連載
posted:2015.3.23 from:大分県竹田市 genre:食・グルメ
〈 この連載・企画は… 〉
地域ごとにさまざまな郷土料理がありますが、なかなか食べないし、伝えられていない。
コロカルはそれをちょっと心配してました。そんなときに郷土料理を後世に伝える全集が編集部で話題になり。
これを教科書に、いろんな人ともつながって、郷土料理を身近にする連載をしよう!ということに。
料理人・後藤しおりさんがアレンジした、家庭でおいしくカンタンに作れる郷土料理を、都道府県別に紹介していきます!
profile
Shiori Goto
後藤しおり
ごとう・しおり●実家は福島県で寿司屋を営む。ブータン料理店、野菜料理店などを経て、2012年7月に独立。世田谷を拠点にケータリング、ロケ弁、出張料理人として活動。不定期でアトリエでイベントなども行う。
http://gotoshiori.com/
photographer profile
Tetsuka Tsurusaki
津留崎徹花
つるさき・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。『anan』『Hanako』など女性誌を中心に活躍。週末は自然豊かな暮らしを求めて、郊外の古民家を探訪中。コロカルで『美味しいアルバム』も連載中。
writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県生まれ。コロカル編集部編集担当。好きな郷土料理は宮城県亘理町のはらこめし。
https://twitter.com/akiko_saito
料理人・後藤しおりがアレンジした、
家庭でおいしくカンタンに作れる郷土料理を、
都道府県別に紹介する連載「日本列島カンタン郷土食」。
今回この連載を手がける食いしん坊トリオこと後藤しおり、
カメラマン津留崎徹花、ライター齋藤あきこが大分県竹田市を訪問。
「KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス」から、竹田のくらしに根付く、
くらしのヒントをお届けします!
チームが竹田に来たのは、
ていねいなくらしを体験できるという、
「オフホワイトハウス」に泊まるため。
山間にあるこの家は、クリエイターが集まり、
ていねいなくらしを実践している家。
すぐ近くには清流が注ぐ滝があって、
湧き水が流れる川にはクレソンが自生している。
自然の恵みを味わえる、すてきなお家です。
ここから、竹田探検に出かけてみたいと思います。
おいしいものが見つかるかも?
まず訪れたのは、地元の定食屋さん、「竹田丸福」。
竹田名物だという鶏のから揚げをいただきます。
胸とモモが選べるのですが、部位ごとカラっと揚げた、
かなり食べごたえあるボリュームにびっくり!
家族連れも多く、地元の人に愛される定食屋さんでした。
しばしドライブ。竹田の特徴は、
城下町、温泉、高原という要素がひとつのまちに収まっていること。
だから、見るべきところがたくさんあるんです。
こちらは標高1000メートル級の高原エリア「久住高原」。
金色の芝生が美しく輝いています。
ここは野焼きをして牛を放牧するところ。
「久住高原牛」と呼ばれるブランド牛もいるんですよ。
高原にあるベゴニア園に立ち寄りました。
その名も「くじゅう高原フラワーズヴァレー」。
温度調整に手間がかかるため、実現しづらいベゴニア園を
自分で作ってしまったオーナーの野上善孝さん。
400種類ものベゴニアが揃っているそう。
野上さんが経営されている、お隣のカフェ「喫茶 空」は
オムライスとハンバーグが看板メニューの大人気店。
合わせてぜひ!
ひとしきり観光した後、
竹田の地元の人の食べものが知りたくなった我々は、
竹田市企画情報課の後藤雅人さんのご実家にお邪魔させていただくことに。
後藤さんは竹田への移住を支援していて、
移住希望者にはほんとうに親身になってくれる人。
そのおかげで居住者が増加し、テレビで取材されるなど
マスコミからも注目される、ちょっとした有名人です。
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後藤さんのご実家は、「姫だるま」という竹田の民芸品の工房。
このだるまは、370年ほど前に実在した武家の
女性の「綾女さん」がモデル。
家庭円満、商売繁盛のご利益があり、
竹田市では一家にひとつおいてあって、
お正月には買い替えるという風習があるのだとか。
後藤さんのおうちでは、昔ながらの方法で手作りを守っています。
ここでお母さんに、「竹田のものが食べたい」と図々しく
お願いした聞き書きチーム。
すると、「ちょうどふきのとうが出る頃だから
取りにいきましょう!」と快くOKしてくださいました。
ふきのとうといえば春のイメージですが、
1月にはすでに芽が出るのだそう。
その芽は地中からちょっとだけ顔を出しているので、
注意深く地面を探さないと見つけることができません。
「ふきのとうは、枯れた葉っぱをたどるとあったりするの。
すごく楽しいわよ。こんなに楽しいことがあるのかって思うくらい」
とお母さんは言います。
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できました!
天ぷらは、からいもにしいたけも追加してあります。
おうちに帰ってきた後藤さんのお父さんと
ご近所のお友だちと一緒にいただきます。
竹田の豊かな自然を口いっぱいに頬張りました。
「ふきのとうの出始めは、噛んだ瞬間に香りが口の中にふわーっと
広がって、新鮮な味! ほうれん草は寒さのなかにぎゅぎゅっと育った、甘みを感じた!
すごくおいしかったです」(しおりさん)
実は、後藤さんのお母さんは「水曜どうでしょう」に登場した
このあたりの名物お母さんで、いまもテレビを見た人が
お母さんを訪ねてくる人気者。
竹田のゆかいな夜・第一夜はこうして更けていきました。
たのしい竹田の旅、次回に続きます!
Information
KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス
自分らしい、“ていねいなくらし”って何だろう?
それが知りたくて、“くらしのまんなか”に家をつくりました。
場所は、大分県竹田市。
見た目だけではない、実際にくらせる家。
その家は、雄大な自然と、あたたかい人々に囲まれていて、
一風変わったハトの家族が住んでいます。
そして、“ていねいなくらし”に役立つヒントがたくさんあります。
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