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触って楽しむ伝統工芸品。
津軽塗グラス〈ゆいぬり〉シリーズ誕生

コロカルニュース

posted:2022.7.26   from:青森県弘前市  genre:ものづくり

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
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writer profile

Ayumi Otaki

大瀧 亜友美

おおたき・あゆみ●山形県出身。広告制作会社や出版会社での勤務経験を活かして、フリーライターへ転身。WEBや紙媒体で編集から取材、執筆まで幅広く行う。旅や料理、植物など心を豊かにしてくれるモノやコトが大好き。

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取材協力:株式会社クリーク・アンド・リバー社

300年以上の伝統を生かしながら新しい視点で

津軽塗製造・販売を行う〈株式会社たなか銘産〉が
津軽塗グラスの新シリーズ〈ゆいぬり〉を発売しました。

〈ゆいぬり〉は、
2020年12月に誕生した〈さわるツガルヌリ〉シリーズのプレミアム版。
その名の通り、津軽塗の伝統技法を指で感じて楽しめるグラスになっています。

「さわるツガルヌリ」シリーズのプレミアム版の「ゆいぬり」。その名の通り、津軽塗の伝統技法を指で感じて楽しめるグラス。

津軽塗は青森県津軽地方でつくられる伝統工芸品です。
漆を塗る作業と研ぎ出しを何度も重ねることで、美しく複雑な模様を生み出しています。
その伝統的な技法は300年以上にも渡って代々受け継がれてきました。

歴史の長い津軽塗ですが、
一方でデザインの自由度が高いという特長があるといいます。
1947年創業以来、伝統を守りつつも新しい色使いやデザインを追求するなど
柔軟なものづくりを大事にしてきた同社。4代目の田中寿紀さんは、
津軽塗の途中工程であらわれる漆の独特な手触りに着目しました。

「幼い頃からおもしろいと思っていたこの漆の感触を生かしたい」と
考えたのが商品開発のきっかけ。
あえて仕上げの工程を省くことで、その特徴を生かした新しいグラスができあがりました。
まさに「時代に合わせて変化させていくことこそ伝統」と考える、
同社ならではの視点で生まれた商品と言えるでしょう。

今回は、青森県「広域連携による知財ビギナー支援事業」を受け、
「さわるツガルヌリ」シリーズにさらに磨きをかけることができました。
田中さんは「津軽塗の魅力をより広く発信していきたいですし、
この取り組みによって津軽塗産業の存続や、
知的財産の保護を考えるきっかけになることを願っています」と話します。

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イメージを覆す、普段使いしやすい伝統工芸品

ゆいぬりはタンブラータイプとショットグラスタイプの2種類です。
いずれも独特の凹凸によって滑りにくく、実用性も兼ね備えています。

ゆいぬり タンブラー(360ml)各6600円

ゆいぬり タンブラー(360ml)各6600円

ゆいぬり ぐい吞(30ml)各5500円

ゆいぬり ぐい吞(30ml)各5500円

重厚感のある色合いや、高級な雰囲気をまとう漆器が多いなか、
ガラスに模様を施すことで、津軽塗とは思えない軽やかな雰囲気をまとっている点も魅力。
明るく爽やかなイメージで現代のインテリアにも合いやすいデザインになっています。

さらにガラス素地を生かしたひと工夫も。
透明な飲み物を注ぎ入れると、底の模様が万華鏡のように拡大して
より津軽塗の美しさが際立つようになっています。
色のある飲み物を入れれば、また違った表情を引き出せるのもユニークなところです。

気軽に使うことができる商品でありながら、
津軽塗の魅力を存分に堪能できるゆいぬり。
その名前の由来は、「職人の手技で人と人が結びつく製品をつくりたい」
「心のつながりの大切さを感じてもらいたい」という想いです。

普段使いしやすい津軽塗のグラスは自然と生活になじみ、
日々のコミュニケーションの場を豊かにしてくれるに違いありません。

information

株式会社たなか銘産

*価格はすべて税込です。

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