身近すぎて見過ごしてきた資源、暮らしと結びついた技を見直そう
「木はそる
あばれる 狂う
いきているから
だから 好き」
これは、日本の工業デザイナーの草分け的存在である
秋岡芳夫さん(1920~1997)の言葉。
秋岡さんは、“暮らしのためのデザイン”をテーマに、
日本各地で手仕事やクラフト産業の育成のため尽力した人だ。
北海道常呂郡置戸町(おけとちょう)には、そんな秋岡さんが収集した暮らしの道具、
通称〈秋岡コレクション〉が収蔵されている。
秋岡さんの出身は熊本県。なのになぜ、置戸町へ?
それは、秋岡さんにとって置戸町が思い出深いまちだからだ。

昭和63年に開設された森林工芸館。オケクラフトの直売店舗と工房を持つ。
置戸町は、北海道東部、オホーツク海に注ぐ常呂川の最上流部に位置する山あいのまち。
その中心部から少し外れたところに、〈オケクラフトセンター森林工芸館〉はある。
ここでは、町内20の工房で製作された
さまざまなオケクラフト製品が展示販売されている。
〈オケクラフト〉とは、置戸町で学んだつくり手が、
北海道産材を使い、置戸町で製作する木製品のこと。
秋岡さんと町民たちの手によって開発された地域ブランドだ。
館長の五十嵐勝昭さんに、オケクラフトが生まれた背景を教えてもらった。

五十嵐館長のお気に入りはサラダボウル。シチューを入れたり、お菓子を入れたり、多様な使い方ができる。
「置戸町は古くから図書館や公民館を中心とした社会教育活動が盛んで、
町民の学習意欲が高いまちでした。
1980年、社会教育計画の重点目標の第一に
“地場資源の付加価値を高める生産教育の推進”が定められると、
図書館に木に関する本が置かれたり、公民館で木工教室が開催されたりと、
住民の木工熱が高まっていきます。
なんといっても、土地面積の8割以上が山林で、林業のまちでもありましたから」

ガッポ(空洞木)を使ったユニークな遊具づくりも行った。(写真提供:オケクラフトセンター森林工芸館)











































































