岐阜県土岐市に 「うつわ」がテーマの複合体験施設 〈KOYO BASE〉が誕生

国内最大の陶磁器産地・岐阜県土岐市に、うつわを丸ごと味わう拠点が

日本の50%以上、国内最大の陶磁器生産量を誇る岐阜県東濃地方。
この地に本社を構えるプロフェッショナル向け業務用食器を製造する
〈光洋陶器〉の敷地内にうつわの複合体験施設〈KOYO BASE〉が
2023年1月21日にオープンしました。

国内最大の陶磁器産地で知られる岐阜県土岐市

器づくりに欠かせない良質な土が産出される岐阜県土岐市。
大規模工場から小さな家内工場の作業場まで数多くの生産元が連携することで、
大規模な製造ネットワークが築かれています。

この産地だからできる体験を目指す新施設

1964年の創業以来、この地で陶磁器製造に携わってきた光洋陶器が運営する
今回の施設は、この産地だからできる体験を目指しています。

うつわの複合体験施設〈KOYO BASE〉

コンセプトは「Clay to Table」。
土(Clay)から食卓(Table)まで、うつわが持つ魅力を
丸ごと味わえる施設となっています。

うつわが持つ魅力を
丸ごと味わえる施設となっています

ランチやカフェ、産地の器探しに気軽に立ち寄るだけでなく、
時間をかけて工場見学やワークショップを通してモノづくりの魅力を
体験することもできます(工場見学、ワークショップは要予約)。

アカエゾマツからどんどん広がる
北海道針葉樹の輪

ショップコンセプトは、森の研究室

森と湖の温泉郷、北海道弟子屈町。
アカエゾマツの森に隣接する〈川湯ビジターセンター〉で
ショップを始めることになって、考えた。
町民には「暗い」「怖い」という印象もあるこの森に、
少しでも関心を持ってもらうきっかけづくりができる場所。
それが、このショップの意義だと思った。

年末から連日の雪。川湯ビジターセンター裏にあるアカエゾマツの森は、真っ白な雪に包まれている。

年末から連日の雪。川湯ビジターセンター裏にあるアカエゾマツの森は、真っ白な雪に包まれている。

コンセプトは、森の研究室。
眺めた姿の美しさだけでなく、アカエゾマツを解剖して、
隠された魅力を引き出して、紹介する。
それらを来館者が、体験しながら感じることのできる空間。

ズラリと並んだのは、弟子屈町〈Pine Grace〉、陸別町〈種を育てる研究所〉、浜中町〈とどろっぷ〉、芽室町〈いろどりファーム〉、ニセコ町〈HIKOBAYU〉、下川町〈フプの森〉、道外から〈日本鳥類保護連盟〉の精油。いずれも道内のアカエゾマツやトドマツをメインにしてつくられている。

ズラリと並んだのは、弟子屈町〈Pine Grace〉、陸別町〈種を育てる研究所〉、浜中町〈とどろっぷ〉、芽室町〈いろどりファーム〉、ニセコ町〈HIKOBAYU〉、下川町〈フプの森〉、道外から〈日本鳥類保護連盟〉の精油。いずれも道内のアカエゾマツやトドマツをメインにしてつくられている。

主となるのは、精油と蒸留水。
弟子屈町には、アカエゾマツの蒸留所を構える
〈一般社団法人Pine Grace〉があり、精油や蒸留水だけでなく、
それらをベースにしたロウリュ水、芳香スプレー、マスク用シールなど、
ユニークな商品を開発している。

ほかにもアカエゾマツの商品を、と探したら、さらに3社見つかった。
う〜ん、もう少しほしい……。
選択肢を増やして、北海道の針葉樹をテーマにしたら、
トドマツの精油や蒸留水を販売する生産者が3社加わった。
計7社による「北海道針葉樹の香り嗅ぎ比べ」は、
ここならでは楽しみのひとつに。

次に扱いたいと思ったのが、ウッドチップ。
森に興味を持ってから、青森ヒバやヒノキのウッドチップと
その香りに触れる機会があり、
活用してみたいと気になっていた。
ところが探し始めると、アカエゾマツのウッドチップが見つからない。
弟子屈町にはこんなにたくさんアカエゾマツがあるのに……。
釧路管内2市10町1村まで捜索範囲を広げて、
厚岸町に工場がある〈土井木材株式会社〉に分けてもらえることになった。

アカエゾマツのウッドチップ袋詰め販売。インパクトのあるスコップもアカエゾマツ製。町内のカヌーガイド(兼、木工作家)の祖父江健一さん作。

アカエゾマツのウッドチップ袋詰め販売。インパクトのあるスコップもアカエゾマツ製。町内のカヌーガイド(兼、木工作家)の祖父江健一さん作。

3年間で100組以上が式を挙げ、 かけがえのない思い出に。 富山県高岡市〈能作〉が手がける錫婚式

錫製品を手がけるメーカーが提供する人生に寄り添ったサービス

10回目の結婚記念日は錫婚式(すずこんしき)と呼ばれます。
結婚25回目の銀婚式と50回目の金婚式は多くの人が
それぞれのかたちで祝いますが
錫婚式を大々的に祝うことは、これまであまりありませんでした。
その錫婚式を祝う1日をプロデュースしているのは、
富山県高岡市で錫製品をつくるメーカー〈能作(のうさく)〉です。

錫100%の「ぐい呑」。

錫100%の「ぐい呑」。

富山県西部にある高岡市は銅器をつくる伝統産業が盛んです。
大きなものでは大仏やお寺の梵鐘、小さなものでは仏具や茶道具などが
17世紀からつくられてきました。

今では錫を使った食器や花器が有名な〈能作〉も、
大正5(1916)年から銅を使った仏具や茶道具などを作ってきた会社です。

錫婚式の会場がある〈能作〉本社。

錫婚式の会場がある〈能作〉本社。

〈能作〉が錫製品を手がけ始めたのは2002年のこと。
人の手でも曲げられる柔らかい金属、錫の特徴を生かし、
現代のライフスタイルに合ったテーブルウェアや花器など
スタイリッシュな製品を生み出しました。
ギフトに選ばれることも多いですが、
国内外の有名レストランでも使われるほど、高い評価を得ています。

その〈能作〉が2019年から提供しているのが、錫にちなんだ錫婚式です。
錫婚式をプロデュースするきっかけとなったのは、
結婚10周年の記念品を手づくりしたいと鋳物制作体験をする夫婦や
錫婚式の記念として錫製品を購入する夫婦が複数いたことでした。

人生に寄り添うサービスのひとつとして
結婚10周年という節目、錫婚式を祝う企画がスタート。
2019年から約3年間で約100組もの夫婦が錫婚式を挙げに訪れました。

〈Odai cokage shop〉 三重県大台町の木々を ハイセンスなインテリアや調味料に

おしゃれかつ間伐材の活用にも貢献

まち一帯がユネスコエコパークに認定され、
500種類以上の広葉樹や針葉樹が生育している三重県大台町。
ライフスタイルブランド〈“Odai” products〉では、
このまちの森づくりの一環で間伐された木の枝や葉を活用し、
ハイセンスなプロダクトが登場しています。

ヒメシャラディフューザーセット 9350円

ヒメシャラディフューザーセット 9350円

お部屋に森の香りがやさしく広がる〈ヒメシャラディフューザーセット〉。
リードという樹木の枝と、三重県大台町産の4種の樹木から抽出した芳香蒸留水に
エッセンシャルオイルをブレンドしたフレグランスウォーターと瓶、
ヒメシャラ枝5本とコウヤマキ又はタムシバスティック2本がセットになっています。
ありそうでなかった木の枝のディフューザー。
お部屋をぐっとおしゃれに見せてくれそうです。

木の経年変化に思い出を込めて。 リフォームできる木の器シリーズ〈ara!〉

赤ちゃんから大人まで使える木の器

1947年に石川県輪島市で漆器用素地の木地屋として創業し、
現在は「木の麗しさ」を軸に、さまざまな木材加工品を手がける〈四十沢木材工芸〉。

そんな同社では、乳児期に使用した器をリフォームして、
大人になっても使うことができる木の器シリーズ〈ara!〉を展開しています。
デザインにおけるディレクションを行ったのは、手工業デザイナーの大治将典さん。

このシリーズの器は、離乳食を始めた1歳から
器がしっかり持てるようになる5歳くらいまでを想定して設計。
子どもが誤って器をひっくり返すことを想定し、
器は厚みを持たせ、重く安定感のある仕様に。

器をしっかり持てない1、2歳の子どもが
スプーンだけで料理をすくいやすいように縁は返しがあり、
耳のような持ち手もついています。

持ち手に穴が空いていない理由は、
子どもが穴に指を引っ掛けて器が落ちるのを防ぐため。
しっかり器を持たないと持ち上げられないため、
食事の際の集中力も高まるのだそう。

乳児期を卒業し、器を使わなくなったら、
器の経年変化を残したまま普段使いしやすいかたちにリフォームが可能。
縁を噛んでしまった歯型の跡、内側のフォークの跡、
そんな愛しい記憶を残したまま、日常に使いやすい器にチェンジできるのです。
まさに「器の記憶」と「使い勝手の変化」に対応したシリーズといえるでしょう。

シリーズでは、現在3つの器が展開されています。

高山都さんが唐津焼の魅力を語る。 「唐津の食と器 ~暮らしのお供に唐津を添えて~」 トークイベントをライブ配信

唐津焼の器を高山都さんはどう使っている?

2023年1月14日(土)17時から、
モデル・女優の高山都さんと唐津焼の〈健太郎窯〉作家・村山健太郎さんによる、
唐津焼の魅力を語るトークイベントを東京〈代官山T-SITE〉で行い、
その様子がライブ配信される予定です。

共通の知人を介して、健太郎窯のギャラリーで、あるいは旅行先で、
これまで何度か顔を合わせているというふたり。
高山さんも、村山さんの作品を愛用しているそう!

こちらの記事の唐津取材で、
村山さんと高山さんは久しぶりの再会となりましたが、
リラックスした様子で思い出話に花を咲かせていました。

健太郎窯のギャラリーを訪れた高山都さん。

健太郎窯のギャラリーを訪れた高山都さん。

今回のトークイベントでは、村山さんに唐津焼の魅力についてお聞きし、
作家を志したきっかけや作品のこだわりについてうかがっていきます。
さらには、高山さんの唐津の印象や思い出、普段の食卓と料理、器選びについてなど、
ライフスタイルやプライベートにまつわるお話も。

おふたりの息のあったトークにご期待ください!

いまの気分の“好き”に出合う。
高山都、唐津焼めぐりの旅

唐津の人気窯元を巡る器旅

Instagramや書籍などで数々の料理を披露するモデルの高山都さん。
彼女は器への造詣も深く、そのこだわりにも注目が集まる。
一点一点に選んだ理由とストーリーがあるのだ。
今回は佐賀県唐津市にお邪魔し、3つの人気窯元を巡り、
唐津焼の魅力について高山さんと学ぶ旅に出た。

唐津焼発祥の地といわれている北波多。当時朝鮮半島から陶工を招き、岸岳の麓で焼き物をつくり始めたのが唐津焼の始まりといわれている。

唐津焼発祥の地といわれている北波多。当時朝鮮半島から陶工を招き、岸岳の麓で焼き物をつくり始めたのが唐津焼の始まりといわれている。

「唐津に来るといつもたくさんの出合いがあるんです」という高山さんの言葉のとおり、
彼女が唐津を訪れるのは初めてではない。
過去にもいくつかの窯元を訪問し、唐津焼に触れてきた。
高山さんのInstagram(@miyare38)を覗けば一目瞭然だが、
日頃から料理を楽しむライフスタイルには、自然と唐津焼が溶け込んでいる。

「今回もどんな人や物に出合うことができるのかわくわくします!」

自然の原料からつくられる〈健太郎窯〉の器たち

唐津に着いて最初に訪れたのが、唐津市の東側、鏡山の中腹にある〈健太郎窯〉。
窯元である村山健太郎さんと高山さんが会ったのは、今回で3回目だ。

「初めてお会いしたのもこちらのギャラリーで。
そのときにはギャラリーでお茶をいただいて、
手のひらに収まるサイズのビアカップを4つ購入して帰りましたね。
今でも自宅で愛用しています」と高山さん。

ギャラリーの縁側に腰掛ける村山健太郎さん。

ギャラリーの縁側に腰掛ける村山健太郎さん。

村山さんの作陶は粘土づくりから始まる。
まずは唐津近郊の山々を歩き、土や岩などの原料を採掘。
そこから粘土や釉薬をつくっていく。

作業場にある薪から出た灰なども釉薬の原料として活用し、
自然から手に入れたものだけでつくっていくのが村山さんのやり方だ。
原料づくりだけで1年ほどの時間を要し、手間がかかり非効率ではあるが、
この作陶を続けるのには意味がある。

「時間も手間もかかるけれど、天然原料でつくるということの認知度が上がれば、
この先50〜100年経った先の未来で価値が上がるかもしれない。
技術さえ継承できれば、価値はおのずとついてくると思うんですよね」
と村山さんは語る。

健太郎窯のギャラリーに一歩入った瞬間から、高山さんの表情は真剣そのものだった。

「どの器もすごく魅力的で、
見ているだけでどんな料理をつくって盛りつけようかイメージがどんどん湧いてきます。
例えば斑唐津の大皿の器には、豚の角煮をどーんと入れてもおいしそう。
香味野菜をどさっと入れた料理を盛りつけても絵になる気がする……。
健太郎さんの作品を見ていると、そうやっていろいろと想像できるんです。
シーンを選ばずに使えるものが多く、そのオールマイティさも
今の私の好み、気分と合っている気がしています」

整理整頓が行き届いた工房で3年ぶりの再会を果たしたふたり。出会った当時を振り返りながら談笑。

整理整頓が行き届いた工房で3年ぶりの再会を果たしたふたり。出会った当時を振り返りながら談笑。

次世代のことまで考えて作陶を続けている村山さん。
「日常に溶け込むすてきな器」であることを大切にしてつくられた陶器たちは、
飽きずに使えるようにシンプルでありながらも洗練されたものが揃っている。

現代の食文化にぴったりと寄り添うような作品は、
手に取ってみることでより深く魅力を感じられるはずだ。

伝統の織物産業と クリエイターとの共創を目指す 〈FabCafe Fuji〉オープン

富士山麓のハタオリのまちをものづくりのコミュニティが育つ場所に

2022年11月、山梨県富士吉田市に
〈FabCafe Fuji(ファブカフェフジ)〉がオープンしました。
富士山麓に位置する山梨県富士吉田市。
緑豊かな景観と富士山から流れ落ちる清涼な水の恵みによって、
古くから織物のまちとして栄えてきました。
平安時代の書物に甲斐国(山梨県)の布についての記述が見られるなど
その歴史が1000年以上続くハタオリのまちです。

〈FabCafe Fuji〉の店内。 撮影:吉田周平

〈FabCafe Fuji〉の店内。 撮影:吉田周平

近年はテキスタイルデザイナーなど、織物に関わる若い世代が移り住むようになり、
さらにはクリエイターやアーティストとのコラボレーションで、
新たな織物の価値創造に挑んだ機屋展示・アート展の開催など、
伝統を繋ぎ革新を続けるまちとしても注目を集めています。

〈FabCafe〉はこれまで、世界で14の拠点を誕生させました。

〈FabCafe〉はこれまで、世界で14の拠点を誕生させました。

〈FabCafe〉は“Fabrication”(ものづくり)をテーマとし、
世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティです。
2012年東京・渋谷に最初の拠点がオープンし、
ヨーロッパや南米、アジア各国にも広がり、
これまで世界に13の拠点が誕生しました。

〈FabCafe Fuji〉は世界で14番目、日本では5番目の拠点となりました。
目指すのは伝統的な織物産業とクリエイターとの共創です。

カフェやコワーキングスペースとして人が集うことはもちろん、
織物の産地、富士吉田市に古くからテキスタイルに関わる技術や人を中心に、
多ジャンルのクリエイティブコミュニティを産みだすことを目指しています。

〈FabCafe Fuji〉は、元銀行だった空間を活用。改装前の様子。

〈FabCafe Fuji〉は、元銀行だった空間を活用。改装前の様子。

広い窓から入る光もクリエイションの源に。

広い窓から入る光もクリエイションの源に。

コロカル編集部が選ぶ、 2022年「ベストバイ」 ローカルのいいもの・買ったもの

もういくつ寝ると2023年。
皆さんは今年どんなお買い物をしましたか?
今回は、コロカル編集部のスタッフに「今年のベストバイ」を聞いてみました。

首都圏以外の地域を生活のベースにしている人も多く、
さらに出張で全国津々浦々歩き周り、
ローカルの“いいもの”に対して、ことさら敏感なコロカル編集部のメンバーが選んだ、
今年買ってよかったもの、人におすすめしたいものとは?

〈カエルデザイン〉のヘアゴム(石川県金沢市)

〈カエルデザイン〉は石川県金沢市発のプロジェクト。
障がいのある人たちとともに、
海洋プラスチックとフラワーロスを中心にさまざまな廃棄物をアップサイクルしているそう。
私が買ったのは海洋プラスチックをアップサイクルしたヘアゴムです。
オレンジとグリーンっぽいカラーの組み合わせがかわいくて、
髪を結ぶときアクセントになってくれます。

商品の台紙もFSC認証の紙で、
その裏面には海洋プラスチックごみを拾った場所が記載されていました。
2050年には海洋プラスチックが魚を上回るという研究もありますが、
ごみが資源になりアップサイクルされて、きちんと値段がつき、
使う人が増えれば、ごみを拾う人も増えるかもしれません。

いずれは、このプロダクトがつくられない=海洋プラスチックがないときがくるのが
理想なのだと思いますが……。
買い物をとおして、こうしたプロジェクトを応援していきたいです。

カエルデザイン

編集・栗本

〈瀬戸まねき猫〉の瀬戸焼キーホルダー(愛知県瀬戸市)

全国のつくり手・伝え手・使い手の3つの手が集う
〈ててて商談会〉で出合った、愛知県瀬戸市〈瀬戸まねき猫〉さんのつくる瀬戸焼キーホルダーです。
日本六古窯のひとつに数えられる瀬戸焼は、
古瀬戸(ふるせと)と呼ばれる釉薬を全体に施した技法で、約1000年の歴史があるそう。

その古瀬戸と、明治30年代後半にヨーロッパから導入された石膏型の技法を応用した
〈古瀬戸型招き猫〉を元に誕生したのが、この〈瀬戸まねき猫〉。

陶器のキーホルダーとは、勇気のいる買い物だ! と思いながらも、
つるんとした手触りと本物のような座り姿に、愛猫心をぐっと掴まれました。
ここ数か月帯同していますが、
招き猫を連れていると思うといつもより身振りが落ち着くような気が……。

一般的に右手はお金、左手は多くの人を呼び込むといわれる招き猫。
私は来年も、新潟市にある〈上古町の百年長屋SAN〉の運営を軸に、
多くの人に出会いたいと左手を選びました。

おもだかやオンラインストア

編集・金澤

佐藤裕美〈宙(そら)COCORO〉(新潟県新潟市)

新潟県ポータルサイト『新潟のつかいかた』でご紹介した
蒔絵師・佐藤裕美さんが手がける〈宙(そら)COCORO〉。
ステンレスのお猪口に蒔絵の技術で宇宙を描きます。

1830年創業の〈林仏壇店〉6代目の佐藤さんは、
初代・惣二郎から続く「惣」の字を襲名し、〈惣MONO COCORO〉として起業。
ネイルやギターに蒔絵を施したり、
打ち刃物や漆器などの伝統工芸同士のコラボ作品をつくったりと、
蒔絵の可能性を広げています。

以前、内閣府のシンポジウム「地域で活躍する女性たち」のパネリストとして
佐藤さんを推薦させていただき、
その流れで発表スライドを作成することに。
取材を通して、この酒器ができあがるまでの苦難を知りました。

女性であり、妻であり、母であり、6代目であり、イラストレーターでもある佐藤さん。
絵の師匠やご家族の助けをもらい、苦難を乗り越えチャレンジした、
その結晶がこの作品なのです。
たまに落ち込んだ時は、宇宙を眺めながら一献。なんだか勇気が湧いてきます。

コロカル紹介記事
佐藤裕美さんインスタグラム

ディレクター/プロデューサー・山尾

〈甲斐のぶお工房〉の〈フォーク魚(小/12.5cm)〉(大分県由布市)

大分県の魅力を発信するポータルサイト『エディット大分』の取材で
〈Oita Made〉を訪れた時に
この〈甲斐のぶお工房〉の存在を知りました。

こちらの工房がつくる木工カトラリーは
「先の尖ったフォークでも危険性を感じさせないデザインを心がけている」
という言葉どおり、やさしくてやわらかなフォルムが魅力です。

なかでもこの通称「さかなフォーク」は、
愛嬌がありつつ洗練されたシャープなカタチにひと目惚れ。
柿やリンゴなど果物によし、切って刺しての羊羹の類によし、と、
使い勝手もばっちりなのだけれど、
やっぱりなによりもこの絶妙に愛らしいカタチが食卓にあることに小さな幸せを感じます。

甲斐のぶお工房

編集長・松原

奥の麻衣子〈そら豆皿〉(石川県金沢市)

石川県金沢市で木と漆の作品を手がける作家・奥の麻衣子さんによる〈そら豆皿〉。
奥のさんの作品を初めて知ったのは、
コロカルで金沢市の工芸とグルメのイベント「乙女の金沢 春ららら市」の
ツイートレポート企画を担当していたときでした。
奥のさんもそのイベントの出店者だったのですが、
奥のさんのとある漆作品のツイートを偶々目にしました。

それが「栗」をモチーフにした小筥(こばこ)の漆器
ぽてっとした栗の佇まいがなんともいえず印象的で、
これを目にしてから、奥のさんの作品に注目するようになりました。
木地を挽くところから手がけられており、
ときおりインスタグラムでその木地が紹介されることもあります。
それを眺めるだけでも楽しい。

漆器というと凛としているイメージのものも多いですが、
奥のさんが手がける漆器はそれとはまた違って、
かわいらしさというかどこか愛嬌を感じる作品が多いと思います。
フォルムだったり、モチーフだったり、絵柄だったり。

その愛嬌のおかげで、食器としてだけじゃなくてもいろいろな使い方ができると思います。
わが家ではこのそら豆皿には、酒のつまみばかりがのっかっています。

オトメの金沢 陳列室
器さろん恵
八百萬本舗

デザイナー/エンジニア・絹川

新ジュエリーブランド〈TOUROU〉。 デビューコレクションに 秋田銀線細工を採用

伝統を今に伝える、完全受注販売のジュエリー

今冬、日本の伝統工芸の技術を採用した、
ジュエリーブランド〈TOUROU(トーロウ)〉が発表されました。

同ブランドは、後継者不足や高齢化によって
衰退が危ぶまれる日本の伝統工芸の存続を願い、
伝統工芸がもっと身近になってほしいという思いから、約2年の月日を経て誕生。

“灯籠”という名前も、そのような日本の伝統を守りつつ、
もうひとつの新しい火を灯したい、という思い、
それから江戸時代の浮世絵に描かれている灯籠のような
朧げな美しさからインスピレーションを得ています。

価格帯は約20000〜150000円。

価格帯は約20000〜150000円。

日本の伝統工芸の技術を採用した、
ジュエリーブランド〈TOUROU(トーロウ)〉

日本の伝統工芸の技術を採用した、
ジュエリーブランド〈TOUROU(トーロウ)〉

秋田の伝統工芸・秋田銀線細工の技術を採用したジュエリー。

秋田の伝統工芸・秋田銀線細工の技術を採用したジュエリー。

秋田の伝統工芸・秋田銀線細工の技術を採用したジュエリー。

福祉と伝統のものづくりの 可能性を探求。 〈NEW TRADITIONAL〉の展覧会が 京都で開催

豊かな発想が伝統工芸の可能性を切り開く

12月15日(木)から、京都伝統産業ミュージアムで、
福祉と伝統工芸のあたらしいものづくりの可能性を探る
〈ニュートラ展 in 京都 福祉と伝統のものづくりの可能性〉が開催されます。

〈NEW TRADITIONAL(ニュートラ)〉とは、
福祉の視点を取り入れた伝統工芸のあたらしいものづくりの可能性を探り、
それらが息づく生活文化を提案するプロジェクト。

TRADITIONAL(ニュートラ)〉とは、福祉の視点を取り入れた伝統工芸のあたらしいものづくりの可能性を探り、それらが息づく生活文化を提案するプロジェクト。

TRADITIONAL(ニュートラ)〉とは、福祉の視点を取り入れた伝統工芸のあたらしいものづくりの可能性を探り、それらが息づく生活文化を提案するプロジェクト。

TRADITIONAL(ニュートラ)〉とは、福祉の視点を取り入れた伝統工芸のあたらしいものづくりの可能性を探り、それらが息づく生活文化を提案するプロジェクト。

そんなニュートラの実験と実践を、
障がいのある方が制作にたずさわった作品の展示をとおして紹介します。
その発想の豊かさに、伝統工芸の新たな側面を見出すことができるかも。

京絵師が手書きで表現! 京阪の車体カラーが 和ろうそくに

8000系、3000系、普通車モデルの3種類

長引く積雪で、昔は冬になると
仏壇に花が飾れなかったという東北や北信越地方。
その代わりとして生まれたのが「絵ろうそく」です。

その技術は京都にも伝わり、
京絵師による手描きの「絵付けろうそく」は、
工芸品としても高く評価されています。

和ろうそくブランド〈京ROUSOKU+〉

和ろうそく

京絵師による手描きの「絵付けろうそく」

このたび、そんな和・京ろうそくの老舗〈中村ローソク〉と、
地域活性化プロデュースを手がける〈株式会社Chanois〉による
和ろうそくブランド〈京ROUSOKU+〉から、2022年11月3日より、
京阪電車モデルのオリジナル和ろうそくが発売されました。

「中村ローソクの手描きの技術を生かし、
これまでにないユニークなろうそくをつくろう」と企画され、
1年の月日を経て、商品化されたこちら。

京阪電車

京阪電車モデルのオリジナル和ろうそく

特急色の8000系モデル(上から赤・金・黄)、
3000系モデル(紺・銀・白)、普通車モデル(緑・黄緑・白)の
3モデルのカラーが京絵師によって鮮明に表現されました。
もちろん、ろうそくの箱も車両カラーです。
手作業でムラなく各色の高さを合わせながら、
車体カラーを表現するのが難しかったのだそう。

多治見のオンラインタイルショップ 〈TILE KIOSK〉のポップアップが 青山〈スパイラル〉で開催中!

想像力を刺激する個性的なタイルに出合える

日本におけるタイルの一大産地・岐阜県多治見市でつくられるタイルを、
1枚から気軽に購入できるオンラインショップ〈TILE KIOSK〉
世界中の建築家やインテリアデザイナーのための
カスタムメイドタイルのブランド〈TAJIMI CUSTOM TILES〉がスタートした
オンラインショップです。

同ショップが、現在、東京・青山の〈スパイラル〉で、
3度目のポップアップショップを開催中。

色や形、サイズ、年代もいろいろなタイルをひとつずつセレクト。

岐阜県多治見地区の窯元で眠っていたデッドストック、
長い間つくり続けられているものから新しく生まれたもの、
実験的につくられた希少なプロトタイプやデザイナーが手がけたものまで、
色や形、サイズ、年代もいろいろなタイルをひとつずつセレクト。

対談・現代ニッポンの
新名物となるのは?
〈ザ・コンランショップ〉中原慎一郎、
〈中川政七商店〉高倉泰

さまざまな土地で昔から親しまれている名物はいろいろあるが、
これからの日本を代表する“新名物”は何だろう?
例えばインバウンドの観光客が
東京や京都以外のまちを訪れることが多く見られるようになり、
日本人も知らないようなその土地の名物を買う。
新名物といっても、新しく生み出されたものである必要はなく、
すでにあるものでも視点を変えれば新しい価値が見えてくるのではないか。
日本のローカルには、まだまだそんな名物がたくさんあるのではないか。

そこで〈ザ・コンランショップ〉代表の中原慎一郎さん、
〈中川政七商店〉大日本市ディレクターの高倉泰さんが
それぞれの視点で“日本の新しい名物”をピックアップ。
目利きのふたりが“新名物” にふさわしいアイテムの魅力や背景、
そしてこれからの名物に必要なことを語った。

現代のライフスタイルに添った伝統的なプロダクト

中原慎一郎さん(以下、中原): 僕はつくっている人や発信している人から始まらないと、
なかなか自分のなかで名物にならないので、今回もそういった視点で選びました。

高倉泰さん(以下、高倉): “人”ですか?

中原: はい。昔からあるものを掘り起こして魅力を伝えたり、
素材やつくり方を変えて新鮮に見せてくれる人っているじゃないですか。
僕はそういうのがおもしろいなと思っていて。
アーティストの和泉侃(いずみかん)さんが手がけるお香の〈√595〉もそうです。
和泉さんは現代の感性で伝統的なお香を再解釈し、新しい角度で魅力を伝えている方です。
豊かな植生が残る淡路島へ移住して、
原料の調達から調香、製品づくりを行っているんです。
沈香(じんこう)といった伝統的な香料だけでなく、
胡椒、麦などの成分も取り入れてつくっているのがおもしろい。
お香って昔からあるものだけど、
彼の感性を通じて、現代の暮らしにあった香りのあり方が広がっているなと感じます。

香りを通して身体感覚を蘇生させることをテーマに活動するアーティスト・和泉侃がディレクションを手がける√595。インセンスの香りの種類は Soothe、Humidity、Jinkohの3つ。stick incense 3520円、paper incense(ポストカードつき) 2200円

香りを通して身体感覚を蘇生させることをテーマに活動するアーティスト・和泉侃がディレクションを手がける√595。インセンスの香りの種類は Soothe、Humidity、Jinkohの3つ。stick incense 3520円、paper incense(ポストカードつき) 2200円

高倉: 東京から移住して淡路島で制作しているというのがすごいですね。
案外、外の人のほうがその土地の歴史や魅力に気づきやすいのかもしれません。
僕は今回のテーマを聞いて、
工芸の魅力を生かしながら現代的な用途や様式に生まれ変わり、
今のライフスタイルに受け入れられているものが
日本の新名物になるんじゃないかと思いました。
ひとつ目から自社製品で申し訳ないのですが(笑)、
〈中川政七商店〉の「花ふきん」を紹介します。
奈良は蚊帳の一大産地だったのですが、使う機会が減ってしまい、
その技術をどうにか残せないかというところから開発が始まったアイテムです。
風を通すほど織り目が粗い蚊帳の生地は吸水性や速乾性にすぐれ、
その特性を生かした結果、多くの人に親しまれるアイテムになりました。

蚊帳生地を2枚重ねで仕立てた布巾。タオルのような吸水性と速乾性にすぐれ、こまめに手洗いして衛生的に保てるのがうれしい。

蚊帳生地を2枚重ねで仕立てた布巾。タオルのような吸水性と速乾性にすぐれ、こまめに手洗いして衛生的に保てるのがうれしい。各770円

コンセプトは “経年進化” 。 鯖江の眼鏡メーカーと 都内アイウェアショップが 〈MIZ DIALOGUE〉をスタート

“継続的な関係性”を重視する、カスタムオーダーを楽しむ眼鏡

福井県鯖江市の眼鏡メーカー〈水島眼鏡〉と、
東京都内にアイウェアショップ〈ブリンク外苑前〉
〈ブリンク ベース〉を展開する〈荒岡眼鏡〉とが
タッグを組み、新たに眼鏡ブランドをスタートさせました。

その名も〈MIZ DIALOGUE(ミズ ダイアログ)〉。

デザインが出尽くしたという声がある今日、
眼鏡はよりユーザーに寄り添うものであるべきだと考える
MIZ DIALOGUEは、 “経年進化” をコンセプトに掲げ、
一本の眼鏡を長く愛用したい人に向けて
眼鏡の持続的な楽しさを提案します。

カスタマイズ事例:セル巻き・縄手・彫金

カスタマイズ事例:セル巻き・縄手・彫金

MIZ DIALOGUEの特徴のひとつは、
フレームパーツのカスタマイズや
オリジナルカラーで塗装をすることが繰り返し可能ということ。

眼鏡のビジネスはメンテナンスや修理はあるものの、
ユーザーが眼鏡を購入してしまえば
基本的な関わり合いが完結してしまうもの。

出来合いの既製品は自分に合わせて
カスタマイズすることが難しいことから、
これまでは度数が合わなくなったり、
不具合が出てきたら新しい眼鏡を買い直すことが一般的でした。

「シンプルなデザインで、使い込むほどに
愛着が湧いてくるような眼鏡を目指す」という水島眼鏡の
製造するベースモデルに、メッキをしたり彫金を施したり。
さまざまなカスタマイズができるのが
MIZ DIALOGUEのよさなのです。

フレームのベースとなるモデルは4つ。
どれもシンプルで飽きのこないデザインです。

ブランドディレクターである田代純一さんは、
「“新しい”や“格好良い”だけではなく、使う人のことを考えて、
根本的に眼鏡の楽しさを提案できないだろうか」と、
時の移ろいで変化する人の内面や外面も考慮しているといいます。

自分自身が変化していく先に、体の一部でもある
大切な眼鏡を託せる場所があるのはうれしいことですね。

カスタマイズ事例:ゴールドメッキ・セルモダン・彫金/ベースモデル:各 51,700円(税込)+追加カスタマイズ料金

カスタマイズ事例:ゴールドメッキ・セルモダン・彫金/ベースモデル:各 51,700円(税込)+追加カスタマイズ料金

高品質で長く使え、自分好みにカスタマイズできるMIZ DIALOGUE。

「リム」「ブリッジ」「テンプル」「表面加工」の
バリエーションは、こちらに記載されています。

〈FUJI TEXTILE WEEK 2022〉 織物産地・山梨県富士吉田市で 行われる布の芸術祭

昨年開催の様子。〈FUJI TEXTILE WEEK 2021〉出展作品 西尾美也『裏地/裏富士』 撮影 吉田周平

1000年以上続く織物産地から発信する
「テキスタイルの未来」

東京から高速バスで1時間半の場所にある富士吉田市。
富士五湖観光地として多くの人が訪れるまちで、
富士山から流れ落ちる清涼な渓流の水の恵みによって、
1000年以上の織物産業の歴史が続く織物産地です。

こちらで昨年に引き続き、国内外アーティストによる
テキスタイルをテーマにしたアート展「織りと気配」と、
産地の歴史や現代のテキスタイルシーンを紐解く産地展「WARP & WEFT」
のふたつを組み合わせた布の芸術祭〈FUJI TEXTILE WEEK 2022〉が
11月23日(水)〜12月11日(日)に開催されます。

テキスタイルを中心とした地域の産業資源とクリエイティビティを混交し、
テキスタイルの創造・ 普及・活性・継承のために企画された同芸術祭。
2年目となる今年は、国外アーティスト9名を誘致し、
よりグローバルな視点でテキスタイルにフォーカス。

参考イメージ:YUIMA NAKAZATO『Behind the Design』

参考イメージ:YUIMA NAKAZATO『Behind the Design』

作品イメージ 安東陽子『Aether 2022』

作品イメージ 安東陽子『Aether 2022』

作品イメージ 落合陽一 『The Silk in Motion』

作品イメージ 落合陽一 『The Silk in Motion』

アート展示では、安東陽子、落合陽一、Sigrid Calon、高須賀活良、
HELENE LAUTH、村山悟郎、YUIMA NAKAZATOら、
現代アートやファッション、テキスタイルデザインなど
さまざまな背景をもったクリエイターが表現したテキスタイル作品や、
機屋との共同作業で作り出したユニークな作品を展示。
テキスタイルとアートの新しい美の世界が展開されます。

〈nendo〉が樂茶碗を再解釈。 ユニークなコラボレーション展が 佐川美術館で開催中!

樂茶碗の魅力を化学的に再解釈した5作品

〈佐川急便株式会社〉の創業40周年記念に建てられた、
琵琶湖のほとりにある美しき〈佐川美術館〉。

同館には、千利休の創意から生まれた陶芸・樂焼(らくやき)の茶碗師である
樂家の十五代樂吉左衞門・樂直入による展示室と茶室があります。

現在こちらで、佐藤オオキ氏を中心に設立され
デザインオフィス〈nendo(ネンド)〉と樂焼のコラボレーション展
「吉左衞門X nendo×十五代吉左衞門・樂直入」が開催中です。

樂吉左衞門館では、開館以来「吉左衞門X」というシリーズで、
アーティストや事象とのコラボレーションによって
約450年の歴史を持つ樂家の十五代樂吉左衞門作品の
新たな側面を解明するような展示を行ってきました。

第13回目となる今回は、樂茶碗の特徴である、
質感・内部空間・時間軸・素材特性の観点から、
直入が制作した樂茶碗にnendoがアプローチし、ビジュアルだけでなく、
その思想までも形にする斬新かつ挑戦的な取り組みとなっています。

展示されるのは、以下の5つの作品。

『chuwan』

『chuwan』

土の表情を最大限生かしたいという思いから、
人の手によって味わい深いフォルムが形成される樂茶碗。
その魅力を最大限伝えるべく考えられたのが茶碗を浮遊し、回転させた〈chuwan〉です。
この展示方法にすることで「手の痕跡」という、
茶碗のなかに流れる「時間」を感じられる展示となっています。

『jihada』

『jihada』

『jihada』

『jihada』

「日常性が感じられる空間」に茶碗が溶け込む
見せ方の可能性を探求したインスタレーション〈jihada〉。
5つの樂焼茶碗の表面を3Dスキャンし、オブジェに移植。
黒を基調とした小さな空間に樂焼の質感が浮かび上がります。

有田焼産地から発信する
〈アリタセラ / Arita Será〉の
魅力創出プロジェクト

地元からも観光客からも愛される場所へ

有田焼の産地として知られる佐賀県有田町にある〈アリタセラ/Arita Será〉は、
約2万坪の敷地に日用食器から業務用、美術工芸品まで、
多種多様な陶磁器の専門店が軒を連ねるエリアの総称だ。

かつては〈有田陶磁の里プラザ〉と呼ばれ、
集客に悩んでいた有田焼の商社が集まる卸団地が、
〈アリタセラ/Arita Será〉と改称したことをきっかけに、
今では、「心地よい場所」「また行きたい」と
SNSにもたびたび投稿されるまでに変化を遂げた。

愛される場所へと創生を促す、5年間の歩みを取材した。

陶磁器の専門店が軒を連ねる〈アリタセラ/Arita Será〉。

陶磁器の専門店が軒を連ねる〈アリタセラ/Arita Será〉。

有田焼創業400年事業から踏み出す一歩

毎年ゴールデンウィークに開催される〈有田陶器市〉には、
約120万人の観光客が訪れ賑わいをみせる佐賀県有田町。
しかしながら、それ以外の時期は驚くほど閑散としているのがまちの現状だ。

そんな有田町にとって、2016年は大きな節目となる年だった。

日本で最初の磁器である有田焼が誕生したとされる1616年から
400年を迎える2016年に向け、
佐賀県は〈有田焼創業400年事業〉を立ち上げ、
3か年をかけ17ものプロジェクトが推進されたのだ。

アリタセラ(旧・有田陶磁の里プラザ)も、
有田焼の販売を担ってきた拠点という位置づけから、さらなる産業基盤整備が求められ、
外部のクリエイターやシェフなど食と器文化に関わる専門家や、
広く観光客までを迎え入れられる滞在型の交流および情報発信を強化するべく、
敷地内の空き店舗を活用し、レストランを併設した宿泊施設を開業することが決まった。

そこで事業化推進とプロモーションの依頼を受けたのが、
有田焼創業400年事業の一環で招聘された、
クリエイティブディレクターの浜野貴晴さんだ。

クリエイティブディレクターの浜野貴晴さん(東京在住)。2014年から2017年まで有田に赴任して有田焼創業400年事業の任期を務めた。東京に戻ってからも毎月有田へ通い、産地支援を行なっている。(写真提供:有田ケーブル・ネットワーク「伝トーク!! 令和四年有田場所」)

クリエイティブディレクターの浜野貴晴さん(東京在住)。2014年から2017年まで有田に赴任して有田焼創業400年事業の任期を務めた。東京に戻ってからも毎月有田へ通い、産地支援を行なっている。(写真提供:有田ケーブル・ネットワーク「伝トーク!! 令和四年有田場所」)

魅力は自ら創り出す

事業主となる有田焼卸団地協同組合から、はじめに相談された内容は、
「何かSNSを使ったPRができないか?」というものだったという。

「SNSを使えば、来場者が勝手に発信してくれるのでは」という発想の組合幹部に、
浜野さんは問いかける。

「厳しいことを言うようですが、今、この場所に、
発信したくなるようなどんな魅力があると思いますか?」

組合事業なので、各店舗の運営に口を出すことはできないが、
当時はショーウィンドウや店先など管理の行き届かないケースも散見された。

さらにヒアリングを進めると、この場所に店を構えている組合員たちの悩みと、
ネガティヴな思いが見えてきたという。

「話を聞いていてびっくりしました。
『この場所をどのように活用していったらいいかわからない』
『〈有田陶磁の里プラザ〉という名称が好きではないので誰も使わない』
という声もあったのです」

当事者たる自分たちが悩み、不満を感じている場所で、
来場者が楽しめるはずがない。

「もっと魅力的な場所に、自分たちの手で変えていかなければ!」と
浜野さんの発案で立ち上げられたのが、
〈魅力創出プロジェクト〉だ。2017年10月のことである。

アウトドアシーンを盛り上げる! 三重県の伝統工芸品「萬古焼」を活用した 吊り鍋と水コンロ

300年以上の歴史を持つ無形文化財「萬古焼」

「萬古焼(ばんこやき)」とは、三重県四日市市に伝わる伝統的な焼き物。
1979年には国の伝統工芸品に指定され、同市の無形文化財にもなっています。

「萬古焼(ばんこやき)」とは、三重県四日市市に伝わる伝統的な焼き物。

今でも急須や火器、土鍋などに使われており、
特に土鍋においては、全国シェアの8割を占めるほど。
知らず知らずのうちに萬古焼を使っているという人も多いかもしれませんね。

そんな萬古焼は、葉長石(ペタライト)と呼ばれる素材を使うことで、
軽いうえに高い耐熱性があるのが特徴です。
その機能性がアウトドアシーンに活用できると考え、
〈株式会社ロゴスコーポレーション〉がオリジナルのコラボレーションアイテムを開発。
同社が展開するアウトドアブランド〈LOGOS〉で販売が開始されます。

〈LOGOS×萬古焼〉シリーズとして販売されたのは、
クラウドファンディングで316%の達成率を記録した〈卓上水コンロ〉と、
〈いろり吊り土鍋〉の2種類。

強度が高く、直火にも耐えられるすぐれた機能性で、
キャンプやBBQで大活躍すること間違いなし!
いずれも萬古焼の技術が活用され、製品の一部は職人の手作業によりつくられています。
温かみも感じられるような和風のデザインと、丸みのあるフォルムが美しく、
アウトドアシーンによく映えそうです。

〈zen to〉秋の新作! 〈COFFEE COUNTY〉森崇顕、 〈MERCI BAKE〉田代翔太監修の 波佐見焼コーヒーカップ

コーヒーの日に新発売

長崎県東彼杵郡波佐見町の
〈株式会社中善〉によるオリジナルブランド〈zen to〉から、
コーヒーカップが初登場です。

zen toではこれまで数々のデザイナーやアーティストの
監修によるカレー皿や酒器をリリースしてきました。

今回は「コーヒーの日」である10月1日に発売された、
福岡を代表するコーヒー店〈COFFE COUNTY〉代表の森崇顕さん、
東京・世田谷区の〈MERCI BAKE〉〈CHEZ RONA〉の
オーナーパティシエである田代翔太さん監修の
コーヒーカップをご紹介します。

〈株式会社中善〉による
オリジナルブランド〈zen to〉から、コーヒーカップが初登場

まずはCOFFE COUNTYの森さん監修の〈Café Futae〉から。

「“理想的なコーヒーカップ”。
このテーマをいただいたときに思い描いたのが、
コーヒーを手で包む、そんな姿でした。
そのためには手肌にコーヒーの温度がじんわりと伝わるようなものがいい。
試行錯誤を重ねて出来上がったのが、陶磁器でありながらダブルウォール、
取っ手なしのコーヒーカップです」(森さん)

Café Futae(フタエ)と名づけられた磁器製のカップ。

その特徴は、持っても熱くない
ダブルウォール(二重構造)になっているところ。

通常のカップと異なり生産まで制限が多い
ダブルウォール構造とのことですが、
長年培ったノウハウのある波佐見焼メーカーに
製造を依頼し実現したのだそう。

材質:磁器 / サイズ:飲み口直径 78・底直径 85×高さ85(mm) / 価格:2970円(税込)

材質:磁器 / サイズ:飲み口直径 78・底直径 85×高さ85(mm) / 価格:2970円(税込)

雰囲気のあるグレーカラーをベースにしたCafé Futae。

使用しているマットな釉薬は窯の気圧などによって個体差が出るため、
色合いや模様の表情がそれぞれに異なります。

雰囲気のあるグレーカラーをベースにしたCafé Futae

「藍を含んだようなグレーの静かな色味は
どこか曖昧でひとつひとつ違った表情を持ちます。
器のしっとりとした手触り、伝わる温度。
コーヒーをより近くに感じ、
冷めにくくゆったりと楽しんでいただけます」(森さん)

安定したフォルムと絶妙な色合い。

その佇まいには、固定概念に縛られない、
「わたしらしい時間を自由に楽しんでいいよ」という
どこか穏やかな意思が感じられるよう。

森 崇顕(もり たかあき):2013年単身ニカラグアへ。3カ月間コーヒー農園に滞在し、コーヒー作りを根本から学ぶ。同年COFFEE COUNTYをオープン。

森 崇顕(もり たかあき):2013年単身ニカラグアへ。3か月間コーヒー農園に滞在し、コーヒーづくりを根本から学ぶ。同年〈COFFEE COUNTY〉をオープン。生産者への支援も行うなど産地から一杯のコーヒーを飲むまでのプロセスが循環する店、〈COFFEE COUNTY〉代表。現在福岡県久留米市に本店焙煎所、福岡市内に2店舗を構える。

コーヒーの多面的な魅力を引き出すCOFFEE COUNTYと、
“多様な嗜好に応える、多彩な個性” をブランドコンセプトに掲げる
zen toの融合で、日常に寄り添うコーヒーカップが誕生しました。

〈燕三条 工場の祭典 2022〉 今年は現地にて開催! ものづくりの現場を見学・体験

82のKOUBAが参加

信濃川の度重なる洪水によって、
その周辺に住む人々が副業として和釘製造を始めたことで、
工業や商業のまちとして発展した新潟県・燕三条。

燕三条ののどかな風景。

燕三条ののどかな風景。

そんな、歴史ある燕三条の地の普段閉ざされている、
工場・耕場・購場というものづくりの現場=KOUBAを一斉に開放し、
見学・体験できるイベント〈燕三条 工場の祭典〉が
2022年10月7日(金)〜10月9日(日)の期間で今年も開催されます。

今年で10年目を迎えた同イベント。
ここ数年はコロナウイルス感染症のためオンラインをはじめ、
異なるスタイルで開催していましたが、
今年は「Beyond KOUBA!祭典から聖地へ脱皮する3日間」をテーマに、
現地で開催され、ものづくりの現場の見学・体験が可能です。

三条市に〈鍛冶ミュージアム〉誕生! 図書館等複合施設〈まちやま〉にできた ユニークなミュージアム

三条といえば、言わずと知れたものづくりのまち。
そしてその礎となっているのが「鍛冶」です。
鍛冶とは、金属を熱して打ち鍛え、刀や包丁、農具など、さまざまな道具をつくること。
その世界は奥深く、熟練の仕事によって生み出される品々は、まさに芸術品。

そんな三条の鍛冶の歴史や名工たちの仕事に触れられる〈鍛冶ミュージアム〉が、
図書館等複合施設〈まちやま〉内にオープンしたので、さっそく訪ねてみました。

鍛冶のイロハがわかるミュージアム

突然ですが、鉄と鋼(はがね)の違いを知っていますか? 
答えは、鉄に含まれる炭素量の違い。
炭素が少ないものを鉄(生鉄)、多いものを鋼といい、含有量が多いほど硬くなります。
職人は道具の特性に合わせて鉄や鋼を細かく使い分け、
抜群に使いやすい道具へと変貌させます。

意外と知らない鍛冶の世界。
そんな三条の鍛冶について気軽に触れられるミュージアムが誕生しました。
さまざまな資料や製品が展示されており、
道具が誕生するまでの背景を知ることができます。

〈鍛冶ミュージアム〉は図書スペースから一体となるようデザインされた開放的な空間。板を張らず、ダクトや配線を剥き出しにした天井や、コンクリートを前面に出した床など、鍛冶の工場(こうば)をイメージしてデザインされているそう。

〈鍛冶ミュージアム〉は図書スペースから一体となるようデザインされた開放的な空間。板を張らず、ダクトや配線を剥き出しにした天井や、コンクリートを前面に出した床など、鍛冶の工場(こうば)をイメージしてデザインされているそう。

鍛冶の歴史や原料などについての解説も。

鍛冶の歴史や原料などについての解説も。

「このミュージアムは鍛冶仕事の導入部的な役割を担っています。
ここで鍛冶の奥深さを知ってもらい、実際に製品を使いながら
その良さを実感してもらえたらと思っています」と話すのは、
学芸員でもある三条市生涯学習課の藤野哲寛さん。

たとえば、この美しい製品、何かわかりますか? 
工具のようですが、実は爪切り。喰切(くいきり)とよばれる、
釘や針金を切断するための伝統工具を発展させたものだそうです。

1926年に喰切の製造から始まった三条の〈諏訪田製作所〉が、
一貫した手作業にこだわってつくっているこの爪切りは、
無駄のない美しいデザインもさることながら、一度使ったら手放せない切れ味が特徴。
プロのネイリストや医療従事者にも愛用者が多いそうです。

このほかにも調理道具や木工道具、山林道具など、
世界に誇る三条の鍛治文化を間近で見ることができます。

5つの陶磁器と久留米絣が出合った…! 〈Calling BEAMS CRAFTS IN THE MAKING〉が 佐賀県の名宿にて開催

久留米絣、5つの陶磁器とファッションの共演

〈BEAMS〉のクリエイティブディレクター、佐藤幸子氏が、
福岡県の久留米絣と、佐賀県を代表する5つの陶磁器に
新たな価値を見出して構築したふたつのブランド、
〈CATHRI〉と〈HIZEN jewelry〉のポップアップイベントを、この秋、
佐賀を代表する温泉地、嬉野温泉の名宿〈和多屋別荘〉にて開催します。

彼女が両方の文化と出会い、刺激を受け、可能性を感じたことから始まった
プロジェクト〈Calling BEAMS CRAFTS IN THE MAKING〉。
2021年に京都、2022年には東京でもポップアップを開催。
今回、満を持しての九州上陸です。
伝統工芸とファッションの美しいコラボレーションを、その目でぜひ。

久留米絣を取り入れたリラクシングウエア〈CATHRI〉

Calling BEAMS CRAFTS IN THE MAKINGにて紹介される、
ふたつのブランドのうち、ひとつは福岡県久留米地方に伝わる
重要無形文化財・久留米絣。
今から220年前に、なんと13歳の少女が創製したという織物は、
その後、多くの人に愛され、1957年に国の重要無形文化財に選ばれました。

佐藤氏は、2018年にその久留米絣に出合い、
約1年後に自らのアイデアを提案し、CATHRI(カスリ)を誕生させます。

絣をファッションの視点でデザインに落とし込み、目指したのは、
「10代の女の子から90代のおばあちゃんまで、どんな人にも似合う服」。
ゆったりと着心地の良さそうなシルエットで仕上げられたワンピースやセットアップ、
その細部にあしらわれた久留米絣が存在感を輝かせます。

ドレス57200円

ドレス 57200円。

ドレス53900円

ドレス 53900円。

“木工のまち”大川に 森になる空間〈ARBOR〉が誕生

木を知りつくす企業が、地域に開いた「森」

福岡県大川市に、
「つくる人をつくる森」をコンセプトにした
新施設〈ARBOR(アーバー)〉が誕生しました。

大川市といえば九州の
一大家具産地として有名な「木工のまち」。

その大川市にルーツを持つ
〈クレアプランニング株式会社〉が、
同社の敷地内に公園のような機能をもつ広場と
アウトドアブランドのショップを併設した
新施設・ARBORを9月3日に開業、注目を集めています。

広々とした敷地に緑地が映える。

広々とした敷地に緑地が映える。

1973年に創業したクレアプランニング。
主に商業施設、店舗の企画、デザイン、設計、
施工、木工什器製造をワンストップで行い、
さまざまな業態の空間を
大川の木工技術と共につくり続けてきました。

木の魅力を知りつくしている企業が提案する
ARBORとは、どんな施設なのでしょう?

福岡在住の彫刻家・新庄良博さんによる作品(中央)。さまざまな木の素材を生かしたインテリアが出迎える。

福岡在住の彫刻家・新庄良博さんによる作品(中央)。さまざまな木の素材を生かしたインテリアが出迎える。

芝生の丘を越えてエントランスを潜ると、
頭上では木材を薄く切り出したモニュメントが風に揺れています。

建築デザインを手掛けたのは、〈Happenstance Collective〉。

施設全体を囲う建材やインテリアに木材をふんだんに使った仕様で、
作り手の木に対する熱量が伝わってきます。