毎週末、鹿児島へ。分刻みで人に会いまくる!
2019年の今年、10周年を迎えた
〈GOOD NEIGHBORS JAMBOREE(グッドネイバーズ・ジャンボリー)〉を
始めるまでのストーリー。前回の連載では場所を見つけるまでをお話しました。
まずはどうなるかわからないけれど、
南九州市川辺町(かわなべちょう)の森の中にある廃校でイベントをやってみよう。
そう思い立ったはいいものの、打ち合わせでその場所に行くだけでも大変です。
当時も今も、僕は首都圏に暮らし東京中心に仕事をしています。
鹿児島を離れてから20年以上経っており、
生まれ育ちが鹿児島というだけで完全によそもの。
東京での仕事の合間を縫って、
なんとか週末に時間をつくって毎月鹿児島に行くという生活が始まりました。

美しい朝焼けの桜島。
とにかく時間がないので、
鹿児島に着くとそこから分刻みで夜中までアポを入れて協力してくれそうな人、
おもしろいことをしていそうな人を紹介してもらっては会いに行くという日々。
この頃、雑誌『relax』の元編集長の岡本仁さんも、
〈ランドスケープ・プロダクツ〉の中原慎一郎君の案内で
鹿児島をめぐりながらブログを書いていました。
中原くんと一緒に岡本さんを案内していた鹿児島の人たちが、
僕もあちこち連れて行ってくれることになりました。
このときに出会って仲良くなった友人たちは、
今でもグッドネイバーズ・ジャンボリーの実行委員として活動してくれています。

ブログがきっかけになってできた『BE A GOOD NEIGHBOR〜ぼくの鹿児島案内』(岡本仁 著)。
そんななかで紹介されて訪れた場所のひとつが、
鹿児島市にある知的障がい者支援施設〈しょうぶ学園〉でした。
この施設は障がいのある方々と一緒にアートやクラフトを制作する活動に取り組んでいて、
園内にギャラリーがあるという話は聞いていました。
実は僕の家系は社会福祉法人を営んでいて障がい者施設も運営していたので、
利用者が趣味で画を描いたり陶芸をしたりという活動には馴染みがありました。
逆にそういうことを知っていたせいで、
当時の僕は障がいのある人たちのアートと言われても、
正直、趣味程度のものとしか思っておらず、
ピンときていなかったというのが正直なところでした。
友人の案内がなかったら自分ではそのとき、足を運んでいなかったかもしれません。

美術館のような〈しょうぶ学園〉。
ところが園を訪れてみると、
広々とした公園のような敷地にすてきなデザインの工房や居住施設があって
居心地のよさそうなカフェまであり、
とてもそれまで思い描いていた旧態依然とした「障がい者施設」などではありませんでした。
園内を見せてもらいながら
趣味のレベルなどはるかに超えた圧倒的な作品の数々に見入っていると、
ギャラリーに民族楽器を使った現代音楽のような音楽が
うっすらと流れていることに気がつきました。
気になってこれは誰の演奏かと職員に尋ねたところ、
園の利用者さんが演奏しているものだと教えてくれました。
僕が相当に興味を示したこともあって、
あとで施設の方がその演奏をおさめたDVDを送ってくれました。
その映像を見た瞬間、
そのユニークすぎる音楽とパフォーマンスにあらためて衝撃を受けました。
何度も何度もそのDVDを見返しながら、
熱病にかかったような勢いで企画書を書いて
次の鹿児島滞在のときにしょうぶ学園の園長に会いに行きました。
会いに行ったというより一方的に押しかけたというほうが正しかったと思います。
まだイベントのタイトルすらも決まっていませんでしたが、
考えていることをとにかく必死で伝え、聞いてもらいました。
その頃のしょうぶ学園は外でチケット代をとるようなイベントで
音楽の披露をしたことはほとんどなく、
鹿児島の森の中でフェスティバルを開催したいという僕の話も
半信半疑だったと思うのですが、僕の異常な勢いになにかを感じてくれたのか、
なんとか出演してもらえることになりました。
それがこの10年間、
毎年グッドネイバーズ・ジャンボリーでトリを務めてくれている
パフォーマンスバンド〈otto&orabu〉です。

〈otto&orabu〉によるライブ。













































































