全く新しい学びの場 〈スクール・ナーランダ〉 京都・西本願寺&富山・高岡で 内藤礼らをゲストに開講

京都・西本願寺&富山・高岡で、
僧侶や豪華クリエイターに学ぶ!

2017年、10~20代に向けた、
新しい学びの場〈スクール・ナーランダ〉が開講!

京都市にある歴史あるお寺、本願寺(西本願寺)と、
ものづくりのまち・富山県高岡市を舞台に、
僧侶や豪華クリエイターらを講師に招き、
科学、芸術、哲学、経済学、社会活動、仏教、等々、
分野を縦横断する講義やフィールドワーク、ワークショップが行われます。

2017年2月4日(土)・5日(日)に開催される京都・本願寺でのスクール。
テーマは『わけへだてと共感』。
参加する僧侶は、浄土真宗本願寺派の天岸淨圓さんと小池秀章さん。
ゲスト講師は、

ラッパー/音楽家の環ROYさん、

映像人類学者の川瀬慈さん、

認知科学者の高橋英之さん、

アートディレクターの森本千絵さん。

ユネスコ認定の世界遺産であり、国宝や国の重要文化財を数多く有する
本願寺を会場に、非公開の建造物をめぐる特別解説ツアーも行います。

本願寺 伝道院

本願寺 書院

2017年3月4日(土)、5日(日)に
富山県高岡市・飛鳥山善興寺で行われる富山会場。
こちらのテーマは、『「土徳 - 土地からのいただきもの」が育むものづくり』。
開催されるスクールに参加されるのは、

真宗大谷派僧侶の太田浩史さん、

浄土真宗本願寺派僧侶の飛鳥寛静さん、

美術家の内藤礼さん、

天文学者の観山正見さん、

金属鋳物メーカーの能作克治さん、

鍛金職人の島谷好徳さん。

本願寺 書院の下

飛鳥山善興寺

富山県高岡市は、400年以上続く鋳物技術で日本の仏具の95%を製造する“仏具の里”。
富山の民藝ゆかりの場所や、伝統産業に従事する職人たちの工房も訪問します。

シマタニ昇龍工房

IVolli architecture vol.7 土地に難あり、風呂なしの 小さな木造アパートが、 新しいコミュニティの拠点へ。

IVolli architecture vol.7

アイボリィアーキテクチュアの永田です。
半年ぶりの掲載になります。

だいぶ期間が空いてしまいましたが、前回は僕らの最初のプロジェクトである、
横浜の木造平屋のアパートの改修計画「藤棚のアパートメント」が
どのように始まっていったのかを紹介しました。

実はこの物件、最近になって、やっと竣工にたどり着きました。
今回は竣工に至るまでの長い道のりを紹介します。

オーナーさんがもつ別の物件〈ヨコハマアパートメント〉に僕が住んでいた縁で、
アイボリィが、この物件の改修をすることになりました。
僕らが、独立したばかりの2013年頃のことです。
もとは、いわゆる風呂なし、木造平屋アパートで、居室は3部屋。
ここに、共有スペースをもりこんで改修できないかというのです。

びっくりした、土地の境界

きっかけは、定期借地であった土地がオーナーさんのもとに帰ってきたことから始まります。
すぐ後ろに崖を背負った場所にあり、
あたりは古くからの木造家屋がいくつか残っているエリアです。
横浜というと港のイメージが強いですが、
歴史を遡ると埋め立てによってつくられた場所が多く、
少し内陸に入ると起伏に富んだ、崖や坂道の多い地形が特徴です。

例えば、「野毛」という地名も、古くは「崖」を意味する言葉だったようなので、
まさに「崖」そのものとも言えるまちです。

西横浜にある〈願成寺〉横の坂道。

オーナーさんのもとに木造平屋のアパートがそのまま残った状態で返ってきたうえに、
庭までついてきたので、初めての設計仕事としては
申し分ないくらいにおもしろくなりそうだとワクワクしていたのですが、
蓋を開けてみるといくつも高いハードルが待っていたのです……。

まず最初に僕らが驚いたのは、オーナーさんのもとに返ってきた土地と、
隣地との境界線がアパートの中にあるということでした。
どういうことかというと、

建物の建っている場所の4分の1くらいを削るように境界線(赤丸部分)が引かれています。
(これじゃ建物が完全に越境してる……)
どうやら過去に何度かを土地を分筆、合筆を繰り返すうちに、
建物だけが宙ぶらりの状態で残ってしまい、分筆された分の土地が返ってきたようです。

つまり、老朽化したアパートを改修して再生するには、
プランを変更して減築し、適法な状態にする必要がありました。ただ、減築をするとなると、
建物のひと部屋分くらいは減らさないといけないことになります。
お風呂もなく小さなトイレがついただけの長屋形式の建物でしたので、
減築してしまうと部屋の数もふたつしか残らず、
それぞれの部屋の床面積も大幅に減ってしまいます。これではお金をかけて工事をしても、
賃貸アパートとして貸し出せる部分がかなり少なくなってしまいます。

この風呂なし部屋の半分以上は削らないといけなさそうです。

庭も共有スペースとして生かす

老朽化も進んでいるので、いっそ建て替えるのが賢明かと
新築案も視野にいれてオーナーの川口さんと話し合いもしましたが、
最終的に予算的に可能な建物減築案を僕らは受け入れることにしました。

部屋の面積が減ってしまう代わりに、
増えた外部空間を部屋の延長として使う道を探そうという方針です。
部屋の面積を最小限にして、家の外にも部屋のような場所があれば、
自然と暮らしの中に外部空間と触れ合う場所が生まれそうです。

そしてそこがアパートの隣室の人や、隣家の方とのコミュニケーションの場になれば、
このような木造密集地でも新しく良好なコミュニティが育まれるのではと考えました。

狭い居室を補うように外部に居場所をつくる。

前回の記事にあるように、
藤棚とブロック塀による外部環境の提案が生まれたのはこの時期です。

建物の中と同じように、「庭の間取り」を考える。
寸法や壁位置、柱間隔も既存の建物にならって決めていき、
上空には梁と対応するように藤棚をかける。
「パンチのある、見たことがないアパート」を望んでいたオーナーの川口さんも、
この外部空間を活用する藤棚の提案には満足していただけました。

建物の構造に合わせて、外部空間をつくっています。

敷地にもともとある植物を切らずに屋根をかけるには藤棚が最適でした。

室内の狭さを払拭するために外部まで空間が広がっています。

方針が決まるころ、ちょうど夏真っ盛りの時期だったので、
この外部空間がどんな場所になるのかを、塩ビパイプで壁を組み立て、
実際の見えや、使い方を検証しながらBBQで利用してみました。

庭にある植物の位置や、お隣さんとの距離感など実地で検証しました。

前に進まない工事。その理由は?

さて、プランも定まり、意気揚々と工務店に見積もりをお願いする段階へと進みました。
予想外の「減築工事」が入ることになったため、予算はかつかつ。
当時まだ独立したばかりだった僕らには頼める工務店さんというのがあまりいませんでした。
それでも知人や前職のつながりで紹介してもらい、
何社か依頼できそうだったので、見積もりをお願いすることに。

通常見積もり調整は工務店からの金額をチェックして減額する部分を調整して、
という作業を何度か交わして最終的な金額に落ち着かせていきます。
あまり予算もない工事でしたが、
ある工務店の監督さんが「任せろ」と快く引き受けてくださり、
金額も予算に収める方向でまとめてくれることになりました。

ただ、ここで僕らは大きな失敗をしてしまいます。

予算的に一番現実味のある見積もりを出してくれた工務店がひとつしかなく、
そこ頼みで見積もりを進めていたので、
次第に相手のスケジュールに振り回されていくようになってしまいます。

「来週まで工事が忙しいからそのあと見積もり出します」

「夜間現場で1か月いません」

「3週間待って」

ことあるごとにリスケされ、見積もり調整のやりとりも延び延びになってしまい、
次第に連絡も取れなくなっていきました。数か月近くの時間が取られ、
さすがにまずいとその間ほかの工務店にも相談に乗ってもらいましたが、
やはり金額が合わず……。計画自体が暗礁に乗り上げてしまいました。
そして恥ずかしい話ですが、実は同じようなことがこの後2、3社続きました。

最初は快諾してもらえるのですが、どこも次第に連絡が取れなくなっていきます。
設計の精度や進め方など、こちらの経験不足が露呈し、
かなり訝しがられていたのだと思います。
未経験から始めたことによる「洗礼」をこの時受けました。

「待つ」時間ばかりで一向に前に進まず、
この時点で、改修の話をいただいてから2年半ほどの時間が経ってしまっていました。

限定1組! 国宝 松江城の天守で 結婚式を挙げたい カップルを募集

「結婚式、どこで挙げよう?」

そんな悩みを抱えている皆さんに朗報です。
せっかくの節目ですもの、松江城で江戸時代に
タイムスリップしたかのような結婚式を挙げるのはいかが?

松江城といえば、1611年の完成以来、400年以上の歴史を誇り、
全国に現存する12天守のひとつ。
松江城二之丸にある松江神社から、築城当時の祈祷札が
見つかったのが決め手となり、2015年7月には天守が
国宝指定となったことでも話題を集めました。

1611年に完成した松江城。2015年には天守が国宝に指定された。

今回の募集内容は、2017年3月4日(土)に
一般公募で選ばれたカップル1組が天守最上階の〈天狗の間〉で
結婚式を挙げられるというもの。

当日、新郎は甲冑、新婦は打掛、さらに参列する親族も
時代衣装に身をつつみます。
松江城の築城とその城下町の建設を開始し、
事業の実現に尽力したと伝えられる「松江開府の祖」堀尾吉晴公を
なぞらえているんだとか。

〈天狗の間〉に向かうまでは、お城の周りを囲む堀を
遊覧船で移動する〈花嫁船〉や、大手前広場から
城山公園二之丸、本丸天守入口までを甲冑武者姿の松江武者応援隊が、
ほら貝・笛・太鼓を奏で、祝福する〈花嫁時代行列〉も行われます。

〈花嫁船〉

〈花嫁時代行列〉の様子。その場に居合わせた一般客からも祝福を受けられる。

里山十帖・岩佐十良さんによる 新たな視点を取り入れ、 〈ユキノチカラ〉は 「つくる」から「売る」の ステージへ

岩手県の山間部にある西和賀町。 積雪量は県内一、人口約6,000人の小さなまちです。
雪がもたらす西和賀町の魅力あるコンテンツを、
全国へ発信していくためのブランドコンセプト〈ユキノチカラ〉。
西和賀の風景をつくりだし、土地の個性をかたちづくってきた雪を、
しっかりタカラモノとしてアピールしていくプロジェクトです。

クリエイティブ・ディレクター岩佐十良さん、晩秋の西和賀を訪ねる

2014年5月のオープン以来、コンセプトや宿泊客満足度、
部屋稼働率などあらゆる面から注目を集めている新潟県の温泉宿〈里山十帖〉。
それを運営しているのが、
クリエイティブ・ディレクターで雑誌『自遊人』編集長の岩佐十良さんだ。
ほかにも移住先の新潟県南魚沼市で米づくりを行うだけでなく、
オーガニック食品の企画・商品化、
さらには市の委員や広域観光圏のアドバイザーなども務めるという、
多忙を極める岩佐さんが西和賀町を訪れたのは、晩秋の色濃い11月の半ばのことだった。

実は今年度〈ユキノチカラプロジェクト〉は、次のステージへ一歩踏み出すことになった。
ユキノチカラをキーワードにした地鶏のブランディングと、
「ユキノチカラ=西和賀の魅力」を体感してもらうモニターツアーの実施だ。
雪国の食と文化を伝える観光の視点から、アドバイザーとして指名されたのが、
岩佐さんだった。

新潟県南魚沼市の温泉宿「里山十帖」。写真:岩佐さん提供

岩佐さん自らつくった米を味わうことができる。写真:岩佐さん提供

「岩佐さんには、西和賀の雪国文化をまちの魅力としてどのように生かしていくかを
一緒に考えていただきたいとお願いしました。
岩佐さんにお願いしたのは、デザイン・クリエイティブの価値をよく知り、
自らそれを生かしてビジネス展開している実践者だからです。
また、岩佐さんのような方にプロジェクトに参加していただくことで、
外部地域とつながったり、プロジェクト全体の視野を広げることができればと考えています」と、プロジェクトの運営や広報をとりまとめる日本デザイン振興会の鈴木紗栄さんは期待する。

鈴木さん(右から3人目)と、ユキノチカラプロジェクトのデザイナー6人。デザイナーは普段それぞれの事務所で仕事をしているので、西和賀でのプロジェクト会議は、顔を合わせる貴重な場だ。

健康落語が 弘道館にやってきた! 水戸 養命酒薬用ハーブ園 vol.2

《連載第1回はこちら》

茨城県水戸市と薬用養命酒でおなじみの養命酒製造株式会社が
薬草を活用するプロジェクトをこの夏から開始しました。
まずは、植物公園敷地内に〈水戸 養命酒薬用ハーブ園〉を
2017年4月にオープンします。
水戸藩に古くから残る薬草・生薬文化と、
400年以上も前に創製された薬酒を継ぐ養命酒製造株式会社によって
新たな薬草文化の価値を今に伝えていく、官民協働の新しい取り組みのかたち。
コロカルでは、プロジェクトの重要な部分を担う
市民向けのワークショップやイベントをレポートしていきます。

水戸学の拠点、弘道館で カジュアルに落語を聞く

都内では、寄席に並ぶ行列が連日のように続き
江戸時代以来ともいわれる平成落語ブーム到来の折、
江戸末期(1841年)に日本最大の藩校としてつくられた水戸の弘道館に
落語家、立川らく朝さんがやってきました。

水戸市と養命酒製造の協働事業のための
ワークショップに、なぜ弘道館で落語を?
その疑問は追々解決するとして、まずは落語の様子から。

寄席に集まったのは、中高年を中心とした約80人のみなさん。
聞けば、地元にある生涯学習サークルに属している人が多く、
常時、市内でのおもしろそうなイベントには参加するように
チェックしているそうです。

特に、前回に訪れた水戸市植物公園の西川綾子園長の講座は
人気があり、固定ファンもいるくらい。
「水戸市は生涯学習が盛んな土地なんです。
なんたって日本最大の藩校、弘道館のある土地ですから」
と前回のワークショップの際に西川園長が言っていたのを思い出しました。

今回は、水戸藩9代藩主 徳川斉昭公がつくった歴史的建造物、
重要文化財の弘道館で落語を聞けるとあれば、
多くの方が集まるのも納得です。

トトトン、という出囃子とともに高座に上がったらく朝さん、
まずはまくらにご自身の話など。
らく朝さんは46歳で立川流に入門される前は内科の医者でした。
そんならく朝さんオリジナルの健康落語は、全国各地でひっぱりだこなのです。

「医者と落語家も、政治家も振り込め詐欺も口だけの商売」と軽やかに噺す、らく朝さん。

徳川慶喜公が幼少期に学んでいたという、至善堂での寄席。らく朝さんが羽織を脱ぎ、本題に入ってからは、皆、集中して聞き入っています。

医学的に説明すると難しそうな内容も立て板に水を流すように噺す、らく朝さん。
ガンからメタボまで、生活習慣病予防の
参考になるような話には熱心にメモをとる人の姿も。
そんな参加者の姿を見て、
「笑うだけでガンにならないんですよ」とひと言。

「いやね、健康落語なんぞをしているとですね、
らく朝さん、体に一番いいことってなんですか? とよく聞かれるんですよ。
そういう質問には、笑いくらい体にいいものはないですよと答えます。
私たちの体のなかでは、毎日がん細胞ができているんです。
でもね、笑うと、いいんですよ。
笑うだけでがん細胞を攻撃する
NK(ナチュラルキラー)細胞が体内に増えるんですからね。
本日も難しい顔をして下を向かずに、
大いに笑っていってください」

さて、まくらから本日の演目へ。
らく朝さんが選んだのは、「代脈」という演目。
間抜けな医者見習いの落語です。
アドリブで、どのような状態の患者にも葛根湯を勧める医者の話
「葛根湯医者」についても織り交ぜた話にしてくれます。
医者になるまでの過程にあった自身の経験を交え、
江戸時代の診療をテーマにした古典落語をセレクトしました。
葛根湯はクズの根が主成分の伝統的な漢方薬。
クズは古くから知られた薬用植物なので、
そういった観点から聞くと興味深い小咄です。

あっという間に落語に集中した時間が過ぎ、
最後はみなさんでにっこりと記念撮影しました。

中央は立川らく朝さん。右には、本日の司会を務めた水戸市植物公園・西川園長が。念願の「葛根湯医者」を聞けてうれしそう。

「水戸のみなさんは、反応が良くて心地よかったですね。
なんといっても病気にならないためには
ストレスを溜めないことが重要ですから、
どうやって発散するかということです。
ストレスを溜める一番の原因は、病院に行くことですよ」
らく朝さんの言葉に、最後にまた笑いが起こりました。

国宝・彦根城築城410年祭の PR動画『彦根に集え!』が 相当カッコいい! 人気ミュージシャンが集結。

人気ミュージシャンをフィーチャーした
スタイリッシュな時代活劇ムービーが公開!

2017年に滋賀県彦根市で開催されるイベント〈国宝・彦根城築城410年祭〉
のプロモーションムービー『彦根に集え!』が公開されました。
国宝である彦根城で撮影を行い、人気ミュージシャンをフィーチャーした
スタイリッシュな活劇エンターテイメントムービーになっています。

ひこにゃん誕生から10年後の滋賀・彦根城

ムービーの舞台は、滋賀県彦根市のキャラクター“ひこにゃん”誕生から10年後の彦根城。
築城410年祭に向けて新しいシンボルを産みだそうと活気立つ、殿様や家臣達が
国宝の彦根城天守や、歴史ある能舞台でパフォーマンスを繰り広げます。

殿様を演じるのは、人気ラッパーの鎮座DOPENESSさん。
シンガーのKeycoさんやブレイクビーツユニットのHIFANAらが
出演し、アニメーションを多用したグラフィカルな映像は
まるでミュージックビデオのようです。

鎮座DOPENESSさん

Keycoさん

監督は、京都と東京に拠点を置くクリエイティブチーム〈CEKAI〉
の井口皓太さん。楽曲プロデュースはHIFANA、アートディレクションはMAHARO。
音楽やエンターテインメント界で活躍するクリエイターたちによって、
これまでにない地方創生コンテンツが完成しました。

北海道・大樹町の 〈ワークステイプログラム〉 とりあえず、住んでみる?

いきなり「移住」はハードルが高い…。そこで!

地方暮らしに興味はあっても、いきなり〈移住〉は大変、、
仕事や家庭にどんな影響が出るのか、
まずは住んで体験してみたい、という方に。

北海道の大樹町でスタートした〈ワークステイプログラム〉は、
地域に足りない、デザイン・ITなどの専門的なスキルを持つ方や、
まちづくりや地域貢献に興味がある方を対象に行う、お試し暮らしサービスです。

いろいろな働き方が考えられます

住宅使用料は1ヶ月35,000円と格安。
町が光熱水費、放送受信料、寝具借上料、
インターネット回線使用料及び利用料などを負担。
滞在の最後に、まちづくりに関する企画書または提案書などを作成し、
町に提出した場合には、謝礼金35,000円が支払われます。

こちらが住宅

対象となる方は、
まちづくりや田舎暮らしに興味がある方、
デザインやWEBなどの場所を選ばない働き方ができる方、
都市部の仕事をテレワークで受注する企業や個人事業主の方、
都市部から住居を移し起業しようとする方などなど...。
レンタカー利用料の助成もあるそう。

〈吉野杉の家〉 Airbnb×吉野町の 泊まれるコミュニティハウス

空いている部屋を貸し出し出来るサービス〈Airbnb〉。
世界中で人気のこのサービスが、奈良県吉野郡吉野町とコラボレーション。
このたび吉野町に、コミュニティハウス〈吉野杉の家〉がオープンしました! 
2017年1月18日からAirbnbにて宿泊予約がスタートします。

〈吉野杉の家〉は、〈Airbnb〉の社内デザインスタジオ
〈Samara(サマラ)〉が企画し、吉野町とともに作り上げた地域活性化の取組み。
吉野杉を使い、吉野川沿いの立地に馴染むようデザインされています。

建物は2階建て。
1階は居住スペースとコミュニティセンターが一緒になった場所。
開放的なリビングで、地元の人たちの集まりにも活用されます。
階段を上がるとロフトのような落ち着いたベッドルームがある
〈朝日の部屋〉と〈夕日の部屋〉が。2つの部屋に、最大7人が宿泊可能となっています。

設計を手掛けたのは、東京を拠点に活躍する建築家の長谷川豪さん。
コンセプト設計から最終的な建築まで、すべての段階で地元の技と人を取り込みました。

この地域ならではの家づくりの手法を活かし、
建材には吉野の山から伐り出した木を使っています。
木材を組み上げたのは、地元の匠の大工さんと職人さん。
この地域に伝わる伝統の素晴らしさや、
地元の人たちが受け継いできた伝統文化を取り入れて作られました。
吉野のコミュニティが作り上げた、吉野コミュニティのための家です。

吉野町に住み、働く人々が集まり運営

このプロジェクトは、高齢化や都市化の拡大によって急速に過疎化が進み、
伝統や経済的な安定が失われていく、
日本の地方の現状に対処するための取組みのひとつ。

Airbnbを通じて宿泊予約が行われると、収益は直接、
地域コミュニティや文化的な遺産を守るための資金として寄与されます。
ゲストが宿泊する毎に97%が、吉野町のホストコミュニティの元にわたり、
その後、コミュニティ投資基金を介して地域へと
もたらされる仕組みになっているのだそう。

坂東幸輔建築事務所 vol.7 補助金なし改修なしで、 港の空きレストランを再生

坂東幸輔建築事務所 vol.7

みなさん、空き家再生してますか、建築家の坂東幸輔です。

今回は丸亀市で行った〈港のカフェPIER39〉プロジェクトの様子を紹介します。
瀬戸内国際芸術祭2016秋会期の開催に合わせて、
丸亀フェリーターミナル2階の空きテナント〈PIER39〉を再生して
5日間だけウィークエンド・カフェを開催しました。

ようこそPIER39へ。

講演会などで徳島県神山町の話をすると、
「神山町に関わるようになったきっかけは何ですか」
という質問をよくいただきます。
神山町のようにドラマティックに変化を遂げたまちに関わることになった
最初のきっかけにみなさん興味があるようです。
海のカフェPIER39の場合は、私が空間に惚れ込んでしまったのです。

港のカフェPIER39は、空き家を使って
まちづくりのきっかけをつくってしまおう、というプロジェクトです。
ただし空き家の改修工事は一切なし、予算をかけず掃除するだけで使い始めました。

カフェとして再生するのは、自分?

PIER39と出会いは2015年9月の「リノベーションまちづくりシンポジウム」の
パネラーのひとりとして参加したときのこと。シンポジウムの後で、
高松の建築家カワニシノリユキさんに
とっておきの空き家があるからと案内してもらったうちのひとつが
丸亀フェリーターミナル2階にある空きテナントPIER39でした。
PIER39は1984年にオープンした喫茶店でした。
フェリーの待ち時間や地域の方のランチにと活用されていたそうなのですが、
利用客の減少により閉店。20年近く空きテナントとなっていました。
もともと市の所有の建物なのですが、借り手がずっと見つからなかったそうです。

リノベーションまちづくりシンポジウムの登壇者。左から、私、ポンさんこと真鍋邦大さん、R不動産の馬場正尊さん、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて。

丸亀フェリーターミナル。瀬戸内国際芸術祭の会場となっている本島のほか、牛島、児島、広島、小手島、手島行きの船が出ています。この建物の2階にPIER39があります。

窓から覗いた印象ではかなり丁寧に内装がデザインされています。
その頃、出羽島のプロジェクトに関わり始めたばかりで(vol.4vol.5参照)、
海の近くや港といった場所に興味のあった私は
PIER39にすぐに惚れ込んでしまいました。

高い窓に手を伸ばしてiPhoneで撮影した写真。内装や家具の雰囲気を見て、使えると思いました。

いい空き家が見られてウキウキしながら、年に行われた瀬戸内国際芸術祭で、
土日のフェリーターミナルに長蛇の列に並んだ経験のある私は
「瀬戸芸の期間にPIER39でかき氷屋さんでもやれば儲かりますね。
誰かやればいいのに」という雑談を一緒にいた人たちとしていたのですが、
はっと気がついてしまいました。

「その誰かは自分なんじゃないか」

この連載の中でも、地域でのまちづくりは
「何をするかではなく、誰がやるか」だ、ということを書きましたが、
PIER39の「誰か」は自分なんじゃないかと運命を感じてしまったのです。

徳島県内では神山町と出羽島でまちづくりの活動をしていましたが、
瀬戸芸や地域の美術館に育てられた
アートカルチャーのある地域で活動してみたいということも動機のひとつになりました。
猪熊弦一郎美術館のある丸亀は文系女子やサブカル女子が闊歩しています。
同じ四国でも徳島にはそういった女子は一切いないので
初めて見た時は衝撃を受けました(笑)。

埃まみれの空間を大掃除

自分でPIER39を再生しようと決心した後、
シンポジウムに私を呼んでくださった地域のキーマンである、
『四国食べる通信』編集長の真鍋邦大さんに相談し、
丸亀市の若手職員の方たちをご紹介いただいたことで、
瀬戸内国際芸術祭2016の期間中のPIER39の使用許可をいただきました。

今回のプロジェクトは私の場所への興味から始まった、ごく個人的なプロジェクトです。
市からは場所の無料提供をしていただきましたが、資金的な援助はもらっていません。
個人的に応募した第一生命財団の研究助成金をもらって、
研究として行っているため、自由に活動することができました。

港のカフェPIER39プロジェクトの本格的なスタートは2016年4月末からでした。
閉店してから約20年間使われていなかったPIER39の掃除を
京都工芸繊維大学の学生の垰田ななみさんや市役所の若手職員の皆さんと行いました。
埃まみれだった空き家が、ゴミを捨て、床をモップがけして、
窓や家具をきれいに拭くと見違えるようになりました。

ファブリックの汚れやカウンターの傷みなど、掃除ではどうしょうもない箇所もありましたが、
気にしなければすぐに使える状態になりました。
さっそく、丸亀市の方たちがゴールデンウィークにまちづくりのイベントを開催してくれました。

丸亀市若手職員の皆さんとPIER39の掃除。

港の景色を見ながら窓ふき。

掃除をしただけでかなりきれいになりました。

今回の港のカフェPIER39プロジェクトのように
ぜひ皆さんにもまちにある空き家も掃除をして使い始めてみてほしいのですが、
その際に注意したいのは、漏電と漏水です。
古くなった配線・配管に電気や水を流すと、事故が起こる可能性があります。
素人が大丈夫だと判断をせず、必ず電気屋さんや水道屋さんに相談するようにしてください。

掃除を終えた後は、毎月丸亀に通い、少しずつプロジェクトを進めていきました。

香川大学の学生を中心に、丸亀の商店街の空きテナントで
カフェを行っている〈るるるカフェ〉のメンバーたちが
PIER39のプロジェクトに協力してくれることになりました。
プロジェクトは私が非常勤講師として教えている、
京都工芸繊維大学や研究室のある京都市立芸術大学の京都の大学生チームと
香川の大学生チームのコラボレーションに発展しました。

香川と京都の学生のミーティングの様子。

PIER39で販売するフードメニュー開発を香川の学生、
内装やユニフォームのデザイン・制作を京都の学生が担当し、
準備を進めていきました。丸亀市役所の若手職人の皆さんの多大な協力もあり、
10月8日の瀬戸内国際芸術祭秋会期の開催に合わせて
〈港のカフェPIER39〉を5日間の限定オープンさせることができました。

開催を5日間の限定にしたのは、
京都から毎週通うことが難しかったこともありますが、私たちがいない間も
カフェをオープンしてくれる人が現れる余白をつくりたかったからです。

PIER39のユニフォームのデザインについての打ち合わせ。

〈秀吉のクリスマスツリー〉 プラントハンター 西畠清順さんによる 巨大ツリーが登場!

大阪府大阪市の中心部、
大阪城に隣接する〈ホテルニューオータニ大阪〉。
このたび、ホテル開業30周年を記念し、特別なクリスマス・イベントを開催! 

世界的に活躍するプラントハンターの西畠清順さんとコラボレーションした
『秀吉のクリスマスツリー』が、2016年12月25日(日)まで、
ホテルのアトリウムロビーに設置されています。

西畠清順さんとツリー

『秀吉のクリスマスツリー』のサイズは屋内・関西最大級11メートル! 
プラントハンター西畠さんが、1年がかりで探した木。
豊臣秀吉が大阪城を築城修築した際に採出した飛騨材・木曾材、
その中から選定された、生木のクリスマスツリーです。
樹齢はちょうど約30年、重さはなんと500キロ。

飛騨の木材は、安土桃山文化を代表する大阪城を始め、
聚楽第、伏見城など、幾多の名城を築く際に使われてきました。

豊臣秀吉が当時、巨木を調達するために、
飛騨高山から飛騨川・木曽川を通じて“川下げ”し、
大阪まで巨木を運んできたのだそう。
西畠さんは1年前から調査を重ね、飛騨の山で唯一発見した
樹齢約30年、樹高11mに及ぶトウヒの木を発掘しました。

植林された山は、間伐などで人の手を入れないと活かすことができません。
今回のプロジェクトは、木材で町興しをしている飛騨市にも喜ばれたのだそう。
ツリーの役割を終えたのちには、堆肥として土に還る予定です。

古民家LOOF vol.1 育った山梨の集落で、村おこし。 イベント赤字から抜け出すには?

古民家LOOF vol.1

みなさま、はじめまして、〈古民家宿LOOF〉の保要(ほよう)佳江です。
山梨県笛吹市芦川町で古民一棟貸し宿LOOF澤之家・坂之家という2棟の宿を経営しています。
築100年の兜作りの古民家を生かした内装になっている澤之家と、
大きな囲炉裏が特徴の坂之家。都内の20〜30代の女性、外国人観光客をターゲットに、
1日1組限定の宿として営業しています。

2014年にオープンした澤之家の特徴の“兜造り”とは、屋根の形状からそう呼ばれ芦川地域に見られる古民家の様式。小屋裏に広い空間が取られています(topの写真)。写真は改修後の小屋裏部分。ほかにも若い世代にも古民家を身近に感じてもらいたいと、水回りはきれいに、快適に過ごせるよう改修しています。

2016年にオープンした、2軒目の古民家宿、坂之家。

芦川町に戻り、古民家宿を始めるまで

芦川町は、東京から約1時間半の場所にあるのに、
“山梨のチベット”と呼ばれる秘境です。
そんな、人口400人もいない限界集落は、私の育ったまち。

東京と神奈川出身の両親が子どもは田舎で育てたいと選んだのがこの芦川町でした。
2歳でこのまちに移住し、高校生までの間をこのまちで過ごし、
大学・就職と東京に出て以来10年ぶりに地元に帰って活動を始めました。
当時は何もない、このまちから早く出たいといつも思っていました。

芦川町の風景。

戻ってきたきっかけとなったのは、大学の時の友人からの言葉でした。

「身近なことも変えられないのに世界は変えられない」

幼少期に田舎に住んでいた反動だったのか、
ずっと世界で活動することを目標に生きていた私にとって衝撃的な言葉でした。

ちょうど同じタイミングで偶然見つけた本『限界集落』に
出身地である芦川町が限界集落であることが書いてありました。

「これだ!!!」と直感的に思いました。

写真家・梶井照陰著書『限界集落ーMarginal Village』(FOIL)。写真がメインのこの本は、芦川の風景が掲載されていたりと、とても懐かしい気持ちになりました

それまでは、ずっと海外での仕事に就くことを目標に、大学では留学をしたり、
休学をして勉強をしたり、国際協力の仕事をするために活動をしていましたが、
大学4年生のときに芦川町の「村おこしをしたい!」と
方向性を変えて生きて行くことにしました。

そこで、就職活動などは一切せず、「村おこし」=農業かなと考え、
地元に戻って農業の勉強をしようかと模索していたところ、
友人からおもしろい会社があると聞き、たまたま説明会に行ったのが、前職の農業関連の会社。

入社前の面接で社長に「村おこしがしたい」と話すと、
「うちの会社を踏み台にして、自分のやりたいことに進みなさい」
と言われ、そのまま入社することにしました。
配属された飲食部門でトップまで行って、結果を出してから辞めようと決め、4年間勤務。
並行して周囲に「村おこしがしたい」と言い続けていました。
3年目に、まずはできることから始めてみようということで、飲食関係の友人に手伝ってもらい、
地元の食材を使用して芦川にある古民家でフレンチ料理を提供する、
週末レストラン「囲炉裏フレンチ」というイベントを開催しました。

イベントのときにつくったチラシ。

村おこしって何だろう?

毎回イベントはすべて満席。とても好評で1年間続けましたが、収支はずっと赤字。
これではいけないと悶々としていましたが、
そもそも“村おこし”ってなんなのか? を考えずに、
突っ走っていたため最終的にどうなることが理想の“村おこし”なのかを
イメージできていなかったのです。

そこで、一旦考え直し、「なにかしてあげよう」という考えから
「地域の人が抱えている問題を、自分のやりたいことを通じて解決していこう」と、
自分に軸を置いて活動をしていこうと決めました。

私のやりたいことを考えた時に辿り着いたのは、
「トカイもイナカもある暮らし」の実現。

ありのままの自分を出せる場所=イナカ

背伸びした自分をつくる場所=トカイ

イナカ過多、トカイ過多な人が多いけど、私は両方がほしい。

そして地域の人が抱えている問題を解決したい。
その頃ちょうど芦川の地域全体で行うワークショップが開催されており、
地域の一番の課題が「空き家の問題」という結果に行き着きました。
300軒ほどある建物のうち、3分の1の100軒が空き家という事実。

私のやりたいことと、地域の抱えている課題の2点に加え、
私は必ず入れないといけない視点として考えたことが、ふたつあります。

①まずは「しっかり稼ぐ」ということ。

②地域の課題を「おもしろく解決する」ということ。

少ない収入でも暮らせるのがイナカなのかもしれないけれど、
それが個人の希望とは合わないこともあります。
実際、私の周りの同世代の友人も、地元に戻りたいと思っている人は
たくさんいました。しかし、みんな共通して戻らない理由が
「仕事がない」ということと、「魅力的な仕事がない」ということ。
選択肢の多いトカイから抜け出すのはなかなか勇気のいること。
だから、私は芦川に戻ってくるときに、
「おもしろいこと」しかしないということと、
「トカイ以上に稼ぐ」ということを決めました。

そこで私のミッションは
「地方に持続可能なビジネスモデルをつくり、
集落に残る日本の生活文化を継承する」こと。

そして意識する点として、「おもしろく社会問題を解決する」と考えました。

そこから具体的に芦川町で何をしようか考え始めました。
この地域だからこそできる強みとはなんなのか、
ほかのイナカでなく、この地域だからこそできることってなんなのか。

創立65年の劇団と 演劇専用ホールをもつ “地域演劇のふるさと”西和賀

西和賀にんげん図鑑Vol.1 
小堀陽平さんと妻の結香さん
(ギンガク実行委員会・企画委員)

東京で生まれ育った小堀陽平さんが、このまちに移住して、もうすぐ3年目を迎える。
現在は、西和賀町地域おこし協力隊として
演劇専用ホール〈銀河ホール〉の運営やまちの広報活動に関わるが、
もともと西和賀に特別な縁があったわけではない。

きっかけは、日本大学大学院芸術学研究科に在籍していた晩秋のことだった。
「東日本大震災の後、かつて銀河ホール館長を務めた芸術プロデューサーと
西和賀町の旅館組合の組合長から、湯田の温泉宿を使って
演劇学生たちの合宿をやれないものか? と声をかけられて」

西和賀町には、古くから演劇文化がある。
戦後まもなく地元住民によって結成された〈劇団ぶどう座〉は
中央演劇界とのつながりも深く、60年以上も活動を続けているそうだ。
そうした素地のもと、1993年に演劇専用施設として建てられた〈銀河ホール〉は、
地域演劇祭から国際的な演劇交流まで幅広く活用されてきた。

「このまちには劇団ぶどう座と銀河ホールが積み重ねてきた、
新旧さまざまな地域行事や伝統芸能があるし、ほかの地域にも誇れる設備や環境がある。
せっかくなら、合宿だけでなく演劇祭を開きたいと伝えました」

小堀さんの提案をうけ、まちでは、師走の多忙な時期からコトがパタパタと動きだす。
1月末に合宿実施のめどが立つと、小堀さんが学生たちに声をかけ、
東京都内3団体による滞在型演劇祭の開催が決定。
3月上旬上演に向けて慌ただしく小堀さんがまちを訪れたのは、
西和賀町が最も雪に覆われる2月の真っただ中だ。

「初めて訪れた西和賀がその時期。
特に雪の多い年だったらしいのですが、比較対象を知らなかったおかげで、
純粋に、東北の冬ってこういうものなんだなと思いましたよ(笑)」

それは、逆転の発想から始まった。 地方創生の新しいカタチ、 〈ユキノチカラ〉が動き出す!

西和賀ならではの食ブランド、誕生

雪がもたらす岩手県西和賀町の魅力あるコンテンツを
全国へ発信していくためのブランドコンセプト〈ユキノチカラ〉
住民にとって厄介な存在だった雪を、しっかりタカラモノとしてアピールしていくため、
マイナスを逆手にとった発想、そして、これまでにない枠組みによってスタート。
小さなまちで生まれた〈ユキノチカラ〉は、
いま、全国のデザインプロジェクトの手本となる大きなムーブメントになろうとしている。

2016年3月22日、23日、東京ミッドタウンで開催された〈復興デザインマルシェ2016〉。
東北地方と茨城県から集まった35事業者のアイテムがずらり並ぶなか、
岩手から参加した西和賀町のブースには、2日間途切れることのない人の列ができた。

ブースの前には、1年がかりで立ち上げた新しい食ブランド〈ユキノチカラ〉の商品を
興味深く手にとってほおばるお客たち。
その様子を心配そうな面持ちで見守るのは西和賀町役場の高橋直幸さん、
〈ユキノチカラ〉プロジェクトの推進役だ。

高橋直幸さんは西和賀で生まれ育って、18歳で役場に入庁。以来、観光や農林、防災、県庁出向まで20 年間で約10 部署を経験してきたミスター西和賀!「西和賀食ってみでけろ隊」の立ち上げなどにも関わる。

〈ユキノチカラ〉とは、雪がもたらす西和賀の魅力あるコンテンツを
全国へ発信していくためのブランドコンセプト。
「西和賀は冬場の積雪量が10メートルにも及び、
2メートル近く雪が積もることもあります。
昔から雪は住民にとって厄介な存在でした」と直幸さん。

生活者にとってはマイナス要素の大きな「雪」だが、
それは西和賀の風景をつくりだし、土地の個性をかたちづくる重要な要素。
それをしっかりタカラモノとしてアピールしていくための考え方が
〈ユキノチカラ〉なのだ。

1年前から始動したこの取り組みの注目すべき点は、
マイナスを逆手にとった発想、そして、
これまでにない枠組みによるスタートだということ。
その経緯を少し振り返ってみよう。

〈HACK OUR CITY -Shibuya-〉 新しい選択肢をつくる 「都市づくり」セミナー

人口や建物など桁違いな規模感のまち、渋谷。
そのまちづくりは、“都市”ならではのアプローチです。

特殊で巨大なまち・渋谷を舞台に
ボトムアップからの都市づくりをテーマにした実験プロジェクトが
「SHIBUYA HACK PROJECT」です。

その「SHIBUYA HACK PROJECT」に関連した
セミナーイベント〈HACK OUR CITY -Shibuya-〉が
2016年12月2日(金)に渋谷・ロフトワークで開催されます。

“まち” や “都市” の
現代の事情に精通する人々によって開かれるこのイベント。
イベントの内容としては、
地理人の今和泉隆行さんと、ビジュアルデザイナーの河ノ剛史さんによる、
将来の渋谷の妄想地図をつくるワークショップ。

そして、株式会社ロフトワーク代表取締役の林千晶さんと、
株式会社オープン・エー代表であり
東北芸術工科大学教授、建築家でもある馬場正尊さんによる、
「都市計画と新たな価値創造」というテーマのパネルディスカッションなど
趣向を凝らした催しが行われる予定です。

渋谷道玄坂の真ん中に突然現れた、ちょっと不思議な家具。

また、「SHIBUYA HACK PROJECT」では、
すでにいくつかの実験プロジェクトが行われており、
その一例として10月に行われた「Street Furniture@渋谷音楽祭2016」を
少しだけご紹介します。

このイベントは渋谷の路上に、「関わりたくなる」家具などを配置。
通りがかりの人が、いつもとちょっと変わった目線でまちを眺めて、
佇むことのできる空間をつくる実験的な企画です。

100万回再生の「公約」達成! 別府に遊園地ならぬ 「湯~園地」ができる!?

大分県別府市が発表した、
温泉につかりながらジェットコースターに乗れる!? という、
遊園地ならぬ“湯~園地”計画。

この実現にむけた公約ムービー『別府市・湯~園地計画』が、
YouTubeで公開されました。温泉と遊園地を融合させた、
アミューズメント施設「湯~園地」が描かれます!

人が入れる温泉として世界一の湧出量を誇る別府市。
このムービーは、市がビジョンとして新たに掲げる“遊べる温泉都市構想”の
コンセプトを表現したもの。

温泉につかりながら楽しめるジェットコースターや、
あたかも家族風呂のようなあたたかさを持つ観覧車、
市内路上での温泉を使ったアトラクションなどなど…。

このムービーの全体プロデュースは、NTT docomo『森の木琴』(2011)や
おんせん県おおいた『シンフロ』(2015)にも関わる、
〈Invisible Designs Lab〉の清川進也さん。

別府市内で約90年の歴史を持つ遊園地〈ラクテンチ>に12トン以上の温泉を輸送。
別府市長・長野恭紘をはじめとした総勢150人の市民エキストラが参加! 
地元消防署協力のもと、消防ホースを用いて、遊園地内での温泉の運搬や散布を行う等、
まさに市民一丸となって制作されたのだそう。

宣誓書に署名する市長

本ムービーにあたって市長が発表した公約は、
「YouTubeでの再生回数が100万回を達成した場合、実際に別府市内で本計画を実行する」
というもの。

そして、11月21日のムービー公開から4日目にあたる11月24日、
公約実行の100万回再生を達成しました!

やりました!

株式会社建大工房 vol.2 廃墟ビルをリノベーション。 福井のものづくりの 新拠点が生まれるまで

株式会社建大工房 vol.2

「Happiness is only real, when shared.」

幸せが現実となるのは、それを誰かとわかち合った時だ。

前回にも書きましたが、僕はホームレス工務店だったことがあります。
家もなく、借金を抱えながら、何のために生きるか、何を信じるかなど、
いろいろ悩んで哲学書や宗教の本などを読み漁って出会った1本の映画がありました。
『イントゥ・ザ・ワイルド』(into the wild)。冒頭の言葉はその中の一節です。

ストーリーはこうです。
物質社会に嫌気がさした青年がすべてを捨てアメリカを横断。
目的地であるアラスカの奥地で完全自給自足の生活をしながら自分をみつめていく。
1992年に実際に起こった実話に基づいた話です。
主人公がアラスカの地で苦悩の果てに、
最後に残したメモにあったのが、先の言葉でした。
当時、生きることの意味を模索してる僕にとって救われた出来事のひとつでした。
その映画の公開を知ったのが〈IDEE〉創始者の黒崎輝男さんのブログです。
鯖江の講演を聞きにいってすぐのことでした。

さて、今回は、ホームレス工務店となり、
どん底だった当時の僕にとって、大きな財産となった黒崎さんとの出会い、
アメリカの旅、そして2016年にオープンした古ビルの話を書きます。

食や工芸、北陸のものづくりを発信

まずは今年2016年9月にオープンした〈CRAFT BRIDGE〉(クラフトブリッジ)について。
ここ福井にもまたひとつおもしろい場所ができました。

もともとは住居や賃貸住宅として使われていましたが、2階、3階は10年以上放置されていて廃墟同然でした。

1階が日本酒バーとパン屋さん(予定)、2階にシェアオフィス、
そして3階とルーフテラスにクラフトビールのビアバーがある複合施設です。
FLAT(vol.1参照)から派生した仲間に新たなメンバーが加わり、
代表は不動産屋さんで、建築家、漆器屋さんなどの方々も参画して、
みんなでつくりあげています。

ビルのコンセプトは福井はもちろん、北陸の地域に根づく工芸や食、
地酒などのものづくりの文化を、体感できる橋渡しの役目となり、
これからの新しい働き方を生むような、交流の場となる場所。

FLATは福井のクリエイターたちの交流や表現の場所という感じで使われてきましたが、
ここクラフトブリッジはもう少し発信の範囲を広げていくのと、
これからの「仕事」のやり方を提案していくような、
人材を育てていく場所としても活用できるようになっています。

1階の日本酒バー〈rice bar〉は黒崎さんの紹介で福井出身のデザイナー水谷壮市氏の設計。

1階のパン屋さんが入る予定のスペース。これは、オープニングパーティーの様子で、東京から黒崎さんの事務所のスタッフもたくさん駆けつけてくれて盛り上がりました。

3階のクラフトビアバー〈Bridge Brew〉。壁面の廃材のヘリンボーンの壁はここを経営するデザイン事務所〈HUDGE〉のスタッフたちがDIYでつくったもの。テーブルはもともとついていた鉄扉をそのまま使っています。

インテリアのチョイスはHUDGE代表の内田裕規さん。アメリカで買い集めたものばかり。

屋上のビアガーデン。北陸のクラフトビールと地元食材のオーガニックフードが食せる。薪はディスプレイだけではなく、石窯もつくってあり本格的な石窯ピザも焼ける。屋内に薪ストーブも設置予定。

リノベーションスクールの時にDIYワークショップでつくった屋上に設置したオブジェのフラードーム。ホームセンターの1×4材で総材料費は3万円程度。直径3.4メートル。

1番上のルーフテラスのコンセプトはアウトドアリビング。ハンモックに揺られながらまったりと過ごせる。

実はクラフトブリッジをプロデュースしてくれているのが、
冒頭でも書いた黒崎輝男さんです。
東京・青山の国連大学前広場で開催されている〈Farmer's Market〉や
フードカーが集まるコミュニティ空間〈commune 246〉のプロデュース、
米国・ポートランドのガイドブック『TRUE PORTLAND Annual 2014』など、
数々のおもしろい本も出版しています。
仏人デザイナー、フィリップ・スタルクを日本に紹介しオリジナル家具をプロデュース、
ほかにもマーク・ニューソンなど世界に名だたるアーティストの才能を見出してきた
現代の千利休みたいな人だと僕は思っていて、
90年代後半〜2000年代初頭の東京のデザインシーンを語るうえでかかせないひとりです。

今も常に世界中を飛び回りながら最先端を走っています。
クラフトブリッジでは2階のMIDORI.so FUKUIを運営してもらって、
平均すると月に1度くらいのペースで黒崎さん自ら出向いてもらってイベントをしたり、
福井と東京の若者たちとの交流を促してくれたりします。

2階のギャラリースペース。今は越前漆器や金継ぎの作品、越前和紙などが展示されています。

2階のシェアオフィス〈MIDORI.so FUKUI〉の窓の外には隣にある隈研吾氏設計の料亭〈開花亭sou-an〉が。

伝統工芸などのものづくりが根づく福井にはそれを守りたいという若者がまだまだいる。
黒崎さんは、日本古来の文化や風景をどう残していくかという活動をしていて、
伝統を担う福井の若者がそれぞれ現代的なやり方や見せ方などの葛藤があるところに、
突破口となるヒントをくれながら、応援してくれています。

そんな北陸のものづくりがクラフトブリッジのテーマになったのも
2年前に黒崎さんに連れられて行った旅から始まります。
まさか僕らが黒崎さんとアメリカに行くことになるとは……

〈cokeconami_market〉は 食、アート、体験の クロスカルチャーイベント!

食欲の秋、芸術の秋、運動の秋、この季節にはいろんな秋があり、とにかく忙しい。

そんなもろもろを総ざらいし、満喫できるイベント〈cokeconami_market〉が、
秋と冬の間に滑り込みました。11月の最終日曜日となる27日(日)、
福岡市と北九州市の中間あたりにある津屋崎で開催されます。

会場の全体マップ。公式webサイトでもチェックできます

この津屋崎は夏には「津屋崎祇園山笠」が行われるほか、
「モマ笛」をはじめとする伝統工芸「津屋崎人形」が
今も受け継がれている文化色豊かな街。

古い酒蔵が残るその町並みは 「津屋崎千軒」と呼ばれ、
ドラマのロケ地にもなりました。海がすぐそばに広がり、
漁港が近いので、のどかな漁師町というイメージもぴったり。

津屋崎、そしてその周辺には近年、移住者が増えています。
例えば彼らはwebデザイナーであったり、
CGアーティストであったり、器の作家であったり、
革職人であったり、その面々はとても個性豊か。

この〈cokeconami_market〉の発起人もそんな移住組です。
レザーショップ「cokeco」を営む田中立樹さん、
そしてうどん店「こなみ」を営む山田さん夫婦による
「何か面白いことをやりたいね」という他愛のない会話が
きっかけとなり、そのイメージが形になりました。

会場となる津屋崎千軒のすぐ近くには海が広がります

田中さんは「自分たちが良いな、好きだなと思っている人たちに
声を掛けました。彼らの多くは同世代です。
そんな空気感を楽しんでもらえればと思います」と言い、
山田さんは「初開催とはいえ、企画は色々と詰め込みました。
第2回、3回と継続していき、今回、お声掛けできなかった方々を
お招きしていきたいですね」と意気込み十分です。

以前コロカルの記事でも紹介された〈旅するクーネル〉もイベントに参加

〈cokeconami_market〉は
「食べる」「見る&観る」「聞く&聴く」「買う」「体験」という
5つのコンテンツから成ります。

まずは「食べる」。当日、飲食ブースには福岡、そして県外から、
多国籍料理、イタリアン、スパイス料理といったように、
バラエティ豊かな飲食店が出店。当日限定のフード&ドリンクを提供いたします。

テラス&ミコーの名物・パクチーラーメン。こちらはあくまでイメージで当日の提供はありませんが、センス抜群のシェフによる料理に期待大です

ISHINOMAKI2.0 傾いた空き家、 どうやって改修する? 忍者屋敷がアトリエに

ISHINOMAKI2.0 vol.5

第5回目となる今回は、私、勝 邦義の古巣である
横浜の建築設計事務所〈オンデザイン〉が担当します。オンデザインは2011年の5月、
まだガレキが残る石巻のまちなかで1冊のフリーペーパーをつくることからスタートした
〈ISHINOMAKI2.0〉の誕生から、活動を支えてきました。

当時駐在していたスタッフに加えて、私が関わるようになったのが2012年。
そして2013年、私の次に関わるようになった、
オンデザインのスタッフ湯浅友絵さんが今回の執筆者です。徳島県出身の元気娘として、
石巻のまちに飛び込み取り組んだふたつのリノベーションを紹介します。

石巻の現場で大工さんと打ち合せするオンデザイン代表の西田司さん(左)とスタッフの湯浅友絵さん(右)。

こんにちは、オンデザインの湯浅友絵です。
今回は私が石巻で関わっているリノベーション事例をふたつ紹介します。
ひとつは空き家をアーティストインレジデンス&ギャラリーに変えた事例で、
もうひとつは空き地を、中古屋台を使ってコミニュケーションスペースに変えた事例です。

少し自己紹介から。私は横浜の建築設計事務所オンデザインで働きながら、
ISHINOMAKI2.0の取り組みをさまざまなかたちで協働してきました。
私が石巻に初めて行った2013年頃は、
まちはすでに東日本大震災によるガレキの片づけなどは済んでいて、
復旧ではなく自分たちの手で、震災前より魅力あるまちにしようと、
復興フェーズになっていました。

すでにオンデザインの先輩である勝さんは石巻に住みながら、
さまざまな取り組みをしていました。私は入社してすぐに、
「横浜から石巻へ行かないか」と代表の西田から言われ、とんとん拍子に、石巻へ移住。

勝さんから、いろいろと話は聞いていましたが、想像と実際に住むのでは、大違い。

石巻に初めて行った時に撮った写真。

ガレキなどは片づいたとはいえ、当時の石巻のまちには住む場所がなかなか見つかりません。
不動産屋へ行っても、当時ひとり暮らしの空き部屋がない状況でした。

今まで自分が生活してきたまちとはまったく違う環境だったということもありますが、
まちなかは空き地、空き家が目立ち、どこか寂しく感じました。
仮住まいとして寝泊まりをしていた復興民泊も、シャワーブースにトイレ、
二段ベッドという生活するのに、必要最低限のものが用意されているという状況でした。

そんな環境で何よりの励みになったのは、石巻のまちの人のあたたかさです。

家がなくても、「うちに泊まればいいよ!」と、
2か月の間に商店街の呉服店さんの和室や、
電気屋さんの屋根裏部屋、ISHINOMAKI2.0の先輩の家の空き部屋など、
スーツケースひとつでまちのなかを転々としながら、暮らしていました。

あのときの本音を言えば、
「横浜の設計事務所に入ったはずなのに……」と最初は思っていましたが、
石巻のまちで実際生活し、1日に3〜50人の人に出会い、
まちの人に触れ、あたたかく受け入れられる感覚は、都会では味わえない生活でした。
昼になると、まちの呉服店にお腹を空かせた若者が集まり、
そこで昼食を食べてコミュニケーションをとったり、
事務所で仕事をしていると、まちの人がやってきて、石巻の歴史について語ってくれる。
石巻という場所は、横浜に戻ってきた今でも通い続けたくなる魅力溢れるまちです。

新しい総合芸術祭の開催に向けて

では、ここから本題のリノベーション事例を紹介します。

ひとつ目は空き家の改修です。ただ住めるようにするだけでなく、2017年に開催する
〈Reborn-Art Festival 2017〉(リボーンアートフェスティバル)のために、
アートスペースとして利用することが求められていました。

Reborn-Art Festivalとは、東日本大震災から5年、
ここまで歩んできた現地の方々の「生きる力」や「生きる術」に共感した
さまざまなジャンルのアーティストが、東北の自然や豊かな食材、
積み重ねられてきた歴史と文化を舞台に、そこに暮らす人々とともに繰り広げる、
いままでになかった総合祭(Reborn-Art Festival HP抜粋)のこと。2017年夏開催予定。

このプロジェクトが動き出したきっかけは、ISHINOMAKI2.0と、
震災後継続して石巻を支援している、一般社団法人ap bank(以下ap bank)との出会いです。

2011年の震災後、ap bankの代表理事であり、
音楽プロデューサーとしても有名な小林武史さん自らが被災地へ足を運び、
〈NPO法人ETIC.〉が主催する、東北へ地元には少ない能力やスキルを持った人材を派遣する
「右腕プログラム」など、さまざまなかたちで復興支援をしていました。

そんななか、小林さんは石巻にも幾度も来られていました。
ap bankとして、継続できるかたちでも、何か支援ができないかと考えられていたそうです。
ちょうどその時期、新潟の越後妻有地域で行われていた『大地の芸術祭2012』に行き、
さまざまなアーティストやサポーターが
芸術を介して地域の力を底上げしていることに感銘を受け、
「被災して地力が弱まっている石巻で、
自分も地域に軸足をおいて一緒になにかをつくりあげることができないか」と思ったそうです。
(コロカルでも小林さんにインタビューしています

その後、ISHINOMAKI2.0との出会いがありました。
石巻のまちを世界で一番おもしろいまちにしようと活動しているISHINOMAKI2.0は、
Reborn-Art Festivalの考え方に共感し、中心市街地での会場、
まちのキーパーソンからのヒアリングや、
アーティストとまちの人をつなぐ役割を担うこととなりました。それから地域の人々や、
自治体、観光協会、商工会議所、地域市民団体、企業などと対話を重ね、
少しずつ構想をかたちにしていき、2015年7月に地域と共同で
「Reborn-Art Festival実行委員会」を発足し、
音楽やアートや食など総合的な地域芸術祭開催に向け、動き出しました。

2016年夏に石巻港雲雀野地区で実施されたReborn-Art Festival×ap bank Fes 2016の会場での様子。会場のところどころにはアーティストが制作した作品が展示されていました。(photo:中野幸英)

そこでアートキュレーターで参加されている〈ワタリウム美術館〉の和多利浩一さんと
石巻のまちなかで震災前まで電気屋を営んでいたオーナーさんとの出会いがありました。

もともと、石巻のまちをもっと良くしたいという強い想いがあったオーナーさん。
ふたりは意気投合し、石巻の未来について、
アートという側面から、どうまちに場をつくっていくかなど、話が盛り上がったそうです。
そのなかで、オーナーさんが、使い方がわからず、
手もつけられないまま放置している1軒の空き家を所有しているという話になり、
後日、建物を見た和多利さんが、とても気に入り、アーティストが滞在し、
アート制作、居住を目的とする拠点にリノベーションし、
会場として利用させてもらえないか、とオファーしました。

空き家は、JR石巻駅から10分程歩いたことぶき町通りという商店街にあります。

ことぶき町通り。

忍者屋敷を、アーティストインレジデンスへ

ことぶき町通りを歩いていると、家がないのに、玄関扉のような扉がある敷地があります。
一見、この扉は通りに面しているため、誰かの家の玄関かなと思うのですが、
そこを開けると、細い小道が現れます。

その細い小道を歩いていくと、見えてくる1軒の空き家。
築80年以上になるこの建物を、今回改修することになりました。

(photo:鳥村鋼一)

裏から見た、改修前の外観。

この建物、以前から気になってはいましたが、誰も住んでいない空き家ということもあり、
どこか近寄り難い雰囲気があったとまちの人々は言います。
通称「忍者屋敷」と呼ばれていました。

かつては、1階は縫製工場として使われ、2階には働く人が住んでいたそうです。
実際、現地調査をしてみると、1階は天井が高く、天井からコンセントが垂れ、
ここでミシンを踏んでいたのではないかと想像できました。
この1室を取り囲むようにトイレ、階段、土間があり、浴室はありません。
階段を登ると、中2階に和室が1間、さらに階段を登ると、和室が2間ありました。

階段が変わっていて、中2階で登りきり、上がってきた階段の吹き抜けに板をパタンと倒して、
通路にし、そこからしか上階へ上がれないという、
まさに忍者屋敷のような設えとなっていました。

改修前、中2階から見た階段部分。

さらに、建物の中にいると平衡感覚を失うくらい家が傾いているのがわかりました。

詳しく調査してみると、築80年以上のこの建物は、
震災で傾いたのではなく、震災前に傾きがすでにあったようです。
また、昔は平屋であった建物に無理やり中2階、2階部分を増築していたことがわかり、
そのため階段があんな感じに取り付いていたのだと、納得しました。

柱も細く、増築部分は乗っているだけで、
よく東日本大震災を耐え抜いたものだと、感心させられました。
ちなみに余談ですが、東北の建物はほかの地域と比べると、
華奢なものが多く軽いのだそうです。軽いからこそ、逆に、震災にも負けず倒れず、
しなやかに生き永らえたのかもしれないと大工さんが教えてくださいました。

ただ、生き永らえた、とは言え、平衡感覚を失うほど傾いているこの家です。
調査を進めるほど、どう改修を進めていくかの、課題は山積みです。

この建物の傾きを直せる……のか?

リノベ施設〈THE 6〉 築36年の集合住宅を シェア型複合施設に!

集合住宅をまるごとシェア型複合施設にリノベーション!

宮城県仙台市にオープンした〈THE 6〉(ザ シックス)は、
築36年のオフィス併設集合住宅を一棟丸ごとリノベーションし、
シェアオフィス、アパートメント、イベントスペースなどを備えた
シェア型複合施設に変身させたプロジェクトです。

〈THE 6〉があるのは、仙台市中心部から程近い、
せんだいメディアテーク北側の仙台市青葉区春日町。

利用者として想定されるのは、仙台のクリエイターや学生、
また東北各県の企業人や、首都圏をはじめとした大都市圏からの
出張族など。利便性の良いエリアなので、幅広い方の利用が見込まれています。

それでは〈THE 6〉をご紹介!
施設は6フロアからなり、機能も6つ。

1. シェアオフィス

3階に位置するシェアオフィス。
フリーデスクエリア、固定デスク、個室タイプなど用途に
よって使い分けられる。

2. アパートメント

住居としてもSOHOとしても利用可能。
フリーデスクのフルタイム会員利用権付きのアパートメント。

3. イベントスペース

3階にある、トークやワークショップが行われるイベントスペース。

4. ショップ

オフィス関係者などのグッズを販売するショップ。

5. ルーフトップ

3階利用者に開放されているルーフトップ。
入居者向けのBBQイベントなどが開催されている。

6. シェアキッチン

シェアオフィススペースにある、充実のシェアキッチン。
クッキングのイベントなども開催。

『五島と鎌倉』 2つの地域を繋ぐ メディアとイベント

鎌倉と日本各地のさまざまな地域との交流を促すメディア、
○○と鎌倉』が創刊されました。
地域密着型のペーパーメディアですが、
既存のメディアと違うのは、地域と地域の交流を促していること。
つまり、鎌倉と、他の地域のコラボをテーマにし、
イベント連動型とする、まったく新しい形のメディアです。

この度創刊された第一号のタイトルは『五島と鎌倉』。
フィーチャーしたのは、美しい教会や寺社など、
独特の文化と歴史を持つ長崎県の五島列島。
まったく異なるバックグラウンドを持つふたつの地域の
共通点や違いを探しながら、
五島と鎌倉だからこそできる紙面づくりを行ったそう。

紙面では、五島うどんを鎌倉スパイスでアレンジする企画も。

タブロイドは、鎌倉市内、東京都内、五島列島で配布されています。

紙面では、地域密着型ミュージシャン対決や、
鎌倉の食堂と五島のコミュニティーカフェの
スタッフ対談、
“鎌倉スパイスでアレンジする五島うどん”レシピなど、
ユニークなコンテンツがいろいろ。

そんな『五島と鎌倉』のイベントが、
2016年11月26日(土)と27日(日)の2日間に渡って開催されます!
五島列島と、鎌倉の人や店がコラボレーション。
五島の椿をテーマに、トークショーやワークショップ、
鎌倉で活躍する作家による椿の木を使った限定商品の販売など、
鎌倉市内各所で交流イベントが盛りだくさんです。

宇都宮らしさって何だろう……? 代官山で「宇都宮らしさ」を テーマにしたイベントを開催

コロカルでも過去に紹介した、
大谷石採石場跡プロジェクトや、宇都宮ダブルプレイスなど、
地域の特色を生かしたチャレンジから目が離せない宇都宮市。
11月23日(水・祝)には、東京・代官山のサンドイッチと本のお店〈Bird〉にて、
「宇都宮らしさ」とは? をゲストと来場者が一緒に考えるイベントが開催されます。

トークセッションに登壇するのは、
クラフトビールのお店〈Blue Magic〉の店長であり醸造家の中尾真仁さん、
果実酒とウイスキーの〈BAR fleur-de-lis(バー フルールドゥリス)〉を営む
バーテンダー原百合子さん、
シェアハウス〈カマガワリビング〉の住人で、3拠点生活を送る平田唯さん。
この3名で、宇都宮でのものづくりについてや、
カマガワリビングや宇都宮での暮らしについて、
宇都宮をハブとした多拠点生活の楽しみ方についてなど、ざっくばらんにお話しします。
「宇都宮らしさ」って何だろう? 「宇都宮らしい」暮らし方ってどんな実践があるのだろう?
「宇都宮らしい」人ってどんな人だろう? ということを改めて考える機会になりそうです。

〈Blue Magic〉の店長で醸造家の中尾真仁さん。

〈BAR fleur-de-lis(バー フルールドゥリス)〉の原百合子さん

シェアハウス〈カマガワリビング〉の住人で、3拠点生活を送る平田唯さん。

当日は、原さんの旬の果実を使ったカクテル(ノンアルコールも)のほか、
中尾さんのつくった限定クラフトビール〈涼風(すずかぜ)〉もいただけます。
また、会場の〈Bird〉とコラボレーションした
宇都宮の旬の食材を使ったサンドウィッチも用意しています。
クリエイティブな活動をしたい人や、多拠点生活に興味がある人、
中心市街地を中心とした宇都宮のまちの楽しみ方に興味がある方におすすめのイベントです。
参加費無料ですが、事前申し込みが必要。
申し込み方法は下記をご覧ください。

会場となる代官山〈Bird〉。東急東横線代官山駅徒歩7分 JR山手線渋谷駅徒歩12分です。

information

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うつのみやらしく

場所:Bird(東京都渋谷区代官山町9-10 SodaCCo 2F)

時間:14:00(13:30開場)〜16:30

参加費:無料 ※事前申込制

申し込み方法:イベント申込専用アドレス(hinagata_event@prk.co.jp)宛に、お名前(フリガナ)、携帯番号、メールアドレス、人数をご明記のうえ、メールを送信してください。

〈世界文庫アカデミー〉開講! 古書店がひらく、 おとなの夢を叶える学校

京都にある古書店〈世界文庫〉が、
2017年1月から〈世界文庫アカデミー〉を開講します。

〈世界文庫〉といえば、クラムボンの原田郁子さんや、
ミナ ペルホネンデザイナーの皆川明さんら、
一線で活躍するクリエイターが自身の蔵書から
セレクトした本が並ぶ〈世界棚〉を設けていたりと、
店主・古賀鈴鳴さん独自のアイデアが光るお店です。

〈世界文庫アカデミー〉では、
“「これからの新しい働き方」をまなぶ・かんがえる・
つくる未来の学校”をテーマに、
各界のプロフェッショナル約20名を講師に迎えます。

授業は2017年1月末から1年間にわたって行われ、
すべての講師による持ち回り制。

「編集・キュレーション・場づくりコース」
「デザイン・ものづくり・場づくりコース」のいずれかを選び、
ZINE(個人誌、フリーペーパー)、WEBサイト、イべントまたは
展示の中からつくりたいものを決め、1年かけて完成させるという
実践的な内容となっています。

同じ会場で行われた過去のイベントの様子

この学校が特別なのは、講師の話を聞いて
終わる一方通行な授業ではなく、
「講師の方々に、あなたの、つよい「味方」に
なってもらおうと思っています」という
古賀さんの言葉にあるように、講師と生徒全員で協力し合い、
夢を叶えられるスタンスをとっていること。

どんな夢が生まれ、飛び立っていくのか。
今後の展開に注目したいプロジェクトです。
詳細は公式サイトから。

講師(敬称略)

・杉山早陽子(『御菓子丸』、和菓子作家)

・岡戸絹枝(『つるとはな』編集長、『クウネル』創刊編集長)

・荒井良二(アーティスト、絵本作家)

・中川正子 (写真家)

・安福望(『食器と食パンとペン』、イラストレーター)

・雪浦聖子(ファッションデザイナー、『sneeuw』)

・家入一真(『CAMPFIRE』、起業家)

・永原真夏(音楽家)

・惣田紗希(デザイナー、イラストレーター)

・いか文庫(エア本屋)

・安達薫 (『ONKUL』編集長)

・服部滋樹(『graf』、クリエイティブディレクター)

・長友啓典(アートディレクター、『K2』)

・小桧山聡子(『山フーズ』主宰)

・ナカムラクニオ(『6次元』店主)

・岸本千佳(不動産プランナー)

・河原尚子(『SIONE』代表、陶板画作家)

・ルーカス・B.B. (『PAPERSKY』編集長)

・古賀鈴鳴(アートディレクター、『世界文庫』)

information

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世界文庫アカデミー

住所:京都府京都市北区 紫野東舟岡町19

問合せ先:info@sekaibunko.com

Web:公式サイト

家康公の甲冑を蘇らせる! 国宝〈久能山東照宮〉の チャレンジとは…

静岡県静岡市にある、徳川家康公をお祀りする神社、
〈久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)〉。
国宝に指定されているこの神社には、国内で唯一、
徳川家歴代15代将軍のすべての鎧甲冑が保存されています。

しかし長い年月の経過により、鎧甲冑は劣化し、
修復もされていない為、公開されていないんです。
鎧甲冑の修復には膨大な費用がかかるんですね。

そこでこのたび、徳川家康公ご鎮座400年を記念し、
クラウドファウンディングで修復資金を募ることに! 
〈徳川家歴代15代将軍 鎧甲冑 夢のそろい踏みプロジェクト〉
が立ち上がり、修復費の約500万円への支援を募集しています。

修復するのは、徳川家康公の甲冑〈白檀塗具足〉です。
金箔の上から透明の漆を塗るという、豪華な仕上げの甲冑。

甲冑は鉄だけではなく、皮や漆、糸などで作られているので、
修復が手遅れになるとサビや繊維の劣化で朽ち果ててしまいます。
しかし維持や修復は高額で、かかる費用は、なんと1領(着)につきおよそ1,000万円!

文化財に指定されたものは、国や県、市など行政からの
補助金が交付されますが、それでも1領につき
500万円くらいを捻出する必要があるのだそう。

〈郡山マルシェ〉開催! 野菜、スイーツ、できるだけの 郡山が代官山に集結!

福島県の中央に位置し、
東北地方で第3位の人口規模を誇る、東北の拠点都市・郡山市。

交通の利便性が良いことから「陸の港」とも称され、
人・モノ・情報が行き交う場として、
さまざまな産業や文化が発展し、根付いてきました。

そんな郡山市の魅力を多くの人に知ってもらおうと、
11月12日(土)、13日(日)の2日間、
東京・代官山の〈ログロード代官山〉にて
『郡山POP UP STORE ログロード~郡山マルシェ in 代官山~』が開催されます。

イベントは郡山市と、
福島の食の復興や地産地消推進のために
『開成マルシェ』などを企画してきた〈食大学〉による共催。

「見る・食べる・聴く・体験する・話す」の5つのキーワードをもとに、
郡山市の魅力を五感で楽しむ8つのブースを出展予定だそうです。

郡山の大地が育む野菜たち。一般公募で決めるというユーモアたっぷりの野菜名にも注目

ブースには、全国的に注目を浴びている「郡山ブランド野菜」の生産農場や、
郡山市内の蔵元、地元で人気のスイーツ店〈向山製作所〉などが出展。
生産者と直接コミュニケーションをとりながら、お買い物を楽しめます。

今回の『郡山マルシェ』では5軒の農家が出展予定。生産者との会話も楽しんで!

さらに、郡山市出身で〈KIHACHI〉レストランの
エグゼクティブシェフである鈴木眞雄氏とコラボレーションした
『郡山マルシェ』限定メニューも登場するとか。
郡山市の食材を使用した、ここでしか食べられない特別メニューです。