自然と人をつなぐ、“香りのラボ”。 佐賀・呼子の〈THREE〉の精油蒸留所 「THREE Aroma Distillery」

呼子の古民家に、精油の新たな拠点

ホリスティックケアブランド「THREE」が、2025年10月19日、佐賀県唐津市呼子町に「THREE Aroma Distillery」をオープンした。日本三大朝市のひとつ・呼子朝市通りに面した古民家を改装し、オリジナルの精油蒸留器と研究ラボを併設。自社ハーブガーデンで育てた植物を用いた精油の蒸留を見学できるほか、限定アイテムの販売や季節ごとのワークショップなど、香りを通じて土地とつながる体験が楽しめる。

植物の力を、土地の力へ

佐賀県内のハーブガーデンでは、ローズマリーやティーツリー、ロザリーナなど、土地の風土に適した芳香植物を栽培している。玄海灘を望む上場台地は水はけがよく、海風が通り抜ける環境。THREEはこの土地の特性を生かし、収穫から蒸留、研究まで一貫して手がける仕組みを構築した。蒸留所の開設は、空き家再生や観光誘致を進める呼子町のまちづくりとも呼応しており、地域の新しい循環の拠点としても期待されている。

佐賀県のハーブガーデンで育つローズマリー。ここから精油が生まれる。

佐賀県のハーブガーデンで育つローズマリー。ここから精油が生まれる。

蒸留所では今後、「アロマブレンドディフューザー クラフト」や「精油蒸留体験」など、体験型プログラムも展開予定。植物の香りを楽しむだけでなく、香りが生まれるプロセスを五感で学べる場だ。THREEが掲げるのは、「苗づくりから収穫、蒸留、研究まで」という一貫した精油づくりの哲学。自然と調和する美しさを探求してきたブランドが、佐賀の地に新たな香りの文化を育てていく。

アロマワークショップでは、THREEオリジナル精油を使ってポプリやエアーリフレッシャーを調香。香りのブレンドを専門家が丁寧にサポートしてくれる。

アロマワークショップでは、THREEオリジナル精油を使ってポプリやエアーリフレッシャーを調香。香りのブレンドを専門家が丁寧にサポートしてくれる。

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THREE Aroma Distillery(THREE呼子蒸留所)

所在地:佐賀県唐津市呼子町呼子3769-1

営業時間:平日9:00〜15:00/休日・祝日9:00〜17:00

定休日:火・水・木曜日

公式サイト:https://www.threecosmetics.com

Instagram:@threecosmetics

今治のタオル、山形のニット。 地域の技が息づく、 〈KIMONO ARCH〉の 秋冬コレクション

“ジャパンクオリティ”を纏う

きものブランド〈KIMONO ARCH〉が、2025 Autumn & Winter Collection第3弾を発表した。テーマは「ジャパン・クオリティを纏う」。愛媛県今治市の高品質なタオル生地や、山形県の老舗ニットメーカー・米富繊維との協業によるローゲージニットを採用し、織と編の技を融合させた新作が登場する。ブランドのコンセプトは「きものを通して世界を見わたす」。きものを軸に、地域に根ざすものづくりと現代的な感性を架け合わせたデザインが特徴だ。

信頼の産地と紡ぐ、革新のかたち

新作では、節のある糸を織り上げたタオル生地を使った羽織「タオル cozy」、残糸を再利用して立体的な模様を生み出す「タオル cycle」など、サステナブルな素材づかいが光る。また、米富繊維と製作したニットゆかたやカーディガン、フェアアイル柄の羽織も登場。伝統的な技法を現代のテキスタイルとして再構築している。袖や丈、衿など、きものの仕立て(縫製)でありながら、洋服としても違和感なく取り入れられるデザインは〈KIMONO ARCH〉ならでは。

職人と暮らしをつなぐ、〈KIMONO ARCH〉のものづくり

〈KIMONO ARCH〉は、各地の職人や素材と協働し、伝統を今の暮らしに溶け込ませる取り組みを継続してきた。残糸を再利用したシリーズでは、渋谷区の〈シブヤフォント〉と連携し、デザインを通じて障がいのある人の創作活動を支援するなど、社会的なアクションも積極的に行っている。日本のものづくりを、身に纏う体験として伝える〈KIMONO ARCH〉の挑戦は、今季も続いていく。

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取扱店舗:KIMONO ARCH 原宿、下北沢、KIMONO ARCH / Y. & SONS in Paris

公式サイト:https://www.kimonoarch.com/

Instagram:@kimono_arch

茨城発、農業廃棄物から生まれる 新しい体験型ショップ〈futashiba248〉。 “色と香り“で地域をめぐる

農業の副産物が、色に変わる

茨城県つくば市に、古民家をリノベーションした体験型ショップ〈futashiba248(フタシバ)〉がオープンした。夫婦ユニットによるこの店では、農業廃棄物を染料として再生する独自技法「農color(ノウカラー)」を中心に、和紙や香りを組み合わせた新しい創作体験を提供している。

ブドウの葉や木の枝、果皮など、これまで廃棄されてきた素材を「地域の色」として染料化。その土地の農家や自然の物語を“色”として可視化するアプローチが特徴だ。

古民家で出会う、五感を満たす時間

体験プログラムでは、農作物で染める「クラフト染色セッション」や、香りと和紙を重ねる「センス オブ ペーパー」など、五感を刺激するワークショップを展開している。2025年10月からは茨城県初のニッチフレグランス取り扱いも開始。香りが古民家に漂い、自然と人、記憶がゆるやかに交差する。

地域資源を、未来のクリエイションへ

〈futashiba248〉の活動は、クラフトにとどまらない。企業とのアップサイクル企画や教育機関との環境学習など、地域資源を軸に多様なコラボレーションを生み出している。「農業廃棄物」という課題素材を、美しい表現へと変換するデザインの力。色・香り・素材を通して、土地の記憶とつくり手の想いを未来へつなぐプロジェクトが、つくばの地から新たに始まっている。

G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合 記念品制作

G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合 記念品制作

手漉き和紙を使ったパネル

手漉き和紙を使ったパネル

カフェエプロン染色(全て栗染め)

カフェエプロン染色(全て栗染め)

学校イベント(大根の葉染めランチマット、ハンカチ)

学校イベント(大根の葉染めランチマット、ハンカチ)

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futashiba248(フタシバ)

所在地:茨城県つくば市作谷201-1

公式サイト:https://www.futashiba248.com

Instagram:@futashiba248

滋賀・信楽の“土の器”を日常に。 プロの業務用ブランド『TOU』が 一般販売を開始

信楽から生まれた、新しい日常の器

信楽の土を活かした業務用食器ブランド『TOU(トウ)』が、2025年8月より一般向け販売をスタートした。開発したのはフードゲート株式会社。これまで飲食店のプロフェッショナル向けに展開してきた同ブランドが、ついに一般の食卓へと門戸を開いた。「気を使わずに毎日使える土の器を届けたい」という思いから生まれた『TOU』は、信楽の強化陶器の技術をもとに、土の温もりと釉薬の豊かな表情を両立。軽く扱いやすく、電子レンジや食洗機にも対応する。10年以上の試行錯誤の末に完成したこの器は、「重い」「扱いにくい」という従来の土ものの印象を覆し、日常に自然と溶け込む存在だ。

プロの現場から暮らしへ

『TOU』は、業務用としての実績を背景に誕生した。料理を引き立て、耐久性を備えながらも、プロの現場で扱いやすい軽さとデザイン性を実現。シリーズは「TOU BASIC」と「TOU Meister」の2ラインに分かれる。BASICは軽量で重ねやすく、現代の食卓に寄り添うスタンダードライン。Meisterは天然釉薬を使い、土の質感をそのまま残した味わい深いシリーズだ。どちらも、料理人や陶工の声を取り入れながら進化を重ねてきた器。プロ仕様の品質をそのまま家庭に届けることで、食卓の風景をより豊かにしてくれる。

“作家”ではなく“作り手”として

信楽の地には、今もなお静かに器づくりを続ける職人たちがいる。『TOU』が大切にするのは、名前を出して作品を売る“作家”ではなく、地場産業の一端を担う“作り手”としての誇りだ。控えめながらも確かな手仕事が、料理人や家庭の食卓を支える。「主役は料理」という思いを込めてつくられた器たちは、華美ではなく誠実。使うほどに手に馴染み、暮らしに溶け込んでいく。

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TOU(トウ)

販売:TOU公式オンラインストア https://tou.direct/

問い合わせ:tou@foodgate.net

Instagram:@tou.direct

〈ティファニー銀座〉を包む、 久遠色の天井。金沢の金箔メーカー が紡ぐ、伝統と未来

ティファニー銀座の天井に輝く“久遠色”

東京・銀座に今夏オープンした「ティファニー 銀座」。その2階天井を見上げると、やわらかな光を放つ金箔が空間を包み込む。その輝きを生み出したのは、金沢の金箔メーカー・箔座株式会社による「縁付金箔 純金プラチナ箔(久遠色)」。およそ2,500枚の箔を職人が一枚ずつ貼り上げ、伝統と現代デザインが響き合う新たな空間をつくりあげた。

箔座が独自に開発した「純金プラチナ箔」は、金とプラチナを融合させた世界初の合金製箔。今回採用された「久遠色」は、金の温もりとプラチナの静謐さが溶け合うような、シャンパンゴールドの光沢をたたえる。伝統的な「平押し」ではなく、あえてランダムに貼る新技法を用いたことで、光が呼吸するように揺らめく。ティファニーが掲げる“日本文化への敬意”を、素材の表情そのものが体現している。

ティファニー銀座2階天井に施工された「純金プラチナ箔・久遠色」〈左:永遠色、右:久遠色〉。

ティファニー銀座2階天井に施工された「純金プラチナ箔・久遠色」〈左:永遠色、右:久遠色〉。

約2,500枚の箔が職人の手で貼られた。

約2,500枚の箔が職人の手で貼られた。

無形文化遺産を未来へとつなぐ

このプロジェクトの背景には、ティファニーとワールド・モニュメント財団(WMF)が2022年に立ち上げた「金沢縁付金箔職人育成プログラム」がある。ユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技」にも登録された縁付金箔の保存と継承を目的に、文化庁や金沢市、金沢金箔伝統技術保存会と連携。ティファニー銀座の天井は、その理念を“かたち”にした象徴的な成果といえる。金箔のまち・金沢から、世界へ。伝統の技は、いま再び新しい光を放っている。

金沢の工房で製造される「縁付金箔」。ユネスコ無形文化遺産の技を、現代へと受け継ぐ。

金沢の工房で製造される「縁付金箔」。ユネスコ無形文化遺産の技を、現代へと受け継ぐ。

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箔座株式会社

住所:石川県金沢市森山1-30-4

公式サイト:https://www.hakuza.co.jp

Instagram:@hakuza_official

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ティファニー銀座

住所:東京都中央区銀座6丁目9-2

営:10時30分~20時30分

TEL: 03-5005-0108

斬新な白い雛人形〈白粋 HAKI〉。 ちりめん細工のバトンをつなぐ 〈京都夢み屋〉の挑戦

京都・丹後地方を中心につくられてきた「丹後ちりめん」を用いた
伝統的な手芸「ちりめん細工」。
その季節飾りなどを製造・販売する〈京都夢み屋〉を、
三菱UFJ銀行一宮支店の中島崇介さん、徳永智久さん、
三菱UFJアセットマネジメントの小西和宏さん、木本朱音さんが訪れました。
着物文化が先細りするなか、伝統産業の一翼を担う企業のあり方をともに考えます。

白くて“顔のない”お雛様が、なぜヒットしたのか

「ちりめん」とは、表面にシボと呼ばれる細かい凹凸のある織物のこと。
京都府では北部の丹後地方を中心に、「丹後ちりめん」という絹織物が
古くからつくられ、着物の生地などに愛用されてきました。

江戸時代の後半、宮中や武家の女性などが、着物の端切れを利用して
小物や人形をつくるようになったのが、「ちりめん細工」の始まりとされ、
残り布を大切にする精神が息づいた、日本の伝統的な手芸といえます。

京都市伏見区にある〈京都夢み屋〉は、ちりめん細工を中心とした季節飾り、
インテリア小物などを製造・販売する企業。
2025年7月に完成したばかりの新社屋には、工房のみならず
ショールームも併設されています。

「ここに並んでいるのは、基本的に自社ブランド商品ですが、
OEM(他社ブランドの製造)も合わせると、500を超えるアイテムを
京都の材料と手作業にこだわって製造しています」と代表取締役副社長の大森清美さん。

代表取締役副社長の大森清美さん。

代表取締役副社長の大森清美さん。

干支の置き物や雛人形、鯉のぼり、兜飾りなど四季折々の飾りものが並ぶなかで、
ひときわ異彩を放っているのが、白を基調とした雛人形や兜飾り。

「10年ほど前に誕生した〈白粋 HAKI〉というシリーズ(以下、HAKI)で、
夢み屋のターニングポイントになったアイテムです。
生地を白とベージュの2色に限定しているので、どんなインテリアにも馴染みますし、
スペースが限られている現代の住宅事情に合わせて、サイズも豊富に揃えています」

昨年販売をスタートした、重厚感のある〈白粋 HAKI 雛人形 奏〉。西陣織の光沢のある着物をまとい、鼻すじや耳をつくったのが特徴。

昨年販売をスタートした、重厚感のある〈白粋 HAKI 雛人形 奏〉。西陣織の光沢のある着物をまとい、鼻すじや耳をつくったのが特徴。

すっきりとミニマルに見えるのは、カラーリングのせいだけではありません。
HAKIのもうひとつの大きな特徴は、雛人形に目や口などの“顔がない”こと。

「お人形と目が合うと子どもが怖がるため、せっかく飾った雛人形を
後ろ向きにしている、という声から生まれたアイデアです」

〈白粋 HAKI 雛人形 奏〉の顔のないお雛様

いまでこそHAKIは、夢み屋の看板商品になっているものの、
発売当時はあまりにも斬新な発想だったゆえに、
「白装束を彷彿とさせる」などとネガティブな声も少なくなかったそう。

「3、4年は泣かず飛ばずの売れ行きだったのですが、
東京の大規模な展示会に出展したとき、
ベビー用品のECサイトを運営する会社が気に入ってくださったんです。
それから出産祝いを中心にターゲットが広がっていき、
徐々に認知されるようになりました」

製造企画部長の中村芳美さんは、節句飾りに対する意識や価値観の変化を指摘します。

「当初は顔がないことに賛否があったようですが、
すてきなお顔を思い思いに想像できるところが、いまでは人気の理由になっています。
兜飾りも従来は勇ましさが重視されてきたと思うのですが、
優しい男の子になってほしいと願う、近年の親御さんのイメージに合う雰囲気を
重視しています」

製造企画部長の中村芳美さん。

製造企画部長の中村芳美さん。

2025年に創業50周年を迎えた夢み屋。

「創業者の飯田景子はフラワーアレンジメントをたしなんでいて、
そのつながりで知り合った仲間と和小物をつくり始めたのが、そもそものスタートです。
当時は和雑貨という言葉もあまり一般的ではなかったようですが、
せっかくだから地元京都のちりめんを使おうと考えたようです」(大森さん)

最初にヒットした商品が、和装用のリボンにかんざしをつけたアクセサリー
「和装リボン」。その一方で、着物を着る人は年々少なくなっていたので、
洋装でも違和感なく身につけられて、
なおかつ若い人にも好まれるようなアクセサリーや和小物を展開し、
ちりめんや西陣織などにあまり馴染みのなかった若年層のファンを獲得していきます。

「最初は数百円の和小物が中心で、財布、巾着袋、エプロンなどと
人気商品を増やしていったのですが、同業他社も類似品を扱うように。
価格競争の激化から脱却するために始めたのが、
現在の流れをくむ季節の置き物でした」(大森さん)

これまでの和小物・和雑貨と比べると、季節の置き物はつくりが細かい分、
手数がかかるにもかかわらず、売れ筋となっていたのは千円前後の安価な商品でした。

「より高単価の商品にシフトすべくデザインを一新させて、
自社ブランドとして売り出したのが、HAKIシリーズだったのです」(大森さん)

越前漆器も、眼鏡も! 工芸のまち、越前鯖江に観光案内所 「Craft Invitation」がオープン

2025年7月14日、福井県鯖江市河和田に観光案内所「Craft Invitation(クラフト インビテーション)」がオープンした。一般社団法人SOEが運営するこの拠点は、越前漆器や和紙、打刃物、眼鏡など多彩な地場産業が集まる産地の“窓口”となる施設だ。
館内には漆器の木地を使ったランプシェードや、老舗工房による漆塗りのカウンターなど、職人の技を生かした意匠が随所にちりばめられている。産地を熟知したスタッフが工房やショップ、飲食店まで案内してくれるほか、事前予約制のツアーやワークショップも受付中だ。

ものづくりを体感するイベント「RENEW」

また、福井の産地を代表するイベント「RENEW」も見逃せない。2015年にスタートしたこの体感型マーケットは、普段は立ち入れない工房を一斉に開放し、見学やワークショップを通して職人と直接交流が可能。今年は2025年10月10日(金)〜12日(日)に開催予定。全国から約120社が集結し、オープンファクトリーが集う「KOGEI COMMONS」やトークイベント、ローカルフードの提供も予定されている。作り手と出会い、その想いに触れることで、ものづくりの背景まで味わうことができるだろう。

和紙文化を宿泊で体感する「SUKU」

さらに2025年11月には、越前市に和紙文化を体感できる工芸宿「SUKU(すく)」が誕生。約1500年の歴史を持つ和紙の産地の真ん中に建つ宿で、客室の照明やインテリア、食事の演出に至るまで和紙を取り入れた空間設計が特徴だ。宿のスタッフはコンシェルジュとして工房見学や体験を案内し、和綴じ製本やアートパネルづくりなど、滞在中に多彩なプログラムを楽しむことができる。素泊まりは1名20,000円〜を予定しており、越前和紙の文化を日常に取り入れる、新たな旅の拠点となりそうだ。

客室イメージ

客室イメージ

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観光案内所「Craft Invitation」

所在地:福井県鯖江市片山町7-10-4

電話番号:0778-78-9967

営業時間:10:00〜17:00

営業日:月〜金曜日(定休日:土日祝)

HP:https://craftinvitation.jp/

Instagram:@craftinvitation_fukui

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RENEW/2025

開催日:2025年10月10日(金)〜12日(日)

会場:福井県鯖江市・越前市・越前町全域

公式サイト:https://renew-fukui.com/

Instagram:@renew_fukui

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工芸宿「SUKU」

所在地:福井県越前市岩本町13-4-1

アクセス:北陸新幹線 越前たけふ駅より車で約10分

開業予定:2025年11月

宿泊料金:1泊1名 20,000円(税込)〜予定

Instagram:@suku.hotel

英国発スキンケアブランド 〈Formerly known as Haeckels〉と 岡山・日生町が紡ぐ。 自然と共生するものづくり

〈Haeckels(ヘッケルス / ピープルケア プラネットケア)〉は、イギリス南東部の港町・マーゲートを拠点にするスキンケアブランド。“自然と共に生きる”ことを核として、環境負荷を抑えた素材と製法にこだわりながら、地球の循環に寄り添うプロダクトを生み出してきた。その哲学を体現するように、2023年にはイギリス国外初のフラッグシップストアを大阪にオープン。土地の文化と自然環境に向き合いながら、日本での活動とものづくりも、本格的に動き出している。

〈Formerly known as Haeckels〉は、なぜ日本で石鹸づくりを始めることになったのか?その背景には、ある小さな港町の噂があった。

岡山県備前市・日生町と、「ハイドレーティング・イールグラスソープ」

「地元の漁師たちが、失われたアマモ場の再生に取り組んでいる港町があるらしい」。そんな話を聞き、〈Formerly known as Haeckels〉のメンバーは岡山県備前市・日生町を訪れた。

そこで出会ったのは、豊かな自然と、海と共に生きることを真摯に見つめる人々の姿。遠く離れたイギリスの港町と日本の漁師町が、海を介して静かに共鳴し合い、誕生したのが「ハイドレーティング・イールグラスソープ」だ。

ハイドレーティング・イールグラスソープ

「ハイドレーティング・イールグラスソープ」

使用するのは、海底に根づいたアマモではなく、自然に海面へと漂着した“流れ藻”のみ。海の生態系を壊さず、資源を活かすという姿勢は、ものづくりのすべてに一貫している。

当初はイギリスで製造し、日本へ輸入していたという。しかし、アマモを再資源化するという活動の意義を考えたとき、輸送に伴う化石燃料の使用や環境への負荷は見過ごせない課題だったのだ。そこで〈Formerly known as Haeckels〉は、より地産地消に近づけるべく、製造拠点を日本国内に移すことを決断。現在は、瀬戸内にある石鹸専業メーカーと提携し、低温でじっくりと仕上げるコールドプロセス製法を採用した。

防腐剤や添加物は一切使用せず、パッケージには生分解性素材を使用。海への敬意と、肌へのやさしさが共存するプロダクトとなっている。

旧閑谷学校と、キャンドル「オールドスクール」

石鹸づくりと並行して、〈Formerly known as Haeckels〉は土地の空気そのものを“香り”としてとどめる試みも続けてきた。その一つが、旧閑谷学校との出会いから生まれたキャンドル「オールドスクール」だ。2018年、旧閑谷学校を初めて訪れた際、静けさと知の気配に満ちた空間に触れ、「この場所の記憶を香りで表現したい」と感じたという。その思いは、備前焼の窯元・宝山窯との協働によって結実し、キャンドルとして形となった。

キャンドル「オールドスクール」

キャンドル「オールドスクール」

閑谷学校の佇まい、備前焼の質感、そしてこの地に息づく手仕事の文化。それらを、ひとつの香りに閉じ込められている。〈Formerly known as Haeckels〉はこれからも、備前の人々と共に新たな可能性を探っていく活動を続けていくはずだ。

旧閑谷学校は、寛文十年(1670年)に岡山藩主・池田光政が創建した、日本で最初の庶民のための学校として知られている。

旧閑谷学校は、寛文十年(1670年)に岡山藩主・池田光政が創建した、日本で最初の庶民のための学校として知られている。

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Formerly known as Haeckels Osaka(ヘッケルス / ピープルケア プラネットケア 大阪 )

所在地:大阪市中央区久太郎町3-1-16 203

HP:https://www.haeckels.co.uk

Instagram:@peoplecareplanetcare_japan

開窯350周年を迎え、 ブランド名を「鍋島焼」に統一! 佐賀・大川内山で生まれた 秘密の焼物を知る

佐賀県伊万里市にある大川内山で誕生した「鍋島焼」が、2025年に開窯から350周年を迎えました。高い品質と芸術的な美しさが特徴の「鍋島焼」は、大阪万博の公式キャラクター「ミャクミャク」とコラボレーションしたことで、初めて名前を耳にした人も多いのでは。生産地である大川内山を訪れ、その歴史を紐解きます。

険しい地形で作られる秘密の焼物

「鍋島焼」は「伊万里焼」の中のひとつで、献上品や贈り物として焼かれたものを指します。この焼物の始まりは安土桃山時代、1600年に起こった関ヶ原合戦。戦いに敗れた石田三成率いる西軍についた佐賀藩は、本来、家を断絶するか、遠方の土地へと飛ばされるはずでした。しかし幸いにも鍋島家は勝った徳川家と繋がりがあったため、当時最高峰と言われていた、明(中国)の焼物を仕入れ、徳川将軍家に献上することで免れたといいます。1644年に明が滅亡し清の時代になると、焼物の輸入が減少。献上品が減り困った佐賀藩は、窯が多く点在する有田で焼き物を作るようになりました。

生産地が大川内山に落ち着いたのは、献上品を焼くという貴重な技術を守るため。秘密を保持できる土地を探すうちに、周囲が急な山に囲まれ、入り口が1か所だけという地形であるこの地を見つけます。関係者以外は通行できないように入り口に関所を設け、失敗作はわざと地面に落として割って処分するなど、徹底的に管理。最高の技術を持つ職人たちが集められ、高級磁器として製作され、その地位を確立させてきました。

デザインに流行を取り入れた一般流通用の「伊万里焼」とは違い、献上用の「鍋島焼」のデザインは政治に左右されてきました。経済が発展した17世紀後半は派手に、徳川吉宗によって倹約令が出された時期は使用する色の数を減らすというように、時期によって様々。伊万里駅にある〈伊万里・鍋島ギャラリー〉では、時代背景と合わせて見比べることができます。

また、平成元年からは毎年伝統産業振興の一環として、兵庫県や滋賀県、大阪府など城が所在する地域の知事などに、年に一度献上を始めました。献上品は、今でもろくろでの成形、絵付け、焼成など、大川内山の窯元が分担して全て手作業で制作。登り窯での焼成は、交代制で28〜32時間ほど焼き続けており、今もなお、江戸時代からの技術と伝統はしっかりと受け継がれていることがうかがえます。

暮らしと伝統技術が共存するまち、大川内山

「鍋島焼」の生産地である大川内山は、伊万里駅から車で10分ほどの場所に位置し、半日あれば回遊できてしまうほどコンパクトなまち。各窯元で焼物を探すのはもちろん、焼物で作られた大きな地図や、陶器の壁画、点在している、大川内山にある植物を絵柄にした焼物を見ながら、散策するだけでも楽しめます。

メインの通りから少し入ると住宅があります。人々の生活と窯が共存しているのが大川内山の特徴です。「鍋島焼」を作ることは日々の営みのひとつ。案内してくれた伊万里鍋島焼協同組合の川副隆彦さんは、「大川内山は営みからビジネスが生まれているまち」と、話します。

開窯350周年を迎え、「鍋島焼」の記念事業がスタート

記念すべき350周年の節目である2025年、伝統的な焼物「鍋島焼」の認知度を拡大するために、さまざまな取り組みを行う記念事業をスタートさせました。

そこでこれまで伊万里鍋島焼協同組合が使用していた「伊万里鍋島焼」や「伊万里焼」とも呼ばれてきた呼び名を「鍋島焼」に統一。ロゴタイプデザインを制作し、新たにWebサイトInstagramを開設し、「鍋島焼」の制作風景や大川内山の自然、人々の暮らしの様子などを積極的に発信しています。

現在は29軒の窯元がある大川内山。次の「鍋島焼」開窯400周年、500周年に向けて川副さんは、「作家や焼物だけでなく、産地も愛してほしいですね。大川内山の暮らしを知って、文化を守り、愛してくれる人を増やしていきたいです」と話します。

2025年7月現在は「鍋島藩窯 風鈴市」を開催中。2025年8月には「鍋島藩窯 あかり夏祭り」「鍋島藩窯 夜の窯元市」を、紅葉が美しい11月には「鍋島藩窯 秋祭り」など、季節に合わせたイベントを開催予定です。ぜひ記念すべき年に大川内山で、「鍋島焼」の真髄に触れてみては。

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鍋島焼

住所:佐賀県伊万里市大川内町乙1848

Web:https://nabeshima-yaki.com/

Instagram:https://www.instagram.com/nabeshimayaki/

サクサク食感が楽しい! 〈The Conran Shop〉が鹿児島県の銘菓とタッグを組んで誕生した オリジナルツイストキャンディ

イギリス生まれのホームファニシングショップThe Conran Shop (ザ・コンランショップ)が手がけるオリジナル菓子、〈TWISTED CANDY(ツイステッド キャンディ)〉が発売された。

ちょっとしたお土産にもぴったりな、手に取りやすいこのスイーツ・シリーズ。今回は菓子研究家の福田里香(ふくだりか)さんが監修したオリジナルツイストキャンディを販売する。

福田里香(ふくだりか)福岡県出身。菓子研究家。書籍や雑誌、 onlineへのレシピ提供、お菓子のレシピ開発など食にまつわるモノ・コトのディレクションを手掛ける。鹿児島県の好きなところは、自然が豊かで柑橘類が豊富、そしてそら豆の一大産地のため安くて新鮮なそら豆が楽しめるところ。Instagram:https://www.instagram.com/riccafukuda/

福田里香(ふくだりか)福岡県出身。菓子研究家。書籍や雑誌、 onlineへのレシピ提供、お菓子のレシピ開発など食にまつわるモノ・コトのディレクションを手掛ける。
鹿児島県の好きなところは、自然が豊かで柑橘類が豊富、そしてそら豆の一大産地のため安くて新鮮なそら豆が楽しめるところ。
Instagram:https://www.instagram.com/riccafukuda/

タッグを組んだのは鹿児島県種子島にある浜添製菓(はまぞえせいか)。創業から50年以上にわたって、黒糖の製造から、飴の手延べやねじり作業、切り分けまで全て一つひとつ手作業で作られており、「ツイストキャンディは食べるクラフト」と、福田さんは話す。

ツイストキャンディはとても繊細なため、門外不出とも言われていたが、福田さんはたまたま鹿児島市内の物産展で出合ったそう。

「予想もしなかったサクサクとした食感に嬉しい衝撃を受けました。ストライプのねじり模様がとにかくかわいくて目が釘付けに。イギリスの定番飴、ミントキャンディのような意匠が鹿児島にもあることに驚きました。種子島で作っているところにも惹かれたんです」

完成したオリジナルのフレーバーは2種類。「TWISTED CANDY BERGAMOT」はアールグレイティーの風味付けに使う柑橘・ベルガモットでフレーバーをつけ、「TWISTED CANDY YUZU」は平安時代の昔から日本で栽培されてきた香り高い柚子の香味と酸っぱさにこだわった。

手仕事から生まれたツイストキャンディ。自分へのご褒美にも、ちょっとしたギフトとしても楽しんではいかがだろうか。

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The Conran Shop 
ザ・コンランショップ

URL:https://www.conranshop.jp/

商品名:Twisted Candy

販売期間:シーズン限定(3~5月、9月下旬~翌年4月頃を予定)※夏季は販売停止

取扱店舗:ザ・コンランショップ 東京店

ザ・コンランショップ 新宿店

ザ・コンランショップ 丸の内店

ザ・コンランショップ 代官山店

ザ・コンランショップ 福岡店

多可の和紙、丹波篠山の陶器、 三田の青磁。 兵庫県中部の伝統工芸の産地を巡る 〈ひょうごフィールドパビリオン〉 Vol.1

かつて、主に摂津・播磨・但馬・丹波・淡路という5つの国に分かれていた兵庫。
歴史も風土も多様な五国は、まるで日本の縮図のよう。
兵庫県では県そのものを大きなパビリオンに見立て、
地域の人々が主体となって地元の魅力を発信する〈ひょうごフィールドパビリオン〉を展開。
県内各地でユニークなプログラムが用意されている。

和紙、陶器、そして青磁器。
自然に囲まれた兵庫県中部ならではの環境と生活風習から生まれた工芸品たち。
受け継がれる伝統の背景はもちろん、
現代のライフスタイルや未来につなぐ試みにも目を向けてみたい。
多可、丹波篠山、三田を巡り、
現地でしか体験できない兵庫の手仕事の魅力に触れてみてはいかがだろう。

「1000年残る紙をつくるために」

兵庫県の中央、山間部に位置する多可町の道の駅〈杉原紙の里〉。
思わず深呼吸したくなる山間にあるこちらは、
1300年の歴史を持つ播磨紙を継ぐ和紙、杉原紙の産地として知られている。

多可町の風景

自然に囲まれた多可町〈杉原紙の里〉。目の前を流れる杉原川で紙の原料となる楮(こうぞ)をさらす。近くには青玉神社も。

杉原紙は美しく、高級和紙として鎌倉時代には公家や武士に愛され、
その後は広く一般に流通。
浮世絵や版画などにも使用されていたことでも知られている。
紫式部の『源氏物語』もこの紙に書かれた、という説もある。
現在は兵庫県の重要無形文化財に指定されている伝統工芸品だ。

〈杉原紙の里〉にある〈杉原紙研究所〉では現在も、
昔ながらの製法を大切に受け継ぎながら和紙が生み出されている。

杉原紙

杉原紙は地元の小学校の卒業証書や感謝状などにも使用されている。

杉原紙の特徴は色の白さ。地域で採れるクワ科の植物、
楮(こうぞ)とトロロアオイを原料とした、
いわば多可の自然環境と人々の知恵が生み出した賜物である。
手すきの際の水も、天然の澄んだ井戸水を使用しているそうだ。

「水道水でもそこまで問題はないんですが、
これまでこの紙が1000年残ってきたように、
これから1000年残る紙をつくるために昔ながらの手づくりの製法を守り続けています」

そう話すのは〈杉原紙研究所〉所長で紙すき職人の藤田尚志さんだ。

藤田尚志さん

〈杉原紙研究所〉所長で紙すき職人の藤田尚志さん。入口では書道や手紙展などを展示。

藤田さんに聞けば、冬は楮の収穫期。伝統の製法はまず、
皮の表面を剥いだ楮を杉原川にさらし、繊維を白くする。
そして、その楮を蒸して繊維をほぐすことで和紙の原料となる。
川さらしの光景は遠方からも見物客が訪れる冬の風物詩となっているという。

かつて杉原紙は農家が農閑期につくっていたもの。
手すきのタンクに混ぜ合わせる粘剤のトロロアオイの粘度を保つためにも、
冬の冷たい水が適しているのだそう。

「ここでつくる紙は生き物のようなものだと考えています。
例えば、新鮮な魚をすぐに料理すれば美味しいのと同じで、
収穫期に採った楮(こうぞ)を冷たい水にさらし、日光を当てる。
そうすると白く美しい紙になるんです」

楮の乾燥

楮は乾燥させ、川の中にさらすことでさらに白い紙に。冬期、約8トンを収穫。〈杉原紙研究所〉には資料館も併設。

杉原紙の紙すき体験で、世界で一枚のはがきをつくる

〈杉原紙研究所〉では手すきの和紙つくり体験ができる。
はがきサイズ、半紙サイズ、A3サイズのなかから、
まずは紙のサイズを選び、それに合った掬桁(すきげた)で水をすくっていく。
この作業を繰り返し、紙に厚さを出していく。

職人さんいわく、すくう作業は掬桁をまっすぐ水面に入れるのがコツなのだそうだが、
個人差が出やすく、厚さの違いやシワができてしまう。
その個性がおもしろいポイントではあるけれど、
均等の厚さと紙面ですくい続ける手すき職人の集中力や高い技術を想像できるかもしれない。

すくった紙に、楮に染料を加えた5種類ほどのカラーをつけることや、
紅葉や銀杏の葉を紙に付けることもできる。
すいた紙は乾燥させ、トータル1時間半ほどで完成。
掬桁の網の目が紙に薄くつくことも手づくりならではの味わいだ。

杉原紙づくりの体験を通じて、自然に寄り添いながら、
カルチャーを生み出してきた多可町ならではの歴史の一端を感じてみてはいかがだろう。

information

map

杉原紙研究所

住所:兵庫県多可郡多可町加美区鳥羽768-46

TEL:0795-36-0080

休館日:水曜、年末年始

所要時間:30分

料金:450円~900円

決済手段:現金のみ(杉原紙研究所の紙すき体験、売店についてはPayPayのみ可)

受入可能人数:5~6名程度(最大20名)

予約:

予約方法:予約フォーム または電話

Web:杉原紙研究所

Web:多可の語り継がれる伝統産業・芸能

47都道府県のかたちの 「47palette カラーピンズ」。 各県ごとに違う色のワケは?

地図をモチーフにした文具や雑貨を販売する〈Map Design GALLERY〉が、
47都道府県をデザインした「47palette カラーピンズ」を展開。
都道府県のかたちをしたカラフルなピンズが、
郷土愛の強い人たちの間で話題になっています。
各都道府県、色がついていますが、なんの色かわかりますか?

カラーピンズの色は各都道府県の“アレ”の色がモチーフ

「47palette カラーピンズ」(上段)、「47都道府県ピンバッジ」(下段/ゴールド)。

「47palette カラーピンズ」(上段)、「47都道府県ピンバッジ」(下段/ゴールド)。

「Map Design GALLERY」は、
日本全国の詳細な住宅地図データなどを整備している
地図情報会社、ゼンリンから生まれたブランドです。
ピンズは「47palette カラーピンズ」シリーズのほか、
各都道府県のかたちをした「47都道府県ピンバッジ」シリーズからは
ゴールドとシルバー2種類のピンバッジも。

「47palette カラーピンズ」シリーズ「栃木県」のピンバッジ。

「47palette カラーピンズ」シリーズ「栃木県」のピンバッジ。

「47palette カラーピンズ」は、47都道府県それぞれ、
青森県は「りんご」、富山県は「水」、大分県は「かぼす」のように、
名産品や名所などをイメージした色で表現しています。

東京は? ……「ビル(都庁)」をイメージしたカラーでした。

東京は? ……「ビル(都庁)」をイメージしたカラーでした。

生まれ育った場所や旅行で訪れたことがある場所など、
人それぞれの“愛着のある都道府県”のアイテムを身に着けることで、
会話するきっかけや、懐かしむきっかけづくりができればという思いから、
この愛らしいピンズは生まれました。

カラフルな彩りだけでなく、ピンバッジの周囲に施した金の縁が、大人の落ち着いた雰囲気を演出。

カラフルな彩りだけでなく、ピンバッジの周囲に施した金の縁が、大人の落ち着いた雰囲気を演出。

3つの材料でできる 自家製「味噌づくり」! 10年以上の仕込みで得た おすすめ配分・レシピ・コツを伝授

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

今回は、日本の伝統調味料である「味噌づくり」がテーマ! 

じつは2月は、味噌を仕込むのにぴったりの季節なのです。
この季節に仕込む味噌は「寒仕込み(かんじこみ)」と呼ばれ、
気温が低く、発酵のスピードがゆっくりになるため、
しっかりと熟成し、旨みの強い味噌になるといわれています。

使う材料は大豆、米麹、天然塩の3種類と、とってもシンプル。
添加物一切なしの手づくり味噌がつくれます。

「私にもできるかな?」と思った方。
今年はおうちで味噌づくりをしてみませんか?

味噌づくりワークショップの様子。大きなテーブルに塩、米麹、大豆を広げて女性たちがまぜている写真。

昨年の、〈いとしまシェアハウス〉での味噌づくりワークショップの様子。大きなテーブルに材料を全部広げて、ワイワイ味噌づくりを楽しみました。

今と昔で、味噌のつくり方が違う?

スーパーなどで見かけるお手頃価格の味噌の多くは
「速醸法(そくじょうほう)」という方法でつくられています。

これは人工的に加温して、発酵・熟成を早める製法。
熟成に半年〜3年ほどかかる昔ながらの「天然醸造」に比べ、
速醸法は1〜3か月ほどで完成します。
生産期間が大幅に短縮されることで大量生産できるようになり、
たちまち全国へと広がりました。

天然醸造は、自然のままにゆっくりと発酵させるので、
速醸法の何倍もの手間と時間がかかり、生産量もわずか。
そのため値段も高めですが、
長期熟成によって旨み成分がたっぷりと含まれ、
深い味わいが生まれます。
また、発酵や熟成を促す酵母やさまざまな菌が生きているため、
発酵食品の本来のパワーを発揮することができます。

7つの味噌が盛られた皿と、それらを味見する人の写真。

味噌の食べ比べ。仕込んだ年によって味が違うのがおもしろい!

市販の味噌の原材料をチェックしてみよう

ご自宅にある味噌の原材料表示を見てみてください。
どんなものが入っていましたか?

私が推したいのは、添加物の入っていない
大豆、米、麦、塩などでつくられたシンプルな味噌。

今の味噌は、便利さや風味をプラスするために
うま味調味料などが添加されていることもあるので、
味噌本来の旨みを楽しみたい方には、無添加のものがオススメです。

スプーンに盛られた味噌の写真。

また、一部のお味噌には酒精というものが添加されている場合があります。
酒精とはアルコールのことで、味噌の発酵を止める役割があります。
発酵が進みすぎると味が変化したり、
保存容器の中で膨張してしまうためです。

酒精を添加する理由はあるものの、
シンプルな原料の味噌や、天然醸造の味噌を買いたい場合は、
二酸化炭素を排出する穴の空いているパッケージのものを
選ぶといいかもしれません。

女の子が味噌の材料を混ぜている写真。

味噌づくりワークショップにて。小さな子どもも一緒に参加できるのが味噌づくりのうれしいところ。

モノづくり王国・愛知だからこそ。 ミシンでのアップサイクルで 不用品がオシャレなアイテムに!

デザインや色柄が気に入っているけれど、シミや汚れがあり、
着られなくなってしまった服や、思い入れがあってなかなか捨てられない服、
買ったけれどまったく着ていない服など、クローゼットに眠る洋服や小物は案外多いもの。

名古屋市に本社を構えるブラザー工業のパーソナル・アンド・ホーム事業
(P&H事業)では、「サステナビリティワーキンググループ」をスタートしました。
ミシンなどブラザー製品を使用して、本来は捨てられるはずの衣類などに
新たな価値を与えて再生する「アップサイクル」を推進しているそうです。

愛知県一宮市は繊維の町、織物のまち。
メーカーや地元の中学校とのコラボも!

2021年より、愛知県一宮市内の中学校での出張授業や、
地元の織物メーカーとのコラボ、不要となった衣類のアップサイクルの提案など、
ミシンがサステナブルを生み出す道具であることを伝える活動を展開しています。

愛知県一宮市立北部中学校でアップサイクル講習を開催。

愛知県一宮市立北部中学校でアップサイクル講習を開催。

今回は、名古屋市内にあるブラザーの研修所にて、愛知県出身のデザイナーの
井上アコさんを講師に迎え、エンドユーザー向けに、
ちょっとしたアイデアで小物や洋服が生まれ変わる
〈簡単アップサイクル講座〉を開催。その様子を取材してきました。

愛知県稲沢市出身の洋服作家の井上アコさん。文化服装学院を卒業後、アパレルメーカーに勤務したのち、1998年より手づくり子ども服ブランドを展開。現在はNHK『すてきにハンドメイド』に講師として出演するほか、らくがき刺繍家としての顔も。「らくがきライブ刺しゅう」と題したイベント・ワークショップなどを各地で行っている。

愛知県稲沢市出身の洋服作家の井上アコさん。文化服装学院を卒業後、アパレルメーカーに勤務したのち、1998年より手づくり子ども服ブランドを展開。現在はNHK『すてきにハンドメイド』に講師として出演するほか、らくがき刺繍家としての顔も。「らくがきライブ刺しゅう」と題したイベント・ワークショップなどを各地で行っている。

1枚のシャツからかわいい雑貨小物が!
タグも生かしてオシャレなデザインに

洋服のリメイクと聞くと、ハードルが高いと思われてしまうのですが、
例えば、シャツの身ごろを使用して、ボタンの部分をそのまま生かせば、
ファスナーをつけなくても取り外しが簡単なクッションカバーができます。
「洋服のかたちにとらわれず、布地として再利用すれば、
さまざまなものにアップサイクルできるんですよ」と井上先生。

シャツをそのまま生かしたクッションカバーやティッシュケース、ポーチなど。タグもおしゃれなアクセントに。

シャツをそのまま生かしたクッションカバーやティッシュケース、ポーチなど。タグもおしゃれなアクセントに。

1枚のシャツから、クッションカバー、ティッシュケース、カード入れ、
ポーチをつくったP&H事業QMCS推進部の河合成美(かわいなるみ)さんは、
もともと洋裁が得意ではなかったそうですが、この取り組みをきっかけに、
モノづくりの楽しさに目覚めたのだとか。

河合さんが着ているのは、井上先生のパターンでつくったワンピース。
右前身頃は夫のシャツ、左前身頃は、以前ワークショップを開催したときに
もらったカーテン地のはぎれなんだとか。
デザインはシンプルでも、布地の組み合わせで、
オリジナリティあふれる洋服に仕上がっています。

「このシャツは、私が気にいって、夫のために購入したものだったのですが、
シミや汚れがあり、夫が捨ててしまっていたんです。
それを私がゴミ箱から救出しました(笑)。
夫には、アップサイクルすることを話していなかったので、
私の着ているワンピースを見て、驚いていました」と河合さん。

こちらはご自身が愛用していたワンピース。
スパンコールのベルト部分が、かわいかったので、
そのまま使用しておしゃれなバッグへとアップサイクルしたそうです。
裁断部分を工夫して、背のファスナーもそのまま布地として使用。
こういった利用もアップサイクルのおもしろさといえます。

〈OF THE BOX〉追沼翼さん 建築、カフェ経営、地域の情報発信、 “一専多能”な新しいまちづくり

建築家で東北芸術工科大学教授の馬場正尊さんが推薦したのは、
山形市で建築プロジェクトを行う〈OF THE BOX〉の追沼翼さん。

推薦人

馬場正尊さん

馬場正尊

オープン・エー代表取締役/
建築家/東北芸術工科大学教授

Q. その方を知ったきっかけは?

山形にある東北芸術工科大学で彼が学部3年生(建築・環境デザイン学科)のとき、僕の研究室の学生として入ってきました。大学院在籍中に起業。僕の仕事を手伝ってもらったり、彼の仕事をサポートしてみたり、いろんなトライを横で見守っていました。

Q. 推薦の理由は?

彼のようなタイプを、「新しい日本人」と呼んでいます。なんだか行動のモチベーションがサラサラしているんですよね。周りの人を楽しませながら自分も走っている、というような。仕事のつくり方や進め方も、僕らの世代とはまったく違う。仕事の内容も場所も、横断的かつ離散的。
例えば、カフェをやりながら、設計事務所を並行して経営していたり。プロジェクトを動かすとき、クラウドファウンディングで数百万円集めることから始めたり。
クライアントが全国にいて、ほとんどのコミュニケーションをオンラインでこなしていたり。なんだかよくわからないけど、でもそれらの活動はちゃんとつながっていて、なおかつ時代の要請に素直に対応している。
軽やかで、しなやかで、でもちゃんと経営につなげていく。そんな感性を持った人たちを「新しい日本人」と呼んでしまっているのですが。追沼くんは僕の身近にいる人のなかで、その代表選手かな。

大学の課題「リノベーションの妄想」が現実に

東北芸術工科大学在学中から、
大学のある山形市を中心にまちの課題を解決するようなプロジェクトを展開。
現在は日本各地にその舞台が広がっている、追沼翼さん。
推薦者の馬場正尊さんは、彼の進路を方向づけたひとりといえる、大学時代の恩師だ。
その推薦文を読んだ追沼さんは、「新しい日本人」という言葉に反応した。

「馬場さんからはよく、『宇宙人』って言われていたんですよね。
もう少しやさしい言い方にすると、こうなるのかな(笑)」

仙台市出身の追沼さんは、大学進学を機に山形市へ。
そもそも専攻した建築・デザイン学科は第一志望ではなかったが、
未知の世界だったからこそ、可能性は四方八方に散らばっていた。

「〈みかんぐみ〉の竹内昌義さんが学科長だったこともあり、
全国の大学でも珍しいんですけど、
エコハウスやエネルギー関連の授業に力を入れていたんです。
ほかにも、自分たちの食べているものが、
どこから来ているのかを考える哲学寄りの授業があったりして、
建築に徐々に興味を持つようになっていきました」

まちや地域のコミュニティに入り込むきっかけとなったのが、
大学3年生のときに馬場さんのゼミで取り組んだ夏休みの課題。
「空き物件のリノベーションを妄想せよ」というテーマを与えられて選んだのが、
山形市七日町の通称「シネマ通り」にある〈郁文堂書店〉だった。

かつての〈郁文堂書店〉

かつての〈郁文堂書店〉

リノベーションブームの先駆けといえる〈とんがりビル〉の隣で、
ひっそりとシャッターを閉ざしていたこの書店を、
ブックカフェにするアイデアがまず浮かぶ。

オーナーにヒヤリングを行うと、閉店してすでに10年ほど経つこと、
シネマ通りはかつて映画館が6つも立ち並ぶ文化の拠点だったこと、
斎藤茂吉や井上ひさしなど名だたる文化人が足を運び、
「郁文堂サロン」と 呼ばれていたことなどが判明。
そんな夢のような空間が現代に蘇ったら……と希望を抱いた追沼さんは、
妄想を妄想のままで終わらせず、ブックカフェの案を練り直すことに。

「あのときまちの人たちと接して、
山形を知ることができたのは大きかったと思っています。
オーナーの原田さん(故人)は、僕らが出会った頃すでに80代でしたが、
界隈で知らない人はいないくらい顔が広く、
住民との関係の築き方を教えてもらいました。
結局、半年くらいほぼ毎日、片付けなどに通ったのですが、
表からは見えにくい地道な活動の積み上げが大事だというのも、
実践しながら学ばせてもらいました」

2016年9月、山形ビエンナーレで書店の1日限定オープンを成功させたあと、
追沼さんたちは郁文堂サロンの本格的な復活を目指す。

その際に活用したのが、当時はまだ認知度の低かったクラウドファンディングだった。
資金力のない学生ゆえにたどり着いた選択ではあったが、
お遊びでやっていると思われたくないプライドや、
周りに迷惑をかけたくないというプレッシャーが交錯。
不安をよそに目標金額を達成できたことは、自信と励みになっていく。

「設計料や活動費を自分たちで集めていくようなやり方は、
このときの経験が原点になっているのだと思います」

店舗からストリートへ、エリアリノベーションを展開

電気工事など専門的なところは職人にまかせ、
それ以外の部分は学生とまちの人たちのDIYによって完成した〈郁文堂書店TUZURU〉。
書店とサロンの機能を持つ、まちに開かれた空間は、
メディアなどに取り上げられて注目が集まり、住民にも喜ばれた。

書店とサロンの機能を持つ〈郁文堂書店TUZURU〉

書店とサロンの機能を持つ〈郁文堂書店TUZURU〉。(撮影:斎藤哲平、吉木綾)

「一方で、学校で勉強しているだけでは接点を持てなかった人たちと出会い、
それぞれの世代ごとに抱えている課題が具体的に見えてきたことで、
まちについてもっと真剣に考えたいと思うようになりました。
それが〈山形ヤタイ〉や〈シネマ通りマルシェ〉の
プロジェクトへとつながっていったんです」

山形ヤタイは、木枠にレジャーシートの屋根を張った、
シンプルかつおしゃれな佇まいの屋台。
ホームセンターで揃えられる材料と工具で、
DIY初心者でも簡単につくることができるのがポイントだ。
チャレンジショップのようなビジネス利用から、町内のイベント、
あるいは庭先でのピクニックでも活躍する汎用性の高さが受けて、
設計やつくり方を実践的に学ぶワークショップを全国で展開する。

その山形ヤタイを活用したのが、2017年~19年に年2回のペースで開催された、
シネマ通りマルシェ。コーヒー、パン、野菜、アクセサリーなど、
毎回2~30店舗が出店し、多いときは約2000人が来場。
さらにマルシェに合わせて山形リノベーション協議会の協力のもと
「空き物件ツアー」を行い、新たな実店舗の開業へとつながる動きも生まれた。

汎用性が高い〈山形ヤタイ〉。

汎用性が高い〈山形ヤタイ〉。

シネマ通りマルシェの様子。

シネマ通りマルシェの様子。東北芸術工科大学と山形大学の有志も協力した。

2018年、大学院に進学した追沼さんは、
こうしたプロジェクトを行ってきた〈OF THE BOX〉を法人化。
さらにその翌年には〈株式会社デイアンド〉を設立して、店づくりにも着手する。
山形駅近くの通称「すずらん通り」に、
コーヒースタンド〈Day & Coffee〉をオープンさせたのだ。

安土桃山時代から続く老舗呉服店〈とみひろ〉の旧本社ビル

安土桃山時代から続く老舗呉服店〈とみひろ〉の旧本社ビルを、2019年にフルリノベーション。1階がコーヒースタンド、1、2階がオフィス、2、3階がメゾネット住居になっている。

〈とみひろビル〉の奥に立つギャラリー。

〈とみひろビル〉の奥に立つギャラリー。山形副市長の定例朝会などに利用されている。

「Day & Coffeeが入っているのは、老舗呉服店の本社ビルだった建物で、
10年くらい使われていなかったんです。
オーナーさんが芸工大の理事だったこともあり、
学生やまちの人と関わりながらリノベーションして、
若者が来るような場所にしたいという相談が大学にあって。
芸工大の先輩である〈リトルデザイン〉代表の佐藤あさみさんから声をかけてもらい、
プロジェクトに参加することになりました」

Day & Coffee

Day & Coffeeのコンセプトは「すべての日に特別なひと時を」。特別感のあるリボンをモチーフにロゴをデザインしてもらった。

Day & Coffee 店内

世界各地の豆を丁寧に店内で焙煎し、ハンドドリップなどで提供。テイクアウトもOK。

ハンドドリップしている様子

そして、すずらん通りもかつては様相が違っていたことを、
プロジェクトを通して知るように。

「もともとは文房具屋さんや呉服屋さんなどが立ち並ぶ商店街だったのですが、
僕が山形に来た頃には
夜の繁華街のイメージが強くなっていました。
もちろんそれも悪くないのですが、駅から徒歩数分の立地なので、
昼間、外から訪れた人には暮らしが見えないうえに、
お店も開いていないので、“何もない場所”という印象になってしまう。
僕自身も外から来た人間だから、もったいないなと思ったんです」

暮らしの息づかいが聞こえるような、
昼夜問わず人がいる状態をつくりたいと考えた追沼さんたちは、
オフィスと飲食、住居の機能を持ち合わせたビルにリノベーション。
まちに新たな人の動きを生み出した。
ちなみにオープン時からカフェの店長を務めている北嶋孝祐さんも、
芸工大の出身者だ。

「彼は高校時代からスペシャルティーコーヒーの店でバイトして、
バリスタトレーニングを受けるほどのコーヒー好きなんです。
もともとの出会いは、
郁文堂書店の再生プロジェクトを手伝ってくれたからなんですけど、
コーヒーの道具を現場に持ってきて、
毎日いろんな種類のコーヒーを振る舞ってくれました。
『自分が受けた感動を味わえるような、
スペシャルティーコーヒーの店が山形にもあったらいいのに』
と話していたのが印象に残っていて、一緒にお店をやることになりました」

一方、学生時代から追沼さんを見てきた北嶋さんは、その印象をこう語る。

「理想と現実のバランスがいい人だと思います。
社会がこうなったほうがいいという理想をしっかり持ちつつ、
理想のままで終わらせないというか、
現実的に自分ができることを常に考えて、継続してアクションを起こしている。
いろんな活動をしているので、一貫性がないように見えるかもしれないし、
たぶん本人もそう言われがちだと思うのですが、
理想に対して一歩ずつ近づいている印象は、そばで見ていて変わりません。
一見飄々としていますけど、内側には熱いものを持っているんですよね」

Day & Coffeeの店長 北嶋孝祐さん

芸工大の後輩で、Day & Coffeeの店長を務める北嶋孝祐さん。コーヒーが飲めなかった追沼さんを、コーヒー好きにした人物でもある。

U-zhaanのカレー皿に新色登場! 今春、波佐見町でLIVEを開催

日本有数の陶磁器の産地である、
長崎県の波佐見町。

創業108年を迎える〈株式会社中善〉が手がける
オリジナルブランド〈zen to〉から、
タブラ奏者のU-zhaan(ユザーン)さん監修による
〈仕切りが取れるカレー皿〉の新色2色が発売されます。

2020年のブランド創設以来、
数々のアーティストやクリエイターらとともに
多種多様な器を提案してきた〈zen to〉。

2021年には初代〈仕切りが取れるカレー皿〉がリリースされ、
陶磁器には珍しい“仕切りが取れる”タイプの皿ということで話題に。
実用性も抜群で、ロングセラー商品となりました。

⚪︎2021年の発売時に紹介したコロカルニュース記事はこちら

新色ブルーとイエローが登場!

〈仕切りが取れるカレー皿〉新色のイエロー

サイズ:W270×D270×H24mm/カラー:yellow、blue/価格:3960円(税込)

〈仕切りが取れるカレー皿〉新色のブルー

2025年の新色ブルー。仕切りが取り外しできる画期的なアイデアが多方面で評価されている。

〈仕切りが取れるカレー皿 First Edition〉

2021年発売の〈仕切りが取れるカレー皿 First Edition〉。zen toオンラインストアや波佐見町の直営店〈荷土〉で販売されるほか、長崎県波佐見町のふるさと納税の返礼品としても購入可能。

2021年発売当初のカラーはブルー1色。
今回は食卓に映える鮮やかなイエローと、
アップデートされた新色ブルーが加わりました。

2023年春から試作を重ね、
“カレーがおいしそうに見える色”にこだわったというユザーンさん。

「カレーはブルー系の皿と相性がいいと
僕は常々思っているので新色も青なのですが、
1年半かけて何度も試作して今回の色に辿りつきました。
初期モデルよりも少し落ち着きのある、
食卓によく馴染みそうな青です。
さらに今回は、同デザインの皿を色違いで持ちたい人のために
(僕もそのタイプです)もう1色つくりました。
初期モデルの鮮やかな青と今回の青、
どちらにもマッチしそうなレモンイエローです」

〈仕切りが取れるカレー皿〉新色のイエロー 仕切りを付けている仕様

仕切りを付けている仕様。スペースが4つに区切れるので副菜や違う種類のカレーなどが混ざらず盛り付けられる。

〈仕切りが取れるカレー皿〉新色のブルー 仕切りを外した仕様

仕切りを外した仕様。おかずが少ないときにはちょうどいい。ワインプレートなので洗い物も少なくて◎

三重県四日市のまち工場が挑んだ 「萬古焼」を応用した 時短ロースター

後継者不足、原材料不足に直面している三重県の「萬古焼」

三重県の四日市市や菰野町を中心に、花器や器、工業製品などさまざまな焼き物
として親しまれている萬古焼(ばんこやき)。
現在、四日市市と菰野町に100社を超える窯元と問屋があると言われていますが、
年々後継者不足に悩まされています。
これに伴い、萬古焼の認知度の低迷も課題となってきました。

また、萬古焼の原材料となる鉱物の「ペタライト」が、EV自動車の普及や
ジンバブエの鉱山を中国系企業が買収したことで、
資源が手に入らない事態に直面するなど、
さまざまな問題が浮上しています。

航空宇宙部品加工も行う町工場が「萬古焼」の復興に挑戦

三重県四日市市〈中村製作所〉

これらの問題を解決しようと立ち上がったのが、三重県四日市市で
工作機械部品の加工を請け負う〈中村製作所〉です。
先代の想いは「削りを通じて社会を創る」。
そのために“空気以外なんでも削る” をモットーにさまざまな商品開発を進めています。

加工作業をするスタッフ

そうした、切削加工技術のみにとらわれない、挑戦する姿勢から別事業として
〈モラトゥーラ〉ブランドがスタート。
これまでにチタン製印鑑〈サムライン〉、蓄熱調理土鍋〈ベストポット〉が誕生しました。

輪島塗を未来につないでいく。 塗師・赤木明登さんがつくる器と 輪島の景色

いち早く動いた「小さな木地屋さんプロジェクト」

2024年12月21日から26日まで、東京・西麻布にある器と工芸のギャラリー〈桃居〉で、
輪島塗の塗師(ぬし)・赤木明登さんの新作「合鹿椀(ごうろくわん)」の
展示受注会が開かれた。
赤木さんは工芸に関心のある人なら知らない人はいないほどの人気作家で、
この合鹿椀も、店頭での直売分とオンラインでの受注分、
合わせて130個がほぼ初日に完売してしまった。

輪島市の中心部から車で20分ほどのところに工房を構える。

輪島市の中心部から車で20分ほどのところに工房を構える。

合鹿椀は能登に古くから伝わる椀で、一度は途絶えたものの、
1970年代にふたたび注目されるようになったという。
今回の合鹿椀受注会は「小さな木地屋さんプロジェクト×赤木明登」と銘打たれており、
売り上げは「小さな木地屋さん」存続のための資金となる。

その「小さな木地屋さん」とは、赤木さんの椀木地を挽いていた木地師のうち
最高齢だった86歳の池下満雄さんのこと。
2024年元日に起きた能登半島地震のあと、赤木さんがいち早く再建に動いたのが
この「小さな木地屋さん」だった。

輪島塗をはじめ、漆器づくりは基本的に分業制で、
いろいろな専門の職人の手を経てつくられていく。
木地師は漆器のベースとなる木地をつくるという最初の工程を担い、
とても重要な仕事だが、従来、工賃が安いという問題があった。
そのため継ぐ人がなかなかおらず、担い手は減る一方。

木地師だけでなく、どんどん職人がいなくなり、このままでは産地が成り立たなくなる、
なんとかしなくてはと赤木さんが常々思っていたところに、地震が起きた。

元日、赤木さんは群馬県の温泉で休暇を過ごしていたが、
4日になんとか輪島の自宅兼工房へ戻ってきた。
幸い大きな被害はなく、6日に輪島の中心地まで行き、
池下さんの工房を見に行くと、建物はほぼ全壊で池下さんはいなかった。

近所の人に聞くと、池下さんは地震直後、工房の前に呆然と座り込んでいたのだという。
津波がくるから逃げるように促されてもそこを動こうとせず、2日間座り込み、
3日目についに意識を失って病院へ搬送されたそうだ。

「そのときの池下さんの胸中を想像するに、
“71年間ここで職人をやってきて、最後がこれか”と絶望したんじゃないか。
その絶望した状態のまま死なせられないと思って、まずここを再建しようと決めました」

赤木明登さん。自宅兼工房は被害は少なかったが、金沢に2次避難し、4月に輪島に戻って来た。

赤木明登さん。自宅兼工房は被害は少なかったが、金沢に2次避難し、4月に輪島に戻って来た。

〈Oriori〉代表・藤川かん奈さん みんなで笑って助け合う、 地域という名の学校を

Next Commons Lab/paramitaを率いて、
地方からポスト資本主義的な新しい社会をつくることを目指す林篤志さんが推薦するのは、
山形県遊佐町で着物や反物からプロダクトを制作する〈Oriori〉の代表、藤川かん奈さんです。

推薦人

林篤志さん

林篤志

Next Commons Lab/paramita
代表

Q. その方を知ったきっかけは?

プロジェクトをご一緒したことがきっかけ。

Q. 推薦の理由は?

地域おこし協力隊として活動された後、ヴィンテージ織物や着物のブランドを立ち上げ、その後は地域の高校魅力化プロジェクトなど教育分野にも積極的に関わっている方です。まさに地域の顔として、かん奈さんによって多くの人が巻き込まれ、彼女を通じて新たなプロジェクトや取り組みが次々と動き出しています。その一方で、周りの皆がいつも楽しそうにしています。不思議な魅力で、次世代のローカルを牽引する人です。

遊佐の土地と人に、恋に落ちて

山形県の形はよく、人の横顔にたとえられる。その「おでこ」に位置する最北部の遊佐町は、
日本海と鳥海山という雄大な自然をのぞむ、人口1万3000人弱の小さなまちだ。

京都で生まれ育った藤川かん奈さんは、移住して10年ほど経つこの遊佐町で、
ヴィンテージ反物・着物をリメイクするブランド〈Oriori〉を立ち上げ、
廃校の危機に瀕した公立高校の魅力化を図り、豊かさを享受するだけではない
まちづくり・人づくりを実践している。

山形県と秋田県をまたいでそびえる鳥海山。手前は、遊佐町唯一の公立高校である遊佐高校。

山形県と秋田県をまたいでそびえる鳥海山。手前は、遊佐町唯一の公立高校である遊佐高校。

縁もゆかりもない遊佐町にたどり着いた経緯を尋ねると、
「高3のとき、国連に入りたいと思ったんです」と語り始めた。
なぜ国連から遊佐町になったのか、そこには壮大な冒険と発見があった。

「大学進学後、世界の貧困について知らなければいけないと思い、
バックパックひとつで発展途上国を旅していました。
だけど、どうして貧困が起こるのか考えても無力感しかわかず、
私にできることなんてないとショックを受けていたのですが、
あるとき全然違う問いがバーンと降ってきたんです。
電気も水道も整っていないような環境で、裸足で着るものさえ満足にないのに、
どうしてこの人たちは笑顔なんだろう。何が彼らを生かしているんだろうって。
そしてその答えは、ひとつしかないと思いました。
地域の助け合いが、この人たちを笑顔にしているんだって」

対して、京都市内の一軒家で生まれ育った自分は、ご近所さんの名前もほとんど知らない。
玄関を開けようとして、誰かが通りを歩いている気配を感じたら、
扉の内側で通り過ぎるのをじっと待つような生活だった。

「もしこの村が経済発展したら、今みたいな温かさや助け合いがなくなって、
私が育ったようなよそよそしいところになってしまうのかもしれない……。
そんな想像をしたら、やばい! と思って。
それから旅をやめて、国連に入りたい気持ちもすこーんとどこかに行っちゃって、
地元の京都で現代の日本に合った温かいコミュニティをつくろうと思ったんです」

地元に戻って立ち上げたのが、「笑学校(しょうがっこう)」という地域コミュニティ。
京都市内の寺や廃校になった学校、あるいは鴨川の河川敷などを教室に見立て、
年齢を問わず先生にも生徒にもなれる学校の“校長先生”になったのだ。

「たとえば、紙飛行機について長年研究しているおじいさんが先生になって、
めちゃくちゃ飛ぶ紙飛行機のつくり方を教えたり、
マイケル・ジャクソンが大好きな小学4年生の男の子がダンス講座をやったり。
好きをこじらせてセミプロみたいになっちゃった人を発掘して、声をかけていったんです。
学校という名前をつけたのは、教員一家で私自身も先生になりたかったから」

「教育」は藤川さんのライフワークといえるような軸になっていくのだが、
その話はまた追って。
大学卒業後も企業などに属さず、
多世代のコミュニティづくりに奮闘する藤川さんの活動に感銘を受けた人が、
遠く山形にいた。

「山形大学の学生だったんですけど、
東北の学生50人くらいを集めてソーシャルキャンプをするから、
講師として来てほしいってお誘いを受けたんです。
そのとき初めて、山形の庄内地方を訪れました」

2泊3日の滞在には、恋愛というおまけもついていた。
そこで出会った地元の男性に恋をしてしまったのだ。そして2週間後には移住を決意。
3年続けてきた笑学校は、自分がいなくなっても、
地域の人たちのつながりがすでにできているから心配ないと思えたのも大きかった。

コロカル編集部、 1年間の「買ってよかった!」まとめ 「ベストバイ2024」

コロカル編集部員の2024年のお買い物事情

今年の1年を振り返るためには、買ったものを振り返るのが手っ取り早い……!
ということで、今年もコロカル編集部に、「2024年、これ買ってよかった!」
を聞きました。

取材先で、旅行先で出合った逸品とは?

小倉縞縞のシンプルバッグ(テキスタイル|#140 OCEAN BLUE)/福岡県小倉市

テキスタイルのデザインと、使っているときのフォルムが気に入っている、
〈小倉縞縞〉の手提げです。

小倉縞縞の存在を知ったのは、
コロカル編集部が〈カラーミーショップ大賞2019〉の審査を依頼されたのがきっかけ。
ノミネートされたネットショップの中に小倉縞縞もありました。

一度は途絶えてしまった小倉織を復元し再生したテキスタイル、
という背景も魅力的でしたが、
小倉織のもともとの個性である「たて縞」を
ここまで印象的なデザインに仕上げられるのか、と驚いた記憶があります。
「縞」という一見単純な模様を、ここまでバリエーション豊かに表現できるのかとも。

個人的な好みはこの「#140 OCEAN BLUE」というテキスタイルですが、
公式サイト上には印象ががらっと違う、いろんなしましまが並んでいます。
眺めているだけでも楽しいですよ。

Web:小倉縞縞 商品サイト

デザイナー&エンジニア・絹川憲人

〈ECHAPPER(エシャペ)〉のパジャマ/東京都

出合いは、10月特集「ふたりのコンランが愛したジャパン・ローカル」の取材で訪れた
三重県多気町のホテル〈HACIENDA VISSON〉でのこと。
袖を通した瞬間“パーフェクト”な着丈、首のつまり具合、着心地が気に入って、
その場でブランドを検索。
〈ATON(エイトン)〉を手がける久﨑康晴氏による
メイド・イン・ジャパンのホームリネンブランドとのことで膝を打ちました。

封筒型の収納袋

封筒型の収納袋がついているので、出張先にも持っていっています。

生地のシャリ感、ツヤ感は、スヴィンコットンからなるもので、
普通のコットンよりも繊維質が細くて長くて強いのだそう。
ストレスフリーで、かつパジャマっぽさがないので、長距離移動に良さそう……
と、この年末、禁断の「パジャマ外着化計画」を企んでいます。

Web:ECHAPPER

Instagram:@echapper_japan

エディター・海老原

〈NO COFFEE × SHIGIRA SEVEN MILES RESORT〉/沖縄県宮古市

藤原ヒロシやKYNEなど有名アーティストとのコラボで人気の
福岡薬院エリアにあるコーヒーショップ〈NO COFFEE〉。

いちコーヒーショップの域を越えて、
ファッション・アートシーンで注目を集める同ブランドですが、
今年の夏に沖縄県宮古島を訪れたときに出合ったのが
宮古島のリゾートホテル〈SHIGIRA SEVEN MILES RESORT〉とのコラボアイテム。

宮古島滞在中は、民宿に宿泊していたのですが
観光がてら〈SHIGIRA SEVEN MILES RESORT〉のショップを訪れたところ、
〈NO COFFEE〉と〈SHIGIRA SEVEN MILES RESORT〉のコラボアイテムを発見!
即・購入と相成りました。

Cap

Cap "NO ISLAND" Key Chain(1980円)

〈NO COFFEE〉は人気のブランドですし、
同商品はもちろんECでも購入することができます。
でも、「宮古島でゲットした」ということに意味があります。

ローカルに訪れるたび、「東京でも、ECでも買えるもの」を
買ってしまいがちなぼくですが、
“その土地で買ったもの”への思い入れはひと味違います。

Web:〈NO COFFEE × SHIGIRA SEVEN MILES RESORT〉ECショップ

編集・卓立

つくも窯 十場天伸さんの耐熱鍋/兵庫県神戸市

鍋が好きだ。食べるのも好きだけども、観ているだけで温まるその風貌に魅かれる。
うちには、鳥取の陶芸家・山本教行さんの両手付平土鍋、
そして兵庫 つくも窯の十場天伸さんの鍋が3つ。
合計4つもある(笑)。

今年、久しぶりにつくも窯を訪れたときに購入したのが、十場さんの耐熱鍋把手付きである。
インドネシアのロンボク島で、鍋で調理した料理をそのままに出されて、
感動したというお皿を手本につくったもの(写真左下)。
野菜炒め、焼きうどん、スクランブルエッグ……、
つくった料理を温かいままに食すことができるワイルドさ。
ちなみに、左上は耐熱ラーメン鉢、右が耐熱四角鉢。
ガシガシ火をかけて育っていく姿も愛おしい。

Instagram:@tsukumogama_llc

ブランディングプロデューサー・杉江宣洋

〈starnet〉の陶器のタンブラー/栃木県益子町

コロカルにジョインして、2回目の遠方取材。栃木県益子に行った際、
訪れた〈starnet〉で一目惚れした陶器のタンブラーです。

同じ形のガラスのタンブラーはよく見かけますし、小さいサイズは既に持っていました。
在宅での作業が多い時、グラスが小さいと何度も注がないといけないのが面倒で(笑)
大きさも、陶器でこの形というのにもグッときて、迷うことなく購入しました!

実は他にも先の細いお箸も置いてあって、3膳購入したのですが、
使用感満載なのでグラスのみのご紹介。

〈starnet〉は雑貨からファッションアイテムまで、目移りしてしまうような、
おしゃれなアイテムがたくさんあります。ぜひ益子を訪れた際には覗いてみてください!

Instagram:@starnet_mashiko

ADプランナー・伊庭

瀬戸〈中外陶園〉 働き方改革と新しいデザインで 進化する招き猫

「せともの」のまち愛知県瀬戸市で、招き猫や干支置物など、
縁起置物や季節飾りを製造してきた〈中外陶園〉。

三菱UFJ銀行東支店の伊藤大知さん、堀紗緒理さん、
三菱UFJニコスの中村直幹さんが、その工房や〈招き猫ミュージアム〉、
体験型複合施設〈STUDIO 894〉を見学。
伝統を受け継ぎながら、新しいプロダクトやものづくりの環境に
さまざまな改革を起こしてきた、4代目社長の鈴木康浩さんにお話をうかがいました。

複雑な立体を生み出せる、瀬戸の土

中世から現代まで生産が続く焼きものの産地、六古窯(ろっこよう)。
愛知県瀬戸市を中心に生産される瀬戸焼は、その六古窯のひとつとして
約千年もの歴史を紡いできました。陶磁器全般を指す「せともの」という言葉が、
瀬戸の焼きものに由来していることも、瀬戸焼の歴史の古さや影響力を物語っています。

「焼きものには陶器と磁器がありますが、両方を焼ける産地は全国でも瀬戸くらいです」
と説明するのは、〈中外陶園〉の鈴木康浩社長。

ふたつの大きな違いは、原料。
陶器は「土もの」と呼ばれ、粘土が主な原料なのに対して、
「石もの」の磁器は長石や珪石、粘土を用い、それぞれ製法も異なります。

1952年に創業した中外陶園は、陶器と磁器の両方を製造していますが、
「せともの」としてよく知られる食器ではなく、
招き猫や干支の飾りのような置物に特化したものづくりを行っています。

江戸時代末期に江戸で誕生したといわれる招き猫は、日本ならではの縁起物。
瀬戸で量産されるようになり、いまなお中外陶園の主力アイテムです。
どこか懐かしく愛らしい佇まいの〈瀬戸まねき猫〉や、
〈BEAMS〉とコラボしたオレンジ色のまねき猫、
「シンプル」と「新しさ」を追求し、表情さえも削ぎ落とした〈SETOMANEKI〉など、
ユニークなラインナップを展開しています。

技法やスタイルを受け継ぎ新たにブランド化した〈瀬戸まねき猫〉。

技法やスタイルを受け継ぎ新たにブランド化した〈瀬戸まねき猫〉。

現代的でスタイリッシュなデザインが特徴の〈SETOMANEKI〉。

現代的でスタイリッシュなデザインが特徴の〈SETOMANEKI〉。

組紐を未来につなぐ 〈龍工房〉の守りと攻めの ものづくり

飛鳥時代に伝来し、時代とともに用途が移り変わってきた組紐。
その製造を糸づくりから一貫して行う東京・日本橋の〈龍工房〉を、
三菱UFJ銀行神田駅前支店の中澤正浩さん、大久保優さん、
アコムの勝村知里さん、福本花音さんが訪れました。
「江戸の粋は進化する」を体現する福田隆さん、隆太さん親子の“守りと攻め”が、
組紐の未来を切り拓きます。

一貫して手がけるから可能なこだわり

組紐とは文字通り、複数の糸を組むことでつくりあげる伝統工芸。
その歴史は非常に古く、仏教の伝来とともに日本に伝わり、
平安時代には独自の技法が確立したと考えられています。
伸縮性にすぐれ、結びやすくほどけにくい特性に用の美を兼ね備えており、
経巻の紐や茶道具、武具甲冑など、時代に寄り添って用いられてきました。

現在は主に着物の帯締めに使われていますが、着物離れが進み、
多くの人にとって馴染みが薄いものになってしまっているのも事実。

そんななか東京・日本橋の〈龍工房〉は、伝統を守りつつ、
現代のライフスタイルに沿った組紐のあり方を探求している革新的な工房です。
1889年に家業として創業し、現在は4代目の福田隆さんと
息子の隆太さんがその伝統を受け継いでいます。

〈龍工房〉の桐箪笥の中には、これまでにつくられてきた組紐がたくさん。

〈龍工房〉の桐箪笥の中には、これまでにつくられてきた組紐がたくさん。

「もともとは職人集団で、群馬県の農家さんとともに、養蚕から糸づくり、
デザイン、染め、組み、そしてデパートや呉服店などに納めるまでを
50人ほどで一貫して行っているため、お客様の細かな要望にお答えすることが可能です」

4代目の福田隆さん。

4代目の福田隆さん。

こう説明する隆さんは、厚生労働省が表彰する「現代の名工」や、
黄綬褒章を受章している、日本屈指の組紐職人。
その帯締めは皇族をはじめ、歌舞伎界や茶道界からも愛されており、
正倉院宝物殿や中尊寺金色堂の藤原秀衡(ふじわらのひでひら)公の棺に入っていた
古代紐の研究・復元にも取り組んでいます。

隆さんが復元に携わった古代紐。右は中尊寺金色堂に伝わる古代紐のひとつ。

隆さんが復元に携わった古代紐。右は中尊寺金色堂に伝わる古代紐のひとつ。

一方、息子の隆太さんは、先代からの技術を磨きながら、進化した組紐の可能性を探り、
さまざまな企業やアーティストとコラボレーション。
レディー・ガガのヒールレスシューズを代表作に持つ、
現代美術家の舘鼻則孝さんとつくった〈KUMIHIMO Heelless Shoes〉は、
ロンドンの〈ヴィクトリア&アルバート博物館〉に収蔵されています。

舘鼻則孝さんとのコラボレーションにより生まれた〈KUMIHIMO Heelless Shoes〉。(NORITAKA TATEHANA & EDO TOKYO KIRARI PROJECT, Photo by GION)

舘鼻則孝さんとのコラボレーションにより生まれた〈KUMIHIMO Heelless Shoes〉。(NORITAKA TATEHANA & EDO TOKYO KIRARI PROJECT, Photo by GION)

〈よつめ染布舎かれんだ〉 最後の九州・沖縄編が発売! 10年暮らした国東から来春広島へ、 現代アートで自分だけの表現も

ギャラリー〈すずめ草〉の前で2025年〈かれんだ〉を手にする小野豊一さん。

型染作家として独立、地域デザインまで何でもやった30代

大分県の北東、周防灘に丸く突き出した国東半島。
約1300年もの時を超えて山岳信仰や祭りが伝わる地で、
深い山に苔むした寺や石仏が佇み、異世界のような雰囲気が漂っています。

2015年、この国東半島に広島県北広島町から移住し、
染めの工房〈よつめ染布舎〉を構えた小野豊一(とよかず)さん。
型染と筒描という室町時代から続く伝統的な染色技法を使って、
身のまわりの自然や国東半島の伝統文化に着想を得た
独創的なデザインのテキスタイルをつくってきました。

空に舞うテキスタイル『カラスの群れ』。写真撮影:谷知英

空に舞うテキスタイル『カラスの群れ』。写真撮影:谷知英

手染めの大きなのれんやクッションなどの日用品、モンペやTシャツといった
幅広いプロダクトが並ぶギャラリー兼ショップ〈すずめ草〉は全国にファンが多く、
展示会は年間10回前後、国内からロンドンまで25店舗以上で取り扱われます。
福岡県の〈地域文化商社 うなぎの寝床〉や長野県の〈パンと日用品の店 わざわざ〉など、
発信力の高いセレクトショップとのコラボ商品も話題に。

古民家を改装したギャラリー。玄関には国東半島を代表する奇祭「ケベス祭」を表現した手ぬぐいが。

古民家を改装したギャラリー。玄関には国東半島を代表する奇祭「ケベス祭」を表現した手ぬぐいが。

今や「よつめ染布舎=国東」というイメージが定着しましたが、
2024年10月に「来春、広島へ移住します」という電撃ニュースが
公式Instagramに発表されたのです。
折しも、毎年定番の〈かれんだ〉が発売される時期でもあり、
聞きたいことは山とあるとばかり、国東半島へ取材に向かいました。
博多から新幹線と特急ソニックとバスに揺られて、片道3時間半。
周防灘に注ぐ伊美川沿いに佇む〈すずめ草〉を訪ねました。

工房看板

鶏が自由に歩き回る庭を抜けて、工房へ。

小野さんは、北広島で明治28年から続く染物屋に生まれました。
祭りの幟旗や神楽幕などを専門に染める会社で、長男の小野さんは
「継ぐもの」だと思って24〜31歳まで実家で型染の職人として働きます。

「ずっと絵で独り立ちしたくて、職人仕事の傍らペンキで絵を描いていました。
その頃、妻(岡美希さん)に出会って。彼女は陶芸家として身を立てていたんです。
展示会で彼女の器を買ったお客さんたちが幸せそうにしているのを見て、
なんて豊かな光景だろうと衝撃を受けました」

自分が絵を1点描く間に、同じ意匠の器をたくさんつくって人を幸せな気持ちにする
美希さんの姿に、工芸には絵と違う可能性があると小野さんは気づきました。
さらに、あるギャラリーの主人から
「描きたい絵を型染で表現すればいい」とアドバイスされたこともあって、
「型染に自分のクリエイションをのせてみたい」と考えるように。

20代から作家になることを夢見ていた小野さん。
2014年、結婚・出産とほぼ同時期に型染作家として独立しました。
1年後、子育てと創作を両立しやすい環境を求めて、
たどり着いたのが「空き家バンク」を介して知った国東市国見町。
ものづくりに携わる移住者が多く、移住のいろはを教わったのが決め手でした。

「移住した当初は売上もままならなくて、プレッシャーでした。
染色は工程が多いけど分業できる職人がいないので、一から十までひとりでやる。
子どもも生まれたし、必死でしたね」

手で彫った型紙を使って糊を置いていく工程。写真撮影:谷知英

手で彫った型紙を使って糊を置いていく工程。写真撮影:谷知英

生活を立てるために、型染の作家活動のほかにも
企業の商品パッケージや自治体イベントのロゴデザインなど、
ブランディング業務を手がける部門〈よつめデザイン〉も立ち上げました。

型染の意匠やデザインのヒントを得るために、
国東の人々が信仰する「鬼」についてなど歴史文化のルーツを研究したそうです。

「型染作家としての創作と、デザインの仕事を行ったり来たり。
アートで地域を活性化するイベント企画も提案しました。
30代のうちは声がかかる仕事は全部やって、自信と経験を積もうと。
“境”をつくらないことでおもしろい仕事が生まれたんですよね」

国東市内の高校生や小学生と完成させた、地域産品「鬼おんちっぷす」のパッケージデザイン。写真提供:よつめデザイン

国東市内の高校生や小学生と完成させた、地域産品「鬼おんちっぷす」のパッケージデザイン。写真提供:よつめデザイン

縁側で500個の「干し柿」づくり! カビを生やさないコツ・ポイントとは? 干し柿チーズ&バターのレシピも

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

「柿」の季節ですね! 
今年は、柿の当たり年。
大きな柿の枝がしなるほどに、たっぷりと実をつけました。

そんな年は、柿のお裾分けをいただくこともよくあります。
でも、食べきれずに柿が熟しすぎてしまうことも。
そこで以前、「“熟れすぎた柿”をおいしく食べるレシピ5選」という記事で
熟し柿の活用法や、おすすめレシピをご紹介しました。
こちらはもう読んでいただけましたか?

柿の木に登り、枝ごと選定して柿を収穫する人物の写真。

大きく育ちすぎた柿の木。バッサリと選定します。

今年は柿の木の選定も兼ねて枝ごと柿を収穫し、
長期保存が可能な「干し柿」にしました。
つくった干し柿の数は、なんと500個! 

食べておいしいのはもちろん、
干している間も美しいのが干し柿の魅力。
縁側に並ぶコロリとかわいい姿に、ほっこりと癒されます。

皮をむいて干すだけとはいえ、
カビを生やさず、トロリとやわらかく仕上げるには工夫も必要。
今回は、自家製干し柿づくりのコツをお伝えします。

干し柿を定期的に揉んで軟らかくしている写真。

失敗しない干し柿づくりのコツとは?

干し柿づくりで大事なポイントは、「気温」と「湿度」。
気温が高すぎたり、雨が降って湿度が高くなると
カビ発生のリスクが高まります。
最適な気温は10~15度程度といわれ、
肌寒くなって、空気がカラリとしてきた11〜12月辺りが
干し柿づくりの季節です。

2週間から1か月ほど乾燥させることで
柿がゆっくりと熟成・乾燥し、甘みが増すといわれています。

風通しのいい場所に吊るし、
しっかりと乾燥させるようにしましょう。

収穫したばかりの柿を手にしている写真。

干し柿の原料は「渋柿」じゃないとダメ?

一般的に干し柿は「渋柿」でつくられますが、
「甘柿」でもおいしい干し柿はつくれます。

じつは我が家の柿の木は、甘柿と渋柿を接ぎ木したもので、
食べてみるまで、どちらかわかりません。(笑)
これまでも、特に区別したりせず、すべて干し柿にしていますが、
問題なくおいしくいただけています。

ただ、私の感覚としては
甘柿のほうがカビが生えやすい気もしています。