吹けば飛んじゃう?極小芸術! 黄門さまや干支をコメに描いた 水戸工芸「米粒人形」

小さい小さい米粒をつかった、表現豊かな「米粒人形」。
茨城県常陸太田市の故 高橋都山さんが
昭和20年代に考案したそうです。

米粒人形のヒントとなったのは
TVドラマでおなじみの黄門さまこと、徳川光圀が建てた
久昌寺の僧侶が、「南無妙法蓮華経」と書いた
お米を参拝者に配ったという故事から。
今は2代目の岡崎ゆき子さんがその技を受け継ぎ
わずか5ミリの米粒に、大名行列や十二支などの
愛らしい表情を描き入れています。

台紙に糊付けしているので、吹いても飛びません!

使われるお米もまた茨城県でとれた白米。
作業工程は綺麗な形をした米粒を選ぶところから始まります。
狐の柔らかい毛筆を使いひと粒ひと粒、肉眼で見ながら丁寧に。

岡崎さんはひと粒に10本もの線を入れられるとか。ただ塗りつぶすだけでも集中力使いそうなのに…!

大きい芸術品を目の当たりにすると興奮しますが、
このような極小芸術にもまた日本人の繊細さが伝わり感動を覚えます。
水戸といえば納豆ですが、その納豆の美味しさを引き立てるお米を使った
工芸品もあったんですね!

観光いばらき

ニューズドプロジェクト Part2 : アップサイクルの理念が生み出す、 新しいビジネスの価値。

仕事を生み出す廃材プロダクトの好サイクル。

廃材に付加価値をつけて新しい商品として蘇らせているニューズドプロジェクト。
その生産やパッケージングなどの多くを、
千葉県木更津市にあるNPO法人、地域作業所hanaに発注している。
hanaは障がい者が通いながらさまざまなことに従事する作業所で、
農作業や天然素材によるオリジナル石けんづくり、
フェアトレードショップの接客、製菓作業、メール便の配達などを行っている。
ひとを仕事に当てはめるのではなく、
利用者の職能に合わせた仕事づくりを目指しているので、
必然的に仕事の項目が多くなっている。

このhanaでは英字新聞によるエコバッグ=Newspaper bagを製作していた。
これをニューズドプロジェクトがアースデイで販売してみたところ、
3日間で1000枚が完売。
さらに東京デザイナーズウィーク2010で
オフィシャルバッグに、と提案したところ採用され、1万枚を製作した。

「Newspaper letter set」

Newspaper bagと同様につくられるNewspaper letter set。

これらのやりとりを通して、hanaとの関係性を深め、
仕事をどんどん発注することになった。

「hanaで作業してもらうには、という考えは常にあります」という
ニューズドプロジェクトの青山雄二さん。

「利用者の仕事が生まれるように配慮して
お仕事を発注してくれるのがうれしいです」と答えてくれたのは
hanaの指導員である初芝小百合さん。

青山雄二さんと初芝小百合さん

ニューズドプロジェクトの青山雄二さん(左)と地域作業所hanaの指導員である初芝小百合さん(右)。

アクリルのピアスを留める台紙は、すべてhanaの利用者による手作業だ。
英字新聞を1枚1枚切って、ラミネートに包み、
ピアスを設置するための穴をキリで開け、シールを貼る。
工場に発注してしまえば、きっと簡単に何百枚もできてしまうことだろう。
しかし、hanaでは手作業だ。hanaでの仕事が増えるならと、
積極的にこのような作業をニューズドプロジェクトは生み出し、発注する。

作業所には、バンダナを丁寧にたたんでいるひとがいる、
ボールペンに金具を取り付けているひとがいる、
ネイルチップにジェルコーティングしているひともいる。
作業内容は多岐にわたるようだ。

新聞バッグのマチを製作中

新聞バッグのマチを製作中。写真が上部にくるように工夫して新聞をカットしている。

愛する人といつも一緒に。 甲府の職人さんが手作業でつくる 天然石の位牌「星牌(せいはい)」

天国に行ってしまった大事なひとと、
いつも一緒にいたい。そんな想いを叶える、
携帯型の位牌「星牌」シリーズ。
東京都中央区に本社をもつ葬儀社〈まなか〉が開発した天然石の携帯型位牌です。
天然石の携帯型位牌です。
「暗い」「高価」というイメージを払拭して、
新しい仏具のかたちを模索しているまなかさん。
ピンククオーツやアベンチュリン、水晶などの
天然石でできた位牌たちは、手に持つとしっくりと馴染みます。

位牌をつつむ袋も特製。

この絶妙な持ち具合は、天然石に精通する伝統工芸士が
ひとつひとつ手づくりで仕上げているから。
手掛けている職人さんは、山梨県甲府市の〈詫間宝石彫刻〉二代目である
託間悦二(たくまえつじ)さん。

託間悦二さん

天然石の位牌が生まれたきっかけは、
お客さんの要望から。故人と一緒に旅行したいという
願いを叶えるため、持ち歩ける位牌であること、
さらに手で削ること、手頃な価格という条件をも満たす
プロダクトになるまでに、約1年かかったのだそう。
まなかさんのオンラインショップにて販売中です。

星牌(せいはい)

ムーミンと佐賀の有田焼がコラボ。 幽玄の世界がうかびあがる 「moomin × amabro SOMETSUKE」

これまで接点がなかったあるものを、
組み合わせてみたら意外にも相性バツグンだった!
そんなうれしいコラボが、佐賀県有田町の有田焼と、
北欧のキャラクター「ムーミン」で生まれました。
ムーミンの世界観を有田焼の染付で表現した絵皿、
「moomin × amabro(ムーミン×アマブロ)
SOMETSUKE」です。

アマブロは、アーティストの
村上周(むらかみ あまね)さんを主体に、
「表現の再構築」というコンセプトのもと、
ものづくりを行っているブランド。

SOMETSUKEにおいては、
有田焼の最も古い伝統技法の
ひとつ「呉須(ごす)」を用い、
手作業でひとつひとつ染め付けしています。
呉須とは、酸化コバルトを主成分とした、
伝統的なコバルトブルーの絵付け。最初期の
有田焼から使われている歴史ある技法です。

ひとり、こっちを見ているこがいますね!

繊細な藍色で描かれたムーミンのキャラクターたちは、
まるで昔から日本画の世界に彼らがいたかのよう。
新しくも懐かしい、幽玄の世界観が魅力的です。
amabro online storeにて発売中です。

MOOMIN×amabro SOMETSUKE

木工芸 笹原

家具のまちで培った技術が繊細な独楽をつくり出す

木の家具の産地として名高い北海道旭川市。
北海道のほぼ中央に位置する旭川には、
広大な北海道の豊富な木材を扱う事業所も多く集まっていた。
と、同時に高い技術を持った職人が多く輩出してきた。
そのなかのひとつ、「木工芸 笹原」を訪ねた。

先代が1970年に創業し、この地に40年以上工房を構えている。
北海道産の木材がほとんどで、手づくりにこだわる工房だ。
最初は家具の下請けとして、持ち手やつまみなどさまざまなものを製作。
そのうち、先代の高い技術は、木の壷やコブ工芸のものを得意とした。

木工芸笹原の工房の外観。

「こぶ」とは、木の根元がふくれてこぶのように突起している木材をさす。
岩肌など厳しい気候条件にさらされながら、数十年あるいは数百年以上かけてできる部分だ。
板に製材すると、変わった杢目模様があらわれるのが特徴。
自然が生み出した杢目により、美しい工芸品が生まれる。
しかし、このコブ材はとても硬く、刃物が折れてしまうほどだという。
加工するには高い技術を必要とする。

志賀さんの作業場。この左隣に先代の作業場がある。

「先代はコブ材の加工技術がかなり得意だったんですよ」
と教えてくれたのは、現社長の志賀 潔さん。
「俺は、その技術を見て覚えるのみだよ。
先代のおやじは一切教えないひと。それが勉強なんだよね。
最初に、刃物の持ち方だけは教えてもらって。あとは見て覚える。
だからこの作業場は、ふたり並ぶつくりになっているでしょ。
隣で作業するおやじの技術を見ながらつくっていました」

さらに旭川では、家具工房で修業したあとは独立する人も多く、
先代も佐藤工芸という家具工房から独り立ちしたひとり。
近くには兄弟弟子たちもたくさん工房を構えていた。
「仕事で新しい注文が入ったりすると、聞きにいったりね。
みんな教えてくれたよ。俺やおやじが教えられることは教えたし、
そんな風にして、みんなで上達していったんじゃないかな。
でもね、絶対みんな同じものはつくらない。
似たようなものにはなるけどね(笑)。ひと工夫するんです」
そうやって、旭川の家具は発展していったのかもしれない。

ろくろ引きという方法で、角材から独楽を削り出していく志賀さん。

せっかく仕入れた国産の木材。
どうしても出てしまう端材を利用できないかと生まれたのが、木の独楽。
得意としていたコブ工芸の材料が減少し始めたときだった。
すると、想像以上のお客さんの好反応。注文も年々増えていったという。
特に志賀さんは、細かい加工技術を得意としていたので、
独楽づくりに磨きをかけていった。

木の種類によって、いろもさまざま。ちなみに、独楽が入っている器がコブ材でつくられたもの。

独楽とひとえに言っても、日本だけでも「江戸独楽」「京ごま」など、
地域によってさまざまなかたちがある。
さらに、イタリアやヨーロッパでもつくられているというから、
技術さえあれば、コマのデザインは無限大に広がる。
デザインだけなら、100種類以上つくったことがあるという志賀さん。
ほとんどは、お客さんからの要望をかたちにしていった結果、
自然に増えていったという。
今はできるだけ、5種類に絞って製作しているそう。
「昔は、1日最大で60個くらいつくれたこともあったけど、
今は1日20個が限界かなぁ(苦笑)」

ろくろ引きで独楽をつくっていく。志賀さんは「3種の工具があれば、つくれちゃうんだよ」と言う。

近年は海外でも販売されているほど人気の志賀さんの木の独楽。
おもむろに乾燥させていたカバの角材を取り出し、
志賀さんは、実際につくるところをみせてくれた。
角材がはまるよう、先代がオリジナルでつくったというろくろ。
まずは、角材をはめ、ろくろをまわし、別名バイトとも呼ばれる、
平のみや丸バイトをあてながら、コマのかたちに削っていく。

かたちができてきたと思ったら、細かい切り込みを入れていく志賀さん。
「ちょっと、失敗かもな」とつぶやきながらも、
独楽はみるみるうちにできあがっていく。
すると、独楽の軸に「輪っか」ができ上がっていた!
なんて細やかな技術だろう。少しでも力を入れ間違えたら、
削り落としてしまいそうなくらいコマは小さい。
ひとつのコマを削るのは、ものの5分くらいだ。

特別につくってもらった「4連の独楽」、「だんご独楽」と、超ミニチュア独楽。

軸が中心にこないと独楽は回らない。
この小さなサイズのなかで、中心をぶらさずに削っていく。
さらに、北海道ならではの立地を生かし、
志賀さんがつくる独楽はカバ、ナラ、イチイ、エンジュ、埋れ木など、
種類も豊富。木の種類によっても、硬さは異なってくる。
ひとつのデザインだけなら「やる気があれば、すぐにつくれるようになりますよ」
と志賀さんは軽く話すが
「木の種類や特性をつかむまでは、何年もかかりますね」とも話す。
長い時間をかけて木と向き合ってきたからこそなせる技なのだ。

もちろん機械でつくれば効率よくたくさんの量をつくれるが、
それは、先代も志賀さんもそれは選んでこなかった。
「それだと、ノコ跡がついたり、持ったときの感触もちがう。
だから、俺は鉋で削って、ペーパーで磨く。
お客さんはうちのそういったものづくりを求めてるのかなって思う。
それに、おやじから教えてもらったこの技術。
わたしが生きている間だけでもそれを守りたいって思うんです」
と話す志賀さん。旭川で育まれた知恵と技術が
この小さな独楽に込められていることを教えてもらった。

information


map

木工芸 笹原

住所 北海道旭川市永山10条4-3-2
電話 0166-48-4770

information

別冊コロカルでは、「木工芸 笹原」の独楽を扱っている旭川と東川にあるショップ「Less」を取材しています!→こちらからどうぞ。

ニューズドプロジェクト Part1 : リサイクルではない廃材利用、 “アップサイクル”の考え方とは?

廃材利用はものへの愛情を育む。

廃材を材料にして、新たなプロダクトをつくりだしている
NPO法人ニューズドプロジェクト。
きっかけは、母体の会社である「ケンエレファント」が、
障がい者が働く福祉施設を見学するツアーに参加したことだ。
障がい者の労働環境は、
“5000円で仕入れた材料を、バザーで5000円以下で売る”というような状況で、
1か月の給料が全国平均1万円程度。
その状況に対する疑問からスタートした活動だ。

もともとケンエレファントは、
ペットボトルなどに付いてくるノベルティを製作していた会社。
それらのものづくりのノウハウを生かして、
福祉の現場で廃材を使ったものづくりをしてみようと思い立った。

「廃材は自然と集まってきます」というのは、
ニューズドプロジェクトの青山雄二さん。
現在ではアミタホールディングスという環境コンサル会社と業務提携し、
廃材のデータを共有しているが、
“廃材を使ってほしい”というオファーが結構多いという。

「どの企業も廃材をリサイクルする努力をしています。
リサイクルは粉々にして原料に戻しますが、
もともとの素材が持つ特性が強い廃材もあります。
例えば、堅い木材とか、燃えない布とか。
材料自体に思い入れのある企業からオファーがくることが多いです」

自分たちの情熱がこもった材料だけに、
その特性を生かした活用法を見出したいという思い。
だからオファーがあると、デザイナーなどとともに、現場の見学に行く。
廃材だけを見るのではなく、
生産プロセスや産業構造や業界のスタンスなども勉強するという。

「それを確認しないと、僕たちがどういうものに落とし込んでいくべきか、
最終的なかたちが見えないのです」

例えば、あるテント生地。
東京ドームにも使われている生地で、ガラス繊維に企業秘密の特殊加工を施し、
さらにテフロンコーティングがされている。
発明されて30年。屋外で使用しても100年以上腐食しないという。
東京ドームの屋根が一度も張り替えられていないことからもわかるように、
いまだ現役だ。
そんな生地を使った「Heavy Folder/Heavy File」。
建物を守ってきた、燃えない強い素材。
次は大切な書類を守る役目を与えられた。

「minna」のデザインによる書類フォルダとファイル

デザインユニット「minna」のデザインによる書類フォルダとファイル。耐水性も高い。

例えばある木琴だった木材。当然、堅くていい音がする。
木琴として音を奏でられなくなったので、次はキッチンで音を奏でさせたい。
そしてワインオープナー「Pon」と栓抜き「Pusyu」が誕生した。

ワインオープナー「Pon」

キッチンで音を奏でるというナイスアイデア。楽譜のリピート記号が刻印されていて、何度でも使ってしまいそう。デザイナーは馬渕晃。

「After school-hanger」は、学校で座っていたイスの背板を利用したハンガー。
背板だったころから、みんな上着をかけていたことだろう。
その記憶をハンガーとしてつないだ。

MUTEのデザインによるハンガー

MUTEのデザインによるハンガー。背板のRをうまく利用している。

かわいい顔した卵?! いえ、へその緒入れです。 心なごんで実用的、 群馬「卯三郎こけし」

全国一の生産量を誇る創作こけしの産地、群馬県。
昭和25年からこけしの製造をしている「卯三郎こけし」では、
自由で新しいデザイン、しかも実用性のあるこけしが作られています。

中でも私が一番気になったのがこちらの卵のような見た目のこけし。
底のふたを取ると中がくり抜かれており、
へその緒や乳歯を入れることができます。
つるんとした見た目が可愛らしくてたまりません!
その表情と木のぬくもりが心をなごませてくれて、
出産のお祝いにピッタリですね。

バリエーション豊かな卯三郎こけし。まんまるサンタや干支こけしも可愛い

ペン立てや印鑑入れや楊枝入れ、七味入れなんかもあります。
ただ置いておくだけでも可愛いのに、
その工夫が嬉しいですよね。

昔ながらの形のものから、洋風、キャラクターものまで色々

卯三郎こけしは海外でも人気だそうで
ヨーロッパを中心に、世界18カ国に輸出しているそうです。
ぜひ一度、その幅広いラインナップを見てみてください!

卯三郎こけし

卯三郎こけし商品一覧

どれだけ知ってる? 日本がNo.1のすご技製品たち 「THE 世界一展 ~極める日本! モノづくり~」

新幹線が初めて作られたのは日本。
日清食品の「カップヌードル」やソニーの「ウォークマン」も、
日本が世界に衝撃を与えた、革新的な製品のひとつです。

そんな日本が誇る高精細・高品質な技術や製品を200点以上、
1300年前から現代へとたどりながら紹介する
「THE 世界一展~極める日本!モノづくり~」が
お台場にある日本科学未来館にて開催されます。

手術針やバネといった部品の小型化技術。
その逆に、世界一の高さを誇る電波塔スカイツリーを作った
ダイナミックな設計技術。(支柱の実物大の展示アリ!)
はたまた、私もよくお世話になっている回転寿司のコンベアや、
イカを釣るロボットといった
日本独特のユーモアのある製品が並びます。

音楽を携帯できるようになり、世界的に大ヒットしたウォークマン(R)

また、会期中には職人さんによるモノづくり体験イベント、
ソチ五輪期間には競技やスポーツウェアの中に隠された
日本の技術を紹介するイベントなども予定されています。

伊勢神宮の式年遷宮から宇宙開発に至るまで。
古代の日本人が生み出し、
受け継いできた世界一のモノづくり力と発想力。
驚きと共に日本人であることが誇りに思えてくる、
そんな粋な企画展をお見逃し無く!

開催期間:2013年12月7日(土)~2014年5月6日(火・祝)

休館日:火曜日(ただし、祝日と春・冬休み期間中は開館)、
年末年始(12/28~1/1)

入場料:大人 1,000円、18歳以下300円 / 団体(8名以上)大人800円、18歳以下240円

※常設展示入場可

※6歳以下の未就学児は無料

※障がい者手帳所持者は当人および付き添い者1名まで無料

日本科学未来館

不便だからこそ楽しい! 京都大学生協で販売された 目盛りが素数だけの 「素数ものさし」

効率化が追求され、どんどん便利になる近代社会。
道具や機械は「便利」になることを目指して
作られることがほとんどですが、便利さだけを追求
するあまりに失われている感覚があるのではないでしょうか?!

京都大学の「不便益システム研究所」は、
そんな「不便さ」から得られる「利益」を考える研究所。彼らが作った「素数ものさし」は、
目盛りのセンチに2、3、5、7、11、13、17の素数だけが書き込まれているもの。
なにかのサイズを図ろうとしても、素数しか書かれていないのでものすごーく使いづらい!
でもそこがいいんです。

素材は昔なつかしい竹製。価格も素数の577円で、
今年の春に京都大学の生活協同組合(生協)にて販売されて話題を呼びました。
実際に活躍する場所は少ないかもしれませんが、
手許にあると、数字の神秘について考えさせてくれそうです。

不便益システム研究所では「ビブリオバトル」など
おもしろい研究・活動を行っておられます。
気になる方はぜひWebサイトをチェックしてみてください!

不便益システム研究所

ログイン株式会社×佐藤阿波藍製造所×本藍染矢野工場 Part2: 600年の伝統の本藍染で染める ジャパンブルーのコラボレーション。

本藍の勝負パンツを目指して

青は藍より出でて藍より青し。
藍からうまれる青はその工程の複雑さをへて、
もとの植物の藍をしのぐ鮮やかな青へと深化する

鎌倉時代には、武士が一番濃い藍染を「かちいろ(勝色)」と称した。

究極の「勝負パンツ」を作りたいという
ログイン株式会社の野木社長に連れられ、
コロカル取材班は、藍染めの本場、板野郡藍住町へとむかった。

佐藤阿波藍製造所 十九代目藍師 佐藤昭人さんが
製造する「藍づくり」の作業場を訪れた。

藍染の布

藍は、使うほどに色が深みを増す。明治23年、日本を訪れたラフカディオ・ハーンをして「この国日本は、神秘なブルーに満ちた国」と言わしめた。いつしかそれが「ジャパンブルー」と呼ばれるようになる。

佐藤さんは徳島県特産の染料、藍づくりの伝統を守り続けている藍師。
阿波徳島で十八代続く藍師の家に生まれ、
10歳の頃から祖父に藍づくりの手ほどきを受け、 
江戸時代から続く「すくも」の製法と天然灰汁醗酵建てという
日本古来の染色技法を継承した人物だ。

現在、「阿波藍遺産と製造技術」の無形文化財の指定を受け、
600年続く伝統の製法で藍染めの原料を作っている。
国が指定する卓越技術者「現代の名工」のひとりだ。

取材に伺った11月初旬、夏の間に刈り取った藍葉を、
寝床と呼ばれる倉庫で発酵させていた。
藍の染料である「すくも」をつくるため、
天日で乾燥させた藍の葉に水をかけて発酵させる作業である。

佐藤昭人さん

佐藤阿波藍製造所 十九代目藍師 佐藤昭人さん。「阿波藍の製造と手板法」の無形文化財の指定を受け、600年続くという伝統の製法で藍染めの原料をつくっている。国が指定する卓越技術者「現代の名工」のひとり。

ログイン株式会社 Part1: 究極の勝負パンツ「包帯パンツ」。

究極の男の勝負パンツ「包帯パンツ」

大阪生まれ53才の野木志郎さんは、
「包帯パンツ」の開発メーカーログイン株式会社社長だ。
日本で一番パンツにこだわる男と言われる。

「親父が大手下着メーカーの下請けを40年近くやっていたんや。
まあ下着屋の息子やな。パンツに囲まれて育ったんよ。
……女物の下着ばかりやったけど」

しかし、父の会社の後は継ぐ気がなかったという。
自分で起業して「なんかできへんかな」とずっと考えていた。

そんな野木社長の人生を変えたのは2002年。
ワールドカップ日本代表の稲本選手のゴールを見た瞬間だった。
日本を背負って戦うアスリートの姿にこころが震えたという。

「こいつらのパンツつくりたいなって思った」

究極の男の「勝負パンツ」をつくりたい。
下着屋の息子に生まれ、
本当につくりたいパンツをイメージした日。
独立起業を決めた瞬間だった。

包帯パンツ

アスリートが気持ちよく勝負に集中できるよう肌触りを追求した「包帯パンツ」。

究極の男の勝負パンツ

それからパンツの研究をはじめた。
毎日毎日パンツを買ってきて研究を重ねた。
海外出張に行っては海外のブランドのパンツも買いあさった。

「最初はどれを履いてもいいなあと、思うてたんやけど、
だんだん目が肥えてくる。敏感になってくる」

とくに汗をかいたときにその違いがわかるのだという。

ロサンゼルスのアウトレットで、あるブランドの高級パンツを買った。
それを履いてジョギングをしてみた。
すると最高の履き心地だったはずのパンツが最低の肌触りになった。

「汗を克服せなあかん」と、いろんな素材を集めた。
最初はメッシュ素材を試した。しかしメッシュはどれも合成繊維。
合成繊維こそ、汗をかいたらまとわりつく。
綿素材でメッシュはないか、と探したがなかった。
ならばつくってみようと思ったが、方法がわからない。

そんなとき野木社長の父が言ったひと言にヒントがあった。

鹿児島「さつまもの」の 魅力が詰まったクラフト展 「ash Satsuma Design & Craft Fair 06」 開催!

鹿児島の秋の恒例イベントとなっている
「ash Satsuma Design & Craft Fair」の第6回目が開催されます。

このフェアでは毎年、主に鹿児島を拠点に活動している
クラフト作家さんやデザイナーさんたちの作品を
県内にある魅力的なショップ、カフェ、ギャラリーなどで展示・販売しています。

手漉き和紙の制作を中心に鹿児島で活動しているTesuki paper works。右の桜島のポストカードがかわいいTesuki paper works

今年は32会場を舞台に約40組のクリエイターが参加。
作品ジャンルは生活雑貨、衣類、アクセサリー、
鉢植えの植物など、多岐にわたります。

鹿児島の街を散策しながら
暮らしを彩る作品たち、そして近年「さつまもの」として
全国から注目されているクリエイターたちに出会えるチャンスです。

鹿児島生まれのやまさき薫さんは手刷り体験ワークショップも開催。詳しくはこちらより

開催期間は2013年11月23日(土)から12月1日(日)まで。
また関連イベントとして、
23日(土)には
フードディレクター・有元くるみさんによるワークショップ&ライブ
ash meets PAPERSKY FOOD club【薩摩のうまいもん、めしあがれ!】

24日(日)には
ash サンデートークショーとして
第1部|鹿児島を面白くするお店たち
第2部|WE ARE NEIGHBORS 僕らの姉妹都市宣言1周年

そして最終日の1日(日)には参加作家・店舗の方々と
楽しむクロージングパーティライブが催されます。
薩摩魂をたっぷりと感じられるイベント、ぜひお楽しみください!

作品は県内に点在する魅力的なお店で展示。こちらはカフェを併設するギャラリーショップGOOD NEIGHBORS

詳しくは下記のWebサイトでご確認を。

ash Satsuma Design&Craft Fair06

長崎の 波佐見焼×シアタープロダクツ のコラボ!かわいらしくエレガント な「ポーセリン・ウェア」

長崎県のほぼ中央に位置するまち、波佐見町。
ここは長崎県内で唯一海に面していない、
四方をぐるりと山に囲まれた盆地。
400年の歴史を持つ焼き物「波佐見焼」が特産品なのです。
波佐見焼は、主に染付と青磁の陶器。
江戸後期には染付の生産量が日本一になったほど
栄えていたもので、いまも波佐見町には西九州最大級の陶磁器の
展示即売所があります。

この波佐見焼、ちかごろは若い世代に人気。
波佐見では元製陶所跡を改装したカフェや雑貨店、
地元の素材を使ったレストランなどがオープンし、
観光に訪れる人たちも増えてきているのだそう。

そんな波佐見焼の新しい波を象徴する
商品が、ファッションブランド、シアター・プロダクツとの
コラボレーションによる「ポーセリン・ウェア」。
地元の陶磁器メーカー協立陶器と
シアター・プロダクツのコラボレーションによる
シリーズで、2008年から始まりました。
今回ご紹介するのは、エレガントな白磁のシリーズです。

モチーフはファッションアイテム。
折りたたんだハンカチのプレート、
スープやジャムを入れるハット、バッグ型の花瓶など、
「シアタープロダクツ」のコンセプトである「劇場」のように、
お家が非日常の空間に生まれ変わってしまうことまちがいなし。

このハンカチプレートがただいま下記より購入可能です。
お値段は3,675 円(税込)となっております。
ケーキなどのスイーツをのせて、
楽しいティータイムをお過ごしください。

【コロカル商店×リンベル お取り寄せ&ギフト通販】ポーセリン・ウェア ハンカチプレート

触れる地球 Part2: 地球儀を通して、地球人をつくる。

地球をひとつの共感圏にしたい。

「触れる地球」をつくった京都造形芸術大学教授であり、
NPO法人Earth Literacy Program代表の竹村真一先生は、
学校や教育機関など、子どもたちがさわりやすい場所に設置したいという。
オーロラ、流氷、天気図、地球温暖化と、
さまざまな科学的事象をデータベース化して
「触れる地球」上に表示できるが、本当の目的をこう語る。

「こんな地球儀面白いでしょ、ということではなく、
このような地球儀ができる時代に、
なぜ子どもたちは単純な地図だけで勉強しているのか? ということを
疑問に思ってもらいたい」

「触れる地球」は、教育の現場でこそ
最大限のパフォーマンスを発揮するだろう。

「科学とか宇宙などの理系は好きですが、知識を与えて終わりの教育だし、
数値にしてわかったような気になっているだけなんです。
月までの距離が約38万キロといわれて、誰が実感できるのでしょうか。
直径1.28mの『触れる地球』では、
月はちょうど38m離れたところに浮かぶバスケットボール。
大気の層はたった1mm。
そんな薄いところで奇跡が起こっているんだという実感値にすれば、
理科離れも少なくなると思います。そういった橋渡しができればと思います」

科学はすごく面白い時代に突入しているという。
さまざまなことが解明されるようになってきた。
それは“既知の未知化”であるという。
科学はわからないことを解明することと思っているが、
逆に考えると、科学が発達するほど、
今まで常識的にわかっていたつもりのことが、
とても奇跡的で不思議な現象であることに気がつく。

「例えば、かつて地球には酸素がありませんでしたが、
植物の光合成で酸素が生まれ、
その酸素(O2)の一部がオゾン(O3)に変化してオゾン層ができ、
UVカット層が地球にできたおかげで
ようやく植物も動物も“上陸”できるようになって緑の地球になりました。
すべて生き物がつくったんです。
過去のエコロジストは“人間だけが地球を改造している”といいますが、
そうではなく、生物は常に地球を改造してきました。
素晴らしい地球を、人間とコラボして一緒につくってきたのです。
これはここ数十年でわかったことなので、世代によっては、
この地球が生物によってつくられたものであるということを知らず、
もともとあった当たり前のものと認識しています」

こうしたことがわかるようになるすごい時代だが、
それが一般社会に伝わっていない。
「ワンダーに満ちたこの世界を実感していきたい」という思いで、
「触れる地球」は生み出された。

竹村真一先生

ITを駆使して地球環境問題に取り組む竹村真一先生。

kvinaが東北を旅して 出会った、素敵なもの。 「Mi amas TOHOKU AL MARBORDA URBO」

東京で活動するアートユニット「kvina」による、
東北の旅をモチーフにした展覧会、
「Mi amas TOHOKU AL MARBORDA URBO 海辺の街へ en TOKIO 東京」が
本日より東京・渋谷のロゴスギャラリーで開催されています。

kvinaは、小林エリカ(作家・マンガ家)、田部井美奈 (グラフィックデザイナー)、
野川かさね(写真家)、前田ひさえ(イラストレーター)ら、
いまをときめく女性クリエイターによるクリエイティブユニット。

みなさん作品も素敵なら人柄も生き方も素敵で、
全国にファンがいらっしゃるクリエイター/アーティストさんたちです。

本プロジェクト「Mi amas TOHOKU 東北が好き」は、
そんな彼女たちと、仙台を拠点とする編集プロダクション「SHOE PRESs」が立ち上げたもの。
kvinaさんたちが東北各地を訪れて、東北への想いと絆を強める
プロジェクトです。昨年3月に渋谷パルコのロゴスギャラリーにて
行われた企画展の後、何度も東北を旅し、
さらに様々な人や場所と出会ってきました。

今回展示されるのは、三陸を含めた海辺のまちへの旅のこと。
この旅から生まれた写真、イラスト、映像、デザイン、
音楽などのアートワークの展示や、
ボーダーこけしグッズ、
気仙沼の「MAST帆布KESEN-NUMA」とのコラボレーションによる
トートバッグ&ポーチを販売します。

さらに、Mi amas TOHOKUで旅した
海辺の街で見つけた東北の美味しいものや、
東北で活動する作家の方の作品なども合わせてご紹介。

こちらは、山形で活動されているカワチ製菓(川地あや香)さん
の作品。川地さんは、スプーンや焼き印などの食にまつわる金属の道具
を自作し、その焼き印を手作りのお菓子に押すという
ユニークなアーティスト。お菓子はクッキーからグラノーラまであります。
自分焼印のご注文もうけたまわっているそうです。カワイイですね〜。
ほか、秋田の「暮らしの道具と紅茶 みつばち」さんのグッズも取り扱っています。

さらにさらに、渋谷にあるNidi galleryでは、
「旅するスノードーム Vojaĝante Neĝo-Kupolo」展を開催。
東北の旅先で出会った大好きな物たちをモチーフに、
kvinaが手作りした6つのスノードームです。
りんごはちみつの瓶に入った青森、とんぶりの瓶に入った秋田、
マーマレードジャムの瓶に入った岩手、
ブルーベリーシロップの瓶に入った宮城、
ラ・フランス シロップ漬けの瓶に入った山形、
桃シロップ漬けの瓶に入った福島、がご覧頂けます。
各展覧会の詳細は下記Webサイトにて。

Mi amas TOHOKU AL MARBORDA URBO 海辺の街へ  en TOKIO 東京

Nidi gallery 企画展「Mi amas TOHOKU 旅するスノードーム 展」

たわしや簾はどうやってできる? 日本のものづくり体験を オンライン購入 「REALJAPAN trip」

いまはいろいろなものがオンラインで販売されていますが、
日本の職人世界の体験もオンラインで購入が可能です。
それが、オンラインストア「REALJAPANtrip」(株式会社リアルジャパンプロジェクト)。
日本各地の職人さんのところで、本格的な
ものづくりをする体験をすることができるんです。

体験プログラムの対象はお一人様から
ご家族、ご夫婦、カップル、外国人の方まで、誰でも大丈夫。
このプロジェクトを通して、日本が誇るものづくりを世界に
発信したいという願いが込められています。
日本の高い技術力から生まれた伝統工芸が、
安価な海外製品に押されて影が薄くなるのはもったいないですから。

棕櫚たわしづくり体験/和歌山県【山本勝之助商店】

「REALJAPANtrip」では、ものづくりに必要な職人の技や心意気、ものができる背景も体験することができます。

例えば、東京都の田中製簾所さんで
のり巻き用の簾を作ったり、
山口県の萩ガラス工房で宙吹きガラス体験をしたり、
大阪府のKAKURAで手縫いレザー体験をしたり、
和歌山県の山本勝之助商店でたわしづくりを体験したり。

普段使っているたわしがどんな風に
作られているのか、これまでは
気に止めなかったかもしれません。
このような体験をすることで、
日ごろ使っている道具にも愛着が湧いてくるかも。

現在用意されているコースは11種類ほど。
2014年8月には100種類の体験コースが出来る予定とのことです。
詳細は下記Webサイトにて。

REALJAPANtrip

金入健雄さん

伝統工芸品から学ぶ、東北らしさ。

東北のものづくりを軸として、東北に根づいた「暮らし方」を見つめる視点として、
「東北STANDARD」と名付けられたwebサイトがある。
青森県の「裂織(さきおり)」、福島県の「会津張り子」、
岩手県のお祭り「けんか七夕」など、
東北で生まれ、伝えられてきたものづくりや祭りを、
自分たちの視点で見つめ、映像や写真などとともに発信するカルチャーサイトだ。

金入健雄さんは、このプロジェクトの代表を務める。
ちなみに彼は、青森県八戸市を拠点とする、
文房具や本などを扱っている会社「株式会社金入」の七代目、若き社長。
ライターや新聞記者など、メディアに携わっているわけではない彼が、
なぜこのようなプロジェクトを立ち上げることになったのか――
その背景を、金入さんに聞いてみた。

東北STANDARDには、写真や文章だけでなく動画でも現場の臨場感を伝えている。

大学を卒業後、文房具の老舗・伊東屋に勤めていた金入さん。
家業を継ぐために戻ってきた八戸で、
家業の流通事業の強みを生かし、新しく立ち上がった、
「八戸ポータルミュージアム はっち」内に設ける
ミュージアムショップ「カネイリミュージアムショップ」を手がけることになったのだ。

そこで、金入さんが考えたのは、地元青森の工芸品も一緒に販売すること。
「八戸で、東京と同じことをしても意味がないじゃないですか。
八戸に住む自分たちにしかできないものをやろうと考えた結果、
地元で続いてきた工芸品を、地元の人にも観光客にも知ってほしいと思ったんです。
地元の人が、地元の工芸品に触れられる場所って、意外と少ないんですよね」

それは、地元の工芸品を新しい視点で発信する機会となった。
続いて、せんだいメディアテーク内のミュージアムショップも手がけ、
取り扱う工芸品は、東北6県にまで広がっていった。
職人のところへ会いにいき、ひとつひとつ取り扱わせてもらうようお願いする。
扱う商品が増えていくのと同時に、
金入さん自身が、東北のものづくりについて話す機会も多くなっていく。
そのうち、こんな質問をされることが多くなったのだという。

“東北の良さって何ですか?”と。

「あるイベントで単刀直入に質問されたとき、うまく言葉にできなかったんです。
東北の良さって何だろうと、改めて考え始めました。
うまく言葉では置き換えられないけれど、何かがある。
その何かを包括的に伝えられるようなプロジェクトをしたいなと思い始めました。
そうしたら、東京でクリエイターをしている高校のときの先輩が、
同じようなことを考えていた。彼と言葉を交わしているうちに、
東北STANDARDが生まれていきました」

それは、東日本大震災が起こったことで特殊な状況に置かれてしまった、
東北のものづくりへの危機感も含まれていると金入さんは続ける。
「大手メーカーが復興支援として発注した何万個という需要に対して、
おみやげとして消費されるだけの工芸品と同じものづくりを繰り返していても、
それがまた終わってしまった5年後は、すっかり忘れられてしまう。
そうなる前に、東北の知恵や創意工夫はかっこいいんだと発信していきたいんです」

それが、東北スタンダード。
例えば、北欧のライフスタイルがインテリアのスタイルとして注目されるように、
東北にも似た何かがある。少なくとも、青森で生まれた“裂織”や“こぎん刺し”には、
南米などでは見られない素朴な美しさを放っている。
東北の工芸品をつくる職人たちを訪ね、そこに眠る風土やライフスタイルを知る。
それが、東北で生きる知恵や東北の誇りといったものを抽出するカギになり、
世界中の人々にとっても新鮮なライフスタイルに映るんじゃないか。

「そんなふうに10年後も勝負できるようなものが必要。
工芸家も食べていけて、自分のショップも成立していけるようなものを
発信していかなきゃいけないと思っているんです」

カネイリミュージアムショップが青森の裂織作家と一緒につくったオリジナルの裂織の文房具。左から筆入れ、カードケース、iPhoneケース。

カネイリオリジナルのプロダクトも、
そんな金入さんの熱い思いを体現するもののひとつ。
職人さんたちが考えていることを引き出しながら、
いまのスタイルに合わせた商品を一緒につくっていく。
ちなみに、青森の裂織作家の井上澄子さんとつくった、裂織の文房具は、
2013年グッドデザイン賞を受賞したという。

ミュージアムショップを立ち上げたことから始まった、東北の職人たちとの出会い。
いつのまにか、東北について考える日々が多くなった金入さんは、
少しずつ、少しずつ東北の良さを探し始めた ところ。
そんな彼を突き動かしているものは何なのか聞いてみると、
「僕がただ、楽しく八戸で生きていきたいだけなんです」と金入さんは笑う。

「東京のスピード感や物欲を持って、八戸では生きていけないですね。
だからと言って、ネガティブなことばかりでもないと思うんです。
ここには、取り替えがきかない文化があって、家族がいる。
だから、そんな人たちが、もうちょっと楽しくなれて、
自分のまちを誇りに思えるようなものを発信できないかなと思って。
身近な人が楽しめていないのに、活性化とかってなんか違うと思うんですよね。
世界の人に“東北ってかっこいいね”って
思ってもらえるようになれたら、とてもうれしいです」

information

TAKEO KANEIRI
金入健雄

1980年青森県生まれ。株式会社金入代表取締役社長、東北スタンダード株式会社代表。伊東屋を経て現職。せんだいメディアテーク、八戸ポータルミュージアムにてカネイリミュージアムショップ運営。アートデザイン・グッズと東北の工芸品のセレクトを通し東北の素敵な暮らしを発信している。
http://tohoku-standard.jp/

information

別冊コロカルでは、金入さんが手がけるミュージアムショップショップを紹介しています!
フフルルマガジン「別冊コロカル」

触れる地球 Part1: 新丸ビルで、地球の胎動に“触れる”。

実感として感じるための「小さな地球」。

東京駅近くにある新丸ビルのエコッツェリアには「触れる地球」がある。
1千万分の1スケール、直径1.28mほどの、見た目はまさに地球。
この縮尺だと大気の層はたった1mmしかなく、
太陽は丸の内から15km離れたディズニーランドに位置するということになる。

目の前に日本がある。
地球儀を回すように手で右にスライドしていくと、
中国、中東へとちゃんと回っていく。
手でさわって、感覚的に操作できる地球だ。

この地球儀を発案したのは京都造形芸術大学教授であり、
NPO法人Earth Literacy Programの竹村真一先生。
内側からプロジェクターで投影された地球には、
平面地図でのデータをセッティングすれば、
さまざまなコンテンツを表示することができる。
ほとんどのデータは専門家から提供してもらったもの。
ウェザーニュースやJAXAなど、無償に近いかたちでデータを提供してくれている。
現在、コンテンツはすべて合わせれば100程度あり、
まるで科学のショーケースだ。

竹村先生は「共感のネットワーク」と呼んでいる。
「こちらのクリエイティビティとしては、プラットフォームをつくっただけ。
そこにいろいろな経験資源や知恵や専門性といった
地球大のデータベースが流れ込むと、新しいものが生まれます」

例えば過去20年分の世界の地震データ。
地震が起こった場所を黄色くマークしていくと、
自然とプレートの境界が浮き上がってくる。日本列島はまっ黄色だ。

ザトウクジラにGPSをつけて観測したデータもある。
ハワイからアラスカへと移動する彼らは、餌とともに動くのだろう。
その仮説は、プランクトンの増殖地図と重ね合わせることで証明される。
ザトウクジラの動きと、ぴったり重なりあうのだ。

渡り鳥にGPSを付けて観測したデータでは、北極を飛び立った2羽の鳥が、
大西洋上のそれぞれ違うルートを経由しながら、
最終的に南極で落ちあうというロマンチックな旅をしていることがわかった。
もちろん餌を追い求めての行動であり、
これもプランクトンの増殖とマッチする。

「触れる地球」

新丸ビル・エコッツェリアにある「触れる地球」。

湖畔のまちで、 つくり手とつかい手をつなげる。 千葉県佐倉市の 「クラフトビレッジマーケット」

11月9日(土)、10日(日)の二日間に渡り、
千葉県佐倉市のレイクピアウスイにて、
「クラフトビレッジマーケット」が開催されます。
これは、つくり手とつかい手が“モノづくり”を
通してつながるマーケット。

佐倉市の地域プロデューサーを中心に、
地元出身の若手建築家や千葉大学院生も関わって、
ただのマーケットでは終わらない、
広がりのあるプロジェクトとなっています。

クラフトビレッジマーケットの会場イメージ

今回は、大きなテーブルスペースを参加作家さんでシェアし、
思い思いの作品を展示。対面販売ではなく隣同士で出会い、
会話が生まれるよう造られた「つながるテーブル」に、
木工、家具、革、お香、キャンドルなどのこだわりある
つくり手が集結し、作品を展示します。

会場デザインを手がけるのは、
佐倉市出身の建築家、山崎健太郎さん。
沖縄の琉球石灰岩を使った建築「糸満漁民食堂」などで
注目される若手建築家です。
お近くの方はぜひおでかけしてみてはいかがでしょう。

クラフトビレッジマーケット

コサイン Part2: 木を植える、育てる、使い切る。 未来につながる、 木工メーカーのアクション。

森をつくること、そして未来をつくること。

北海道旭川の木工メーカー、コサインのドレスラックは
20年売れ続けている商品だ。
シンプルで使いやすく、オイル仕上げなので木のぬくもりとやわらかさが
そのまま感じられる。
他にも、コサインの製品は、長く使って経年変化を楽しめそうなものばかり。
それらを生み出している工房を見学させてもらった。

工房で働くのは12人。120~130種類の製品をここでつくっている。
小ロット生産なので、
大規模な機械や最先端技術が導入されているわけではないが、
みんながコミュニケーションを取りやすい範囲にまとまっている。
まずは製材所から買ってきた木材から「木取り」する。
生産する製品に合わせて、できるだけ無駄が出ないように材料を選び
幅と長さを決めてカットしていく。
頭のなかで最終段階がイメージできてないといけない。
この段階で歩留まりが大きく変わってしまうからだ。

製材所から購入してきた木材

製材所から購入してきた木材。

木取り作業

まずは木取りの段階。木をよく見て、どこを使うか判断する。

その後の加工段階では、自動制御の機械を使うこともあるが、
手作業で行うことも多い。
すべて同じスピードで送っていけばいいというものでもない。
木はそれぞれ違うので、堅さや節、木目などに合わせて調整していく。
切られていく音や手の抵抗から判断する。
ここは人間の感性だ。

最終段階の仕上げはサンダーという機械などによるサンディング。
加工までは数値の世界だが、削るのはひとの手でしかできない。
特に3Dのアールのついたものなどは難しく、スキルの差が出るところだ。
作業を見ていると、ひとの手で削り込んでいく部分が
思ったよりも残っていることがわかる。
最終的には手間をかけて、手の感覚で仕上げるのだ。

手の感覚で削り込んでいく作業

手の感覚で削り込んでいく作業。

写真左から写真右の状態まで削り込んでいく。

最後は塗装。オイル塗装はなんと、軍手で塗っている。
作業性も高く、塗りやすいという。
オイル塗装のものであれば、購入後でも、自分でメンテナンスができる。
年に1回程度、専用オイルで磨くことで、
木の乾燥を防ぎ、風合いやツヤが増す。
こうすることで長持ちするのが、木工製品の特長だ。
手間をかけてあげれば、その分、応えてくれる。

「そもそも学校で本棚をつくったり、日曜大工で犬小屋をつくるなど、
木工は自分でできる工作として、慣れ親しんだものでした。
ものづくりしやすい材料だし、五感的にもその魅力を感じられますよね」
コサインの星 幸一社長は、こう語る。
私たち日本人は、木によるものづくりの感覚が、手に残っているはずだ。

コサイン Part1: 100年使える家具を目指して。

何世代も前の木材を、使い切らないわけにはいかない。

北海道・旭川は、岐阜の飛騨や福岡の大川に並ぶ家具の産地だ。
1890年、木挽場(製材所)がつくられ、
全国から家具職人が集まったのがきっかけとされる。
豊かな森林に囲まれ、ミズナラなどの良質な木材があった。
1949年には旭川家具事業協同組合(現・旭川家具工業協同組合)が設立され、
旭川家具はブランド化していった。
工房も含め、今でも100以上の家具関連のものづくり企業がある。

旭川家具は大型の収納家具を中心に栄えてきたが、
4名でスタートしたコサインは、
小さな木工製品をつくっているメーカーだ。
社長の星 幸一さんは、インテリアセンター(現カンディハウス)という
家具メーカーで職人として11年勤務し、
その後、北海道立の職業訓練校で技術指導員をしていた。
そして1988年にコサインを立ち上げる。
ペン立てやペンケース、スイッチカバーなどが最初の製品だ。
“収納家具”の産地である旭川においては異色の立ち上がりであった。

4種の木材

コサインが主に使用している4種の木材、メープル、ウォルナット、サクラ、ナラ。

大型の家具をつくっていると、端材が必然的に出てくる。
それらを集積材にして使用していたが、
なかなか使い切れずにたまる一方になってしまう。
そこで、それら端材を活用してつくれるもの=小さな木工製品をつくり始めた。

端材で製品をつくることはもちろん、木ならば、すべて使い切ることができる。
星社長は実用法を教えてくれた。
「おがくずも牛の敷きわらの代用品として利用しています。
それは糞尿と混ざって最終的には堆肥になります。
とがった屑などは冬の薪ストーブの燃料にしています。
その木の灰も肥料になります。まったく捨てるところがありませんね」
天然のものだから、すべて循環している。
産業廃棄物として出すことは少ない。

時計シリーズ

人気商品に時計シリーズ。中央のふたつ「オーバル」は2013年の新作だ。

星幸一社長

16歳で旭川に出てきた星 幸一社長。コサインは今年25周年だ。

熊本県の営業部長、くまモンが 熊本の伝統工芸とコラボ! カワイイゴザや木の葉猿が登場

キング・オブ・ゆるキャラとして君臨する熊本県の営業部長「くまモン」。
このたびBEAMSが展開する人気ショップ「ビーミング ライフストア by ビームス」と
コラボレーションした熊本県の伝統工芸のスペシャルグッズがお目見えしました。

こちらは、幸せを招く郷土玩具「木の葉猿」と
コラボした「言うモン聞くモン見るモン」。
木葉猿は千年以上前から災難除けなどの守り神とされて
親しまれているお人形です。お値段は5,250円。

ふたつ目は、全国の生産量の90%を占める日本一のイ草の名産地、
熊本県八代地方の生産者「イ草工芸オクダ」さんとコラボしたゴザです。
オクダさんは有機肥料を使ってイ草を栽培し、収穫したものを
昔ながらの技法でひとつひとつ丁寧に製品にしていくんです。
鮮やかなくまモンのゴザは3,150円。

3つ目は、熊本市東部でこだわりの家具を作る「木育工房」とのコラボ商品。
木育工房さんは、無垢材を使ったオーダー家具、オリジナル家具などを
一つ一つ手作りしているちいさな工房。
くまモンのシルエットを再現したり、くまモンの焼き印を入れたスツールができました。
お子様も喜びそうですね。こちらは12,600円となっています。

これらの商品は、11月1日(金)より
「くまモン×ビーミング ライフストア by ビームス 大物産展」
と題し、全国のビーミング ライフストア by ビームスで販売されます。
現場ではくまモンの出没もあるそう!

普通であればキャラクターの利用には料金がかかるところを、
「熊本県のPRにつながればOK」としてロイヤリティフリーにしたくまモン。
熊本とは関係ない商品でも、「熊本県産の材料を使っている」ならOKなんです。
その結果、たくさんのコラボ商品が作られるようになり、
熊本県のPRに繋がっているのが新しいですね。

熊本だモン!くまモン×B:MING LIFE STORE by BEAMS

今週末、多摩川に全国のつくり手 100組が集結!ものづくりの ビッグイベント「もみじ市」開催

秋の行楽シーズンまっさかりの
2013年10月19日(土)・20日(日)、
東京のベッドタウン、調布市にある
多摩川河川敷と東京オーヴァル京王閣の二箇所を舞台に
「もみじ市」が開催されます。 
多様なジャンルの作り手が思い思いの作品を出店する、
日本のものづくりシーンに欠かせない大イベントです。

2年ぶりの開催となる今年のテーマは「カラフル」。
様々な“カラー”をもった、陶芸家、布作家、料理家、音楽家、
農家、イラストレーター、カフェなどの作り手が全国各地から集結!
河川敷の第一会場では個人のつくり手を、
第二会場の「東京オーヴァル京王閣」では
すてきなものづくりを行っている企業を紹介します。
作品の展示・販売だけでなくワークショップやミュージシャンによる
ライブも開催されるなど、盛りだくさんの内容です。

第一会場に出展されるお店は、三重県の喫茶tayu-tau
おやつや まっちん」、
東京の下町、南千住の靴メーカー「SHOESbakery シューズベーカリー」、
千葉県の「左藤吹きガラス工房」や
愛知県の「mado cafe」などなど。

第二会場では「ゆかいなものづくりカンパニーマーケット」
と題し、「proto(egg)product project × 奥田染工場」「福永紙工」ら、
マニアも唸る一流のものづくりの人々をご紹介。
出店者さんたちのストーリーがブログ
に紹介されていますので、お出かけ前にはこちらも必見です。

さらにライブには、高野寛さん、空気公団、
コトリンゴさんらも出演!豪華ですね〜〜。
あとはお天気になることを祈りましょう!

もみじ市

TESニューエナジー Part2:世界初のテクノロジー。 火を電気に変える技術「発電鍋」で 世界の無電化村で発電を。

アフリカの無電化村で発電鍋が活躍!

熱を直接電気に変える「発電鍋」。
大阪を拠点に事業を展開するTESニューエナジーの藤田和博社長は、
東日本大震災をきっかけにこの発電鍋を開発した。
しかし震災のような非常時は別にして
日本国内で商品としての需要はあるのだろうか。

いまやどこにでもコンセントがある。
むしろ薪を使って火をおこすほうが難しい。
その需要は意外なところからやってきた。
世界のさまざまな国の無電化村からの問い合わせだ。

藤田さんの友人がアフリカに行くので発電鍋をどうしてもほしいという。
そこで1台送った。

そしてアフリカのウガンダで学校を建てるプロジェクトで実際に使用された。
彼らが携帯の充電やLED用の発電ができることを実証したのだ。

「発電鍋をたくさんつくって送ってほしい」

そのとき初めて電気がないところにマーケットがあることがわかった。
特に、アフリカ、あるいはバングラデシュ、インドなどの途上国には
大きな可能性がある。

ネットで通販を立ち上げて海外でも買えるようにした。

南米パタゴニアで自給自足の生活をしている中溪宏一さんも愛用者のひとりだ。

「たまたま電気のない環境で、毎日、薪で火を焚く暮らしだったから、
こんなに重宝なものはないですよね」と中溪さん。

「料理をつくる火力で音楽が聴けたり、一度バッテリーにためておけば、
電気が必要なときにパソコンの充電に使ったり、夜の電灯に使ったり。
同時にお湯ができるわけだから、お風呂を湧かしながら電気もつくってしまえる」

中溪宏一さん

パタゴニアで自給自足の生活をしている中溪さん。

薪を使ったストーブで煮炊き

薪を使ったストーブで煮炊きをする。ここで発電鍋も活躍。

南米パタゴニアの風景

南米パタゴニア。電気もガスもない自給自足の暮らしのなかで、発電鍋は活躍中。