カフェ〈Autumn〉オーナー、 林 翔さん推薦! 地元・福井の カルチャースポット3選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

今回は、東京・世田谷のカフェ〈Autumn〉のオーナー林 翔さんが登場。
林さんの地元である福井県のカルチャースポットを教えていただきました。

父のお店〈ウッドウッドコーヒーローストサービス〉

私の父が経営しているコーヒー店で、焙煎した豆売りをメインにやっているお店。キャンプや山登りの時に、「その場でコーヒーを飲もう」というコンセプトで、グッズにも力を入れています。

information

map

ウッドウッドコーヒーローストサービス

住所:福井県福井市成和1-2231 WWビル 1F

Instagram:@woodwood_coffee_shop

センスが光るセレクトショップ〈タルクライン〉

感度の高い地元の先輩から教えてもらったセレクトショップ。東京にはない良さが詰まっていて、空間も最高なので、みんなにもぜひ行って欲しいスポットです。

information

map

タルクライン

住所:福井県福井市月見2-1-24

Instagram:@talklein.jp

子供から大人まで学んで遊べる〈福井県立恐竜博物館〉

学びながら遊んで楽しめる〈福井県立恐竜博物館〉。ティラノサウルスの大腿骨に触れるイベントがあって、実際に触ってみると、ものすごい熱風が吹いたような強いエネルギーを感じました。

information

map

福井県立恐竜博物館

住所:福井県勝山市村岡町寺尾51-11

動画はこちらから!

profile

Sho Hayashi 
林 翔

福井県出身。東京・世田谷区の桜新町駅から徒歩10分強、上町駅からは15分ほどにあるカフェ〈Autumn〉のオーナー。お店の由来は秋にオープンしたことから。

越前漆器も、眼鏡も! 工芸のまち、越前鯖江に観光案内所 「Craft Invitation」がオープン

2025年7月14日、福井県鯖江市河和田に観光案内所「Craft Invitation(クラフト インビテーション)」がオープンした。一般社団法人SOEが運営するこの拠点は、越前漆器や和紙、打刃物、眼鏡など多彩な地場産業が集まる産地の“窓口”となる施設だ。
館内には漆器の木地を使ったランプシェードや、老舗工房による漆塗りのカウンターなど、職人の技を生かした意匠が随所にちりばめられている。産地を熟知したスタッフが工房やショップ、飲食店まで案内してくれるほか、事前予約制のツアーやワークショップも受付中だ。

ものづくりを体感するイベント「RENEW」

また、福井の産地を代表するイベント「RENEW」も見逃せない。2015年にスタートしたこの体感型マーケットは、普段は立ち入れない工房を一斉に開放し、見学やワークショップを通して職人と直接交流が可能。今年は2025年10月10日(金)〜12日(日)に開催予定。全国から約120社が集結し、オープンファクトリーが集う「KOGEI COMMONS」やトークイベント、ローカルフードの提供も予定されている。作り手と出会い、その想いに触れることで、ものづくりの背景まで味わうことができるだろう。

和紙文化を宿泊で体感する「SUKU」

さらに2025年11月には、越前市に和紙文化を体感できる工芸宿「SUKU(すく)」が誕生。約1500年の歴史を持つ和紙の産地の真ん中に建つ宿で、客室の照明やインテリア、食事の演出に至るまで和紙を取り入れた空間設計が特徴だ。宿のスタッフはコンシェルジュとして工房見学や体験を案内し、和綴じ製本やアートパネルづくりなど、滞在中に多彩なプログラムを楽しむことができる。素泊まりは1名20,000円〜を予定しており、越前和紙の文化を日常に取り入れる、新たな旅の拠点となりそうだ。

客室イメージ

客室イメージ

information

map

観光案内所「Craft Invitation」

所在地:福井県鯖江市片山町7-10-4

電話番号:0778-78-9967

営業時間:10:00〜17:00

営業日:月〜金曜日(定休日:土日祝)

HP:https://craftinvitation.jp/

Instagram:@craftinvitation_fukui

information

map

RENEW/2025

開催日:2025年10月10日(金)〜12日(日)

会場:福井県鯖江市・越前市・越前町全域

公式サイト:https://renew-fukui.com/

Instagram:@renew_fukui

information

map

工芸宿「SUKU」

所在地:福井県越前市岩本町13-4-1

アクセス:北陸新幹線 越前たけふ駅より車で約10分

開業予定:2025年11月

宿泊料金:1泊1名 20,000円(税込)〜予定

Instagram:@suku.hotel

〈界 加賀〉 文化の集積としての、温泉旅館

工芸の歴史が層のように折り重なっている

加賀百万石という言葉の意味が、今もこれほど生きているとは思わなかった。「石」とは江戸時代の米の生産量を指すが、つまりは豊かさの指標。百万石の富は、さまざまな文化として継承されていることが、〈界 加賀〉に足を踏み入れた瞬間から体感できる。

文政年間(1818〜1830年)に建てられた伝統建築をそのままフロントとして使っている。

文政年間(1818〜1830年)に建てられた伝統建築をそのままフロントとして使っている。

江戸後期の文政年間に建てられた建築の重厚さは、時間を経なければ決して生まれ得ないもの。太い大黒柱と大きな丸太の梁を、釘などを使わずに組み合わせた「枠の内」という伝統工法は、200年もの間、建物を支え続けてきた。国の有形文化財に登録された建築が、フロントやバーとして、今も使われている贅沢に身を浸していく。

かつては「白銀屋」という名の旅館だった。その歴史を受け継いでいる。

かつては「白銀屋」という名の旅館だった。その歴史を受け継いでいる。

〈界 加賀〉は400年余り続いた前身の旅館「白銀屋」の財産を引き継ぎながら、新しく生まれ変わったという。館内には、「白銀屋」の時代に宿泊し、交流があった北大路魯山人の器や書が飾られている。同じように現代作家の作品もまた随所に飾られ、実際に使われている。例えば大浴場には九谷焼の陶工たちが、四季をテーマにデザインしたアートパネルが掲げられている。赤一色で細描を施す「赤絵」や藍色の濃淡で表現する「藍九谷」など、多様な技法が壁を彩る。露天風呂との境にある窓ガラスには、金粉と銀箔によって加賀から見上げる白山山地が描かれていた。

加賀獅子舞に見る、余興の素晴らしさ

〈界 加賀〉に滞在していると、温泉旅館は、文化を引き継ぎ、醸成していく場なのだと実感できる。その思いを特に強くしたのは、夕食後に観た「加賀獅子舞」のためだろう。〈界〉には「ご当地楽」という、その土地の伝統文化を楽しむための催しがあるが、〈界 加賀〉では、祝い事の奉納として舞われる加賀獅子舞を披露しているという。先ほどまで案内をしてくれていたスタッフが踊ると言う。 所詮、素人の踊りだろうと高を括っていたが、その印象は大きく覆された。

迫力の加賀獅子舞。スタッフが、伝統文化の担い手となっている。

迫力の加賀獅子舞。スタッフが、伝統文化の担い手となっている。

木製の獅子頭が歯を合わせる度に大きな音が鳴り響く。真剣さに引き込まれてしまう。オリジナルの振り付けとなっているものの、この文化を引き継いでいく意志のようなものが強く感じられる。年に数回しか行われない“本物の”加賀獅子舞は、なかなか見ることができないが、〈界 加賀〉ならば、毎日、見ることができる。その手軽さこそが、温泉旅館の魅力であり、〈界〉が目指している文化の入り口としての役割なのだろう。加賀獅子頭を制作している工房は、石川県内にひとつしか残っていないという。

温泉旅館は、文化の集積。そう思っているから、さまざまな工夫を凝らして、客をもてなす。出立前には、フロントと同じく国の有形文化財として登録された茶室「思惟庵」で、一服立てていただいた。かつて魯山人も、同じ光に包まれたのだろうか? と考えながら、少し居住まいを正して、抹茶を点てるスタッフのお手前に見入る。加賀獅子舞と同じように、スタッフが学び、文化の伝道師となっているという。

〈界 加賀〉の外へ出て、いい時間だったと建築を振り返った。加賀百万石の贅沢は、次の世代にもこうして渡されようとしている。

〈界 加賀〉宿泊券が当たるプレゼントキャンペーンを実施

〈界 加賀〉の宿泊券が当たるプレゼントキャンペーンを実施中。

colocal公式Instagramアカウント(@colocal_jp)と界公式Instagramアカウント(@hoshinoresorts.kai )をフォロー&キャンペーン投稿に「いいね」した方から抽選で1名様に宿泊券をプレゼント。
※コメントにてキラキラの絵文字を送っていただくと当選確率がUPします。

応募期間は2025/08/25〜2025/09/09まで。
詳しくはcolocalのInstagramをご確認ください。
@colocal_jp

__________________________________⁠
【賞品】星野リゾートの温泉旅館〈界 加賀〉
抽選で1名様に宿泊券が当たります。
・2名1室(1泊2食付き)
・部屋タイプ:星野リゾート指定

【宿泊期間】2025年10月1日~2026年3月31日 ※除外日あり
__________________________________⁠

information

界 加賀map

KAI Kaga 
界 加賀

住所:石川県加賀市山代温泉18-47

TEL:050-3134-8092(界予約センター)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikaga/

〈界 加賀〉から足を伸ばして。 我谷盆の故郷を訪ねて ダム沿いのトレイルを歩く

ノミの跡が美しく、素朴な盆

木端葺き(こばぶき)に用いる栗の端材を使い、雪に閉ざされる農閑期に、自分たちが使うための盆として作り始めた。江戸後期から明治時代にかけて盛んに彫られ、物々交換や温泉街で売られたこともあったという。我谷村(わがたにむら)で作られていたから、我谷盆(わがたぼん)。ノミの跡がそのまま残された繊細と無骨の同居するさまに、不思議な魅力の宿った盆はしかし、時代が進むにつれ、木端葺きが瓦葺きへと変わり、次第に彫られなくなっていく。消えつつあった伝統は、1959年の県営我谷ダムの建設によって完全に絶えることになった。我谷村はダムに沈み、我谷盆は「幻の盆」となった。

人間国宝でもある木漆工芸家・黒田辰秋によって我谷盆は「発見」され、その後に幾人かの作家の手によって復興されている。現在もその系譜は繋げられているが、私はむしろ失われてしまったものを見たかった。山中温泉の賑わいから分け入った山深い谷間で、今も人を惹きつける盆が生まれた。ただ使うだけならば、揃えられたノミ跡も必要ない。その盆の美しさは、里山の豊かさから来るような気がしていた。

虫がいて、渓流があり、人の営みは続いていく

ダム湖にかかった長い吊橋を渡り、湖畔のトレイルを上流へと歩く。今でも山菜狩りのために歩く人がいるのかもしれない。ほとんど倒木もない。足元には蕗の葉が繁り、春には蕗の薹がたくさん採れるだろう。しばらく歩くとダム湖へと流れ込んでいる渓流があった。重なった丸石を辿って水辺に降りて振り返ると、先ほど立っていたのは、苔むした橋の上だとわかった。この橋は、果たしてダムができる以前からあったろうか? あるいはダムの整備のために作られたものかもしれない。渓流はダム以前からあったはずで、積み重ねられた丸石は、水辺に降りるために人が積んだもののように感じられる。渓流沿いには草を倒した踏み跡が少しあり、今でも釣り人が沢を登っているはずだった。

帰り道、道端に目を凝らしながら歩いていると、緑色に輝くゾウムシを見つけて写真を撮った。虫好きの友人に画像を送ると、リンゴヒゲボソゾウムシだとすぐに返信が来た。彼と地元の山を散策するうちに、自然の中へ入ると虫を探す癖がついてしまった。虫は、その土地の豊かさを表すバロメーターのようなもの。虫がいると不思議と安心する。

山中温泉にある「芭蕉の館」で我谷盆を見せてもらうため、我谷ダムから車を走らせていると、遠くからでもわかる、巨大な杉があった。菅原神社の境内にあるその大木は、栢野大杉と呼ばれ、なんと樹齢2300年を超えるという。根を守るためのボードウォークの上から、そっと巨木に触れながら頭を垂れる。ダムよりも、そして我谷村よりも、はるか昔から土地に根ざした杉の大木の表面は、うねるような筋が均等に並んで、はるか上部まで続いていた。

information

界 加賀map

KAI Kaga 
界 加賀

住所:石川県加賀市山代温泉18-47

TEL:050-3134-8092(界予約センター)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikaga/

こっすい、おそがい、どえりゃあー! 吉本芸人・ありんくりんが挑戦する、 名古屋の方言

SNSでの総再生160万回以上!(2025年8月時点)コロカルの人気動画企画、ありんくりんの方言講座。
今回は、コロカル編集長からの挑戦状が届きました。名古屋の方言クイズ、イントネーション講座、早口言葉にチャレンジしてみてくださいね!

名古屋の方言クイズ

・ずる(運ぶ)
・おたからさん(お利口さん)
・ケッタ(自転車)
・まわし(準備)

名古屋のイントネーション講座

・どえりゃあ(ものすごい)
・こっすい(ずるい)
・おうちゃく(雑)
・おそがい(こわい)
・だだくさ(無駄)

名古屋の早口言葉

今度ん時はときんときんのえんぴつ持ってかんとかん。
てかちゃんと削っとかんとかんって言っとかんとかん
(今度えんぴつを持っていかないと。
というかちゃんと削っておかないとだめでしょ)

profile

ありんくりん

沖縄県出身、2014年に、ひがりゅうたとクリスで結成。コンビ名は方言で「あれもこれも」。『お笑いバイアスロン2018』(琉球朝日放送)優勝。『新春!Oh笑い O-1グランプリ』(沖縄テレビ)2019年、2020年、2022年優勝。現在冠ラジオ『ありんくりんのヨーガクナイト』(RBC琉球放送)、「友近ありんくりんのい~あんべぇ」(沖縄テレビ)に出演中。

Instagram

ひがりゅうた:https://www.instagram.com/arinkrin.higa710/?hl=ja

クリス:https://www.instagram.com/chris_arinkrin/

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC-JBOEI9NRCis8p_han0xww

開業から1周年。 〈Restaurant SAI 燊〉が体現する、ローカルガストロノミー

山梨県・西湖に位置する〈Restaurant SAI 燊〉が、2025年6月、開業から1周年を迎えた。
〈Restaurant SAI 燊〉は、「奥・山梨料理」を料理コンセプトに、「生きとし生けるものをすべていただく」という発想のガストロノミー。1周年を迎えるこれまでと、これからの挑戦について、Head Chefの豊島雅也さんに話を伺った。

とにかく誠実に向き合う。ローカルに受け入れられるために大切にしたこと

〈Restaurant SAI 燊〉がある山梨県・西湖は、穏やかな湖面が美しく、緑豊かな青木ヶ原樹海に囲まれた、神秘的な雰囲気を持つ自然が魅力的な場所。世界文化遺産に登録される「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」を構成する要素のひとつでもある。

レストランをプロデュースするのは、2021年に本社を山梨県の西湖に移転した総合エンターテイメント企業のアミューズ。地域資産を活用したイベントの開催やアウトドア・コンテンツ事業などを進めていく中で、富士河口湖町でレストラン〈TOYOSHIMA〉を営むオーナーシェフ・豊島さんと出会い、タッグを組むこととなった。

シェフの豊島雅也さん

コロナ禍が終わってから、「そもそも人は何のために食べるのか?」という本質を改めて考えるようになった豊島さんは、見た目だけでなく、何を口に入れるかが大切だという想いをもち、3年ほど前からレストランの開業準備を始めてきた。

開業までに一番時間をかけたのは、ローカルに住む人たちと誠実に向き合うこと。プライベートの時間も使いながら、一緒に山に入ったり釣りをしたり、時には家で作ったものや実家で採れたものをお裾分けすることも。こうしたお金ではない物々交換での交流が、ローカルで受け入れられるには必要なこと。利益のためだけに西湖に来ているわけではないことを理解してもらえたことで、様々な人や食材を紹介してくれるようになった。

こうした交流の中で知った食材や西湖エリアの文化を昇華させる豊島さんの料理、これこそが「ローカル・ガストロミー」を意味するところなのだ。

シェフ自ら仕入れるこだわりの食材と、しっかり伝えたい旬のこと

「木・火・土・金・水」をデザインコンセプトとした店内に足を踏み入れると、大きな木のテーブルと、焚き火台が出迎えてくれる。〈Restaurant SAI 燊〉では、お客さん全員でテーブルを囲み、一斉に食事をスタート。シェフが薪火・炭火を操りながら調理している様子を間近で眺め、食材やメニューの解説を聞きながら、その日だけの料理を楽しむ。

シェフの豊島雅也さん

料理に使用するのは鹿肉や熊肉などのジビエ、キノコ、山菜、高原野菜、ハーブ、ヒメマスやクニマスなどの淡水魚。西湖エリアだからこそ手に入るものばかりで、狩猟免許を持つシェフ自ら、山に入り食材を獲りに行くこともある。その日のお客様や気候に合わせて調理方法や味付けも変えるため、仕込みはしないという。

西湖では、山菜などの春の食材が長く流通し、夏野菜はぎゅっと旬が短い。秋の食材の代表であるきのこは、都内よりも1ヶ月ほど早く旬を迎える。都内から想像する食材の旬とは異なるため、西湖ならではの食材の旬をきちんと伝えることも大切にしている。

ドリンクは、西湖付近の冷たい湧水から始まる。アルコールペアリングの「氵酉」(しゅ)は、ソムリエが足を運びセレクトした、県産のワインを中心に。飲んでいる本人しかわからないような平等な空間を作りたいとの想いで用意された、ノンアルコールペアリングの「氵山」(さん)はお酒が苦手な人やドライバーも大満足のラインナップ。

西湖にしかない魅力を伝えるために、ローカルを噛み砕く

〈Restaurant SAI 燊〉がオープンするタイミングで、豊島さんは河口湖エリアから西湖へとベースを移した。そのため、初めは知らない郷土料理や食材が多かったという。

「地元の郷土料理は、このエリアで代々受け継がれ、大切にされてきたもの。そういうものを食べさせていただく機会があるので、僕ら料理人のフィルターを通して、フレンチや和食の技術を使って表現できたら、このエリアのローカルフードが、県外や世界でもっと注目されるんじゃないかなと常に考えています」

1周年を迎え、現在は自分たちが試したいことができる場所として、ジビエ食肉加工処理施設を準備中。またジビエの裾野を広げていくために、学校給食でのジビエ料理の監修や、子供達への講義も行ってきた。

シェフの豊島雅也さん

「地域の子ども達が大人になって県外に出た時に『給食に鹿が出ていたんだよ』と言えるような流れを作りたいです。せっかくこの地域にはたくさん鹿がいるんだから、ジビエに対して興味を持ってもらいたいし、良さを知らないのはもったいないですよね。将来山梨県のスーパーに当たり前にジビエが並んでいる光景ができたら嬉しいです。レストランとしては、この地域の魅力をしっかり伝えていく1年にしなければなと思っています」

〈Restaurant SAI 燊〉は、ローカルガストロノミーとしての存在感はもちろん、山梨の食材の素晴らしさを発信する存在となるだろう。今後の広がりにはこれからも目が離せない。

information


map

Restaurant SAI 燊

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町西湖208-1

Web:https://restaurant-sai.com/

Instagram:@restaurant_sai_lake_saiko

写真家・長野陽一さん推薦! 近所にあってよかった、と思える 鎌倉のおすすめスポット4選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

今回は、写真家の長野陽一さんが登場。
鎌倉に住んで20年の長野さんに、近所にあってよかった、と思える鎌倉のお気に入りスポットを教えていただきました。

食卓を豊かにしてくれる〈サカナヤマルカマ〉

一昨年できた今泉台にある鮮魚店。鹿児島県の阿久根と小田原漁港から仕入れた丸魚が豊富です。軽トラで移動販売もやってて鎌倉市民の話題のお店。〈マルカマ〉のおかげで我が家の食卓が豊かになりました。

information

map

サカナヤマルカマ

住所:神奈川県鎌倉市今泉台4-12-1

Instagram:@sakanaya.marukama

我が家のコーヒーは〈カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ〉で

鎌倉の人気店、〈カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ〉。10年以上、我が家のコーヒー豆はここの中深煎りと決めています。季節のパフェも名物。昨年30周年を迎え、記念に出版された書籍でも撮影を担当させていただきました。

information

map

カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ

住所:神奈川県鎌倉市小町2-1-5 櫻井ビル 1階

Instagram:@cvdimanche

〈バードマウンテン〉の洋服は欠かせない

鎌倉御成通りの近くにある洋服店。かれこれ5年以上お世話になっていて、夏にこれがないともはや生きていけないかも?と思っている薄手のパンツや気の利いたシャツ、〈VANS〉のスニーカーなど、気が付けば、代表・鳥山さんが選んだ服ばかり着ています。僕が学生の頃に撮ったモノクロの作品を飾ってくれています。

information

map

バードマウンテン

住所:神奈川県鎌倉市御成町5-3 蔵屋敷ビル 1F

Instagram:@birdmountain_official

街中にある紫陽花

東京と行き来をしていると、鎌倉は山と海が近いので季節の移り変わりがわかりやすい、と感じます。紫陽花の季節はなにより北鎌倉が映えるので、住民はきっと誇らしく思っているはず。毎年、自宅の庭の植えた覚えのない額紫陽花が咲くと写真を撮ってしまいます。

動画はこちらから!

profile

Yoichi Nagano 
長野陽一

写真家。新刊『長野陽一の美味しいポートレイト』HeHeより発売中。これまでの写真集に『BREATHLESS』FOIL刊、『島々』リトル・モア刊、『シマノホホエミ』FOIL刊など。

地元の家族や友人の喜ぶ顔が見たい! 〈グランスタ東京〉で選ぶ、 東京駅限定“推し土産”ベスト10

旅の始まりや帰省の玄関口としてにぎわう東京駅。そのエキナカ商業施設〈グランスタ東京〉で、駅で働く614人のスタッフが選んだ“リアルにおすすめしたい”東京駅限定スイーツランキングが発表された。対象は、グランスタ東京で年間を通して販売されている限定商品。普段からお客さんの反応を見ているキャストたちが「自分で買うならこれ! 」と本音で選んだ10商品は、味の良さはもちろん、パッケージの可愛さや話題性なども折り紙付き。帰省や夏の小旅行、ちょっとした贈りものにもぴったりなラインナップとなっている。

見事1位に輝いたのは……?

東京駅で働く人が本音で選んだ「自分で買いたい」スイーツ、栄えある1位は、〈Brick bake bakers by Pâtisserie ease〉の「クラフトフィナンシェ(プレーン)」。東京駅の赤レンガを模した見た目も印象的だが、何より魅力なのは店内のオーブンで焼き上げることによる香ばしい香りと焼きたての味わい。ショップ近くを通るたびにその香りに吸い寄せられて買ってしまう、というスタッフの声も多数。外はカリッと香ばしく、中はしっとりとした食感が楽しめる。

クラフトフィナンシェ(プレーン)/Brick bake bakers by Pâtisserie ease

1位:クラフトフィナンシェ(プレーン)/Brick bake bakers by Pâtisserie ease
B1F改札内 銀の鈴エリア。1個 300円。

2位〈Mr. CHEESECAKE〉の「Mr. CHEESECAKE Petit Tokyo Assortment」は、限定のフレーバーやパッケージが魅力のアソートセット。持ち歩きやすく、ご褒美スイーツとしても高評価。ほかにも〈喫茶店に恋して。〉の「クレームブリュレタルト」、〈カヌレリテ〉の「GRANSTA Box」など、手のひらサイズでちょっとずつ楽しめるスイーツも上位に名を連ねた。味わいだけでなく、デザイン性やシェアのしやすさなど、ビジュアルと実用性のバランスも選定の決め手となった。

Mr. CHEESECAKE Petit Tokyo Assortment/Mr. CHEESECAKE

2位:Mr. CHEESECAKE Petit Tokyo Assortment/Mr. CHEESECAKE
B1F改札内 銀の鈴エリア。3個入 2,727円。

クレームブリュレタルト/喫茶店に恋して。

3位:クレームブリュレタルト/喫茶店に恋して。
B1F改札内 銀の鈴エリア。4個入 950円。

サンドクッキー ヘーゼルナッツと木苺/COCORIS

4位:サンドクッキー ヘーゼルナッツと木苺/COCORIS
1F改札内 中央通路エリア。6個入 1,560円。

GRANSTA Box/カヌレリテ

5位:GRANSTA Box/カヌレリテ
B1F改札内 銀の鈴エリア。2個入 1,280円。

甘くない派にも嬉しい、和テイストのチップスが登場

甘いお菓子ばかりではないのも、今回のランキングの特徴。6位の「じゃがボルダチップス 鰹と昆布のうまみだし味」は、東京ばな奈とCalbeeの異色コラボによる新感覚のスナックがランクイン。和風だしの豊かな風味と厚切りならではの歯ごたえが特徴で、甘いお菓子が苦手な人への手土産にも適している。また、粉が手につきにくい製法を採用しており、外出時でも扱いやすい点も魅力のひとつである。

Calbee+×東京ばな奈 じゃがボルダチップス 鰹と昆布のうまみだし味/じゃがボルダ

6位:Calbee+×東京ばな奈 じゃがボルダチップス 鰹と昆布のうまみだし味/じゃがボルダ
1F改札内 吹き抜けエリア。4袋入 1,047円。

ランキングに名を連ねたのはいずれも、東京駅だけで出会える限定スイーツばかり。帰省や旅行の際の手土産にはもちろん、自分へのちょっとしたご褒美にもぴったりだ。移動の前に立ち寄って、お気に入りの一品を探してみてほしい。

おいしい「選ばれし逸品」を手に取ってみてはいかがだろうか。

7位〜10位も発表!

ガレット ショコラ エピス/ピエール マルコリーニ

7位:ガレット ショコラ エピス/ピエール マルコリーニ
B1F改札内 銀の鈴エリア。8個入 3,888円。

メープルクッキー詰合せ缶/ザ・メープルマニア

8位:メープルクッキー詰合せ缶/ザ・メープルマニア
1F改札内 吹き抜けエリア。2種各8枚入 2,500円。

キャラメルバターサンドイッチ/(NO) RAISIN SANDWICH

9位:キャラメルバターサンドイッチ/(NO) RAISIN SANDWICH
1F改札内 吹き抜けエリア。4個入 1,580円。

東京鈴もなか/香炉庵 KOURO-AN

10位:東京鈴もなか/香炉庵 KOURO-AN
B1F改札内 銀の鈴エリア。1袋2玉入 320円

Information

map

場所:JR東京駅構内「グランスタ東京」

公式サイト:https://www.gransta.jp/mall/gransta_tokyo/

〈界 遠州〉から足を伸ばして。 ナウマンゾウに導かれて、 太古の風景を探す

かつてナウマンゾウが歩いた水辺

どうしてナウマンゾウに惹かれるのだろう。恐竜ほど遠い過去とは感じないからかもしれない。牙を生やした象が、わたしたちが見慣れた風景を闊歩する姿を想像するだけで胸が躍る。大きい動物に対する畏怖は、どこか失われた世界に対する憐憫につながっているからかもしれない。映画『もののけ姫』で、巨大な猪の乙事主(おっことぬし)は「わしの一族を見ろ。みんな小さく馬鹿になりつつある」と言う。動物園で見るアジアゾウよりもひと回り小さなナウマンゾウは、乙事主たちが生きていた時代の動物のような気がしてしまう。

ナウマンゾウと聞けば1960年代に大規模な発掘作業が行われた長野県の野尻湖が頭に浮かぶが、それよりも早い1921年、浜名湖沿岸の工事現場から、牙や臼歯、下顎骨の化石が発見されている。地質学者で古生物学者でもある槇山次郎は、その化石を東京帝国大学地質学の初代教授だったハインリッヒ・エドムント・ナウマンにちなんで、「Elephas namadicus naumanni」と名づけ、和名ではナウマンゾウと呼ばれるようになったという。浜松博物館には、ナウマンゾウの骨格標本が展示されていた。

浜松博物館の入り口に展示されている、ナウマンゾウの骨格標本。化石ではない。

浜松博物館の入り口に展示されている、ナウマンゾウの骨格標本。化石ではない。

正直に言ってどの展示も渋く、骨格標本にも迫力は感じられない。けれど、すぐ隣に展示されていた人骨に見入ってしまった。ナウマンゾウの時代に生きた、身長1.4mほどの女性と推定される旧石器時代の化石。浜北人と名づけられている。反対側の壁には、縄文時代後期の屈葬人骨が実際に発掘されたそのままの形で展示されていた。どちらの人骨も、死にまつわる恐ろしさのようなものは既に消えて、物質に回帰している。それでも静かな存在感を放っているのは、土地と人間の関わり方のようなものを問いかけているからか。

発掘された状態で展示されている、屈葬人骨。こちらは本物。

発掘された状態で展示されている、屈葬人骨。こちらは本物。

どれだけ食べたら貝塚ができるのか。わたしたちと変わらない食生活

浜松博物館は、蜆塚(しじみづか)遺跡に隣接している。その名の通り、縄文後期から晩期にかけて、縄文人たちが暮らし、蜆のほか、蛤、アサリなどが貝塚となって残された遺跡。貝塚の断面がそのまま見られるのだが、先に見ていた写真家の平野太呂は「しかしまあ、よく食べたね」と笑っていた。一体、何年かけて食べた貝殻なのだろう。積み重なって分厚い層になっている。貝類だけでなく、陸からは猪や日本鹿、雉、海からは黒鯛のほか外洋性の鰹や鮪、さらに淡水魚の鯉や鮒と、実にバラエティ豊かな食生活を送っていたらしい。ほとんどわたしたちが食べているものと変わらない。再現された藁葺き屋根の住居に入ってみると、天井からわずかに光が差し込み、不思議なほど気分が落ち着いてしまう。この薄暗さによる安堵感は、もっと古い洞窟に生きていた時代の記憶のせいかしら。

縄文人が暮らしていたことは、その土地の豊かさの証明という言説を読んだことがある。食糧が豊富で、周囲から少し小高くなって安全が確保しやすい場所。蜆塚遺跡はまさしくそういう土地だった。当時の自然環境が残されている場所を探して、縄文人が蜆を拾った佐鳴湖の畔を歩く。浜名湖と同じように入江が砂丘によって閉ざされ、汽水湖となっている。そのために多様な魚介類が生息していた。今でも湖には葦が生え、遠景の山々には広葉樹の森がある。コンクリートで固められていない湖には、生き物の棲み家がたくさんある。流れ込む小さな川も、護岸がなされていない。その川原沿いに生い茂った草がところどころ、通路のように刈られていた。土手から覗いてみれば、釣り台に座って魚を狙う釣り師がコンパクトなスペースに収まっていた。生き物がいるところに、人間がいる。いつの時代も変わらない。

背の高い草むらから、ナウマンゾウがぬっと現れる姿を想像する。のんびり釣りに興じている余裕なんてないのだろうか。いや、生き物がいる水辺は、とても穏やかな空気に満ちていたはずだ。

佐鳴湖は、かつて入江であり、汽水湖を経て、現在は淡水湖になった。

佐鳴湖は、かつて入江であり、汽水湖を経て、現在は淡水湖になった。

information

map

KAI Enshu
界 遠州

住所:静岡県浜松市中央区舘山寺町399-1

TEL:050-3134-8092(界予約センター)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaienshu/

〈界 遠州〉 旅を埋め尽くす、煎茶の記憶

エントランスで、茶の深みにはまる

滞在中に、一体、何杯の煎茶をいただいたことだろう。星野リゾートの温泉旅館〈界〉ブランドでは、それぞれの土地を凝縮した趣向が凝らされているが、〈界 遠州〉ほど、ひとつの特産品に特化した宿は珍しいかもしれない。

まず「美楽茶ラウンジ」と名づけられた茶畑を望むロビー階ではティースタンドが迎えてくれる。複数の冷茶が逆さまのボトルに入り、まるでバーのような雰囲気で、いつでも気軽にカップ・オブ・ティー。「ティーセラー」には12種の煎茶と1種の黒豆茶がラインアップされ、自分好みのお茶を選ぶことができる。「香り」、「甘み」、「旨み」、「苦み」という茶の四つの要素を数値化し、生産地やどのように育ったのか記された「ティーカード」がついている。煎茶のテロワールは、驚くほど多彩だ。その場でお茶を淹れることも、部屋に茶葉を持っていくこともできる。

ただし、浜名湖を望むそれぞれの部屋には、あらかじめ3種のオリジナルブレンドが、茶菓子と一緒に用意されている。鉄瓶で湯を沸かし、朝、昼、夜とシチュエーションに合わせてブレンドされた煎茶を飲む。それだけでも、気持ちが緩んでいくのがわかる。

湯船に立ち上るのもまた、煎茶の香り

ひと心地着いて、さて温泉と浴場に行けば、桶型のヒバの湯船には、実際に飲むこともできるというお茶の入った「お茶玉」が浮かんでいる。ナトリウム・カルシウム–塩化物強塩泉の効能は、切り傷、やけどなど。その温泉にお茶の成分までプラスされた「お茶玉美肌入浴」で、体の外からもお茶づくし。

「白焼き鰻の柑香和え」にはじまった夕食でも、それぞれのメニューにペアリングした煎茶を選ぶことができる。例えば、遠州の知られざる名物である「ふぐの唐揚げ」には、爽やかな香りと甘みを感じる煎茶を合わせ、続く「うなすき」へと舌と気持ちを整えてくれる。

食後には「美楽茶ラウンジ」で「おちゃけ」と名づけた、ジンと煎茶を合わせたカクテルまで楽しめる。

お茶のカクテル、その名も「おちゃけ」。

お茶のカクテル、その名も「おちゃけ」。

そして翌朝には、新芽が出始めた茶畑を眺めながら、茶摘みの動きを模した体操で体を目覚めさせ、あさごはんと一緒に、暑さ寒さ、湿気の有無、その日の天候に合わせて選んでもらった煎茶をいただく。日本茶アドバイザーの資格を持つスタッフは、まさしく伝道師だった。

せっかく始まった煎茶との付き合いを滞在中だけで終わらせてしまうのはもったいない。土産に茶葉を持ち帰り、旅の疲れを癒すべく煎茶を淹れたら、たちまち浜名湖の凪いだ湖面が目に浮かぶ。煎茶のほろ苦さは頭と体にしっかり残っていて、旅の余韻はしばらく続いた。

〈界 遠州〉宿泊券が当たるプレゼントキャンペーンを実施

〈界 遠州〉の宿泊券が当たるプレゼントキャンペーンを実施中。

colocal公式Instagramアカウント(@colocal_jp)と界公式Instagramアカウント(@hoshinoresorts.kai )をフォロー&キャンペーン投稿に「いいね」した方から抽選で1名様に宿泊券をプレゼント。
※コメントにてお茶の絵文字を送っていただくと当選確率がUPします。

応募期間は2025/07/24〜2025/08/08まで。
詳しくはcolocalのInstagramをご確認ください。
@colocal_jp

__________________________________⁠
【賞品】星野リゾートの温泉旅館〈界 遠州〉
抽選で1名様に宿泊券が当たります。
・2名1室(1泊2食付き)
・部屋タイプ:星野リゾート指定

【宿泊期間】2025年9月1日~2026年2月28日 ※除外日あり
__________________________________⁠

information

map

KAI Enshu 
界 遠州

住所:静岡県浜松市中央区舘山寺町399-1

TEL:050-3134-8092(界予約センター)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaienshu/

開窯350周年を迎え、 ブランド名を「鍋島焼」に統一! 佐賀・大川内山で生まれた 秘密の焼物を知る

佐賀県伊万里市にある大川内山で誕生した「鍋島焼」が、2025年に開窯から350周年を迎えました。高い品質と芸術的な美しさが特徴の「鍋島焼」は、大阪万博の公式キャラクター「ミャクミャク」とコラボレーションしたことで、初めて名前を耳にした人も多いのでは。生産地である大川内山を訪れ、その歴史を紐解きます。

険しい地形で作られる秘密の焼物

「鍋島焼」は「伊万里焼」の中のひとつで、献上品や贈り物として焼かれたものを指します。この焼物の始まりは安土桃山時代、1600年に起こった関ヶ原合戦。戦いに敗れた石田三成率いる西軍についた佐賀藩は、本来、家を断絶するか、遠方の土地へと飛ばされるはずでした。しかし幸いにも鍋島家は勝った徳川家と繋がりがあったため、当時最高峰と言われていた、明(中国)の焼物を仕入れ、徳川将軍家に献上することで免れたといいます。1644年に明が滅亡し清の時代になると、焼物の輸入が減少。献上品が減り困った佐賀藩は、窯が多く点在する有田で焼き物を作るようになりました。

生産地が大川内山に落ち着いたのは、献上品を焼くという貴重な技術を守るため。秘密を保持できる土地を探すうちに、周囲が急な山に囲まれ、入り口が1か所だけという地形であるこの地を見つけます。関係者以外は通行できないように入り口に関所を設け、失敗作はわざと地面に落として割って処分するなど、徹底的に管理。最高の技術を持つ職人たちが集められ、高級磁器として製作され、その地位を確立させてきました。

デザインに流行を取り入れた一般流通用の「伊万里焼」とは違い、献上用の「鍋島焼」のデザインは政治に左右されてきました。経済が発展した17世紀後半は派手に、徳川吉宗によって倹約令が出された時期は使用する色の数を減らすというように、時期によって様々。伊万里駅にある〈伊万里・鍋島ギャラリー〉では、時代背景と合わせて見比べることができます。

また、平成元年からは毎年伝統産業振興の一環として、兵庫県や滋賀県、大阪府など城が所在する地域の知事などに、年に一度献上を始めました。献上品は、今でもろくろでの成形、絵付け、焼成など、大川内山の窯元が分担して全て手作業で制作。登り窯での焼成は、交代制で28〜32時間ほど焼き続けており、今もなお、江戸時代からの技術と伝統はしっかりと受け継がれていることがうかがえます。

暮らしと伝統技術が共存するまち、大川内山

「鍋島焼」の生産地である大川内山は、伊万里駅から車で10分ほどの場所に位置し、半日あれば回遊できてしまうほどコンパクトなまち。各窯元で焼物を探すのはもちろん、焼物で作られた大きな地図や、陶器の壁画、点在している、大川内山にある植物を絵柄にした焼物を見ながら、散策するだけでも楽しめます。

メインの通りから少し入ると住宅があります。人々の生活と窯が共存しているのが大川内山の特徴です。「鍋島焼」を作ることは日々の営みのひとつ。案内してくれた伊万里鍋島焼協同組合の川副隆彦さんは、「大川内山は営みからビジネスが生まれているまち」と、話します。

開窯350周年を迎え、「鍋島焼」の記念事業がスタート

記念すべき350周年の節目である2025年、伝統的な焼物「鍋島焼」の認知度を拡大するために、さまざまな取り組みを行う記念事業をスタートさせました。

そこでこれまで伊万里鍋島焼協同組合が使用していた「伊万里鍋島焼」や「伊万里焼」とも呼ばれてきた呼び名を「鍋島焼」に統一。ロゴタイプデザインを制作し、新たにWebサイトInstagramを開設し、「鍋島焼」の制作風景や大川内山の自然、人々の暮らしの様子などを積極的に発信しています。

現在は29軒の窯元がある大川内山。次の「鍋島焼」開窯400周年、500周年に向けて川副さんは、「作家や焼物だけでなく、産地も愛してほしいですね。大川内山の暮らしを知って、文化を守り、愛してくれる人を増やしていきたいです」と話します。

2025年7月現在は「鍋島藩窯 風鈴市」を開催中。2025年8月には「鍋島藩窯 あかり夏祭り」「鍋島藩窯 夜の窯元市」を、紅葉が美しい11月には「鍋島藩窯 秋祭り」など、季節に合わせたイベントを開催予定です。ぜひ記念すべき年に大川内山で、「鍋島焼」の真髄に触れてみては。

information

map

鍋島焼

住所:佐賀県伊万里市大川内町乙1848

Web:https://nabeshima-yaki.com/

Instagram:https://www.instagram.com/nabeshimayaki/

編集者・市谷未希子さんの出張日記。 コンパクトな名古屋市内で、 仕事以外の時間も有効活用

日本のローカルを知り尽くしたクリエイターの出張についていき、出張先で食べたものや出会った人やもの、過ごし方を見せてもらう本企画。

今回見せていただくのは編集者・市谷未希子さんの名古屋出張。2025年7月9日(水)に開業する〈BASE LAYER HOTEL(ベースレイヤーホテル)〉の内覧会取材です。

出張には欠かせない三種の神器

1.〈Jabra〉「Elite 10」
フリーランスで仕事をしているので、出張先に限らず移動しながら電話やオンライン会議なんてこともしばしば。そういう時に欠かせないのがこのワイヤレスイヤホンです。ペアリングがスムーズで、装着してすぐに「ふぁーん」と、外界をシャットアウトするような静寂が訪れるところがお気に入り。重くて包み込むような音質が好きな私にとってはパーフェクトな設計で一生使いたいブランドなのですが、このモデルを最後にイヤホン市場から撤退するとのことで、在庫をストックしておくべきか真剣に悩んでいます(笑)。

2.〈THREE〉「エッセンシャルセンツ 06 TASTE THE AIR」
風をイメージして、シトラスやハーバルの香りを中心に調香したオードトワレ。残り香が軽いので人とたくさん会う日や仕事の前の気分転換にひとつあると安心。癖が少ないので旅先で部屋の香りが気になるときにもさっと使える手軽さが気に入っています。

3.〈Goldwin〉「コンプレッションカーフスリーブ」
〈Goldwin〉の着圧ソックス。運動時に着用することで、疲労軽減やむくみ対策が期待できるということで、たくさん歩く街取材や旅先では重宝しています。

仕事も観光も抜かりなし!市谷さんの出張中の過ごし方

名古屋に到着早々、今回の内覧に一緒に参加する友人とひつまぶしの名店〈錦三丁目 いば昇〉でランチ。一般的な店では一人ずつ定食セットで出てくるのですが、ここは大人数の場合は大きなおひつでまとめて出してくれるのが新鮮でした。

〈錦三丁目 いば昇〉のひつまぶしと友人。名古屋で活躍されているクリエイティブディレクター、グラフィックデザイナーの二人も合流しました。

〈錦三丁目 いば昇〉のひつまぶしと友人。名古屋で活躍されているクリエイティブディレクター、グラフィックデザイナーの二人も合流しました。

〈錦三丁目 いば昇〉のひつまぶし定食。胃袋のコンディションに合わせてお椀に取り分けることができるので、無駄なく満足度も満点!

〈錦三丁目 いば昇〉のひつまぶし定食。胃袋のコンディションに合わせてお椀に取り分けることができるので、無駄なく満足度も満点!

今回の仕事は、7月9日に開業する新ホテルブランド〈BASE LAYER HOTEL〉の内覧会の取材です。〈BASE LAYER HOTEL〉は、「街を遊ぶ、ビジネスホテルの新しいカタチ」を提案する、カルチャー感度の高いビジネスパーソンのためのビジネスホテル。

取材のあとは友人と一緒に名古屋の夜を満喫。一軒目に立ち寄ったのは今池エリアにある立ち食い居酒屋〈マグロー〉。18時ごろに到着したのですが、店内はお客さんでパンパン。ダメもとで人数を伝えると、お客さんたちが少しずつ詰めてくれて無事に入店することができました。ご飯や大将たちの雰囲気はもちろん、常連さんたちによって生み出されるローカル感が癖になるお店です。

豊富なマグロメニューから、赤身やトロ、トンボ(ビントロ)をオーダー。狭い店内では、近くにいるお客さんが配膳をサポートするのが当たり前。

豊富なマグロメニューから、赤身やトロ、トンボ(ビントロ)をオーダー。狭い店内では、近くにいるお客さんが配膳をサポートするのが当たり前。

夜はUK発の音楽プロデューサーでアーティストのMura MasaのDJセットを観に、老舗のライブハウス〈THE BOTTOM LINE〉へ。フジロックでは二番目に大きなホワイトステージのトリを務めるほど日本でも人気のあるMura Masaの音楽をあんな至近距離で浴びて踊れるなんて最高の時間でした。

終演後の〈THE BOTTOM LINE〉の様子。地元の若者たちも多い印象で、醒めやらぬ興奮を共有しあう姿にさらに胸が熱くなりました。

終演後の〈THE BOTTOM LINE〉の様子。地元の若者たちも多い印象で、醒めやらぬ興奮を共有しあう姿にさらに胸が熱くなりました。

この日のラストは、おしゃれなワインバー〈Paradise Nature wine&vinyl〉が終着点。私が毎年行っている「Rainbow Disco Club」という音楽フェスでナチュラルワインを提供しているお店なのですが、店舗にお邪魔するのはこの日が初めて。おしゃれな外観で、扉を開けると壁一面のレコードと音響設備にまずテンションアップ。

カウンターの奥には広いワインセラーもあり、ボトルを選ぶこともできるそう。良質な音楽とワインで最高の締めくくりになりました。

カウンターの奥には広いワインセラーもあり、ボトルを選ぶこともできるそう。良質な音楽とワインで最高の締めくくりになりました。

2日目。名古屋といえばモーニング!ということで、チェックアウトの前に早起きしてホテルの目の前にある〈STILL THINKING COFFEE〉へ。このあとのスケジュールを整理したりと、ゆったりとした時間を過ごすことができました。

私はアーモンドトーストと深煎りのブラックコーヒーをチョイス。甘さと苦さがバランスよく、頭もスッキリ!

私はアーモンドトーストと深煎りのブラックコーヒーをチョイス。甘さと苦さがバランスよく、頭もスッキリ!

ランチは知人におすすめしてもらった〈ジャズ喫茶YURI〉へ。ジャズ喫茶と聞くと敷居が高く感じますが、客層は老若男女さまざまでカジュアルにランチを楽しむ人たちが多い印象。平日は24時までやっているので夜カフェとしても愛されているそうです。キッチンを囲うようにそびえるレコードコレクションも圧巻でした。

この日は特に予定がなかったので、電車で東山公園まで足を伸ばしてずっと行ってみたかった本屋〈ON READING〉へ。本屋の奥にはギャラリースペースもあって、この日はイラストレーターのユカワアツコさんの個展が行われていました。

新幹線に乗る頃にはすっかりクタクタになった私は、降車駅の新横浜駅周辺でひとっ風呂浴びたいなと検索して、横浜線で隣駅の菊名にある「福美湯」へ。しっかり整えて、リカバリーまでするのが大人の出張旅の醍醐味、なのかもしれません。

前々から気になっていたこの銭湯は、薪で沸かした超微粒子のお湯が肌や髪にいいということで銭湯好きの間でも人気のスポット。なかには露天風呂やロッキーサウナ、水深90cmの水風呂など公衆銭湯とは思えないほどの充実っぷりで気づけば2時間以上滞在していました。

前々から気になっていたこの銭湯は、薪で沸かした超微粒子のお湯が肌や髪にいいということで銭湯好きの間でも人気のスポット。なかには露天風呂やロッキーサウナ、水深90cmの水風呂など公衆銭湯とは思えないほどの充実っぷりで気づけば2時間以上滞在していました。

仕事以外も有効活用しやすい名古屋のまち

今回見せていただいたホテルは、出張や、宿泊へのこだわりが少ないひと向けのビジネスホテルがベースですが、サウナやファミリールームがあり、アメニティも充実していて、痒いところに手が届くようなホテルでした。地方都市への出張の際、食や観光を重視する人にとっても、綺麗で気持ちの良いホテルは重要な選択肢になると思います。

そして名古屋は道が分かりやすく、移動がしやすかったです。名古屋市内はコンパクトで、仕事以外の時間も有効活用できました。ローカルフードの飲食店や、モーニングを楽しめる店が多く、食に貪欲な街なのかなと思います。

市谷未希子

いちたに・みきこ●1989年⽣まれ。美容師、ファッションメディアの編集者を経て、フリーランスのエディター/ライターとしてファッションや美容、カルチャーなど幅広いジャンルで活動中。趣味は映画、ドラマ、ライブ鑑賞と食べ歩き。
Instagram:@mikk0

〈IDÉE〉のディレクター・ 大島忠智さん推薦! 箱根でほっと一息つける スポット5選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

インテリアブランド〈IDÉE〉のディレクター・大島忠智さんが登場。最近箱根の小さいマンションを購入した大島さん。週末ゆったりと過ごしたい時におすすめのスポットを教えていただきました。

こだわりの詰まった移動式カフェ〈Cafe Ryusenkei〉

移動式のカフェ〈Cafe Ryusenkei〉。知人でもある〈ima設計事務所〉の小林さん夫妻が内装を手掛けていて、デザインにもすごくこだわりが詰まっています。私はホットのカフェラテがおすすめです。

information

map

Cafe Ryusenkei

住所:箱根、横浜、湘南エリアに出店

Instagram:@cafe_ryusenkei

特別な時間を過ごすなら〈富士屋ホテル〉の朝食

少しお値段は高いですが、〈富士屋ホテル〉朝食もお気に入りです。和洋折衷の空間の中で、シルバーのカトラリーを使い、ホテルのサービスを受けながら朝食を食べる、特別な時間が過ごせます。友人が箱根に来たときに、ここで朝ごはんを食べることも。

information

map

富士屋ホテル

住所:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359

Instagram:@fujiya_hotel

日常生活に馴染んだ〈勝俣豆腐店〉

仙石原にある〈勝俣豆腐店〉。自家製豆腐はもちろん、週末限定のおからドーナツがすごく美味しくて、おやつに食べています。お惣菜やおでんの種も作っていて、生活する中でよく訪れるスポットです。

information

map

勝俣豆腐店

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原116

Instagram:@sasatofukatsumata

〈箱根 彫刻の森美術館〉内にある〈ピカソ館〉

〈箱根 彫刻の森美術館内〉にある〈ピカソ館〉。主にピカソの陶器作品が貯蔵されていて、すごく見応えのある美術館だと思います。

information

map

箱根 彫刻の森美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121

Instagram:@thehakoneopenairmuseum

自然豊かな〈ポーラ美術館〉

〈ポーラ美術館〉は山の中にいきなり出てくる、自然あふれた美術館。室内の展示はもちろんなんですが、外を散策しながら展示が見られるおすすめのスポットです。

information

map

ポーラ美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285

Instagram:@polamuseumofart

動画はこちらから!

profile

Tadatomo Oshima 
大島 忠智

インテリアブランド、IDÉEのディレクター。宮崎県出身。大学卒業後、1998年にIDÉE入社。飲食マネージャー、広報、バイヤー・商品企画・開発を経て、現在はブランドのディレクションを担当している。インタビューウェブマガジン「LIFECYCLING」と音楽レーベル「IDÉE Records」の企画・運営にも携わる。また、無印良品のギャラリー「ATELIER MUJI」で企画展示も手掛けている。公私共に親交の深い染色家、柚木沙弥郎さんとの「草の根運動」を綴った書籍「柚木沙弥郎 Tomorrow」も出版。

フードディレクターの浅本充さんが推薦! 地元・神戸の知る人ぞ知るフードカルチャー4選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

今回はフードディレクターの浅本充さんが登場。地元・神戸にある、知る人ぞ知るフードカルチャーを教えていただきました。

古い理髪店をリノベーションした〈DORCIA〉

同い年の友人が経営する喫茶店〈DORCIA〉。古い理髪店をリノベーションしていて、神戸のまちに馴染んだかっこいいお店です。クラシックなクロックムッシュやコーヒー、カフェオレを飲みながらゆったりと過ごせます。きっとこれからの神戸のまちのスタンダードになっていくであろうスポットです。

information

map

DORCIA

住所:兵庫県神戸市中央区旭通3-1-29

Instagram:dorsia_kobe

幼少期からの思い出の味〈フロインドリーブ〉

コーヒーとパンが好きだった家系なこともあり、浅本家では、毎朝挽きたてのコーヒーとパンが定番。〈フロインドリーブ〉のドイツ系のパンが食卓に出てくる日は嬉しかったことを覚えています。香ばしいソフトグラハムやライの食パンがおすすめです。教会をリノベーションした建物の2階には喫茶店があり、シャンデリアとステンドグラスが印象的。ここで食べられるサンドイッチとコーヒーは、浅本家の最高の贅沢です。

information

map

フロインドリーブ

住所:兵庫県神戸市中央区生田町4-6-15

Instagram:ghb.freundlieb

今の仕事につながるきっかけの場所〈エビアンコーヒー〉

祖父が大好きだった神戸の本町にあるコーヒー屋さん〈エビアンコーヒー〉。小学生の頃からカウンター席に座って、サイフォンで淹れるコーヒーの不思議な所作と、魔法のように上がっては落ちるドリップを見てワクワクしていました。

朝早く起きて、カウンター席でサイフォンを見ながら、マスターとの軽い会話を交わし、どんどん訪れる常連と一緒に過ごす時間は、神戸の喫茶文化の歴史とリテラシーを感じられます。今の僕の仕事に繋がる、大きなインスピレーション・ソースとなっています。

information

map

エビアンコーヒー

住所:兵庫県神戸市中央区元町通1-7-2

Instagram:kobe_evian

まるでパリにいるような〈アリアンスグラフィック〉

大好きな海岸ビルヂングという建物の中にあるカフェ〈アリアンスグラフィック〉は、ウディ・アレンの映画『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)の世界へ迷い込んだような錯覚になるほど、1900年代初頭のパリを感じられる場所。コーヒーを飲みながら本を読んだり、書き物をしながら過ごしています。「フランス人に教えてもらったカレー」という、ユニークな名前の美味しいフードメニューもあり、大好きな場所のひとつです。

information

map

アリアンスグラフィック

住所:兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5

Instagram:alliance_graphique

動画はこちらから!

profile

Makoto Asamoto
浅本 充

株式会社unite代表代表取締役。兵庫県出身。都内のレストランで従事したのち、BROOKLYNに渡米。2009年株式会社ユニテを設立。帰国後は「自由が丘ベイクショップ」をディレクション。
現在は、様々な企業の飲食部門やライフスタイルのコンサルティングに参加。最近の主なワークスとしてSATURDAYS NYC、agnes b、GAP、MARNI、LACOSTEなどのカフェなどがある。

〈界 別府〉の館内に広がる温泉街。 夜にはネオンが灯り、夜店が並ぶ

にぎやかな夜市と、静かな部屋と。 そのギャップが〈界 別府〉のおもしろさ

〈界 別府〉のパブリックスペースは、まるで温泉街だった。海を眺める足湯があり、少し光量を落とした石畳の小径があり、庭園を通って向かう大浴場があった。そして「温泉街」らしく、夜になると表情が一変する。かつて別府港が開港した当時の賑やかさをイメージして、夜店が並び、ラボと呼ばれるスペースにはネオンが灯る。和紙の提灯が窓に映って延々と続いているように見える中、スマートボールや型抜きと言った懐かしい遊びに興じていると、「湯治ジャグバンド」が始まる。

星野リゾートの温泉旅館〈界〉ブランドでは、それぞれの湯治場の文化を体験する「ご当地楽」があり、別府ではスタッフが湯桶を叩いてリズムを取りながら演奏している。多くの宿泊客が楽しむその賑やかさと部屋に戻った際の静けさとの対比が、〈界 別府〉が提唱する「ドラマティック温泉街」の本当の意味かもしれない。

視線と同じ高さの水平線から、 別府湾の雄大さを感じる

窓の下部を床面に合わせているその部屋は、まるで海と繋がっているようだった。水平線が立ったまま海を眺める視線と同じ高さにある。その不思議さに引き込まれるように、海をただ見つめてしまう。風が吹いてわずかに波が立ち、雲が動いていることがわかる。雨が降ってきたのだろうか。遠くで雲と海がつながっている。

夕食では、その海の恵みが桶に乗って運ばれてきた。太刀魚、サワラ、鯛など旬の魚のお造りに始まり、伊勢海老や蛤、ふぐの入った海鮮豊後鍋へと続く。最後の締めとして大分の郷土料理である「りゅうきゅう」をご飯に乗せ、魚介の出汁に椎茸まで重なったスープをかけて出汁茶漬けのようにしていただく。「りゅうきゅう」は、アジやサバなどの切り身を醤油やみりん、胡麻などのタレに漬ける漁師料理のこと。その複雑な旨味は、じっくりと体に染みて、海と山に挟まれた別府の豊かさそのままだと思った。

翌朝、日の出と共に起きて、東を向いたピクチャーウィンドウから海を眺める。まだ仄暗い海は深い青をしていて、明るくなると共に少しずつ時間が動き始めるようだった。日常生活にはない感覚。階下のロビーで現代湯治体操に参加し、今度は自分の体を目覚めさせていく。そして、一泊二日の滞在中、何度目かになる湯に足を浸ける。炭酸水素塩泉の湯は、入るほどに肌を柔らかく、滑らかにしてくれる。

海からの風は爽やかで、頭は冴えたまま足元からじんわりと体が温まっていく。朗らかな気持ちで海を眺めながら、この気持ちよさと解放感が「現代湯治」なのかもしれないと思った。

〈界 別府〉宿泊券が当たるプレゼントキャンペーンを実施

〈界 別府〉の宿泊券が当たるプレゼントキャンペーンを実施中。

colocal公式Instagramアカウント(@colocal_jp)と界公式Instagramアカウント(@hoshinoresorts.kai )をフォロー&キャンペーン投稿に「いいね」した方から抽選で1名様に宿泊券をプレゼント。
※コメントにて虹の絵文字を送っていただくと当選確率がUPします。

応募期間は2025/06/24〜2025/07/08まで。
詳しくはcolocalのInstagramをご確認ください。
@colocal_jp

__________________________________⁠
【賞品】星野リゾートの温泉旅館〈界 別府〉
抽選で1名様に宿泊券が当たります。
・2名1室(1泊2食付き)
・部屋タイプ:星野リゾート指定

【宿泊期間】2025年8月1日~2026年1月31日 ※除外日あり
__________________________________⁠

information

map

KAI Beppu 
界 別府

住所:大分県別府市北浜2-14-29

TEL:050-3134-8092(界予約センター)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaibeppu/

〈界 別府〉から足を伸ばして。 100年の歳月を越えて、 街に溶け込むモダニズム建築

経年変化の美しい、藍色のタイル

1928年に竣工した別府市公会堂には、階段をのぼった前面に背の高い扉があり、その上に同じ幅で上部だけが丸くなった窓がある。ほとんどシンメトリーの構造は、建築に威厳を付与するようで、街のシンボルを作ろうとした建築家の意気込みさえ感じられる。2016年に改修工事を終え、朽ち果てそうだった外観も建設当時を模した美しいタイル張りに生まれ変わっている。

建物前面の階段は、内部にまで続いていた。正面玄関は二階部分に相当している。改装前には会議室として使われていたというほど広い空間は、切り返しになった上部の白壁はきれいに塗り直されていたが、下部のタイルは当時のものが残されていた。藍色とも紺色ともつかないランダムな色味のタイルに、丸みのある窓からの光が差し込んでいる。影になった部分は濃く、色が揃って見える。四角形のタイルが均等に貼られているが、冷たさは感じられず、むしろ小さな歪みは、不揃いな印象よりもやわらかさを生み出している。

別府市公会堂の外観。階段を上って玄関がある、劇場らしい設え。

別府市公会堂の外観。階段を上って玄関がある、劇場らしい設え。

別府市公会堂を設計したのは、東京中央郵便局や大宮御所の設計担当として知られる吉田鉄郎だった。日本のモダニズム建築の第一人者として知られる吉田は、日本の建築や庭園に精通した人物でもあった。戦後ドイツで出版され、その評判のために逆輸入する形で日本語に訳された『日本の建築』(著・吉田鉄郎、訳・薬師寺厚、註解・伊藤ていじ)の序言に、吉田の建築に対する思いが簡潔に記されている。

「真によい建築の名に値する建築は、必ずその環境に適合し、両者の間の調和した結びつきが、その美しさを完全に発揮する」(『日本の建築』より)

 
竣工当時のパノラマ写真が、一階に展示されていた。モノクロームながら、山から海まで続く緩やかなスロープの途中に別府市公会堂が建っていることが、はっきりとわかる。その傾斜を利用して階段をのぼって玄関に入り、ホールへとつながる構造が作られたのだろう。周囲にビルはなく、当時は階段をのぼれば、海まで見晴るかすことができたかもしれない。確かめるために屋上に出た。今では周囲の建物に阻まれて、海を眺めることはできないが、振り返ると山稜と緑青色の屋根が重なっているように見えた。屋根の上に突き出した窓や構造物が、山の形と呼応しているよう。当時の写真では目立つ存在だったとがわかるが、100年を経た今では街に溶け込み、それが適切な大きさだったことがわかる。
別府の街は、山を背負い、海を向いている。その緩やかな斜面沿いに、人々は暮らしている。

別府温泉街

山の裾野から湯煙が湧き立つ別府温泉街。

モダニズム建築でフラダンス、 眩しい光はハワイのようで

屋根の上にはところどころに仏塔のような形をした石が乗っていたり、タイルが◯×模様になっていたり、モダニズムと言いながらも、単に機能美だけを追求したわけではない遊びが随所に施されている。

屋上から階段を降りてくる途中、外側から見れば上部が丸くなった窓のある部屋から、賑やかな声が聞こえていた。どうやらその時間は、フラダンスのグループが借りていたらしい。腰に巻いたハワイアンの鮮やかな布は、建物のトーンとは違和感があったが、窓からの眩しい光にはとても似合っていた。何よりモダニズム建築の重要な遺産が、日常的に使われていることに感動してしまった。

別府市内には吉田が設計した建築がもう一つ遺されている。別府市公会堂と同年に建てられた「旧別府郵便電話局電話分室」も「レンガホール」という名で親しまれており、観光協会の事務所など、現役で使われている。その周辺にはおそらく戦後すぐに建てられたと思われるトタン貼りの長屋が続く小道があった。近代は層になって積み重なり、別府にはその歴史のモザイクが建築という形で見てとれる。

公会堂にあったパノラマ写真のように、街全体を撮影したいと山側に向かい、展望台から海を眺めた。突然降り出した雨が急に止み、光が一瞬射したかと思ったら、また雲があらわれて降り始めた。目まぐるしく変わる天気と別府湾に突き出たダイアモンドヘッドのような高崎山。もしかしたら、別府とハワイは似ているのかもしれない。

別府の風景

位置関係は反対だが、ワイキキにとってのダイアモンドヘッドのように、別府には高崎山がある。

information

map

KAI Beppu 
界 別府

住所:大分県別府市北浜2-14-29

TEL:050-3134-8092(界予約センター)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaibeppu/

どんだば、めじゃー、かふーしろー!吉本芸人・ありんくりんが挑戦する、 北海道・東北地方の方言

SNSでの総再生100万回(2025年6月時点)を超える、コロカルの人気動画企画、ありんくりんの方言講座。
今回は、北海道、青森県、宮城県のよしもと住みます芸人から挑戦状が届きました。ぜひ一緒に方言クイズ、イントネーション講座、早口言葉にチャレンジしてみてくださいね!

北海道の方言クイズ

北海道住みます芸人のコロネケン束田さん、華花クラッツ たいようさん、オジョーさんからの挑戦状!

・はんかくさい(バカらしい)
・あめってるわ(腐ってるわ)
・かふーしろー(ありがとう)
・おだつ(調子に乗る、ふざける)

津軽弁のイントネーション講座

青森県住みます芸人の北野ごぼうさんがレクチャー!

・どんだば(どうなってるの)
・んだびょん(そうだと思う)
・したばって(だけど)
・わいは(わあ!)
・めじゃー(美味しい)

宮城県の早口言葉

宮城県住みます芸人のゆずさんからの挑戦状!

「ぬがづぬずぅぬぬづ、ぬづようび」(2月22日日曜日)

profile

ありんくりん

沖縄県出身、2014年に、ひがりゅうたとクリスで結成。コンビ名は方言で「あれもこれも」。『お笑いバイアスロン2018』(琉球朝日放送)優勝。『新春!Oh笑い O-1グランプリ』(沖縄テレビ)2019年、2020年、2022年優勝。現在冠ラジオ『ありんくりんのヨーガクナイト』(RBC琉球放送)、「友近ありんくりんのい~あんべぇ」(沖縄テレビ)に出演中。

Instagram

ひがりゅうた:https://www.instagram.com/arinkrin.higa710/?hl=ja

クリス:https://www.instagram.com/chris_arinkrin/

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC-JBOEI9NRCis8p_han0xww

銀座ロオジエ アシスタントヘッド ソムリエの松本有佑子さんが推薦! 地元・福岡県北九州市の 思い出の味3選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめ3スポットを紹介してもらう本企画。

資生堂が経営するフレンチレストラン銀座ロオジエ アシスタントヘッドソムリエの松本有佑子さんに、地元・福岡県北九州市で思い出の味を厳選してもらいました。

地元の穴場名店〈永目〉

地元の穴場名店〈永目〉

地元にいる時から、家族でずっとお世話になっています。地元の野菜をふんだんに使っていて、最高のお肉をコース仕立てで出していただけるお店で、誕生日にはいつも行っています。大将は福山雅治似の爽やかイケメンで、地元の社長さん、お医者さんなどグルメな人で知らない人はいない、穴場名店になりつつあります!

information

map

永目nagame

住所:北九州市小倉北区鍛冶町1-1-14

Instagram:https://www.instagram.com/nagame_irori29/

改札内にわざわざ入って食べたい〈ぷらっとぴっと7・8番ホーム〉

改札内にわざわざ入って食べたい〈ぷらっとぴっと7・8番ホーム〉

小倉駅の改札内にあるんですが、電車に乗らないのにわざわざ食べに行くくらいお気に入りのお店です。ねぎと甘いかしわがたっぷりとのっていて、北九州らしい甘めの出汁との相性が抜群。とっても美味しいので、ぜひ食べに行ってほしいです。

information

map

北九州駅弁当かしわうどん ぷらっとぴっと7・8番ホーム

住所:北九州市小倉北区浅野1-1-1 JR小倉駅7・8 ホーム

Instagram:https://www.instagram.com/kitakyu.ekiben1891/

ボリューミーなサンドイッチが食べられる〈OCM〉

ボリューミーなサンドイッチが食べられる〈OCM〉

ここは私の両親が高校生の頃から行っていた老舗。リーズナブルな価格帯なのにボリューミーで、好きな具材を選べるアメリカンなサンドイッチ屋さんです。パンは小倉では一番有名な〈しろや〉のものを使っていてふわっふわ。テイクアウトもできておすすめです。

information

map

OCM

住所:福岡県北九州市小倉北区船場町3-6

Instagram:https://www.instagram.com/sandwichfactoryocm/

動画はこちらから!

profile

Yuko Matsumoto 
松本有佑子

福岡県北九州市出身のソムリエ。新卒でウェディング・レストラン事業の会社に就職後、ソムリエの資格を取得。その後、東京・渋谷のフレンチレストラン〈モノリス〉を経て、「ミシュランガイド東京 2025」にてミシュラン3つ星を獲得したフレンチレストラン〈SÉZANNE〉へ。現在は、日本を代表するグランメゾン〈L'Osier〉のアシスタントヘッドソムリエとして活躍中。

銅像から紐解く偉人伝。 破天荒だけど、多くの人に愛された 高知出身の植物学者・牧野富太郎

日本各地に点在する銅像のモデルとなった人物を紐解く本企画。
今回ご紹介するのは、〈高知県立牧野植物園〉内にある牧野富太郎の全身像です。植物学者・牧野富太郎の功績と人柄とともに、おすすめしたい植物園の楽しみ方について広報課の橋本 渉さんに話を聞きました。

愛すべき「日本の植物分類学の父」

「高知県中西部に位置する佐川町で生まれた牧野富太郎は、植物を愛し、多くの新種を発見し命名した、『日本の植物分類学の父』と言われる学者です。

2023年に放映された連続テレビ小説『らんまん』で、神木隆之介さんが演じた主人公のモデルとなった人物として彼を知った方も多いかもしれません。

私生活では、裕福な家の一人息子として生まれ、幼少期に父、母、祖父を亡くすも、祖母に甘やかされて育ちました。破天荒な性格で、研究に打ち込むあまり1億円以上の借金を抱えたことも。」

自叙伝にある、借金地獄を公表すると支援者が現れた話や、恋愛結婚した妻・壽衛(すえ)に苦労をかけた様子からも、その破天荒さが窺えます。

「一方で、ひたむきに研究する姿勢と明るい人柄で多くの人々に愛されました。博士が写っている写真を見ると、いつも植物とともに本当に幸せそうな表情をしています」

背広姿、手にはキノコ、足元には生い茂る草。銅像から見る牧野博士

「牧野植物園は開園後、園地の拡大やリニューアルを繰り返しています。現在、園内には3つの牧野富太郎像があり、最も大きな全身像は南園エリアにあります。

もともと全身像が建った当時、その周辺には芝生が広がっていました。遠足やピクニックに来た人たちは銅像の周りにシートを広げ、思い思いに楽しんでいたそうです。

開園から40年が経った1999年以降、植物園の敷地が広がるにつれてシンボルとなるものも増えていきましたが、その40年間は牧野植物園のシンボルと言えば芝生に佇む牧野富太郎像だったと思います。

現在、南園には〈50周年記念庭園〉があり、銅像の位置はそのまま、辺りを樹木が囲み、木製デッキの観察路が整備されています。観察路では、小川とともに季節によってアジサイやモミジの仲間が楽しめます」

「全身像の牧野博士は背広を着て、手にはキノコを持ち、足元には草が生い茂っています。実はこの姿は、牧野博士のスタイルを反映しているんです。

牧野博士は植物調査の時にはスーツを着て出かけていました。愛する植物に対して敬意を表しているとも捉えられるかもしれませんね。正装で泥だらけになるのが牧野博士でした。

手にしているのは柄の長さが特徴のカラカサタケというキノコです。さらに、学者というと研究室にこもるイメージがあるかもしれませんが、牧野博士は野山に分け入って行き、人々に植物のことを伝えることに尽力した人物でした。足元の草は、そんな博士の生き方を表しています」

訪れるたび、異なる景色を楽しめる植物園

「そんな牧野富太郎の銅像がある〈高知県立牧野植物園〉は、彼を慕う市民たちの声に応じる形で1958年に開館しました。日本で唯一の人名を冠した植物園で、牧野博士ゆかりの植物や、博士を育んだ地元の野生植物、3000種類以上に出会える場となっています」

色鮮やかな熱帯花木からサボテン類など乾燥地の植物まで集まった〈温室〉、果樹や野菜、ハーブを含む植物を五感で感じられる〈ふむふむ広場〉、鉢植えや博士ゆかりのハーブティーセットが手に入るショップなど、カジュアルに楽しめるスポットもたくさん。

愛好家の皆さんは、植物図などの貴重な資料の数々も要チェックです。

博士が描いたコオロギランの植物図(高知県立牧野植物園所蔵)

博士が描いたコオロギランの植物図(高知県立牧野植物園所蔵)

「植物園は、季節ごとに違った植物に出会える場所かつ、植物の成長に伴って来園する度に新しい景色に出会うことができる場所です。

自由に散策できるよう、順路はないので、自然のなかに飛び込んだ感覚で楽しんでもらえるのではないでしょうか。解説ラベルには博士とその植物にまつわるエピソードが書いてあるので、読みながらぜひお気に入りの植物を見つけてください」

information

map

高知県立牧野植物園

住所:高知県高知市五台山4200−6

電話番号:088-882-2601

Web:https://www.makino.or.jp/

瀬戸内海の小さな島、豊島にニューオープン。“島の素材が主役”のファクトリー〈Teshima Factory〉

瀬戸内海に位置する豊島(てしま)は、香川県や岡山県からフェリーに乗って40分ほどで到着できる、人口700人ほどの小さな島。

この島に、食堂、ブルワリーなどを併設した複合施設〈Teshima Factory(てしまファクトリー)〉がオープンした。

株式会社アミューズの「瀬戸内プロジェクト」の一環から生まれた。

プロジェクトを担当する佐藤大地さんは、豊島に赴任したばかりの頃の印象をこう語る。

「幻想的な豊島美術館や、瀬戸内海や棚田の風景を眺めながらゆったりとした時間が流れる豊島に感動しました。その一方で、これまでの都市部の生活では日常に当たり前にあった、スーパーや飲食店、コーヒーショップといった食の選択肢がないことを実感し、途方に暮れたんです」

島の暮らしや豊島の住民の日常に入らせてもらう中で、日常の生活のために、田んぼや畑を耕し、魚を捕りに行くことを知る。畑や海と近い距離で生活している様子に衝撃を受けたという佐藤さんは、〈Teshima Factory〉を、豊島に訪れる人たちが普段感じられない自然との距離を味わえる、豊島に住む人にとっては日常の彩りの一つとなる場を目指すことにした。

使用した建物は、かつて島でよく採れて重宝されてきた「豊島石」を加工する石材会社から鉄工所へと変遷したもの。ただ解体して新たなものを作るのではなく、長い間、島の風景にあった姿を残すことも意識した。そこで、建物の意味やストーリーを捉えたリノベーションを多く手掛けてきた、スキーマ建築計画代表の長坂常氏に設計を依頼。豊島で出た廃材を使用して家具を作るなど、建物にも島の素材を使用した。

また、〈Teshima Factory〉で醸造しているオリジナルのクラフトビール「Lull Beer(ルルビール)」は、豊島の穏やかな時間の流れ方をイメージしたもの。訪れたら絶対に味わってみてほしい。

豊島の穏やかさ、豊かさをイメージした香りのいい「ルルビールIPA」と、農作業のあとなど、汗をかいた後に爽やかにすっきりとした「ルルビールピルスナー」の2種類を用意

豊島の穏やかさ、豊かさをイメージした香りのいい「ルルビール IPA」と、農作業のあとなど、汗をかいた後に爽やかにすっきりとした「ルルビール ピルスナー」の2種類を用意

「来島者や豊島の方々が建物内や広場のあちらこちらに溜まりながら、空間や会話、食やビール、風景を楽しんでいただける場所としていきたいです」

今後は島でとれた食材を使用したビールやドライフルーツも製造し、島の外にも発信していく場所としても活用したいそう。

次の旅先にぜひ豊島を選んで、ゆったりと過ごしてみてはいかがだろうか。

information

map

Teshima Factory 

住所:香川県小豆郡土庄町豊島家浦889

定休日:毎週火曜日

営業時間:9:00〜19:00(ラストオーダー18:00)

Instagram:https://www.instagram.com/teshimafactory/

〈界 雲仙〉から足を伸ばして。 西洋とぶつかった証としての十字架 地獄と海の間で、平和を祈る像

西洋と「ぶつかった」時代、 その印としての十字架。

その日の雲仙地獄は、硫黄ガスの噴煙だけでなく、濃霧で煙っていた。

幻想的な白い空気をかき分けるようにして坂を登っていくと、切れ目から十字架が見える。順路から少し外れた窪みにある十字架の脇には、殉教者の名前が記された碑があった。寺社でするように手を合わせるべきなのか、それとも両手の指を組んで頭を垂れるべきなのか、わからずにただジッと目を瞑った。

日本で初めて国立公園に指定され、訪れる人のために舗装された土地はかつて、キリシタンたちを迫害し、過酷な拷問や処刑を行った場所だった。「地獄」という呼び名は、単にその風景から来るものではなく、当時の記憶を留めたものらしい。

「キリシタン時代にわれわれが興味を持つのは、日本人が初めて西洋とぶつかった時代だからである。西洋と四つに組んだ時代だからである。日本人はその時、キリスト教というもっとも我々には縁遠い、距離のある、しかも激烈な宗教の風をまともに顔に受けたわけであり、そのためにあれだけ多くの殉教者と背教者が出、おびただしい血がそこに流れたとも言えるのだ」(『日本紀行 遠藤周作文庫』より)

『沈黙』など、キリシタンたちの深い苦悩を描いた遠藤周作は、こう記している。
「キリシタン時代」とは、南蛮貿易と共にキリスト教が長崎で広く受け入れられ、しかし豊臣秀吉のバテレン追放令と共に弾圧された、戦国時代から江戸時代にかけて指すのだろう。島原半島において、その時代の跡を辿ろうと思ったら、十字架の掲げられた土地を探せばいい。まるで西洋との軋轢の証のように、十字架が立っている。

原城跡に立つ十字架と、八分咲きの桜、祈りを捧げる天草四郎像。

原城跡に立つ十字架と、八分咲きの桜、祈りを捧げる天草四郎像。

田園風景に十字架や平和のための像。 長崎の不思議さに惹かれる。

雲仙から一気に山道を降りて、その軋轢がもっとも凄まじかった原城跡へと向かう。

崩された石垣には草が生え、周囲の段々畑と相まって、牧歌的な空気さえ流れている。だが、原城跡はかつて、およそ3万7千人もの農民やキリシタンが蜂起し、12万4千もの幕府軍と戦った場所である。まだ16歳だった天草四郎を総大将とした「島原の乱」の跡地。整地された地形だけが城跡として残されていて、その遺構の中を歩いていく。ここに3万人を越える農民が立て篭もり、兵糧攻めにあったのかと、想像すらできない苦悩を思いながら登っていくと、やはり十字架があった。その脇には風で倒されてしまっていたが、椰子科の植物が植えられていて、南国風情を感じさせる。その横では桜がチラホラと咲き始めていて、遠藤周作が言うように、文化の「ぶつかった」先にある風景なのかもしれない。

桜と十字架というシンボリックなものが並ぶ姿に、長崎という土地の奥深さを知る。

原城跡は、一方は雲仙へと至る山裾が広がっていて、残り三方は海に囲まれている。

南島原出身の彫刻家・北村西望が手がけた天草四郎像は、両手の指を組んで立っていた。侍のような姿で腰には刀を差し、頭には鉢巻を巻いている。胸には十字架が架けられていた。本当にこんな姿だったの? と思ってしまう。目を瞑っているのに、遠くを見つめているように見えるのは、それが祈りを捧げる姿だからだろうか。どこか仏像のようでもあって、やはり文化と宗教の不思議さを思った。

原城を見下ろす場所にある。北村西望作「平和祈念像」。

原城を見下ろす場所にある。北村西望作「平和祈念像」。

もう一度、その山裾を登り直して北村西望公園へ訪れた。

生家がそのまま記念館となり、庭は公園となって、作品が点在している。その中に、長崎平和記念公園に置かれている「平和祈念像」とサイズ違いの彫刻があった。右手は天を指差し、左手を大地と水平に伸ばしている。やはり目は瞑っている。原爆の悲劇を起こさぬよう、鎮魂の意味を込めて作られた作品だが、「地獄」と「原城跡」の中間地点にあるその像は、少し違う意味を帯びているように思えた。

information

map

KAI Unzen 
界 雲仙

住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙321

TEL:050-3134-8092(界予約センター)

Web:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiunzen/

〈界 雲仙〉湯気に煙る土地・雲仙で、文化の融合に浸る。

生きている湯に浸り、 長崎の多彩さを堪能する

雲仙国立公園内にある〈界 雲仙〉は、湯気や噴気に包まれていた。

標高およそ700mから湧き出した水蒸気は空に登って、雲となっていく。だから長崎は雨が多いのかもしれない。「雲仙地獄」と呼ばれる剥き出しの硫黄山のエネルギーは、その地に身を浸すほど、深く感じられる。その最たるものが、温泉だろう。源泉掛け流しの「酸性含鉄単純温泉」は、その日の気温などによって湯の色が変わるという。

白濁したり赤みを帯びたり、透明になったりと、まさしく生きている湯。

江戸時代には、オランダ人医師のシーボルトらによって紹介されたため、その特別な環境に引き寄せられるように海外からも客が訪れ、籠に乗って山を登り、長期滞在する場所だったという。長崎は、輸出入の玄関口であり、文化が交わる先端的な土地だった。

〈界〉では、「温泉いろは」という名で、その地の温泉に紐づいた歴史や泉質についての小さな講義がある。〈界 雲仙〉では、タペストリーを使って。

〈界〉では、「温泉いろは」という名で、その地の温泉に紐づいた歴史や泉質についての小さな講義がある。〈界 雲仙〉では、タペストリーを使って。

土地の文化を体験する「ご当地楽」では、活版印刷で好きな文字を拾って、実際に刷ることができる。日本に初めて活版印刷機が持ち込まれたのも、長崎だった。
キリシタン大名によってローマに派遣された天正遣欧使節が持ち帰った「グーテンベルグ印刷機」で、キリスト教布教のために書物「キリシタン版」を刷ったという。

奇しくも雲仙地獄は、その後に苛烈なキリシタン弾圧の場にもなってしまう。幾層にも重なり合った歴史を紐解きながら、思いを馳せることが〈界 雲仙〉を旅する理由となるかもしれない。

長崎の文化を凝縮して、 味わうことができる。

「和華蘭」という3つの文化の融合がテーマになっているという。

温泉の内風呂には、オランダから伝わった硝子工芸であるステンドグラスが光を映し、レストランの席をゆるやかに区切っているのは中国格子だ。
ライブラリーの壁には、一度は途絶えてしまったものの地元の文化として復活された「島原木綿」がタペストリーのように配されていた。

幻の反物とも評される青の縦縞が特徴的な木綿織に手を触れられるところは、〈界 雲仙〉の他にないらしい。

そして「文化の融合」という意味において、もっとも豊かな表現となっているのが食だろう。

先付けでは、地元の「湯せんぺい」の下に、「豚角煮」のリエットが隠されている。中華由来の料理である豚角煮をフランス料理のリエットに仕立て、雲仙を代表する菓子である湯せんぺいと共に食べる。文化の融合は見事に果たされて、あご出汁しゃぶしゃぶの締めの五島うどんまで導かれてしまう。

土地の豊かさはやはり、食に表れる。良きものは、少しずつ形を変えながら、ずっと残されていく。

〈界 雲仙〉宿泊券が当たるプレゼントキャンペーンを実施

〈界 雲仙〉の宿泊券が当たるプレゼントキャンペーンを実施中。

colocal公式Instagramアカウント(@colocal_jp)と界公式Instagramアカウント(@hoshinoresorts.kai )をフォロー&キャンペーン投稿に「いいね」した方から抽選で1名様に宿泊券をプレゼント。
※コメントにて葉っぱの絵文字を送っていただくと当選確率がUPします。

応募期間は2025/05/23〜2025/06/06まで。
詳しくはcolocalのInstagramをご確認ください。
@colocal_jp

__________________________________⁠
【賞品】星野リゾートの温泉旅館〈界 雲仙〉
抽選で1名様に宿泊券が当たります。
・2名1室(1泊2食付き)
・部屋タイプ:星野リゾート指定

【宿泊期間】2025年7月1日~2025年12月31日 ※除外日あり
__________________________________⁠

information

map

KAI Unzen 
界 雲仙

住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙321

TEL:050-3134-8092(界予約センター)

Web:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiunzen/

ブランディングディレクター福田春美さんが推薦! 地元・北海道札幌市で心がゆるむスポット5選

日本やグローバルで活躍するナビゲーターにご登場いただき、地元や別荘などの拠点がある土地のおすすめスポットを紹介してもらう本企画。

今回はブランディングディレクター福田春美さんが登場。
緊張感のある東京から地元に帰ったときに、ホッと一息つける心と胃袋が緩むスポットをセレクトしていただきました。

実家近くのパワースポット〈北海道神宮〉

実家の近くにあって、小さいころからよく行っていました。山道がすごく長くて、自然も多く、さささっとリスが木々の隙間を走っていることもあります。そこに立つ大きな木々たちが放つ神聖な空気に満ち溢れ、内地にはない大らかなパワースポットです。そして北海道神宮内にある〈六花亭〉でしか食べられない「判官さま」というおまんじゅうが温かくておいしくて最高です。

information

map

北海道神宮

住所:札幌市中央区宮ヶ丘474

Instagram:https://www.instagram.com/hokkaidojingu/

札幌といえば欠かせない!〈六花亭 札幌本店〉

“北海道人のまごころ”のような存在である老舗の〈六花亭〉。事前予約が必要な「おやつやさん」という特別なお菓子や、ポイント貯めて交換できる特別なクリスマスケーキがあったり。小さい頃からわくわくをいつも提供してくれる場所です。ちなみに〈六花亭〉の包み紙の花柄は、坂本龍馬の末裔の坂本直行さんが描いています。

information

map

六花亭 札幌本店

住所:札幌市中央区北4条西6丁目3-3

Instagram:https://www.instagram.com/rokkatei.official/

世界観にうっとり、心地のいいスポット〈GRIS〉

札幌市の狸小路の外れにある〈GRIS〉。東京から来る方からも地元の方からもとても愛されています。ここに来ないと感じられない〈GRIS〉の空気感と美しい器たちに、シェフ・小野シロキさんが作るその時々の食材の食感と味、りえこさんがサーブする景色は見入ってしまいます。すごく心地いい場所です。

information

map

GRIS

住所:札幌市中央区南2条西8-5-4 FABcafe4F

Instagram:https://www.instagram.com/gris.4f/

霊園と公園が一体化した〈真駒内霊園〉

家族のお墓もある〈真駒内霊園〉。私が小さい頃は普通の霊園だったのに、10年ほど前から巨大モアイ像や、大仏がすっぽりと納められた安藤忠雄さん設計の「頭大仏殿」が作られていてびっくりしました。ちょっと不思議な世界観なので、ここに寄ってみるのも楽しいと思います。

information

map

真駒内霊園

住所:札幌市南区滝野2

Instagram:https://www.instagram.com/takinoreien_official/

札幌で愛されるローカルスーパー〈フーズバラエティすぎはら〉

〈北海道神宮〉から少しいったところにある、札幌で愛されるローカルなスーパーマーケット。昔ながらの店構えで、商品のセレクトも多種多様なのが特徴で、全国のシェフたちも通っているそうです。Netflixのオリジナルドラマ『First Love 初恋』のロケ先にもなったお店。

information

map

フーズバラエティすぎはら

住所:札幌市中央区宮の森1条9-3-13

Instagram:https://www.instagram.com/foods_variety_sugihara/

動画はこちらから!

profile

Harumi Fukuda 
福田春美

北海道札幌市出身のブランディングディレクター。セレクトショップ〈WR〉のディレクターを経て、2007年から3年半パリで暮らす。現在はCM制作や企業のブランディング、ローカルの町づくりなど、多方面で活躍する。

Instagram:https://www.instagram.com/haruhamiru/?hl=ja

やーにんじゅ、にーぶい、うきみそーちー!吉本芸人・ありんくりんと学ぶ、 口に出してみると楽しい沖縄の方言

SNSでの総再生50万回(2025年5月時点)!コロカルの人気動画企画、ありんくりんの方言講座。
ありんくりんの地元・沖縄県の方言を学べる3本の動画を紹介します。沖縄県に行く前にぜひ覚えてみてくださいね!

方言クイズ

・うきみそーちー(おはようございます)
・やーにんじゅ(家族)
・がちまやー(食いしん坊)
・にーぶい(眠い)
・あがり・いり・ふぇー・にし(東西南北)
・ぶとぅとぅー(おととい)

イントネーション講座

・まかちょーけー!(任せて)
・ちゃーがんじゅうねー(元気にしてた?)
・あちさかまらさー(暑い)
・ぬーやいびーが?(なんですか?)
・んじゅぬちんよ、けーしまるやいびんど(あなたの洋服反対だよ)

早口言葉

①やーわーのことやーやーいうけど
わーもやーのことやーやーいわんからやーもわーのことやーやーいうなやー
(おまえは僕のこと、おまえおまえ言うけど
僕はおまえのこと、おまえおまえと言わないから
おまえも僕のこと、おまえおまえと言わないで)

②ちゃたんぬ ちゃーうやーとぅ たんちゃぬ ちゃーうやーが ちゃーうてぃ あっちゅたん
(北谷のお茶売りと谷茶のお茶売りがお茶を売って歩いていた。)

profile

ありんくりん

沖縄県出身、2014年に、ひがりゅうたとクリスで結成。コンビ名は方言で「あれもこれも」。『お笑いバイアスロン2018』(琉球朝日放送)優勝。『新春!Oh笑い O-1グランプリ』(沖縄テレビ)2019年、2020年、2022年優勝。現在冠ラジオ『ありんくりんのヨーガクナイト』(RBC琉球放送)、「友近ありんくりんのい~あんべぇ」(沖縄テレビ)に出演中。

Instagram

ひがりゅうた:https://www.instagram.com/arinkrin.higa710/?hl=ja

クリス:https://www.instagram.com/chris_arinkrin/

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC-JBOEI9NRCis8p_han0xww