作家・せきしろの旅コラム 「郷愁を誘う、冬晴れの富山吟行」

商店街を抜け、海の方へと歩く。海沿いを歩きながら「そうかこの海も富山の人の原風景なのか」と思う。遠くに見えていた観覧車が少しずつ近づいてくる。いよいよ〈真珠コーナー〉だと思った時、突如発祥の地が現れた。その名も『米騒動発祥の地』だ。

米騒動発祥の地

私は発祥の地を見るとテンションが上がる。ただ、発祥の地を目掛けて旅に出ることはなく、いつも偶然に身を任せている。前回は『うーめん発祥の地』で、その前は『名古屋コーチン発祥の地』に出会った。さらにその前は『じぇじぇじぇ発祥の地』。ちなみにうーめんとは宮城県白石市の食べ物であり、そうめんの一種である。

米騒動発祥の地

米騒動。その言葉は知っている。教科書で見た記憶がある。しかし詳しいことはわからない。ファミコンソフトの『いっき』しか頭に浮かんでこないがそれはきっと違うはずだ。
近くの公園には米俵のモニュメントがあった。冬のせいかコンパクトな米俵の形と色が際立っていて愛おしくさえなった。米俵越しに海も見える。この景色はここでしか見ることができない。
公園には誰かが作った雪だるまがあった。そういえばここまで人とすれ違っていないことに気づいた。いや、そんなことはないか。しかし記憶がない。ふと、雪だるまに人を感じた。

公園の雪だるま

冬の空見て冬の汗を拭く
知らぬ雪だるまの明日を知らぬ

text

せきしろ Sekishiro

Recommend 注目のコンテンツ

Special 関連サイト

What's New 最新記事