きょうのイエノミ 旅するイエノミ 「和酒」に込められた意味とは。 〜黒壁蔵編〜

「黒壁蔵」(宮崎県/高鍋町)に行ってきました。

おいしい「和酒」をつくることで日本の食文化に貢献したい。
昨年夏にお邪魔した「白壁蔵」は、そんな「思い」をかたちにした
高品質の純米酒や吟醸酒中心の「技を伝承する」清酒蔵でした。
では「和酒」のもう一方の雄である焼酎は?
「実はいい蔵があるんです」と宝酒造さん。
それが宮崎県高鍋町にある「黒壁蔵」で
甲類と乙類どちらもつくる日本でも珍しい焼酎専門蔵だとか。
それも宝酒造の焼酎つくりの技術やこだわりが
すべて集約されたような蔵だというのです。
ぜひ行ってみたいとラブコールを送り続けて約1年。
ようやく「黒壁蔵」を訪れることができました。

独自の蒸留技術がありました。

宮崎空港から日向灘沿いに車で北上して約1時間。
カーブをまがると突然現れた真っ黒な建物が「黒壁蔵」です。
「いまは静かですが、8月のお盆過ぎになると賑やかになりますよ」
と出迎えてくれたのは、工場長の大槻達也さん。
南九州産のさつまいもの収穫時期は8月下旬から12月頃まで。
1日あたり数十トンと運び込まれる採れたての生芋を
高鍋のおじちゃんおばちゃんたちが手切りしながら選別し
本格芋焼酎の仕込みで蔵が活気づくそうです。

今回タンクのなかでぶくぶくと発酵していたのは大麦のもろみ。
このもろみは大麦を磨き、水に浸して蒸したものに麹菌や酵母菌をつけたもの。
この光景は、米と麦の違いこそあるけれど
昨年お邪魔した清酒蔵「白壁蔵」とよく似ています。
「醸造酒との違いが出てくるのはこのあと。それが蒸留ですね」
そこで、大槻さんに焼酎のことを教えてもらいました。

単式蒸留機

焼酎とは、穀類を発酵させ蒸留しアルコールを抽出した蒸留酒。
その際、連続式蒸留機で蒸留し雑味を取り除いたものが甲類
単式蒸留機で蒸留し原料由来の風味も多少残したものが乙類と区分されています。
だから、甲類はピュアな味わいでカクテルベースにも最適だし
乙類、つまり本格焼酎は米・麦・芋などの個性が楽しめる。
「でも、そう単純じゃないんです」と大槻さん。
たとえば、単式蒸留も常圧か減圧か、蒸留機のかたちやカーブの違いで
雑味、つまり風味の残り方が全然違ってくる。
また連続式蒸留も、単にピュアなアルコールにするだけじゃない。
何層何本も連なる蒸留機から最適なタイミングで取り出せば
香りや味のいい成分だけが残り、味わい深い焼酎原酒となる。
特に連続式蒸留のこのテクニックは「黒壁蔵」独自のものだとか。
「ウチの甲類焼酎はぜひ味わって飲んでほしいですね」
といいつつ、とっておきの場所に案内してくれたのです。

樽と原酒を見守る人がいました。

そこは樽がずらりと並ぶ巨大な貯蔵庫。
蒸留された焼酎原酒は貯蔵・熟成され、樽の中で刻々と変化していきます。
その原酒を管理する酒類係のひとりが入社36年目という神田 誠さん。
すべてのロットを定期的に試飲して熟成加減を確認するのはもちろん
「樽そのものをちゃーんと見てやらんといい酒にはならんのです」と
膨大な数の樽の状態や環境に細心の注意を払います。

樽用のスポイトでグラスに入れた原酒は
美しい黄金色に輝き、見るからにおいしそう!
「そりゃうまいですよ。でもこれはまだちょっと硬いかな」
いまでは見ただけで原酒の状態がわかる
そんな神田さんのお気に入りは宝焼酎「レジェンド」のお湯割り。
理由は明快、我が子のように常に見守っている
「樽貯蔵熟成酒」がいちばん多くブレンドされた銘柄だから。
すっきりしていながら樽の香りも心地良く
「ああ、ほんとにいい仕事に就けたな」と思えるんだそうです。

実はこの「樽貯蔵熟成酒」の絶妙なブレンド技術こそ
「黒壁蔵」の甲類焼酎をおいしくする秘密。
そんな手間も時間もかかる技術があるとは知らずに
「甲類は没個性」だと思いこんでいた自分を反省。
しかも大槻さんにうかがってみると
これは、戦後、高度経済成長期の「焼酎不遇の時代」に
焼酎復権をめざしての試行錯誤から生まれた技術だとか。
その成果でもある宝焼酎「純」は爆発的な大ヒット商品となり
「純」の黄金比率「樽貯蔵熟成酒13%11種類」は
30年以上のロングセラーとなったいまもきっちり守られているそうです。
あとで試飲させてもらいましたが
熟成加減が異なる原酒はまさにグラデーション状態。
硬質でピュアな味わいから、まろやかで香りもふくよかな印象に
どんどん変わっていくのがわかりました。
このホワイトオークの樽に寝かされた熟成酒が
「黒壁蔵」には約2万樽、約85種類もあるのだから
さまざまなタイプの原酒を組み合わせれば
「味わいの可能性は無限に広がる」という大槻さんの言葉にも納得。
現在発売中の極上<宝焼酎>や宝焼酎「ゴールデン」も「黒壁蔵」から誕生しました。
この貯蔵庫にはまさに「お宝」が眠っているのですね。

和酒の心を受け継ぐ若手がいました。

最後に訪れたのは、大学の実験室のような生産課。
こちらは「黒壁蔵」の、いわば「味と品質の見張り番」で
生産途上の各過程で何度も成分分析と官能検査を行っています。
さまざまな部署のスタッフが次々にやってきて
真剣な表情で香りを嗅ぎ、味を確認する。
きょうは出荷前恒例の官能検査だということですが
毎回、それもみんなで品質を確認すると聞いてびっくり。
科学的に成分を分析し味わいをデータ化していても
「やはり最後に頼れるのは人、人の五感なんです」
生産課長の郷司浩平さんが説明してくれたのが印象的でした。

その官能検査に緊張しながら立ち会っていたのが森田真梨子さん。
大学で分子生物学を学び、この春京都本社から異動してきたばかり。
前の仕事が商品開発だったので「黒壁蔵」が初めての製造現場。
「ここにきてからは毎日ドキドキしています」
いろんな麹に蒸留技術、貯蔵熟成による酒質の変化。
さまざまな要素があるから焼酎つくりはおもしろい。
ただ、そのすべてが味を左右する。
「ごまかしは絶対できない怖さがありますね」
そう森田さんは率直な気持ちを教えてくれましたが
それは「樽貯蔵熟成酒」や独自の技術を受け継ぐ
「黒壁蔵」の若手共通の思いかもしれません。
「開発の視点で技術を語れる人になってくれれば」と
上司の郷司さんが期待するのも、新たな課題があるから。

いま「黒壁蔵」が取り組んでいるのは日本の食事に合う焼酎つくり。
でも海外、特に欧米では蒸留酒を食中酒として楽しむ習慣が少ないとか。
これからは海外でも和食と一緒に「和酒」焼酎を楽しんでほしい。
そのために、焼酎の持つ味わいの可能性をひろげていくのが
「黒壁蔵」ならではの「和酒」のあり方なんだと思いました。

つくり手も使い手も 幸せになれるプロダクトを目指す。 「Lalitpur」後編

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ヒマラヤの恵みがたっぷり込められた、Lalitpur

オーガニックスキンケアブランドのLalitpur(ラリトプール)は、代表の向田麻衣さんが
Coffret Project(コフレ・プロジェクト)での経験(前編参照)などから、
ネパールの女性の雇用促進をひとつの目的として立ち上げたブランドである。
まずは「ネパールで立ち上げるにしてもどんなものがいいのだろうか?」
というところからスタートした。
そこでたどり着いたのが、
ネパールが世界に誇るヒマラヤ山脈に、豊富に生えている高山植物。

「標高が高いため、日光をたくさん浴び、
農薬が一度も使われたことのないきれいな土で育った植物は、
その他の地域で育った植物よりも効能が高いことも科学的に証明されているんです。
これは宝だと思いました」

こうして、高山植物を利用したオーガニックスキンケアブランド、
Lalitpurの立ち上げへと歩き出した。

どんな植物があるか。そこからどんな成分が採れるのか。
実際に商品に配合したらどうか。安定供給できるか。繰り返し、研究開発した。
そのなかでいくつかの原料を採用する。
たとえば現在Lalitpurのバームに入っているシーバックソーンという植物の実は、
オメガ7という抗酸化作用のある成分が含まれている。
欧米ではアンチエイジングを目的にサプリメントとして取り入れる人も多い。
そのほかにも肌細胞の再生・修復を助けてくれるジャタマンシー、
ネパールの国花であり
筋肉や関節の炎症を和らげてくれるアンソポーゴンといった植物。
さらには標高3000m以上のヒマラヤ山地に棲息するヤクという動物から絞り、
豊富なビタミンや8種類の必須アミノ酸が含まれ、
高い保湿効果のあるヤクミルクなどが使われている。

すべてピンクで統一されたデザイン

石けん、バスソルト、バームなど、すべてピンクで統一されたデザイン。封をしたように見える結び目がかわいい。写真提供:Lalitpur

そして中心となる石けんづくりだ。
石けんのつくり方はいろいろな方法があるが、
向田さんが選んだのはコールドプロセス製法。
ケン化(石けんづくりで欠かせない過程)で自然に起こる熱以外は、
一切、火を加えない。この方法だと有効天然成分が残りやすいのだ。

次はネパールで石けんをつくるノウハウを持っている工房を探した。
彼らの技術と、日本側の技術を融合させて
オリジナルの商品を生み出さなくてはならない。
品質が良いことはもちろん、
「Lalitpurが伝えたいストーリーにふさわしいものをつくろう」と、
繰り返し試作を重ねていった。

Fablab北加賀屋とde sign de >が、大阪・中之島でデジタルものづくりワークショップ!

大阪のおしゃれなリバーサイドエリア、中之島。
現代美術を紹介する完全地下型美術館の「国立国際美術館」や、
クリエイティブユニット「graf」の活動拠点があることでも
知られるところです。この中之島にあるデザインミュージアム「de sign de >」にて、
一ヶ月間にわたり、デジタル工作機械(3Dプリンター,レザーカッター,etc…)を使った
ものづくりワークショップ「Fab School Osaka 2014」が開催されます。

「Fab School Osaka 2014」は9月7日から全5回。会場の立地を活かし、
「堂島川を新たな資源として捉え直し、生活の延長線上で利活用を考える」ことを
テーマに「川に浮くもの」を制作します。
講師は、Fablab北加賀屋 共同開設者の津田和俊さんと白石晃一さん。
3Dプリンタやレーザーカッターなどの最新テクノロジーをつかった
ものづくり(デジタルファブリケーション)に興味があるけど、
いままで触れたことがない、という方にもおすすめの講座。

会場のある中之島周辺は、川に囲まれ、江戸時代からたくさんの船が行き来し、
大阪のなかでも水都の最先端エリアとして水辺と人が近い関係で賑わってきたところ。
この企画は、デジタルものづくりの実験工房である、大阪市住之江区の
施設「Fablab北加賀屋」 と「de sign de >」の共催によって実現しました。

1ヶ月にわたる水辺のワークショップでどんなものが作られるのか
楽しみですね!
スケジュールや参加方法など、詳細は公式サイトをご覧ください。

Fab School Osaka 2014 @de sign de >

未来に育むものづくりの村

自然と共生してきた滋賀の文化

「滋賀県にものづくりの村がある」
こんな噂を聞いて、期待と妄想をふくらませ滋賀を訪ねてみることに。

滋賀県は琵琶湖を中心に、四方に独特の文化をつくってきました。

北の湖北(こほく)地域は昔から養蚕が盛んで
いまも国産の繭の真綿ふとんが生産されています。

琵琶湖の西に位置する高島地域は、しわ加工を施した、
「高島ちぢみ」と呼ばれる綿織物の産地として知られています。
また、日本六古窯のひとつに数えられる信楽焼は、
陶土が豊富な南部の湖南(こなん)地域を中心に発展しました。

東の湖東(ことう)地域は琵琶湖がつくり出す湿潤な気候から、
「近江上布」として国内有数の麻織物の産地として栄えてきました。

ものづくりの村と呼ばれる「ファブリカ村」はこの湖東地域にあります。

かつて織物工場だった昔ながらののこぎり屋根。ファブリカはスペイン語で工場の意味。

かつての織物工場が、「ファブリカ村」として復活

ファブリカ村の母体である「北川織物工場」は、
1964年に滋賀県の東近江市に建てられました。
ここでは、糸を染め分けることで柄を表現する、
織物技術「絣(かすり)織り」に特に力を入れ、
寝装素材やアパレル向けの麻織物の製造をしてきました。

2000年に入り、織物の製造から近江の麻で服や小物をつくり
直接販売するようになっていきました。

そんななか、県内のデザイナーたちの協力のもと、
眠っていた北川織物の工場を1年かけて改修。
2009年10月、地域文化に触れ、つくるよろこびを体感、
共有できる場所として誕生したのが「ファブリカ村」です。

村長の北川陽子さん(写真左)と副村長の北川順子さん(写真右)。

「ファストファッション、ファストフードは便利かもしれないけど、
それだけになってしまったら、日本の良いものづくりがなくなってしまう」
と話すのは、ファブリカ村の村長であり、染色作家でもある北川陽子さん。

京都の美大で染色を学んだ後に1982年に
家業である北川織物に入った陽子さんは、
代々産地に伝わる、絣織物をつくりながら、
変わりゆく時代に危機感を募らせていきました。

「産地やつくり手の魅力を、広く使い手に向けて発信しなくてはいけない」
つくり手と使い手と社会を繋ぐ、
滋賀での「村づくり」の構想が膨らんでいきました。

地域が子どもを育てる

ファブリカ村には、ショップ、カフェ、ギャラリー、アトリエ
といったさまざまな時間が流れています。

昔ながらののこぎり屋根は北向きですが、多くの窓から自然光がふり注ぎます。

ファブリカ内のショップとカフェスペースに使っている家具や器は、
滋賀の作家作品をコーディネートしています。

照明や椅子には、北川織物の絣生地が使用されています。

ショップでは近江の麻を使った、
北川織物のオリジナルブランド「fabrica」をはじめとする商品が並んでいます。
カフェでは地元の季節の食を味わえ、
ギャラリーでは県内の作家さんたちが展示会を行います。

こだわりの空間で、ゆっくりと、季節の食を味わうことができます。

ファブリカ村で開催される教室では、
絵画、陶芸、料理、着付け、お花など集まった人の得意分野を共有します。

手織り機があり子どもたちが触れることもできます。

「本当によいものを見せて、使ってもらって、
次の世代へもそのよさを伝えていく。
子どもだからといって割れないプラスチック食器でなくて、
本物を使ってもらいたい。
そうやって、自分自身の価値観をもてる子どもたちが増えていくように」

その言葉の通り、陽子さんの情熱は新しい世代にも向けられていて、
遊びの中にアートを取り入れたり、地域の子どもたちと一緒に野菜を育てたり、
県立大の学生達とのワークショップも積極的に行っています。

陽子さんは脈々と受け継がれてきた、
地域の魅力ある伝統や技術、人をファブリカ村に集め、
世代を超えたコミュニケーションをつくっています。

こちらは北川織物が作り続けてきた絣の生地です。

先代からつくられてきた、北川織物の麻の生地です。
こちらの生地も購入可能で、
生地を選び、一着だけのオーダーメードの洋服や浴衣をつくることができます。

経絣と呼ばれる技法で、絣織り独特の風合いが出ています。

地域を五感で楽しむ

ファブリカ村を訪れて、改めて「地域の魅力」について考えてみました。
湖東地域にに流れる気持ちのよい空気を吸い、
陽子さんや現地の方々とコミュニケーションを取り、
この土地で脈々と続いてきた織物文化や食文化に触れると、
僕らは、五感全体が刺激された気がしました。
地域は、五感で楽しむべきところだと思います。

僕自身、東京と各地域を週ごとに行ったりきたりする原動力は、
そこでしか味わえないおいしい時間を贅沢に味わえるところにあると思います。

「もの」だけでも、「人」だけでも、「自然」だけでもなく、
切り離せない関係性のなかで、
日本各地に独特の文化がゆっくりと育まれてきました。

今後も、各地の魅力を五感で楽しめる場所にアンテナを張っていきたいと思います。

会いにきてけらいん!全国の伝統こけしが大集合「第60回全国こけし祭り」

9月5日(金)〜7日(日) 、宮城県の鳴子温泉にて
「第60回全国こけし祭り」が開催されます。

今年で60回目を迎えるこのお祭りは、
全国11系統のこけしが揃う実演展示即売会や
パレード、コンクールなどが行われ、まち中がこけしに湧くイベント。
さらに温泉も楽しめてしまうという、
こけし好きにはたまらない3日間です。

ちなみにポスターに書かれている「会いにきてけらいん」という言葉は、
宮城の方言で「会いにきてください」という意味だそう。
何ともかわいらしいですね!

■こけし祭りの楽しみ方

目玉は、鳴子小学校の体育館で開催される
こけしの実演展示即売会。
土湯系の柿崎文雄さんや作並系の平賀輝幸さん、
弥治郎系の新山吉紀さんなど、各系統のこけし工人が絵付けを実演。
運が良ければリクエストにこたえてくれることもあるそうです。
今年は60回を記念し、こけし研究家の高橋五郎さんが監修した
最古の鳴子こけし復元作品の展示販売や、こけしフォーラムの開催も。
同時開催される鳴子漆器展も味わい深いです。

ぜひチェックしたいのはこけしコンクール。
全国の伝統こけし工人約150名、300点の出品作品から、
最高賞の文部科学大臣賞ほか、31の賞が選ばれます。

そしてハイライトは、こけしのはりぼてやお神輿が
温泉街をねり歩くフェスティバルパレード。

はりぼての中に入るのが、
一般募集で集まった方々というのもユニークです。

鳴子温泉駅前ゆめぐり広場には
東北や東京などのゆるキャラもお目見え。
鳴子温泉の「なる子ちゃん」や、
宮城県岩出山の「岩出山おっち(落ち武者くん)」、
東京都台東区のまもり神「台東くん」などが登場する予定です。

伝統こけしは、その土地土地の歴史や風土を反映する貴重な文化遺産。
ここでご紹介したほかにも、こけし奉納式や温泉神社祭典など、
さまざまな催しが予定されています。
こけし好きの方は、ぜひ鳴子温泉へお出かけになってみてください。
第60回全国こけし祭り

オーガニックスキンケアブランド Lalitpurの原点、Coffret Project。 「Lalitpur」前編

化粧が精神的ケアにつながる

ネパールでつくられる
オーガニックスキンケアプロダクトを展開するLalitpur(ラリトプール)。
その代表の向田麻衣さんの活動の原点は、
2009年にスタートしたCoffret Project(コフレ・プロジェクト)にさかのぼる。

15歳のときに、ネパールでNGO活動をしていた高津亮平さんの講演会で
話を聞いてネパールに興味をもった向田さん。
17歳になり、アルバイトをして貯めたお金で1か月間ネパールに滞在した。
そこで出会った多くのひとや文化は向田さんの心を惹きつけたが、
当時の「ネパールの支援をしたい」という思いを遂げることは簡単ではなかった。

その後、大学に進学し、就職活動の時期になって将来をじっくり考えたとき、
やはり高校生のときに興味を持ったネパールを思い出し、何か関わりたいと思った。
就職活動を無事終えた向田さんは、残された半年間の学生生活で、
大学の奨学金を得て、フィールドワークに出かける。まずはトルコだった。

さっそく現地の女性にニーズ調査を開始。
最初は、雇用を生むことや、大きな支援になりそうなものを探っていた。
そのなかで“どんな仕事をしたいの?”と聞いたところ、
“いろいろやりたいことはあるけど、アナタのそのポーチの中味が気になる”
という返答があった。
化粧に興味がある女性が、思ったよりも多いことに気がついた。
そこで一度、簡単なワークショップを開催してみた。
女性たちにメイクをしてみると、表情がどんどん変わってくる。

そんな反応を見ていると、化粧が精神的なケアに繋がるのではないか、
という思いが自然と頭に浮かんできた。
こうしてCoffret Projectは、精神的なトラウマを抱えた女性たち、
たとえば刑務所に服役していたひとや
人身売買の被害にあったひとなどを中心に広げていった。
トルコに始まって、フィリピン、インドネシア、ネパールと開催していく。

お化粧の仕方を習うネパールの女性

お化粧の仕方を習うネパールの女性。初めて見る化粧品や道具も多い。写真提供:Lalitpur

現在拠点とするネパールでは、
十代の少女を中心に人身売買が横行している国でもある。
売られた少女たちは国境を越えインドの買春宿に連れて行かれ、
強制労働をさせられる。宿にいる間は、
「ここを出たらあなたたちは生きていけない、価値のない人間だ」と
言い聞かされているために、自信や尊厳が奪われた精神状態にあることが多い。

「はじめは無表情だった女の子たちも、化粧が終わったときに鏡をみると、
少しだけ微笑んだり、変化が生まれます。そういうことを積み重ねていくことで、
凍りついた心が溶けてゆくように感じます」と向田さんは語る。

みんなが化粧をした自分を「かわいい! きれい!」とほめてくれる。
どんどん自信も増してくる。

「それまで一度も声を聞いたことがなかった女の子が
最後に英語で“Thank you”と言ってくれたり」と、
うれしい反応が次々と返ってくるようになった。

Lalitpur代表の向田麻衣さん

新たに始まるメンズ商品や、アメリカ展開など、活動の幅を広げているLalitpur代表の向田麻衣さん。写真提供:Lalitpur

書籍「大人が作る秘密基地」には大人たちをわくわくさせるアイデアがいっぱい。京都にて出版記念トークを開催!

子どもの頃にあこがれたツリーハウスや、秘密の隠れ家。
「大人が作る秘密基地」では、そんな夢を追いつづけている大人たちが作った
全国各地、18の秘密基地を紹介しています。

8月30日(土)、京都のHAPSにてこの本の刊行記念イベントが開催されます。
出演者は、京都を拠点に活動する建築のリサーチユニット「RAD」の建築ディレクター、
川勝真一さんと、本の著者であり編集者の影山裕樹さん、
HAPSエグゼクティブ・ディレクターの遠藤水城さん(ファシリテーター)。
本の中で取り上げた秘密基地を紹介しつつ、
秘密基地的な場をつくることの意味や可能性についてトークを展開し、
RADが参加する「大見新村プロジェクト」や、
京都の芸術家コミュニティづくりに取り組んでいるHAPSの実践にも切り込みます。

■書籍「大人が作る秘密基地」とは?

この本では、全国各地にある18の秘密基地を7つの類型に分け、
写真や竹田嘉文さんのイラストとともに紹介しています。

・セルフビルド(蟻鱒鳶ル/2階建てキャンピングカー)
・廃墟・屋外(BEACH PARTY/星山温泉)
・ツリーハウス(SLOW BASE/むうじん館/なんじゃもんじゃカフェ)
・リフォーム(RSミサカ/ハレルヤ工房/SHUHALLY)
・たまり場(UDOK./こすみ図書/kvina)
・公共空間(潮目 大津波資料館/貸はらっぱ音地)
・ビジネス(co-lab/ドラマチック/レインボー倉庫)

さらに、さまざまなジャンルの専門家が特別寄稿。

・極地建築家の村上祐資さん「月面基地の考え方」
・社会学者の毛利嘉孝さん「社会のスキマを生きる〜スクォッティングという実践」
・青森公立大学国際芸術センター青森学芸員の服部浩之さん「アートスペースとしての秘密基地」

そのほか、秘密基地が登場する映画やアニメの紹介や、
基地を作るための実践的なアイデアなど、さまざまなトピックを載せています。
この本を読むと、じつは秘密基地にはアートや建築、
まちづくりに応用できるアイデアがたくさんあるんだ、ということに気づかされます。
子どもの頃あこがれていたという方も、
建築などに興味があるという方も、ぜひお手にとってみてください!

イベントのお申し込み方法は、公式サイトからどうぞ。
『大人が作る秘密基地』出版記念トークin京都
書籍情報『大人が作る秘密基地』

「New Pearl UWAJIMA」愛媛・宇和島の規格外パールがおしゃれに生まれ変わる!

2014年9月4日(木)から、東京・表参道の
「PASS THE BATON GALLERY」にて、
展示販売会「New Pearl UWAJIMA」が行われます。
これは、日本を代表する真珠産地のひとつである
愛媛県の宇和島市で採れた、規格外の真珠を使った
1点物のジュエリーを展示・販売するイベント。

大事に育てられた真珠の中には、少し形がいびつだったり、
色ムラがあったりと、基準から外れるものも出てきます。
それらは通常、市場に出荷されず、生産者のもとで眠ったままになって
しまうのですが、どの真珠も個性豊かで、自然の魅力にあふれているんです。

それはもったいないということで、東京・恵比寿のギャラリー
「ギャラリードゥポワソン」監修のもと、宇和島の「土居真珠」さんが
提供した真珠で、16組のジュエリーブランドが1点もののジュエリーを制作!
ギャラリーが監修されているだけあって、
とってもアーティスティックなジュエリーが揃っています。
会期は9月28日(日)まで。

小林モー子

bororo

DAN TOMIMATSU

Stitch

tortue

siki

展示タイトル:「New Pearl UWAJIMA
会期: 2014年9月4日(木)~9月28日(日)
会場: PASS THE BATON GALLERY(パスザバトン表参道店内)
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ西館B2F TEL:03-6447-0707

–参加ブランド–(アルファベット順)
cthruit / bororo / DAN TOMIMATSU / ETSUKO SONOBE / januka / KARAFURU /
MARC MONZO / Moko Kobayashi / PROOF OF GUILD / YUKO SATO / SHUN OKUBO /
siki / Stitch / stones stone zoo / tortue / YOSHIKO CHONAN

豪華絢爛な七夕飾りは、趣向を凝らした宮城の手仕事。竹と紙の祭典「仙台七夕まつり」

本日まで、宮城県仙台市にて「仙台七夕まつり」が開催されています。
仙台七夕まつりは毎年、通常の七夕の月遅れである8月6日から3日間の開催。
仙台駅前のメインストリートを含む、
中心部の商店街から周辺部商店街が会場となります。
いつもは買い物客で賑わう中央通り、一番町通りなどのアーケード街に、
地元の商店や会社、学校などが趣向を凝らして創りあげた
豪華絢爛な七夕飾りがずらりと並ぶ光景は圧巻です。

仙台七夕の飾りの主な材料は、和紙と竹。
和紙で短冊や折鶴などのモチーフを作り、
これを組み合わせて数メートルもの巨大な吹き流しに仕立てあげます。
吹流し5本1セットで飾るのが仙台流。
どんな飾りになるのかは、お祭りでのお披露目まで
企業秘密で絶対明かされません。
お祭りでは各商店街毎の審査が行われ、すぐれた飾りに
金賞、銀賞、銅賞が贈られます。
この壮大なお祭を見るために、訪れる観光客は毎年200万人あまり。
それでは今年の様子を写真でどうぞ!

こちらは2014年のおおまち商店街における金賞。「㈱白松がモナカ本舗」

2014年、一番町一番街商店街の金賞は笹かまの「㈱鐘崎一番町店」。

2014年、クリスロード商店街の金賞「㈲セザーヌ」 

市内189校の小中学校などの生徒たちによる大作。「手とてとテ」より 撮影:大河内英夫

地元の商店「大正園」による、支倉常長の遣欧使節出帆400年をテーマに作った飾り。真ん中が政宗公、その両脇に常長をイメージしています。「手とてとテ」より 撮影:大河内英夫 

ちなみに、七夕飾りは竹と紙なので雨には弱いのです。雨が降ってきた場合はビニールをかけて保護します。

こちらはアーケードの外、素朴な周辺商店街の七夕もすてきです。

江戸時代、伊達政宗公の時代にルーツを持つ仙台七夕。
いまのように盛大に行われるようになったのは、
昭和2年のこと。いまで言う商店街の有志達が、仙台商人の
心意気とばかりに、華やかな七夕飾りを復活させ、
戦後さらに発展しました。
毎年これだけの規模の飾りを新しくつくるのは本当に手間なこと。
地元の方の心意気と手仕事の見事さにもぜひご注目下さい。

仙台七夕まつり
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・「手とてとテ

パッチワークキルト作家と 酒蔵の女将を兼ねて。 「山口怜子さんの衣・食・住」後編

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酒蔵の女将として、キルト作家として

山口怜子さんは、主婦であり、江戸天保三年から続く造り酒蔵の十代目女将。
そして前回お伝えした温泉地熱を利用した食品づくりなど、
食のプロデユーサーとしてさまざまな顔を持つ一方で、
実は、海外でも高く評価されているパッチワークキルト作家でもある。
パッチワークとは、布と布を縫いつなげ、一枚の布にする技法。
布地の有効利用のために、余った布や端布をつないでつくったのが始まりと言われている。
布地に綿をはさんで縫いあわせたものをパッチワークキルトと言う。
パッチワークキルトは17世紀のアメリカで西部開拓の移動によって全米に広がった。
山口さんがパッチワークを始めたのはいまから50年前。
尺貫法を使った日本キルトというパターンを開発したのがきっかけだ。

「母といっしょに家庭に眠る古い着物や帯などを刺し子風に縫いつなげていたのね。
それがとても面白かったみたい」

山口怜子さん

江戸天保3年から続く造り山口酒蔵所の十代目女将。山口怜子さん。酒造や家庭の古着を使ったパッチワークキルト作家としても知られる。

山口さんのパッチワークキルト作品

山口さんのパッチワークキルト作品。縫いあわされた布のストーリーが作品として開花する。

1982年には、アメリカのナショナルキルト連盟に招待された。
歴史あるアメリカンキルトの世界で、
日本ならでは古裂を素材にした独創的な刺し子風キルトは
驚きをもって受け入れられたという。
全米の著名なキルト作家の作品が集まるなかで、受賞作品は9点。
そのうち最高賞であるブルーリボン賞は3点にのぼり、ワシントンD.C.にて公開される。
これをきっかけに、山口さんのキルトは、世界中で注目され、
各国大使から招待されるようになった。

山口さんのこだわりは家庭の古布を使うこと。
「デザインするのは私なのだけど、生徒さんにお家にある布を持ってきてもらうのね。
その布にはひとつひとつに物語がある。そこからデザインが生まれる。
それをもとに一緒につくっているんです」

それぞれの思い出を縫いつなげていくキルトは、
「日本の家族を綴るキルト」と言われる。
海外から注目されると、後追いするように日本の新聞社、雑誌社が注目するようになった。
その後東京をはじめとする日本国内の巡回展、米国・中国への出展など活動のフィールドを広げている。

キルト作家として2009年には、福岡県文化賞・創造部門を受賞した。
その多岐にわたる活動はすべて「衣」「食」「住」へとつながっている。

竹をモチーフにしたパッチワークキルト作品

竹をモチーフにしたパッチワークキルト作品。

「Traveling fennica Shop in SENDAI」開催。あの青いこけしが、ついに仙台にやってくる!

いままでありそうでなかった!
BEAMSのブランド<fennica>と宮城県のこけし職人の
コラボレーションで生まれた、青いこけし「fennica Indigo Kokeshi」。
今年発表され、話題を呼んだスペシャル・アイテムが
ついに故郷の仙台に上陸します。

それが、8月23日(土) と24日(日) に仙台・AERで行われるイベント
Traveling fennica shop in SENDAI」。
おでかけコロカル宮城編」でもおなじみの、
宮城の手しごとを紹介するWebサイト「手とてとテ」企画によるイベントです。
fennicaの出張型ショップ「Traveling fennica shop」がオープンするほか、
手とてとテ」でも紹介された、
fennicaが仙台・宮城の職人と一緒に手がけたプロダクトを展示、販売。
また伝統こけしの職人によるろくろ実演、
漆ストラップ作りワークショップなども開催されます。

そもそも、fennicaのディレクター、テリー・エリスさんと北村恵子さんが
宮城の手仕事に出会ったのは2013年の夏のこと。
そこから伝統を守る職人と幾度をやりとりを重ね、
こちらの3つのアイテムが生まれました。
それぞれのアイテムの詳しいことは、「手とてとテ」にて紹介されています!

「fennica Indigo Kokeshi」青色が今までこけしの絵付けで使われていなかったことに着眼し、ファッションと密接な関係にあるインディゴを彷彿とさせる青色で絵付けをほどこしています。

「DIGI-TORI TENUGUI」明治35年創業の染めの老舗、「名取屋染工場」が所蔵する「常盤型」からサンプリングした絣のいかりやつばめ、絞り模様などと、アフリカンバティック(ろうけつ染め)から発想を得た大柄でインパクトのあるモチーフとの柄合わせを組み合わせた手ぬぐい。

「ipad/document case」佐藤紙子工房、カサハラ製本社による、和紙でできたケース。丈夫な白石和紙にこんにゃく糊を塗ってもみ、乾燥させてから染め、凹凸のある模様を叩き出す「拓本染め」の紙子を使用。

これらの販売のほか、同日程にて創り手によるスペシャルトークイベント&
ムービー上映も開催されます。
8月23日(土)には「インディゴこけし」を作った仙台木地製作所の
佐藤康広さん、8月24日(日)には元天童木工 デザイナー・開発部長の菅澤光政さん、
そしてディレクターの北村恵子さんが両日ともに参加。
会場は桜井薬局セントラルホール。
是非合わせてご覧ください!

・「Traveling fennica shop in SENDAI

< 展示・販売>
日時:8月23日(土) 10:00~20:00、8月24日(日) 10:00~18:00
会場:AER 2F アトリウム 仙台市青葉区中央1-3-1

< スペシャルトークイベント&ムービー上映会>
日時:8月23日(土)、8月24日(日)15:00~16:20(14:30受付開始14:45開場)
場所:桜井薬局セントラルホール 仙台市青葉区中央2-5-10桜井薬局ビル3F

温泉地熱食品と地熱たべもの研究所。 「山口怜子さんの衣・食・住」前編

地熱を利用した食品づくり

熊本と大分の県境にある岳の湯温泉。
ここは地熱の里と呼ばれ、集落一帯は、湯煙と蒸気に包まれている。
この温泉の地熱を利用した食品づくりをしている山口怜子さんを訪ねた。

山口さんは、福岡県久留米市の山口酒造所の十代目女将。
世界的なパッチワークキルトの作家としても知られる。
衣・食・住、暮らしのエキスパートだ。
現在、熊本県阿蘇郡小国町の岳の湯温泉で地熱を利用した
「地熱たべもの研究所」で、蒸気を利用した食品の開発を進めている。

地面から吹き上がる地熱の蒸気

地面から吹き上がる地熱の蒸気。蒸す、煮る、炊く、乾燥させる、地熱の利用法は多様。

「昔からここの地域のひとは、地熱を利用していたの。
縄文時代から地熱を使って料理していたんじゃないかな」

山口さんは、大分県の山村、大山町に生まれた。
近くに杖立温泉があり、蒸気が出ているエリアに育った。

「子どものころ温泉では皆、温泉卵をつくっていたけど、
母は温泉にほうれんそう、大根とか、野菜を持っていって、
茹でて台所で食べていたのね。
ゆであがったものに鰹節をかけて食べるのが大好きだったの。
ガスで煮炊きをするより、地熱を使えば簡単だし、美味しい」

地熱たべもの研究所のある小国町岳の湯は
休火山である涌蓋山(わいたさん)の山麓に位置し、
周辺は日本有数の地熱地帯。多数の温泉も湧いている。
近くには九州電力大岳発電所、八丁原発電所といった地熱発電所が存在する。

普通、日本で地熱の蒸気が吹き出す場所は限られている。
地熱が出る場所の多くは国内では国立公園の中が多いので開発が遅れている。
地熱たべもの研究所の周辺は安全な地熱ゾーンとして利用できる希有な場所である。

地面から噴出する地熱の蒸気をバルブで調節し、それを利用している。
大地のエネルギーを利用した、究極のエコクッキングだ。

集落のあちこちの地面から蒸気が噴出している

集落のあちこちの地面から蒸気が噴出している。温泉ではなく、蒸気そのものが吹き上がる希有な場所。ここに地熱たべもの研究所がある。

山形・福島・宮城で人気ワークショップ「mt school」開講。マスキングテープでこけしをつくろう!

今年の夏、山形・福島・宮城にて、マスキングテープ(略称:mt )の
使い方やセンスを学べるワークショップが開催されます。

mtは、もともとペンキを塗る時などに
塗装しない面を保護するために使われていた工業用テープ。
最近は、このmtにもかわいい色や柄のものがたくさんあり、
デコレーションやラッピングに大人気なんです。

このmtのいろいろな使い方を提案しているのが、
1923年創業の工業用テープのメーカー、カモ井加工紙さん。
今年の夏は、東北のこどもたちのしあわせを願う
「mt こけし」とともに、東北3県を巡ります。

会場には「mt こけし」をつくる体験コーナーが登場し、
「mtこけし」づくりに挑戦できます。
会場を訪れたらぜひつくってみたいですね。

ワークショップでは、クラフト作家の井上陽子さんや
ハロー サンドウィッチさん、
イラストレーターのブージルさんから、
アイデアいっばいの使い方を教われます。

また、福島教室ではチリンとドロンさん、
宮城教室ではコトリンゴさんによるライブも開催!

オリジナルご当地テープなどが並ぶ期間限定ショップや、
コラージュ、インテリアアイテムなどが並ぶ「mtギャラリー」も登場します。
スケジュールやお申し込み方法などは、公式サイトをご覧ください。
mt SCHOOL
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「トーヨータイヤ」オリジナル浴衣。タイヤの溝が浴衣のデザインに! 江戸浴衣職人とコラボ

今日は全国的な猛暑!皆さん夏バテされてませんでしょうか。
今回はちょっと涼しげな浴衣をご紹介いたします。
大阪市西区に本社を置く、「トーヨータイヤ」のブランドで知られる
タイヤ・自動車部品メーカーの「東洋ゴム工業株式会社」が、
自社プロモーションのために、オリジナルの浴衣を制作。
7月18日(金)から21日(月・祝)にわたり、
大阪市北区の中之島公園周辺で行われた
地域イベント「水の都の夕涼み ナイトカーニバル」で初披露されました。

それがなんと、トーヨータイヤの溝のデザインがモチーフに使われているんです!
タイヤの溝は「トレッドパターン」と呼ばれていて、駆動力スリップや横滑りを
抑制するなど、タイヤに様々な機能を持たせるために、
専門デザイナーが精密にデザインしているもの。
普段クルマに乗らない人だとあまり意識しないものだと思いますが、
浴衣の柄になるとはびっくりですね。しかもすごくオシャレです。

モデルは社員さんたち!

作りては、伝統工芸「江戸浴衣」の職人さんたち。
「江戸染色型紙の老舗「青木型紙店」青木裕之氏に
染物の柄のもとになる型紙を制作いただき、
また「江戸ゆかた染元・高常」高橋榮一氏に江戸時代から
受け継がれる伝統的な染色技法で染めていただいた」(リリースより)とのこと。
熟練の技術者の手によってデザインされたタイヤの溝が、
日本の伝統技能と融合して新しいデザインが生み出されたのは面白いですね。
トーヨータイヤのなかでも、特にトレッドデザインに人気がある
3商品がモチーフになっています。

「PROXES R1R(プロクセス・アールワンアール)」サーキットなどで使われるスポーツタイヤ。

「OPEN COUNTRY M/T」オフロード用として北米市場を中心に展開されています。

「NANOENERGY 0」次世代の低燃費タイヤ。

「購入したい」「男性用も欲しい」と、インターネットで噂になっているこの浴衣。
今後は関連イベント等で活用していく予定だそうです。

トーヨータイヤ

地域の若者のコラボレーション 食・ものづくり・自然 × ソーシャルデザイン。 「TSUGI」後編

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「かわだ くらしの晩餐会」で地域の魅力を探す

福井に移り住んだ二十代の若者7人のプロジェクト「TSUGI」。
「ものづくり」や「地域の魅力」を発見する、
さまざまなコラボレーションが生まれ始めている。

地域の魅力探し、そのひとつが「食」。
6月15日、21日と2週に渡って、「かわだ くらしの晩餐会」が開催された。
福井新聞の「まちづくり企画班」の担当者と一緒に企画を進め、
TSUGIが全体のデザインディレクションを担当した。
福井県内の各地を回って、
その土地の文化を活かし発信するイベント「FUKUI FOOD CARAVAN」。
その一環として行われた、体験型の食のイベントである。
テーマは「食、ものづくり、自然」。
これまでのTSUGIの活動のなかでも、もっとも力をいれたイベントのひとつだ。

FUKUI FOOD CARAVAN vol.02「かわだ くらしの晩餐会」の動画。制作は福井新聞社「 まちづくり企画班」とTSUGI。映像はホオズキ舎の長谷川和俊さん。「食工房野の花」代表の佐々木 京美さんとTSUGIによる食空間プロデュース。越前漆器の器と木彫りのスプーンを使って地域伝統の食を味わうイベント。

鯖江の若者コミュニティづくり

TSUGIの事務局、ディレクターの新山直広さんにお話を伺った。

「福井の魅力は〈食〉ということで、
福井の地域を巡りながらその土地の魅力を
掘り出していこうと考えていくキャラバンなんですが、
漆器の里である河和田では、まず器を自らつくるところからはじめよう、と。
下塗りを越前漆器の職人さんにやってもらい、参加者に上塗りをやってもらう。
自分でつくった器で食べてもらいました」

イベントは2週に渡って行われ、最初の1日目は
木のスプーンづくりとお椀の漆塗りの体験。
1週間後の2回目に手づくりしたスプーンとお椀を使って、
地域伝統の食を味わう晩餐会を開催した。

その素敵な動画を見ていただければ、
河和田の「食」と「暮らし」の魅力を感じることができる。
なにより集まるひとたちの笑顔がイイ。
素晴らしい「コミュニティ」が息づいている感じが伝わってくる。

「かわだ くらしの晩餐会」

「かわだ くらしの晩餐会」では越前漆器の若手である中野知昭さんと酒井義夫さんの協力で、器づくりからスタート。写真提供=TSUGI

鹿児島県南九州市のクリエイティブフェス!「グッドネイバーズ・ジャンボリー」今年も開催

今年もやってきた!
みんなでつくるフェスティバルこと「グッドネイバーズ・ジャンボリー」が
2014年8月23日(土)に鹿児島県南九州市にて開催されます。
会場は、深い森の中に佇む廃校「かわなべ森の学校」。
2010年のスタートから、今年で5回目の開催となるフェスティバルです。
内容は、音楽、クラフト、デザイン、アート、写真、映画、文学、食…など
あらゆるジャンルのクリエイティブが大集合するお祭り。
ライブやワークショップの体験や、県内外のレストラン等が勢ぞろいする
ポップアップストアのフードやドリンクなどお楽しみがたくさんなんです。

昨年のライブの様子。

イベントでは、こだま和文 from DUB STATIONやtakuji(from Little Creatures)、
GOOD NEIGHBORS MARCHING BAND with Double Famousらのライブや、
森本 千絵(goen)や岡田利規(チェルフィッチュ)、KIKI(モデル)による
ワークショップが行われます。

また当日は、森の学校の場内を練り歩くブラスバンド
“グッドネイバーズ・マーチングバンド” のメンバーを募集!
メンバーは楽器を持っている人なら誰でもOK。
会場になにか音が出るものを持参してください、とのこと。

会場へは、鹿児島中央駅より直行バスの運行もあります。
ただ、直行バスは開催1週間前までに予約が必要ですのでご注意を!
イベントの詳細やマーチングバンドへの参加、
会場へのアクセスは下記Webサイトをご参照ください。

グッドネイバーズ・ジャンボリー

かわいい布の博覧会 「布博 in 札幌」開催!手しごとにふれて、お気に入りを探そう。

7月26日(土)・27日(日)、札幌にて
布の祭典「布博」が開催されます。

布博は、よりすぐりのテキスタイルデザイナーや布もの作家が集う、布の博覧会。
東京、京都に続き、札幌でははじめての開催です。

主催は編集チームの手紙社さん。
手紙社さんが選んだ、
プリント、刺繍、型染めなどのテキスタイル、
世界各地から集められたヴィンテージファブリック、
衣類や小物などが、会場いっぱいに並びます。

さらに今回も、京都の布博で好評を博した「ブローチ博」を同時開催。
AFLO+、ERIO、KIMOKO SUZUKI、
BIRD'SWORDS、松本美弥子、
mimisenka さかもとみなこなど、
厳選された作家たちによるブローチが並びます。
かわいいものがありすぎて、選ぶのに迷いそう!

当日は、トークショーやライブなどのステージイベント、
ワークショップなども予定されています。

会場は、今や北海道のみならず、全国のコーヒーファンにその名を知られる
コーヒーロースター、「MORIHICO」の4号店「Plantation」。
3階のギャラリースペ—スをメイン会場に、
全館が布博の会場となります。
会場内のカフェでおいしいコーヒーが飲めるのはうれしい!

ぜひ会場を巡って、
お気に入りの一点に出会ってください。
布博 in 札幌
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Plantation

関西から福井県に 移住してきた20代による デザイン+ものづくりユニット。 「TSUGI」前編

ものづくり&デザインユニットTSUGI

TSUGIとは関西から福井に移住した20代7名による
ものづくりとデザインのユニット。
木工、眼鏡づくり、デザイン、地域活性や自然環境NPOなど
それぞれが地域で仕事をしながら、
ものづくりをテーマとしたイベントの企画をしている。

TSUGIという言葉は「次」「継ぎ」「接ぎ」「注ぎ」という
4つの「TSUGI」から生まれた言葉だという。
伝統の知恵を「受け継ぎ」、若者たちと地域を「つなぐ」、
そして「次(NEXT)」をつくる。
「“次”の世代である若者がものづくりや文化を“継ぎ”、
新たなアイデアを“注ぐ”ことでモノ・コト・ヒトを“接ぐ”」
という思いが込められている。

鯖江は越前漆器、越前和紙、そして、眼鏡など、ものづくりのまち。
拠点となる「TSUGI Lab」は鯖江市河和田地区にある錦古里漆器店を
セルフビルドで改装した。
福井を面白くしていきたい、そんな若者たちが集まり、
そこから食のカフェイベントや割れた器を修繕する金継ぎワークショップなど、
鯖江を面白くするプロジェクトが生まれている。

「TSUGI Lab/ツギラボ」

「TSUGI Lab/ツギラボ」ものづくりに関心のある若者が集まることのできるアジトだ。

きっかけは河和田アートキャンプ

TSUGI代表の永富三基さんにお話を伺った。
普段は鯖江で漆器の木地づくりをする「ヤマト工芸」で木工職人として働いている。
大学卒業と同時に関西から移住してきたIターンの24歳だ。

永富三基さん

TSUGI代表の永富三基さん。

永富さんをはじめ、関西の若者たちが、なぜここ鯖江に移住してきたのだろう。

「きっかけは河和田アートキャンプでした。
2004年の福井豪雨の被災地支援のアート活動です。
そのとき地域のひとと交流して、縁ができました」

河和田アートキャンプとは
2004年の福井豪雨の被災地支援をきっかけにスタートした地域振興イベント。
「芸術が社会に貢献できることとは何か?」という問いかけから始まり、
全国32大学の学生が参加。
毎年夏、鯖江市の河和田地区で行われ、現在約800人の若者たちが参加している。
TSUGIのメンバーもこのキャンプの主要なメンバーとして地域に関わった。

三重・伊勢の美容ブランド「おいせさん」がデビュー。パワースポットにあやかってキレイになる?!

日本でも最大級というパワースポットの伊勢神宮。
この地から、伊勢ブランド「おいせさん」がデビューしました。
「こころのデトックス」をテーマにしたビューティーグッズ5種類が
ラインナップしています。
伊勢神宮にお参りするのが大好きな、感謝の気持ちを
大切にする女性のためのグッズなのだそう。
バスボム(球状の固形入浴剤)が「風呂神玉」だったり、
バスソルトが「お浄め風呂神塩」だったり、
ネーミングも和風でユニークです。

蜂蜜入りの「風呂神玉」。大正元年に松坂で創業した最高級の国産蜂蜜で有名な水谷養蜂園の蜂蜜を使用しています。

「あぶらとり神紙」。高品質のこだわり化粧紙を使用しています。

バスキューブの「風呂神花」。

ミネラルいっぱいの塩とさまざまな天然エッセンシャルオイルで作られた「お浄め風呂神塩バスソルト」。

天日で乾燥されたミネラルいっぱいの塩と天然エッセンシャルオイルで作られた「お浄め塩スプレー」。

「おいせさん」の商品は、質の良い天然由来の日本製ということに
こだわって作られています。
また、売上利益の一部を奉納・寄付という形で
「伊勢神宮」の活動のお手伝いをしているのだそう。
販売は、おいせさんの本店(伊勢市勢田町103-100)、
おはらい町通り店(伊勢市宇治中之切町7)、
松次郎の舗 松坂本店(三重県松阪市中町1873)のほか、
通信販売も受け付けています。お申込みは下記Webサイトより!

おいせさん

履き心地最高!久留米絣を使った現代風もんぺがズラリ並ぶ「第4回もんぺ博覧会」上野で開催

福岡県八女市と福岡市を巡回し終え、
ただいま東京の上野で開催されている「第4回もんぺ博覧会」。
福岡県南部の筑後地方に伝わる
久留米絣で作られたもんぺが
色も形もさまざまにズラリと並びます。

使われている「久留米絣」は太宰治も好んで着ていたとか。前もって染め分けた経糸(たていと)と緯糸 (よこいと)を織り上げ、かすれたような文様を作りだします

バリエーション豊富!

もんぺといえば、戦時中に厚生省が
婦人標準服という規格を発表し
半ば強制的に活動衣として指定され広まったもの。
動きやすいためその後も農作業の際に活用されていますが
まさかこんなにオシャレなものになるとは…!
座るときにモノが邪魔にならないようにと
前にポケットがついていたり、
膝あてがきちんとぬいつけてあったりと
もんぺの特徴は残しつつ、
裾の絞りはゴム紐で調整できるよう改良されています。
また、シルエットも現代風にすっきりめ。

オシャレな着こなし。かっこいいですね

企画した白水さんに
こちらのもんぺのおすすめな点を聞いたところ
「断然、履き心地!」とのこと。
汗も良く吸ってくれ、乾きも早く
履いていくとどんどん柔らかくなるそうです。
また、自分でもんぺを作ってみたいという方の要望にこたえて
もんぺの型紙(現代風)も売られています。
博覧会ではミニテント内で試着も可。
ネットでの購入もできます。
ぜひお試しください!

「第4回もんぺ博覧会」東京巡回展 | 7月15日(火)まで
場所:2k540
時間:11:00~19:00
住所:東京都台東区上野5-9
電話:03-6806-0254

MONPE
うなぎの寝床

日本の食文化の豊かさを WASARAにのせて。 「WASARA」後編

前編:[ff_titlelink_by_slug slug='tpc-thi-tsukuru-011' append=' はこちら']

世界で使われる日本のカタチ

日本の美意識や感性が込められた紙の器、WASARA。
パーティやケータリングなどのシーンにおいて使用される機会が多い。
日本国内のみならず、そうしたニーズが高い海外からの反響も大きい。

クリエイティブディレクターである緒方慎一郎さん(SIMPLICITY代表)は、
「WASARAを通して、日本の食文化を世界に発信していきたい」と話す。

和食が世界で食べられるようになり、より浸透していくなかで、
料理だけでなく、食べ方や作法も含めた日本の食文化を伝えたい。
言葉で説明しなくても「日本のクオリティと食文化からくるデザイン」であることが、
わかるようなものづくりを目指した。

角皿と竹製カトラリー

パーティなどのシーンで活躍することが多いWASARA。竹製カトラリーにはスリットが入っており、WASARAのフチに差し込むことで固定できる。(写真提供:WASARA)

パーティやケータリングというシーンは、それ自体がコミュニケーションの場。
そこで活躍するWASARAは、コミュニケーションを潤滑にする役割を担うこともできる。
片手にWASARAを持つ。話題のきっかけにもなるし、日本の紹介にもなる。

「食材や料理に合わせて器を選ぶことは、日本人にとって当たり前の行為です。
五感で食を楽しみ、季節の移ろいや自然の美しさなどいろいろなものを感じ取る。
たとえ使い捨ての紙の器だとしても、そういった日本の豊かな食文化を守りたい。
それを世界に伝えていきたいと思っています」

日本の食文化の豊かさをWASARAにのせて、世界にも広めていく。
そこには、新たな発見と可能性が満ちていた。

「あるとき、海外の方が2種類のWASARAを組み合わせて
カップ&ソーサーとして使っている場面に出会いました。
このような使われ方は開発段階では想定していませんでしたが、
それを見たとき、WASARAは成功したと感じました。
WASARAには“こう使わなければいけない”というルールはありません。
本当に大切なのは、日本のものが違う文化圏に渡ったときに、
新しい使い方や解釈を通じて、その土地の暮らしにきちんと根付くこと。
WASARAの使い方は、私たち日本人よりも海外の人のほうが上手かもしれません(笑)」

これはおしゃれ!「カープ女子」こと女性広島東洋カープファンのためのピアス発売!

女性ファン獲得に力を入れる、日本のプロ野球球団。
なかでも広島東洋カープ(以下カープ)は1990年から女性ファンに向けたグッズを
展開する老舗。カープの女性ファンは「カープ女子」と呼ばれ、
地元・広島だけでなく首都圏など全国にアツいファンがいるのだとか。

このたび、そんなカープ女子のための、おしゃれな
アクセサリーが登場しました。カープのマスコット「カープ坊や」を
モチーフにした、ゴールドと赤の石でキュートにまとめた洗練のデザイン。
これなら普段のオシャレにも自然に取り入れられそう!

カープ坊やがゆらゆらと揺れる「カープぷらぷらピアス」(2,800円)。

「CARP」と「C」ロゴがセットになった「カープセットピアス」(3,000円)。耳たぶの後ろから止めるタイプの装飾ピアスです。「C」のロゴと赤い石が付け替え可能。

広島カープが県外でも人気の理由は、チームの魅力だけでなく、
隣の人と交互に椅子から立ち上がって
声援を送る「スクワット応援」など、
楽しい雰囲気の応援席にもあるそうです。
このおしゃれピアスを付けて応援に行ってみたいですね。
商品はただいま下記URLにて予約販売を受け付けています。

カープ公認グッズ カープセットピアス、カープぷらぷらピアス

“使い捨ての器”のイノベーション。 「WASARA」前編

環境にやさしく、こころを潤す「紙の器」

日本ならではの感性から生まれた紙の器、「WASARA」。
その製品哲学には、古来より自然と共存することで育まれてきた
日本の精神、技巧、そして美意識が込められている。

WASARAを生み出したチームのひとり、
クリエイティブディレクターの緒方慎一郎さん(SIMPLICITY代表)のお話を伺った。
緒方さんはWASARAのほかにもプロダクトブランドを手がけ、
みずから和菓子店や和食料理店を経営している。
食を通して日本の文化を広めたいという思いがあるのだ。

「文化というのは食ありき。
私たちの生活の根源は、“生きていくために食べること”だと思います」
と緒方さんは語る。

SIMPLICITY代表の緒方慎一郎さん

SIMPLICITY代表の緒方慎一郎さん。建築、インテリア、プロダクトなど、多岐に渡るディレクションやデザインを手がける。(写真提供:SIMPLICITY)

「その土地にあるものをどう調理して食べてきたか。
日本には日本の、フランスにはフランスの食文化がある。
その国の風土や文化を最も色濃く反映しているのが食ではないでしょうか」

食文化には、料理自体はもちろん、器や空間など多くのことが関わっている。
それらすべてをトータルで考え、ときにはイノベーションすることによって、
初めて次の時代にきちんとしたものを残すことができるというのが緒方さんの考えだ。

「現代における日本の文化創造」をコンセプトに
自社店舗の経営や、ホテルやレストランのデザインを手がけてきたなかで、
目を向けたのが、使い捨ての紙の器だった。

ワインカップやコーヒーカップ、丸皿などWASARAのラインナップ

パーティやケータリングなど、さまざまなシーンで活躍するWASARA。手前は2012年よりラインナップに加わった竹製のカトラリー。(写真提供:WASARA)

使い捨て食器の概念を変える

ケータリングやパーティ、バーベキューなどで、
使い捨ての紙皿や紙コップを使ったことがあるひとも多いだろう。
われわれの生活に深く浸透しているといってもいい。
しかし緒方さんは違和感を感じていた。

「食べるという行為のなかには、器にさわった手の感触や口当たりも含まれるはず。
しかし、既存の製品に、そこまで配慮されたものはなかなかありませんでした」

そんな思いを抱えていたからこそ、
WASARAのディレクションを手がけることになったとき、
「日本人ならではの感性が反映された紙の器をつくりたい」というイメージは
すでにできていた。

日本のファッションブランド が仕掛ける、 サステナブルなビジネスとは? 「TEGE UNITED ARROWS」後編

前編:[ff_titlelink_by_slug slug='tpc-thi-tsukuru-009' append=' はこちら']

アフリカの職人が自立するために

ユナイテッドアローズとエシカル・ファッション・イニシアティブ
(Ethical Fashion Initiative、以下EFI)が組み、
2014 S/Sから始まったブランド「TEGE UNITED ARROWS」は、
アフリカでものづくりを進めている。

「ぼくたちにとってはいいものづくりができるし、
お客様も面白いプロダクトを手に入れることができます。
そして現地にお金が落ちる。すごくいいプロジェクトだと思いました」と、
ユナイテッドアローズでこのプロジェクトを進めている
栗野宏文さんは始めた理由を話してくれた。

マサイの女性たち

栗野さんたちを歌と踊りでもてなしてくれたマサイの女性たち。(写真提供:EFI)

現在サブサハラと呼ばれるサハラ砂漠以南の地域では、
石炭や石油、ダイヤモンド、ウラニウムが採れることから、各国に注目されている。
それら資源を乱獲するよりは、
現地に産業を興してお金を回すプロジェクトが生まれたほうがいい。

ユナイテッドアローズとEFIの取り組みには、特に女性の社会進出を促す側面がある。

「ゴミを拾ったり、木を伐採したり、
さらには血を売ったりしてお金を稼いでいる現状があります」

EFIの庭野和子さんが、教えてくれた現地の現状はつらいものだ。
その悪循環を止める糸口がEFIの活動といえる。

「一時的にお金をあたえるような援助ではなく、職をあたえ、自立を促すこと。
現地ではまだ女性の地位が低いのですが、
仕事を持つと家族や地域に尊敬されるようになり、
やがてコミュニティの長になっていきます。
するとそのお金で子どもを学校や病院に行かせることができたり、
携帯電話や銀行口座を持てるようになります」と
実際に起こっている事例をあげてくれた。

仕事をしていくことでこのような好循環が待っているということを、
彼女たちは気づいていないということが問題だという。
だから自分たちにとっていかに良い影響があるかと、
身をもって知る機会をつくる必要があるのだ。

糸を紡ぐ作業中

ブルキナファソの木陰では糸が紡がれている。(写真提供:EFI)