駅前サイクルポート。サイクルポートのデザインは、〈こうべリンクル〉の名前に由来して輪が連なっているイメージに。

ハーバーランドに設置されているサイクルポート。サイクルポートにある登録機からも登録OK。阪神高速沿いのガスビルにあります。

もちろんインターネットで簡単に会員登録して利用できるので、
ショッピングはもちろん、神戸といえば、のスイーツ巡りなど、
多彩なまち巡りができそうです。

自転車のサドルについている操作パネルからも簡単に登録可能! ICカードやおサイフケータイが必要なので準備しましょう。

最近は通勤や仕事の移動などにも利用する人が多いようで、
車で移動するまでもないけど歩くと時間のかかる市内では、自転車が重宝しそう。
日々の行動範囲もぐんと広がりますね。

ちなみに〈こうべリンクル kobelin〉の名前には、
Link=つなぐという意味が込められています。
kobelinで走り抜ける神戸の街角では、新たな人やまちとのつながり、
出会いが待っているかもしれないと思うと、とてもウキウキしてきます。

information

こうべリンクル kobelin

お問い合わせ:サイカパーキング 0120-040-587

料金:1回利用の場合、最初の60分100円(30分ごとに+100円、最大1000円)、1日利用の場合、500円 *24時間利用可能

http://www.kobelin.jp/

港町・神戸の普段着は、 日本唯一の船員服の専門店で。 〈アリマ〉のトレーナー

元町の船員服専門店のオリジナルグッズ

美しいガラスアートのある東玄関から、東西に1.2キロ続く元町商店街。
居留地のハイカラを取り込んだ神戸を代表するこの商店街も
西へ歩いて5丁目あたりに行けば、和洋のお店が混在し、
先代からの専門知識とお客様からの信用を得ているお店が並んでいる
昔ながらの雰囲気になってきます。

看板のイカリのモチーフ。ついショーウィンドウに飾られたカッコイイ船員の制服にも目を奪われてしまいます。

その中にある〈アリマ〉は、日本で唯一の海員制服の専門店です。
1961年の創業から全国各地の船員の服を作り続け、船員の服といえばアリマの制服、
と言われるほどに、その世界では名前が知られています。

店内は広々としているので、ゆっくりとショッピングすることができます。

もともと海軍出身の先代が、港にまつわる仕事がしたいと
独立を考えたことからお店はスタート。
2004年に元町商店街に移転したことをきっかけに、
少しずつ一般のお客さんにも商品を見てもらえる機会が増えてきたそうです。

そこでトレーナー、エコバッグ、ストラップなど、
一般のお客さんのためにオリジナルグッズの販売をスタートさせました。
すると、そのオリジナルグッズのデザインがおしゃれだとたちまち評判に。
販売開始から6年以上が経ったいまでも、専門店にもかかわらず、
このオリジナルグッズをおみやげや自分で持ちたいと購入する人が多いそう。
単なる話題性ではなく、ものづくりの姿勢が
多くの人のハートにしっかり響いている、ということなのでしょうね。

エコバッグ1512円(税込)。ネイビーとホワイトの2色展開。かわいいデザインに一目惚れする人が続出!

ちなみに船員の制服をモチーフにしたトレーナーがおみやげに一番人気で、
洗練されたデザインが私服にも使いやすいと、
いまでも口コミで人気が広がり続けているとか。
アリマでしか手に入らないレアなアイテムは、
海、そしてファッションのまちでもある神戸にピッタリです。

オリジナルトレーナー3888円(税込)。バックプリントのイカリやコンパスなどのデザインが好評。

information

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アリマ

住所:兵庫県神戸市中央区元町通5-4-13

TEL:078-341-2910

営業時間:10:00~18:00

定休日:日曜

カツオのまちだからできる 〈カネサ鰹節商店〉が挑む 文化の継承

出汁は日本の心。本枯れ鰹節で出汁をひく

西伊豆の田子漁港は、昭和10〜20年代に、カツオ漁が盛んだった。
しかし当時は40隻ほどあったカツオ漁船が、
平成12年を最後に、1隻もなくなってしまった。
カツオとともに暮らしてきた田子地区には、
鰹節業者もまた40軒ほどあったが、現在では3軒を残すのみ。

創業1882年の〈カネサ鰹節商店〉は、今も鰹節をつくっている店のひとつ。
鰹節の歴史は650年ほどといわれている。
そのなかで、カネサ鰹節商店が手がける製法である、
薪を使った焙乾法が生まれたのが350年ほど前。
以来、当時とほとんど変わらない製法でつくっている。
なかでも、伊豆でつくられる伊豆節は、〈手火山式焙乾法〉を確立した地だ。
もっともおいしいと言われるが、一方でもっとも危険でもっとも効率が悪い。

半身に切られた状態のカツオ。

手火山式焙乾法で焼かれた荒節の表面を削ることで、きれいにカビ付けできる。

削る前の荒節と、削った後の磨き節。

樽につめて発酵させる。その後天日干しし、また樽に入れて発酵。これを8〜10回繰り返す。

直せるところも少なくなったが、「使える限りは使っていきたい」という木の樽。

頭を切る用、お腹を切る用、背びれを切る用など、カツオを切るための特殊な包丁。

鰹節の製法は大きく4段階。
1.切る、2.煮込む、3.焙乾する、4.カビ付けする。
そのなかで手火山式焙乾法が特徴的なのは、強い火をカツオに当てること。
高温で一気に焼くことで表面をコーティングし、
うまみを中に閉じこめることができる。
その代わり、ずっと見張っていないと焦げやすく、職人への負担が大きいのだ。

カネサ鰹節商店では潮カツオも製造している。
切って塩か塩水に漬けるという簡単なカツオの保存食だが、
実は出汁の起源とも言われており、1000年以上の歴史がある。
これをつくっているのは、全国でも唯一このエリアを残すのみ。
なぜ田子地域にだけ残ったか。
カツオとの関わりが深い田子では、この潮カツオにワラ飾りをして、
お正月に神棚に供えたり、玄関先に飾ったりしていた。
カツオで生計を立てていたので、信仰と深く紐づいていたのだ。
かつてカツオ漁船の船長は、潮カツオを神社に奉納し、
その“お下がり”を、最初の漁のときに、船員に食べさせた。
それが契約の証となる。神様も媒介しているので、それは強い絆になった。
こうした文化があったことで、潮カツオは田子に奇跡的に残ったのだ。
単なる保存方法に過ぎなかったほかの地域では、
冷凍技術やほかのモノに代替され、潮カツオは無用のものとなってしまった。

文化を残していくには、食べていかなければならない。
それには料理が必要だ。
そこでカネサ鰹節商店の5代目・芹沢安久さんが立ち上げたのが
〈西伊豆しおかつお研究会〉だ。
研究会が商品開発した〈しおかつおうどん〉は、
うどんに潮カツオの切り身と鰹節、
さらに温泉卵などと合わせていただくまぜうどん。
とてもしょっぱい潮カツオを、現代的に食べやすくアレンジしている。

店舗と工場が隣り合わせのカネサ鰹節商店。鰹節も買えるし、〈鰹しおから〉や〈潮かつお燻焼き〉などはおみやげにも最適。

ほかには小学生・中学生に対する食育などの活動もしている。
すでに西伊豆の小学生でも大半が潮カツオを食べたことがないという。
だからまずは小学校の学校給食で〈しおかつおうどん〉を食べてもらうことから始まり、
中学校になると、文化の勉強や、一緒にレシピをつくったりもしてきた。

「自信を持ってどこへでも発表できる文化だし、日本の伝統的な保存食です。
しかもここにしかない。だから正しく残していきたい」と芹沢さん。

カネサ鰹節商店の5代目・芹沢安久さん。カツオ文化への熱い思いをさまざまな行動に移している。

田子に残る、手火山式焙乾法の鰹節と潮カツオ。
カネサ鰹節商店では、製造工程を見学できるので、
ぜひカツオを彩るすばらしい文化を体感してほしい。

information

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カネサ鰹節商店

住所:静岡県賀茂郡西伊豆町田子600-1

TEL:0558-53-0016

http://homepage2.nifty.com/kanesa16/

西伊豆町観光協会

http://www.nishiizu-kankou.com/

神戸の人はパンが好き。 仕事帰りは〈イスズベーカリー〉

“神戸マイスター”がつくる風味豊かなパン

全国でも2番目にパンの消費量が多い神戸。確かに神戸のまちは
各所にベーカリーがあり、まちの人が日常のパンを買っている姿をよく見ます。

イスズベーカリー元町店は、元町駅から徒歩1分とアクセス抜群。香ばしいパンの香りに、ついつい誘われてしまいそう。

なかでも神戸の人が愛してやまないのは、〈イスズベーカリー〉です。
1946年の創業以来神戸の人を虜にしているのは、
小麦粉の旨みが最大限に引き出された風味豊かなパンのおいしさにほかなりません。

イスズベーカリーではイーストの使用を極力抑えて、
小麦粉の生地が醗酵しようとする力を引き出すために長時間醗酵法を採用。
そのため小麦粉のおいしさが噛めば噛むほど感じられる、深い味わいになっているのです。
そのパンづくりの姿勢から、イスズベーカリー2代目の井筒英治さんは、
ハイレベルな技能者に与えられる“神戸マイスター”にパン部門で初めて認定されています。

店内には、全国菓子博内閣総理大臣賞受賞をした、人気の食パン〈ハード山食〉や、乳脂肪45%の生クリームなどを加えたしっとり食感の〈エンペラー〉も好評です。

お店は三宮、元町、北野に計4店舗ありますが、
なかでも2006年7月にオープンした元町店には130種類以上のパンが並び、
洋菓子なども含めると、アイテム数がなんと200種類以上。
もちろんほかのイスズベーカリーの店舗と比べても、品ぞろえの多さは群を抜いています。

“神戸マイスター”の製法を受け継いでいるパン職人さんたち。

しかしこちらのお店、人気なのは品ぞろえの豊富さだけではありません。
訪れるお客さんは、地元の40~50代の人が中心。
イスズベーカリーのパンは毎日食べたい味だから、というのが
多くの人を魅了し続ける理由なのです。

朝は朝食としてサンドイッチを買う出勤前の人、
15時を過ぎるとお母さんたちが明日の朝食用に食卓に並べる食パンを、
夕方以降は仕事帰りのOLさんが自分へのごほうびに菓子パンを買って帰る……。
つまりイスズベーカリーのパンは、神戸の人のエネルギーそのもの。
いつでも食べたい、そして食べれば元気になれる神戸パンの代表です。
おやつにも、食卓にも、毎日の生活においしパンがあれば、
それはそれは、ハッピーに違いありません。

information

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イスズベーカリー 元町店

住所:兵庫県神戸市中央区元町通1-11-18

TEL:078-393-4180

営業時間:8:00~21:00

http://isuzu-bakery.jp/

〈海辺のかくれ宿 清流〉は 海へとつながる露天風呂が魅力

露天風呂、海鮮、海。「ザ・西伊豆」を満喫したいなら!

西伊豆の宿のなかでも、海に一番近いのが、ここ〈清流〉。
海沿いのメイン通りである国道136号線沿いにあるエントランスは、実は5階。
海に近づくように、下に向かって建てられているのだ。

三四郎島への道がうっすらと現れてきた。

一番下の階に露天風呂がある。つまり、海の目の前だ。
高波のときには閉鎖することがあるくらい、身近に海を感じられる。
波の音を聞きながら、目の前に広がる水平線。
左右は岩で覆われ、その上には松が生える。
だだっ広い場所も気持ちいいけど、風情があって落ち着くのはこちら。
これぞ伊豆という風景が広がっている。
「海辺のかくれ湯」というキャッチフレーズにふさわしいロケーションは、
ちょっと秘密にしておきたいくらい。

女湯の脱衣所でも、こまかなしつらえを欠かさない。

男湯の露天風呂は開放的。

すぐ目の前に見えるひとつの島は、三四郎島。
普段は、海の向こうの島だ。
しかし潮位が低いときの干潮時、島へ向かって約30メートルの道が現れる。
これはトンボロ現象と呼ばれ、全国的にも珍しい現象なのだ。
ぜひ時間を見計らって体験しにいってほしい。
もし清流に泊まっていれば、部屋からも様子がうかがえるので、
タイミングを逃すことはないだろう。

露天風呂付きの部屋もある。こちらは海を見下ろし、より広い絶景が楽しめる。
沈みゆく夕陽を眺めていると、何もしなくてもいいかなという気持ちになってくる。
宿にこもってのんびり過ごすのも一興だ。

露天風呂付きのジュニアスイート。

食事は、創作和会席料理を堪能できる。
さすが伊豆だけあって、おつくりのバリエーションはすばらしい。
手長エビ、アオリイカ、キンメダイなど、
なるべく伊豆で獲れた魚を提供したいという。
それ以外にも、わらさの柚子あん焼き、手長エビの甘露煮、キンメダイの煮付けなど、
やはり海鮮料理が中心のラインナップ。
一手間加えられたこだわりが、新鮮な素材をさらに引き立ててくれる。
贅沢な海鮮づくしを心ゆくまで堪能したい。

手長エビ、アオリイカ、ヒラメ昆布締め、中トロなど。

キンメダイの煮付け。

ソフトシェルクラブの揚げもの。

ホタテのタラコウニ和え、百合根の柚子皮巻き、わらさの柚子庵焼き、手長エビの甘露煮、サクラゼリー、黒梅酒。

大きめのように見えるけど、団体客などは基本的に受け入れていないので、
のんびりとした雰囲気だ。
最近では、女性のグループも増えているという。
西伊豆ののんびりとした雰囲気をそのままに、
ゆったりと過ごすことを演出してくれる宿だ。

information

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海辺のかくれ宿 清流

住所:静岡県賀茂郡西伊豆町仁科294

TEL:0558-52-1118

http://www.n-komatu.co.jp/

西伊豆町観光協会

http://www.nishiizu-kankou.com/

思い立ったらすぐ行ける。 神戸のふたつの山、 六甲山と摩耶山へ

まちの近くで楽しめるハイキングや眺望

日本三百名山に選ばれている〈六甲山〉と、
展望台からの眺めが日本三大夜景のひとつとされている〈摩耶山〉は、
ずっと変わらずに神戸の人のオアシス的なスポットとして親しまれています。
ここには心洗われるような絶景や広大な自然があり、
それがまちから近いことで、思い立ったらすぐ行けるのも大きな魅力です。

山上まで登れてしまうケーブルカー。1932年開業の歴史あるケーブルカーで、レトロとクラッシックの2種類で運行しています。

六甲山上へ向かうのに便利なのが、六甲ケーブル。
一気に山上まで登り切ることができるので、
到着した六甲山上駅から六甲山頂を目指したり、
下りルートの爽快な森の空気にふれたりと、気軽にハイキングを楽しむことができます。
ちなみにこの六甲山上駅、近代化産業遺産にも指定されているので、
駅そのものもしっかり見学しておきましょう。

六甲ガーデンテラス内にある〈自然体感展望台 六甲枝垂れ〉。ヒノキのフレーム越しには、壮大な六甲山からの景色が広がります。

駅から山頂方面へ歩いていると、六甲山の中腹に六甲ガーデンテラスが見えてきます。
ここにはヒノキの無垢材でできている〈自然体感展望台 六甲枝垂れ〉があります。
暖かな木漏れ日のような光に包まれたり、六甲の風を体感できたりと、
大自然を肌で感じながら、標高888メートルからの眺望を満喫するのは
ハイカーの定番の楽しみ方。
明石海峡大橋から大阪平野あたりまで広がるパノラマの景色は必見です。
その先には六甲有馬ロープウェーがあるので、そのまま有馬温泉へ向かい、
日本三名泉といわれる湯で、疲れた体を癒やしましょう。

見晴らしいい昼真の掬星台はすがすがしい空気いっぱいで、神戸ー大阪間が一望できます。

一方の摩耶山は、〈掬星台(きくせいだい)〉から見える
阪神間の眺望がとにかく最高です! 
晴れた日には関西国際空港が見えることもあるという見晴らしのよさに、
休日には多くの人が訪れる人気スポットとなっています。

まやビューラインのロープウェーから眺める夜景は、きっと格別。掬星台の大パノラマを、空の旅で楽しんでみてください。

もちろん眺望だけでなく、山上と麓を結ぶ
ケーブルカーとロープウェーを堪能することも忘れずに。
車窓の外に広がる壮大な景色が実に圧巻ですよ。

ちなみにオススメの楽しみ方は、まず山頂までケーブルカーと
ロープウェーで移動し、そこから青谷道を下るコース。
途中には茶屋があってひと休みすることができますし、
比較的やさしい道なので、ハイキングデビューにもぴったりです。
神戸の人が愛して止まないふたつの山は、
遊びがいっぱい詰まったスポットでもあるのでした。

掬星台の展望台からの眺望は、まさに1000万ドルの輝きです。ライトアップされた遊歩道もロマンチックな演出をしてくれます。

information

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六甲山

住所:兵庫県神戸市灘区六甲山

http://www.rokkosan.com/

六甲ケーブル

TEL:078-861-5288

運行時間:7:10~21:10

料金:片道590円、往復1000円

information

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摩耶山

住所:兵庫県神戸市灘区摩耶山

http://www.mayasan.jp/

まやビューライン(摩耶ケーブル&ロープウェー)

TEL:078-861-2998

運行時間:摩耶ケーブル10:00~17:40、摩耶ロープウェー10:10~17:30(曜日・季節により延長ダイヤあり)

料金:ケーブル(摩耶ケーブル駅~虹の駅)、ロープウェー(虹の駅~星の駅)片道440円、往復770円、全区間(摩耶ケーブル駅~星の駅)片道880円、往復1540円

http://kobe-rope.jp

〈アジアの森〉 至近距離で観察可能! 神戸どうぶつ王国に新エリア

兵庫県神戸市にある全天候テーマパーク、〈神戸どうぶつ王国〉。
花と動物と人がふれあい共生することがテーマの園内では、
鮮やかな花々が咲き誇る園内で、
カピバラやアルパカ、カンガルー、ペンギンなどを
至近距離で観察することができます。

完成予想図

この〈神戸どうぶつ王国〉に、2016年3月19日(土)、
新エリア〈アジアの森〉がオープン。
ここは動物が本来生活する環境のリアルな造形、
本来の行動を限りなく引き出せるよう工夫を凝らしたエリア。

本物の古木や植物を持ち込み、
野生の動物たちの生活環境を再現しました。
展示エリアと通路を隔てるのは水路のみ。
ガラスなどがないため、レッサーパンダやビントロングが
頭上の枝を伝い、すぐそばまでやって来ることも!

レッサーパンダも間近で!

こちら、レッサーパンダのコーナー。
竹や木々が生い茂り、滝が流れています。
また通路までせり出した枯木の枝があるので、
見上げると頭上を歩くレッサーパンダを見ることができます。

普段は高い木に登ったり、丸太を渡ったり、エサの笹を食んだり、
時には木の又に顔を引っ掛けてうたた寝したりしてるんだそう。
グループ園の那須どうぶつ王国から来た、
2015年6月29日生まれ、生後8ヶ月の3兄弟です。

ビントロング

マレーシア語で “クマのようなネコ” という意味を持つ
ビントロングは、その名のとおり熊のような猫のような不思議な動物。
木の上で生活する彼らのいる場所には、
背の高い本物の木や枯木をイメージした擬木を配置しています。

DIYの聖地!? 日本唯一の大工道具の博物館 〈竹中大工道具館〉

1000点の道具や原寸大の建築模型を展示

新幹線が発着する新神戸駅から歩いて行ける閑静な場所に、
ちょっと変わったミュージアムがあるのをご存じですか? 
それが日本で唯一、大工道具の専門博物館である〈竹中大工道具館〉です。
こちらは手道具としての大工道具を収集、保存、研究、展示している博物館で、
日本の木造建築を支えてきた工匠の技と心を後世に伝えることを目的に設立されました。

豊かな自然が溢れる竹中大工道具館。大工道具を専門として展示しているのは、日本でココだけ。

2014年10月の大幅なリニューアルに伴い、自然あふれる現在の場所に移転。
これまで集めてきた約3万点の中から約1000点の道具を選び抜き、
大工道具の歴史や種類だけでなく、
「棟梁に学ぶ」などのテーマに分かれた7つのコーナーで、
道具との出会いを演出してくれています。
木造建築の歴史を大工道具と一緒に紐解くコーナーや、
まだまだ日本に残る手仕事の伝統美など、
展示はとにかく見どころがたくさんあるのですが、
7メートル以上の高さを誇る原寸大の唐招提寺金堂(とうしょうだいじこんどう)や、
丁寧で繊細な数寄屋造りを見ることができるスケルトン茶室など、
個性的な展示は特に注目です。

重要文化財である、大徳寺玉林院蓑庵がモデルとなった、スケルトン茶室。その細やかな造りに感動。

木の香りをかいだり、実際に触れることができるハンズオン展示も、
見どころのひとつ。近年日本ではDIYブームも起きていますから、
ここを訪れてさまざまな展示にふれれば、新たなインスピレーションだって、
泉のように湧いてくるかも知れません。
館内では、大工道具に親しんでほしいという思いから新設された木工室で、
大工による実演や工作など体験型のイベントなどを
定期的に開催している点も気になるところ。

こちらの木工室では、ノコギリやカンナを実際に使用して工作するワークショップなど多数開催しています(詳細はHPにて)。

なんでも便利になった現代ですが、ものづくりの心を大切にしている大工道具館で、
後世に伝えたい手仕事のすばらしさを体感してみてはいかがでしょう。

1階ロビーの天井は天然の無垢材を使った伝統の舟底天井。ロビーは構造技術を生かし、内部に柱のない空間を実現。

information

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竹中大工道具館

住所:兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1

TEL:078-242-0216

営業時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)

定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)

http://dougukan.jp

〈AQUA VILLAGE/REN VILLAGE〉 船のみアクセス可能、 秘境のキャンプ場とは

ワクワクしかない! 冒険感満載のショートトリップへ

1日1組限定、しかも船でしか行けない。
そんな秘境感たっぷりのキャンプ場が西伊豆にある。
〈AQUA VILLAGE〉と〈REN VILLAGE〉だ。
手がけているのはVILLAGE INC.。
代表の橋村和徳さんは、テレビ局やITベンチャーなどに勤務していた。
しかし2010年、まったく正反対とも思えるジャンルの
〈AQUA VILLAGE〉というキャンプ場をオープンした。
続いて2012年〈REN VILLAGE〉もオープン。
どちらも三方を山に囲まれ、海から上陸するのみで、
完全にプライベートが保たれている空間だ。

手漕ぎボートで、いざ大海原へ!?(写真提供:VILLAGE INC.)

小さいけど、ココです!(写真提供:VILLAGE INC.)

お客さんの多くは、大人数で借りるという。
8人程度の気が置けない仲間で、30人でイベント的に、100人で結婚パーティなど、
使い方は自由自在。何をやっても構わない。
自然のなかに置かれるけれど、逆に自分たちで考え、
楽しもうとすることでクリエイティビティが発揮される。
料理や過ごし方などが贅沢なキャンプスタイル=“グランピング”も
最近では流行っている。
でもここは、存在と空間自体が贅沢そのもの。
だれからも干渉されず、都会から切り離された自由な生活が待っている。

REN VILLAGEにあるレンガでつくったピザ窯。

VILLAGE INC.でも販売しているベルギー発〈Canvas Camp〉のテントが設置されている。

「みんないろいろ計画してくるけど、結局は自由な感じで過ごしていますね」と橋村さん。
1泊2日の2日間、まるまる借りられるから、のんびりとチェックアウト。
だから次の人たちが来るという心配もしなくていいのだ。
ラグジュアリーというよりは、
自然と時間と空間をフルに使い倒せるという価値を感じたい。

VILLAGE INC.の橋村和徳さんは、自らの手でAQUA VILLAGEを切り拓いた。

AQUA VILLAGEから、最高のシチュエーションで見る夕陽は、格別に美しい。

キャンプに必要なギアや調理グッズも、大抵はレンタル可能。
ハンモックやシーカヤック、シュノーケリング、SUPなど、遊びの面ももちろん充実。
なんといっても、橋村さん自身が楽しむ場所をつくったのだ。
だから自然遊びのツボがわかっているのが心強い。

海を眼前に行うヨガは格別。(写真提供:VILLAGE INC.)

ウッドデッキでくつろぐもよし。(写真提供:VILLAGE INC.)

結婚パーティだって開催されている。(写真提供:VILLAGE INC.)

電飾を施し、映画上映。さながら都会のパーティ会場。(写真提供:VILLAGE INC.)

橋村さんは、最近では場づくり関連の講演会などにも登壇し、
ワークスタイルについて話す機会も多いという。
朝から晩まで最先端で働いていたが、
しかし人生を大きく振ってキャンプ場経営に乗り出した橋村さんだからこそ、
働き方の哲学に説得力がある。

研修などでここを利用する企業も多いという。
自然のなかで、何にも邪魔されず気持ちをリフレッシュさせることは、
次の仕事への活力にもなるようだ。
そういった機能を橋村さんは体感している。
ワークライフバランスとは現代のキーワードのひとつだが、
積極的に自分を隔離する場所になっているのだ。

なんでもできる。だから最大限に遊び尽くす。
大人の秘密基地というコンセプトは、言いえて妙だ。
ワクワクの気持ちだけは忘れずに、田子漁港で船を待とう!

毎日、参加者なりの村ができあがっていく。(写真提供:VILLAGE INC.)

information

VILLAGE INC.

営業期間:4〜12月

チェックイン:10時以降の希望の時間

チェックアウト:17時までの希望の時間

料金:大人1人1泊(2日間)16,200円、小学生8,100円

http://villageinc.jp/

西伊豆町観光協会

http://www.nishiizu-kankou.com/

港町の華やかなホテル 〈ホテル ラ・スイート 神戸ハーバーランド〉

ドンペリ開栓数は関西有数!

多様な人が集まる華やかなまちでは、折に触れてさまざまなパーティーが催されます。
国際都市であり、海と山に挟まれた風光明媚な神戸でも、もちろんそう。
例えば北野に暮らす人たちは、家族や仲間を集めて
ホームパーティーを開催するのがライフスタイルのひとつにもなっていますし、
神戸市内にあるホテルでも、大小さまざまなパーティーが開催されているようです。
神戸は人がつながるまちでもありますから、
自然とパーティーの文化も定着したのでしょうか。

〈ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド〉は、神戸ハーバーランドのウォーターフロントにあるホテル。客室からの眺めも最高です。

ホテルと言えば、神戸のウォーターフロント、
ハーバーランドにある〈ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド〉は、
そんな神戸のパーティーライフを物語るようなホテルです。
なんといっても「ドン・ペリニヨンの開栓数が関西有数」なのですから。

ホテルでは、ラグジュアリーなシーンがホテルのそこかしこにあるので、パーティーでも宿泊でも、ドン・ペリニヨンが欠かせません。

『ミシュランガイド兵庫2016特別版』で神戸地区最高評価となる
“最上級の快適さ”を6年連続で獲得しているこちらのホテル、
料理のおいしさ、そしてオーシャンビューという最高のロケーションもあり、
ラグジュアリーなパーティーが多いとか。
ラグジュアリーな空間で過ごす極上の時間には、
シャンパンの王様と評されるドン・ペリニヨンがやはり似合うのです。
もちろんパーティーだけではなく、南フランスを思わせる客室で過ごす夜にも、
シャンパンがあるとステキですよね。

先ほどもちらりとふれましたが、〈ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド〉は、
料理でも人気のホテルです。
兵庫県産を中心にそろえたこだわりの食材を和洋のシェフが至福の味に仕上げた料理。
神戸らしいロケーションで神戸ならではの食材を堪能できる料理、
想像しただけでも、うっとりしてしまいます。
その席に、ドン・ペリニヨンもあると、きっと記憶に残る時間が過ごせそうです。

information

map

ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド

住所:兵庫県神戸市中央区波止場町7-2

TEL:078-371-1111

宿泊料金:2名1室、1名12000円~

https://www.l-s.jp/

漁師まちの人気店〈Satouya〉。 洋菓子全般おまかせあれ

たくさんの洋菓子に目移り必至。バリエ豊富な洋菓子店

西伊豆の漁師町に突如現れる、都会的で洋風なお店。
それが〈Satouya〉である。
サトウヤという店名なので、純和風とも思えるのだが、
クオリティの高いケーキや焼き菓子など、洋菓子で人気のお店だ。
このあたりの“手土産”の定番ともなっている。

季節感を感じるショーケース。

オーナーでシェフパティシエの佐藤滋之さんは、パティシエの修業後、
この地に店舗を構えて、今年で10年目。
フランス菓子をベースに、この地域の特性に合わせてアレンジしながら、
常時30種程度のお菓子が並ぶ。
午後になると、早くも売れてしまってショーケースはちょっと寂しげになってしまうので、
行くなら午前中がおすすめ。

店舗奥では、みな翌日に向けて作業中。

「全部で100種類くらいのバリエーションがあります。
なるべくたくさんの種類を置いて、選びながら買えるようにしたいんです」
と佐藤さん。
地域に少ない洋菓子店だから、専門性をもたせるというよりは、
幅広いニーズに答えていきたいという思いだ。

売れ筋は、フレジェ。
フランスにはイチゴのショートケーキはないが、その源流のようなもの。
説明書きによると、“伊豆の国市産の紅ほっぺとクレーム・ムースリーヌを、
ピスタチオとアーモンドの2種類のビスキュイ・ジョコンドでサンド。
イチゴとフランボワーズのナバージュで仕上げました”とのこと。

美しく並べられたタルトフィーヌ・ポンム。

エレガントなカシスショコラ。ほどよい酸味でおいしい。

材料は、安全で質のいいものにこだわっている。
洋菓子という性質上、都内などから仕入れることも多いというが、
フルーツなどはなるべく地のものを使用する。

右/スイートポテト、左/かぼちゃのタルト、上/ブルーベリータルト

店舗自体は、設計士やデザイナーに頼むことなく、
自分たちで大工さんに直接イメージを伝え、建ててもらった。
店内の什器やインテリアなども自分たちの目で選んでいる。

「ただおいしいケーキがつくれるだけではダメだと思うんですよね。
センスや雰囲気も含めて、トータルコーディネートできることが重要だと思っています。
そういう意味では、店舗づくりも洋菓子店としての要素のひとつ」

これからは、店内でのカフェ部門に力を入れていきたいという。
ショーケースにあるケーキやお菓子はイートインできる。
ランチにはキッシュやベーグル、フォカッチャなどもいただける。
やはりバリエーションというか、その総合力は、
西伊豆というまちに貴重な存在なのだろう。

オーナーでシェフパティシエの佐藤滋之さん。モヒカンがトレードマーク。

店内のカフェコーナー。西欧調のインテリアも自分たちで。

焼き菓子も常にたくさんストックされている。車中の楽しみに。

「漁師町にあっても、もちろんモダンで洋風なカルチャーを好きな人たちもいます。
そのような人たちの受け皿となって、ハブのようなスペースになれたらと思います」

天井は高いし、テラスもあって、特にこれからの季節には心地よい。
観光客も、地元の人も、ホッと一息つける場所だ。

日当たりもよく風と緑が心地よい。これからの季節には人気。

テラス席で、フレジェ(手前)とノワゼット(奥)。

information

map

Satouya 
サトウヤ

住所:静岡県賀茂郡西伊豆町仁科257-2

TEL:0558-52-3108

営業時間:10:00〜19:30(店舗)、10:00〜18:00L.O.(カフェ)

定休日:火曜

http://satouya.com/

西伊豆町観光協会

http://www.nishiizu-kankou.com/

〈三共食堂〉のこあじ鮨は 女性でも食べやすいかわいいサイズ

ネギと生姜を醤油につけたら、お寿司に戻して、ひとくちで

「詳細はわからない」とご主人の藤井正彦さんが言うように、
100年前後も続いている〈三共食堂〉。
かつては〈三共商店〉として、手づくりのアイスクリームや豆腐、ラムネなど、
加工品を販売していた。
それを2代前の祖父が食堂スタイルにしたことで〈三共食堂〉となった。
さらに父親の代で寿司屋としてリニューアルした。
だから食堂という名であっても、おいしい寿司が食べられる。

ちょうちんでもこあじ鮨推し。

こあじオンパレード!

横浜の割烹で修業を積んだご主人の藤井正彦さん。

ここを訪れるお客さんのほとんどが注文するのが、〈こあじ鮨〉だ。
祖父が始めたというこの寿司。
以来、30年以上変わらず、こあじ鮨を提供し続けてきた。
昔からこの辺りでは、小ぶりだがいいアジが獲れたのだ。
藤井さんが子どものころは、地元の桟橋などからもアジが釣れたという。
今でもお店で使うアジは、なるべく地のものを。
最低でも沼津と、近場にこだわっている。

ていねいな仕事がこあじ鮨に宿る。

見た目にもコンパクトでかわいいこあじ鮨。
通常の寿司よりも一回り小さめサイズで、女性でも一口で食べやすい。
あえてシャリも少なめ、ネタも厚くない。
いわゆる光り物という印象はない。
だから光り物が苦手という人にも、一度チャレンジしてもらいたい。

アジの上には、最初からネギと生姜が乗って提供される。
生姜やネギがたっぷりと乗っているので、薬味はバッチリ。
そのネギと生姜を取り、醤油につけて、またネタの上に戻してひとくちでいただく。
もちろんどう食べても構わないが、これが三共食堂オフィシャルの食べ方だ。
シャリとネタの間に隠されている大葉もアクセントとなって、いい仕事をしてくれる。
大将が計算した絶妙なバランスのおいしさが、口のなかに広がるのだ。
さっぱりとして、とても食べやすい。
寿司といっても、ネタが大きければいいというものでもない。
あらためて、寿司も料理なのだと感じさせる。

カサゴのみそ汁がまた絶品。こちらはお母さんがつくってくれた。
普段はたくさんのカサゴをずっと煮ている。
じっくりと出汁が出ていて、ていねいにつくられたみそ汁だ。

かさごをひとつずつ煮る。

ほかほかのカサゴのみそ汁。860円

この辺りは人気ツーリングスポットになっているようで、
バイク乗りが多く訪れるようだ。
男性ならば、こあじ鮨とカサゴのみそ汁の組み合わせが鉄板。
10貫、13貫くらいはぺろりといけるはずだ。
この組み合わせは極上なので女性でもおなかを空かせてぜひ。

多くのお客さんが頼む組み合わせ。贅沢な西伊豆の味。

こあじ鮨10貫1,300円、13貫1,620円

information

map

三共食堂

住所:静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須283

TEL:0558-55-0030

営業時間:11:00〜14:30

定休日:火曜・金曜

西伊豆町観光協会

http://www.nishiizu-kankou.com/

写真家・在本彌生の旅の記録  おいしいものと、人のご縁。 懐の深い、北海道とは。

移動に移動を重ねた道北の旅

今回、コロカルが写真家の在本彌生さんとめぐったのは、
北海道の道北エリア。まず、新千歳空港から占冠を目指し、
そこから、富良野や美瑛の素朴な田園景色を横目に、
音威子府まで北へと車を走らせます。

東川では豊かな水と旭岳の美しさを目の当たりにして、
途中日本海をめざし上川から増毛へ。
海岸線に夕日が沈でいく風景に目を奪われます。
早くから開拓がすすんだ旭川での人のご縁は運命的。
恵まれた出会いを惜しみつつも旭川をあとに、
美深と下川の静かでふかふかな森へも足を踏み入れました。

ため息が出るような大きな自然と人々の営みとの出会い。
改めて北海道の懐の深さを知ることになった在本さんが
この旅で感じたこととは。

100年前から揚げています。 神戸のおやつの新定番? 〈幸神堂〉のフライ饅頭

世代を超えて愛される神戸の名物和菓子

明石海峡大橋が間近に迫る西舞子は、
穏やかな波の音とのんびりとした時間が流れるまち。
そんなのどかな通り沿い、舞子小学校の目の前にある〈幸神堂〉は、
50年以上続く和菓子の老舗です。
今日もここには子どもたちの元気な笑い声が響き、
地元の人たちが幸神堂の名物である〈フライ饅頭〉を求めて訪れます。

自家製のふっくらカステラや季節の上生菓子など、多彩なお菓子が店内に並びます。モチモチ生地にチョコを包んだチョコ餅も評判です。

先代が修業していた和菓子店で100年近く前から扱っていたというフライ饅頭は、
砂糖とメリケン粉を混ぜただけのシンプルな生地に、
あっさりとしたこしあんを包んだ飾り気のない味。
2代目へと受け継がれたいまでもずっと変わらない素朴さは、
世代を超えて愛されています。

生地にあんこを包む2代目の橋本義幸さん。親指を押しながら、手のひらで包む。わずか10秒の職人さんの早業です。

幸神堂のフライ饅頭のこだわりは、卵など動物性の食材を一切使用しないこと。
植物性の油を使って揚げるためヘルシーに
カリッと香ばしい仕上がりになるのが特徴です。
さっくりとした食感の生地に、甘さ控えめのこしあんがぎっしりで、
ひと口味わうと、なんとも懐かしい味わいが口いっぱいに広がります。
毎日朝と午後の2回に分けてつくりたてを販売しているのですが、
なんと毎日100個近くつくるものの、あっと言う間に売り切れてしまうほどの人気ぶり。

こんがりきつね色になるまで、丸めた生地を180℃の油で2~3分揚げていきます。揚げたての香ばしい香りが漂ってきます。

神戸といえば洋菓子のイメージが強いかもしれませんが、
まち並みのそこかしこに、小さな和菓子店がいくつもあります。
それらのなかには、幸神堂さんのように子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで
幅広く愛され続けるフライ饅頭が店頭に並んでいる店もあります。
散策途中のおやつに、そしておみやげに。
神戸のフライ饅頭を覚えておいてくださいね。
1個100円という価格も、なんだかうれしくなります。
もちろん揚げたてがおいしいのですが、
冷めてからしっとりとなった饅頭をいただくのも、なかなかに美味ですよ。

店舗の2軒隣には、イートインスペースも。子どもたちが勉強したり、お母さんたちがお茶したりと地元の方々の憩いの場となっています。

information

map

御菓子司 幸神堂

住所:兵庫県神戸市垂水区西舞子2-14-8

TEL:078-782-6302

営業時間:8:30~18:30

定休日:火曜

http://koushindou.ojaru.jp/

キャンピングカーでラクラク! 長崎・移住先探しの旅 その2: 平戸市のレムコーさんに聞く 人づき合いのヒント

家族との移住を本気で考えて、日本全国あちこちを旅するフォトグラファーのテツカ。
そんなテツカがキャンピングカーで平戸市・波佐見町・雲仙市を4歳の娘と巡ってきました。
長崎って移住先としてどうだろう? という彼女なりの目線をお楽しみください。
長崎滞在1日目。平戸市にやってきたテツカが出会ったのは、
古民家を改築してゲストハウスを開業しようとしている、フロライク・レムコーさんです。

【その1:キャンピングカーを借りてみる】はこちら

【その2:平戸市のレムコーさんに聞く人づき合いのヒント】

【その3:移住者は“タンポポ”!? 波佐見町・岡田浩典さんの移住体験話を聞く】はこちら

【その4:波佐見で感じた“もの力”と“ひと力” 陶芸家 長瀬 渉さん】はこちら

【その5:奥津家の3拠点生活】はこちら

濃厚な絶品ちゃんぽんを堪能したあとは、長崎自動車道をひとっ走り。
まずは北西に位置する平戸市を目指した。
青い海を眺めながらのドライブ、BGMは娘の鼻歌。
助手席に乗る4歳の娘は、初めて経験するキャンピングカーが気に入った様子。

今回お借りしたキャンピングカーについて、ここで少し説明を。
長崎県の移住先探しで借りることができたのは、
〈インディ727〉という軽自動車のキャンピングカー。
大型のキャンピングカーの運転となると躊躇してしまうけれど、
この軽キャンであれば普通自動車と変わりなく運転できるので安心。
入り組んだ場所や細いあぜ道でもラクラク走れるので、
気の向くままに旅することができる。
また、シートアレンジによってフルフラットになるので、車内での宿泊も可能。
ポップアップルーフを使えば大人2名と子ども2名まで寝られる。
今回は4歳の娘とふたりだったので、シート部分でゆったりと寝ることができた。

テーブルもあるので、ゆっくり食事ができます。電源やTV、小さめのシンクもあります。写真提供:長崎県

ポップアップルーフは、大人が寝られる広さです。写真提供:長崎県

娘はフラットシートで爆睡!

遠くに見える赤い橋が、東西を結ぶ平戸大橋。

1639年建造のオランダ商館倉庫を復元した資料館。写真提供:平戸市

田平天主堂。写真提供:平戸市

長崎空港から2時間弱で、平戸の玄関口である田平地区に到着した。
平戸市は長崎県の北西部に位置し、平戸島、生月島、大島、度島、高島の有人島と
九州本土北西部に位置する田平と周辺の多数の島々で構成されている。

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大航海時代、世界地図にFirand(フィランド)と記され、
日本で最初の国際貿易港として栄えた歴史あるまちで、
今でも当時の面影を彷彿とさせる建物や史跡が残っている。
また、平戸を散策していると出会うのが、はっとするような美しい教会。
世界遺産の候補になっている田平天主堂をはじめ、
14のカトリック教会が今でも息づいている。
東京で生活している私にとって、
教会やコバルトブルーの海に囲まれているこの環境だけでもワクワクしてしまう。
もしここで生活したら、朝は教会へ行き、昼は釣りをしながら子どもと戯れ、
そして釣った魚を家族みんなで食べる……すてきすぎるじゃないか。
そんな妄想を抱きながら、まずは市役所を訪ねた。

今回の、長崎県による〈キャンピングカーでラクラク移住先探し〉では、
移住先探しメニュー」を選択することができる。
私が選択したメニューは、「市町担当者への移住相談」と
「先輩移住者への移住相談」。
そして「空き家の見学」「市場などの見学」の4つの項目。

まずは「市町担当者への移住相談」をするため、
市役所の「ワンストップ窓口」を訪ねた。
「ワンストップ窓口」というのは、移住希望者の相談のための専用窓口で、
平戸市のほか県内の21市町すべてに設けられている。
今回、私の移住相談を担当してくださったのは、地域協働課の内野愛子さん。
平戸市の概要や移住支援制度について説明をしていただいた。
そんな内野さんに、私も質問をぶつけてみた。

Q 保育園はすぐに入れますか? 待機児童はいますか?

A 待機児童はいないですよ。
市内には認可の保育所が18か所、認可外が5か所あります。
すぐに入れる状況です。

Q 小学校から高校まで、公立の学校はあるのでしょうか?

A ありますよ。
小学校が17校、中学校が9校あります。
高校は3校あって、うち1校は農業高校です。

Q 食べ物はなにがおいしいですか?

A うーん、どれっていうのが難しいですね。
海の幸はなんでもおいしいし、
平戸牛も平戸米も、野菜もとにかく新鮮でおいしいくて……絞れないですね。
珍しいものでいうと、「ウチワエビ」というのがあります。
半分に切ってお味噌汁に入れたら絶品ですよ、伊勢エビみたいな味わいです。

Q そのほか、平戸のイチオシ! を教えてください

A 平戸の本土からフェリーで30分から40分くらい行ったところに、
大島村という離島があります。
大島村は杉の木が少ないので、花粉症の症状が解消されるんです。
花粉症のひどい方には移住先としておすすめです!

そのあと、私たちへのヒアリング。こちらの現状をお伝えした。
家族3人暮らしであることや、現在の仕事の状況、希望の生活スタイル。
それらに沿った内容で、内野さんが平戸市を案内してくださった。

最初に向かったのは市場。
移住するうえでとにかく気になるのは、家族の体を支える食の環境。
平戸の地形を見る限り、魚天国であることはまず間違いなさそうだ。
肉より魚好きな我が家、期待が高まる。
内野さんが案内してくれたのは〈平戸瀬戸市場〉。
どーんと構えた大きい建物の中へ入ると、奥のほうに「魚」という文字が。
娘の手を引きながら魚売り場へ直行すると、氷の上にはピカピカの魚がずらり。
尾頭付きの鯛、大粒のサザエ、ぶりんとしたヒラマサの刺身。
しかもすべてが近海でとれた天然もの。

サザエは5個で860円! 黒アワビは980円!

平戸産天然のマダイ、1750円!

テツカ「内野さん、天然ものばっかりー! しかも安い!」
興奮気味な私に対して、内野さんは首をかしげる。
内野「普通、天然じゃないんですか?」
平戸生まれ平戸育ちの内野さんにとっては、天然ものが当たり前。
なんとうらやましい環境。
内野「テツカさん、すごいテンション上がってますね」
と微笑まれ、少し正気に戻った。
今後の予定を考えると、生ものは買えない……。
テツカ「内野さん、今度来たらバーベキューしたいです。魚いっぱい買って」
内野さんがやさしく頷いてくれた。
日持ちのする干しトビウオなどをたくさん買い込み、市場をあとにする。

乾物も充実しています。

平戸はかまぼこの名産地。いろんな種類があり、どれを買おうか迷います。

生け簀の中をのぞかせようと、娘を抱きかかえてくれる内野さん。

移住相談窓口のご担当、おっとりとした口調ながらも頼もしい内野愛子さん。こういう方の存在は、移住するうえでとても心強いと感じました。

神戸を巡る楽しみがひとつ増える。 〈神戸市内遊覧フルオープンバス〉 誕生!

神戸の風を感じられるルーフトップバス

神戸を訪れ、北野や旧居留地、元町などを楽しむときによく利用されているのがバス。
北野から旧居留地までの間はさほど距離がないと言っても、
やはり坂のあるまちですから、歩くよりはバスで巡る、
というのが神戸観光の定番スタイルのひとつです。
そこにこの春、新たな楽しみが加わります。
それが、風を切りながら神戸のまちを走る〈神戸市内遊覧フルオープンバス〉。

2016年の4月下旬頃に運行開始予定のこのバスの醍醐味は、
天井がないオープントップタイプだということ。
実は神戸、海からの風と山からの風という、
ふたつの風がひとつのまちで感じられるのも魅力なんです。
そんな風をめいっぱい感じる開放感溢れる車内では、
天井がないために空との距離がグッと近く感じられ、
心地よさを倍増させてくれるのではないでしょうか。
もちろん車内から見える神戸のダイナミックな景色も、
神戸の旅を一段と特別なものにしてくれそうです。

黄色、緑、青、赤でカラフルに装飾された車内。華やかなシートに座るだけで、これから始まるバスの旅に一層期待も膨らみますね。

ちょっと運行ルートをたどってみましょう。
旅の始まりは、三宮のバスターミナルから。
JR三ノ宮駅よりまっすぐ海側に伸びるフラワーロードへまず向かいます。
四季折々の花々に彩られた美しい通りで、神戸の洗練を感じましょう。
次に訪れる旧居留地では、イギリス人の土木技師によってつくられた、
ヨーロッパさながらのオシャレなまち並みを満喫。
あとでショッピングに立ち寄るために、
気になるピーエム伊勢の場所もチェックしておきましょうね。
レトロなまち並みを過ぎたら、ポートタワーがそびえ立つメリケンパークや
ハーバーランドでシーサイドの開放感に浸って。
南京町では空腹に訴えかけるおいしそうな匂いに誘われますが、バスは北へ向かいます。
その先には、まるで西洋のお城のような異人館! 
瀟洒な建物が並ぶまち並みを抜け、新生田川を越えて
三宮バスターミナルへ戻れば、ショートトリップは終了。

まちのよさも風の心地よさも満喫できてしまうこのバスの旅。
自然豊かで西洋と東洋の文化が混ざり合った神戸の魅力をたくさん教えてくれそうです。

40人乗りの大型バス。バスの後ろ部分には、神戸のシンボルでもあるポートタワーやモザイクの大観覧車など、神戸らしいモチーフが描かれています。

information

神戸市内遊覧フルオープンバス

問い合わせ:大阪バス 050-3802-0800

*運行時間、料金等に関してはお問い合わせください

http://www.osakabus.jp/route/kobeyuran.html

神戸の色を文にする 〈ナガサワ文具センター〉の 神戸INK物語

神戸の風景を表現したオリジナルインク

このまちを訪れた人がよく口にするのは
「神戸の風景は忘れられないほど印象的」ということ。
もちろんこれは、神戸の人の自慢でもあります。
単に美しいまち並みがある、というのではなく、印象的に思えるのは、
「神戸の風景には色がある」からではないでしょうか。
例えばポートタワーの目の冴えるような赤、
神戸港のどこまでも続く蒼、六甲山の深い緑……。

万年筆で知られる〈ナガサワ文具センター〉のオリジナルインク
〈KobeINK物語〉は、神戸の美しい風景を色鮮やかに表現してくれている
「神戸が感じられる文具」です。
2007年に第一段として発表された“六甲グリーン”を皮切りに、
現在は54色で神戸の風物がインクとしてラインナップしていて、
いまやナガサワ文具センターのロングセラー商品。

煉瓦倉庫店がオープンした記念として、赤レンガの美しさを表現した“神戸レンガ”色のインクも登場。レンガのあたたかみ溢れる赤の色合いがキレイ。

〈KobeINK物語〉が開発されたきっかけは、阪神大震災にありました。
大好きな神戸のキレイなまち並みが見られなくなったことに
悲しみを覚えた開発担当者が、色でまちの美しさを表現して
発信しようと考えたのが始まり。

先述したように、神戸を表す色はたくさんあります。
そのなかでもインクの人気色は青系と緑系だそう。
神戸と言えば海と山に囲まれたまちのイメージが強いからかでしょうか。
シリーズ一番人気の“北野坂ナイトブルー“は、紙に落とすと黒に限りなく近く、
時間が経つにつれ、深みある蒼が濃く現れます。
それはまるで異人館からあふれるあたたかい灯りと、
夜がふけ始めた空の青さが混じり合った北野坂の光景が思い浮かぶよう。

〈KobeINK物語〉とセットで好評なのが、インクにペン先を直接浸して書いていく、ガラスペン(5940円~)なのだとか。

こんな神戸の色で、神戸の思い出を書き、
神戸のまちから手紙を出せば、本当にステキだと思いませんか?
文を綴りながら神戸のまちを思い描く、そして書く時間さえ愛おしくなる。
そんな文具があれば、神戸といつもつながっている感じがしますね。

2012年12月にオープンした、ハーバーランドにある煉瓦倉庫店。緑のドアと赤いレンガが印象的な店舗です。

information

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NAGASAWA 
神戸煉瓦倉庫店

住所:兵庫県神戸市中央区東川崎町1-5-5 ハーバーランド煉瓦倉庫南棟

TEL:078-371-8130

営業時間:11:00~20:00

定休日:不定休

https://kobe-nagasawa.co.jp/

英国王室御用達! H.R.ヒギンスの紅茶を味わう 〈BASK神戸〉

イギリスの紅茶文化が根づく神戸

「神戸の朝は紅茶から始まる」
そう評されるほど、神戸の暮らしに紅茶は欠かせません。
よく知られている話ですが、神戸は紅茶の消費量が日本一。
総務省統計局による「家計調査結果」によると、
2012年~14年の平均で、神戸市はひとり当たりの紅茶の消費量が459グラム。
全国平均は233グラムですから、倍近い量を神戸の人は消費していることになります。
スイーツ(洋生菓子)の消費量も神戸市が日本一ですから、
そこにもどうやら、深~い関係がありそうですね。

港町である神戸は、明治の開国からイギリスとの貿易が日本で最も盛んだったため、
1日に何杯も紅茶を嗜むイギリスの文化が浸透したのだとか。
喫茶店のまちとも言われた神戸では、そんな時代背景からか、
おいしい紅茶をいただけるお店も少なくありません。
そして、そんなまちで暮らしているからこそ、おいしい紅茶を買って帰る習慣も、
暮らしのなかにしっかり息づいています。

そんな神戸の人に愛されているのは、英国王室御用達の
コーヒー・紅茶ブランド〈H.R.ヒギンス〉の紅茶。
元町のトアロードにある〈BASK神戸〉は、
2000年から日本で初めてH.R.ヒギンスの紅茶を扱っているお店。
イギリスで認められた高級な味わいがすぐそばにある、これも神戸の暮らし。

〈BASK神戸 H.R.ヒギンス神戸店〉。現在はオフィス兼店舗として、元町のトアロードにあるビルの一室で販売しています。

ちなみにBASK神戸では、40種以上の紅茶と
ショーケースに飾られた美しいティーセットが出迎えてくれ、
気になるフレーバーをテイスティングすることもできるんですよ。

テイスティング用の紅茶を淹れてくれている、スタッフの藤原志保子さん。

「マロウとマリーゴールドの花にグレープフルーツを香りづけた
人気のフレーバー〈ブルーレディ〉は香り高くすっきりとした味わいなんです」
とスタッフの藤原志保子さんが茶葉にお湯を注いでくれると、
色鮮やかな花々が開き、甘く透き通った柑橘系の香りが店内いっぱいに広がりました。

ブルーレディは、渋みやえぐみがまったくない澄み切った爽やかな味わいで、とっても飲みやすいのが人気の秘密。

白く輝くH.R.ヒギンス限定のティーカップに注いでもらえば、
店頭での試飲が優雅なティータイムに早変わり。
イギリスで愛されるクリアで上品な味わいは、神戸にもお似合いです。

〈ブルーレディ〉24g 1080円(右)、80g 2376円(左)。欧米では結婚式に、何かひとつ青いものを身につければ幸せになれる、との言い伝えが。ブルーマロウの花が青く美しいことから、結婚式ギフトなどにも人気です。

information

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BASK神戸 H.R.ヒギンス神戸店

住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通2-6-2 トアロード華蘭ビル602

TEL:078-335-5633

営業時間:10:00~15:30、土日祝 11:00~16:00

定休日:木曜

http://www.bask-kobe.com/

〈SOYA PARTY〉 最北の地、稚内から 宗谷の10市町村の情報発信中!

北海道、そして日本最北端のまち、稚内を中心に
利尻島・礼文島をあわせた、
道北の10市町村を擁する宗谷総合振興局。
オホーツク海と日本海とに囲まれた、
どこか荒涼としたイメージ……
それをいい意味でくつがえしてくれる、
エネルギーいっぱいの宗谷情報発信プロジェクトがあります。
その名も〈SOYA PARTY〉。

幌延町にトナカイ観光牧場? 浜頓別町では川で砂金堀り??
猿払町には生きたホタテをすぐ食べられるお店が?!
SOYA PARTYウェブサイトとFacebookページには、
個性あふれる宗谷各地のおすすめポイント、
ご当地グルメやイベントのお知らせが目白押しです。

愛らしいイラストや元気をもらえる
黄色×白のボーダーが目印のウェブサイトは、
宗谷の情報が10市町村ごと&ジャンルごとに集められ、
各地から日々寄せられる選りすぐり情報を
Facebookと連動して発信しています。
あわせて、道内外で開催する独自のイベントや企画を通じて、
宗谷の魅力をあますところなく伝える活動を続けています。

サイトには、スタッフが旅先で見つけた
「宗谷のお土産」「宗谷のチャーメン」(詳しくはサイトをご覧ください!)
「宗谷のカワイイものシリーズ」などの気になるタグがたくさん。
実際に各地を訪れてレポートしたものが多いのもうれしいところ。

この〈SOYA PARTY〉プロジェクトを手がけるのは、
稚内市の中央商店街でペットショップを営む、
尾崎篤志さん(NPO法人 街にいき隊PRO代表)と、
東京でグラフィックデザイナーとして活動する弟の尾崎強志さん。
そして、情報発信担当で東京から地元に帰ってきた柴野朋子さん。
生まれも育ちも稚内の3人は2012年、
いまは、寂しくなってしまった中央地区商店街と
再開発を終えたばかりのJR稚内駅をうまく連動させた
マップづくりの依頼を受け、
「せっかくなら、かつての中心街である中央地区をまとめて紹介する
冊子をつくろう」と、
地域情報誌『yansh』(ヤンシュ)を企画制作。これがそもそもの始まりでした。

篤志さんの地元や商店街でのつながりと、
強志さんがもつ本州圏のクリエイターたちとの縁を生かして生まれた『yansh』。
きめ細かく丁寧、そしてワクワクするような写真や文章で、
稚内のまちと、まちを支えるひとの顔が見えてくるこの冊子は、
稚内市内外から反響を呼びます。

「『yansh』の最後にもあるように、僕は小学校の頃から、
稚内をもっといいまちにしたいという想いがありました。
高校を出てからはずっと東京ですが、
デザインや企画などで地元にかかわっていくことがしたかったんです」
と強志さんは振り返ります。

『yansh』より。

その後2014年、地域資源を掘り起こす、北海道の事業の公募に、
自分たちの住む宗谷の魅力を発信していきたいと企画を出し、見事採択されたそうです。
そこで、稚内市のNPO法人 街にいき隊PROと、
『yansh』からのクリエイターチーム+αのメンバーで制作したのが
『SOYA PARTY BOOK』。
本州から訪れる人が「稚内はまるで外国のよう」と言う、
「なんにもない=手つかずの自然」に着目した強志さん。
「宗谷でアウトドアを思いっきり楽しもう!」というコンセプトのもと、
「スロウ×アクティブ」をキーワードに
宗谷を満喫してみたくなる1冊が完成しました。
いまは東京に住む強志さんの“よそ者”目線が、
地元の人がなかなか気づかない土地の魅力をさらに引き出しています。

「実は、稚内が実家でありながら、利尻島・礼文島や枝幸町へは、
『SOYA PARTY BOOK』の取材で初めて訪れたのですが、
地元の僕たちでも感動する本当に素敵なところだったんです。
宗谷って、北海道を見渡すと、あまり人気のないエリアなんですよ(笑)。
だからこそ発信する楽しみもあります。
宗谷というキーワードがあれば、
交通標識や野良鹿や近所のじいちゃんでもなんでも
FACEBOOKでほぼ毎日発信し続けています。
取材しながら僕たちも宗谷のことを知り、感動して、
ほかの北海道に負けていないと自信が持つことができました。
SOYAPARTYを見てすこしでも宗谷に興味を持ってくれればうれしいです。
そして来てくれた方には雄大な景色や、
最果ての空気感を味わいながら、
ぜひゆっくりと過ごしてほしいですね」

楽しげなSOYA PARTYの企画メモ。

『SOYA PARTY BOOK』に登場するのは、
宗谷に住む人たち、そして初めて宗谷を訪れる人たちとさまざま。
誌面から、それぞれが体験する自然、
そして心奪われるような美しい風景を通して、
宗谷のイメージが立ち上がってきます。
10市町村に点在するキャンプ場情報や川釣りの記事、
絶景ポイントへの行き方などの充実した内容はもちろん、
各地で体験できるアクティビティ情報もあり、
宗谷への新しい目線を与えてくれるガイドブックです。
『SOYA PARTY BOOK』はウェブサイトからダウンロードできます。

『SOYA PARTY BOOK』も、冊子をつくることにとどまらず、
関連イベントやオリジナルグッズの制作など、
同時進行で宗谷を楽しくする企画を開催。
なかでも2014年には、
本州からツリーハウスビルダーの竹内友一さんをゲストに招き、
宗谷の廃屋から廃材をいただき、地元の有志でつくりあげた
ミニカフェハウスを軽トラックに乗せ、
宗谷各地をまわる〈SOYA PARTY移動カフェ〉というユニークな企画も。

「もともと宗谷の人たちが一緒に
楽しくなってもらえるようなことがしたかったんです。
まず地元のつながりを固めてから、外に発信してゆきたいなと」

SOYA PARTYの事務所は、
稚内中央商店街の元家具屋だった空き店舗を利用しています。
宗谷の情報が集まっているほか、
事務所内「ギャラリーチェプ」では不定期の展示や、
〈学べる!健康商店街〉と題して、
ヨガやパステルアート教室など多彩な講師陣が授業を行なっています。
また、事務所を訪れてくれるお客さん用の
SOYA PARTY記念撮影ブースがあるので、
稚内へ行くときは気軽に足を運んでみましょう。
撮影写真はSOYA PARTYウェブサイトにて随時更新中。

2015年10月には、稚内から40キロほど、
湯治場として良質な温泉で名を馳せる豊富町を会場に、
取材を通してつながった宗谷の人たちや
10市町村の選りすぐりの飲食店・名産品が集合する〈SOYA PARTY MARKET〉を開催。
ライブコンサートやワークショップも好評だったこのイベント、
Facebookの告知だけで、
人口4000人の豊富町に北海道各地からお客さんが訪れ、
開始1時間ほどで商品が売り切れてしまい、
近所のお店も大盛況で、地元のみなさんに喜んでいただけました。
ほかにも、2016年1月には東京にも出張。
イベント「SOYA PARTY in 原宿」を開催するなど、
道外にも宗谷をどんどん発信しています。

「東京での仕事だとデザインだけで終わってしまうことも、
宗谷に帰ると企画から全てみんなで考えてつくっていく。
その反響が返ってくることや、
喜んでもらえる声を聞けることがうれしく、そして楽しいですね」

SOYA PARTYには、パーティという意味のほかに、
「集団や山登りのチームといった意味合いも絡めている」と語る強志さん。
宗谷にもともとある素敵な場所、もの、人を紹介するとともに、
宗谷の魅力的な人たちをつなげて、
そこからさらに新たなつながりやおもしろさをつくりだしていく。
みんなでつくられるSOYA PARTYは、
これからも広がりながら続いてゆきます。

右からデザイン担当の尾崎強志さん、〈特定非営利活動法人 街にいき隊PRO〉の代表・尾崎篤志さん、情報発信担当の柴野朋子さん。

information

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SOYA PARTY 
特定非営利活動法人 街にいき隊PRO

住所:稚内市中央3-16-23

TEL:090-5955-4253(代表尾崎篤志)

http://soyaparty.com

https://ja-jp.facebook.com/soyaparty

credit

『yansh』『SOYA PARTY BOOK』 

企画:尾崎篤志(NPO 街にいき隊PRO)

編集&文:山村光春(BOOKLUCK)

アートディレクション&デザイン:尾崎強志

写真:加藤新作

SOYAPARTYイラストレーション:yamyam

フォトグラファーの店主が まちへの思いを天ぷらで綴る 〈天ぷら・立ち呑み 國(こく)〉

神戸の風景写真を見ながら旬の食材を堪能

JR神戸駅から徒歩5分ほど。
湊川神社のほど近くに、青の外観が目を引く天ぷら屋があります。
といっても高級なイメージではなく、立ち呑みの気楽なスタイル。
開店するやいなや、常連と思われる女性ひとり客やサラリーマンのグループ、
カップルなどが次々とのれんをくぐっていく姿が見られます。
店主は、神戸の風景を切り取るのがライフワークでもある、
フォトグラファーの國米恒吉さん。幼なじみの和食料理人と
タッグを組んで、かねてより思い描いていた店を構えました。

お店の壁には、國米さんの作品も飾られています。

東山商店街で毎朝仕入れる新鮮な素材を使った天ぷらは、
独自のパリッとした衣から弾けるように広がる素材の旨みが印象深く感じられます。
海老入りのおまかせ4品から始まり、
明石蛸、豚角煮、半熟玉子、紅しょうがと、どんどん食べ進め……。

おまかせ4品は、やはりまず海老から。旬の素材はもちろん、無菌の芳寿豚など日替わりの天ぷらもそろい、卓上にある4種の塩との相性を探りながら口に運ぶのも楽しい。

主役の天ぷらだけではなく、ショーケースにはナムルや煮物が数種並び、
一品料理には神戸の地ソースが添えられるメニューまで。
立ち呑みとはいえ、2軒目としてさくっと立ち寄るよりも、
お腹いっぱい食事を楽しんでいく人が多いというのにも納得のラインナップです。

一品料理が充実しているのも、こちらの魅力です。

うれしいのは、奥にはテーブル席があり、5名以上なら3日前までの予約で
ゆったりとコース料理を堪能することもできること。
仕事帰りには立ち呑み、週末の集まりにはテーブルでと
使い分けられる勝手のよさなど、オープンからまだ1年そこそこというのに、
地元の人に愛されている理由がいくつもあるようです。
今日も地酒を片手にお客さんが堪能しているのは
神戸の食材と、そしてまちへの深い思いです。

天ぷらのみならず、パンのまち神戸とあって、土曜日にはご近所パン屋さんとのコラボサンドイッチまで登場する意外性がニクいですね。

information

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天ぷら・立ち呑み 國(こく)

住所:兵庫県神戸市中央区多聞通4-1-4

TEL:078-341-6426

営業時間:17:00~23:00(LO22:30)、土曜 16:00~22:00(LO 21:30)

定休日:日曜、祝日