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writer profile
Haruna Sato
佐藤春菜
さとう・はるな●北海道出身。国内外の旅行ガイドブックを編集する都内出版社での勤務を経て、2017年より夫の仕事で拠点を東北に移し、フリーランスに。編集・執筆・アテンドなどを行なう。暮らしを豊かにしてくれる、旅やものづくりについて勉強の日々です。
2022年7月から、〈秋田市文化創造館〉で
月1回の料理教室〈うましき台所帖〉が始まります。
教室で学ぶことができるのは、料理の手順やコツだけではなく、
秋田での暮らしの魅力。
講師が土地の風土や気候に向き合いながら身につけてきた
知恵や技術を、料理をつくりながら感じとっていきます。
月ごとに講師が変わり、テーマもさまざま。
第1回は、秋田に伝わる「寒天」の文化を学びます。
秋田県の一部の地域には、
一般的にイメージできるフルーツや牛乳のみならず、
サラダやシイタケ、卵など、
「なんでも寒天で固めてしまう」といわれるほどの寒天文化が根付いています。
講師は、寒天づくりを始めて60年以上という美郷町在住の照井律さん。
寒天料理のレパートリーは400種類にのぼるのだとか。
照井さんと寒天をつくりながら、秋田での暮らしや生きるヒントを学んでいきます。
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〈うましき台所帖〉の会期は、2023年3月までの全9回。
現在第3回までの講師が発表されています。
8月は潟上市で夫とともに〈ファームガーデンたそがれ〉を営む、
きくちみちるさん。
「保存加工」方法のひとつである「トマトケチャップ」のつくり方を教わり、
手を動かしながら、みちるさんが目指す「農的暮らし」について
お話をうかがいます。
9月の講師は、本企画のコーディネーターでもある矢吹史子さん。
実家が秋田市で豆腐屋を営んでいることもあり、
「秋田の豆腐文化」を残していきたいと、
大豆生産業者、加工業者、消費者をつなぐプロジェクト
〈豆腐百景〉を今年スタートさせました。
豆腐屋だからこそのおいしい食べ方を教わりながら
「10年後もつづくおいしい豆腐」について一緒に考えていきます。
「おいしい」「美しい」という意味をもつ「うましき」。
秋田で生まれ育った矢吹さんは、
「少子高齢化が叫ばれ、
秋田という土地に劣等感や不安感を抱えることも少なくなかった」と言いますが、
「でも、私はこの土地の『うましき』食文化を通じて、
誇りやアイデンティティをもつことができたように感じます。
それを教えてくれたのは、有名な料理人や専門家ではなく、
秋田でふつうに暮らす人々でした」と話します。
秋田で暮らす人も、違う土地で暮らす人も、
料理やおしゃべりを通じて「うましき」生き方に触れることができる機会。
その魅力や暮らしのヒントを学びに参加してみてはいかがでしょうか。
information
うましき台所帖
第1回:思いを寒天に流して。照井律さんとつくる寒天料理
日時:7月24日(日)午前の部 10:00〜12:30 午後の部 14:00〜16:30
第2回:夏を保存する。きくちみちるさんとつくるトマトケチャップ
日時:8月21日(日) 午前の部 10:00〜12:30 午後の部 14:00〜16:30
第3回:「秋田の豆腐」をつなぐ。矢吹史子さんとさがす豆腐の楽しみ方
日時:9月24日(土) 午前の部 10:00〜12:30 午後の部 14:00〜16:30
場所:秋田市文化創造館 1Fコミュニティスペース (秋田県秋田市千秋明徳町3-16)
定員:各回15名(要予約)
参加費:各回3,500円
Web:うましき台所帖(第1回~3回)
*価格はすべて税込です。
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