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posted:2022.7.19 from:京都府京都市 genre:ものづくり
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writer profile
Mayo Hayashi
林 真世
はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。
京都市に本社を置く仏壇・仏具メーカーの〈株式会社若林佛具製作所〉は、
2022年の新作盆飾りセット〈TOU〉と
盆提灯〈BONTOU Chochin〉、〈BONTOU Lantern〉を発表しました。
お盆は昔から家族が集まる行事のひとつ。
故人や祖先の霊が年に一度家に帰ってくるとされ、
祖霊を迎えて、感謝・供養する催しです。
コロナ禍の影響もあり、お盆の帰省を控えていた方も多いはず。
ゆっくりと家族とご先祖様との時間を過ごすための、
伝統に囚われないスタイリッシュな盆飾りや盆提灯をご紹介します。
お盆の飾りには、地域での特徴がありどれが正しいということはないものの、
主なものに盆提灯、精霊馬(しょうりょううま)、まこも、蓮の葉、水の子、お供物があるそうです。
TOUは、すぐに飾れるセットになっています。
TOUとは、訪う(=訪ねる・訪れる)に通じる日本の言葉です。
祖先や離れた家族が集う場所、
それは「訪ねる人」にとっても「迎える人」にとっても
大切な心の触れ合いであることから名づけられました。
デザイナーは、〈クリエイティブノルム〉の代表、清水慶太さん。
以前ご紹介した、
盆提灯〈AGASATO〉も清水さんが手掛けられています。
温もりを感じるシンプルなデザインが特徴のTOU。
お盆飾りの意味を知り、飾りつけを楽しみながら、
家族はもちろん他者を思いやる気持ちを育むことにつながってほしいという想いが込められ、
ひとつずつ丁寧に職人の手仕事でつくられています。
親や子、祖父母、孫たちや親戚とお盆の飾りつけを通して
一緒に楽しむことで、家族の縁や絆を深めるよい機会になることでしょう。
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新作の盆提灯はふたつのデザイン。
BONTOU Chochinは床置き円筒型の盆提灯です。
これまで盆提灯は、“初盆には白提灯、翌年からは花柄に”と
買い替えることが一般的となっていました。
しかし家族とのかけがえのない時間を灯す盆提灯は、
“長く使ってもらえるよいもの”を提供したいと、スタイルを選ばない普遍的なデザインに。
デザイナーは、北陸・金沢を拠点にする
デザイン事務所〈root design office〉を主宰する原嶋亮輔さん。
工芸職人や工業メーカーと協同し、
さまざまな素材や手法を組み合わせたデザイン、
インテリアなどのプロダクトを手がけられています。
BONTOU Lanternは、紙の入れ替えでスタイルを変化させて楽しむ盆提灯。
ワーロン和紙を巻き、リングで留めるという構造です。
そのため、ワーロン和紙を差し替えることで、簡単に雰囲気を変えることができます。
小型〜中型のお仏壇にも合わせやすいコンパクトなサイズなので、
卓上盆提灯としても、行灯(あんどん)のように床置きとしても素敵ですね。
天保元年、1830年に京都で創業した若林佛具製作所。
京都の職人と共に歩んできた歴史、そして高い工芸の技術を背景に、
現代のスタイルでも自然と伝統文化に馴染めて楽しめる、
“お盆のニュースタンダード”が生まれはじめています。
お盆という家族で過ごす大切な時間に、
今年、新たな光を添えてみてはいかがでしょう。
information
若林佛具製作所
Web:オンラインショップなごみ工房
*価格はすべて税込です。
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