投稿者: コロカル
第12話・ やっぱり神戸がいちばん。 グレアムさんのGW。
第11話・ グレアムさんのお気に入り、 塩屋のちいさな砂浜
お金では売らない オンラインセレクトショップ WITHOUT MONEY SALE 並河 進さん(電通/ 社会の新しいしくみ研究室)前編
お金では測りきれない価値があるモノを手に入れる方法とは?
日本の「ものづくり」は変革期を迎えている。
お金では測れない価値をいかに創造するか、価値軸のイノベーションが必要とされている。
そんななか商品をお金では売らないオンラインセレクトショップ「WITHOUT MONEY SALE」が話題になっている。
そこで売られる商品はお金では買うことはできない。
購入者がお金のかわりに支払うのは「愛」や「知恵」「時間」。
商品に対する愛を伝えたり、知恵や時間を提供することで商品が購入できるしくみだ。

「WITHOUT MONEY SALE」第一弾。お金で買えない梅干し。徳重紅梅園「鶯宿梅の幻の梅干し」。写真提供:並河 進
企画したのは電通のコピーライター並河 進さん。
社会貢献と企業をつなぐソーシャル・プロジェクトを数多く手掛ける
「電通ソーシャル・デザイン・エンジン」の部長である。
しかし「WITHOUT MONEY SALE」は、電通の仕事ではなく、
並河さんの個人プロジェクトとして始まったという。
並河さんに「WITHOUT MONEY SALE」について、お話を伺った。
社会の新しいしくみ研究室
「この3年ぐらい、ずっと考えていることがあって
それは、2011年3月11日の震災の後、
人と人の間で交わされていたものは何か、ということなんです。
お店がやっていない、モノを買うことができない、
ひとまずお金が意味を失った状態で、人と人、知恵、身の回りのもの、
工夫、勇気、時間、情報、優しい言葉、
そういうものを出し合って、交換し合っていました」
人は、たくさんの、目に見えないものを交換し合って、生きている。
並河さんは普段気づかないそのことを意識するようになった、という。
「そのしくみを可視化・具現化することにとても関心があって、
“社会の新しいしくみ研究室”を立ち上げたんです」
全国ワンポイント方言 宮城弁「たごまる」
第10話・グレアムさんの、 静かなお花見
大分県竹田市、 最高のしいたけをめぐる旅。 〜KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス〜 Vol.4 竹田のしいたけフルコース を味わう!
大分県竹田市はしいたけパラダイスだった!
旨みがほとばしる竹田のしいたけフルコースには
どんなお料理が登場したのでしょうか?

一度に7つものしいたけフルコースを作りあげた
竹田のおかあさん&しおりさん。
てんやわんやの調理が終わり、ついにいただきます!
竹田の地元の皆さんもオフホワイトハウスに集合し、
ついに乾杯!

かんぱーい!
しいたけの上品な旨味がつまったお料理たち。
ほんのりオレンジ風味の「オフホワイト」といただきます。
シンプルな料理の味を邪魔しない、軽いのみ心地。
フルーツのような香りとあっさりした飲みくちが、
どんな料理にも合うんです。
それではフルコースのメニューをご紹介しましょう。

1.しいたけのおすまし
干ししいたけの旨みがしっかりと出たおすまし。セリを散らして、
お醤油でシンプルに味付け。素材そのものの味をストレートに楽しむ、
しいたけフルコースの最初にふさわしい基本料理。
「お醤油で炊いたしいたけと湯がいたセリを器に入れ、
干ししいたけの戻し汁と、醤油などで味付けしただしを注ぐだけ。
カンタンです!」(しおりさん)

2.しいたけのとろろ汁
竹田産の強く粘りがある自然薯を、
干し椎茸の戻し汁で伸ばしたとろろ汁。
もともと自然薯は「山のうなぎ」と言われるほど
滋養・強壮食として珍重されてきた食品。
すりおろしたばかりの時は、簡単にはちぎれないほどの
強い粘り気がある竹田産の自然薯には、地元のおかあさんもびっくり。
ひとくちで元気が出るくらい、ものすごい栄養が詰まっています。
「おかあさんたちに習ったのは、とろろ汁に、
皮付きのままおろしたたっぷりの大根おろしとポン酢を混ぜて、
ご飯の上にかけて食べるというやり方! すごーくおいしいです!」(しおりさん)

3.しいたけと昆布の佃煮
山の旨みの代表、干ししいたけに
海の旨みの代表、昆布が加わった最強の一品。白いご飯が進みます。

4.しいたけの煮物
干ししいたけ、大根、人参、里芋、厚揚げの煮物。
柔らかく煮付けられたお野菜に、しっかりとした厚揚げ。
隅々にまで、旨みが染み渡っています。
臼杵・石垣もち
極上のさつまいもでつくるおやつ。
[ff_textlink_by_slug slug="tpc-foo-tasty-014"]前回に引き続き、[/ff_textlink_by_slug]大分県の臼杵市におじゃましています。
「きらすまめし」という、酒のつまみにもってこいな一品を教えていただいたのち、
山本道子さん、五嶋昭子さんとあれやこれやと雑談。
そんななか、こんな話が。
「マックとか食べさせんで、石垣もちつくりゃいいのになぁ」と。
その、石垣もちとは、いったいどんなものなのか。
つくっていただけないかお願いをしてみた。
山本「あれやったら簡単やし、ええよ」
わ、嬉しい。
山本「そやけど、あんなもんでええの?
こっちじゃ珍しくないし、昔っから食べとるよ~」
テツ「そうなんですね? 知らなかったです、石垣もち」
山本「えー! そうなん? 知らんの?」
東京生まれの私は、いままで石垣もちという言葉に一度も触れたことがなかった。
九州では当たり前な食べ物も、東京では知られていない。
だから面白い。そうして、石垣もちをつくっていただけることに。

山本道子(右)さん、五嶋昭子(左)さん。
五嶋「これな、石垣もちに使うさつまいも」
段ボールを覗いてみると、太くてしっかりしたさつまいもが一杯に詰まっている。
山本「いまな、大分で売り出してるんよ、甘太くんゆうて、甘いんよ~。
これ甘太くんの焼き芋あるから、持って帰って」
すみません、ありがたくちょうだいいたします。
山本「で、いっぱい宣伝してな(笑)」
了解です。
東京に持ち帰っていただいたところ、その美味しさに悶絶。
甘くて実がぎゅっと凝縮されていて、すごく手のこんだ芋ようかんのような味わい。
すぐさま取り寄せして、親戚中に配りました。

石垣もちとは――
昔は農作業中のおやつとして、小麦粉とさつまいもと塩だけでつくられていたそう。
現代向きに、砂糖や膨らまし粉を使うようになった。
名前の由来は、別府市にある石垣地区の地名とも、
ごつごつとしたさつまいもの様子からとも言われている。
石垣もちは五嶋さんが担当してくださることに。
★石垣もち
材料(アルミカップ21個分)
小麦粉(中力粉):500g さつまいも 正味:650g
砂糖:75g 塩:12g 重曹:小さじ1強 牛乳:約75cc 卵:1個
薄力粉と重曹は合わせてふるっておく。

1. さつまいもの皮を剥き、1センチほどの角切りにして、水に5分ほどさらす。

2. 薄力粉と砂糖、塩、ベーキングパウダーをよく混ぜる。

3. 溶きほぐした卵を2に入れ、菜箸でよく混ぜる。続いて牛乳を少しずつ加え、混ぜ合わせる。

4. よく水を切ってさつまいもを入れ、手でまとめていく。

5. 耐熱カップに入れる。

6. 蒸し器に入れ、15分ほど蒸してできあがり。
越後湯沢〈ぽんしゅ館〉 駅構内で楽しい利き酒、 ずらり120種類
楽しい利き酒、ずらーり120種類。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
この有名すぎる川端康成『雪国』の小説の冒頭が
いつも北に向かうトンネルの中で、頭をよぎります。
ここは、上越新幹線の車内。東京駅で買った缶ビールを飲み干した頃、
長いトンネルを抜けると、まだ雪国ではなく、がっくり。
ワクワクしながら、次の長いトンネルを抜けると、雪国であった。
白く積もった雪が、視界をパッと明るさせたかと思うと、越後湯沢駅に到着。
日帰りスキー&スノーボードのお得なチケットでやってきたけど、
悪天でスキーはあきらめ、温泉を楽しんで、温まった体で駅構内の「ぽんしゅ館」へ。
お土産ものが並ぶ売り場を抜けた先、入場すると
今度は壁一面にお酒のラベルが貼られ、それぞれ自動販売機のよう。
レジカウンターで500円を払って、お猪口と金色コイン5枚に交換。
このコインを1枚投入してボタンを押すと、
指定位置に置いたおちょこに日本酒が注がれるという仕組み。
利き酒にぴったりの23ml。番号がふられた日本酒の銘柄がずらーり120番まで。
すべて新潟のお酒というからさすがの酒どころ。
これだけのお酒を目の前にすると何から飲むか迷います。
第9話・修復完了! 桜咲く姫路城におでかけ
第8話・ 神戸に「イカナゴのくぎ煮」の 季節がやってきた!
臼杵・きらすまめし
昔の人の知恵が生きる、大分の郷土料理。
生まれも育ちも東京という私にとって、九州という土地は格別魅力的に見える。
柔らかく雄大な山並み、線香花火のように熱された夕陽。
見たことのない景色がそこには広がっていて、
それらに触れると体の細胞がすべて解放されるような感覚にとらわれてしまう。
海のものにも山のものにも恵まれた、その豊かな食にも魅了される。
以前訪れた天草諸島の宿で、何気なく購入した乾燥ひじきがすごかった。
水に戻した瞬間、海そのものの香りがバーッと立ち上り、
自分が海中にいるような気分になった。
九州を訪れるたびに、ここで暮らしたらどんなにか素敵だろうと思いを馳せている。
九州の中でまだ足を踏み入れていなかった唯一の県、それが大分県。
一度は訪れてみたいと思っていたところに、コロカルの出張が舞い込んできた。
取材で訪れたのは、大分県の西に位置する竹田市。
そこでもまた、素晴らしい光景に遭遇してしまった。
ひとつは満天の星空。
満天という言葉では収まりきらないほど、無数の星が手に届きそうな星空で、
そんな大きい星空に包み込まれていると、自分の体がとても小さいように思えた。
そんな不思議な感覚だった。
そしてもうひとつ、椎茸が栽培されている山林。
暗い林の奥のほうまで、見渡す限りほだ木が並んでいた。
その木々には愛らしい椎茸がたくさん生えていて、そこへちょうど木漏れ日が当たり、
それはそれは美しく神秘的で、完全にその光景にノックアウトされた。
おそらく、ここ数年で最も解き放たれた瞬間だったと思う。


さて、そんな竹田市での濃密な3日間を過ごしたあと向かったのは、
東沿岸部に位置する臼杵市。
以前から気になっていた郷土料理「きらすまめし」を習うのがその目的。
このきらすまめし、大分県のホームページで見たのだけれど、
一見してどんな食べ物なのかよくわからなかった。
が、なんだかその響きが気に入った。
調べてみると、きらすまめしは臼杵市だけでつくられている料理なのだそう。
今回の大分出張のついでに、このきらすまめしを教わりたいと
臼杵市在住の方にお願いをした。

高次元なことを当たり前にこなす 日本の工場品質 INSTANT JEWEL後編
前編:[ff_titlelink_by_slug slug='tpc-thi-tsukuru-043' append=' はこちら']
重厚な工場から生まれる、カラフルポップなアクセサリー。
ものづくりにおいて、伝統工芸や職人は注目されやすい。
しかし実際に身の回りは、たくさんの工業製品に囲まれている。
それらは当たり前すぎて認識されにくいが、
日本が工業化を推し進めてきた過程において、必ず技術や職人の蓄積がある。
しかし、伝統技術の後継者不足と同様に、
工業界もまた、製造拠点が海外に流失しているのだ。これを失うのはもったいない。
工業的なアプローチでかわいいアクセサリーをつくっているのが、
インスタントジュエルだ。
プラスチック素材を中心にして、マシンメイド=機械でつくられている。
デザインを担当しているのは、
インテリアプロダクトなどを中心に手がけている大友 学(stagio inc.)さんだ。

組み合わせなどを変えて、自由にピアスやブレスレットをアレンジできる。
「普段の仕事のなかで、なくなっていく工場もたくさん見ています。
“違うものをつくればいいのに”と思うのですが、
工場にとってはもちろんそんな簡単な話ではありません。
だから私たちのような存在が、
“ほら、違うものつくれるじゃん”という例を示していきたい」
そんな思いから、インスタントジュエルが生まれた。
工場の職人たちは、つくり手として認識されにくく、日の目を見ることが少ない。
しかし自分たちがつくっているものが、「インスタントジュエル」という存在として、
“かわいい”という価値観で買われていくようになる。
「日々、“レイコンマ”の世界で戦っているすばらしい職人さんたちです。
そんな職人さんの工場という現場感と若い女の子たちという、
一番遠い存在をガチャーンとくっつけてみたらどうなるか。
工場の職人さんたちも喜ぶと思ったんですよね」
普段、工場でつくっている製品と、このインスタントジュエルとの製造過程自体に、
それほど大きな違いはないだろう。
しかしアウトプットが異なれば、まったく違う反応がみられる。
それが付加価値であり、それを可能にするのがデザインの力だ。
全国ワンポイント方言 新潟弁「ぶちゃる」
日本ナンバー列伝100 ~探そうぜナンバー屋号~
第7話・神戸の中華街は 春節祭で大賑わい
マシンメイドのジュエリーブランド INSTANT JEWEL前編
工業的アプローチをファッションアイテムに。
昔から受け継がれてきたものづくりの技術を、
デザイナーが掘り起こして新しいプロダクトを生み出す。
こうした試みは各地で行われるようになってきたが、
いわゆる手作業の伝統工芸であることが多い。
そうしたなかで、アプローチは同じながら、
機械でしかつくれないもの=マシンメイドを全面的に謳った
アクセサリーブランドがインスタントジュエルだ。
きっかけは、これまでも数々のプロダクトを生み出してきた
デザイナーの大友 学(stagio inc.)さん。
ところが大友さんのメインフィールドはインテリアプロダクトや生活道具であり、
ファッションとは似て非なるものであった。
「これまで、プロダクトやインダストリアル系のデザインを手がけてきました。
いろいろな工場やメーカーを回って仕事をするのが常です。
そんななかで、これまで蓄積していた工業的な知識やネットワークを使って、
“アクセサリーの新しい事業を始めませんか?”と、株式会社元林に持ちかけたんです」
元林とは、のちにインスタントジュエルの生産管理を手がけることになる会社。
同じタイミングで元林は、「デスペラード」というセレクトショップを運営している
ファッションディストリビューター/ショップであるパノラマと、別事業を進めていた。
そこで元林から、ファッションに詳しいパノラマに相談があったという。
「“この案件、どう思いますか?”と聞かれたので、“興味あります”と答えたんですよね」
というのは、パノラマの代表取締役兼クリエイティブディレクター、泉 英一さん。
泉さんは数々の海外ブランドのディストリビューションを手がけてきたバイヤーだ。
「アクセサリーは、ハンドメイドの1点ものや高価な宝石という時代ではありません。
大量生産しながらカスタムメイドして、楽しく遊び感覚で、
しかもお手頃にできないかなと、思っていたところなんです」と
泉さんにとってもちょうどよいタイミングだったのだ。
こうしてstagio inc.、パノラマ、元林の3社による事業が動き始めた。

stagio inc.の大友学さん。デザイン事務所勤務などの経験はなく、独学でデザインを学んだという。
相生〈魚稚〉 兵庫の港の間近で味わう 海の幸バーベキュー
海の間近で、はふはふバーベキュー。
瀬戸内海の海が冬の太陽をきらきらと穏やかに反射させています。
兵庫県相生(あいおい)市、その湾横に立つ相生市水産物産市場の建物。
その駐車場は、休日となれば、他府県ナンバーの車も並んで大盛況。
「ウチは、魚屋なんよ、最近は口コミでね~、
多いよ~お客さんが~」と話してくれるのは、
いまは水産市場に唯一入る魚屋「魚稚(うおわか)」の社長。
このシーズンのお客さんたちのお目当ては、相生港でとれる牡蠣。
そして、ここは、海の間近でバーベキューが楽しめるのです。
ドラム缶をカットしたバーベキュー台を挟んで
キャンプ場によくあるテーブルと椅子が何列も並んでいるのに、
どの席も人、人、人。焼き網の上には、牡蠣、牡蠣、貝。
「バーベキューはサービスなんよ」ということで、すべてがセルフ。
まずは、いけすをのぞき込みながら食べたい魚介をチョイス。
マテ貝、サザエ、ホタテにはまぐり、海老などトレイにのせてもらって。
牡蠣はグラムでレジにてお会計。軍手とトング、紙皿、割り箸を用意したなら、
空いた席に、ずずっと座ってバーベーキューのスタートです。
おおっと、生ビールも忘れてはいけません。
回転率をあげるためでしょうか、お酒類のメニューは、コレだけ。
持ち込みも禁止です。ささっと、食べてお腹を満たしましょうと、
山盛りの貝たちを網の上に並べて焼きにかかります。
有田焼創業400年 ARITA EPISODE2の胎動 後編 コラボレーションの未来型
前編:[ff_titlelink_by_slug slug='tpc-thi-tsukuru-041' append=' はこちら']
1616年にうまれた有田焼。来年、創業400年を迎える。
これまでの400年を「ARITA EPISODE1」として、
その第2章「ARITA EPISODE2」が動き始めた。
今回は新しい有田焼のプロジェクトを紹介しよう。
まずはテクノロジスト集団「teamLab(チームラボ)」 による
未来の有田焼をイメージしたデジタルアート映像から。
「未来の有田焼があるカフェ」
「未来の有田焼があるカフェ」。teamLab による有田焼デジタルアート。
これは昨年、佐賀県立九州陶磁文化館で行われた展示の様子。
有田焼のイメージはいまさまざまなクリエイターとのコラボレーションによって進化している。
「2016/ project」
いま有田は世界中のアーティストに注目されている。
有田というまちを「世界のクリエイターが集まる聖地」にしようという動きだ。
有田焼の窯元や商社と世界のデザイナーによるコラボレーションを行う。
さらに地元のまちづくりや教育、研究機関と連携しながら、
滞在型ワークショップや交流の場を創出する「プラットフォーム」にしようというもの。
その中核的なプロジェクトが、16の有田・伊万里の窯元と商社と
16組の世界のデザイナーがひとつのブランドを作り上げる「2016/ project」である。
クリエイティブ・ディレクターとして
「1616 / arita japan」も手がけるデザイナーの柳原照弘さん、
Co.ディレクターとしてオランダのデザイナー、
ショルテン&バーイングスさんが関わっている。
現在、オランダ、スウェーデン、イギリス、アメリカ、スイス、ドイツ、フランス、日本という
8か国のデザイナーが参加している。

柳原照弘さん。1976年 香川県高松市生まれ。「1616 / arita japan」、「2016/ project」のクリエイティブ・ディレクター。
「2016/ project」のクリエイティブ・ディレクター、柳原照弘さんにお話を伺った。
「有田は小さなエリアにいろんな窯元と商社が集まっているまち。
約150の窯元、200以上の商社があるといわれているんです。世界的にみても珍しい。
海外の方に話をすると、有田はひとつの会社だと思っている人もいる。
普通はひとつの会社が大きく拡大していくのに対して、
たくさんの窯元と商社が集まって全体として有田焼を形成している」
その多様性に世界各国のデザインセンスがかけあわされて、
有田焼が歴史や技術と共に世界中のさまざまな場所へ届き使われ、
未来に継承されていくことを目指すのが「2016/ project」だ。
コラボレーションはどんなかたちで行われているのだろうか、柳原さんにお聞きした。
「窯元さんには今までの有田焼の概念をいったん忘れてください、と言っています。
いったんゼロになったうえでデザイナーのアイデアや意見を聞き、
プロフェッショナルとして本気になってもらう。
それぞれが役割を全うして力を出し切って生まれたものが、
これからの有田焼になっていくと考えます」
そもそも有田焼はこうだから……という固定観念を窯元自体が捨てていくことで
イノベーションが生まれるわけだ。ではデザイナーに対してはどうだろうか。
「デザイナーに対しては歴史をできるだけ知ってほしい。
しかし歴史をなぞることはしないでほしい、と言っています。
日本風に有田焼のお茶碗をつくるとかではなく、
その技術を自分たちの国での生活のなかで使えるものとして提案してほしい。
参加しているデザイナーはそれぞれの国ということを超えて、
世界中にマーケットを持っています」
16組のデザイナーが持つ世界市場。そこにアジャストした新しい有田焼のスタイル。
それが「2016/ project」。それぞれの新作は2016年の4月にミラノサローネで発表の予定だ。

「2016/ project」。スイスを拠点とするデザインユニット「BIG-GAME(ビッグゲーム)」が有田の窯元で熱心にリサーチを重ねる。撮影: Kenta Hasegawa

柳原照弘さんと在日オランダ王国大使館・報道・文化部のイネケ参事官。「2016/ project」を実施している佐賀県はオランダ王国大使館とも連携協定を結んでいる。有田焼とオランダの関係は江戸時代のオランダ東インド会社(VOC)にまでさかのぼる。撮影: Kenta Hasegawa
全国ワンポイント方言 広島弁「さげる」
第6話・神戸元町の バレンタイン・デー
有田焼創業400年 ARITA EPISODE2の胎動 前編 技術の「伝承」と新しい「伝統」の 第二章にむけて
「ARITA EPISODE1」から「ARITA EPISODE2」へ
佐賀県有田町を中心につくられる有田焼。
来年2016年に有田焼は創業400年を迎える。
一昨年末、創業400年に向けて「ARITA EPISODE2」プロジェクトが始動した。
その前に「ARITA EPISODE1」とは何か。
1616年に日本で初めて磁器を焼成して以来、400年にわたり、
ものづくりの進化と革新を続け、今に引き継がれる有田焼。
その400年の歴史を「EPISODE1」という。
まずは以下の動画をぜひご覧いただきたい。
有田焼プロモーション映像。悠久の歴史を刻んできた有田焼の匠の技と伝統の美が、有田のまち並みや花鳥風月とともに描かれている。
1616年に有田焼の歴史は始まる。
かつて秀吉の朝鮮出兵のときに朝鮮から連れてこられた陶工 李参平が
有田の泉山(いずみやま)にて、良質の磁石を発見することから始まった。
李参平は日本で初めて白磁を焼いた有田焼の祖と言われている。
良い磁器をつくるために必要なのは
「磁石」と「きれいな水」と「燃料となる赤松」。
そのすべてが有田にはあった。
その後、17世紀から18世紀にかけて
オランダ東インド会社(VOC)を通じてヨーロッパに輸出され、
ヨーロッパの王侯貴族たちに愛された。
有田焼は「柿右衛門様式」「古伊万里」「色鍋島」など
さまざまな様式の変遷を経て、
世界において日本の磁器を代表する代名詞となっていく。
明治に入ってからはパリ万博で最高賞を受賞するなど、
有田焼の黄金期を迎える。その後、輸出量は減少するが、
国内においては昭和の高度経済成長とともに需要が拡大。
平成3年に最盛期を迎えた。
そして来年、有田焼は創業400年を迎える。
これまでの400年を第一章「EPISODE1」として一度句読点をうち、
これからの100年を「EPISODE2」として、
新たな時代の始まりを告げるストーリーへと踏み出そうとしているのだ。
いま有田焼は産地としての危機を迎えている。
この20年、右肩さがりで需要は落ちている。
「有田焼の危機を乗り切って、有田焼の次の100年につなげていきたい」
「有田焼500年の礎を築きたい。新しい有田焼の物語を紡いでいきたい」
佐賀県の職員、有田焼窯元や商社、デザイナーたちの
そんな想いが集まり始まったのが「ARITA EPISODE2」だ。

泉山磁石場。1616年前に朝鮮の陶工、李参平によって良質の石が発見されたところから有田焼の歴史が始まる。400年間でここにあった山が有田焼の器に変わった。

有田焼を代表する窯元、柿右衛門窯。
新たな道に挑戦する職人魂で デザイナーと協働する。 KIKOF後編
前編:[ff_titlelink_by_slug slug='tpc-thi-tsukuru-039' append=' はこちら']
繊細なデザインを実現するため、初挑戦の数々
琵琶湖のほとりで長年培われてきた伝統工芸の技術を生かして、
現代のライフスタイルに合うプロダクト製作を目指していく
「Mother Lake Products Project」。
その一環として立ち上げられたブランドが「KIKOF」だ。
第1弾として発売された信楽焼で製作されたテーブルウェアは、
独創的なフォルムで、まるで紙のように薄い。
それはクリエイティブデザイナーが「キギ」だからかもしれない。
キギの植原亮輔さんと渡邉良重さんは、
「D-BROS」というプロダクトブランドを手がけている。
まずアイデアがあって、それを具現化できる業者を探すというやり方だったが、
今回のKIKOFでは、職人も技術も決まっているところからのスタート。
「最初はうまくできるか半信半疑でした」と植原さんも不安があった。

キギの植原亮輔さん(左)と渡邉良重さん(右)。
キギは、グラフィックデザイナーであって、プロダクトデザイナーではない。
それでも「自分たちらしさを出していこう。
グラフィックデザイナーがつくる陶器ってなんだろう?」と考え、
まずは2次元である紙でイメージをつくってみたという。
植原さんいわく「一番難しそうだったから」という理由で、
まずはピッチャーをつくってみようと思った。
「鳥のくちばしのような注ぎ口があまり好きではなかったので、
もっと自然なかたちでできないか考えてみました。
選択肢としては6角形か8角形か10角形かなと思ったんです。
6角形は尖っていてあまり美しくなく、10角形だと角がないのでうまく注げない。
ちょうどいいのが8角形でした。
紙でつくってみたら、けっこういい感じになったんです。
それならすべて8角形のデザインにしてみようと思いました」
このペーパークラフトをイメージサンプルとして、信楽焼の丸滋製陶に提案した。
〈林 木工芸〉 組子細工の技術を使った モダンなデザインの 「木のあかり」
木工の技術を新たなフィールドに生かす
わずかな大きさの木片と木片を組み合わせ、
麻の葉、千本格子など、連続した模様を表現する組子細工。
木工技法のひとつで、古くから日本の建物のハレの空間を彩ってきた。
最古の木造建築といわれる奈良の法隆寺に使われているのだから、その歴史は長い。
そんな伝統的な組子細工の技術をデザインに組み込み、
照明のプロダクト〈木のあかり〉を生み出したのが、
山形県米沢市に工房を構える、〈林 木工芸〉の林 久雄さんだ。

取材に訪れたときには、組子を生かした壁画という大作を手がけていた林さん。
敷地のなかには工房とは別に〈木のあかりギャラリー〉が建てられ、
これまでつくった大小さまざまな木のあかりが多数並んでいる。
和の技術が使われていながら、ピラミッド型や四角柱など洗練されたかたちで、
丁寧に組まれた組子の隙間からこぼれるあかりの美しさもさることながら、
それ自体のたたずまいも、彫刻オブジェのよう。

価格も1万円代からと購入しやすい金額から揃う。