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大分県竹田市、
最高のしいたけをめぐる旅。
〜KIRINくらしの劇場
オフホワイトハウス〜
Vol.4 竹田のしいたけフルコース
を味わう!

日本列島カンタン郷土食
vol.017 番外編(大分・竹田編その4)

posted:2015.4.10   from:大分県竹田市  genre:食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  地域ごとにさまざまな郷土料理がありますが、なかなか食べないし、伝えられていない。
コロカルはそれをちょっと心配してました。そんなときに郷土料理を後世に伝える全集が編集部で話題になり。
これを教科書に、いろんな人ともつながって、郷土料理を身近にする連載をしよう!ということに。
料理人・後藤しおりさんがアレンジした、家庭でおいしくカンタンに作れる郷土料理を、都道府県別に紹介していきます!

profile

Shiori Goto

後藤しおり

ごとう・しおり●実家は寿司屋を営む。ブータン料理店、野菜料理店などを経て、2012年7月に独立。世田谷を拠点にケータリング、ロケ弁、出張料理人として活動。不定期でアトリエでイベントなども行う。
http://gotoshiori.com/

photographer profile

Tetsuka Tsurusaki

津留崎徹花

つるさき・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。『anan』『Hanako』など女性誌を中心に活躍。週末は自然豊かな暮らしを求めて、郊外の古民家を探訪中。コロカルで『美味しいアルバム』も連載中。

writer profile

Akiko Saito

齋藤あきこ

さいとう・あきこ●宮城県生まれ。コロカル編集部編集担当。好きな郷土料理は宮城県亘理町のはらこめし。
https://twitter.com/akiko_saito

大分県竹田市、最高のしいたけをめぐる旅。
~KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス~

Vol.1:竹田の畑でとれたふきのとうの味!

Vol.2:しいたけ畑に大感動!

Vol.3:しいたけフルコースを竹田のおかあさんと作ってみよう

Vol.4:竹田のしいたけフルコースを味わう!

大分県竹田市はしいたけパラダイスだった!

旨みがほとばしる竹田のしいたけフルコースには
どんなお料理が登場したのでしょうか?

一度に7つものしいたけフルコースを作りあげた
竹田のおかあさん&しおりさん。
てんやわんやの調理が終わり、ついにいただきます!
竹田の地元の皆さんもオフホワイトハウスに集合し、
ついに乾杯!

かんぱーい! 
しいたけの上品な旨味がつまったお料理たち。
ほんのりオレンジ風味の「オフホワイト」といただきます。
シンプルな料理の味を邪魔しない、軽いのみ心地。
フルーツのような香りとあっさりした飲みくちが、
どんな料理にも合うんです。

それではフルコースのメニューをご紹介しましょう。

1.しいたけのおすまし

干ししいたけの旨みがしっかりと出たおすまし。セリを散らして、
お醤油でシンプルに味付け。素材そのものの味をストレートに楽しむ、
しいたけフルコースの最初にふさわしい基本料理。

「お醤油で炊いたしいたけと湯がいたセリを器に入れ、
干ししいたけの戻し汁と、醤油などで味付けしただしを注ぐだけ。
カンタンです!」(しおりさん)

2.しいたけのとろろ汁

竹田産の強く粘りがある自然薯を、
干し椎茸の戻し汁で伸ばしたとろろ汁。
もともと自然薯は「山のうなぎ」と言われるほど
滋養・強壮食として珍重されてきた食品。
すりおろしたばかりの時は、簡単にはちぎれないほどの
強い粘り気がある竹田産の自然薯には、地元のおかあさんもびっくり。
ひとくちで元気が出るくらい、ものすごい栄養が詰まっています。

「おかあさんたちに習ったのは、とろろ汁に、
皮付きのままおろしたたっぷりの大根おろしとポン酢を混ぜて、
ご飯の上にかけて食べるというやり方! すごーくおいしいです!」(しおりさん)

3.しいたけと昆布の佃煮

山の旨みの代表、干ししいたけに
海の旨みの代表、昆布が加わった最強の一品。白いご飯が進みます。

4.しいたけの煮物

干ししいたけ、大根、人参、里芋、厚揚げの煮物。
柔らかく煮付けられたお野菜に、しっかりとした厚揚げ。
隅々にまで、旨みが染み渡っています。

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5.しいたけのぬた

甘辛い酢味噌のタレを干ししいたけにからめた、
珍しいしいたけのぬた。干ししいたけのこりこりとした
歯ごたえと酢味噌の優しい味が味わえます。

「湯がいて水気をしぼったわけぎと、戻した干ししいたけを
酢味噌と和えてください」(しおりさん)

6.おからボール

お豆腐屋さんの奥さんから教えていただいた秘伝レシピ。
刻んだ人参、しいたけとおからをボール状ににぎり、
からっと揚げて干ししいたけのおだしをかけていただきます。
できたて新鮮、パサつかないしっとりおからだからこそできる
ひと工夫メニュー。

「なんと、つなぎはナシ! 新鮮なおからだからこそできる、
特別な一品です!」(しおりさん)

7.しいたけご飯

しいたけの炊き込みご飯。おいしくないワケがない。
具はシンプルにしいたけの薄切りだけ。
干ししいたけの戻し汁を加えて炊き上げているので
旨みがたっぷり。しいたけのとろろ汁とも相性抜群。

「これでもか、ってほどに干ししいたけを入れてください!
24時間戻したしいたけなら、思いのほか、臭みがありません」(しおりさん)

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竹田に伝わる宴会料理「頭料理」とは

こちらはパーティのために用意した、
竹田市に江戸時代から伝わる「頭料理(あたまりょうり)」。
魚の頭や内臓、エラなど、普通であれば捨ててしまうような
場所までも調理してまるごと食べる料理です。
海がない竹田市では、昔から魚は貴重なものでした。
そこで食べづらい内臓なども、塩をまぶしてゆでるなど、
捌き方や下ごしらえを工夫することで余すところなく
食べる知恵が竹田に生まれました。
下ごしらえが洗練されているのか、
生臭さはほとんどなく、歯ざわりの面白さを楽しむ料理です。

宴会は夜更けまで続きました。
関東から移住してきた若者は、「こんなに立派なしいたけ、
竹田に住んでていても見たことがなかった!」とびっくり。
おかあさんたちも、「普段はこんなにしいたけにこだわることないから」と、
戸惑いながらも面倒を見てくれてうれしかったです。

なぜ竹田は面白い?

竹田市も過疎化が進む場所のひとつですが、
この2年で、100人を超す移住者を受け入れています
その理由は、市役所の担当職員の後藤さんが、
「不安なことはないか?」と、移住希望者に
きめ細やかな対応をしてくれることが大きいんだそう。
今回、竹田市の良いところをたくさんコーディネートしてくださった、
竹田市観光ツーリズム協会の子安史朗さんも、
実は東京から2年前に移住してきたばかり。

「竹田に引っ越してきたのは、魅力のある人がたくさん居たことと、
観光資源、農産物、湧水などどれも『質』が一流だったからです。
知れば知るほど竹田は面白いところ。こんなところはそうはありません」
と語ります。

聞き書きチームもすっかり竹田に魅了されてしまいました。
シリーズでお伝えしてきましたが、
まだまだ竹田の良いところを紹介しきれていないので、
後日フォトストーリーでお伝えしますね。

大分県竹田市、最高のしいたけをめぐる旅。
~KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス~

Vol.1:竹田の畑でとれたふきのとうの味!

Vol.2:しいたけ畑に大感動!

Vol.3:しいたけフルコースを竹田のおかあさんと作ってみよう

Vol.4:竹田のしいたけフルコースを味わう!

Information


map

KIRINくらしの劇場 オフホワイトハウス

http://off-white.house/

自分らしい、“ていねいなくらし”って何だろう?
それが知りたくて、“くらしのまんなか”に家をつくりました。
場所は、大分県竹田市。
見た目だけではない、実際にくらせる家。
その家は、雄大な自然と、あたたかい人々に囲まれていて、
一風変わったハトの家族が住んでいます。
そして、“ていねいなくらし”に役立つヒントがたくさんあります。

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