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〈ティファニー銀座〉を包む、
久遠色の天井。金沢の金箔メーカー
が紡ぐ、伝統と未来

コロカルニュース

posted:2025.11.12   from:東京都中央区  genre:ものづくり

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Rina Akamatsu

赤松里菜

ティファニー銀座の天井に輝く“久遠色”

東京・銀座に今夏オープンした「ティファニー 銀座」。その2階天井を見上げると、やわらかな光を放つ金箔が空間を包み込む。その輝きを生み出したのは、金沢の金箔メーカー・箔座株式会社による「縁付金箔 純金プラチナ箔(久遠色)」。およそ2,500枚の箔を職人が一枚ずつ貼り上げ、伝統と現代デザインが響き合う新たな空間をつくりあげた。

箔座が独自に開発した「純金プラチナ箔」は、金とプラチナを融合させた世界初の合金製箔。今回採用された「久遠色」は、金の温もりとプラチナの静謐さが溶け合うような、シャンパンゴールドの光沢をたたえる。伝統的な「平押し」ではなく、あえてランダムに貼る新技法を用いたことで、光が呼吸するように揺らめく。ティファニーが掲げる“日本文化への敬意”を、素材の表情そのものが体現している。

ティファニー銀座2階天井に施工された「純金プラチナ箔・久遠色」〈左:永遠色、右:久遠色〉。

ティファニー銀座2階天井に施工された「純金プラチナ箔・久遠色」〈左:永遠色、右:久遠色〉。

約2,500枚の箔が職人の手で貼られた。

約2,500枚の箔が職人の手で貼られた。

無形文化遺産を未来へとつなぐ

このプロジェクトの背景には、ティファニーとワールド・モニュメント財団(WMF)が2022年に立ち上げた「金沢縁付金箔職人育成プログラム」がある。ユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技」にも登録された縁付金箔の保存と継承を目的に、文化庁や金沢市、金沢金箔伝統技術保存会と連携。ティファニー銀座の天井は、その理念を“かたち”にした象徴的な成果といえる。金箔のまち・金沢から、世界へ。伝統の技は、いま再び新しい光を放っている。

金沢の工房で製造される「縁付金箔」。ユネスコ無形文化遺産の技を、現代へと受け継ぐ。

金沢の工房で製造される「縁付金箔」。ユネスコ無形文化遺産の技を、現代へと受け継ぐ。

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箔座株式会社

住所:石川県金沢市森山1-30-4

公式サイト:https://www.hakuza.co.jp

Instagram:@hakuza_official

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ティファニー銀座

住所:東京都中央区銀座6丁目9-2

営:10時30分~20時30分

TEL: 03-5005-0108

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