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大分県竹田市、最高のしいたけをめぐる旅 
~KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス~ 
Vol.2 しいたけ畑に大感動!

日本列島カンタン郷土食
vol.015 番外編(大分・竹田編その2)

posted:2015.3.30  from:大分県竹田市  genre:食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  地域ごとにさまざまな郷土料理がありますが、なかなか食べないし、伝えられていない。
コロカルはそれをちょっと心配してました。そんなときに郷土料理を後世に伝える全集が編集部で話題になり。
これを教科書に、いろんな人ともつながって、郷土料理を身近にする連載をしよう!ということに。
料理人・後藤しおりさんがアレンジした、家庭でおいしくカンタンに作れる郷土料理を、都道府県別に紹介していきます!

profile

Shiori Goto

後藤しおり

ごとう・しおり●実家は福島県で寿司屋を営む。ブータン料理店、野菜料理店などを経て、2012年7月に独立。世田谷を拠点にケータリング、ロケ弁、出張料理人として活動。不定期でアトリエでイベントなども行う。
http://gotoshiori.com/

photographer profile

Tetsuka Tsurusaki

津留崎徹花

つるさき・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。『anan』『Hanako』など女性誌を中心に活躍。週末は自然豊かな暮らしを求めて、郊外の古民家を探訪中。コロカルで『美味しいアルバム』も連載中。

writer profile

Akiko Saito

齋藤あきこ

さいとう・あきこ●宮城県生まれ。コロカル編集部編集担当。好きな郷土料理は宮城県亘理町のはらこめし。
https://twitter.com/akiko_saito

大分県竹田市、最高のしいたけをめぐる旅 ~KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス~

Vol.1:竹田の畑でとれたふきのとうの味!

Vol.2:しいたけ畑に大感動!

料理人・後藤しおりがアレンジした、
家庭でおいしくカンタンに作れる郷土料理を、
都道府県別に紹介する連載「日本列島カンタン郷土食」。
今回この連載を手がける食いしん坊トリオこと後藤しおり、
カメラマン津留崎徹花、ライター齋藤あきこが大分県竹田市を訪問。
「KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス」から、竹田のくらしに根付く、
くらしのヒントをお届けします!

3人が滞在するのは竹田の山間にある「オフホワイトハウス」。
山間にあるこの家は、クリエイターが集まり、
ていねいなくらしを実践している家。
家のすぐ近くには清流が注ぐ滝があって、
湧き水が流れる川にはクレソンが自生している。
自然の恵みを味わえる、とってもすてきなお家です。

さて、カンタン郷土食チームがここにやってきた理由は、「しいたけ」。
というのも、大分県は干し椎茸の生産量が日本一。
竹田はそんな県内でもトップクラスの産地ということで、
日本の干ししいたけ界の最高峰と言える場所。
「竹田市椎茸品評会」という品評会が毎年行われ、
しいたけの品質を競っているくらい、
干ししいたけにかける熱意も高いところです。

「干ししいたけは、煮る、焼くはもちろん、揚げても焼いても
和え物、サラダにしても万能です。
干ししいたけを戻して薄く炊いたものは大好物。
ステーキよりも100倍おいしい!
わたしの日常に干ししいたけは欠かせません!」

と、しいたけ愛を熱く語るしおりさん。
オフホワイトハウスの広いキッチンを使って、
「しいたけパーティ」を開くことにしました。

それにしても気になるのが、しいたけ栽培の現場。
しいたけパーティには、ぜひ採れたてのしいたけを使いたい!
ということで、早速オフホワイトハウスのご近所にある
しいたけ農家、倉橋清晴さんを訪ねてみました。
すると快くしいたけを栽培している山に連れていってくださるそう!

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そこには驚きの光景が

倉橋さんの家から車で走ること5分、
たどりついたしいたけ畑は、山一面に広がる原木たち。
うっそうと茂る森に、短くカットしたクヌギの木が敷き詰められています。

どこまで見てもしいたけ、しいたけ、しいたけ!

しおりさんも大興奮。
このクヌギの木たちも、地元産。
毎年、11月にクヌギの木を切って、1月に短く加工。
3月にしいたけのタネを打ち込み、そこから1年半〜2年間。
ようやくしいたけが収穫できるようになります。
そこから約4年間、しいたけが採れるんだそう。

こちらが、生産者の倉橋さん。
竹田のなかでも1、2位を争う面積のしいたけ畑を持つオーナーです。

「これ、いま木から取ったしいたけ。食べてみて」

木からもいだばかりのしいたけを手渡してくれました。
しいたけを生で食べるのは生まれて初めてです。
採れたてはしっとりとみずみずしく、ずっしりと重い。
市販されている生しいたけは、市場に出るまでに水分が失われてしまうので、
こんな重みはありません。
おそるおそる、しいたけを割いて口に入れてみます。
すると、今までに体験したことのない、
鮮烈で芳しい香りがふわっと口の中に広がりました。
普段味わっているしいたけの旨みは、完全に次元が違います。

「いまは時期じゃないから、あんまりしいたけが
木になってないんだけど。収穫期には、10人がかりで
約1週間かかるくらいいっぱい採れるんだ」

なんともスケールが大きいしいたけ畑です。

Page 3

おいしいしいたけの見分け方も教わりました。
このなかで、どれが食べごろのしいたけかわかりますか?
答えは左の、ちょっとだけ傘が開いているもの。
右手前はまだ傘が開いていないので早すぎ、
右の奥のしいたけは傘が開き過ぎ。
一番食べごろなのは、左のものです。

さらにしいたけは傘の開き具合で3種類に分かれます。
左から、まだ傘が開いていない、肉厚なものが冬茹(どんこ)。
すこし大きくなったものは香茹(こうこ)。
傘が開いてから収穫した大きなものは香信(こうしん)。
どんこは風味も食べごたえも良いもの。
こうこは見栄えが良いので贈答用に重宝します。
こうしんは他の食材とのマッチングが良いので、
スライスして料理に使われます。
それぞれに長所があるんです。

さらにしいたけで重要なのは、傘の色。
薄い色の方が高級とされます。
傘に良い感じの割れ目が入っているとより値が上がります。
大きさ、色、かたち、全てがパーフェクトなしいたけは
「プレミアム」と呼ばれ、京都や金沢の高級料亭に出荷されていきます。
でもそんな完璧なしいたけは、100個にひとつくらいしかできません。

こちらが倉橋さんの作業場。トレイに拡げたしいたけを、乾燥機に入れて乾燥させます。

もともとは、こんなに大きなしいたけ!

しいたけを数日乾燥させると、重さが半分ほどになります。重いほど、新鮮な証拠ということを教わりました。

乾燥させたものがこちら。ひだが山吹色になるまで乾燥させます。

なぜ生しいたけよりも、乾燥させたしいたけのほうが
風味や香りが良いのでしょう?

それは乾燥し保存する工程で、旨み分のグルタミン酸が増加するから。
さらに調理時にはもうひとつの旨み成分「グアニル酸」が
増加するので、相乗効果でおいしく感じられるのです。
ちなみにしいたけを水で戻すときには、
足を切ると水の吸い込みが良く、ふっくらとします。
しいたけの戻し汁は胃によいので、起き抜けに飲むと良いそう。

それにしても、竹田のしいたけの立派な姿には惚れ惚れします。
いままでしいたけに抱いていたイメージが完全に覆されました。
どちらかというと「脇役」なイメージでしたが、
完全に主役を張れるレベルの、力強く美しい食材です。

最後に、最高においしい生しいたけの
食べ方を教えてもらいました。

「ストーブの上にアルミホイルをしいて、
ひだが上になるようにしいたけを置いてね。
ひだの中に日本酒と醤油を入れるのね。そしてアルミホイルで密閉する。
ちょっとおいておくと、いい匂いがしてくるから。
そしたらアルミホイルを開けて、食べるの。もう、最高よ」

たくさんいいお話を聞いた上に、
抱えきれないくらいの生しいたけをお土産にいただきました。
それではオフホワイトハウスに戻って、
しいたけパーティの準備にとりかかることにしましょう!

次回に続く。

大分県竹田市、最高のしいたけをめぐる旅 ~KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス~

Vol.1:竹田の畑でとれたふきのとうの味!

Vol.2:しいたけ畑に大感動!

Information


map

KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス

http://off-white.house/

自分らしい、“ていねいなくらし”って何だろう?
それが知りたくて、“くらしのまんなか”に家をつくりました。
場所は、大分県竹田市。
見た目だけではない、実際にくらせる家。
その家は、雄大な自然と、あたたかい人々に囲まれていて、
一風変わったハトの家族が住んでいます。
そして、“ていねいなくらし”に役立つヒントがたくさんあります。

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